JP2007211050A - 撥水撥油膜の形成法およびその表面構造 - Google Patents

撥水撥油膜の形成法およびその表面構造 Download PDF

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Abstract

【課題】効果的に撥水撥油性を示すフィルムおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】凹凸構造を疎水性のポリマーで写し取り、表面に凹凸構造を持たせたフィルムであって、該フィルムの凹凸表面において、粒子総面積比(凸部面積/総面積)が30〜99%であり、且つ、凹凸の高さが0.2〜2μm、凸部の幅が0.5〜3μm、凹部の幅が0.5〜3μmであることを特徴とするフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、撥水撥油膜およびその表面構造に関する。
従来から、固体表面をフッ素樹脂やシリコン樹脂などによってコーティングする等の化学的処理により撥水性を付与する技術はよく知られている。一方で、固体表面を凹凸化するという構造的処理によって表面の撥水性が変化することも非特許文献1等に記載されている。
また、例えば、特許文献1には、プラスチックフィルム上に無機硬質膜を形成し、この無機硬質膜上にプラズマ処理によって微小な突起を形成した後、該無機硬質膜凹凸表面にクロロシラン系又はアルコキシシラン系フッ素化合物を化学吸着させ単分子膜を形成させることにより撥水撥油性フィルムを形成する技術が記載されている。
A.W.Adamson「Physical Chemistry of Surfaces (John Wiley & Sons, New York ) 特開平6−116430号公報
しかしながら、上記いずれの方法も凹凸形状の制御が難しく、得られる膜表面の凹凸パターンがランダムであるという問題を有しており、より効果的に撥水撥油性を示すフィルムおよびその製造方法が望まれていた。
本発明者らは、下記の表面構造を有するフィルムが優れた撥水撥油性を示すことを見出した。優れた撥水撥油性とは表面張力が38mN/m以上の純水及び溶剤で接触角140°を超えていることを指す。
すなわち、本発明の構成は下記の通りである。
(1)疎水性ポリマーからなり、表面に凹凸構造を持たせたフィルムであって、該フィルムの凹凸表面において、粒子総面積比(凸部面積/下地面積)が30〜99%であり、且つ、凹凸の高さが0.2〜2μm、凸部の幅が0.5〜3μm、凹部の幅が0.5〜3μmであることを特徴とするフィルム。
(2)粒子総面積比が50〜90%であることを特徴とする上記(1)に記載のフィルム。
(3)粒子総面積比が70〜80%であることを特徴とする上記(1)に記載のフィルム。
(4)粒子総面積比が75%であることを特徴とする上記(1)に記載のフィルム。
(5)表面の凹凸構造が線状または格子状パターンを形成しており、凹凸の高さ、凹凸の間隔、凸部面積が一定であることを特徴とする上記(1)に記載のフィルム。
(6)該疎水性ポリマーの、凹凸を付与していない平滑面での接触角が、90°以上であることを特徴とする上記(1)に記載のフィルム。
(7)該疎水性ポリマーが、フッ素系ポリマー、シリコン系樹脂およびポリスチレンから選ばれることを特徴とする上記(6)に記載のフィルム。
(8)該疎水性ポリマーが、熱または紫外線照射による硬化物であることを特徴とする上記(7)に記載のフィルム。
(9)凹凸構造を疎水性ポリマーで写し取って形成されることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム。
(10)基材上に凹凸構造を形成し、該凹凸構造を疎水性のポリマーで写し取り、表面に凹凸構造を持たせたフィルムであって、基材上の凹凸構造が、リソグラフィー、エッチングまたはプラズマ処理により形成されたことを特徴とする上記(9)に記載のフィルム。
(11)基材の凹凸構造が線状または格子状パターンを形成しており、凹凸の高さ、凹凸の間隔、凸部面積が一定であることを特徴とする上記(10)に記載のフィルム。
本発明によれば、表面張力の小さな溶剤でも弾く膜を提供することができる。また、本発明のフィルムは、撥水性が要求される様々な製品(例えば、建造物、乗り物の窓、インクジェット、傘、テーブル、盆、水周り部材、など)に利用できる。特に、シリコンエラストマーを用いることにより、平らな面に貼り付けることが可能であり、また表面張力の小さな溶剤も弾くので利用範囲は非常に広い。
<基板>
基板上への凹凸形状の形成が可能であれば、特に限定されず、無機物でも高分子などの有機物質からなる基板いずれも用いることが出来る。無機物質からなる基板としては、ガラス板、シリコン板、アルミ板、ステンレス板、および金、銀、亜鉛、銅等などの金属板、およびITO、酸化錫、アルミナ、酸化チタン、などの金属酸化物を表面に設けた基板なども使用することが出来る。
また高分子基板としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレー卜、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂からなる基板を使用することができる。
(基板上へのパターンの形成・手段)
基板上へ微細な凹凸形状を形成する方法としては、従来公知の種々の方法をいずれも用いることができる。
例えば、物理的に切削加工もしくは研削加工、または集積回路製作に用いられている真空蒸着、リソグラフィー、エッチング、プラズマ処理などにより形成することが可能であり、レーザー加工または印刷技術によっても形成することができる。温度や温度勾配、化学物質の濃度や濃度勾配、電磁場などの外部因子を制御することにより自然発生させるものとして、電気分解、化学反応、微生物反応などにより固体表面を溶解あるいは腐食させる方法、電気分解や拡散律速凝集などにより固体表面に物質を析出させる方法、微粒子凝集体を固体表面に付着させる方法、互いに非相溶な二種類の物質を混合し相分離を進行させて二つの相が互いに入り組んだ相分離パターンができたときにどちらか片方の物質のみを溶出させる方法、あるいは、アルキルケテンダイマーやジアルキルケトンなどのように融液あるいは溶液からの固化時に自然に多段凹凸化するものを利用する方法などがある。特に室温で固化時に自然に多段凹凸化するものは撥水塗料として用いることができる。
基板が有する凹凸形状の形態は、粒子総面積比(凸部面積/下地面積)が30〜99%であることが好ましく、より好ましくは50〜90%であり、更に好ましくは70〜80%であり、最も好ましくは75%である。尚、本明細書において、「凸部面積(突起部面積)」とは、凸部高さの1/2で水平に切った時の断面の面積を意味する。また、下地面積とは、フィルム面に垂直な方向における投影面積であり、凸部高さを除いたフィルム面積を表す。
凸部の形状は、例えば、四角柱、三角柱、円柱、円錐、不規則形等いずれでもよいが、基板の凹凸の高さは0.2〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.8μmであり、特に好ましくは1.0〜1.5μmである。凸部の幅は0.5〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.6〜2.0μmであり、特に好ましくは0.8〜1.5μmである。
凹部の幅は0.5〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.8μmであり、特に好ましくは1〜1.5μmである。
凹凸構造の形状としては特に限定されないが、線状または格子状パターンを形成しており、凹凸の高さ、凹凸の間隔、凸部面積、それぞれの値の誤差が10%以内であることが好ましい。
本明細書において、「凸部の幅」は、凸部が円錐の場合、高さの1/2における円の直径とする。凸部が円錐以外の場合は、高さの1/2の外接円の直径とする。
また、本明細書において、「凹部の幅」は、凸部の高さの1/2において、最も近くにある凸部の高さの1/2との距離とする。
上記の、粒子層面積比、凹凸の高さ、凸部の幅、および凹部の幅は、AFM(atomic force microscopy)を用いて測定できる。
<疎水性ポリマー>
本発明において用いられる疎水性ポリマーは、凹凸を付与しない平滑面での接触角が90°以上であることが好ましい。より好ましくは95°以上、更に好ましくは100°以上である。接触角は英弘精機株式会社OCA20により測定することができる。
本発明に係る疎水性ポリマーは、フッ素系ポリマー、シリコン系樹脂、またはポリスチレンが好ましい。また、これらの疎水性ポリマーは、熱または紫外線照射による硬化により得られることが好ましい。
フッ素系ポリマーとしては、下記フッ素モノマーの重合によって得られるポリマーであることが好ましい。
(フッ素モノマー)
本発明において、有効なフッ素モノマーはフッ素原子が一分子中に2個以上含まれるモノマーであり、一般的にパーフルオロ基と呼ばれるものである。
(フッ素含有単量体)
本発明にかかる疎水性ポリマーの原料として用いうるフッ素含有重合体被膜は、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のフッ素含有単量体から形成されるものである。
CH2=CR1COOR2f・・・(I)
〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−Cp2p−、−C(Cp2p+1)H−、−CH2C(Cp2p+1)H−又は−CH2CH2O−、Rfは−Cn2n+1、−(CF2nH、−Cn2n+1−CF3、−(CF2pOCn2ni2i+1、−(CF2pOCm2mi2iH、−N(Cp2p+1)COCn2n+1又は−N(Cp2p+1)SO2n2n+1である。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。〕
CF2=CFORg ・・・(II)
(式中、Rgは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表す。)
CH2=CHRg・・・(III)
(式中、Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表す。)
CH2=CR3COOR5j6OCOCR4=CH2 ・・・(IV)
〔式中、R3及びR4は各々水素原子又はメチル基、R5及びR6は−Cq2q−、−C(Cq2q+1)H−、−CH2C(Cq2q+1)H−又は−CH2CH2O−、Rjは−Ct2tである。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。〕
CH2=CHR7COOCH2(CH2k)CHOCOCR8=CH2・・・(V)
(式中、R7及びR8は各々水素原子又はメチル基、Rkは−Cy2y+1である。但し、yは1〜16の整数である。)
以下、フッ素含有単量体の具体例を挙げるが、本発明はこれに制限されるものではない。
一般式(I)で示される単量体としては、例えばCF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、C25SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2、(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2、CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C25(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2、(CF32CFO(CH25OCOCH=CH2、CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C25CON(C25)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF26C(C25)OCOC(CH3)=CH2、H(CF28CH2OCOCH=CH2、H(CF24CH2OCOCH=CH2、H(CF2)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)C(C25)HCH2OCOCH=CH2等が挙げられる。
また、一般式(II)及び(III)で表されるフルオロアルキル化オレフィンとしては、例えばC37CH=CH2、C49CH=CH2、C1021CH=CH2、C37OCF=CF2、C715OCF=CF2及びC817OCF=CF2などが挙げられる。
一般式(IV)及び(V)で表される単量体としては例えば、CH2=CHCOOCH2(CF23CH2OCOCH=CH2、CH2=CHCOOCH2CH(CH2817)OCOCH=CH2などが挙げられる。
フッ素含有重合体被膜を形成する単量体として、上記フッ素含有単量体に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、フッ素を有しない単量体を併用することができる。そのような単量体としては、ラジカル重合可能なものであれば特に限定されないが、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類、及びそのアルキル又はグリシジルエステル類、スチレン、アルキル酸のビニルエステル類、ケイ素含有単量体などが挙げられる。
併用する場合の配合量はフッ素含有単量体に対して50質量%以下が好ましい。
疎水性ポリマーの合成に使用しうるモノマーとして、上記フッ素含有モノマーに加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、フッ素を有しないモノマーを併用することができる。そのようなモノマーとしては、ラジカル重合可能なものであれば特に限定されないが、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類、及びそのアルキル又はグリシジルエステル類、スチレン、アルキル酸のビニルエステル類、ケイ素含有モノマーなどが挙げられる。
併用する場合の配合量はフッ素含有モノマーに対して50質量%以下が好ましい。
シリコン系樹脂としては、下記ケイ素系モノマーの重合によって得られることが好ましい。
本発明にかかる疎水性ポリマーの原料として用いうるケイ素系モノマーとしては、Si−CH3基又は−O−Si−CH3基を有するケイ素系モノマーを挙げることができる。具体的には、シリコンアクリレートまたはシリコンメタクリレートであり、一般式(CH3O)nSi(CH33-n−R3−O−CO−CR4=CH2で表されるものであり、R3は連結基であり、R4はメチルまたは水素原子である。その他、例えば、特開2003−335984号公報の段落番号〔0025〕に記載されるシリコン系モノマーもまた、好適なものとして挙げることができるが、PDMS(ポリジメチルシロキサン)構造が最も好ましい。
(その他のモノマー)
前記疎水性ポリマーには、その他のモノマーが共重合されていても良い。これらのモノマーは本発明にかかる疎水性ポリマーの溶剤溶解性などを上げるのに使用される。このような目的で使用されるモノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、などのアクリル酸エステルを使用することができる。
本発明に係る疎水性ポリマーの分子量としては100〜20000の範囲であり、とくに1000〜10000の範囲が好ましい。この分子量の範囲の特定の疎水性ポリマーを用いることで、優れた撥水・撥油性が実現され、且つ、基材表面に接触させる際などの溶剤の溶解性に優れ、取り扱い性も良好となる。
本発明のフィルムの形成方法としては特に限定されないが、特定の凹凸構造を有する基板上に、疎水性ポリマー前駆体を含有する溶液を塗布し、これを熱または紫外線照射などにより硬化させて、基板の凹凸構造を写し取ったのち、スタンパーである基板からフィルムを外して形成することが好ましい。
本発明の疎水性ポリマーより形成される膜(フィルム)は、基材の凹凸構造を転写されたものであり、該フィルムが有する凹凸形状の形態は、粒子総面積比(凸部面積/下地面積)が30〜99%である。好ましくは50〜90%であり、更に好ましくは70〜80%であり、最も好ましくは75%である。
凸部の形状は、例えば、四角柱、三角柱、円柱、円錐、不規則形等いずれでもよいが、凹凸の高さは0.2〜2μmであり、好ましくは0.5〜1.8μmであり、より好ましくは1〜1.5μmである。凸部の幅は0.5〜3μmであり、好ましくは1.0〜2.8μmであり、より好ましくは2.0〜2.5μmである。
凹部の幅は0.5〜3μmであり、好ましくは0.6〜2.0μmであり、より好ましくは0.8〜1.5μmである。
凹凸構造の形状としては特に限定されないが、線状または格子状パターンで形成されており、凹凸の高さ、凹凸の間隔、凸部面積、それぞれの値の誤差が10%以内であることが好ましい。
疎水性フィルムの表面を上記範囲とすることにより、優れた撥水撥油性が実現できる。
上記の、粒子層面積比、凹凸の高さ、凸部の幅、および凹部の幅は、AFM(atomic force microscopy)を用いて測定できる。
以下、本発明の実施例により例証するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
フォトリソグラフィーで高さ0.5μm、幅1〜30μmの凹凸構造を付与したシリコン基板を作成した。凸部の形として、円柱、四角柱のものを作成した。
そのシリコン基板上に、シリコン系熱硬化樹脂(SYLGARD 184:東レ・ダウコーニング)を塗布し、60℃で1時間〜2時間加熱した。
加熱後、スタンパーからシリコン系熱硬化樹脂を剥がし、純水とSDS水溶液で接触角測定を行った。
尚、接触角(°)の測定は、英弘精機株式会社OCA20を用い、3mLの蒸留水をマイクロシリンジを用いて膜上に滴下して、膜と水滴端部の接線とからなる角度を液滴の滴下から1分以内に測定した。
Seiko Instruments Inc Nanopics2100で凹凸を転写したシリコン樹脂の粒子総面積比(凸部面積/下地面積)を算出し、接触角との関係をプロットした。粒子総面積比の算出法に関しては図1に示す。
粒子総面積比に対して接触角をプロットしたものを図3に示す。また、下記表に、使用した溶剤の表面張力(24℃)を示す。
純水で接触角を測定した時、粒子総面積比が小さくなるほど接触角は大きくなった。
SDS水溶液で接触角を測定した時、粒子総面積比が大きくなるほど接触角は大きくなった。
粒子総面積比が72%のところでは表面張力が38−72mN/mの溶剤で接触角140°以上を示すことが分かった。
Figure 2007211050
[実施例2]
フォトリソグラフィーで高さ0.5μmの四角錐の凹凸を付与したシリコン基板を作成した。
そのシリコン基板上に、シリコン系熱硬化樹脂(SYLGARD 184:東レ・ダウコーニング)を塗布し、60℃で1時間〜2時間加熱した。加熱後、スタンパーからシリコン系熱硬化樹脂を剥がし、純水とSDS水溶液で接触角測定を行った。実施例2の凹凸表面の模式図を図2に示す。
Seiko Instruments Inc Nanopics2100で凹凸を転写したシリコン樹脂の粒子総面積比(凸部面積/下地面積)を算出し、接触角との関係をプロットした。粒子総面積比に対して接触角をプロットしたものを図4に示す。
実施例1の時と同様に、純水で接触角を測定した時、粒子総面積比が小さくなるほど接触角は大きくなり、SDS水溶液で接触角を測定した時、粒子総面積比が大きくなるほど接触角は大きくなった。
粒子総面積比が72%のところでは、表面張力が38−72mN/mの溶剤で接触角140°以上を示すことが分かった。
凹凸の高さが0.5μm、凸凹の幅が0.5〜3μm以内で粒子総面積比30〜99%の表面は、表面張力が38mN/m以上の溶剤に対して接触角140°を超えていることが分かった。
実施例1の説明図および粒子総面積比の説明図である。 実施例2の説明図である。 円柱・四角柱の凹凸パターンにおける接触角測定結果である。 四角錐の凹凸パターンにおける接触角測定結果である。

Claims (10)

  1. 疎水性ポリマーからなり、表面に凹凸構造を持たせたフィルムであって、該フィルムの凹凸表面において、粒子総面積比(凸部面積/下地面積)が30〜99%であり、且つ、凹凸の高さが0.2〜2μm、凸部の幅が0.5〜3μm、凹部の幅が0.5〜3μmであることを特徴とするフィルム。
  2. 粒子総面積比が50〜90%であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 粒子総面積比が70〜80%であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  4. 表面の凹凸構造が線状または格子状のパターンを形成しており、凹凸の高さ、凹凸の間隔、凸部面積が一定であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  5. 該疎水性ポリマーの、凹凸を付与していない平滑面での接触角が、90°以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  6. 該疎水性ポリマーが、フッ素系ポリマー、シリコン系樹脂およびポリスチレンから選ばれることを特徴とする請求項5に記載のフィルム。
  7. 該疎水性ポリマーが、熱または紫外線照射による硬化物であることを特徴とする請求項6に記載のフィルム。
  8. 凹凸構造を疎水性ポリマーで写し取って形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム。
  9. 基材上に凹凸構造を形成し、該凹凸構造を疎水性のポリマーで写し取り、表面に凹凸構造を持たせたフィルムであって、基材上の凹凸構造が、リソグラフィー、エッチングまたはプラズマ処理により形成されたことを特徴とする請求項8に記載のフィルム。
  10. 基材の凹凸構造が線状または格子状パターンを形成しており、凹凸の高さ、凹凸の間隔、凸部面積が一定であることを特徴とする請求項9に記載のフィルム。
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