JP2007212470A - 走査プローブ顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】
高スループットで試料にダメージを与えずに、試料の正確な立体形状情報と同時に試料の局所的特性に関する分布情報を計測できる走査プローブ顕微鏡を提供することである。
【解決手段】
光学式の高感度近接センサを具備して試料と探針との接近を制御することによって、各測定箇所へのアプローチを高速化した。また、プローブを間歇的に試料に接触させて探針を試料上で引きずらないようにしながら試料高さデータを得ると同時に、試料への接触期間に同時に、探針に電圧を掛けたり、探針を振動させて応答を計測したり、試料表面の局所的光強度を検出したりすることにより、走査速度を落とさずに試料上の材質の分布に関する付加的情報を得られるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、走査プローブ顕微鏡、および、これを用いた試料観察方法とデバイス製造方法に関する。
微細立体形状の計測技術として走査プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が知られている。これは先端のとがった探針を制御しながら、接触力を非常に小さな値に保ちながら試料を走査する技術で、原子オーダーの微細立体形状が計測できる技術として、広く用いられている。従来から、試料を物理的にスキャンするために速度が上げ難いという走査プローブ顕微鏡特有の問題に対して、いろいろな改善が行われてきた。
例えば、特開平10−142240号公報および特開2000−162115号公報には、高速化と解像度を両立するために、探針のたわみの信号と試料の駆動信号の両者から形状データを補正する技術が開示されている。また、特開平6−74754号公報では、探針を高速に試料に近づけるために、探針を振動させながら試料に近づけると音響的相互作用によって5マイクロメートル程度離れたところから、探針の振幅が減少するように構成できることを利用して、試料の近くまで高速に探針を近づける技術が開示されている。
しかし、上記技術では探針を振動させる構成の走査プローブ顕微鏡装置でしか使用できないという問題と、試料に数マイクロメートルまで近づかなければ近接を感知できないため、数マイクロメートルの距離まで高速に探針を近づけるためにはさらに別のセンサを必要とするという問題があった。
一方、現在、LSIの微細パターン形成プロセスではCD−SEM(測長SEM)を用いた寸法管理を行っているが、パターンの微細化に伴い、下記の限界がきている。(1)測定精度の問題。2003年に主流になるとされる、90nmノードLSIのゲート幅は80nmであり、許容ばらつきを10%、測定精度をその20%とすると、必要とされる測定精度は1.6nmとなる。(2)プロファイル計測の要請。線幅の高精度制御のためにAPC(Advanced Process Control)化の必要性が高まっているが、このために、パターン線幅だけでなく、電気特性に大きく影響する断面形状の計測技術が必要とされている。(3)測定対象の問題。DUV(深紫外光)用レジスト、low−k(低誘電率)膜材料等、電子線耐性の弱い材質に対する測定ニーズが増大している。また、次世代の高密度光ディスクメモリのピットの計測に対しても、同様の測定精度、プロファイル計測の必要性、マスター作成のためのレジストパターンの計測といった、同様のニーズが考えられる。
上記の課題に対しては、現状のCD−SEMでは対応できない。このために、走査プローブ顕微鏡技術が有望と思われる。この場合に必要となるのが、既述の探針アプローチの高速化のほかに、軟脆材料にたいしてダメージの少なく、また、表面の材質に関する情報が得られる走査プローブ顕微鏡技術である。
これに対して、特開平11−352135号公報では、試料または探針を一定の振幅で振動させて探針を周期的に試料にぶつけながら走査し、軟脆試料および探針のダメージ軽減をはかる方法が開示されている。
さらに、特開2001−33373号公報では、飛び飛びの測定点のみで探針のサーボをかけて高さを測り、探針を引き上げた状態で次の測定点に向かう走査方法が開示されており、この方法はさらに接触圧が小さく、軟脆試料および探針へのダメージが少ない。また、探針を引きずらないために段差部での形状を忠実に計測できるという利点がある。ただし、レジストのようなパターンの計測の場合にパターン底部の形状の計測、さらには、レジストが底部に残っているかどうかという情報の計測が可能な望ましいが、この必要性に対しては応えきれていなかった。
また、高速化のためには探針の共振周波数を高く、しかも、探針の慣性を小さくする必要があったが、このためには、探針の先端のカンチレバー部を小さくする必要があったが、従来の光てこ方式ではレーザの反射面の確保と調整のため50マイクロメートル程度のエリアが必要であり、高速化に限界があった。
特開平10−142240号公報 特開2000−162115号公報 特開平6−74754号公報 特開平11−352135号公報 特開2001−33373号公報
上記説明したように、従来技術では測定スループット向上のための探針の試料へのアプローチの高速化の課題があった。
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、高感度な近接センサを備えて探針の試料へのアプローチが高速な走査プローブ顕微鏡及びこれを用いた資料観察方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、レジストパターンなどの脆弱な試料に対してダメージの少ない走査方式を用いて立体形状像を得ると同時に、試料材質に対する、電気容量、弾性、光学的性質といった付加的情報の分布を立体像と同時にスループットを落とさずに得ることである。また、本方式による走査を高速化するために、プローブ先端のカンチレバーサイズを小さくしてもたわみが検出可能で調整が容易な走査プローブ顕微鏡を提供することである。
また、本発明の別の目的は、傾斜の急な試料段差部に対して正確な形状を計測するために探針傾斜スキャン機能を付与することである。
また、本発明の別の目的は、半導体試料のパターンを計測しプロセス条件にフィードバックすることにより、安定で高精度なデバイスの製造方法を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明では、走査プローブ顕微鏡に光学式の高さ検出機能を備えた高感度な近接センサを具備することにより探針の試料へのアプローチを高速に行えるようにした。
また、本発明では、走査プローブ顕微鏡において、プローブを間歇的に試料に接触させて探針を試料上で引きずらないようにしながら試料高さデータを得ると同時に、試料への接触期間に、探針に電圧を掛けたり、探針を振動させて応答を計測したり、試料表面の局所的光強度を検出したりして、スループットを落とさずに試料上の材質の分布に関する付加的情報を得られる構成とした。
また、本発明では、走査プローブ顕微鏡において、傾斜の急な試料段差部に対して、探針を傾斜させて走査を行うことによって段差部の正確な形状の計測を可能にした。
更に、本発明では、半導体デバイスなどの極微細な構造を備えた試料を製造する方法において、上記した走査プローブ顕微鏡を用いて、半導体パターンあるいはレジストパターンを観察し、この観察の結果をプロセス装置の動作条件にフィードバックすることにより、半導体デバイスなどの極微細な構造のデバイスを安定して製造できるようにした。
本発明によれば、高感度な近接センサを具備することによって、試料と探針の高速な接近を実現でき、計測のスループットを向上できるという効果を奏する。
また、本発明によれば、プローブを間歇的に試料に接触させて探針を試料上で引きずらないようにしながら試料高さデータを得ると同時に、スループットを落とさずに試料上の材質の分布に関する付加的情報が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、傾斜の急な試料段差部に対して探針を傾斜させて走査を行うことによって段差部の正確な形状の計測を実現できるという効果を奏する。
また、本発明によれば半導体パターンを高スループットで計測出来るので、安定に高精度なデバイスを製造できるようになる。
図1は本発明にかかわる走査プローブ顕微鏡の構成を示す図である。図2は探針周りの一実施例の拡大図である。X、Y、Zに駆動が可能な試料ステージ302上に試料501が載せられており、走査制御部201によって制御されている。この上には探針103があり、探針駆動部202からの制御により探針103を取り付けた探針移動機構252はX、Y、Zに駆動され、これによって走査プローブ顕微鏡のプローブ走査を行う。252は探針ホルダー101に取り付けられていて、探針ホルダー101は探針ホルダー上下機構253によって、鏡筒102に取り付けられており、探針ホルダー駆動部203からの制御によってZ方向に粗動駆動される。
探針移動機構252は微動機構であり、動作距離が大きくないために、探針の試料への接近は探針ホルダー上下機構253によって行う。あるいは、別の実施例として試料ステージ302側の駆動によって短針の試料への接近を行ってもいい。また、走査プローブ顕微鏡のプローブ走査も試料ステージ302側の駆動によってもよい。
近接センサ204は探針の先端付近の高さを高感度で計測するためのセンサであり、これによって、探針の試料への接触を事前に検出して接近速度を制御することで、探針を試料にぶつけることなく高速な試料への接近を実現できる。
近接センサ204は後述するように光を用いてもいいが、検出範囲が数十マイクロメートル以上あり、1マイクロメートル程度の感度で試料との距離を検出できるセンサであればほかのセンサを用いてもよい。たとえば、試料ホルダー101あるいは探針103のカンチレバー部と試料501との間に交流電圧をかけることによって、静電容量を測り、距離を検出する静電容量式センサや、試料ホルダー101と試料501との間に空気を流して圧力を検出するエアマイクロセンサを用いてもよい。
走査制御部201は探針のたわみ検出センサ205、近接センサ204、探針ホルダー駆動部203、探針駆動部202試料ステージ302を制御して探針の近接、試料の走査等を実現する。このとき、試料の走査時の信号をSPM像形成装置208に送ることによって、試料の表面形状像を得る。
また、信号印加装置207は探針を高周波数で加振して応答をたわみ検出センサ205で検出し表面の弾性などを計測したり、探針と試料の間に交流あるいは直流電圧をかけて電流を測定し、容量あるいは抵抗を計測したりする。これを探針のスキャンと同時に行うことによってSPM像形成装置207に表面形状像のほかに、付加的性質の分布像を得ることが出来る。
探針ホルダー101に対物レンズを組み込んだ場合には、光学像センサ206で試料の光学像を得ることによるSPM測定エリアの同時観察、探針103の取りつけ時の調整に用いることが出来る。
装置全体の動作は全体制御装置209によって制御され、表示・入力装置251によって、操作者の指示を受けたり、光学像やSPM像を提示したりすることが出来る。
図3は光学系の一実施例を示す図である。光源111から出射した光はレンズ112で平行光に変えられてミラー113で反射され、探針ホルダー101の内部に形成された対物レンズに入射し、試料上501上に焦点を結ぶ。光源111に組み込む開口の形状によって、スポットあるいはスリットなど、任意の形状の像を形成できる。
試料で反射した光は再び対物レンズを通り、ミラー114で反射され、結像レンズ115で検出器116上に像を結ぶ。像の位置は試料501の高さによって移動する。移動量は試料への検出項110の入射角をθ、レンズ115による結像倍率をm、試料の高さをZとすると、2mZtanθとなるので、この移動量を計測すれば試料の高さZが検出できる。検出器116は像の位置が検出できればいいので、PSD(ポジションセンシティブデバイス)・分割型ホトダイオード・リニアイメージセンサなど何でもよい。
また、上記説明は検出光110が対物レンズを通るという構成での説明であったが、検出光110が対物レンズの外部を通りもう一枚の図示されていないミラーで折り曲げられて、試料上に結像される構成も考えられる。このとき、レンズ112および115はそれぞれ光源111およびセンサ116を試料501と結像関係になるように調整される。この場合のセンサ116上の像の移動量は2mZsinθとなる。
以下探針のたわみ検出系について説明する。光源131から出た光はレンズ132とビームスプリッタを通り、さらにビームスプリッタ134を通って対物レンズを通過して探針のカンチレバー部に照射される。ここで反射した光は同じ道を戻ってビームスプリッタ133を通過し、レンズ135を介してセンサ136に照射される。レンズ135は対物レンズの射出瞳とセンサ136が結像関係になるように構成され、これによってカンチレバーの反射面の傾きに比例した位置変化がセンサ136上の光に生起される。これを136の位置に置いたPSD(ポジションセンシティブデバイス)・分割型ホトダイオード・リニアイメージセンサなどによって検出することによってカンチレバーの傾き(たわみ)を検出することが可能になる。
また、二次元型のPSD、イメージセンサ、4分割フォトダイオードを用いることにより、たわみと同時にねじれを検出することも可能になる。本検出光130を試料観察系の光と分離するために光源131は単色のレーザとして、この光だけを通すようにレンズ135の前後に干渉フィルターを設けるのが望ましい。
さらに効率を上げるためにビームスプリッタ134はダイクロイックミラーとしてもよい。また、ビームスプリッタ133を偏光ビームスプリッタとしてレーザ131の偏光方向を133によって反射されるS偏光とし、ビームスプリッタ133と134の間に1/4波長板(図示せず)を置くことによって、S偏光を円偏光に変換して探針103の反射面に当て、反射光を再び1/4波長板でP偏光に変えて偏光ビームスプリッタ133を透過させてもよい。
試料観察系は照明光源154より出射し、コンデンサレンズ153を通り、ビームスプリッタ155で反射し、ビームスプリッタ134を透過し、101内の対物レンズを通って試料501を照明する。試料の反射光は再び対物レンズを透過し、ビームスプリッタ134と155を透過して結像レンズ152で結像され、イメージセンサ151で検出される。
以上、図3を用いて説明したように、探針と試料観察系と試料高さセンサと探針たわみ検出光学系を同軸で構成することにより、SPM計測位置の同時観察、探針の調整の容易化、高速な探針と試料との接近が可能になる。また、探針たわみ検出光学系を同軸で構成したことによって、カンチレバー部の幅の小さい探針に対しても、検出光130を照射できるようになり、より軽くて共振周波数の高い探針を用いることによって、走査の高速化を可能とする。すべて対物レンズ101を通して検出するようにしたことにより、対物レンズを探針と近づけることが可能になり、高解像度の試料の光学観察が可能となる。
また一方、作動距離の長い対物レンズを用いて、試料高さセンサと探針たわみセンサの少なくとも一方を対物レンズと試料の間の隙間を斜めから光を投影・検出するオフアクシス構成ももちろん考えられる。
また、別の構成として、ヘテロダイン干渉法を用いて探針103のたわみを検出する方法も考えられる。光源131の位置に周波数foの点光源と周波数fで周波数シフトした周波数fo+fの点光源を配置する。点光源の配置のためにはレーザをレンズで絞っても、ファイバーの出射端をここに置いてもいい。この像を探針103の二点に形成するように光学系を調整する。
図9に示すように、一方は探針のカンチレバー部の先端に、もう一方は根元に像を形成させる、この反射光は136の位置で交差するので136にフォトダイオードを置くと、二本の光は干渉して周波数fのビートを発生する。このビート信号を周波数シフタに与えた周波数fの信号を基準としてロックイン検出して位相を求めると、この位相の変化がすなわちカンチレバーの傾きの変化となる。これによって、カンチレバーのたわみを検出できる。あるいは、周波数シフタに与えた信号を用いる代わりに、レンズ132を通ってからビームスプリッタ133で反射されずに透過した光を二本のビームがクロスするところで別のフォトダイオード(図示せず)で検出して、周波数fの基準信号としてよい。
また、別の構成として、ひずみゲージのようなひずみの変化を反映する信号を得られるものを探針に組み込んで、光学式たわみセンサの替わりとして用いてもよい。
以下、図8を用いて本発明による試料高さセンサを用いた探針と試料の高速接近制御について説明する。まず探針微動機構(探針移動機構252)は伸ばした状態(探針微動高さの低い状態)にしておく。つぎに試料高さセンサ204をモニタしながら、高速で(1〜10mm/s程度)探針粗動機構(探針ホルダー上下機構253)探針をおろす(探針粗動高さを下げる)。試料高さセンサ204の出力が10〜数十マイクロメートルになったところで低速接近に切り替える(0.1mm/s程度)。探針のたわみ検出センサ205の出力を監視して、これが大きくなりだした所で、探針微動機構を一気に縮める(図8の探針高速退避)。
通常行われている探針をSPMサーボモードにして近づける方法では探針の制御帯域に縛られて低速接近時の速度を上げるのが難しいのに比べて、このように、サーボモードにせずに接触を感知した瞬間に一気に縮めることによって、低速接近の速度をあげられる利点がある。
このあと、探針高速退避を行った後、サーボをONにすることによって、ゆっくりと探針を試料に対して接触状態に持っていく。なお、以上の説明は探針側を駆動する前提で説明したが、試料ステージ302側を駆動して探針を接近させる場合も同様であることはいうまでもない。
つぎに、レジストパターンのようなアスペクトが高い軟脆材料サンプルの計測に適した探針スキャンモードについて図4を用いて説明する。(b)のように探針を引き上げてはおろして接触圧(すなわち探針たわみ)が一定になるようなサーボをかけるという動作(Tcの区間)を試料と探針の水平方向の相対位置を変化させながら繰り返すことによって、飛び飛びの測定点のみで試料の高さを測ってゆく。繰り返し周期はTsである。
これによって探針が試料を引きずらないために試料に対するダメージが少なく、また、段差部での形状を忠実に計測できる探針走査が実現できる。これ自身は特開2001−33373などに開示されている方法であるが、レジストパターンなどの計測に適した実施例として、以下の発明を説明する。
探針の先端はあるテーパ角を持っており、これよりも切り立った段差部の形状は走査プローブ顕微鏡では従来正確には計測できなかったが、段差を検出すると(a)に点線で図示したように探針を傾斜させてスキャンさせるようにする。
探針を傾斜させる方法としては探針のホルダーに微小回転機構を設ける方法もあるが、「T.R.Albrecht、S.Akamine、M.J.Zdeblick、C.F.Quate、J.Vac.Sci.Technol.A8(1)、317(Jan./Feb.、1990)」に開示されているような図5に示した圧電薄膜型カンチレバーを用いる方法もある。いわゆるバイモルフ構造になっており、中間電極Gの上下に圧電体が設けられ、その反対側に電極A、B、C、Dが形成されている。ここで、A−G、D−GとB−G、C−Gに逆方向の電圧変化を与えるとねじれ変形が生起され、探針を傾けることができる。探針のねじれは、探針のたわみ検出器136に4分割フォトダイオードを用いれば簡単に検出することが可能である。
またレジストパターンの計測に対してはレジストパターン底部にレジストが残っているかどうかを検出するニーズが高い。また、近年の半導体においては、平坦化構造が一般化して研削によって表面の凹凸を無くしたパターンに対して、その材質の境界を知るニーズも高くなっている。これらのニーズに応えるためには、立体表面形状の計測と同時に表面の容量、光学特性、弾性などの機械的性質の分布を測定する技術が必要となる。
図4(b)で説明した走査方式では各測定周期Tsの間に試料表面に探針が接触している期間Tcがあるので、この期間に同期して各種表面物性の計測を行うことによって、表面形状像と同時に各種物性分布計測を行うことができる。
図4(c)は探針と試料の間に交流電圧を掛け、流れる電流を同期検波することで局所的な容量を計測する実施例である。また、図4(d)は探針内部を光が透過するようにしておき、試料を照明しておいて探針の先端から光をファイバー170に導いてレンズ171を介してセンサ172に導きTcの期間に光量検出することで、試料の局所光学特性の分布を求める実施例である。このようにすることによって、例として、図4(c)(d)に示したようなシリコンに酸化シリコンを埋め込んで研磨した平坦な試料に対しても、観察・計測が行える。
さらに図6はTcの期間に探針を周期Tで微小振動させている実施例である。このときのTはTsあるいはTcに比べて十分小さいものとする。このときの探針のたわみ信号を得て加振入力信号に対して同期検出して、振幅および位相を求めることにより試料表面の局所的機械的性質に対する分布を得ることができる。
また、探針先端を照明しておいて、先端にからの散乱光あるいは図4(d)のような光学系で就航した光を検出して、探針の振動に対して同期検出することにより、試料の局所光学特性の分布を求めることもできる。
あるいは、図7のように常に探針を周期T(ただしT≪Tc)で加振しておき、探針の試料との接触による振幅の減少を検出することにより、試料の高さを検出することも可能である。
次に図10を用いて、レジストパターンを計測する例を示す。レジストパターンの計測では(a)のように垂直にパターンが切れているか、(b)のようにレジストが薄く残っているか、(c)のように溝あるいは穴の下部が狭まっているかを見分ける必要がある。本発明によれば、これらを見分けることが可能になる。
さらに図11では、本発明を用いたデバイス製造方法について示す。ウェハ620をプロセス装置601、601’に流してデバイスを形成していく。プロセス装置601、601’は場合によってエッチャーであったり、CMP装置であったり、露光装置であったり、現像装置であったりする。これらの工程を経た抜き取りウェハあるいはダミーウェハ621をもちいて、本発明の走査プローブ顕微鏡603によってウェハ上に形成されたパターンを観察・計測する。あるいは、スループットが大きいので全ウェハを本発明の走査プローブ顕微鏡603で観察・計測してもよい。
本発明では、パターンの立体形状や表面の状態の分布を試料にダメージを与えることなく正確に観察・計測できるので、観察・計測結果をプロセス装置601、601’のプロセス条件にフィードバックすることで、安定に高精度なデバイスを製造できる。場合によってはフィードバックの経路610に専用のデータ処理サーバを介してもよい。
また、本発明の走査プローブ顕微鏡603で観察・計測して得られたデータを回線を介して他のデータ処理装置へ送って他の検査・観察・分析装置で得られたデータと組合わせて処理することもできる。例えば、本発明の走査プローブ顕微鏡603で観察・計測して得られたデータを他の分析装置で得られた試料の分析データと組合わせて解析することにより、試料表面の欠陥や組成の2次元的又は3次元的な分布などのより詳細な情報を得ることが可能になる。
走査プローブ顕微鏡の全体の構成を示す図である。 探針周りの一実施例の拡大図である。 光学系の一実施例を示す図である。 探針の制御方法を示す図である。 探針の傾きを制御可能なカンチレバーの構造を示す図である。 試料と探針の接触期間中に探針を加振した状態を示す図である。 常に高周波数で微小振動させながら微小振動の周波数より十分遅い周期Tcで試料高さの計測を行うようすを示す図である。 探針−試料間距離の高速接近制御の方法を示す図である。 ヘテロダイン干渉によって、探針のたわみを計測する原理を示す図である。 本発明によって判別できるレジストパターンの例を示す図である。 本発明によって、半導体のプロセスの条件制御を行う実施例を示す図である。
符号の説明
101…探針ホルダー、102…鏡筒、103…探針、111…光源、112…レンズ、113…ミラー、114…ミラー、115…レンズ、116…検出器、131…光源、132…レンズ、133…ビームスプリッタ、134…ビームスプリッタ、135…レンズ、136…検出器、154…照明光源、153…コンデンサレンズ、155…ビームスプリッタ、152…結像レンズ、151…イメージセンサ、170…光ファイバー、171…レンズ、172…検出器、201…走査制御部、202…探針駆動部、203…探針ホルダー駆動部、204…近接センサ、205…たわみ検出センサ、206…光学像センサ、207…信号印加装置、208…SPM像形成装置、250…全体制御装置、251…入力・表示装置、252…探針移動機構、253…探針ホルダー上下機構、302…試料ステージ、501…試料、601…プロセス装置、603…走査プローブ顕微鏡、610…フィードバック情報、620…ウェハ、621…抜き取りあるいはダミーウェハ

Claims (3)

  1. 試料の表面と探針との相互の位置を制御可能な駆動機構と、前記試料と前記探針との間の距離を計測するための近接センサと、前記試料と前記探針との接触状態を計測する探針たわみセンサとを備えた走査プローブ顕微鏡であって、前記近接センサは光源とイメージセンサとを備え、前記光源からの照射光を探針ホルダーの内部に設けられた対物レンズを通り、前記探針ホルダーが上下に移動する移動軸に対して傾けた方向から照射させて前記試料表面で結像させ、該試料表面からの反射光を前記対物レンズを通り、前記イメージセンサ上で結像させるように前記光源と前記イメージセンサを配置したことを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  2. 前記近接センサの検出感度が1マイクロメートルであり、その動作距離が10マイクロメートル以上なることを特徴とする請求項1に記載の走査プローブ顕微鏡。
  3. 前記イメージセンサがポジションセンシティブデバイス(PSD)またはリニアイメージセンサであることを特徴とする請求項1に記載の走査プローブ顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102778588A (zh) * 2012-07-16 2012-11-14 北京航空航天大学 用于高速原子力显微镜的激光检测装置及其检测方法
JP2020082232A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 ファナック株式会社 把持装置およびシステム

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