JP2007205628A - 給湯装置、および蓄放熱方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄熱時に時間の経過とともに、熱交換量が低下することがなく、したがって、熱源ユニットの熱を効率よく蓄熱することが可能な給湯装置を提供すること。
【解決手段】 用いられる潜熱蓄熱材を、放熱運転時において過冷却状態となり、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能な潜熱蓄熱材とし、蓄熱ユニットに前記潜熱蓄熱材が過冷却状態となった場合に、当該過冷却状態を解除するための過冷却解除装置を設け、前記蓄熱ユニットに蓄熱する際には、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における低温側の潜熱蓄熱材を熱源ユニットに供給するようにし、前記蓄熱ユニットから放熱する際には、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における高温側の潜熱蓄熱材を給湯ユニットに供給する。
【選択図】 図6
【解決手段】 用いられる潜熱蓄熱材を、放熱運転時において過冷却状態となり、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能な潜熱蓄熱材とし、蓄熱ユニットに前記潜熱蓄熱材が過冷却状態となった場合に、当該過冷却状態を解除するための過冷却解除装置を設け、前記蓄熱ユニットに蓄熱する際には、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における低温側の潜熱蓄熱材を熱源ユニットに供給するようにし、前記蓄熱ユニットから放熱する際には、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における高温側の潜熱蓄熱材を給湯ユニットに供給する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、給湯装置、および蓄放熱方法に関する。
従来からエンジン、燃料電池、ヒートポンプサイクルなどを熱源ユニットとし、当該熱源ユニットの熱を利用して水道水等を加熱して温水を生成する給湯装置が開発されている。
このような給湯装置のうち、電力によって駆動される熱源ユニットを用いる場合には、前記熱源ユニットを駆動するにあたり、コスト削減のために夜間電力を用いることが多い。しかしながら、夜間電力を利用して温熱を生成した場合、温水が実際に使用される日中までこれを貯蔵しておくことが必要となる。
また、エンジンや燃料電池を熱源ユニットとする場合には、それらを駆動して動力や電力を発生させ、その際に同時に発生する熱を利用する、いわゆるコジェネレーションであり、動力や電力の需要時間と、熱の需要時間が一致していない場合にも発生温熱を蓄熱しておく必要が生じる。
従来、温熱の蓄熱用として一般的に水が利用されている。しかし、水を蓄熱材として利用した場合その顕熱で蓄熱することになるため単位体積あたりの熱容量が十分ではなく、蓄熱容器が大型化する問題が生じる。
このような問題を解消するために、相変化に伴う大きな潜熱量を有する潜熱蓄熱材を水の代わりに使用する装置が開示されている。(例えば、特許文献1)。相変化に伴う潜熱を利用することにより、水の顕熱による蓄熱に比べて単位体積あたりの熱容量を増大させることができ、蓄熱槽をコンパクト化できる。
特開2001−207163号公報
蓄熱ユニットへの蓄熱運転時、蓄熱材は熱源ユニットから熱を供給され加熱される。これは逆に熱源ユニット側から見ると蓄熱材によって冷却されていることになる。一般に、熱源ユニットは、冷却が不十分の場合その効率が低下する。
ヒートポンプサイクルの場合には、投入エネルギーあたりの熱出力、すなわちCOPが低下する。特に冷媒として二酸化炭素を用いたヒートポンプサイクルの場合、圧縮時の二酸化炭素冷媒が超臨界状態となっているためCOPの低下が顕著となる。
また、エンジンや燃料電池においても、冷却不十分の場合、出力低下や燃料消費率悪化、さらには装置の故障にもつながる。
ここで、図1は、従来の潜熱蓄熱材を用いた給湯装置の一部の構成を示す概略図である。
図1に示すように、一般に、潜熱蓄熱材を用いて給湯装置を構成する場合、蓄熱材100を蓄熱槽101内に入れておき、同じく蓄熱槽101内に設置した熱交換器102(一般的にはチューブ)に熱源ユニット103から供給される高温の熱媒体を流通させ蓄熱材100と熱交換するようにしている。
この場合、蓄熱時において潜熱蓄熱材100の温度が上昇してくると、熱媒体と潜熱蓄熱材100との間で熱交換される熱量が低下してしまい、熱媒体が熱交換器102を通過しても十分に低温とならず、その結果、熱源ユニット103の冷却が不十分となり、熱源ユニットの効率が低下してしまうという問題が生じる。
なお、熱媒体とは、熱源ユニットで生成される熱を保有し、搬送する物質である。一般的に温水または蒸気がよく使用される。熱源ユニットがヒートポンプユニットの場合は、高温状態の冷媒と熱交換した温水を熱媒体とすることが多いが、作動冷媒そのものを熱媒体とすることも可能である。
図2は、この問題を分かりやすく説明するための模式図である。
図2(1)〜(6)は、潜熱蓄熱材に蓄熱をした場合における、当該潜熱蓄熱材とこれと熱交換される熱媒体の温度の経時変化を模式的に示したものである。
なお、図2(1)が蓄熱開始時であり、時間の経過とともに図2(1)から(6)へと変化する。また、図2の各図は、潜熱蓄熱材が充填された蓄熱槽において、当該蓄熱槽の上端から下端へ向かって熱媒体が当該蓄熱槽内部に設置された熱交換器を通過することにより、熱媒体と潜熱蓄熱材とが熱交換する場合を想定し、この場合における当該蓄熱槽1の鉛直方向の各場所(例えば、上端近傍や下端近傍など)を縦軸に表し、各場所における潜熱蓄熱材と熱媒体それぞれの温度を横軸に表している。
図2(1)は蓄熱開始時を示している。蓄熱開始時においては、潜熱蓄熱材は蓄熱槽の上端から下端まで、均一な温度Tpcm−iを呈しており、この温度は熱媒体に対して十分に低温である。したがって熱源ユニットによって熱せられた熱媒体が上端側から導入された場合、潜熱蓄熱材と熱媒体とが互いに熱交換し、熱媒体は十分に冷却されて蓄熱槽の下端から排出される。
図2(2)は、前記(1)から所定の時間が経過した時を示している。熱源ユニットによって熱せられた高温の熱媒体が導入される蓄熱槽の上端近傍の潜熱蓄熱材の温度が若干上昇しているため、熱媒体と潜熱蓄熱材の平均温度差が減少し、全体としての熱交換量が低下してしまう。その結果、熱媒体は前記(1)より温度が高い状態で蓄熱槽の下端から排出される(つまり、熱媒体の出口温度が上昇する。)。
図2(3)は、前記(2)からさらに所定の時間が経過した時を示している。熱源ユニットによって熱せられた高温の熱媒体が導入されてから所定の時間が経過しているため、蓄熱槽の上端近傍の潜熱蓄熱材の温度はさらに上昇し、潜熱蓄熱材の融点Tmに達し、当該部分の一部は融解が始まる。その結果、全体としての熱交換量はさらに低下し、熱媒体の出口温度もこれに伴いさらに上昇する。
図2(4)は、前記(3)からさらに所定の時間が経過した時を示している。熱源ユニットによって熱せられた高温の熱媒体が導入されてからさらに時間が経過しているため、蓄熱槽内の潜熱蓄熱材の約半分が融点Tmに達して融解が進む。その結果、全体としての熱交換量はさらに低下し、熱媒体の出口温度もこれに伴いさらに上昇する。
図2(5)は、前記(4)からさらに所定の時間が経過した時を示している。熱源ユニットによって熱せられた高温の熱媒体が導入されてから相当の時間が経過しているため、蓄熱槽内の潜熱蓄熱材の大部分が融点Tmに達してしまい、さらに蓄熱槽の上端近傍に位置する潜熱蓄熱材にあっては液体への相変化が完了し、温度上昇が始まる。その結果、導入される熱媒体との温度差がほとんどなくなってしまい、熱交換が効率よく行われず、熱媒体の出口温度はさらに上昇しつづける。
図2(6)は、潜熱蓄熱材がすべて融解した状態、すなわち蓄熱完了時を示している。この状態では、蓄熱槽内の潜熱蓄熱材の全てが融点Tm以上となっており、全ての蓄熱材が液体となり、温度上昇がさらに進む。その結果、導入される熱媒体と潜熱蓄熱材との温度差がほとんどなくなってしまい、熱交換がほとんど行われないままに熱媒体が排出されることとなる。このとき、熱媒体出口温度は潜熱蓄熱材の融点Tmよりも高温となっている。
これが、上記した潜熱蓄熱材との熱交換量が低下してしまうという問題である。
また、蓄熱完了時において、熱媒体排出温度は蓄熱材融点Tmよりも高温となっていることは上述した通りである。この熱媒体排出温度Toと蓄熱材融点Tmの温度差(dT1=To−Tm)は熱交換するために必要不可欠なものである。
前記の特許文献1は、当該問題について言及し、これを解決するために、融点の異なる2種類の潜熱蓄熱材を用い、これらを直列に配置することにより熱媒体の出口温度を低下させている。つまり、前記図2(6)において排出される熱媒体をさらに別の、融点がより低い潜熱蓄熱材(低温側潜熱蓄熱材)が充填された蓄熱槽に導入することにより冷媒との熱交換を行っている。
しかしながら、当該方法では、潜熱蓄熱材の温度上昇に伴い熱交換量が低下するという問題の根本的な解決になっていない。つまり、当該方法では、時間の経過とともに最終的には熱媒体の出口温度は潜熱蓄熱材の融点よりも高温となることは必至であり、それでもなお熱媒体の出口温度を十分に低下させるためには、相当低温に融点を有する潜熱蓄熱材を用いることが必要となる。しかしながら、当該潜熱蓄熱材からの放熱を利用して温水を生成する場合、低温側潜熱蓄熱材に蓄熱されている熱量を有効に利用するためには、低温側潜熱蓄熱材の融点Tmを、加熱されるべき水の給水温度Tiより熱交換に必要な温度差分だけは高くしておく必要がある。このときの必要温度差をdT2とすると、
Ti+dT2≦Tm
また上述したように、
Tm+dT1≦To
であり、従って
Ti+dT1+dT2≦To
となる。すなわち、前記特許文献1の場合、熱媒体排出温度Toは給水温度TiよりもすくなくともdT1+dT2以上高温となってしまうことになる。
Ti+dT2≦Tm
また上述したように、
Tm+dT1≦To
であり、従って
Ti+dT1+dT2≦To
となる。すなわち、前記特許文献1の場合、熱媒体排出温度Toは給水温度TiよりもすくなくともdT1+dT2以上高温となってしまうことになる。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、潜熱蓄熱材を用いた蓄熱ユニットを備えた給湯装置にあって、蓄熱時に時間の経過とともに熱交換量が低下することがなく、したがって、熱源ユニットの熱を効率よく蓄熱・放熱することが可能な給湯装置を提供するとともに、当該給湯装置に適した蓄放熱方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、熱源ユニットと、前記熱源ユニットの熱を蓄熱および放熱可能な蓄熱ユニットと、前記蓄熱ユニットに蓄えられた熱を利用して温水を作る給湯ユニットと、を備え、前記蓄熱ユニットには、放熱運転時に過冷却状態となり液相状態を維持し、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能で、かつ温度成層化可能な潜熱蓄熱材が用いられており、かつ、前記蓄熱ユニットには、前記潜熱蓄熱材が過冷却状態となった場合に、当該過冷却状態を解除するための過冷却解除装置が設けられており、前記蓄熱ユニットに蓄熱する際には、潜熱蓄熱材が熱源ユニットと蓄熱ユニットとの間を循環し、その際、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における低温側の潜熱蓄熱材を熱源ユニットに供給するようにし、一方、前記蓄熱ユニットから放熱する際には、潜熱蓄熱材が蓄熱ユニットと給湯ユニットとの間を循環し、その際、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における高温側の潜熱蓄熱材を給湯ユニットに供給し、かつ、前記蓄熱ユニット中に存在する過冷却状態の潜熱蓄熱材を、前記過冷却解除装置を作動することにより、過冷却状態を解除することが可能である、ことを特徴とする給湯装置である。
また、前記の給湯装置にあっては、前記潜熱蓄熱材は、複数の成分からなる共晶系の混合物を共晶が生じる共晶組成からずらした組成で形成してもよい。
さらに、前記の給湯装置にあっては、前記熱源ユニットは、二酸化炭素を冷媒として用い、熱源側熱交換器と、膨張弁と、蒸発器と、圧縮機と、から構成されるヒートポンプユニットであってもよい。
また、上記課題を解決する別の発明は、放熱時に過冷却状態となり液相状態を維持し、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能で、かつ温度成層化可能な潜熱蓄熱材を用いた蓄放熱方法であって、蓄熱段階にあっては、熱源からの熱を前記潜熱蓄熱材へ蓄熱し、放熱段階にあっては、当該段階を第一放熱段階と第二放熱段階とに分け、第一放熱段階では、潜熱蓄熱材を過冷却させ、次いで、当該第一放熱段階がほぼ完了した段階で過冷却状態の潜熱蓄熱材を意図的に過冷却解除させ、次いで、前記第二放熱段階では、過冷却解除した潜熱蓄熱材をさらに放熱させる、ことを特徴とする、蓄放熱方法である。
なお、本発明において、放熱運転時とは、高温の潜熱蓄熱材から放熱させて低温とする(つまり温水を生成する)運転時を言い、蓄熱運転時とは、低温の潜熱蓄熱材に熱を供給し高温とする(つまり、熱源ユニットの熱を潜熱蓄熱材に溜める)運転時を言う。従って、後述するが、放熱運転時の本発明の装置の潜熱蓄熱材は、蓄熱ユニットにおける高温側から抜き出されて低温側に戻される動きをし、一方、蓄熱運転時の本発明の装置の潜熱蓄熱材は、蓄熱ユニットにおける低温側から抜き出されて高温側に戻される動きをすることとなる。
従来の給湯装置において用いられてきた潜熱蓄熱材は蓄熱槽に入ったままの状態の固定型であり、同じく蓄熱槽内に設置した熱交換器(一般的にはチューブ)に熱源ユニットから供給される高温の熱媒体を流通させ蓄熱材と熱交換するようにしている。この場合、図2を用いて説明したように、蓄熱運転時に時間の経過と共に熱媒体との熱交換量が低下してしまっていた。上記本発明によれば、蓄熱ユニットにおいて用いられる潜熱蓄熱材が放熱状態においても常に過冷却状態となり流動性を維持し、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能で、かつ温度成層化可能であるので、潜熱蓄熱材が熱源ユニットと蓄熱ユニットとの間を循環し、その際、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における低温側の潜熱蓄熱材を熱源ユニットに供給するようにし、一方、前記蓄熱ユニットから放熱する際には、潜熱蓄熱材が蓄熱ユニットと給湯ユニットとの間を循環し、その際、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における高温側の潜熱蓄熱材を給湯ユニットに供給するようにして蓄熱と放熱とを行うことができる。
つまり、蓄熱時において、潜熱蓄熱材の一部分が高温になった場合であっても、当該潜熱蓄熱材は温度により成層化されているので、高温部分と低温部分とに区別することができ、さらに蓄熱を続ける際には、高温となった蓄熱材ではなく、未だ低温状態を保っている蓄熱材のみを熱源ユニットに供給して、熱媒体と熱交換を行うので、熱媒体は常に低温状態の潜熱蓄熱材と熱交換を行うこととなり、その結果、熱交換量が低下することがない。
また、熱源ユニットとしてヒートポンプユニットを適用する場合、ヒートポンプの冷媒は流動性を有するため熱を搬送するための熱媒体としても機能させることも不可能ではない。しかし、冷媒自体を蓄熱ユニットに循環させることは高圧冷媒配管コストや冷媒リークの問題があるため一般には行わない。蓄熱ユニットに潜熱蓄熱材を適用する場合には、従来技術に開示されているように蓄熱材と冷媒の間に熱媒体を仲介させて、熱媒体を介して熱交換させていた。しかし、本発明では潜熱蓄熱材そのものを熱源ユニットであるヒートポンプユニットに循環させるようにしているため、仲介する熱媒体が不要となり熱交換効率が向上する。この際、潜熱蓄熱材と冷媒は対交流型で熱交換させる。
さらにまた、本発明によれば、放熱時においては、前記蓄熱時と逆に、高温となった蓄熱材を給湯ユニットに供給して水と熱交換させて温水を生成することができる。この際、対向流型で蓄熱材と水を熱交換させる。
蓄熱運転時および放熱運転時にそれぞれ、熱源側熱交換器および給湯熱交換器において対向流型で熱交換させることにより、熱交換に必要な蓄熱材と水の温度差を小さくすることができ、熱交換の効率を向上させることが可能となる。すなわち、前述したように従来は熱媒体排出温度Toは給水温度TiよりもすくなくともdT1+dT2以上高温となってしまう、すなわちTo−Ti≧dT1+dT2となるが、本発明ではこのToとTiの温度差(To−Ti)を従来に比べて著しく小さくすることが可能となる。
ここで、本発明にあっては、前述のように、放熱開始から所定時間が経過するまでは、高温となった蓄熱剤を単純に給湯ユニットに供給することにより、他方から供給される水道水などと当該蓄熱材とが熱交換を行うことで温水を生成することが行われる(この段階を「第一放熱段階」という場合がある。)。水道水などと熱交換し冷却された蓄熱材は、循環して蓄熱ユニット内に戻る。ここで、本発明において用いられる蓄熱材は、過冷却状態(つまり凝固点以下の温度でありながら未だ液体のままの状態)となる。水をはじめとして、物質が液相から固相へ相変化する際には程度の差はあるが過冷却現象を呈する場合が多い。特に無機塩の場合には過冷却が起き易く、数十℃の過冷却度を呈するものも少なくない。過冷却現象は蓄熱システムにとってデメリットとされており、できる限り避けるような運用方法もしくは蓄熱材選定をするのが一般的である。しかし、本発明では敢えてその過冷却現象を積極的に起こさせ、利用するものである。
蓄熱槽内には、給湯ユニットで冷却され過冷却状態となった低温の液相蓄熱材は槽底部に戻されるが、槽内に存在する蓄熱状態(高温)の蓄熱材に比べて高密度であるので、互いに混ざり合わずに温度成層化することになる。過冷却状態の蓄熱材の割合が所定値に達した段階で蓄熱ユニットに設けられた過冷却解除装置を作動させることにより過冷却状態を解除し、蓄熱材の一部を凝固せしめる(固体とする)。その際、蓄熱材の凝固潜熱が放出され、蓄熱材全体の温度を凝固点(融点)まで上昇せしめることができる。
蓄熱材を複数の成分からなる共晶系の混合物を共晶が生じる共晶組成からずらした組成で形成することにより、過冷却を解除して固相が析出した状態であっても流動性を維持させることが可能となる。この流動性を有する、凝固点まで温度上昇した蓄熱材を再度給湯ユニットに供給し、水道水などと熱交換を行わせる(この段階を「第二放熱段階」という場合がある。)。
このように、本発明によれば、第一放熱段階において過冷却状態にまで温度が下がった蓄熱材を、過冷却解除装置によって過冷却を解除することにより再度熱交換に用いることができる。
また、このような本発明において、前記熱源ユニットを、二酸化炭素を冷媒として用い、熱源側熱交換器と、膨張弁と、蒸発器と、圧縮機と、から構成されるヒートポンプユニットとすることにより、上記作用効果を十分に発揮することができる。
また、本発明の蓄放熱方法によれば、前記本発明の給湯装置における蓄熱ユニットと同様の効果を得ることができる。
以下に、本発明の給湯装置について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本発明の蓄放熱方法については、以下の給湯装置における蓄熱ユニットが当該方法を実施しているので、重複した説明は省略する。
図3は、本発明の給湯装置20の構成図であり、蓄熱運転時の給湯装置の状態を示している。
図3に示すように、本発明の給湯装置20は、熱源ユニット21と、前記熱源ユニット21の熱を蓄熱および放熱可能な蓄熱ユニット22と、前記蓄熱ユニットに蓄えられた熱を利用して温水を作る給湯ユニット23とを備えている。
熱源ユニット21は、蓄熱ユニット22において用いられている潜熱蓄熱材と熱交換を行い、当該潜熱蓄熱材を十分な温度にまで高温化することができる程度の熱量を発生するものであれば特に限定されることはなく、適宜応用して本発明の給湯装置に利用することができる。具体的には、ヒートポンプユニットのほか、例えば、各種内燃・外燃機関(エンジン)、燃料電池、などを挙げることができる。これらの熱源ユニット21にあっては、蓄熱すべき温度(例えば85℃)よりも高温の熱が供給でき、また十分な熱出力が得られることが必要であることはいうまでもない。十分な熱出力とは、例えば、夜間中に蓄熱する場合には、決められた蓄熱時間(例えば夜10時〜翌朝6時までの8時間)に必要な蓄熱量を満蓄できるだけの熱出力である。
図3に示すように、本発明の給湯装置20にあっては、二酸化炭素を冷媒として用い、主要な構成要素として、熱源側熱交換器24と、膨張弁25と、蒸発器26と、圧縮機27と、から構成されている熱源ユニット21を用いることもできる。当該熱源ユニット21は、いわゆる二酸化炭素を冷媒としたヒートポンプユニットであり、現在一般家庭において広く利用されている。
この熱源ユニット21は、主要な構成機器として前記熱源側熱交換器24から圧縮機27までがこの順番で並んでおり、これらは配管によって接続されている。そして、当該配管内および各装置内を冷媒としての二酸化炭素が循環するように構成されている。
まず、冷媒としての二酸化炭素は、外部動力(電力駆動のモータなど)によって作動する圧縮機27によって圧縮されることにより、後述する熱源側熱交換機24において潜熱蓄熱材と熱交換をするのに十分な程度にまで高温・高圧となる(例えば90℃、9MPa)。この時の二酸化炭素は超臨界状態となっており、液体とも気体とも言えない状態となっている。
圧縮機27によって圧縮されたことにより高温・高圧となった二酸化炭素(超臨界状態)は配管内を通り、熱源側熱交換器24内に導入され、当該熱源側熱交換器24内において、他方から導入された低温(例えば25℃)の潜熱蓄熱材と熱交換して冷却される。この際、二酸化炭素は超臨界状態であるため冷却されても凝縮することなく温度降下する。熱交換器24において、二酸化炭素と潜熱蓄熱材は対向流型で熱交換するようにする。
潜熱蓄熱材との熱交換が終了し、高圧状態のまま低温(例えば30℃)となった二酸化炭素は、熱源側熱交換機24から排出され、膨張弁25が設けられた配管を通りながら減圧され臨界圧力以下の気液混相状態となる。
気液混相状態となった二酸化炭素は、さらに配管を通り蒸発器26内に導入される。当該蒸発器26は熱交換器の一種であり、二酸化炭素と空気との間で熱交換をさせて二酸化炭素を加熱しガス化させる。ガス化した二酸化炭素は再度配管を通り前述した圧縮機27によって圧縮されることとなる。
図4は、熱源ユニット21内を循環する冷媒としての二酸化炭素のモリエル線図(p−h線図)である。
図に示されている台形はヒートポンプサイクルである。A→Bは圧縮機27での圧縮、B→Cは熱源側熱交換器24での冷却、C→Dは膨張弁25での膨張、D→Aは蒸発器26での蒸発である。高圧側は超臨界状態となっているのがわかる。ヒートポンプとしての熱出力は線分3〜2の長さに相当する。また、投入エネルギーは線分1〜2の長さに相当する。従って、ヒートポンプとしての効率(COP)は、
COP=(線分3〜2)/(線分1〜2)
で表現される。
COP=(線分3〜2)/(線分1〜2)
で表現される。
ここで、熱源側熱交換器での冷却が十分でない場合には、熱源側熱交換器出口温度が高くなり、Cの位置が図中で右側にシフトする。二酸化炭素冷媒の場合、熱源側熱交換器での冷媒は超臨界状態となっているためにそのシフト量が大きくなる。例えば、50℃までしか冷却されない場合には、線分B〜Cと50℃の等温線との交点Eまでシフトする。その結果、ヒートポンプとしての熱出力は線分4〜2の長さ分まで減少するが、投入エネルギー量は変わらないため、COPは大幅に低下してしまうことになる。
なお、このような構成からなる熱源ユニット21にあっては、運転コスト削減の目的から、夜間電力により運転することが通常である。
次に本発明の給湯装置20を構成する蓄熱ユニット22について説明する。
蓄熱ユニット22は、前記で説明した熱源ユニット21で発生する熱を蓄熱し、必要に応じて放熱するためのユニット、さらに具体的には、前述のごとく熱源ユニット21は通常夜間に運転されることが多い一方で、当該熱を用いて生成する温水を実際に使用するのは日中であるため、夜間に発生した熱をこれが使用される日中まで蓄熱しておき、日中に放熱することが必要であり、これを実現するためのユニットである。
このような蓄熱ユニット22は、図示するように、蓄熱槽28と、この中に充填される潜熱蓄熱材と、蓄熱ポンプ30、放熱ポンプ31、各種配管等により構成することができる。蓄熱ポンプ30は蓄熱運転時に潜熱蓄熱材を蓄熱ユニット−熱源ユニット間で循環させるためのポンプであり、放熱ポンプ31は放熱運転時に潜熱蓄熱材を蓄熱ユニット−給湯ユニット間で循環させるためのポンプである。なお、蓄熱ポンプと放熱ポンプを蓄熱ユニットに含めず、別構成にしても良い。
ここで、本発明の特徴は、放熱運転時(放熱状態)に過冷却状態となり液相状態を維持し、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能で、かつ温度成層化可能な潜熱蓄熱材を用いる点にある。
したがって、図示するように、蓄熱槽28の内部に充填される潜熱蓄熱材は、その温度によって成層化して充填されている(通常の場合、高温状態の潜熱蓄熱材が上層、低温状態の潜熱蓄熱材が下層となる)。
つまり、蓄熱時においては、前記蓄熱槽28の下端に接続された配管H1から低温状態(例えば25℃)の潜熱蓄熱材が排出される。低温状態の潜熱蓄熱材は、後述する放熱運転において第一放熱段階まで放熱した場合は過冷却状態の液相、第二放熱段階まで放熱した場合は固液混相(スラリー)となっている。排出された低温状態の潜熱蓄熱材は蓄熱ポンプにより配管H1を介して前述した熱源ユニット21の熱源側熱交換器24内へ導入され、他方から導入される冷媒(二酸化炭素)と熱交換する。この際、前述したように対向流型で熱交換する。冷媒との熱交換により加熱され、高温状態(例えば85℃)となった潜熱蓄熱材は配管H2により蓄熱槽28内に、その上端側から導入される。導入された潜熱蓄熱材は温度成層化する性質を有しているため、下層にある低温状態の潜熱蓄熱材とほとんど混ざり合うことはない。
このような本発明の給湯装置によれば、たとえ高温状態の潜熱蓄熱材と低温状態の潜熱蓄熱材の両方が蓄熱槽28内部に存在している場合であっても、常に低温の潜熱蓄熱材のみが熱源側熱交換器24内へ供給されることとなるため、冷媒(二酸化炭素)は常に十分に冷却されることとなる。従来技術のように、潜熱蓄熱材と熱交換した熱媒体の出口温度が上昇し、その熱媒体により冷却される冷媒が冷却不十分となるような問題は生じることがない。
図5は、図3と同様の本発明の給湯装置20の構成図であり、放熱運転時(第一放熱段階)の給湯装置の状態を示している。
本発明の装置においては、放熱時、つまり潜熱蓄熱材に蓄えられた熱を利用して温水を生成する場合においては、前記蓄熱槽28の上端に接続された配管H2から高温状態(例えば85℃)の潜熱蓄熱材が取り出され、放熱ポンプにより後述する給湯ユニット23の給湯熱交換器29内へ導入され、他方から導入される水と熱交換がされる。この場合も、潜熱蓄熱材と水は対向流型で熱交換する。本発明において用いられる潜熱蓄熱材は、過冷却状態となることを特徴としており、従って水との熱交換により冷却された潜熱蓄熱材は、凝固点以下の温度(例えば25℃)でありながら、未だ液相状態を保持しつつ、配管H1により蓄熱槽28内に、その下端側から導入される。この場合において、潜熱蓄熱材は、低温(凝固点以下)状態の方が、高温(例えば85℃)状態よりも比重が重いため温度成層化することとなり、上層にある高温状態の潜熱蓄熱材と下端側から導入された低温状態の潜熱蓄熱材はほとんど混ざり合うことはない。この段階が、前述した第一放熱段階である。
図6は、図3および図5と同様の本発明の給湯装置20の構成図であり、放熱運転時(第二放熱段階)の給湯装置の状態を示している。
図5で説明したような放熱運転を続けると、蓄熱槽28内部は、下端側から徐々に過冷却状態の潜熱蓄熱材の割合が増えていく。この状態のまま放熱運転をさらに続けた場合、過冷却状態の、つまり低温の潜熱蓄熱材がそのまま給湯ユニット23の給湯熱交換器29内へ導入されることとなり、効率よく温水を製造することができなくなるばかりか、万一当該給湯ユニット23の給湯熱交換器29において過冷却状態が解除した場合には、一度に多量の固相が熱交換器内に析出し、熱交換器の伝熱面に固着するため、閉塞などの問題が生じ得る。本発明は、蓄熱槽内における過冷却状態の潜熱蓄熱材が所定割合となった時点で、潜熱蓄熱材槽28に設けられた過冷却解除装置28bを作動させることにより、潜熱蓄熱材槽28内で、予め過冷却を解除させ、潜熱蓄熱材を一定量固体に変化させることができるとともに、当該潜熱蓄熱材の温度を凝固点(例えば80℃)まで上昇せしめることができる。さらに、本発明の潜熱蓄熱材は、過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持することを特徴としている。一般に固相と液相は比重が異なる。通常、析出した固相は液相よりも比重が大きいため蓄熱槽下部に沈降し、比較的固相分率の低い上澄み液(潜熱蓄熱材)が蓄熱槽上部に存在することになる。この凝固点温度の上澄み液(潜熱蓄熱材)を再び前記蓄熱槽28の上端に接続された配管H2から取り出し、放熱ポンプにより後述する給湯ユニット23の給湯熱交換器29内へ導入し、他方から導入される水と熱交換させる。この場合も、上澄み液(潜熱蓄熱材)と水は対向流型で熱交換する。通常、上澄み液中には固相が少量は存在するので、当該固相が過冷却解除材として作用し、給湯熱交換器29において冷却された潜熱蓄熱材は固液混相の状態となる。上澄み液は、第一放熱段階の過冷却液が一旦蓄熱槽内で過冷却解除して固相が析出した後の液相部分であるため、第一放熱段階の過冷却液と比較して固相として析出し得る成分比率が低くなっている。そのため、第一放熱段階での過冷却状態の液がそのまま給湯熱交換器29内で過冷却解除する場合に比較して、給湯熱交換器29内での固相分率は著しく低減でき上記のような問題が生じることがなく、スムーズに放熱運転を続行することができる。給湯熱交換器29において冷却された固液混相状態の潜熱蓄熱材は、配管H1により蓄熱槽28内にその下端から導入される。この場合においても、温度成層化により蓄熱槽28上部に存在する高温状態の上澄み液とはほとんど混ざり合うことは無い。この段階が、前述した第二放熱段階である。
ここで、潜熱蓄熱材を、例えば、複数の成分からなる共晶系の混合物を共晶が生じる共晶組成からずらした組成で形成することにより、過冷却解除して固相が析出した状態であっても流動性を維持させることが可能となる。
ここで、本発明の給湯装置において用いられる過冷却解除装置28bは、上記の作用を奏し得る装置、つまり、過冷却状態の潜熱蓄熱材から固体を析出せしめることにより過冷却状態を解消することができる装置であれば特に限定されることはない。過冷却を解除するには、固体(結晶)が析出する契機を提供すればよく、例えば、超音波振動を潜熱蓄熱材に与える装置や、結晶の核となる物質、例えば別途保管しておいた蓄熱材の固相そのものを液相中に導入する装置などが考えられる。
なお、当該装置28bとは別に、潜熱蓄熱材槽28の所定高さ位置に温度測定装置(図示せず)を設けておき、この温度測定装置により測定される温度から、潜熱蓄熱材が過冷却状態であるか否かを判断し、過冷却状態であると判断した場合には、自動的に当該装置28bが作動するようにしてもよい。
図7は、前記図5、6で説明した本発明の給湯装置における第一放熱段階と第二放熱段階とにおける潜熱蓄熱材の組成変化を説明するための状態図である。
本願発明に用いられる潜熱蓄熱材をなす二成分a、bは、互いに液相状態で溶け合い、固相状態では混ざり合わない二つの固相に分れて混合晶出するものであり、両者を所定の共晶組成とした際には、融点の極小値となる共晶点であたかも純粋液体のように溶液全体が同時に固相に変移する共晶反応を起こし、しかも、溶液全体が全て固相に変移するまで温度が一定に保たれるという特性を有している。
つまり、図7に示す状態図にあっては、図中の液相線Aは、成分aの晶出温度(凝固開始点)を示し、図中の液相線Bは、成分bの晶出温度(凝固開始点)を示している。また、図中の符号Iの領域は、成分a、bともに液相状態の領域であり、符号IIは、液相(成分a+成分b)と成分aの固相との混合状態の領域であり、符号IIIは、液相(成分a+成分b)と成分bの固相との混合状態の領域であり、符号IVの領域は、成分a、bともに固相状態の領域を示す。そして、図中の符号Xは共晶点を、X0は共晶組成を示している。
本発明の給湯装置および蓄放熱方法において用いられる潜熱蓄熱材は、例えば図7に示すような状態図を示す潜熱蓄熱材において、共晶点Xが生じる共晶組成からずらした組成(例えば、X1の組成)とすることにより、上述した条件、(放熱運転時においても常に流動性を維持できるという条件)を満たすことが可能となる。
共晶組成X0からずれたX1組成を有する潜熱蓄熱材にあっては、第一放熱段階において水道水と熱交換が行われることにより、図7の温度T1から温度を徐々に下がっていく。温度T1からT2に至るまでは液相状態であり(領域I)、また、温度がT2に達すると、本来であれば成分bは晶出し始めることになるが、本発明において用いられる潜熱蓄熱材にあっては過冷却現象が起きるため、成分bは未だ析出されず液相のままであり、成分aについても液相のままである。この段階における液相中の成分bの濃度は所期濃度m1のままである。
ここで、蓄熱材槽28に設けられている過冷却解除装置を作動することにより、過冷却が解除され、液相中の成分bが固相として析出する。この段階では、液相中の成分bの濃度は、固相として析出した分だけ低くなると同時に(成分bの濃度はm3)、液相の温度は液相線Bの温度まで上昇する(図中のT3参照)。
その後、さらに放熱運転を続行すると、液相の温度及び成分bの濃度は、液相線Bに沿ってT4、m4まで低下する。
第一放熱段階終了後の過冷却状態の蓄熱材をそのままさらに冷却して過冷却解除し、T4、m4の状態とした場合、固相と液相の比率は、固相:液相=α1:β1となる。本発明のように、いったん蓄熱槽内で過冷却解除し、上澄み液を冷却した場合(本発明の第二放熱段階)には、T4、m4の状態で固相:液相=α2:β2となるため、固相の比率を低減することができ、当該給湯熱交換器29内で多量に固相が析出することによる閉塞を防止することができる。
共晶系混合物を潜熱蓄熱材として用いる場合、その共晶温度が供給される水の温度(例えば20℃)よりも十分に低い温度となるようなものを用いることが好ましい。そのように選定することにより、蓄熱材の放熱運転時(放熱状態(例えば25℃))においても蓄熱材の全量が固相となることなく、流動性を保ったスラリ状とすることが可能となる。
本発明の装置および方法において用いられる潜熱蓄熱材にあっては、上述した特性を有する潜熱蓄熱材であればいかなる潜熱蓄熱材であっても使用可能である。例えば、アンモニウムミョウバン−水系の混合物、エリスリトール−水系の混合物などが好適に使用できる。
さらに、共晶系でない複数の成分からなる混合物でも、その状態線図上で液相線と固相線に囲まれた部分の状態で使用することにより、本発明の給湯装置において用いられる潜熱蓄熱材として適用することが可能である。
固相と液相の比重差で、固相が沈降もしくは浮遊して鉛直方向に固相分布の偏りが生じる場合には、公知の増粘剤などを添加して粘性を増大させて固相が均一に分散するようにすることにより、温度成層状態がより確実に得られるようになる。
20 … 給湯装置
21 … 熱源ユニット
22 … 蓄熱ユニット
23 … 給湯ユニット
24 … 熱源側熱交換器
25 … 膨張弁
26 … 蒸発器
27 … 圧縮機
28 … 蓄熱槽
28b … 過冷却解除装置
29 … 給湯熱交換器
30 … 蓄熱ポンプ
31 … 放熱ポンプ
100 … 蓄熱材
101 … 蓄熱槽
102 … 熱交換器
103 … 熱源ユニット
21 … 熱源ユニット
22 … 蓄熱ユニット
23 … 給湯ユニット
24 … 熱源側熱交換器
25 … 膨張弁
26 … 蒸発器
27 … 圧縮機
28 … 蓄熱槽
28b … 過冷却解除装置
29 … 給湯熱交換器
30 … 蓄熱ポンプ
31 … 放熱ポンプ
100 … 蓄熱材
101 … 蓄熱槽
102 … 熱交換器
103 … 熱源ユニット
Claims (4)
- 熱源ユニットと、
前記熱源ユニットの熱を蓄熱および放熱可能な蓄熱ユニットと、
前記蓄熱ユニットに蓄えられた熱を利用して温水を作る給湯ユニットと、
を備え、
前記蓄熱ユニットには、放熱運転時に過冷却状態となり液相状態を維持し、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能で、かつ温度成層化可能な潜熱蓄熱材が用いられており、
かつ、前記蓄熱ユニットには、前記潜熱蓄熱材が過冷却状態となった場合に、当該過冷却状態を解除するための過冷却解除装置が設けられており、
前記蓄熱ユニットに蓄熱する際には、潜熱蓄熱材が熱源ユニットと蓄熱ユニットとの間を循環し、その際、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における低温側の潜熱蓄熱材を熱源ユニットに供給するようにし、
一方、前記蓄熱ユニットから放熱する際には、潜熱蓄熱材が蓄熱ユニットと給湯ユニットとの間を循環し、その際、蓄熱ユニットで温度成層化している潜熱蓄熱材における高温側の潜熱蓄熱材を給湯ユニットに供給し、
かつ、前記蓄熱ユニット中に存在する過冷却状態の潜熱蓄熱材を、前記過冷却解除装置を作動することにより、過冷却状態を解除することが可能である、
ことを特徴とする給湯装置。 - 請求項1に記載の給湯装置であって、
前記潜熱蓄熱材は、複数の成分からなる共晶系の混合物を共晶が生じる共晶組成からずらした組成で形成したことを特徴とする給湯装置。 - 請求項1または2に記載の給湯装置であって、
前記熱源ユニットは、二酸化炭素を冷媒として用い、熱源側熱交換器と、膨張弁と、蒸発器と、圧縮機と、から構成されるヒートポンプユニットであることを特徴とする給湯装置。 - 放熱時に過冷却状態となり液相状態を維持し、さらに過冷却が解除されて固相が析出した場合にも流動性を維持可能で、かつ温度成層化可能な潜熱蓄熱材を用いた蓄放熱方法であって、
蓄熱段階にあっては、熱源からの熱を前記潜熱蓄熱材へ蓄熱し、
放熱段階にあっては、当該段階を第一放熱段階と第二放熱段階とに分け、
第一放熱段階では、潜熱蓄熱材を過冷却させ、
次いで、当該第一放熱段階がほぼ完了した段階で過冷却状態の潜熱蓄熱材を意図的に過冷却解除させ、
次いで、前記第二放熱段階では、過冷却解除した潜熱蓄熱材をさらに放熱させる、
ことを特徴とする蓄放熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006024423A JP2007205628A (ja) | 2006-02-01 | 2006-02-01 | 給湯装置、および蓄放熱方法 |
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ID=38485252
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JP (1) | JP2007205628A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014037960A (ja) * | 2012-08-13 | 2014-02-27 | Shanghai Jiao Tong Univ | 水和物スラリー蓄熱装置、水和物スラリーの蓄熱方法、及び水和物蓄熱式空気調和システム |
CN111442540A (zh) * | 2020-05-14 | 2020-07-24 | 珠海格力电器股份有限公司 | 调温机构、燃气热水器及其控制方法、可读存储介质 |
-
2006
- 2006-02-01 JP JP2006024423A patent/JP2007205628A/ja active Pending
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