JP2007198116A - 吊ケーブルの一次押込み方法及び装置、吊ケーブルの押込み方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吊ケーブル2を張設する張設装置1に吊ケーブル2をセットする一次押込み方法であって、張設装置1に装着された引張り手段5の張設方向への引っ張り力を吊ケーブル2に伝達して、当該吊ケーブル2を張設方向へ押込みながら張設装置1へセットすることを特徴とする吊ケーブルの一次押込み方法。
【選択図】図1
Description
この特許文献1は、吊ケーブルの外側に、軸方向に沿って係合手段を一定間隔毎に形成した押込みシリンダを被着固定し、この押込みシリンダの係合手段を利用して、ケーブルの引き込み方向に沿って一定距離引込み、その引込み終端位置で該押込みシリンダの係合手段に固定のチャック手段を係合させて押込みシリンダの戻りを止め、他方、引き込み時のチャック手段を開放して盛り替え、この引込みとチャック手段による係脱の盛り替え動作を繰り返して前記押込みシリンダをケーブル引込み方向に引込むことにより、吊ケーブルを張設するものである。
この点、前記特許文献1における吊ケーブルの張設方法及び張設装置によれば、その吊ケーブルの張設作業及び張設装置の設置が構築構造物の桁上で行われるため、前記の収容空間の確保、桁下での張設装置の収容作業、移動及び撤去作業の必要が無く、吊ケーブルの張設作業の容易性の向上及び安全性の確保について極めて効果的なものである。
まず、桁下において、ウインチでの作業が必要であり、前記張設装置に比べて軽量・小型であり、収容空間等の桁下への収容作業、移動及び撤去作業が容易であるものの、やはり狭い空間での作業となり、作業性が悪い。
また、吊ケーブルの先端に連結した1本のワイヤーをウインチで巻き上げることになるが、張設装置にセットするまでには、例えば50ton程度の荷重が必要となるところ、汎用されているウインチは定格荷重が通常15ton程度であることから、複数の滑車を繰り込んだ引き込み用の装置を構築する必要があり、煩雑な作業が必要となる。定格荷重の大きなウインチを用いることも考えられるが、その場合には装置が高額になる。
また、本発明で云う一次押込みとは、前記押込みの一連の動作の内、吊ケーブルを張設装置によって押込みが可能な状態にセットする動作を意味し、張設装置が吊ケーブルを押込む動作を二次押込みと云う。
また、本発明で云う張設装置とは、桁上に設置されて吊ケーブルの二次押込みをする装置を意味する。
また、前記保持部材の吊ケーブルに対する保持の確実性の向上という観点から、第3発明のように、吊ケーブルの外側に、保持部材と係合する係合手段を固定状に設けることが好ましい。
前記係合手段の具体的構成として、例えば、前記特許文献1で例示したケーブル引込み装置に用いられる押込みシリンダに設けられた係合手段が挙げられる。
すなわち、第4発明では、吊ケーブルの外側に被着固定された押込みシリンダに一定間隔毎に形成した係合手段を係脱するチャック手段を備えたストローク手段で、吊ケーブルを張設方向に押込む張設装置に用いられる一次押込み装置であって、前記保持部材が前記係合手段に係脱するチャック機能を有するものであることを特徴とする吊ケーブルの一次押込み装置にした。
本明細書において、吊ケーブルとの関係で方向を言う場合において、「前」とはケーブルソケットが設けられている側およびその延長線方向をいい、「後」とはその逆方向をいうものとする。
本発明においては、引張り部材を複数本設け、各引張り部材に対して引っ張り力を付与するようにしたので、従来のようにケーブルソケットに連結した1本のワイヤーロープに引っ張り力を付与するのに比べて、簡単に強い引っ張り力を付与できる。そのため、作業スピードを速くできる一次押込み量を多くすることができ、その結果、作業スピードの遅い二次押込み量を少なくすることができるので、作業効率を向上させることができる。
引張り手段として、ジャッキを用いることにより、大きな引張り力を容易にかつ安価に付与することができる。
なお、引張り部材を保持するとは、引張り部材を引張力に抵抗して強固に保持することであり、その具体的態様としては、例えばチャックすること、クランプすることを含む。
第1発明によれば、吊ケーブルを張設装置にセットする一次押込み作業においても桁上で行えるので、この一次押込みから張設装置による二次押込み作業まで全て桁上で行うことができる。
また、第3発明によれば、保持部材の吊ケーブルに対する保持の確実性が向上し、第4発明によれば、第3発明を具体化することができるとともに、張設装置による二次押込みに使用される係合手段を一次押込みにそのまま使用できるので、一次及び二次押込みにおける部品の共有化によるコストの低減や、一次押込みから二次押込みの作業切り換え時間の短縮による作業時間の迅速化が期待できる。
尚、本形態の吊ケーブルの一次押込み方法及びその一次押込み方法に用いられる吊ケーブルの一次押込み装置は、吊ケーブルで橋桁を固定構造物に吊持した斜張橋を構築するのに用いるものとして説明する。
図4、図5は二次押込みを行う張設装置(以下、「二次押込み装置」という)の説明図であり、吊ケーブルを二次押込み装置にセットして二次押込み開始時点の状態を示しており、図4が平面図、図5が側面図である。
二次押込み装置1の基本的な構成を説明する前に、まず、二次押込み装置1にセットされる吊ケーブル2について説明すると、吊ケーブル2の先端にはケーブルソケットが設けられ、その後方には竹節状の係合手段41が着脱可能に被着固定されている。
二次押込み装置1は、吊ケーブルの係合手段41をチャックしたりチャックの解除をしたりするチャック手段Cを備えている。チャック手段Cは、張設方向に沿って前後2箇所に設けられた移動側のチャック部C1と固定側のチャック部C2とからなる。そして、この両チャック部C1、C2間にストローク手段Bが位置し、このストローク手段Bの張設方向に沿うストロークにより、移動側のチャック部C1が押込み方向に沿って前後往復動するようにされている。
ストローク手段Bのロッドが1ストローク分伸長されると、チャック部C2によって前記係合手段41をチャックして吊ケーブル2を保持する一方、チャック部C1の係合手段41に対するチャックを解除する。この状態で、ストローク手段Bのロッドを縮退させることによって、チャック部C1を元の位置に戻す。
このようなチャック手段Cによるチャック動作およびストローク手段Bの前後動を繰り返すことによって、吊ケーブル2の押込み作業が行われる。
なお、係合部61は、筒体を半割にして分割された筒体部材を上下から押込みシリンダ4に被着固定することにより係合手段4に対して係合するようにしている。
引張り部材7は、ワイヤーロープの例を示したが、引張り手段5の引張り力に耐え得るものであれば他の材質のものでもよい。
先ず、吊ケーブル2を一次押込み装置3に一次押込み可能状態で保持させる。この保持させる方法については、種々の方法があるが、例えば以下のようにする。
先ず、吊ケーブル2の先端部に保持部材6を取り付け、保持部材6に引張り部材7を取り付ける。この状態で、吊ケーブル2の先端をウインチ等で引っ張って、吊ケーブル2の先端部分を二次押込み装置1におけるチャック手段Cに対して挿入状態にすると共に一次押込み装置3の構成部材である引張り手段5を二次押込み装置1に装着する。
あるいは、吊ケーブル2を二次押込み装置1の前方に配置したウインチ等で引っ張って、吊ケーブル2の先端部分を二次押込み装置のチャック手段Cに対して挿入状にし、この状態で一次押込み装置3の引張り手段5を二次押込み装置1に装着すると共に、吊ケーブル2に保持部材6を取り付ける。
また、吊ケーブル2をチャック手段Cに対して挿入状態にする場合、チャック手段Cにおけるチャック部C1、C2を分解し、組み立てる際に吊ケーブル2を挿入する方法、又は、前記チャック部C1、C2を係合解除状態(開いた状態)にして挿入する方法等いずれでも任意である。
又、吊ケーブル2の挿入作業及び一次押込み作業においては、二次押込み装置1を保工桁Aに対して水平状にして行っても良いし、吊ケーブル2の押込み方法に沿う角度に傾斜させて行ってもよい。
吊ケーブル2を押込む際には、前進チャック部51によって引張り部材7をチャックすると共に固定チャック部52の引張り部材7に対するチャックを解除し、この状態でジャッキ53のロッドを伸長することにより、前進チャック部51を前進させる。これによって、引張り部材7が保持部材6を引っ張るので、保持部材6に係合部材61を介して係合している吊ケーブル2が二次押込み装置側に押し込まれる。図3は、図1の状態からジャッキ53の1ストローク分押し込んだ状態を示している。
このように、前進チャック部51及び固定チャック部52の引張り部材7に対するチャック・チャック解除を繰り返すとともに、ジャッキ53で前進チャック部51の前後動を繰り返すことによって、吊ケーブル2の一次押込み作業を行う。
そして、一次押込み装置3を二次押込み装置1及び吊ケーブル2から取り外して吊ケーブル2の一次押込みが完了する。この状態が図4に示す状態である。
作業終了後には、二次押込み装置1を保工桁Aから取り外して次の張設作業場所へ移動し、次の吊ケーブル2の張設作業を前記と同様の方法で行う。
すなわち、本形態の一次押込み方法及び一次押込み装置によれば、張設作業を全て保工桁A上で行うことができる。
例えば、本形態では、二次押込み装置を特許第3520029号の引込み装置と略同構成のものを例示したが、一次押込み装置が取り付けられる構成を有するとともに、押込みシリンダにおける係合手段に係合して吊ケーブルを押込める構成のものであれば良い。
吊ケーブルの後端部に設けられたケーブルソケットをジャッキ装置で押し出し、前記ジャッキ装置とケーブルをその押出し位置で戻り止めする盛替えナットを盛り替えとガイドを兼ねたガイドロッドに有する装置であって、ジャッキ装置を支持部に対して前方位置に配設し、ケーブルソケットとジャッキ装置との間に、ケーブルに沿うスペーサを介在してなる二次押込み装置。
2 吊ケーブル
3 一次押込み装置
4 押込みシリンダ
5 引張り手段
6 保持部材
7 引張り部材
41 係合手段
51 前進チャック部
52 固定チャック部
53 ジャッキ
61 係合部
62 引張り部材連結部
A 保工桁
B ストローク手段
C チャック手段
C1 チャック部
C2 チャック部
D 支持台
Claims (13)
- 吊ケーブルを張設する張設装置に吊ケーブルをセットする一次押込み方法であって、張設装置に装着された引張り手段の張設方向への引っ張り力を吊ケーブルに伝達して、当該吊ケーブルを張設方向へ押込みながら張設装置へセットすることを特徴とする吊ケーブルの一次押込み方法。
- 吊ケーブルを張設する張設装置に吊ケーブルをセットする一次押込み装置であって、吊ケーブルに対して張設方向へ引っ張る引張り手段と、吊ケーブルを保持する保持部材と、前記引張り手段と保持部材とに亘って連結された引張り部材とでなり、前記引張り手段を張設装置に装着するとともに、吊ケーブルを張設方向へ押込みながら張設装置へセットことを特徴とする吊ケーブルの一次押込み装置。
- 吊ケーブルの外側に、保持部材と係合する係合手段を固定状に設けていることを特徴とする請求項2に記載の吊ケーブルの一次押込み装置。
- 吊ケーブルの外側に被着固定された押込みシリンダに一定間隔毎に形成した係合手段を係脱するチャック手段を備えたストローク手段で、吊ケーブルを張設方向に押込む張設装置に用いられる一次押込み装置であって、前記保持部材が前記係合手段に係脱するチャック機能を有するものであることを特徴とする請求項2に記載の吊ケーブルの一次押込み装置。
- 吊ケーブルの二次押込みを行う張設装置に吊ケーブルをセットする一次押込み方法であって、ケーブルソケットよりも後方の位置において前記吊ケーブルを保持する保持部材を設け、該保持部材に取り付けた複数本の引張り部材に対して張設方向への引っ張り力を付与することによって前記吊ケーブルを前記張設装置による二次押込みが可能な位置まで押し込むことを特徴とする吊ケーブルの一次押込み方法。
- 吊ケーブルを張設する張設装置に吊ケーブルをセットする一次押込み装置であって、ケーブルソケットよりも後方の位置において前記吊ケーブルを保持する保持部材と、該保持部材に取り付けられた複数本の引張り部材と、該引張り部材に対して張設方向への引っ張り力を付与する引張り手段と、を備えたことを特徴とする吊ケーブルの一次押込み装置。
- 引張り手段は張設装置に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の吊ケーブルの一次押込み装置。
- 引張り手段は、引張り部材を保持し及び保持を解除すると共に引張り方向に対して前後進できる前進保持部と、該前進保持部を前後進させるジャッキと、引張り部材を保持し及び保持を解除する固定保持部と、を備えてなることを特徴とする請求項6又は7に記載の吊ケーブルの一次押込み装置。
- 吊ケーブルの外周面に被着固定された押込みシリンダに一定間隔毎に形成した係合手段を係脱するチャック手段を備え、該チャック手段で前記係合手段をチャックして前記吊ケーブルを張設方向に押込む張設装置に用いられる一次押込み装置であって、前記保持部材が前記係合手段に係合することによって前記吊ケーブルを保持するように構成されていることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の吊ケーブルの一次押込み装置。
- 吊ケーブルを張設装置にセットする一次押し込みと、張設装置によって吊ケーブルを張設方向に押し込む二次押し込みからなる吊ケーブルの押込み方法であって、前記一次押込みが、ケーブルソケットよりも後方の位置において前記吊ケーブルを保持する保持部材を設け、該保持部材に取り付けた複数本の引張り部材に対して張設方向への引っ張り力を付与することによって前記吊ケーブルを前記張設装置による二次押込みが可能な位置まで押し込むことを特徴とする吊ケーブルの押込み方法。
- 請求項6〜9の何れか一項に記載の吊ケーブルの一次押込み装置と、該一次押込み装置によってセットされた吊ケーブルを二次押込みする張設装置と、を備えたことを特徴とする吊ケーブルの押込み装置。
- 張設装置は、吊ケーブルの外周面に被着固定された押込みシリンダに一定間隔毎に形成した係合手段を係脱するチャック手段を備え、該チャック手段で前記係合手段をチャックして前記吊ケーブルを張設方向に押込むものであることを特徴とする請求項11に記載の吊ケーブルの押込み装置。
- 張設装置は、吊ケーブルの端部に設けたケーブルソケットを、スライド体を介してジャッキで押出し、押出し位置で前記スライド体の戻り止めをする盛替えナットを備えたものであることを特徴とする請求項11に記載の吊ケーブルの押込み装置。
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