JP2007212960A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示が明るく、高コントラストであり、視野角依存性の少ない液晶表示装置を提供することを目的とし、特に透過モード時に、表示が明るく、高コントラストであり、視野角依存性の少ない半透過反射型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】バックライト側から順に、偏光板、特定の位相差値を有する第1の光学異方性層、特定の位相差値を有するネマチックハイブリッド配向構造を固定化した液晶フィルムからなる第2の光学異方性層、互いに対向配置された上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶セル、面内の位相差値(Re)、厚さ方向の位相差値(Rth)およびRth/Reが特定値である第3の光学異方性層、前記第1の光学異方性層および偏光板から少なくとも構成される液晶表示装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどのOA機器や、電子手帳、携帯電話等の携帯情報機器、あるいは、液晶モニターを備えたカメラ一体型VTR等に用いられる液晶表示装置、あるいは反射型と透過型とを兼ね備えた半透過反射型液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は透過モードで画像の表示が可能な透過型、反射モードで画像の表示が可能な反射型、透過モード、反射モードの双方で画像の表示が可能な半透過反射型の3種に大別され、その薄型軽量などの特徴からノートパソコン、テレビなどの表示装置として広く普及している。特に半透過反射型液晶表示装置は反射型と透過型を兼ね備えた表示方式が採用され、周囲の明るさに応じて、いずれかの表示方式に切り替えることにより、消費電力を低減しつつ、明所でも、暗所でも明瞭な表示を行うことができるので、種々の携帯電子機器などに多用されている。
ところで、透過型、反射型および半透過反射型液晶表示装置は特に透過モードにおいて、液晶分子の持つ屈折率異方性のために斜めから見た時に表示コントラストが低下する、表示色が変化する、あるいは階調が反転するなどの視野角の問題が避けられずその改善が望まれている。
この問題を解決させる方法として、従来、TNモード(液晶層のねじれ角90度)を用いた透過型液晶表示装置では、光学補償フィルムを液晶セルと上下偏光板の間に配置する提案がなされ、実用化されている。
例えば、ディスコチック液晶をハイブリッド配向させた光学補償フィルムを液晶セルと上下偏光板の間に配置した構成、また液晶性高分子をネマチックハイブリッド配向させた光学補償フィルムを液晶セルと上下偏光板の間に配置した構成などが挙げられる(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
また半透過反射型液晶表示装置においては、透過モードにおいて、表示原理的に1枚または複数枚の1軸性位相差フィルムと偏光板からなる円偏光板を、液晶セルの上下に配置させる必要がある。
この半透過反射型液晶表示装置の透過モードの視野角拡大には液晶セルとバックライトの間に配置された円偏光板にネマチックハイブリッド配向させた光学補償フィルムを用いる方法(特許文献4、特許文献5参照)が提案され、実用化されている。
しかしながら、上記の方法を用いても、斜めから見た時に表示コントラストが低下する、表示色が変化する、あるいは階調が反転するなどの視野角の問題は十分に解決されたとはいい難い。特に半透過反射型液晶表示装置においては、上記したように原理的に1枚または複数枚の延伸フィルムと偏光板からなる円偏光板を用いるため、視野角のさらなる改善が求められている。
特許第2640083号公報 特開平11−194325号公報 特開平11−194371号公報 特開2002−31717号公報 特開2004−157454号公報
上記の問題点に鑑みて、本発明は、表示が明るく、高コントラストであり、視野角依存性の少ない液晶表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、特に液晶セルに部分的に反射層を設けることにより、透過モード時に、表示が明るく、高コントラストであり、視野角依存性の少ない半透過反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明の第1は、バックライト側から順に、偏光板、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第2の光学異方性層、互いに対向配置された上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶セル、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第3の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層および偏光板から少なくとも構成される液晶表示装置であって、第2の光学異方性層が、ネマチックハイブリッド配向構造を固定化した液晶フィルムから少なくとも構成されており、第3の光学異方性層が、以下の式[1]〜[3]を満たすことを特徴とする液晶表示装置、に関する。
[1]50≦Re≦140
[2]−250≦Rth≦−50
[3]−3<Rth/Re<−0.5
(ここで、Reは前記第3の光学異方性層の面内の位相差値を意味し、Rthは前記第3の光学異方性層の厚さ方向の位相差値を意味する。前記Re及びRthは、それぞれRe=(Nx−Ny)×d[nm]、Rth={Nz−(Nx+Ny)/2}×d[nm]である。また、dは前記第3の光学異方性層の厚さ(nm)、Nx,Nyは前記第3の光学異方性層の面内の主屈折率、Nzは厚さ方向の主屈折率であり、Nx>Ny>Nzである。)
本発明の第2は、バックライト側から順に、偏光板、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第3の光学異方性層、互いに対向配置された上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶セル、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第2の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層および偏光板から少なくとも構成される液晶表示装置であって、第2の光学異方性層が、ネマチックハイブリッド配向構造を固定化した液晶フィルムから少なくとも構成されており、第3の光学異方性層が、以下の式[1]〜[3]を満たすことを特徴とする液晶表示装置、に関する。
[1]50≦Re≦140
[2]−250≦Rth≦−50
[3]−3<Rth/Re<−0.5
(ここで、Reは前記第3の光学異方性層の面内の位相差値を意味し、Rthは前記第3の光学異方性層の厚さ方向の位相差値を意味する。前記Re及びRthは、それぞれRe=(Nx−Ny)×d[nm]、Rth={Nz−(Nx+Ny)/2}×d[nm]である。また、dは前記第3の光学異方性層の厚さ(nm)、Nx,Nyは前記第3の光学異方性層の面内の主屈折率、Nzは厚さ方向の主屈折率であり、Nx>Ny>Nzである。)
本発明の第3は、前記液晶層はツイステッドネマチックモードが用いられていることを特徴とする本発明の第1または第2に記載の液晶表示装置、に関する。
本発明の第4は、前記液晶層は平行配向かつねじれ角が0度であることを特徴とする本発明の第1または第2に記載の液晶表示装置、に関する。
本発明の第5は、前記第1及び第3の光学異方性層が、高分子延伸フィルムであることを特徴とする本発明の第1または第2に記載の液晶表示装置、に関する。
本発明の第6は、前記第2の光学異方性層の液晶フィルムのハイブリッド方向を基板平面に投影したチルト方向と前記液晶層のラビング方向との角度が±30度以内の範囲にあることを特徴とする本発明の第1または第2に記載の液晶表示装置、に関する。
本発明の第7は、前記第2の光学異方性層の液晶フィルムが、光学的に正の一軸性を示す液晶物質からなり、当該液晶物質が液晶状態において形成したネマチックハイブリッド配向を固定化した液晶フィルムであり、当該ネマチックハイブリッド配向における平均チルト角が36〜45度の液晶フィルムであることを特徴とする本発明の第1または第2に記載の液晶表示装置、に関する。
本発明の第8は、前記液晶セルの前記下基板が、反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とが形成された半透過反射性電極を有することを特徴とする本発明の第1または第2に記載の液晶表示装置、に関する。
本発明の第9は、前記液晶セルが反射機能を有する領域の前記液晶層の層厚を、透過機能を有する領域の前記液晶層の層厚よりも小さいことを特徴とする本発明の第8に記載の液晶表示装置、に関する。
本発明の液晶表示装置は、表示が明るく、正面コントラストが高く、視野角依存性の少ない特徴を有している。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液晶表示装置は、下記(A)または(B)の2通りの構成があり、必要に応じて光拡散層、光制御フィルム、導光板、プリズムシート等の部材等を追加することに特に制限は無い。視野角依存性の少ない光学特性を得ると言う点では、(A)または(B)いずれの構成を用いても構わない。
(A)偏光板/第1の光学異方性層/第3の光学異方性層/液晶セル/第2の光学異方性層/第1の光学異方性層/偏光板/バックライト
(B)偏光板/第1の光学異方性層/第2の光学異方性層/液晶セル/第3の光学異方性層/第1の光学異方性層/偏光板/バックライト
以下本発明に用いられる構成部材について順に説明する。
まず、本発明に用いられる液晶セルについて説明する。
液晶セルの方式としては、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、IPS(In-Plane Switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)方式、ハーフトーングレイスケール方式、ドメイン分割方式、あるいは強誘電性液晶、反強誘電性液晶を利用した表示方式等の各種の方式が挙げられる。前記液晶セルの方式としては、液晶分子がホモジニアス配向したECB(electrically controlled birefringence)を利用した表示方式が好ましい。TN方式、STN方式等を利用した場合、透過表示部の液晶層厚を厚く設定し、反射表示部の液晶層厚を薄く設定する時に、両領域の液晶層厚差を大きくしていくと両領域の境界で液晶分子の配向欠陥が発生するなどして製造上の問題点が発生しやすいためである。
また、液晶セルの駆動方式も特に制限はなく、STN−LCD等に用いられるパッシブマトリクス方式、並びにTFT(Thin Film Transistor)電極、TFD(Thin Film Diode)電極等の能動電極を用いるアクティブマトリクス方式、プラズマアドレス方式等のいずれの駆動方式であっても良い。
液晶セルは、互いに対向配置された2つの透明基板(観察者側を上基板、バックライト側を下基板という。)との間に液晶層が挟持された構成から成る。
前記液晶層を形成する液晶性を示す材料としては、特に制限されず、各種の液晶セルを構成し得る通常の各種低分子液晶物質、高分子液晶物質およびこれらの混合物が挙げられる。また、これらに液晶性を損なわない範囲で色素やカイラル剤、非液晶性物質等を添加することもできる。前記液晶セルは、前記電極基板および液晶層の他に、後述する各種の方式の液晶セルとするのに必要な各種の構成要素を備えていても良い。
液晶セルを構成する透明基板としては、液晶層を構成する液晶性を示す材料を特定の配向方向に配向させるものであれば特に制限はない。具体的には、基板自体が液晶を配向させる性質を有している透明基板、基板自体は配向能に欠けるが、液晶を配向させる性質を有する配向膜等をこれに設けた透明基板等がいずれも使用できる。また、液晶セルの電極は、ITO等の公知のものが使用できる。電極は通常、液晶層が接する透明基板の面上に設けることができ、配向膜を有する基板を使用する場合は、基板と配向膜との間に設けることができる。
本発明の液晶表示装置では、バックライトを利用した透過型液晶表示装置であるが、前記液晶セルの前記下基板に、反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とが形成された半透過反射性電極を設置することで反射モードと透過モード両方の使用が可能な半透過反射型液晶表示装置を得ることもできる。
半透過反射性電極に含まれる反射機能を有する領域(以下、反射層ともいう。)としては、特に制限されず、アルミニウム、銀、金、クロム、白金等の金属やそれらを含む合金、酸化マグネシウム等の酸化物、誘電体の多層膜、選択反射を示す液晶又は、これらの組み合わせ等を例示することができる。これら反射層は平面であっても良く、また曲面であっても良い。さらに反射層は、凹凸形状など表面形状に加工を施して拡散反射性を持たせたもの、液晶セルの観察者側と反対側の該電極基板上の電極を兼備させたもの、またそれらを組み合わせたものであっても良い。
該液晶セルは反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とが形成された半透過反射層を含むが、反射機能を有する領域が反射表示を行なう反射表示部となり、透過機能を有する領域が透過表示を行なう透過表示部となる。
該液晶セルの反射表示部の液晶層厚は透過表示部の液晶層厚よりも小さくした方が好ましい。この理由を以下に説明する。
まず、液晶層厚を反射表示に適した層厚に設定した場合の透過表示部における透過表示について説明する。反射表示に適した液晶層の設定を行なった場合における液晶層の電界等の外場による配向変化に伴う偏光状態の変化の量は、観察者側から液晶層を通って入射した光が反射層で反射され再び液晶層を通って観察者側に出射することにより液晶層を往復して十分なコントラスト比が得られる程度である。しかしながら、この設定においては、透過表示部では、液晶層を通過した光の偏光状態の変化量が不十分である。このため、反射表示に用いる液晶セルの観察者側に設置した偏光板に加え、透過表示のみに使用する偏光板を観察者側から見て液晶セルの背面に設置しても、透過表示部では十分な表示は得られない。つまり、液晶層の配向条件を反射表示部に適した液晶層の配向条件に設定した場合、透過表示部では、明度が不足するか、あるいは、明度が十分にあっても、暗表示の透過率が低下せず、表示に十分なコントラスト比が得られない。
さらに詳細に説明すると、反射表示を行なう場合、液晶層を1度だけ通過する光に対して概ね1/4波長の位相差が付与されるように、印加される電圧によって上記液晶層内の液晶の配向状態が制御されている。このように反射表示に適した液晶層厚、つまり1/4波長の位相変調を与える電圧変調を行なって透過表示を行なうと、透過表示部が暗表示のときの透過率を十分に低下させる場合には、透過表示部が明表示の時には光の出射側の偏光板で約半分の光度の光が吸収され、十分な明表示が得られない。また、透過表示部が明表示のときの明度を増すために偏光板、位相差補償板等の光学素子の配置を行なうと、透過表示部が暗表示のときの明度は、明表示時の明度の約1/2の明度となり、表示のコントラスト比が不十分となる。
逆に、透過表示に適した条件に液晶層厚を設定するには、液晶層を透過する光に対して1/2波長の位相差が付与されるように上記液晶層に電圧変調する必要がある。したがって、反射光と透過光とを共に高解像度かつ視認性に優れた表示に利用するには、反射表示部の液晶層厚は、透過表示部の液晶層厚よりも小さくすることが必要となる。理想的には、反射表示部の液晶層厚は、透過表示部の液晶層厚の約1/2であることが好ましい。
液晶セルの位相差値は、透過表示部では200nm〜400nmが好ましく、さらに好ましくは250nm〜350nmである。また、反射表示部では100nm〜200nmが好ましく、さらに好ましくは120nm〜180nmである。透過表示部、反射表示部とも、この範囲を外れた場合、不必要な着色や明るさの低下を招き好ましくない。
本発明に用いられる偏光板は、本発明の目的が達成し得るものであれば特に制限されず、液晶表示装置に用いられる通常のものを適宜使用することができる。具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)や部分アセタール化PVAのようなPVA系やエチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物等からなる親水性高分子フィルムに、ヨウ素および/または2色性色素を吸着して延伸した偏光フィルム、ポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物のようなポリエン配向フィルムなどからなる偏光フィルムを使用することができる。また、反射型の偏光フィルムも使用することができる。
該偏光板は、偏光フィルム単独で使用しても良いし、強度向上、耐湿性向上、耐熱性の向上等の目的で偏光フィルムの片面または両面に透明保護層等を設けたものであっても良い。透明保護層としては、ポリエステルやトリアセチルセルロース等の透明プラスチックフィルムを直接または接着層を介して積層したもの、透明樹脂の塗布層、アクリル系やエポキシ系等の光硬化型樹脂層などが挙げられる。これら透明保護層を偏光フィルムの両面に被覆する場合、両側に異なる保護層を設けても良い。
本発明に用いられる第1の光学異方性層としては、透明性と均一性に優れたものであれば特に制限されないが、高分子延伸フィルムや、液晶からなる光学補償フィルムが好ましく使用できる。高分子延伸フィルムとしては、セルロース系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルフォン系、ポリアクリル系、ポリエーテルスルフォン系、環状オレフィン系高分子等からなる1軸又は2軸位相差フィルムを例示することができる。ここに例示した第1及び第3の光学異方性層は、高分子延伸フィルムのみで構成されても良いし、液晶からなる光学補償フィルムのみで構成されても良いし、高分子延伸フィルムと液晶からなる光学補償フィルムの両方を併用することもできる。中でも環状オレフィン系高分子がコスト面およびフィルムの均一性が高く、複屈折波長分散特性が小さいことにより画質の色変調が抑えられる点等で好ましい。また、液晶からなる光学補償フィルムとしては、主鎖型および/または側鎖型の液晶性を示す各種液晶性高分子、例えば、液晶性ポリエステル、液晶性ポリカーボネート、液晶性ポリアクリレート等や配向後架橋等により高分子量化できる反応性を有する低分子量の液晶等から得られる光学補償フィルムを挙げることができ、これらは自立性のある単独フィルムでも透明支持基板上に形成されたものでもよい。
本発明において、第1の光学異方性層の波長550nmにおける位相差値は、210〜300nmに調整する。前記位相差値は、250〜275nmであることがさらに好ましい。
本発明に用いられる第2の光学異方性層は、光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子、具体的には光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子化合物または少なくとも1種の該液晶性高分子化合物を含有する光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子組成物から成り、該液晶性高分子化合物または該液晶性高分子組成物が液晶状態において形成した平均チルト角が5〜45度のネマチックハイブリッド配向構造を固定化した液晶フィルムを少なくとも含む層である。
ここで、本発明で言うネマチックハイブリッド配向とは、液晶分子がネマチック配向しており、このときの液晶分子のダイレクターとフィルム平面のなす角がフィルム上面と下面とで異なった配向形態を言う。したがって、上面界面近傍と下面界面近傍とで該ダイレクターとフィルム平面との成す角度が異なっていることから、該フィルムの上面と下面との間では該角度が連続的に変化しているものといえる。
またネマチックハイブリッド配向状態を固定化したフィルムは、液晶分子のダイレクターがフィルムの膜厚方向のすべての場所において異なる角度を向いている。したがって当該フィルムは、フィルムという構造体として見た場合、もはや光軸は存在しない。
また本発明でいう平均チルト角とは、液晶フィルムの膜厚方向における液晶分子のダイレクターとフィルム平面との成す角度の平均値を意味するものである。本発明に供される液晶フィルムは、フィルムの一方の界面付近ではダイレクターとフィルム平面との成す角度が、絶対値として通常20〜90度、好ましくは40〜85度、さらに好ましくは70〜80度の角度をなしており、当該面の反対においては、絶対値として通常0〜20度、好ましくは0〜10度の角度を成しており、その平均チルト角は、絶対値として通常5〜45度、好ましくは20〜45度、さらに好ましくは25〜43度、最も好ましくは36〜40度である。平均チルト角が上記範囲から外れた場合、斜め方向から見た場合のコントラストの低下等の恐れがあり望ましくない。なお平均チルト角は、クリスタルローテーション法を応用して求めることができる。
本発明に用いられる第2の光学異方性層を構成する液晶フィルムは、上記のようなネマチックハイブリッド配向状態が固定化され、かつ特定の平均チルト角を有するものであれば、如何様な液晶から形成されたものであっても構わない。例えば低分子液晶を液晶状態においてネマチックハイブリッド配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる液晶フィルムや、高分子液晶を液晶状態においてネマチックハイブリッド配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる液晶フィルムを用いることができる。なお本発明でいう液晶フィルムとは、フィルム自体が液晶性を呈するか否かを問うものではなく、低分子液晶、高分子液晶などの液晶物質をフィルム化することによって得られるものを意味する。
また液晶フィルムが、液晶表示装置に対してより好適な視野角改良効果を発現するための該フィルムの膜厚は、対象とする液晶表示素子の方式や種々の光学パラメーターに依存するので一概には言えないが、通常0.2μm〜10μm、好ましくは0.3μm〜5μm、特に好ましくは0.5μm〜2μmの範囲である。膜厚が0.2μm未満の時は、十分な補償効果が得られない恐れがある。また膜厚が10μmを越えるとディスプレーの表示が不必要に色づく恐れがある。
また液晶フィルムの法線方向から見た場合の面内の見かけの位相差値としては、ネマチックハイブリッド配向したフィルムでは、ダイレクターに平行な方向の屈折率(以下neと呼ぶ)と垂直な方向の屈折率(以下noと呼ぶ)が異なっているおり、neからnoを引いた値を見かけ上の複屈折率とした場合、見かけ上の位相差値は見かけ上の複屈折率と絶対膜厚との積で与えられるとする。この位相差値は、エリプソメトリー等の偏光光学測定により容易に求めることができる。液晶フィルムの位相差値は、波長550nmにの単色光に対して、通常10nm〜400nm、好ましくは30nm〜200nm、特に好ましくは50nm〜140nmの範囲である。位相差値が10nm未満の時は、十分な視野角拡大効果が得られない恐れがある。また、400nmより大きい場合は、斜めから見たときに液晶表示装置に不必要な色付きが生じる恐れがある。
本発明の液晶表示装置における光学異方性層の具体的な配置条件について説明するが、より具体的な配置条件を説明するにあたり、図1〜3を用いて液晶フィルムからなる光学異方性層の上下、該光学異方性層のチルト方向および液晶セル層のプレチルト方向をそれぞれ以下に定義する。
まず液晶フィルムからなる光学異方性層の上下を、該光学異方性層を構成する液晶フィルムのフィルム界面近傍における液晶分子ダイレクターとフィルム平面との成す角度によってそれぞれ定義すると、液晶分子のダイレクターとフィルム平面との成す角度が鋭角側で20〜90度の角度を成している面をb面とし、該角度が鋭角側で0〜20度の角度を成している面をc面とする。
この光学異方素子のb面から液晶フィルム層を通してc面を見た場合、液晶分子ダイレクターとダイレクターのc面への投影成分が成す角度が鋭角となる方向で、かつ投影成分と平行な方向を光学異方素子のチルト方向と定義する(図1及び図2)。
次いで通常、液晶セル層のセル界面では、駆動用低分子液晶はセル界面に対して平行ではなくある角度もって傾いており一般にこの角度をプレチルト角と言うが、セル界面の液晶分子のダイレクターとダイレクターの界面への投影成分とがなす角度が鋭角である方向で、かつダイレクターの投影成分と平行な方向を液晶セル層のプレチルト方向と定義する(図3)。
本発明に用いられる第3の光学異方性層は、屈折率異方性が負であり、即ち、Nx>Ny>Nz(記号の意味は後述)を満たす。また、第3の光学異方性層は、下記式[1]で表されるRe(面内方向の位相差値)が、50〜140nmであるのが好ましく、70〜120nmであるのがより好ましい。
また、第3の光学異方性層は、下記式[2]で表されるRth(厚み方向の位相差値)が、−250〜−50nmであるのが好ましく、−200〜−80nmであるのがより好ましい。
また、第3の光学異方性層は、下記式[3]で表されるRth/Re値(厚み方向の位相差値と面内の位相差値の比)が、−3より大きく−0.5より小さいほうがが好ましく、−2から−1の範囲にある方がより好ましい。
[1] Re=(Nx−Ny)×d
[2] Rth={Nz−(Nx+Ny)/2}×d
[3] Rth/Re
上記式中、NxおよびNyは光学異方性層の面内の主屈折率であり、Nzは厚さ方向の主屈折率であり、dは光学異方性層の厚み(nm)である。
本発明において、第3の光学異方性層は、前記の関係を満足するものであれば、単層から形成されていてもよく、多層から形成されていてもよい。第3の光学異方性層は、光学異方性を発現させたポリマーフィルムであってもよいし、液晶性分子を配向させることによって光学異方性を発現させたものであってもよい。第3の光学異方性層がポリマーフィルムである場合、該ポリマーフィルムの材料としては、ノルボルネン系重合体、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエーテルケトン、変性ポリカーボネートなどが挙げられるが、これらの材料以外にも、負の光学異方性を発現するときのポリマー分子鎖の配向状態が、前記材料と同様な分子鎖の配向状態を取れるものであれば、ポリマーフィルムの材料は前記材料に限定されない。中でも、ノルボルネン系重合体からなるポリマーフィルムが好ましい。また、ポリマーフィルムを2軸延伸することより所望のRthを発現させてもよく、ノルボルネン系重合体を2軸延伸する技術としては、特開2005−43740号公報に記載されている。また、添加剤をポリマーに加えてRthを調整してもよく、トリアセチルセルロースのRthを調整する技術としては、特開2000−111914号公報、特開2001−166144号公報に記載されている。
前記第1、第2、第3の光学異方性層は、それぞれ接着剤層あるいは粘着剤層を介して互いに貼り合わせることにより作製することができる。
接着剤層を形成する接着剤としては、光学異方性層に対して十分な接着力を有し、かつ光学異方性層の光学的特性を損なわないものであれば、特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂系、メタクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系、ポリビニルエーテル系およびこれらの混合物系や、熱硬化型および/または光硬化型、電子線硬化型等の各種反応性のものを挙げることができる。これらの接着剤は、光学異方性質層を保護する透明保護層の機能を兼ね備えたものも含まれる。
粘着剤層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
粘着剤層の形成は、適宜な方式で行うことができる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で前記の光学異方性層上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着剤層を形成してそれを前記の光学異方性層上に移着する方式などがあげられる。また、粘着剤層には、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などであってもよい。
なお、光学異方性層間を接着剤層あるいは粘着剤層を介して、互いに貼り合せる際には、光学異方性層表面を表面処理して接着剤層あるいは粘着剤層との密着性を向上することができる。表面処理の手段は、特に制限されないが、前記の光学異方性層表面の透明性を維持できるコロナ放電処理、スパッタ処理、低圧UV照射、プラズマ処理などの表面処理法を好適に採用できる。これら表面処理法のなかでもコロナ放電処理が良好である。
次に、上記部材から構成される本発明の液晶表示装置の構成について説明する。
本発明の液晶表示装置の構成は、図4、図7に示すような以下の2通りから選ばれることを必須とする。
(A)偏光板/第1の光学異方性層/第3の光学異方性層/液晶セル/第2の光学異方性層/第1の光学異方性層/偏光板/バックライト
(B)偏光板/第1の光学異方性層/第2の光学異方性層/液晶セル/第3の光学異方性層/第1の光学異方性層/偏光板/バックライト
液晶セル内の液晶層のプレチルト方向とネマチックハイブリッド配向構造を固定化した液晶フィルムからなる第2の光学異方性層のチルト方向のなす角度は0度から30度の範囲が好ましく、より好ましくは0度から20度の範囲であり、特に好ましくは0度から10度の範囲である。両者のなす角度が30度以上の場合十分な視野角補償効果が得られない恐れがある。
また、第1の光学異方性層の遅相軸と第2の光学異方性層のチルト方向のなす角度は50度以上80度未満であることが好ましい。さらに好ましくは55度以上75度未満である。80度以上の場合、または55度より小さい場合には、正面コントラストの低下を招く可能性があり好ましくない。
また、第1の光学異方性層の遅相軸と第3の光学異方性層の遅相軸のなす角度についても同様に、当該角度が50度以上80度未満であることが好ましい。さらに好ましくは55度以上75度未満である。80度以上の場合、または55度より小さい場合には、正面コントラストの低下を招く可能性があり好ましくない。
前記光拡散層、バックライト、光制御フィルム、導光板、プリズムシートとしては、特に制限されず公知のものを使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、前記した構成部材以外にも他の構成部材を付設することができる。例えば、カラーフィルターを本発明の液晶表示装置に付設することにより、色純度の高いマルチカラー又はフルカラー表示を行うことができるカラー液晶表示装置を作製することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例における位相差値(Δnd)は特に断りのない限り波長550nmにおける値とする。
正面及び斜め方向の位相差値は、自動複屈折計(王子計測機器社製、KOBRA12−ADH)を用いて測定した。面内の位相差値(Re)、厚さ方向の位相差値(Rth)及びチルト角の決定は、特開平10−332933号公報に従って決定した。
(実施例1)
実施例1の液晶表示装置の概念図については図4を用いて、実施例1の軸構成については図5を用いて説明する。
基板1にITO等の透過率の高い材料で形成された透明電極3が設けられ、基板2にITO等の透過率の高い材料で形成された対向電極4が設けられ、透明電極3と対向電極4との間に正の誘電率異方性を示す液晶材料からなる液晶層5が挟持されている。基板2の対向電極4が形成された側の反対面に第3の光学異方性層9、第1の光学異方性層10及び偏光板7が設けられており、基板1の透明電極3が形成された面の反対側に第2の光学異方性層11、第1の光学異方性層12及び偏光板8が設けられている。偏光板8の背面側にはバックライト13が設けられている。
特開平6−347742号公報に従って、膜厚方向の平均チルト角が37度のネマチックハイブリッド配向が固定化された膜厚0.76μmの液晶フィルムからなる第2の光学異方性層11を作製した。
また、特開2005−43740号に従って、Re値110nm、Rth値−110nm、Rth/Re値−1.0である、ノルボルネン系重合体フィルムからなる2軸延伸した高分子延伸フィルムである第3の光学異方性層9を作製し、図5に示したような配置で液晶表示装置を作製した。
使用した液晶セル6は、液晶材料としてZLI−1695(Merck社製)を用い、液晶層厚は4.9μmとした。液晶層の基板両界面のプレチルト角は2度であり、液晶セルのΔndは略320nmであった。
液晶セル6の観察者側(図の上側)に偏光板7(厚み約100μm;住友化学(株)製SQW−062)を配置し、偏光板7と液晶セル6との間に、第1の光学異方性層10として、一軸延伸したノルボルネン系重合体フィルムからなる高分子延伸フィルム10及び、第3の光学異方性層9として、ノルボルネン系重合体フィルムからなる高分子延伸フィルム9を配置した。高分子延伸フィルム10のΔndは略270nmであった。
また、観察者から見て液晶セル6の後方に、第2の光学異方性層11として、液晶フィルム11、第1の光学異方性層12として一軸延伸したノルボルネン系重合体フィルムからなる高分子延伸フィルム12を配置し、更に背面に偏光板8を配置した。ハイブリッドネマチック配向構造を固定化した液晶フィルム11のΔndは105nm、高分子延伸フィルム12のΔndは265nmであった。
偏光板7及び8の吸収軸、高分子延伸フィルム9、10及び12の遅相軸、液晶セル6の両界面のプレチルト方向、液晶フィルム11のチルト方向は図5に記載した条件で配置した。
図6は、バックライト点灯時(透過モード)での、白表示0V、黒表示5Vの透過率の比(白表示)/(黒表示)をコントラスト比として、全方位からのコントラスト比を示している。同心円は同一の視野角を表し、20度ごとの間隔で画かれている。したがって最外円の視野角は80度を表す。
図6から良好な視野角特性を持っていることが分かった。
(実施例2)
実施例2の液晶表示装置の概念図については図7を用いて、実施例2の軸構成については図8を用いて説明する。
実施例1で用いた液晶セル6において、基板2の対向電極4が形成された側の反対面に、第2の光学異方性層11、第1の光学異方性層14及び偏光板7が設けられており、基板1の透過電極3が形成された面の反対側に、第3の光学異方性層15、第1の光学異方性層16及び偏光板8が設けられている。偏光板8の背面側にはバックライト13が設けられている。
偏光板7、偏光板8、第2の光学異方性層11および第3の光学異方性層15は、実施例1と同様のものを用いた。
液晶セル6の観察者側(図の上側)に偏光板7を配置し、偏光板7と液晶セル6との間に、第1の光学異方性層14として、一軸延伸したノルボルネン系重合体フィルムからなる高分子延伸フィルム14及び第2の光学異方性層11として、液晶フィルム11を配置した。高分子延伸フィルム14のΔndは略265nm、ハイブリッドネマチック配向構造を固定化した液晶フィルム11のΔndは略105nmであった。
また、観察者から見て液晶セル6の後方に、第3の光学異方性層15として、ノルボルネン系重合体フィルムからなる高分子延伸フィルム15、第1の光学異方性層16として一軸延伸したノルボルネン系重合体フィルムからなる高分子延伸フィルム16を配置し、更に背面に偏光板8を配置した。高分子延伸フィルム16のΔndは270nmであり、第3の光学異方性層15のRe値は略110nm、Rth値は−110nm、Rth/Re値は−1.0であった。
偏光板7及び8の吸収軸、高分子延伸フィルム14、15及び16の遅相軸、液晶セル6の両界面のプレチルト方向、液晶フィルム11のチルト方向は図8に記載した条件で配置した。
図9は、バックライト点灯時(透過モード)での、白表示0V、黒表示5Vの透過率の比(白表示)/(黒表示)をコントラスト比として、全方位からのコントラスト比を示している。同心円は同一の視野角を表し、20度ごとの間隔で画かれている。したがって最外円の視野角は80度を表す。
図9から良好な視野角特性を持っていることが分かった。
(比較例1)
実施例1において、第3の光学異方性層9の代わりにノルボルネン系重合体の1軸性の高分子延伸フィルムを用いた以外は、実施例1と同様の液晶表示装置を作製した。
図10は、バックライト点灯時(透過モード)での、白表示0V、黒表示5Vの透過率の比(白表示)/(黒表示)をコントラスト比として、全方位からのコントラスト比を示している。同心円は同一の視野角を表し、20度ごとの間隔で画かれている。したがって最外円の視野角は80度を表す。
視野角特性について、実施例1と比較例1を比較する。
全方位の等コントラスト曲線を図6と図10で比較すると、第3の光学異方性層として、所望のRe値、Rth値を満たすフィルムを用いることにより、大幅に視野角特性が改善されていることが分かる。
(比較例2)
実施例2において、第3の光学異方性層15の代わりにノルボルネン系重合体の1軸性の高分子延伸フィルムを用いた以外は、実施例1と同様の液晶表示装置を作製した。
図11は、バックライト点灯時(透過モード)での、白表示0V、黒表示5Vの透過率の比(白表示)/(黒表示)をコントラスト比として、全方位からのコントラスト比を示している。同心円は同一の視野角を表し、20度ごとの間隔で画かれている。したがって最外円の視野角は80度を表す。
視野角特性について、実施例2と比較例2を比較する。
全方位の等コントラスト曲線を図9と図11で比較すると、第3の光学異方性層として、所望のRe値、Rth値を満たすフィルムを用いることにより、大幅に視野角特性が改善されていることが分かる。
(実施例3)
実施例3の半透過反射型液晶表示装置の概略については図12を用いて説明する。
液晶セル17を用いた以外は、実施例1と同様の液晶表示装置を作製した。
液晶セル17内の基板1にAl等の反射率の高い材料で形成された反射電極18とITO等の透過率の高い材料で形成された透明電極19とを設け、反射電極18及び透明電極19と対向電極4との間に正の誘電率異方性を示す液晶材料からなる液晶層5が挟持されている。
使用した液晶セル17の液晶層厚は反射電極領域18(反射表示部)で2.4μm、透明電極領域19(透過表示部)で4.9μmとした。液晶層の基板両界面のプレチルト角は2度、液晶層の基板両界面のプレチルト角は2度であり、液晶セルのΔndは、反射表示部で略150nm、透過表示部で略320nmであった。
全方位の等コントラスト曲線は、実施例1と同様の結果が確認され、広視野角な半透過反射型液晶表示装置が得られることがわかった。
本実施例では、カラーフィルターの無い形態で実験を行ったが、液晶セル中にカラーフィルターを設ければ、良好なマルチカラー、またはフルカラー表示ができることは言うまでもない。
液晶分子のチルト角及びツイスト角を説明するための概念図である。 第2の光学異方素子を構成する液晶フィルムの配向構造の概念図である。 液晶セルのプレチルト方向を説明する概念図である。 実施例1の液晶表示装置を模式的に表した断面図である。 実施例1における偏光板の吸収軸、液晶セルのプレチルト方向、高分子延伸フィルムの遅相軸および液晶フィルムのチルト方向の角度関係を示した平面図である。 実施例1における液晶表示装置を全方位から見た時のコントラスト比を示す図である。 実施例2の液晶表示装置を模式的に表した断面図である。 実施例2における偏光板の吸収軸、液晶セルのプレチルト方向、高分子延伸フィルムの遅相軸および液晶フィルムのチルト方向の角度関係を示した平面図である。 実施例2における液晶表示装置を全方位から見た時のコントラスト比を示す図である。 比較例1における液晶表示装置を全方位から見た時のコントラスト比を示す図である。 比較例2における液晶表示装置を全方位から見た時のコントラスト比を示す図である。 実施例3の半透過反射型液晶表示装置を模式的に表した断面図である。
符号の説明
1、2:基板
3、19:透明電極
4:対向電極
5:液晶層
6、17:液晶セル
7、8:偏光板
9、15:第3の光学異方性層
10、12、14,16:第1の光学異方性層
11:第2の光学異方性層
13:バックライト
18:反射電極

Claims (9)

  1. バックライト側から順に、偏光板、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第2の光学異方性層、互いに対向配置された上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶セル、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第3の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層および偏光板から少なくとも構成される液晶表示装置であって、第2の光学異方性層が、ネマチックハイブリッド配向構造を固定化した液晶フィルムから少なくとも構成されており、第3の光学異方性層が、以下の式[1]〜[3]を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
    [1]50≦Re≦140
    [2]−250≦Rth≦−50
    [3]−3<Rth/Re<−0.5
    (ここで、Reは前記第3の光学異方性層の面内の位相差値を意味し、Rthは前記第3の光学異方性層の厚さ方向の位相差値を意味する。前記Re及びRthは、それぞれRe=(Nx−Ny)×d[nm]、Rth={Nz−(Nx+Ny)/2}×d[nm]である。また、dは前記第3の光学異方性層の厚さ(nm)、Nx,Nyは前記第3の光学異方性層の面内の主屈折率、Nzは厚さ方向の主屈折率であり、Nx>Ny>Nzである。)
  2. バックライト側から順に、偏光板、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第3の光学異方性層、互いに対向配置された上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶セル、波長550nmにおける位相差値が50乃至140nmである第2の光学異方性層、波長550nmにおける位相差値が210乃至300nmである第1の光学異方性層および偏光板から少なくとも構成される液晶表示装置であって、第2の光学異方性層が、ネマチックハイブリッド配向構造を固定化した液晶フィルムから少なくとも構成されており、第3の光学異方性層が、以下の式[1]〜[3]を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
    [1]50≦Re≦140
    [2]−250≦Rth≦−50
    [3]−3<Rth/Re<−0.5
    (ここで、Reは前記第3の光学異方性層の面内の位相差値を意味し、Rthは前記第3の光学異方性層の厚さ方向の位相差値を意味する。前記Re及びRthは、それぞれRe=(Nx−Ny)×d[nm]、Rth={Nz−(Nx+Ny)/2}×d[nm]である。また、dは前記第3の光学異方性層の厚さ(nm)、Nx,Nyは前記第3の光学異方性層の面内の主屈折率、Nzは厚さ方向の主屈折率であり、Nx>Ny>Nzである。)
  3. 前記液晶層はツイステッドネマチックモードが用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶層は平行配向かつねじれ角が0度であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1及び第3の光学異方性層が、高分子延伸フィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  6. 前記第2の光学異方性層の液晶フィルムのハイブリッド方向を基板平面に投影したチルト方向と前記液晶層のラビング方向との角度が±30度以内の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第2の光学異方性層の液晶フィルムが、光学的に正の一軸性を示す液晶物質からなり、当該液晶物質が液晶状態において形成したネマチックハイブリッド配向を固定化した液晶フィルムであり、当該ネマチックハイブリッド配向における平均チルト角が36〜45度の液晶フィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  8. 前記液晶セルの前記下基板が、反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とが形成された半透過反射性電極を有することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  9. 前記液晶セルが反射機能を有する領域の前記液晶層の層厚を、透過機能を有する領域の前記液晶層の層厚よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
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