JP2007204386A - 喘息発作予防剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】喘息のコントロールを実現するために有用な喘息発作予防剤、並びにこれを含有する医薬組成物及び機能性食品を提供する。
【解決手段】トマト搾汁液を喘息発作予防剤の有効成分として含有させる。また、トマト搾汁液を喘息発作予防のための医薬、食品に含有させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、喘息発作予防剤に関する。
喘息は、気管支などに炎症が起き、空気の流れが制限される病気である。厚生労働省の調査によると、気管支喘息(喘息)の患者は、1987年に約76万人であったが、2008年に181万人になると推定されている。また現在の潜在的な患者は300〜400万人と言われており、大きな社会問題となっている。
喘息発作が起こる原因は患者により異なっており、喘息は、ハウスダスト、ダニ、花粉などを吸入することにより起こるアトピー型(アレルギー型、外因性、IgE依存性)と、アスピリン喘息、運動誘発性に代表される非アトピー型(非アレルギー型、内因性、IgE非依存性)に大きく分けられることが知られている。
一方、アトピー型、非アトピー型に関わらず、喘息患者は共通して気管支に慢性的な炎症を有している。そして、喘息の治療においては、喘息の発作などの症状がない状態を長期的に維持することが重要であり、特に症状がない場合でも慢性的な炎症を抑制するための治療を行うことが重要であるとされている。
このような治療に用いられる医薬は、長期管理薬と呼ばれるものであり、このようなものとして、例えば吸入ステロイド薬、β2刺激薬やテオフィリンなどの気管支拡張剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ヒスタミンH1−拮抗薬などの抗アレルギー薬などが挙げられる。
人の呼吸機能は、午後4時ごろが最も高く、午前4時ごろが最も低いことが知られているが、喘息患者においては、午前4時ごろにもっとも気管支の気道が狭くなり呼吸機能が著しく低下することが知られている(図1参照、P.J. Barnes' The Practitioner 231, 479, 1987)。そして、呼吸機能が著しく低下した状態でのピークフロー値は一日のうちで最小となる。また、喘息患者においては、一日のうちのピークフロー値の最大値と最小値の差(日内変動率)が健康者に比べて大きい。健康者のピークフロー値(最小値)は、ピークフロー値(最大値)の概ね90〜95%程度であるのに対して、喘息患者は80%以下である。
ピークフロー値とは、息を一気に吐くときの最大呼気速度を示す値であり、日内変動率とは、ピークフロー値の日内の変動の割合を示す数値である。ピークフロー値は、市販のピークフローメーターを用いて簡易に測定することができる。
このような、呼吸機能の著しい低下、及びピークフロー値の大きな低下は、喘息発作、喘鳴などの喘息症状の引き金となる。実際に、未治療の喘息患者3,000名を対象にした調査結果では、喘息発作は早朝4時ごろに集中している(YAKUGAKU ZASSHI 122 (1) 57-69 (2002) 2002 The Pharmaceutical Society of Japan)。
喘息は、一度発作が起こると、気管支の炎症状態が拡大し発作が起こりやすい状態になる。従って、喘息を治療(コントロール)するためには、発作の引き金となる要因を作らないことが極めて重要である。特に、発作の引き金となるピークフロー値の著しい低下を抑制することが喘息の治療に重要なひとつの方法であるといえる。すなわち、ピークフロー値(最小値)を健康者のピークフロー値に近づけること、ピークフロー値の日内変動率を低下させる方法が求められている。
従来から用いられている喘息の長期管理薬のうちピークフロー値を上昇させることが知られているものは、気管支拡張薬であるβ2刺激薬、抗炎症薬である吸入ステロイド薬、
抗アレルギー薬であるロイコトリエン受容体、サイトカイン阻害薬などである。また、日内変動率を低下させることが知られているものは、抗アレルギー薬であるヒスタミンH1−拮抗薬、トロンボキサン阻害薬などである。しかしながら、β2刺激薬には、動悸、手の振るえ、不眠、めまいなどの副作用があり、患者が高血圧、心臓病、糖尿病などを合併している場合は、特に注意が必要である。吸入ステロイド薬には、口の咽頭部のカンジダ症、発声障害、上気道の刺激による咳などの副作用があり、さらに長期の高用量使用により、副腎皮質の抑制や骨代謝の抑制が懸念されている。さらに、抗アレルギー薬には***やほてり感の出るものがあり、多くのヒスタミン拮抗薬は、眠気、口渇を引き起こしたり、中には抗真菌薬と併用したり、肝障害や心疾患の患者に投与すると重篤な不整脈が出たりすることがある。また、抗アレルギー薬による予防・治療は、アトピー型喘息の治療には有効であるもののアスピリン喘息や運動誘発喘息などの非アトピー型喘息の治療には、効果は期待できない。
このような状況において、アトピー型喘息、非アトピー型喘息何れの喘息の発作予防にも有効であり、かつ安全な成分として、特定の天然成分を喘息治療に用いる可能性が検討されている。例えば、カンゾウ、アスパラサスイネアリス、ウワウルシ、キキョウなどの抽出物が、肥満細胞表面上のc−kitの発現を阻害し、SCFによる当該細胞の分化・増殖を阻害する作用があることが報告され、これらの抽出物を喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の予防・治療に用いることができることが示唆されている(特許文献1、特許文献2)。また、タヒチアンノニジュースがホスホジエステラーゼの活性を阻害することが報告され、喘息などのアレルギー反応を抑制することが示唆されている(特許文献3)。また、ウコンなどのクルクミン含有植物が、ロイコトリエン及びプロスタグランジンの過剰形成によって生じる炎症を抑制することが報告され、経口投与により局所的な炎症を抑制するのに適しているとされている(特許文献4)。また、ニッケイ、ヤマモモなどの樹皮がヒスタミン遊離抑制作用を有することが報告されている(特許文献5)。しかしながら、これらの天然物質は、何れも、アレルギー性疾患や慢性炎症の治療に有効である可能性があることを示すにとどまっており、喘息発作の予防・治療の効果は実証されておらず、その有効性については不明である。また、これらの中には、非アトピー型喘息の予防・治療に用いる可能性を示唆しているものはない。
また、トマトに含まれる成分として知られるリコピンは血管透過性昂進抑制作用を有していることが報告されているが、ここではアレルギー性疾患の治療に用いることができる可能性を検討しているにとどまっている(特許文献6)。また、トマト抽出物、特にトマトの果皮に含まれる成分が、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性を示すこと、マクロファージからのロイコトリエン遊離抑制活性を示すこと、アナフィラキシー抑制作用を示すことが報告されている(特許文献7)。しかしながら、これもトマトの抽出物をアレルギー性疾患の治療に用いることができる可能性について言及するにとどまっている。このように、トマトに含有される成分がアレルギー疾患を改善する可能性があることは示唆されているが、喘息の発作を予防するという具体的な用途は明らかにされておらず、その効果についても明らかにされていない。また、特に、非アトピー型喘息の治療に有効な天然成分は報告されていない。
特開2002−302451号公報 特開2005−35442号公報 特開2004−331648号公報 特開平5−262659号公報 特開平10−287582号公報 特開2004−161635号公報 特開2002−80387号公報
喘息患者のうちでも特に成人患者は寛解治癒が期待できないことから、無症状で健康者と同じレベルで日常生活を送れるようにすることが目標とされている(<1>喘息予防・管理ガイドライン1998改訂版、<2>GINAガイドライン(GINA2002)参照)。
<1>喘息予防・管理ガイドライン1998改訂版
喘息治療の目標
1.健常人と代わらない日常生活が送れること
2.正常に近い肺機能を維持すること
ピークフロー(最大値)が予測値の80%以上
ピークフローの変動が予測値の10%以内
3.夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく、充分な夜間睡眠が可能なこと
4.喘息発作が起こらないこと
5.喘息死の回避
6.治療薬による副作用がないこと
ここで、ピークフロー(最大値)の予測値とは、身長、性別、年齢で補正した健康者のピークフロー値(最大値)の平均値である。ピークフロー値の測定結果は、測定に用いるピークフローメーターの種類によっても異なるため、各機器について、機器メーカーから予測値が提供されている。
<2>GINAガイドライン(GINA2002)
喘息のコントロールされた状態の定義
・夜間症状など慢性症状がほとんど(できれば全く)ない。
・増悪がほとんど(まれにしか)ない。
・救急外来を受診することがない。
・β2刺激薬の頓用をほとんど(できれば全く)必要としない。
・運動を含め活動の制約がない。
・ピークフロー値の日内変動率が20%未満である。
・ピークフロー値が正常である(正常に近い)。
・薬剤の副作用がほとんど(または全く)ない。
また、ピークフロー値(最小値)については、具体的に目標値が公表されていない。ここで、GINAガイドライン(GINA2002)に則して考えると健康者のピークフロー値(最小値)は、少なくとも最大値の80%を示すと考えられる。従って、治療においては、健康者のピークフロー値(最大値)の予測値の80%の値であるピークフロー値(最大値)の目標値の80%をピークフロー値(最小値)の目標値のひとつとすることができると考えられる。
本発明は、上記の喘息治療の目標や喘息のコントロールされた状態を実現するために有用な喘息発作予防剤、並びにこれを含有する医薬組成物及び機能性食品を提供することを課題とする。具体的には、ピークフロー値、とりわけピークフロー値(最小値)を上昇させる作用を有し、かつ日内変動率を含む長期的な変動率を低下させる作用を有することにより、喘息発作を予防するための安全な喘息発作予防剤、並びにこれを含有する医薬組成物及び機能性食品を提供することを課題とする。
本発明者らは、ピークフロー値(最小値)を上昇させ、かつ日内変動率を含む長期的な
変動率を低下させる作用を有し、かつ安全な成分を探し求め、その効果について研究を重ねた結果、トマトの搾汁液にピークフロー値(最小値)を上昇させ、日内変動率を含む長期的な変動率を低下させる作用があることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)トマト搾汁液を有効成分として含有する喘息発作予防剤。
(2)(1)に記載の喘息発作予防剤を含有する医薬組成物。
(3)(1)に記載の喘息発作予防剤を含有する機能性食品。
本明細書において「喘息発作予防」とは、喘息の発作が起こることを未然に防ぐこと、および喘息の発作を軽度にすることの両者を含む概念であり、長期的に喘息発作の頻度および重症度を小さくすることをいう。
本発明のトマト搾汁液を有効成分として含有する喘息発作予防剤を、喘息患者に一定期間服用させることにより、アトピー型、非アトピー型の何れの喘息患者においてもピークフロー値(最小値)が上昇する。また、アトピー型、非アトピー型の何れの喘息患者においても日内変動率を含む長期的な変動率が低下する。
本発明の喘息発作予防剤は、トマト搾汁液を有効成分として含有することを特徴とする。トマト搾汁液を得る方法は特に制限されず、例えば、洗浄及び選別した生トマトをクラッシャー等を用いて破砕し、チューブヒーター等で加熱して殺菌及び酵素失活を行った後、エクストラクター等を用いて搾汁する方法やパルパー・フィニシャー等を用いて搾汁する方法等の定法を用いて行うことができる。トマト搾汁液には、トマトのその他の成分である果皮や種子などの残渣が含まれていてもよい。
このようにして得たトマト搾汁液は、そのままで喘息発作予防剤とすることもできるし、加工して喘息発作予防剤とすることもできる。例えば、トマト搾汁液や濃縮トマトを乾燥してペースト状、粉末状、固形状にしたり、これらをカプセルに充填したりしてもよい。また、トマト搾汁液やその乾燥物を殺菌し容器に密封してもよい。
また、トマト搾汁液に他の任意成分を配合して喘息発作予防剤としてもよい。このような任意成分は、喘息患者に対しても安全性が確認されているものであれば特に制限なく用いることができ、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、保存剤、矯味矯臭剤、希釈剤等を用いてもよい。
トマト搾汁液に任意成分を配合する場合のトマト搾汁液と任意成分の割合は、喘息発作予防効果を示すに有効な量のトマト搾汁液が含まれる限り特に制限されず、喘息発作予防剤の用途、剤型、使用形態、使用対象、使用方法などにより適宜調節することができる。通常は、成人1人、1日あたり、トマト搾汁液に相当する濃度に換算した場合に、150〜500gを摂取するのに適した含有量とするのがよい。
本発明の喘息発作予防剤は、そのままで、又は通常医薬組成物に用いられる成分と組み合わせて製剤化することにより、喘息発作予防のための医薬組成物とすることができる。
本発明の医薬組成物に用いることができる任意成分は、喘息発作の原因となる成分でなければ特に制限されない。喘息発作の原因は患者によってさまざまであるため、投与する患者の症状に応じて適当な成分を選択することが必要である。
本発明の医薬組成物の剤型は、特に制限されないが、一般に製剤上許容される1または2種類以上の担体、賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリンク剤等の内服剤型とすることが好ましい。このような製剤化は、医薬の製造に用いられる定法に従って行うことができる。
また、本発明の医薬組成物におけるトマト搾汁液の含有量は、有効量を安全かつ継続的
に投与するのに好適な範囲であれば特に制限されない。通常は、成人1人、1日あたり、トマト搾汁液に相当する濃度に換算した場合に、150〜500gを投与するのに適した範囲の含有量とするのがよい。
また、本発明の医薬組成物は、内服することにより投与することが好ましい。投与量は有効量のトマト搾汁液を投与できればよく、疾患の種類、症状、患者の年齢、体重、服用薬等により適宜調節することができる。通常は、トマト搾汁液に相当する濃度に換算した場合に、一日あたり150〜500g投与することが好ましい。また、投与方法は特に制限されるものではないが、3ヵ月以上、好ましくは6ヵ月以上にわたって投与することが好ましい。
本発明の喘息発作予防剤は、そのままで、又は飲食品に用いられる成分と組み合わせたり、飲食品に配合することにより、喘息発作予防のための機能性食品とすることができる。本発明の機能性食品に用いることができる成分は、喘息発作の原因となる成分でなければ特に制限されず、摂取する患者の症状に応じて適当な成分を選択することが必要である。例えば、喘息の改善に効果があるとされる天然成分などを適宜配合し、ドリンク剤や粉末、錠剤、カプセルなどに加工することができる。加工方法についても特に制限されず、サプリメントの製造などに用いられる常法に従って行うことができる。
また、本発明の喘息発作予防剤を配合する飲食品も、喘息発作の原因となる成分を含まないものであれは、特に制限されない。例えば、トマトを主成分とするトマトジュース、トマト搾汁液を濃縮した濃縮トマトを利用したトマトピューレ、トマトペースト、トマトソース、トマトケチャップ、又はトマトスープなどが挙げられる。また、トマトの使用形態は液状に限られず、トマト搾汁液を液状で利用したもの以外に、トマト搾汁液を乾燥し、粉末状や固形状にしたものや、濃縮トマトを乾燥し、粉末状や固形状にした乾燥トマトなども上げられる。また、このようなトマトを主成分とする飲食品を製造する場合には、必ずしもトマトを搾汁する工程を経る必要はなく、トマトに充てん液を加え又は加えないで加熱殺菌した固形トマトを利用してもよい。
また、トマトを主成分する食品以外にも、飲料類(例えば、ジュース、茶等)、菓子類(例えば、ゼリー、ウエハース、クッキー、キャンディー、タブレット、スナック菓子等)、調味液類(ケチャップ、ドレッシング、ソース等)等に本発明の喘息発作予防剤を配合して、本発明の機能性食品としてもよい。
本発明の機能性食品におけるトマト搾汁液の含有量も、有効量を安全かつ継続的に摂取するのに好適な範囲であり、飲食品の風味や味を損なわない範囲であれば特に制限されない。通常は、成人1人、1日あたり、トマト搾汁液に相当する濃度に換算した場合に、150〜500gを摂取するのに適した範囲の含有量とするのがよい。本発明の喘息発作予防剤を飲食品に配合する方法も特に制限されず、定法に従って行うことができる。
また、本発明のトマト搾汁液を含有する機能性食品は、当該飲食品の包装部分や説明書等の添付文書等に喘息発作予防に効果がある旨を表示して提供することができる。
<試験方法>
1.喘息発作予防薬の摂取
喘息発作で入院歴があり、中程度以上の気管支喘息を患っている26名の通院患者を被験者とした。これらの被験者は、「喘息の予防・管理のガイドライン」(協和企画、1998)に基づく判定において、ステップ2(軽症持続型)〜ステップ4(重症持続型)と判定されている。また、このうちアトピー型喘息患者は18名、非アトピー型喘息患者は8名であった。また、26名の被験者の全ての人は、長期に渡って気管支喘息の発作を抑える薬を摂取しているが、必ずしも十分な症状の改善が認められていない。
この26名の被験者に、トマト搾汁液(市販の無塩トマトジュース;カゴメ社製)を1
日320g(160g缶を2本)、1年間継続して自由摂取させた。なお、摂取時間の制限は設けなかった。なお、本試験の期間中は、原則として各被験者の治療法の変更は行わなかった。
2.ピークフロー値の目標値の設定
下記ピークフロー値の測定に用いる英国バイタログラフ社製 アズマプランプラス(スタンダードタイプ)(図2)を用いた場合の26名の被験者のピークフロー値(最大値)の予測値を、被験者の身長、性別、年齢から求めた。26名の被験者のピークフロー値(最大値)の予測値の平均値は約480l/minであった。これより、ピークフロー値(最大値)の目標値は約480l/min×0.8=約380l/minと算出された。また、ピークフロー値(最小値)の目標値は、約480l/min×0.8×0.8=約310l/minとすることができる。
なお、ピークフロー値の測定に他のピークフローメーターを用いる場合は、メーカーから提供されるピークフロー値(最大値)の予測値を用いて、ピークフロー値の目標値を設定すればよい。
3.ピークフロー値の測定
飲用開始前、及び飲用開始後、ピークフロー値を毎日測定した。ピークフロー値は、朝、夕の2回、それぞれ吸入ステロイド剤等の長期管理薬を摂取する前に測定した。測定は、英国バイタログラフ社製 アズマプランプラス(スタンダードタイプ)(図2)を用いて行った。
1ヵ月間毎日測定したピークフロー値の中で、最も高い値をピークフロー値(最大値)、最も低い値をピークフロー値(最小値)とした。また、そのピークフロー値を用いて以下の式により、変動率を求めた。
変動率(%)={(ピークフロー値(最大値))−(ピークフロー値(最小値))}/(ピークフロー(最大値))×100
<試験結果>
26名の被験者のうち、12ヵ月目に1名の被験者が試験から脱落したため、以下、飲用開始前及び飲用開始後11ヵ月後までの各測定値の平均値の推移を示す。
1.ピークフロー値(最大値)の推移
ピークフロー値(最大値)の平均値は、飲用開始前は377l/minであったが、5ヵ月後には410l/minにまで上昇し、11ヵ月後には421l/minにまで上昇した。推移を見ると、期間の経過に伴い徐々に上昇し、飲用開始時と比較して5ヵ月後以降には有意な上昇が見られた(図3)。
また、アトピー型喘息患者においてピークフロー値(最大値)の平均値は、6ヵ月後には422l/minにまで上昇し、11ヵ月まで高い値を維持した。一方、非アトピー型喘息患者においては、有意な上昇が見られなかった(図4)。
2.ピークフロー値(最小値)の推移
ピークフロー値(最小値)の平均値は、飲用開始前は273l/minであったが、5ヵ月後には300l/minにまで上昇し、11ヵ月後には331l/minにまで上昇した。推移を見てみると、期間の経過に伴い徐々に上昇し、飲用開始時と比較して5ヵ月後以降には有意な上昇が見られた(図5)。
また、アトピー型喘息患者、非アトピー型喘息患者の何れにおいてもピークフロー値(最小値)の平均値は、期間の経過に伴い徐々に上昇した。アトピー型喘息患者においては、飲用開始前は265l/minであったが、6ヵ月後には300l/minに上昇し、11ヵ月後には、329l/minにまで上昇した。推移を見てみると6ヵ月後以降に有意な上昇が見られた。非アトピー型喘息患者においては、飲用開始前は290l/min
であったが、7ヵ月後には340l/minに上昇し、11ヵ月まで一定に高い値を維持した。推移をみると、7ヵ月後以降に有意な上昇が見られた。(図6)。これらの結果から、アトピー型、非アトピー型の何れの患者においても、ピークフロー値(最小値)の目標値約310l/minを達成できることが分かる。
3.変動率の推移
変動率の平均値は、飲用開始前においては29%だったが、7ヵ月後には、24%にまで低下し、11ヵ月後には20%にまで低下した。推移を見ると、期間の経過に伴い徐々に低下し、飲用開始時と比較して7ヵ月後以降に有意な低下を示した(図7)。この変動率は、1ヵ月に測定したピークフロー値の最も高い値と小さい値から算出しており、1日における変動(日内変動)よりも大きな数値を示す。そのため日内変動率は、今回測定した変動率よりさらに低下していることを意味する。よって、GINAガイドラインには、ピークフローの日内変動率が20%未満であるとの目標が掲げられているが、この目標を達成したことがわかる。
また、アトピー型喘息患者、非アトピー型喘息患者の何れにおいても、変動率は期間の経過に伴い徐々に低下した(図8)。
これらの結果より、トマト搾汁液を継続して飲用することにより、アトピー型、非アトピー型の何れの喘息患者においても、ピークフロー値(最小値)が上昇し、日内変動率を含む長期的な変動率が低下することが分かった。
健康者と喘息患者の呼吸機能の日内変動を示す図である。 ピークフロー値の測定機器を示す図である(写真)。 ピークフロー値(最大値)の推移を示す図である。 アトピー型、非アトピー型のそれぞれの患者のピークフロー値(最大値)の推移を示す図である。 ピークフロー値(最小値)の推移を示す図である。 アトピー型、非アトピー型のそれぞれの患者のピークフロー値(最小値)の推移を示す図である。 変動率の推移を示す図である。 アトピー型、非アトピー型のそれぞれの患者の変動率の推移を示す図である。

Claims (3)

  1. トマト搾汁液を有効成分として含有する喘息発作予防剤。
  2. 請求項1に記載の喘息発作予防剤を含有する医薬組成物。
  3. 請求項1に記載の喘息発作予防剤を含有する機能性食品。
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