JP2007207884A - 金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】鉛フリー化した金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサの酸化劣化(銅害)防止と耐腐食性を両立できる、錫−亜鉛系合金組成のメタリコン材料を提供する。
【解決手段】錫−亜鉛系合金に、銅を0.2〜0.7wt%の範囲で含有させることにより、電極電位試験での耐蝕性に問題もなく、連続耐用性試験での銅による金属化ポリプロピレン酸化劣化(銅害)の影響もなく、特性面での安定化を図ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】錫−亜鉛系合金に、銅を0.2〜0.7wt%の範囲で含有させることにより、電極電位試験での耐蝕性に問題もなく、連続耐用性試験での銅による金属化ポリプロピレン酸化劣化(銅害)の影響もなく、特性面での安定化を図ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、金属化ポリプロピレンフィルムを用いた乾式金属化フィルムコンデンサに関するものである。
金属化フィルムコンデンサは、一般に誘電体であるプラスチックフィルムにアルミニウムの金属を蒸着して、金属薄膜を形成し、この金属薄膜を内部電極とした金属化フィルムを重ねて巻回した後、その両巻回端面に錫や亜鉛などの金属を溶射して外部電極を形成しコンデンサ素子としている。
金属化フィルムコンデンサの外部電極となるメタリコン層の成分は、錫90.0〜96.0wt%、亜鉛2.5〜6.0wt%、アンチモン0.5〜1.5wt%、銅1.0〜2.5wt%の範囲で、銅含有量の多い組成のものが、メタリコン材料の耐蝕性向上、耐熱性、耐湿性および電気的な接続、特性等の改善のために用いられている(特許文献1参照)。
金属化フィルムコンデンサの外部電極となるメタリコン層の成分は、錫90.0〜96.0wt%、亜鉛2.5〜6.0wt%、アンチモン0.5〜1.5wt%、銅1.0〜2.5wt%の範囲で、銅含有量の多い組成のものが、メタリコン材料の耐蝕性向上、耐熱性、耐湿性および電気的な接続、特性等の改善のために用いられている(特許文献1参照)。
しかし、上記錫−亜鉛系合金をメタリコンとして用いると、金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサの充放電特性、耐用性が不安定でバラツキがあった。
これはメタリコン成分として用いられる銅成分の触媒作用により、誘電体ポリプロピレンフィルムの酸化劣化(銅害)の進行が著しく早まるためであり、逆にコンデンサの耐腐食性の面では銅が必要であることより、酸化劣化防止と耐腐食性を両立するメタリコン材料が求められていた。
これはメタリコン成分として用いられる銅成分の触媒作用により、誘電体ポリプロピレンフィルムの酸化劣化(銅害)の進行が著しく早まるためであり、逆にコンデンサの耐腐食性の面では銅が必要であることより、酸化劣化防止と耐腐食性を両立するメタリコン材料が求められていた。
本発明はこれを解決するもので、ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属を蒸着した金属化ポリプロピレンフィルムを重ね合せるか、または金属化ポリプロピレンフィルムとポリプロピレンフィルムを重ね合わせ巻回してなるコンデンサ素子の両巻回端面に、メタリコン層を形成して外部電極とした金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子において、前記メタリコン層の成分が、銅を0.2〜0.7wt%含有する錫−亜鉛系合金であることを特徴とするものである。
本発明の金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサは、外部電極金属材料(メタリコン層)として、錫−亜鉛系合金組成に、銅を0.2〜0.7wt%の範囲で含有することにより、誘電体ポリプロピレンの酸化劣化を抑制し、耐腐食性に優れ、品質の安定化を図ることが可能となる。
また、充放電特性、耐用性面で必要とするレベルが確保でき、耐腐食性を劣化させることなく、鉛フリー化した金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサの耐用性等、特性面での劣化もなく安定化を図ることができる。
また、充放電特性、耐用性面で必要とするレベルが確保でき、耐腐食性を劣化させることなく、鉛フリー化した金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサの耐用性等、特性面での劣化もなく安定化を図ることができる。
ポリプロピレンフィルムにアルミニウムを蒸着させた金属化ポリプロピレンフィルムを重ねて巻回してコンデンサ素子とし、その両巻回端面にメタリコンを溶射して電極を形成し、金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサを作製した。メタリコンは、錫90.0〜96.0wt%と亜鉛2.5〜4.5wt%の合金に、アンチモン0.5〜1.0wt%を加え、銅の含有量を0.0〜1.0wt%で変化させて作製した。
メタリコン金属材料の錫−亜鉛系合金組成に、アンチモン0.7wt%を加え、銅含有量が0.0wt%、0.2wt%、0.5wt%、0.7wt%、1.0wt%配合の5種類のメタリコン金属線材料を作製し、その線材の耐蝕性試験を行った。
表1にその耐蝕性試験結果を示す。試験は3.5wt%の塩化ナトリウム水溶液に、線径1.3mmのメタリコン金属材料を24時間浸漬し、目視で白色変化している箇所があれば×、なければ○とした。水溶液温度は30℃、雰囲気は大気開放とした。
銅含有量が1.0wt%の配合系は最も良好な結果であったが、銅含有量が0.2wt%、0.5wt%、0.7wt%の材料との差異は見られず耐蝕性は何れも差異は見られなかった。しかし、銅含有量が0.0wt%の材料は、浸漬部表面の金属光沢がなくなり、腐蝕していた。
表1にその耐蝕性試験結果を示す。試験は3.5wt%の塩化ナトリウム水溶液に、線径1.3mmのメタリコン金属材料を24時間浸漬し、目視で白色変化している箇所があれば×、なければ○とした。水溶液温度は30℃、雰囲気は大気開放とした。
銅含有量が1.0wt%の配合系は最も良好な結果であったが、銅含有量が0.2wt%、0.5wt%、0.7wt%の材料との差異は見られず耐蝕性は何れも差異は見られなかった。しかし、銅含有量が0.0wt%の材料は、浸漬部表面の金属光沢がなくなり、腐蝕していた。
次に、金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子の両巻回端面に、外部電極となる5種類のメタリコン金属線材料を溶射し、メタリコン層を形成した乾式金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサ(静電容量0.68μF、定格電圧630V)について、連続耐用性試験1000時間の結果を表3に、連続耐用性試験後の充放電試験の結果を表2に示す。
1000時間の連続耐用性試験後の充放電試験(耐電流性)は、試料10個とし、各充放電電流毎にそれぞれ1000回の試験を実施後、10kHzでtanδを測定し、初期値の1.2倍以下を合格とし、その個数を計測した。なお、充放電電流(A/m)は、金属化ポリプロピレンフィルムの有効電極長(m)あたりのピーク電流で設定した。
1000時間の連続耐用性試験後の充放電試験(耐電流性)は、試料10個とし、各充放電電流毎にそれぞれ1000回の試験を実施後、10kHzでtanδを測定し、初期値の1.2倍以下を合格とし、その個数を計測した。なお、充放電電流(A/m)は、金属化ポリプロピレンフィルムの有効電極長(m)あたりのピーク電流で設定した。
また、連続耐用性試験は、作製した金属化ポリプロピレンを用いた乾式金属化フィルムコンデンサ(静電容量0.68μF、定格電圧630V)の初期値を計測して、温度85℃で、定格電圧630Vの1.25倍の電圧を印加して、連続耐用性試験1000時間実施後、静電容量変化率(ΔCap±7%以内)、1kHzでのtanδ(0.88%以下)、絶縁抵抗(1320MΩ以上)を測定した。試料数は10個でデータは平均値とした。
銅の含有量1.0wt%配合系では、銅による誘電体ポリプロピレンの巻回端面部(外部電極との接触面)での酸化劣化が進行したと推測され、高周波誘電体損失(40kHz)の増加傾向が見られたこと、および充放電試験で耐電流性が劣ることが分った。
従って、メタリコン金属材料の錫−亜鉛系合金組成の銅含有量は0.2〜0.7wt%の範囲が好適である。
従って、メタリコン金属材料の錫−亜鉛系合金組成の銅含有量は0.2〜0.7wt%の範囲が好適である。
なお、本実施例ではメタリコンを1層としたが、本発明によるメタリコン層の外層に、さらに異なる組成のメタリコン層を設けてもよいことはいうまでもない。
Claims (1)
- ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属を蒸着した金属化ポリプロピレンフィルムを重ね合わせるか、または金属化ポリプロピレンフィルムとポリプロピレンフィルムを重ね合わせ巻回してなるコンデンサ素子の両巻回端面に、メタリコン層を形成して外部電極とした金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ素子において、
前記メタリコン層の成分が、銅を0.2〜0.7wt%含有する錫−亜鉛系合金であることを特徴とする金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサ。
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2006
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