JP2007212258A - 携帯電話装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用される環境に左右されることなく高い精度で口臭の原因物質を定量でき、さらに口臭についての適切な通知をユーザに与えることのできる携帯電話装置を提供する。
【解決手段】携帯電話装置100は、利用者の呼気中の口臭原因物質を選択的に検出し、濃度信号を出力するQCMセンサ140と、QCMセンサ140の出力に基づいて、口臭の強さの感覚量を算出するプログラムを実行するCPU130と、CPU130により算出された口臭の強さの感覚量を通知する処理を行なう液晶ディスプレイ108及びその駆動装置136とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は携帯電話装置に関し、特に空気中の所定の化学物質を定量するためのセンサを搭載した携帯電話装置に関する。
特に若年層を中心に、口臭に対する関心が高まっている。他人に会う際に気になるものとして、外見・身だしなみと同様に口臭を挙げる人が多い。また、口臭が体調、ストレス等と密接に関連するものであるということが広く知られるようになり、口臭を体調の指標と考える人も多い。口臭の主な原因物質は、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド等の揮発性硫化物であるといわれている。人間の嗅覚は、これら揮発性硫化物に対し極めて敏感であり、その感度はアルコール及び炭化水素類に対する感度の数千〜数万倍であるといわれている。
しかし誰しも、自己の口臭を正確に知るのは困難である。そもそも自己の発する臭いには鈍感であるため、口臭を正しく嗅ぎとることは不可能に近い。とはいえ自己の口臭がどうであるかを他者には尋ねづらい。尋ねられた側の他者が気兼ねし、返答に窮することも多い。気を使って適切な答えを返さないこともしばしばである。加えて、口臭は一日の生活リズムの中で変化するのに対し、口臭の気になる場面はいつどこで訪れるか不確定なため、仮に自己の口臭についてある時点で正確な情報を得ることができたとしても、口臭の気になるときには、その情報が役に立たなくなっている。それゆえに、場所・時間を選ばず、また人目を気にすることなく、正確に口臭をチェックできるものが求められている。
口臭の原因物質を検出する装置に、口臭測定器と呼ばれるものがある。ただし、従来の口臭測定器は屋内等で使用されることを前提としたもの、又は口臭を検出することに特化したハードウェア構成のものが多い。このような口臭測定器は、場所・時間を選ばず口臭のチェックを行ないたいという要求に対する好適な解決策を提供するものであるとはいえない。
一方、普段からユーザにより携帯され場所・時間を選ばず使用される機器に、携帯電話がある。携帯電話はユーザの口元で使用されることを前提とした機器であるため、口臭を検知するセンサを搭載するのに好適な機器といえる。そこで、口臭の原因物質を検知するセンサを内蔵し、口臭の原因物質を検知する携帯電話が提案されている。
特許文献1には、センサ素子を内蔵したセンサブロックを着脱自在に装着する携帯電話が開示されている。この携帯電話は、装着されたセンサブロックを用いて各種の測定を行なう。特許文献1によれば、口臭のセンサブロックを用いた測定もできる。
特許文献2には、空気中に存在する各種気体を感知する気体センサ付の携帯電話が開示されている。特許文献2には、携帯電話に内蔵される気体センサとして、呼気に含まれる硫化物・炭化水素化合物の濃度を計測するセンサ、呼気に含まれるアルコールの濃度を計測するセンサ、及び空気中の窒素酸化物の濃度を計測するセンサが開示されている。
特許文献3には、口臭測定機能付の携帯電話が開示されている。この携帯電話のマイクの近くには、呼気中の所定のガスを検出する口臭センサが備えられており、口臭センサによる口臭の検出結果から呼気中の口臭度又はアルコール濃度を測定し、数値化して記録する。この携帯電話はさらに表示切替ボタンを備えており、ユーザがこのボタンを押すと、記録した数値を表示する。
特許文献4には、酸化第2錫の半導体被覆を有する半導体ガスセンサを内蔵した携帯電話が開示されている。半導体ガスセンサの半導体被膜は、呼気に含まれるメチルメルカプタン及びエチレンの混合ガスを吸着する。混合ガスが吸着すると、半導体被膜の電気抵抗が変化する。特許文献1に記載の携帯電話はこの電気抵抗の変化を計測して、上記混合ガスの濃度を計算する。さらに混合ガスの濃度について、0〜0.19ppm、0.2ppm〜0.29ppm、0.3〜0.49ppm、0.5ppm以上の4つの段階を設けておき、混合ガスの濃度がどの段階にあるかによって表示内容を選択し、その表示内容を測定結果として表示する。
特許文献5には、携帯電話等のマイクと酸化亜鉛又は酸化錫を主成分とする酸化物半導体素子からなるガスセンサとを連動させた呼気測定器が開示されている。この呼気測定器は、測定時にユーザが発する声をマイクで集音し、マイクから得られる音声信号に基づいてガスセンサへの呼気の吹付状態を判断する。そして吹付状態が適当でない場合にはユーザに教示を行ない、吹付状態が適切なときに呼気中の所定の化学物質の濃度の測定を行なう。
特開平05−240969号公報 特開2003−101463号公報 特開2002−44007号公報 特開2000−341375号公報 特開2002−39981号公報
ユーザが自己の口臭について知りたい情報として代表的なものは、「自分の口臭は、それを嗅ぐ人にとってどのくらい臭いのか」というものである。また、口臭を体調の指標と考えて口臭をチェックしたいと考えるユーザも多く、このようなユーザにとっては、生活リズムによる口臭の変化が、体調に関するユーザの判断を困難にする。そのためこのようなユーザには、生活リズムと口臭との関係を分かりやすく通知する必要がある。
特許文献1〜特許文献5に記載の携帯電話はいずれも、携帯電話に搭載したセンサによって、所定の口臭の原因物質の濃度を検出し、検出結果を表示する。しかし、特許文献1〜特許文献5に記載の携帯電話では、上記したようにユーザの知りたい情報、すなわち自分の口臭の強さは他人にどの程度の大きさに感じられるのか、という情報を提供することはできない。これら文献が開示しているのは、口臭の原因となる物質の濃度を測定することに過ぎない。しかし、自分の口臭が他人にどの程度の強さとして感じられるのかを、原因物質の濃度に関する情報のみから適切に判断するのは困難である。
また、携帯電話は様々な場所で使用される。屋外等携帯電話の使用が想定される場所の空気中には、口臭の原因物質以外の様々な物質が高い濃度で存在することがある。特許文献4及び特許文献5に記載の携帯電話は半導体ガスセンサを搭載しているが、このような環境下では、半導体ガスセンサを用いて口臭の原因物質を検知することも、その濃度を測定することも困難である。半導体ガスセンサは、確かに口臭の主な原因物質とされる硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド等の揮発性硫化物に反応するが、原理上、口臭とは関係ないアルコール、炭化水素類にも高い感度で反応してしまう。図9に、半導体ガスセンサのメチルメルカプタン、エタノール、及びプロパンに対する感度特性を示す。この図では、横軸が上記各物質の濃度を示し、縦軸が半導体ガスセンサの出力信号の相対レベルを示す。図9を参照して、半導体ガスセンサのメチルメルカプタンに対する感度は、エタノール及びプロパンに対する感度の数十倍程度に過ぎない。すなわち、メチルメルカプタンの濃度の測定結果には、エタノール及びプロパンの影響による数%から数十%の誤差が生じることになる。これに対し人間の嗅覚は、揮発性硫化物に対しアルコールの数千〜数万倍の感度を持つ。さらに言えばプロパンは一般に無臭とされている。口臭がどのように人にとって感じられているかを表すのに、このような大きな誤差は許容されるものではない。また、屋外のように様々な物質が存在しうる環境下では、半導体ガスセンサが誤作動して、口臭の原因物質の濃度を正しく測定することができないおそれがある。
それゆえに、本発明の目的は、使用される環境に左右されることなく高い精度で口臭の原因物質を定量でき、さらに口臭についての適切な通知をユーザに与えることのできる携帯電話装置を提供することである。
本発明に係る携帯電話装置は、利用者の呼気中の所定の揮発性物質を選択的に検出し、当該物質の濃度に応じた信号を出力する気体センサと、気体センサの出力に基づいて、利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を算出するための演算手段と、演算手段により算出された利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を用いる所定の処理を行なうための処理手段とを含む。
この携帯電話装置は、気体センサを用いて、利用者の呼気に含まれる所定の揮発性物質の濃度に応じた信号を得て、さらにその信号に基づき演算手段が呼気の臭いの強さの感覚量を算出する。処理手段が、この測定結果に基づいて口臭に関する所定の処理を行なう。従って、利用者の呼気の中の所定の揮発性物質に起因する臭いが他人にどの程度の強さとして感じられるのかについて、利用者が処理手段による処理に基づいて適切な判断をすることができる。
好ましくは、気体センサは、所定の揮発性物質の濃度に応じた信号を出力するQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサを含む。
QCMセンサは物質に対する選択性に優れたセンサである。すなわちQCMセンサは、携帯電話装置の使用される様々な環境下で、所定の揮発性物質以外の物質による影響に左右されることなく、所定の揮発性物質の濃度に応じた信号を出力できる。従って、QCMセンサの出力に基づき、利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を高い精度で測定できる。
好ましくは、気体センサは、所定の揮発性物質に対する酵素反応を用いるバイオセンサを含む。
バイオセンサは、物質に対する選択性に優れた高感度のセンサである。すなわちバイオセンサは、携帯電話装置の使用される様々な環境下で、所定の揮発性物質の濃度が低濃度であっても、所定の揮発性物質以外の物質による影響に左右されることなく、所定の揮発性物質の濃度に応じた信号を出力できる。従って、バイオセンサの出力に基づき、利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を高い精度で測定できる。
好ましくは、演算手段は、気体センサの出力の大きさを所定の対数尺度を用いて換算することにより利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を算出するための換算手段を含む。
気体センサは、所定の揮発性物質の濃度に応じた信号を出力する。これに対し人の感覚量は、刺激の物理量の対数に比例するといわれている。換算手段が出力の大きさを所定の対数尺度を用いて換算することにより、気体センサの出力に基づき、呼気の臭いの強さの感覚量を正確に測定できる。
より好ましくは、換算手段は、気体センサに固有の第1の換算方法により、気体センサの出力を呼気中の所定の揮発性物質の濃度に換算する濃度換算手段と、濃度換算手段により換算された濃度を、所定の正の数値を底とする対数値に変換するための対数変換手段とを含む。
濃度換算手段及び対数変換手段により、呼気の臭いの強さの感覚量として、所定の正の数値を底とする濃度の対数値が算出される。人間の嗅覚は揮発性物質の濃度の対数に比例する。算出される感覚量は、人の感じる臭いの強さを正確に表した値となる。
QCMセンサは、硫化水素、メチルメルカプタン、及びジメチルサルファイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質の空気中における濃度に応じた信号を出力するように構成されてもよい。
このQCMセンサは、携帯電話装置の使用される様々な環境下で、いわゆる口臭の原因となり得る所定の揮発性物質の空気中における濃度に応じた信号を出力する。演算手段はこの出力に基づき利用者の口臭の強さの感覚量を算出する。そして処理手段は、口臭の強さの感覚量を用いて所定の処理を行なう。従って、利用者自身では嗅ぎとることの困難な利用者自身の口臭について、処理手段により適切かつ正確に処理できる。
バイオセンサは、硫化水素に対する酸化還元酵素、メチルメルカプタンに対する酸化還元酵素、及びジメチルサルファイドに対する酸化還元酵素からなる群から選ばれる少なくとも一つの酵素による酵素反応を用いることを特徴としてもよい。
このバイオセンサは、携帯電話装置の使用される様々な環境下で、口臭の原因物質に対する酸化還元酵素による口臭の原因物質の酵素反応を用い、口臭の原因物質の空気中における濃度に応じた信号を出力する。演算手段はこの出力に基づき利用者の口臭の強さの感覚量を算出する。そして処理手段は、口臭の強さの感覚量を用いて所定の処理を行なう。従って、利用者自身では嗅ぎとることの困難な利用者自身の口臭について、処理手段の処理結果に基づいて適切かつ正確に判断できる。
本発明によれば、利用者自身では嗅ぎとることの困難な利用者自身の呼気の臭いについて、利用者が他人に尋ねなくても、また物理量の通知に基づく困難な判断を行なわなくても、場所・時間を選ばず、適切かつ正確に携帯電話装置から情報を得て、必要な処理を行なうことができる。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態について説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同一の部品に同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(概要)
本実施の形態に係る携帯電話装置は、呼気に含まれる口臭の原因物質の濃度を測定するためのセンサを内蔵しており、そのセンサを用いて呼気に含まれる口臭の原因物質の濃度に応じた大きさの信号を得て、さらにその信号の大きさを対数尺度で換算することにより、口臭の強さを感覚量として測定する。そして測定結果に基づいて、口臭に関する所定の処理、例えば口臭の強さを通知する、という処理を行なう。
前述のとおり、従来、口臭の原因物質の検知又は濃度測定には、半導体ガスセンサが使用されてきたが、半導体ガスセンサでは、人間の嗅覚のような、物質に対する高い選択性は望めない。そこで、本実施の形態に係る携帯電話装置は、口臭の原因物質の濃度をQCMセンサの出力信号の強さという形で測定する。そして、このように得られた原因物質の濃度を、所定の正の数を底とする対数値に変換することによって、口臭の強さに関する感覚量(以下、「口臭強度」と呼ぶ。)を算出し、口臭強度をユーザに通知する処理を行なう。
(構成)
本実施の形態に係る携帯電話装置100は、図1及び図2に示したハードウェアと、そのハードウェアにより実行されるプログラムと、ハードウェアに格納されるデータとにより実現される。図1に、本実施の形態に係る携帯電話装置100の外観を示し、図2に携帯電話装置100の内部構成を示す。
図1を参照して、携帯電話装置100は、筐体102と、筐体102の上部端面に取付けられた無線通信のためのアンテナ104と、筐体102の正面に取付けられた複数のキーからなる操作キー群106及び液晶ディスプレイ108とを含む。
筐体102には、一般的な携帯電話の筐体と同じように、受話口110と送話口112とが形成されている。送話口112は、測定対象となる呼気の吸入口を兼ねる。
操作キー群106及びディスプレイ108は、電話通信の際に電話番号の入力等を行なうためのユーザ・インタフェースとして使用されるだけでなく、口臭の原因物質の測定及びその結果の通知の際にもユーザ・インタフェースとして使用される。
図2を参照して、携帯電話装置100はさらに、受話器120と、送話器122と、受話器120、送話器122、及びアンテナ104に接続され、アンテナ104を介して無線で電話通信及びデータ通信を行なうための送受信回路124と、操作キー群106及び送受信回路124に接続され、携帯電話装置100の各部の制御及び口臭に関する演算処理を実行するためのCPU(中央演算装置)130と、CPU130に接続され、携帯電話システムのシステムプログラム等のコンピュータプログラム(以下単に「プログラム」と呼ぶ。)を記憶する読出専用メモリ(ROM)132と、CPU130に接続され、プログラム、作業データ等、及び口臭の原因物質に関する測定の結果を記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)134と、CPU130及び液晶ディスプレイ108に接続され、CPU130の制御に従い液晶ディスプレイ108を駆動するための駆動回路136とを含む。
携帯電話装置100はさらに、CPU130に接続され、CPU130の制御に従い作動して、発話者の呼気中の口臭の原因物質の濃度に応じたレベルの信号を出力するQCMセンサ140を含む。QCMセンサ140は、図1に示す筐体102内の送話口112付近に設置される。このような配置により、ユーザが通話を行なうときと同じようにこの携帯電話装置100を持つと、QCMセンサ140が送話口を介してユーザの口元に接近することになる。
QCMセンサ140は、圧電振動子が圧電効果によりその質量に応じた共振周波数で共振することを利用した微小質量測定用のセンサである。本実施の形態に係るQCMセンサ140は、圧電振動子として、カーボン又はシリコンからなる多孔体膜により表面がコーティングされた水晶振動子を有する。多孔体膜は、硫化水素、メチルメルカプタン、及びジメチルサルファイド等の揮発性硫化物を吸着しやすくなっている。多孔体膜が硫化水素、メチルメルカプタン、又はジメチルサルファイドを吸着すると、水晶振動子の質量は吸着した物質の質量分だけ増加する。水晶振動子の共振周波数は増加した質量に応じて変化する。QCMセンサ140は、この水晶振動子の共振周波数の変化を電気信号に変換して出力する。多孔体膜が吸着する物質の質量は、多孔体膜が存在する雰囲気中のその物質の濃度と高い相関を持つため、QCMセンサ140の出力信号をもとに、多孔体膜が吸着した物質の、雰囲気中の濃度を測定できる。
QCMセンサ140の測定対象の選択性は多孔体膜に依存する。多孔体膜が特定の物質に対してのみ高い吸着性を有していれば、QCMセンサ140の出力信号は、自ずからその物質の濃度と高い相関を持つことになる。そのため膜を適切に選択することにより、特定の物質に対する感度のみを上げて、その他の物質に対する感度を下げることができる。
図4に、本実施の形態で使用するQCMセンサ140のメチルメルカプタン及びエタノールに対する感度特性を示す。図4では、横軸がメチルメルカプタン及びエタノールの濃度を示し、縦軸がQCMセンサ140の出力信号の相対レベルを示す。このQCMセンサ140は、数十ppb程度の濃度までメチルメルカプタンを検出するが、エタノールについては数十ppm程度の濃度までしか検出しない。すなわちこのQCMセンサ140のメチルメルカプタンの感度は、エタノールの感度の数百〜数千倍程度であるということになる。よって、QCMセンサ140は、半導体ガスセンサより測定対象の選択性に優れたセンサであるといえる。より具体的に言えば、エタノールが存在する雰囲気中でも、QCMセンサ140を使用すれば、メチルメルカプタンの濃度を高い精度で測定できる。
図2に示すCPU130は、後述するプログラムに従い、QCMセンサ140を起動する処理、QCMセンサ140の出力信号から口臭の原因物質の濃度を求める処理、口臭の原因物質の濃度から口臭強度を算出する処理、及び算出した結果をもとにユーザに通知を行なうための信号を生成し駆動回路136に与える処理を行なう。このプログラムは、予めROM132により記憶される。又はアンテナ104及び送受信回路124を用いた無線データ通信により、携帯電話通信網及びいわゆるインターネットに代表される通信ネットワーク(いずれも図示せず)を介して、図示しないサーバよりダウンロードされる。プログラムは、実行の際にRAM134にロードされる。
このプログラムは、携帯電話装置100に、後述の動作を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかは、携帯電話装置100上で動作するシステムプログラム若しくはサードパーティのプログラム、又は携帯電話装置100にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。したがって、このプログラムは携帯電話装置100の行なう処理方法を実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能又は「ツール」を呼出すことにより、当該動作を実行する命令のみを含んでいればよい。
なお、携帯電話装置100の動作のうち、送受信回路124を用いた通信に関わる動作、携帯電話装置100のコンピュータとしての一般的な動作はいずれも周知であるので、ここでは繰返さない。
図3に、CPU130により実行される、口臭の原因物質の濃度測定、並びに測定結果に対する演算処理及びその結果の通知に関する動作を実現するプログラムの制御構造を、フローチャートにて示す。
図3を参照して、このプログラム200は、ユーザが操作キー群106を用いて所定の操作を行なったことを契機に開始される。プログラム200が開始されると、まずステップ202で、QCMセンサ140(図2参照)による呼気に含まれる口臭の原因物質の濃度測定を実行する。具体的には、まずQCMセンサ140に対し所定の制御信号を与えてQCMセンサ140を起動し、QCMセンサ140から水晶振動子の共振周波数の変化量に対応するレベルの電気信号を受け、そのレベルを読みとる。そして当該電気信号のレベルから口臭の原因物質の濃度を求める。なお、電気信号のレベルから濃度への変換は、例えば予めRAM134に記憶させておいた所定の換算表又は換算式に基づいて行なわれる。
続くステップ204では、ステップ202での測定で得られた口臭の原因物質の濃度を、所定の正の数(例えば10)を底とする対数値に変換する演算を行ない、口臭強度を算出する。ここに、測定により得られた口臭の原因物質の濃度をV、口臭強度をLとすると、口臭強度Lは、
L=alogV+b
により与えられる。なおこの式のa及びbは、いずれもQCMセンサ140により測定可能な濃度の範囲、及びその濃度範囲に対応する口臭強度の範囲により定められる定数である。ここで、Vmin及びVmaxをそれぞれ測定可能な濃度の範囲の下限及び上限、Lmin及びLmaxを最高レベル及び最低レベルの値とすると、Vmin≦V≦Vmax、かつLmin≦L≦Lmaxであって、定数a及びbはそれぞれ、
a=(Lmax−Lmin)/(logVmax−logVmin
b=(LmaxlogVmin−LminlogVmax)/(logVmin−logVmax
により与えられる。例えば、Vmax=500ppb、Vmin=50ppb、Lmax=10、Lmin=1であれば、50ppb〜500ppbの範囲の濃度が、1〜10の範囲の口臭強度に変換されることになる。
図5に、濃度測定により得られる口臭の原因物質の濃度と、口臭の感覚量(口臭強度)との関係を示す。図5を参照して、横軸は口臭の原因物質の濃度を対数尺度で示す。縦軸は濃度の対数である口臭強度を示す。人間の感じる臭いの強さは、その臭いの原因となる物質の濃度の対数に比例するため、口臭強度は、人が感じる口臭の強さを直接的に表す値であるといえる。
再び図3を参照して、ステップ206では、ユーザに対し通知する情報がどの情報であるかを選択する。すなわち、まず今回の測定結果を知りたいか、それとも前回の測定結果と今回の測定結果を比較したいかをユーザに問う内容の表示を行なう。操作キー群106から何らかの信号が送られてくると、その信号をもとに、ユーザによりどの情報が選択されたかを判定する。前者であれば、ステップ208に進む。後者であれば、ステップ210に進む。
ステップ208では、ステップ204で算出した口臭強度を表示し、ステップ216に進む。
ステップ210では、前回の測定時に後述のステップ218でRAM134に記録された口臭強度をRAM134から読出す。ステップ212では、今回の測定により得られた口臭強度と前回の測定で得られた口臭強度とを比較する。具体的には、ステップ204で得られた口臭強度とステップ210で読出した口臭強度との差を算出する。ステップ214では、ステップ212で算出した口臭強度の差を表示し、ステップ216に進む。
ステップ216では、終了待ちを行なう。操作キー群106が操作され、何らかの信号を操作キー群106から受取ると、その信号をもとに、ユーザによる操作が測定の終了に対応するものか、それ以外のものかを判定する。前者であれば、ステップ218に進む。後者であれば信号待ちを続行する。ステップ218では、今回の測定によりステップ204で算出された口臭強度をRAM134に書込む。そして一連の動作を終了する。
(動作)
携帯電話装置100は以下のように動作する。ユーザが操作キー群106(図1参照)を用いて測定開始に対応する所定の操作を行なうと、その操作に対応する信号が操作キー群106からCPU130(図2参照)に与えられる。CPU130は、この信号に応答してQCMセンサ140を起動させる。QCMセンサ140は、起動すると水晶振動子の駆動と当該水晶振動子の共振周波数のカウントとを開始する。この間にユーザが送話口112(図1参照)に向けて呼気を吹きかけると、呼気は、送話口112を通過してQCMセンサ140(図2参照)の水晶振動子に到達する。水晶振動子表面の膜は呼気に含まれる口臭の原因物質を吸着する。それに伴い水晶振動子の質量が増加し、水晶振動子の共振周波数が変化する。QCMセンサ140は、共振周波数の変化量に応じたレベルの電気信号をCPU130に対し出力する。CPU130がこの電気信号の入力を受け、当該電気信号のレベルをもとに水晶振動子表面の膜に吸着した口臭の原因物質の濃度を求める。CPU130はさらに、口臭の原因物質の濃度を対数値に変換する演算を行ない、口臭強度を求める。
口臭強度が算出されると、CPU130は、今回の測定結果を知りたいか、それとも前回の測定結果と今回の測定結果を比較したいかをユーザに問う内容を表示するための制御信号を駆動回路136に与え、操作キー群106からの信号待ちを行なう。駆動回路136は、与えられた制御信号に従い液晶ディスプレイ108を駆動し、液晶ディスプレイ108上に上記内容を表示させる。操作キー群106が操作され、操作キー群106から何らかの信号が送られてくると、CPU130はその信号をもとに、通知すべき内容を選択する。
今回の測定結果を通知する場合、CPU130は、今回の測定により得られた口臭強度を表示するための信号を生成し、駆動回路136に与える。駆動回路136は与えられた信号に従い液晶ディスプレイ108を駆動し、液晶ディスプレイ108上に口臭強度を表示する。上記のとおり、口臭強度は、人が感じる口臭の強さを表す値であるため、ユーザは、表示された値から、自己の口臭が人にとってどのくらい強く感じられるものであるかを容易に判断できる。
前回の測定結果と今回の測定結果とを比較して表示する場合、CPU130はまず、前回の測定時にRAM134に記録しておいた口臭強度を読出す。次に今回の測定により得られた口臭強度と前回の測定で得られた口臭強度との差を算出する。CPU130は、ステップ212で算出した口臭強度の差を表示するための信号を生成し、駆動回路136に与える。駆動回路136は与えられた信号に従い液晶ディスプレイ108を駆動し、液晶ディスプレイ108上に口臭強度の差を表示する。
口臭強度の差は、前回の測定時に人が感じたであろう口臭の強さと今回の測定時に人が感じる口臭の強さとの差を表す。この差が表すものは、口臭の原因物質の濃度の差が表すものとは全く異なる。例えば、口臭の原因物質の濃度が100ppbから50ppbに減少した場合と、500ppbから450ppbに減少した場合とを比較すると、いずれの場合も濃度は50ppb減少しているが、人の感じる口臭の変化の度合は全く異なる。人は、前者の変化の方を後者の変化よりはるかに大きく感じる。口臭強度の差は、このような感覚上の変化量を表す。そのためユーザは、前回の測定時に比べ自分の口臭が強くなったのか弱くなったのかという情報だけでなく、人の感じる口臭の変化の度合を知ることができる。例えば、ユーザが歯磨きの前後に1回ずつ測定をし、歯磨き後の測定結果を表示する際に比較表示を選択すると、歯磨き前の口臭強度と歯磨き後の口臭強度との差が表示される。ユーザは、表示された口臭強度の差から、歯磨きによって、他者がはっきりと感じられるほど明らかに口臭が改善されたのか、他者にとってはたいした違いがないほどにしか改善されなかったのかを知ることができる。このように口臭強度の差を表示することにより、ユーザは、種々の口臭の改善策及び生活の中でユーザが行なう様々な行為により、口臭の強さがどのように変化したかを判断しやすくなる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態に係る携帯電話装置100は、内蔵されたQCMセンサ140を用いて口臭の原因物質の濃度を測定した。しかし、本発明はこのような実施の形態には限定されない。例えばQCMセンサ以外のセンサを使用してもよい。図6に、センサとしてバイオセンサを用いる第2の実施の形態に係る携帯電話装置300の内部構成を示す。図6を参照して、この携帯電話装置300の内部構成は、図2に示す携帯電話装置100の内部構成に類似する。ただし、携帯電話装置300は、携帯電話装置100のQCMセンサ140に替えて、酵素反応を利用して口臭の原因物質の量に応じた信号を発生するバイオセンサ310を含む。バイオセンサ310は、測定対象の物質に対し選択的に作用する酵素を含んだ反応層を有する。測定対象の物質は酵素の作用によって反応層に吸着し、さらに酵素の触媒作用により測定対象の物質は反応層で酸化還元反応を起こす。バイオセンサ310は、その酸化還元反応によって発生する電気を信号として出力する。測定対象の物質が酵素の触媒作用により高い反応効率で酸化還元反応するため、一般にバイオセンサ310は、半導体ガスセンサより感度が高いといえる。また、酵素そのものが反応物質の選択性を備えているため、測定対象の選択性に優れたセンサであるといえる。
本実施の形態に係るバイオセンサ310の酵素は、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド等の口臭の原因物質に対する酸化還元酵素を含む。当該酵素により、バイオセンサ310の出力信号をもとに、それら口臭の原因物質の濃度を測定できる。
携帯電話装置300は、バイオセンサ310の出力信号から口臭の原因物質の濃度を特定する。そして第1の実施の形態と同様の動作で、口臭の原因物質の濃度から口臭強度を算出し、口臭強度に基づく通知を出力する。なおバイオセンサ310の出力信号から濃度への変換は、第1の実施の形態と同様に、CPU130により、例えば予めRAM134に記憶させておいた所定の換算表又は換算式に基づいて行なわれる。ただし、ここで参照される換算表又は換算式には、バイオセンサ310の感度特性に合わせて用意されたものが使用される。
このように、バイオセンサを用いて口臭の原因物質の濃度を測定し、さらにその測定値を対数尺度を用いて口臭強度に換算し、これを表示することにより、人間の嗅覚により近い尺度で、口臭に関する通知を行なうことができる。
[第3の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、測定を行なうたびに、測定により得られた口臭強度、又は前回の測定により得られた口臭強度に対する口臭強度の変化量を表示した。しかし、本実施の形態に係る携帯電話装置はこのような表示を行なうものには限定されない。
口臭は、生活のリズムの中で変化する。一般に口臭は、起床時に高く、食後に一時的に減少するといわれている。例えば、口臭と自己の健康状態等との関連性について関心を持っているユーザは、この変化により、健康状態に関する判断を誤るおそれがある。朝に測定した時に一時的に口臭強度が高くても、直ちに歯周病等、口臭と関連性のある健康上の問題が発生したとは限らない。また、逆に昼過ぎに測定して口臭強度が低下していたからといって、直ちに口臭と関連する健康上の問題が解決したとは言えない。そのため、生活のリズムと口臭強度とを併せて通知すると、そのような誤った判断を回避する助けとなる。
以下に示す第3の実施の形態では、携帯電話装置は、測定により得られる口臭強度の値を、その測定日時とともに記録する。そして、ユーザの要求に応じて、一日分の測定結果を一覧にして表示する。
本実施の形態に係る携帯電話装置のハードウェア構成は、第1の実施の形態に係る携帯電話装置100のものと同じである。ただし、CPU130により実行されるプログラムの制御構造は、第1の実施の形態に係る携帯電話装置100のものと異なる。
本実施の形態に係るプログラムには、次の2つのものがある。一方は、ユーザによる測定開始の操作を契機として開始される測定プログラムである。他方のプログラムは、ユーザが過去の測定結果の閲覧する際に実行される閲覧プログラムである。図7に測定プログラムの制御構造を示し、図8に閲覧プログラムの制御構造を示す。
図7を参照して、測定プログラム400の制御構造は、第1の実施の形態に係るプログラム200の制御構造に類似する。ただし、このプログラム400では、プログラム200のステップ218に替えてステップ402が実行される。ステップ402では、ステップ204で算出された口臭強度の値と測定が実行された日時とを一組のデータにし、当該データをRAM134に蓄積記録し、プログラム400を終了する。
図8を参照して、閲覧プログラム420が開始されると、ステップ422で、表示すべき日の指定を受付ける。具体的には、このプログラムの実行日から何日前の結果を表示するかを選択するための画面を表示し、操作待ちを行なう。そして操作信号をもとに、ユーザの所望する日を特定する。ステップ424では、ステップ422で受取った情報をクエリとしてRAM134に蓄積記録されているデータを検索し、測定日時がユーザの所望する日のいずれかの時刻となっているデータを全て読出す。ステップ426では、読出したデータをもとに、口臭強度の値を測定日時とともに測定日時順に並べた一覧を生成し、表示する。ステップ428では、この表示の終了待ちを行なう。何らかの操作が行なわれると、このプログラムは終了する。
本実施の形態では、携帯電話装置100は、以下のように動作する。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の動作によって、口臭の原因物質の濃度測定及び口臭強度の算出と、口臭強度の通知とが行なわれる。通知が終了すると、携帯電話装置100のCPU130は、今回の測定から得られた口臭強度とその測定日時とを一組のデータにし、RAM134に追加記録する。RAM134には、過去の測定の各々により得られた口臭強度がその測定日時とともに蓄積される。
ユーザが、操作キー群106を用いて、閲覧プログラム420の起動に対応する所定の操作を行なうと、CPU130は、その操作に応答して、図8に示す閲覧プログラム420を呼出し実行する。プログラム420が開始されると、CPU130は、口臭強度の測定日の選択を求める内容の画面を表示するための制御信号を駆動装置136に与える。駆動装置136は与えられた制御信号に従い液晶ディスプレイ108を駆動し、この画面を表示させる。この画面は例えば、今日から何日前の結果を表示するかを選択するための画面である。また例えば、日付を入力するためのテキストボックスを設けたGUI(Graphical User Interface)画面である。
ユーザが操作キー群106を用いてある日を指定する操作を行なうと、操作キー群106はその操作に対応する信号をCPU130に与える。CPU130は、与えられた信号をもとに表示対象の日を特定し、RAM134から、該当する日のデータを全て読出す。CPU130はさらに、読出したデータをもとに、選択された日に測定された口臭強度の値のすべてを測定時刻順に並べて一覧を作成し、それを表示するための信号を駆動回路136に与える。駆動回路136は与えられた信号にしたがい液晶ディスプレイ108を駆動し、当該一覧を表示する。
このように、指定された一日分の口臭強度を一覧表示することにより、ユーザは、自己の口臭に関し次のようなことを知ることができる。例えば、ユーザが一日に複数回にわたり測定を行なうようにしていれば、一日のうちでどの時間帯に口臭が強くなるのかを知ることができる。そのため、生活リズムと口臭との関係をユーザが把握しやすくなる。
また、ある日の測定結果を閲覧した後に、別の日の測定結果を閲覧するようにすると、ユーザは、日を単位として自己の口臭の変化を知ることができる。本実施の形態では、口臭強度が測定時刻とともに表示される。そのため、ある日の口臭の強い時間帯に測定された結果と別の日の口臭の弱い時間帯に測定された結果とを比較してしまい間違えた判断を下す、というような事態を回避する助けとなる。毎日同じ時間帯に測定を行なっておけば、同じ時間帯同士で口臭を比較できるため、体調変化等による口臭の強さの変化を把握しやすくなる。
[変形例]
<ハードウェアに関する変形例>
上記実施の形態では、QCMセンサ又はバイオセンサからの信号の処理をCPUが行なった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、それらセンサの出力信号を濃度に変換する処理を専門に行なう素子を、QCMセンサ又はバイオセンサとCPU130との間に設け、CPU130には原因物質の濃度の値が入力されるようにしてもよい。また例えば、濃度から口臭強度へ変換する演算専用の演算素子をさらに設け、CPU130が測定結果として口臭強度を受けるようにすることも可能である。
上記実施の形態では、送話口112(図1参照)が、QCMセンサ又はバイオセンサへの呼気の吹込口を兼ねていたが、呼気の吹込口を、送話口112とは別に設けてもよい。さらに、呼気の吹込口に開閉可能な蓋を設けておいてもよい。測定を行なわない時にセンサに蓋を閉じて、QCMセンサ又はバイオセンサの大気への曝露を抑制することができ、QCMセンサ又はバイオセンサの耐久性が向上し、安定した精度で口臭の原因物質の濃度を測定できる。なお通常の通話によるQCMセンサ又はバイオセンサと呼気との不要な接触を防ぐために、蓋を閉じたまま通話が行なえるようにしておくと便利である。さらに、蓋の開閉と測定とを連動させるようにしておくと、ユーザが蓋を開けるだけで測定を開始できるため便利である。
<測定値の処理に関する変形例>
上記実施の形態では、QCMセンサ又はバイオセンサの出力信号から口臭の原因物質の濃度を求め、そして濃度を対数化する演算によって口臭強度を得た。しかし、本発明はこのような実施の形態には限定されない。例えば出力信号のレベルを直接に対数化して、口臭強度を求めるようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施の形態では、口臭強度を記録し、その記録をもとに通知を行なった。しかし、本発明はこのようなものには限定されない。例えば、QCMセンサ又はバイオセンサからの出力信号のレベル、又は口臭の原因物質の濃度をRAM134に記録しておくようにしてもよい。この場合、通知を行なうときに、記録された値から口臭強度に変換する演算を随時行なう。また例えば、出力信号のレベル、口臭の原因物質の濃度、及び口臭強度を全てRAM134に記録してもよい。
<通知に関する変形例>
上記実施の形態では、測定結果として、対数への変換により得られた口臭強度の値を表示した。しかし、本発明はこのような実施の形態には限定されない。例えば、口臭強度の値を所定の方法で整数値に変換することにより、口臭の強さを所定数のレベルに分けることも可能である。例えば、原因物質の濃度50ppb〜500ppbの範囲を10段階の口臭レベルに分ける場合、上記第1の実施の形態で得られる口臭強度の値の小数点以下を切り捨てるだけでよい。このような口臭のレベルは人の嗅覚の特性に根ざしたものである。そのため、このような口臭のレベルを表示するようにすると、臭いの強さをわかりやすく通知できる。
また、口臭のレベルごとにメッセージを用意しておき、口臭のレベルに応じて、メッセージを表示することも可能である。例えば、歯磨き、うがい、ガムを噛む等、広く知られた口臭の改善策について、それらによる口臭の改善効果がどの程度効果的であるかを予め調べて、口臭のレベルに関連付けて記憶しておき、口臭のレベルに応じて、それら口臭の改善策をメッセージとして表示するようにしてもよい。例えば、低いレベルであればうがいを薦めるメッセージを表示するようにし、口臭のレベルが高ければガムを噛むことを薦めるメッセージを表示するようにし、さらに口臭のレベルが高ければ歯磨きすることを薦めるメッセージを表示するようようにしてもよい。また、口臭レベルによっては、歯周病、胃腸疾患等のように口臭との間の強い因果関係が指摘されている疾患について治療を薦めるメッセージを表示することも想定される。
<第3の実施の形態に関する変形例>
上記第3の実施の形態では、蓄積された過去の口臭強度のうち、指定された日に測定された1日分の値を一覧表示した。しかし、本発明はこのようなものには限定されない。測定日時とともに蓄積された過去の口臭強度のデータを用いて、より高度な通知を行なうようにしてもよい。
例えば、時間の経過に伴う口臭強度の変化をグラフ化して表示するようにしてもよい。このようにすると一日のうちで口臭がどのように変化するかを、ユーザに分かりやすく通知できる。
また例えば、指定された日の測定により得られた各口臭強度から、その日の口臭強度の平均値を算出し、これを表示するようにしてもよい。毎日の体調管理等にこの携帯電話装置を利用するユーザにとっては、一日の生活リズムによる口臭強度の変動にとらわれることなく口臭のチェックを行なうことができ、わかりやすくかつ便利である。
また例えば、予め測定日ごとに口臭強度の平均を算出しておき、ユーザの操作にしたがい、口臭強度の平均を複数日分まとめて表示するようにしてもよい。このような表示により、体調の変化等による長期的な口臭の変動を把握しやすくなる。例えば、このような表示をしておけば、数日にわたって口臭強度に増加傾向が認められるときに、歯周病、胃腸疾患、ストレス等についてユーザの注意を喚起できる。さらには、平均値同士の差を算出し、その差を蓄積記録したりすることにより、このような増加傾向を検出したり、検出された増加傾向に基づいて、これらの疾病等に関する治療を薦めるメッセージを表示したりすることも想定される。
また、一日の口臭の変化を一覧又はグラフにして通知するときに、口臭強度の平均を利用してもよい。例えば、一日を複数の時間帯に分け、時間帯毎にその日の測定データの平均値を算出する。そして時間帯ごとにデータの平均値を表示する。このようにすると、多少の測定時刻の変動が平均化により丸められるため、一日のうちでの口臭の大まかな変化を分かりやすく通知できる。さらには、表示対象の日において各時間帯の中に測定されたデータが無い時間帯がある場合等は、その時間帯については、表示対象の日の前日の、その時間帯における口臭強度の平均を表示するようにしてもよい。過去所定の日数分について、時間帯ごとにその時間帯における口臭強度の平均値を求めてその時間帯における口臭強度の基準値として記憶しておき、必要に応じて基準値を表示するようにしてもよい。また、測定を行なうたびに、前回の測定における口臭強度との差を表示する代わりに、その測定をもとに算出された口臭強度と、測定を行なった時刻の属する時間帯における口臭強度の基準値との差を表示するようにしてもよい。
基準値の算出には種々の方法が想定される。例えば、記録されている全てのデータについて、時間帯ごとの分類を行ない、さらに時間帯ごとに、その時間帯に属するデータの単純平均を算出し、当該時間帯における口臭強度の基準値としてもよい。又は、現時点から過去所定日数分のデータのみを用いて基準値を算出してもよい。さらには、現時点との間の経過日数が増加するにしたがい減衰するような重みを設定しておき、当該重みを用いて、時間帯ごとの基準値を算出してもよい。
〈その他変形例〉
上記実施の形態では、ユーザによる操作に応答して測定を開始した。しかし、本発明は、このような実施の形態には限定されない。例えば、図2に示す送受信回路124とQCMセンサ又はバイオセンサとを連動させるようにしてもよい。このような場合、例えば、通話が開始されることを契機に、図3又は図7に示すプログラムを起動する。そして通話が終了する、又は測定が終了すると、口臭強度の算出を行なう。口臭強度が算出した時点で通話が終了していなければ、通話の終了を待ってステップ206に進む。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話装置100の外観図である。 携帯電話装置100の内部構成を示すブロック図である。 携帯電話装置100による口臭に関する測定及び通知の動作を実現するプログラム200の制御構造を示すフローチャートである。 QCMセンサ140のメチルメルカプタン及びエタノールに対する感度特性を示す図である。 口臭の原因物質の濃度と、口臭強度との関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話装置300の内部構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る測定プログラム400の制御構造を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る閲覧プログラム420の制御構造を示すフローチャートである。 従来技術に係る半導体ガスセンサのメチルメルカプタン、エタノール、及びプロパンに対する感度特性を示す図である。
符号の説明
100,300 携帯電話装置、102 筐体、104 アンテナ、106 操作キー群、108 液晶ディスプレイ、110 受話口、112 送話口、120 受話器、122 送話器、124 送受信回路、130 CPU、132 ROM、134 RAM、136 駆動回路、140 QCMセンサ、310 バイオセンサ

Claims (7)

  1. 利用者の呼気中の所定の揮発性物質を選択的に検出し、当該物質の濃度に応じた信号を出力する気体センサと、
    前記気体センサの出力に基づいて、利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を算出するための演算手段と、
    前記演算手段により算出された利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を用いる所定の処理を行なうための処理手段とを含む、携帯電話装置。
  2. 前記気体センサは、前記所定の揮発性物質の濃度に応じた信号を出力するQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサを含む、請求項1に記載の携帯電話装置。
  3. 前記気体センサは、前記所定の揮発性物質に対する酵素反応を用いるバイオセンサを含む、請求項1に記載の携帯電話装置。
  4. 前記演算手段は、前記気体センサの出力の大きさを所定の対数尺度を用いて換算することにより前記利用者の呼気の臭いの強さの感覚量を算出するための換算手段を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の携帯電話装置。
  5. 前記換算手段は、
    前記気体センサに固有の第1の換算方法により、前記気体センサの出力を前記呼気中の前記所定の揮発性物質の濃度に換算する濃度換算手段と、
    前記濃度換算手段により換算された濃度を、所定の正の数値を底とする対数値に変換するための対数変換手段とを含む、請求項4に記載の携帯電話装置。
  6. 前記QCMセンサは、硫化水素、メチルメルカプタン、及びジメチルサルファイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの物質の空気中における濃度に応じた信号を出力する、請求項2に記載の携帯電話装置。
  7. 前記バイオセンサは、硫化水素に対する酸化還元酵素、メチルメルカプタンに対する酸化還元酵素、及びジメチルサルファイドに対する酸化還元酵素からなる群から選ばれる少なくとも一つの酵素による酵素反応を用いることを特徴とする、請求項3に記載の携帯電話装置。
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