JP2007197810A - 耐摩耗鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接性に優れかつ母材部および溶接熱影響部の耐摩耗性に優れた耐摩耗鋼板を提供する。
【解決手段】C:0.20〜0.50%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.04%以下、S:0.04%以下、Ti:0.2〜1.0%、Mo:0.2〜2.0%、B:0.0003〜0.01%、N:0.01%以下を含み、かつMo/Ti: 1.0以上を満足するように含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる組成と、平均粒径:0.5μm以上のTi炭化物およびTiとMoの複合炭化物を合計で、400個/mm以上含む組織とする。なお、Cu、Ni、Crのうちから選ばれた1種または2種以上および/またはAlを含有できる。これにより、溶接性に優れ、顕著な高硬度化を伴うことなく、母材部および溶接熱影響部の耐摩耗性に優れた耐摩耗鋼板となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設、土木、鉱山等で使用される、パワーショベル、ブルドーザー、ホッパー、バケット等の産業機械、運搬機器等で、岩石、砂、鉱石等によるアブレッシブ摩耗、すべり摩耗あるいは衝撃摩耗等を受ける部材用として好適な耐摩耗鋼板に関する。
岩石、砂、鉱石等によるアブレッシブ摩耗、すべり摩耗、あるいは衝撃摩耗等を受ける部材には、長寿命化のため、耐摩耗性に優れた鋼材が使用されている。従来から、鋼材の耐摩耗性は、硬さを高くすることにより、向上することが知られている。このため、耐摩耗性が要求される部材には、Cr、Mo等の合金元素を多量に添加した鋼材に焼入等の熱処理を施し、高硬度化した鋼材が使用されてきた。
例えば、特許文献1には、溶接性の良好な耐摩耗用鋼板の製造方法が提案されている。特許文献1に記載された技術は、C:0.10〜0.19%を含み、Si、Mnを適正量含有し、Ceqを0.35〜0.44に限定した鋼を、熱間圧延後直接焼入れし、あるいは900〜950℃に再加熱したのち焼入れし、300〜500℃で焼戻し、鋼板表面硬さを300HV以上とする耐摩耗用鋼板の製造方法である。
また、特許文献2には、C:0.10〜0.20%を含み、Si、Mn、P、S、N、Alを適正量に調整し、あるいはさらにCu、Ni、Cr、Mo、Bのうちの1種以上を含有する鋼に、熱間圧延後直接焼入れし、あるいは圧延後放冷したのち再加熱し焼入れして、340HB以上の硬さを有し、靭性および溶接低温割れ性の優れた耐摩耗厚鋼板とする技術が提案されている。
また、特許文献3には、C:0.07〜0.17%を含み、Si、Mn、V、B、Alを適正量含有し、あるいはさらにCu、Ni、Cr、Moのうちの1種以上を含有した鋼に、熱間圧延後直ちに焼入れ、あるいは一旦空冷した後に、再加熱し焼入れして、表面硬さを321HB以上で、曲げ加工性に優れた鋼板とする耐摩耗用鋼板の製造方法が提案されている。
特許文献1〜3に記載された技術は、合金元素を多量に添加して、固溶硬化、変態硬化、析出硬化等を活用して、硬度を顕著に高め耐摩耗性を向上させている。
しかし、近年、鋼板に要求される耐摩耗性は、より一層厳しさを増しており、単に硬度を高めるという方法では、本質的な耐摩耗性の改善にはなっていないのが現状である。特許文献1〜3に記載された技術におけるように、合金元素を多量に添加して、固溶硬化、変態硬化、析出硬化等を活用して、硬度を顕著に高めた場合には、結果的に溶接性、加工性が低下し、さらに高合金化により製造コストが高騰するという問題があった。このため、顕著な高硬度化を図ることなく、耐摩耗性を向上させることが要望されていた。
このような要望に対し、例えば、特許文献4には、C:0.10〜0.45%を含み、Si、Mn、P、S、Nを適正量に調整し、さらにTi:0.10〜1.0%を含有し、0.5μm以上の大きさのTiC析出物あるいはTiCとTiN、TiSとの複合析出物を400個/mm以上を含み、Ti*が0.05%以上0.4%未満である表面性状に優れた耐摩耗鋼が提案されている。特許文献4に記載された技術によれば、凝固時に粗大なTiCを主体とする析出物を生成させ、顕著な高硬度化を伴うことなく安価に耐摩耗性を向上させることができるとしている。
特開昭62−142726号公報 特開昭63−169359号公報 特開平1−142023号公報 特許3089882号公報
最近では、溶接能率の向上や溶接施工の低コスト化のため、予熱温度の低減や後熱の省略が求められ、使用する耐摩耗鋼板にも溶接性や溶接熱影響部特性の向上が要求されるようになってきた。例えば、特許文献4に記載の耐摩耗鋼板では、溶接熱影響部の耐摩耗性が、母材部の耐摩耗性に比べて若干低下する傾向が認められ、所望の耐摩耗性を確保するため、肉盛溶接を行う必要があった。そのため、特許文献4に記載の耐摩耗鋼板を用いた部材においては、溶接施工コストの高騰や、部材生産能率の低下等の問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み、溶接性に優れ、かつ顕著な高硬度化を伴うことなく、母材部および溶接熱影響部の耐摩耗性に優れた、耐摩耗鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、顕著な高硬度化を伴うことなく、耐摩耗性を向上させるには、Tiを多量に含有する特定組成とし、粗大なTi炭化物(TiC)を晶出・析出させることが有効であることを見出した。また、本発明者らは、溶接時にTiCが溶解すると、固溶Cが増加し、溶接割れ感受性を増大させるため、それが溶接時の低温割れを助長して、溶接能率の向上を阻害する要因のひとつとなっていたことも見出した。そして、本発明者らは、溶接時に粗大なTi炭化物の溶解を抑制することにより、溶接熱影響部の耐摩耗性を、母材部並みとすることができることに想到し、MoをMo/Ti比が1.0以上となるように含有させ、TiCに一定量以上のMoを固溶させたTiとMoの複合炭化物を晶出・析出させることにより、溶接時における粗大なTi炭化物の溶解を抑制することができ、溶接熱影響部の耐摩耗性が顕著に向上することを見出した。
まず、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
質量%で、0.31%C−0.40%Tiを基本成分とし、Moを0〜0.77%の範囲で変化させた組成の鋼材を、実験室で溶解した。これら鋼材から、熱サイクル試験片を採取し、通電加熱により溶接を模擬した熱履歴を付加した。これら試験片について、電解抽出法により炭化物を抽出し、炭化物となっているC量を測定し、totalC量から炭化物となっているC量を差し引き、固溶C量を求めた。得られた結果を、固溶C量とMo/Tiとの関係で図1に示す。なお、溶接を模擬した熱履歴は、最高到達温度を1250℃、1350℃の2種とし、最高到達温度までの昇温速度を50℃/s、最高到達温度から200℃までの冷却速度を50℃/sとした。
図1から、Mo/Tiが1.0未満の場合には、最高到達温度が1250℃の場合に比べて、最高到達温度が1350℃の場合の方が固溶C量が増加している。Mo/Tiが1.0以上では、最高到達温度が1250℃の場合と最高到達温度が1350℃の場合とで、ほぼ等しい固溶C量となる傾向を示している。図1から、Mo/Tiを1.0以上とすることにより、1300℃を超える温度に加熱しても、Ti炭化物の溶解が顕著に抑制されていることがわかる。その理由は、当初、一部析出物の分析結果から、Mo/Tiを1.0以上とすることにより、TiCが、TiC中にMoが固溶したTiとMoの複合炭化物となったことに起因するものと考えられた。しかし、後に、Mo/Tiが1.0以上でも1.0未満でも、TiとMoの複合炭化物は観察されることから、Mo/Tiが1300℃以上の温度でのTi炭化物の溶解度に影響しているものと推定するに至った。すなわち、Mo/Tiが1.0以上の場合には、Moが固溶した、TiとMoの複合炭化物の溶解度は、1300℃以上の高温に加熱されても、それより低い温度の場合と同様に低いままであるものと考えられる。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.20〜0.50%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.04%以下、S:0.04%以下、Ti:0.2〜1.0%、Mo:0.2〜2.0%、B:0.0003〜0.01%、N:0.01%以下を含み、かつMoとTiを次(1)式
Mo/Ti ≧ 1.0 ………(1)
(ここで、Mo、Ti:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる組成と、平均粒径:0.5μm以上のTi炭化物およびTiとMoの複合炭化物を合計で、400個/mm以上含む組織を有することを特徴とする耐摩耗鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜10%、Cr:0.1〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含む組成とすることを特徴とする耐摩耗鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.08%以下を含む組成とすることを特徴とする耐摩耗鋼板。
本発明によれば、溶接性に優れ、かつ顕著な高硬度化を伴うことなく、母材部および溶接熱影響部の耐摩耗性に優れた、耐摩耗鋼板を、容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、溶接熱影響部の耐摩耗性を母材部並に確保しつつ、溶接時の予熱作業の軽減や、後熱処理の省略が図れ、溶接能率の向上と溶接施工の低コスト化が可能になるという効果もある。
まず、本発明の鋼板の組成範囲規定理由について説明する。なお、以下の%表示は、いずれも質量%を示す。
C:0.20〜0.50%
Cは、TiCを主体とする炭化物(析出物)を形成させるために必須の元素である。0.20%未満では、TiCを主体とする炭化物(析出物)を有効に形成することができない。一方、0.50%を超える含有は、過剰な固溶Cが残存するため、硬さの上昇とともに溶接性、加工性等が低下する。このため、Cは0.20〜0.50%の範囲に規定した。
Si:0.1〜1.0%
Siは、脱酸元素として有効な元素であり、その効果を得るためには、少なくとも0.1%以上の含有を必要とする。また、Siは、鋼に固溶して固溶強化により高硬度化に寄与する有効な元素であるが、1.0%を超える含有は、延性、靭性を低下させ、さらに介在物量が増加する等の問題を生じる。このため、Siは0.1〜1.0%の範囲に規定した。 なお、好ましくは0.1〜0.5%である。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、焼入性を向上させる有効な元素であり、その効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Mnは0.1〜2.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.5〜1.6%である。
P:0.04%以下
Pは、鋼の延性・靭性を低下させ、鋼板特性に悪影響を及ぼす元素であり、本発明では不可避的不純物として極力低減するのが望ましいが、過度の低減は精錬コストを高騰させる。このような悪影響を及ぼさず、しかも精錬コストの過度の上昇を抑える観点から、Pは0.04%以下に規定した。なお、好ましくは0.02%以下である。
S:0.04%以下
Sは、熱間延性の低下、常温での延性・靭性の低下をもたらす不純物元素であり、極力低減するのが望ましいが、過度の低減は精錬コストを高騰させる。このため、このような悪影響を及ぼさず、しかも精錬コストの過度の上昇を抑える観点から、Sは0.04%以下に規定した。なお、好ましくは0.02%以下である。
Ti:0.2〜1.0%
Tiは、本発明において、C、Moと共に最も重要な元素であり、安定してTiCおよびTiとMoの複合炭化物を生成させるために必須の元素である。このような炭化物を形成させて、耐摩耗性を向上させる観点から、0.2%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超えて含有すると、加工性が低下するとともに、材料コストの高騰に繋がる。このため、Tiは0.2〜1.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.3〜0.8%である。
Mo:0.2〜2.0%
Moは、本発明において、C、Tiと共に最も重要な元素であり、Tiと共に複合炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.2%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、Moが複合炭化物中に固溶できなくなるため、溶接性が低下するとともに、材料コストの高騰に繋がる。このため、Moは0.2〜2.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.3〜1.6%である。
本発明では、MoとTiは、それぞれ上記した範囲内でかつ、次(1)式
Mo/Ti ≧ 1.0 ………(1)
(ここで、Mo、Ti:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有する。Mo/Tiが1.0未満では、図1からも明らかなように、溶接時に高温に加熱されると、Ti炭化物が溶解し、固溶Cが増加して、溶接熱影響部の耐摩耗性が低下するとともに、耐溶接割れ性が低下する。このため、Mo/Ti を 1.0以上に規定した。なお、好ましくは2.0以下である。
B:0.0003〜0.01%
Bは、微量添加で焼入れ性を高める元素であるが、この効果を発揮するためには、0.0003%以上の含有を必要とする。一方、0.01%を超える含有は、溶接性を低下させるとともに、焼入れ性も低下させる。このため、Bは0.0003〜0.01%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.0005〜0.004%である。
N:0.01%以下
Nは、鋼の延性・靭性を低下させる不純物元素であり、極力低減するのが望ましいが、過度の低減は精錬コストの高騰を招く。このため、このような悪影響を及ぼさず、しかも精錬コストの過度の上昇を抑える観点から、Nは0.01%以下に規定した。なお、好ましくは0.006%以下である。
上記した成分が基本成分であるが、必要に応じて、この基本成分に加えてさらに、Cu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜10%、Cr:0.1〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Al:0.08%以下を含有できる。
Cu、Ni、Crはいずれも、鋼の焼入れ性を高める元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上含有できる。
Cuは、焼入性を高める元素であり、目的に応じて硬さを制御するために有効に作用する元素であるが、このような効果を得るためには0.1%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、熱間加工性を低下させるとともに、材料コストが高騰する。このため、Cuは含有する場合、0.1〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。
Niは、焼入性を高めるとともに、低温靭性を向上させる元素であり、このような効果は0.1%以上の含有で顕著となる。一方、10%を超える高価なNiの含有は、材料コストを著しく上昇させる。このため、含有する場合には、Niは0.1〜10%の範囲に限定することが好ましい。
Crは、焼入性を高める元素であり、このような効果を得るためには0.1%以上の含有を必要とする。一方、3.0%を超える含有は、溶接性が低下するとともに、材料コストの高騰を招く。このため、含有する場合には、Crは0.1〜3.0%の範囲に限定することが好ましい。
Al:0.08%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合して結晶粒微細化に寄与する元素であり、必要に応じ含有できる。このような効果は、0.01%以上の含有で認められるが、0.08%を超える多量の含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、Alは含有する場合には、0.08%以下に限定することが好ましい。
つぎに、本発明の鋼板の組織限定理由について説明する。
本発明の鋼板は、平均粒径:0.5μm以上のTi炭化物およびTiとMoの複合炭化物を合計で、400個/mm以上含む組織を有する。
本発明の鋼板では、Ti炭化物(TiC)およびTiとMoの複合炭化物を主体とする粗大な析出物を多量に生成させることにより、所望の耐摩耗性を確保している。平均粒径が0.5μm未満の微細な析出物では、顕著な耐摩耗性向上効果を期待できない。このため、Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物を主体とする析出物の大きさを平均粒径で0.5μm以上とした。なお、析出する複合炭化物の不足による耐摩耗性の低下を考慮して、析出物の平均粒径の上限は50μmとすることが好ましい。
本発明の鋼板では、平均粒径が0.5μm以上の、Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物を、合計で、400個/mm以上含む。平均粒径が0.5μm以上の粗大なTi炭化物およびTiとMoの複合炭化物を主体とする析出物の密度が400個/mm未満では、耐摩耗性向上効果がほとんど期待できない。このため、平均粒径が0.5μm以上の、Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物を、合計で、400個/mm以上に規定した。なお、上限は特に規定されない。
なお、析出物(Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物)の大きさおよび個数の測定は、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡(倍率:400倍以上)を用いて、一定の面積部分の組織を観察し(5視野以上)、そこで観察される各析出物の大きさおよび単位面積当りの個数を画像解析等の手法を用いて測定するものとする。また、析出物のうち、TiCまたはTiとMoの複合炭化物の識別は、分析装置を搭載した走査型電子顕微鏡を用いて行うことが好ましい。
なお、ここでいう「平均粒径」は、各析出物の面積を画像解析等の方法で測定し、測定された各面積から円相当直径を算出して各析出物の直径とし、得られた各析出物の直径を算術平均して得た平均値をその鋼板の析出物の平均粒径とした。なお、平均粒径の算出には、少なくとも100個以上の析出物について測定するものとする。
なお、上記した炭化物が析出する組織の基地組織は、基本的にマルテンサイト相を主体とする組織とする。基地組織がマルテンサイト相を主体とする組織の場合には、炭化物の密度や硬度を高めることにより、耐摩耗性の向上効果を効率的に引き出すことができる。一方、基地組織がマルテンサイト相を主体とする組織でない場合は、炭化物の硬度や密度を高めていくことにより、ある程度までは耐摩耗性が向上するが、耐摩耗性向上効果が飽和し、炭化物の硬度や密度の増加に見合う効果が期待できなくなる。
本発明でいう「マルテンサイト相を主体とする組織」とは、マルテンサイト相の組織分率が70%以上である組織をいうものとする。残部は、マルテンサイト相以外の、ベイナイト相、パーライト相、フェライト相、残留オーステナイト相、あるいはそれらの混合相としてもよい。
基地組織を、マルテンサイト相を主体とする組織とするためには、基地組織の固溶C量を、0.03質量%超とすることが好ましい。固溶C量が0.03質量%以下では、通常用いられているいかなる工業的熱処理を施しても、基地組織はフェライト相を主体とする組織となる。
つぎに、本発明の鋼板の好ましい製造方法について説明する。
転炉、電気炉または真空溶解炉等の公知の溶製方法で、上記した成分範囲内の組成に調整した溶鋼を、公知の連続鋳造法または造塊法を用いて所望の寸法形状の鋼素材(スラブまたはインゴット)とすることが好ましい。
なお、連続鋳造法を用いた場合、厚み200〜400mmの鋳片表面の1500〜1200℃温度域における冷却速度を0.2〜10℃/sの範囲となるように冷却を調整することが好ましい。これにより、析出物(Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物)を所望の大きさおよび個数、すなわち平均粒径が0.5μm以上好ましくは50μm以下の、Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物を、合計で、400個/mm以上、に調整することが可能となる。なお、造塊法を用いる場合にも、インゴットの大きさおよび冷却条件を、析出物(Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物)が所望の大きさおよび個数になるように、調整する必要があることはいうまでもない。
ついで、鋼素材を、冷却することなく直接、または再加熱したのち、熱間圧延し、所望の板厚の鋼板とする。なお、熱間圧延の条件は、所望の寸法形状の鋼板とすることができればよく、とくに限定されない。熱間圧延後、鋼板は室温付近まで冷却される。冷却後、900℃以上の温度まで再加熱されたのち、焼入れされて、製品(耐摩耗鋼板)とすることが好ましい。焼入れの冷却は、水冷とし、Ms点以下まで冷却することが好ましい。なお、必要に応じて、焼入れ後700℃以下の温度域で焼戻す焼戻処理を施してもよい。
以下、本発明をさらに実施例に基づいて詳細に説明する。
表1に示す組成の溶湯を、真空溶解炉で溶製し、小型鋼塊(50kgf鋼塊)とした。これら小型鋼塊を、熱間圧延により板厚15mmの鋼板とした。なお、熱間圧延後は空冷とした。ついでこれら鋼板を、900℃に再加熱したのち、200℃以下まで冷却する焼入れを施した。得られた鋼板について、組織観察、耐摩耗性、溶接割れ性、さらに基地組織の固溶C量について調査した。なお、調査方法はつぎのとおりである。
(1)組織観察
得られた鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向に直交する断面全体について、研磨し、ナイタール腐食して、分析装置付走査型電子顕微鏡(倍率:1000倍)を用いて、組織を撮像した。拡大された100mm×100mmの視野(25視野)について、画像解析装置を用いて、Ti炭化物(TiC)およびTi、Mo複合炭化物の大きさ、個数を測定した。炭化物の大きさは、各炭化物の面積を測定し、同面積から円相当直径を算出し、得られた円相当直径を算術平均し、得られた平均値をその鋼板の平均粒径とした。また、得られた炭化物(Ti炭化物およびTiとMoの複合炭化物)のうち、平均粒径が0.5μm以上の炭化物について、その個数を測定し、1mm当りの個数に換算した。
なお、同時に、基地組織の種類、およびその組織分率を調査した。なお、組織分率は、撮像した範囲において、画像解析装置を用いて評価した。なお、マルテンサイト相の組織分率は、マルテンサイトラス組織の全体に占める割合を、画像解析装置を用いて面積率で評価した。
(2)耐摩耗性
得られた鋼板から試験片(大きさ:t×25×75mm)を採取し、ASTM G−65に準拠し、摩耗砂としてSiO90%以上の砂を使用して、摩耗試験を実施した。なお、軟鋼(SS400)板についても同様に試験した。試験は母材部、および溶接熱影響部について行った。
各鋼板の母材部の耐摩耗性は、軟鋼(SS400)板の摩耗量を基準(1.0)として耐摩耗比で評価した。耐摩耗比が大きいほど耐摩耗性に優れていることを意味する。
溶接熱影響部の耐摩耗性は、各鋼板から採取した試験片に、溶接材料としてビッカース硬さ600クラスの硬化肉盛溶接を行い、肉盛溶接した部分を研削して、母材部と同様の試験を実施し、評価した。なお、溶接熱影響部の耐摩耗性は、摩耗試験後の試験片の外観を観察し、母材部の試験片と比較することにより評価した。摩耗試験後の試験片外観が溶接熱影響部の優先的な摩耗が見られず母材部と同等の損傷である場合を○、溶接熱影響部の優先的な摩耗が見られ母材部より損傷が激しい場合を×とした。
(3)溶接割れ性
得られた各鋼板から試験片を採取し、JIS Z 3158の規定に準拠して、y形溶接割れ試験を実施し、割れ停止温度を求め、溶接割れ性を評価した。
(4)基地組織の固溶C量
得られた各鋼板から試験片を採取し、電解抽出法により炭化物を抽出して、炭化物となっているC量を測定し、ついでtotalC量から、炭化物となっているC量を差引き、基地組織中の固溶C量とした。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2007197810
Figure 2007197810
本発明例はいずれも、マルテンサイトラス相の占める割合が面積率で70%以上であるマルテンサイト相を主体とする基地組織と、0.03質量%超えの固溶C量を有し、母材部が軟鋼(SS400)に比べて摩耗比で8以上と耐摩耗性に優れ、また溶接熱影響部も母材部と同等に耐摩耗性に優れている。また、本発明例では、割れ停止温度は200℃以下と低く、耐溶接割れ性にも優れている。一方、本発明の範囲を外れる比較例では、母材部の耐摩耗性が低下しているか、溶接熱影響部の耐摩耗性が母材部に比べて低下しているか、あるいは200℃予熱でも割れを阻止できず、耐溶接割れ性が低くなっているかしている。
Mo含有量が本発明範囲を低く外れた比較例(鋼板No.8)は、Mo/Tiが1.0未満であるため、また、Mo含有量は本発明範囲であるが、Mo/Tiが1.0未満である比較例(鋼板No.7)は、溶接熱影響部の耐摩耗性が母材部に比べ低下している。また、比較例(鋼板No.7,8)は、割れ停止温度も200℃と高く、耐溶接割れ性が低下している。また、Mo/Tiが本発明範囲を外れる比較例(鋼板No.9)は、溶接熱影響部の耐摩耗性が母材部に比べ低下し、また、200℃予熱でも割れを阻止できず、耐溶接割れ性が低下している。また、Mo量あるいはC量が本発明の範囲を外れる比較例(鋼板No.10,11)は、200℃予熱でも割れを阻止できず、耐溶接割れ性が低下している。
固溶C量とMo/Tiとの関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.20〜0.50%、 Si:0.1〜1.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、 P:0.04%以下、
    S:0.04%以下、 Ti:0.2〜1.0%、
    Mo:0.2〜2.0%、 B:0.0003〜0.01%、
    N:0.01%以下
    を含み、かつMoとTiを下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる組成と、平均粒径:0.5μm以上のTi炭化物およびTiとMoの複合炭化物を合計で、400個/mm以上含む組織を有することを特徴とする耐摩耗鋼板。

    Mo/Ti ≧ 1.0 ………(1)
    ここで、Mo、Ti:各元素の含有量(質量%)
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜10%、Cr:0.1〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含む組成とすることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗鋼板。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Al:0.08%以下を含む組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の耐摩耗鋼板。
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