JP2007197447A - エタノールの脱水法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エタノールの脱水法を提供する。
【解決手段】異なった含水率を有する水分の多いエタノールの少なくとも2つの流から膜を用いた脱水により水分の少ないエタノールを製造する方法において、異なった含水率を有するエタノール流を別々に異なった膜ユニットに導通し、その際、エタノール流を膜ユニット中でそのつど、濃縮液としての水分の少ないエタノールと、水分の多い透過液とに分離し、かつ高い含水率を有するエタノール流を分離するための少なくとも1の膜ユニットからの濃縮液流を、供給流および/またはエタノール流を分離するための少なくとも1の別の膜ユニットの濃縮液流と合し、その際、最大で1質量%絶対のエタノール濃度における相違を有する流のみを合する。
【効果】従来技術に比べて低い投資コストおよび運転コストでエタノールを脱水することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エタノールの脱水法、特にエタノールとイソブテン含有炭化水素混合物とを反応させることによりエチル−t−ブチルエーテル(ETBE)を製造するために使用されるエタノールの脱水法に関する。脱水すべきエタノールはこの場合、部分的にETBE法において生じるエタノール含有C4−炭化水素流に由来するものであってよい。
ETBEは、オットーエンジンのための燃料におけるオクタン価を高めるための成分である。ETBEはオクタン価改善剤としてMTBEに代わってますます使用されている。というのも、燃料中でMTBEを使用することにより、地下水が汚染されうることが議論されているからである。さらにいくつかの国、たとえばドイツでは、ETBEを製造するために、再生可能な原料(植物)から製造されるバイオアルコール、つまりエタノールを使用する場合に、ETBEの使用が要求されている。
ETBEは、C4−オレフィン混合物、たとえば水蒸気分解装置からのC4分画から得ることができる。これらの混合物は実質的にブタジエン、モノオレフィン、イソブテン、1−ブテンおよび両方の2−ブテンならびに飽和炭化水素であるイソブタンおよびn−ブタンからなっている。このようなC4分画に関して通常、世界的に実施されている後処理法は、次の工程を有する:まずブタジエンの大部分を除去する。ブタジエンを良好に市場に出すことができるか、または固有の使用が存在する場合には、これをたとえば抽出または抽出蒸留により分離する。その他の場合には、ブタジエンをできる限り完全に、しかし少なくとも1〜0.1質量%の濃度まで選択的に線状ブテンに水素化する。いずれの場合でも炭化水素混合物(しばしばラフィネートIもしくは水素化された分解C4とよばれる)が残留し、これは飽和炭化水素(n−ブタンおよびイソブタン)とならんでオレフィン(イソブテン、1−ブテンおよび2−ブテン)を含有している。その中に含有されているイソブテンをエタノールと反応させてETBEが得られる。蒸留による後処理によってETBEおよびエタノール含有C4−炭化水素混合物が生じ、ここから水を用いた抽出によりエタノールを除去する。
従来技術では、イソブテンもしくはイソブテン含有炭化水素流の反応は多くの場合、固体の酸性触媒、たとえば酸性のイオン交換樹脂を用いて行われる。
この反応の場合、水により触媒の活性が著しく低下し、ひいてはETBEの空時収率が低下する。さらにイソブテンから水の存在下に副生成物としてt−ブタノール(TBA)が生じる。従って従来技術ではETBEを製造する際に水分の少ないエタノール、特に1質量%より少ない含水率を有するエタノールを使用する。
市販のエタノール品質は5〜1質量%未満の含水率を有する。エタノールと水とからなるホモ共沸混合物(Homoazeotrop)はなお4.4質量%の含水率を有する。これより水分の少ないエタノール、特に1質量%未満の含水率を有するエタノールは、比較的高い費用で製造することができるのみである。
エタノールを脱水するための工業的な方法は、共留剤を用いた共沸蒸留であり、共留剤はエタノールおよび水と共に3成分のヘテロ最低共沸混合物(Heterominimumazeotrop)を形成する。共留剤としてたとえばヘプタン、シクロヘキサンまたはベンゼンを使用する。このような装置の一般的なフローチャートおよび文献示唆はUllmann’s Encyclopedia of Technical Chemistry、第9巻、第634〜635頁、第5版に記載されている。この脱水法の主な欠点は高い運転コストである。
エタノールを乾燥するためのもう1つの方法は、膜を用いた透析蒸発法である(たとえばU.Sander、H.Janssen、Industrial application of vapour permeation、Journal of Membrane Science、61(1991)、第113頁〜第129頁、Elsevier Science Publishers B.V、Amsterdam;A.H.Ballweg、H.E.A.Brueschke、W.H.Schneider、G.F.Tusel、Pervaporation Membranes、Proceedings of Fifth International Alcohol Fuel Technology 1982、第97〜106頁;H.E.A.Brueschke、State of Art of Pervaporation、Proceeding of Third International Conference on Pervaporation 1988、第2〜11頁)。この場合、分離すべき水はエタノールと一緒に蒸気の形で透過液として得られる。できる限り十分に水を分離するために、透析蒸発は複数の直列に接続された膜モジュール中で実施され、その際、そのつど1のモジュールの濃縮液が次のモジュールの使用混合物である。この方法は特に少ない含水率(1〜10質量%)を有するエタノールの脱水のために適切である。
生じる透過液を塔中でエタノール/水の共沸混合物へと後処理し、これを膜ユニットに返送することができる。この方法の主な欠点は、膜モジュールのための高い投資である。
多くのETBE装置では通常、少なくとも2の異なったエタノール流、つまり使用エタノール(別の装置からのエタノール、または市販品)と、少なくとも1のエタノール含有C4−混合物から抽出および蒸留により回収されたエタノール流が存在する。新鮮エタノールは通常、0より大で1〜約5質量%未満の含水率を有しており、回収されたエタノールは多くの場合、5〜12質量%の含水率を有する。通常、これらの流を脱水前に一緒にする。
Ullmann’s Encyclopedia of Technical Chemistry、第9巻、第634〜635頁、第5版 U.Sander、H.Janssen、Industrial application of vapour permeation、Journal of Membrane Science、61(1991)、第113頁〜第129頁、Elsevier Science Publishers B.V、Amsterdam A.H.Ballweg、H.E.A.Brueschke、W.H.Schneider、G.F.Tusel、Pervaporation Membranes、Proceedings of Fifth International Alcohol Fuel Technology 1982、第97〜106頁 H.E.A.Brueschke、State of Art of Pervaporation、Proceeding of Third International Conference on Pervaporation 1988、第2〜11頁
本発明の課題は、異なった含水率を有する2つのエタノール流を脱水するための代替的な方法であって、有利に両方のエタノール流を脱水前に混合する公知の脱水法の欠点が回避される方法を提供することである。
上記課題は意外にも本発明により、異なった含水率を有する2つのエタノール流を別々に、個々の供給濃度に合わせて最適化した膜ユニット中で後処理する場合に、両方のエタノール流から水を分離するために必要とされる膜表面積を低減することができることが判明した。副次的な装置(凝縮、冷却循環、真空の発生)を場合により両方の膜ユニットによって一緒に利用することができる。
従って本発明の対象は、異なった含水率を有する水分の多いエタノールの少なくとも2つの流から、膜を用いた脱水により水分の少ないエタノールを製造する方法であり、この方法の特徴は、異なった含水率を有するエタノール流を別々に異なった膜ユニットに導通し、その際、膜ユニット中のエタノール流はそのつど、濃縮液としての水分の少ないエタノールと、水分の多い透過液とに分離され、かつ高い含水率を有するエタノール流の乾燥のための少なくとも1の膜ユニットからの濃縮液流を、供給流および/またはエタノール流を乾燥するための少なくとも1の別の膜ユニットの濃縮液流と合することであり、その際、エタノール濃度の違いは、最大で1質量%絶対である。
同様に本発明の対象は、本発明による方法により製造される、1質量%未満の含水率を有するエタノールと水とからなる組成物である。
さらに本発明の対象は、本発明による方法により製造されるエタノール含有組成物の、ETBEの製造のための原料としての使用である。
さらに本発明は脱水のためにエタノール流のみを使用することができ、その際、生じる透過液を分離する際の蒸留による後処理によって得られるエタノール/水の混合物が、形式的に第二のエタノール流となる。
本発明は、水の分離のために必要とされる膜表面積の低減により、投資コストを下げ、かつ規則的に交換される膜表面積の低減により、運転コストをも下げることができるという利点を有する。
以下では本発明による方法を例により記載するが、これは特許請求の範囲および全体の記載から明らかな本発明、本発明の保護範囲をこれらの実施例に限定すべきものではない。特許請求の範囲自体も、本発明の開示内容に属する。以下の文脈で範囲もしくは有利な範囲が記載されている場合、これらの範囲に存在する、理論的に可能な部分範囲および個々の値もまた、本発明の開示内容に属しているが、これらはより良好な明瞭性の理由から詳細に挙げられていない。
異なった含水率を有する水分の多いエタノールの少なくとも2つの流から、膜を用いた脱水により水分の少ないエタノールを製造するための本発明による方法は、異なった含水率を有するエタノール流を別々に、異なった膜ユニットに導通し、その際、エタノール流を膜ユニット中でそのつど、濃縮液としての水分の少ないエタノールと、水分の多い透過液とに分離し、かつ高い含水率を有するエタノール流を分離するための少なくとも1の膜ユニットからの濃縮液流を、供給流および/またはエタノール流を分離するための少なくとも1の別の膜ユニットの濃縮液流と合し、その際、最大で1質量%絶対のエタノール濃度の違いを有する流のみを合することを特徴とする。
有利には、無水のエタノール濃度において最大で0.5質量%、有利には最大で0.2質量%および特に有利には0〜0.2質量%、とりわけ0.001〜0.1質量%の違いを有する濃縮液のみを供給流および/または別の膜ユニットの濃縮液流と合する。両方の合すべき流の水の濃度の違いが1質量%より小さくなったときに初めて、別々の後処理の利点が比較的高い投資コストともはや十分にバランスをとることができなくなり、従ってこの場合に一緒に後処理することが有利となる。
高い含水率を有するエタノール流を分離するための少なくとも1の膜ユニットからの濃縮液流を、供給流および/または低い含水率を有するエタノール流を分離するための少なくとも1の膜ユニットの濃縮液流と合することが有利でありうる。有利には異なった含水率を有する2つの水分の多いエタノール流が存在しており、従って高い含水率を有するエタノール流が脱水される膜ユニットからの濃縮液を、供給流および/または低い含水率を有するエタノール流が脱水される膜ユニットからの濃縮液流と合することができる。水分の少ないエタノールとは、本発明の範囲では特に、水分の多いエタノールの流の含水率よりも小さい含水率を有する、特に有利には標準圧力でエタノール/水の共沸混合物の含水率よりも小さい含水率を有するエタノールまたはエタノールを含有する組成物であると理解すべきである。
本発明の範囲では、膜ユニットの概念は、少なくとも1の膜もしくは膜モジュールを有するユニットを意味する。膜ユニットはたとえば膜モジュールまたは複数の直列もしくは並列接続された膜モジュールまたは並列および直列に接続された膜モジュールの配置を有していてもよい。膜モジュールとして市販のモジュールを使用することができる。膜モジュール中で1もしくは複数の膜が存在していてもよい。
本発明による方法で使用される、異なった含水率を有する少なくとも2つの水分の多いエタノール流は、その水の濃度において、有利には1質量%絶対以上、好ましくは1.1〜10質量%絶対および特に有利には2〜5質量%絶対の違いを有する。水分の多いエタノール流は、たとえばエタノールの製造からの、たとえばバイオエタノール製造または工業的なエタノール製造からのエタノールであってよい。異なった含水率はこれらの新鮮アルコールの場合、たとえば異なった製造方法により生じるものであってよい。しかしまた水分の多い流は、たとえばエタノールを原料として使用する方法で生じうる返送流であってもよい。水分の多いエタノール流は、1もしくは複数の新鮮アルコール流および1もしくは複数の返送流であってもよい。本発明による方法は特にETBE合成もしくは方法で使用されるエタノール流の後処理のために適切であるので、本発明による方法では、有利には水分の多いエタノール流として新鮮アルコールおよび少なくとも1の、ETBE装置もしくはETBE法に由来する水分の多いエタノール流を使用する。
本発明による方法では、逆浸透法(液状の供給流および液状の濃縮液、液状の透過液)、蒸気浸透法(蒸気状の入口流および濃縮液、蒸気状の透過液)により、または透析蒸発法(液状の入口流および液状の濃縮液、蒸気状の透過液)により、水分の多いエタノール流から水を分離することができる。さらに透析蒸発法および蒸気浸透法を同時に用いる分離も可能である。特に有利には透析蒸発法により分離を行う。本発明による方法では、2以上の存在する膜ユニットを異なった分離原理により、または同一の分離原理により作業することが可能である。有利には全ての膜ユニット中で、同じ分離原理、つまり特に透析蒸発法を使用する。
本発明による方法では市販の、有利には親水性の膜を使用することができる。膜はたとえばポリマー膜または無機膜または無機材料と有機材料とを含有する複合膜であってよい。本発明による方法ではたとえばSulzer Chemtech、CM−Celfa、GKSSまたはSophisticated Systems(ポリイミド膜)のポリマー膜、たとえばSulzerのPervap 2200、Pervap 2201、Pervap 2256、Pervap 2510タイプ、またはSophisticated Systemsの2SDP−H018のタイプを使用することができる。無機膜としてたとえばSMS(Sulzer Chemitech)、シリカ(Pervatech)、NaA(MituiまたはSmart Chemical)を使用することができる。
本発明による脱水は無機膜を用いて有利には20〜200℃の範囲の温度で、およびポリマー膜を用いて有利に20〜150℃の温度範囲で行う。有利には膜を用いた脱水を20〜150℃、特に有利には40〜140℃の温度で、およびとりわけ有利には60〜130℃の温度で実施する。膜を用いた分離は、任意の膜を用いて、任意のモジュールまたは任意の膜ユニット中で、異なった温度または同一の温度で行うことができる。特に水分の多いエタノール流(これらの流のうち、一方は新鮮アルコール流であり、かつ他方は返送流である)を本発明による方法により後処理すべき場合、たとえば返送流に存在する熱エネルギーを失わないように、返送流を新鮮アルコールとは異なった温度で膜に供給することが有利でありうる。
脱水の際に、膜の濃縮液側の圧力は有利には0.05〜3MPa、有利には0.1〜2MPaである。膜の透過液側の圧力は有利には0.0001〜0.1MPa、好ましくは0.001〜0.01MPaである。
ポリマー膜の場合、差圧は有利には0.001〜2MPaであり、かつ無機膜の場合、有利には0.001〜3MPaである。有利には本発明による膜を用いた脱水を0.001〜2MPaおよび特に有利には0.1〜0.8MPaの差圧で実施する。差圧は全ての使用される膜、膜モジュールまたは膜ユニットにおいて同じであっても、異なっていてもよい。
圧力もしくは差圧は異なった方法で発生させることができる。差圧はたとえば、供給流側に過圧を発生させることにより生じることができる。しかし差圧はまたたとえば、膜の透過液側に減圧を、特に付加的に減圧(真空)を発生させることによっても生じることができる。有利には差圧は透過液側にさらに減圧を発生させることによって生じる。というのも、このようにして膜の圧縮を低減することができるからである。減圧を発生させるために、本発明による方法では任意の膜または膜ユニットは適切な減圧装置を備えていてもよい。しかし投資を小さく維持し、かつ運転コストを節約するために、全ての使用される膜または膜ユニットを透過液側で共通する減圧システムと接続することが有利である。
膜を通過する比流量(毎時、膜表面積1平方メートルあたりの透過液のkg)は、濃縮液の水濃度に依存する。濃度に対する流量として、外挿された純水流量を引き合いに出す。これは有利には1〜100kg/(m2・h)、有利には5〜30kg/(m2・h)である。有利な純水流量は適切な膜を選択することにより、および相応する差圧を選択することにより調整することができる。選択は簡単な前試験により行うことができる。
全ての膜モジュールを同じか、または異なった運転パラメータで運転することができることは、これらのパラメータが上記の範囲に存在することを前提として自明である。
本発明による膜を用いた方法において蒸気浸透法または透析蒸発法の分離原理を使用する場合、蒸気状の透過液が得られる。
その後の使用目的に応じて、透過液を凝縮により熱伝達媒体中で凝縮することが有利でありうる。
本発明による方法で膜ユニット中の脱水の際に生じる水分の多い透過液は別々に、または一緒に後処理することができる。有利には生じる水分の多い透過液の後処理は一緒に行う。後処理はたとえば膜を用いた分離により、蒸留により、または共留剤を使用した蒸留により行うことができる。透過液を一緒に後処理することは、透過液が、エタノール/水の共沸混合物の濃度よりも高い含水率を有する場合に有利である。というのも、このような場合、透過液もしくは合した透過液流を蒸留により容易に濃縮することが可能だからである。有利な実施態様では、透過液を一緒に、または別々に蒸留により水と、エタノール/水の共沸混合物からなるか、またはエタノール/水の共沸混合物と追加の水とからなる蒸留液とに分離し、かつ蒸留液を水分の多いエタノール流として、方法の膜ユニットに返送する。
本発明による方法が、ETBEを製造するための方法における一部の方法である場合、特に透過液を、ETBE装置からのエタノール含有水性抽出液と一緒にまたは該液とは別々に蒸留によって後処理し、かつ引き続きエタノールの多い蒸留液を水分の多いエタノール流として本発明による方法の膜ユニット中に返送することが特に有利でありうる。
膜ユニットから得られる濃縮液は別々に、または一緒に使用することができるか、あるいは別々に、または一緒に後処理に供給することができる。このような後処理はたとえば膜ユニット中での更なる脱水から、または蒸留による後処理からなっていてもよい。存在する膜ユニットからの濃縮液を、これらの水濃度が1質量%未満、有利には0.5質量%未満、特に有利には0.2質量%未満およびとりわけ有利には0〜0.2質量%、殊には0.001〜0.1質量%の違いを有する場合に有利でありうる。
両方の合すべき流の水濃度の違いが1質量%より小さい場合に初めて、分離される後処理の利点が高い投資コストともはや十分にバランスをとることができなくなり、従ってこの場合に一緒に後処理を行うことが有利となる。
濃縮液中の水分の少ないエタノールの所望の規格がまだ達成されなかった場合、膜ユニットから得られる2以上の濃縮液流を合し、かつ別の膜ユニット中で再度脱水することが有利でありうる。本発明による方法のこのような有利な実施態様は、図3に略図で示されている。本発明による方法のこれらの実施態様もまた有利には、両方の流を合する前に、含水率を個々の膜ユニット中での分離によりほぼ同じ値にするように実施する(上記を参照のこと)。
本発明による方法のもう1つの実施態様では、高い含水率を有するエタノール流を分離するために膜ユニットからの濃縮液流を、低い含水率を有するエタノール流を分離するための膜ユニットの供給流と合する。これは特に、水の濃度に関して比較的大きな違い、たとえば2.5質量%以上または有利には5質量%以上および特に有利には5〜10質量%以上の違いを有する少なくとも2つの水分の多いエタノール流を使用する場合に有利でありえ、この場合、より小さい水の含有率を有するエタノール流の含水率は有利には、すでに規格濃度に比較的近い濃度を有する。この場合、高い含水率を有するエタノール流から、膜ユニット中で得られる濃縮液が、少ない含水率を有するエタノール流の含水率とは最大で1質量%、有利には0.5質量%未満の含水率の違いを有するように、できる限り多くの水を除去し、かつ濃縮液流を低い含水率を有するエタノール流と合し、かつ供給流として低い含水率を有するエタノール流の脱水のための膜ユニットへ供給する。本発明による方法のこのような実施態様は図2に略図で記載されている。
本発明による方法の実施態様の最も簡単な事例では、濃縮液を単に、その後の使用に供給する前に合する。このような実施態様は図1に記載されている。
すでに記載したように、本発明による方法はETBE装置に統合された1部分であり、その際、該方法によってたとえば使用アルコールおよびETBE法において生じる返送エタノールを脱水することができる。本発明による方法を組み込むことができる例示的なETBE法を以下に記載する。
本発明による方法の特別な実施態様では、本発明により製造される水分の少ないエタノールを原料としてETBE合成で使用することができ、かつETBE合成の過程からの過剰のエタノールを水を用いた抽出によりETBE法から除去し、かつこの抽出流を直接、または蒸留による後処理の後に、水分の多いエタノール流として膜ユニットに供給することができる。第二の水分の多いエタノール流として、特に共沸混合物の濃度の範囲の含水率を有する市販の使用アルコールを使用することができる。
本発明による方法で水を含有するエタノール流として使用することができる使用アルコールは、有利には4.4質量%の含水率を有するエタノール/水の共沸混合物であるか、またはより少ない含水率を有する混合物であってよい。使用アルコール中の含水率は有利には4.4〜0.5質量%の範囲、特に1〜0.6質量%の範囲であってよい。さらに新鮮アルコールは高級アルコール(フーゼル油)を1質量%まで含有していてもよい。
本発明による方法で含水エタノール流として使用することができる返送エタノールは、たとえば、ETBE法においてエタノールを含有するC4−炭化水素混合物から水または水溶液を用いてエタノールを抽出することにより得ることができる。水性の抽出液から蒸留によってエタノールを分離することができる。この場合に返送エタノールとして得られるエタノール/水の混合物は、せいぜい、少なくとも4.4質量%の含水率を有する共沸混合物に相応する。しかし多くの場合、含水率はこれより高い。通常、返送エタノールの含水率は4.4〜12質量%、特に6〜10質量%である。
本発明による方法の有利な実施態様では、エタノールを含有する炭化水素混合物から水または水溶液を用いた抽出により除去され、かつ抽出液から蒸留によって、たとえばエタノール/水の共沸混合物として、またはエタノール/水の共沸混合物と追加の水とからなる混合物として得られる返送エタノールを、膜ユニット中で生じる、しばしば40質量%より大きい含水率を有する1もしくは複数の透過液と一緒に後処理することができる。後処理は上記のとおり、膜を用いた分離により、蒸留により、または共留剤を使用した蒸留により行うことができる。場合により1もしくは複数の透過液をETBE装置からの蒸留されていないエタノール含有水抽出液と一緒に後処理することができる。
本発明による方法により、水分の少ないエタノール流、特にエタノールおよび少量の水を含有する組成物が得られ、これは有利には3質量%より小さい、好ましくは1質量%より小さい、特に有利には0.5質量%より小さい、およびとりわけ有利には0.3質量%より小さい含水率を有する。有利には本発明による方法により製造される組成物は、1質量%より小さい、特に有利には0.3質量%より小さい含水率を有するエタノールを含有する。本発明により製造される水分の少ないエタノールの組成物、特に1質量%未満、特に有利には0.3質量%未満の含水率を有する組成物は特にETBEを製造するための原料として使用することができる。特にこのような組成物もしくはこのようなエタノールは、反応が酸性のイオン交換樹脂により触媒される方法において使用される。ETBEの製造は1もしくは複数の反応工程で行うことができる。ETBEを製造するための方法はたとえばEP0071032、US6,472,568、RU2168490、RU2167143、US6,107,526またはUS5,990,361から読み取ることができ、これらを明確に引用する。本発明により脱水されたエタノールが有利に使用される2工程のETBE法を以下に記載する。
少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタンおよび2−ブテンを含有するC4−炭化水素Iの工業用の混合物からETBEを製造するための有利な方法は、次の工程:
a)工業用の混合物中に含有されているイソブテンの一部を酸性触媒の存在下でエタノールと反応させてETBEが得られる工程、
b)未反応のC4−炭化水素IIIを、熱による分離法によって工程a)の搬出物から分離し、(実質的に)ETBEを含有する分画IIが得られる工程、
c)C4−炭化水素IIIを蒸留により、少なくとも1−ブテンおよびイソブテンを含有する分画IVと、ほぼイソブテンを含有していない、少なくとも2−ブテンおよびn−ブタンを含有する分画Vとに分離する工程、
d)分画IV中に含有されているイソブテンと、エタノールVIとを、酸性触媒の存在下にETBEへと反応させる工程および
e)未反応のC4−炭化水素VIIIを、工程d)の搬出物から分離して、ETBEを含有する分画VIIを得る工程
を有していることを特徴とする。
工程a)
有利には、工程a)におけるイソブテンの反応率が50%より大、有利には70%より大、特に80%より大、特に有利には90%より大およびとりわけ有利には95%より大であるように、工程a)を実施する。イソブテンの反応の程度は、たとえば工程a)で使用される反応器の数により、または適切な反応条件の選択により制御することができ、これは当業者であれば簡単な前試験により容易に確認することができる。
イソブテンのエーテル化は酸性触媒による反応として実施する。エタノールとして高純度のエタノール、純粋なエタノールまたは、少量の不純物を含有するエタノールを使用することができる。有利には使用されるエタノールの純度は、エタノールの質量%で記載して、90%より大、特に有利には95%より大、および特に有利には99%以上である。99質量%以上の純度を有するエタノールは、たとえばバイオエタノールであってもよい。水の含有率は有利には3質量%未満、特に有利には1質量%未満、とりわけ有利には0.5質量%未満である。特に有利にはエタノールとして、変性エタノールを使用する。特に有利にはエタノールとして、変性剤としてETBEを、有利には0〜5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、特に有利には0.05〜1質量%およびとりわけ有利には0.01〜0.2質量%の濃度で有するエタノールを使用する。ドイツでは、変性剤を少なくとも0.1〜1質量%含有するエタノールが特に有利に使用される。とりわけ有利には無水エタノールまたは本発明による方法により得られた無水エタノールを含有する組成物を使用する。
イソブテンとアルコールとの反応、特にメタノールとのメチル−t−ブチルエーテルへの反応のために、多種多様な変法が開発された(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、オンライン版、2004、Wiley&Sons、キーワード「メチル−t−ブチルエーテル」およびここで引用されている文献:Obenaus、Fritz;Droste、Wilhelm、Erdoel&Kohle、Erdgas、Petrochemie(1980)、33(6)、第271〜275頁、DE2629769;DE2853769を参照のこと)。原則として、これらの全ての方法は工程a)としてイソブテンとアルコールとを反応させるために適切である。有利であるのは、液相中で酸性イオン交換樹脂を使用して反応を行う方法である。
エタノールがその中で熱力学的にほぼ平衡になるまでイソブテンと反応する反応器として、従来の固定床反応器(管束反応器、断熱固定床反応器、循環流反応器など)を使用することができる。これらは部分的な返送を行うか、または行わずに運転することができ、その際、場合により返送流を冷却することができる。
有利な実施態様では、イソブテンの反応は少なくとも2工程で行われ、その際、第一工程は断熱固定床反応器として、返送流を用いて(ループ型反応器)およびその後の工程は固定床工程として、返送流を用いずに、および/または反応蒸留法として運転することができる。新鮮な供給流(C4−炭化水素およびエタノール)に対する返送量の比率は有利には0.5〜20t/t、特に有利には1〜5t/tおよびとりわけ有利には2〜3t/tである。反応器は有利には10〜160℃の温度で、好ましくは30〜110℃の温度で運転することができる。固定床工程における圧力は有利には5〜50バール絶対、有利には7.5〜20バール絶対および特に有利には8〜13バール絶対である。循環反応器は有利には35〜50℃の入口温度および50〜70℃の出口温度を有し、かつ有利に10〜13バール絶対で運転される。低温ではエタノール/イソブテンおよびエーテルの間の熱力学的な平衡は主としてエーテル側に存在するので、複数の反応器を使用する場合には、第一の反応器を後続する反応器よりも高い温度(高い反応速度)で運転する(平衡状態の利用)ことが有利である。特に有利には工程a)において、直列に接続され、そのうちの第一の反応器がループ型反応器として運転され、かつその後の2つの反応器が直流で通過して運転される3つの反応器を有する反応システムを使用する。工程a)において複数の、有利には2つのこれらの反応器システムが存在しており、そのため、修理作業、たとえば触媒の交換を、工程a)の反応器システムの1つの反応器において、プロセスを中断することなく、別の反応器システム中でさらに実施することができる(特に送入量を半分に分けて)場合に有利でありうる。3つの反応器からなる反応器システムを使用する場合、反応器は有利には30〜80℃、有利には40〜75℃の温度で、および5〜20バール絶対、有利には7〜15バール絶対の圧力で運転し、その際、有利には反応器中の温度を第一の反応器から最後の反応器へと低下させる。循環流反応器の後の反応器は有利には30〜50℃の入口温度を有し、かつ35〜45℃の出口温度を有し、かつ有利には同様に8〜13バール絶対で運転される。
エタノール対イソブテンのモル比は、工程a)では有利には5:1〜0.9:1、有利には2:1〜1:1および特に有利には1.2:1〜1:1である。工程a)においてイソブテの低い反応率を認容することができるので、工程d)と比較してより少ないエタノール過剰が有利でありうる。
有利な実施態様では、イソブテンへのエタノールの添加は、酸性触媒の存在下に、少なくとも1の反応工程が反応蒸留法として実施されるように実施する。特に有利には酸性触媒によるエーテル化は工程a)において、少なくとも2つの反応工程で実施され、その際、有利には少なくとも1、特に有利には最後の反応工程を反応蒸留として実施する。固定床反応器中でこの場合、まず酸性触媒を用いてイソブテン含有の工業用炭化水素混合物Iおよびエタノールから、そのイソブテン濃度、エタノール濃度およびETBE濃度に関して、ほぼ熱力学的に平衡な反応混合物を製造する。イソブテンの反応率はこの場合、有利には90%を上回る。この混合物は次/最後の反応工程で反応蒸留塔に供給され、ここでイソブテンのもう一部をエーテルへと反応させる。特に有利には工程a)は、直列に接続され、そのうちの第一の反応器が有利にループ型の運転方法で、および後続する2つの反応器が直流で通過される方法で運転される3つの反応器、有利には固定床反応器および反応蒸留を有する反応器システム中で実施し、その際、直列に接続された反応器のうち最後の反応器の反応器搬出物を反応蒸留に供給する。
イソブテンとエタノールとのETBEへの反応は、反応蒸留法で圧力に依存して有利には40〜140℃、好ましくは60〜90℃、特に有利には65〜85℃(触媒が存在する塔の範囲での温度。塔の塔底温度は明らかにより高くてもよい)で行う。反応蒸留塔は有利には、塔頂で測定して3バール絶対〜15バール絶対、有利には7バール絶対〜13バール絶対、とりわけ8〜11バール絶対の圧力で運転される。
有利なETBE法の工程a)が反応蒸留法を有する場合、DE10102082にMTBEに関して記載されているように、イソブテンを含有するC4−炭化水素混合物をエタノールと一緒に前反応器の第一の反応器に供給する。その際、エタノールは有利には過剰で使用される。前反応器中で、イソブテン、エタノールおよびETBEと平衡状態にあるか、またはほぼ平衡状態である混合物が生じる。この反応混合物を反応蒸留塔に導入する。
反応蒸留塔の供給流中には、なお存在するイソブテンの完全な反応のために必要とされるよりも多くのエタノールが含有されていてもよい。しかしエタノールの過剰は、エタノールおよびC4−炭化水素からなる、形成される共沸混合物のために十分なエタノール量が存在するように計量されるべきである。
反応蒸留塔への供給は、有利には反応性の充てん物より低い位置で、有利には反応性充てん物よりも理論分離段で3〜13段、特に有利には4〜10段低い位置で行う。
場合により反応蒸留塔への塔供給流中でのエタノール含有率が最大で認容可能な値よりも低い場合、追加のエタノールを添加混合することができる。さらに反応蒸留塔の塔頂で、塔供給部よりも上方であって液体分配装置より下方において、または液体分配装置中であって、反応帯域の上方または反応帯域の範囲で、有利には反応帯域の範囲で、別の措置によりエタノールを供給することもできる。エタノールの追加の供給はたとえば塔の返送流中へ、または反応充てん物へ直接に行うことができる。追加のエタノール添加は、反応帯域の充てん物中で、液相中のエタノール含有率が有利には1.5質量%以上、好ましくは2質量%以上および特に有利には2〜3質量%以上であるように計量すべきである。エタノールを反応帯域に供給することにより、反応が終了しても十分なエタノールが原料として使用される。
有利には反応蒸留塔は、触媒充てん物の上方に純粋な蒸留による分離の範囲を有しており、特に有利には5〜20段、特に7〜10段の理論分離段を有している。触媒帯域は蒸留作用により充てん物高さ1mあたり、1〜5の理論分離段を有することが見積もられる。触媒の下方の分離帯域は有利には12〜36、特に20〜30の理論分離段を有していてよい。触媒帯域/反応帯域の高さは所望のイソブテン反応率に依存して容易な前試験により確認することができる。触媒量は有利には、反応蒸留法のための供給流中のイソブテン含有率に対して、30〜98%、有利には50〜95%および特に有利には75〜90%のイソブテン反応率が達成されるような大きさに選択される。
塔の触媒充てん物中での液圧は有利にはそのフラッディングポイントの負荷の10%〜110%、好ましくは20%〜90%および特に有利には35〜75%である。蒸留塔の液圧とは、上昇する蒸気流量および返送される液体流量による均一な流体技術的な塔横断面の要求であると理解される。圧の上限は蒸気および返送液による最大の負荷を特徴付け、この上限を超えると分離作用は返送液体が上昇する蒸気流により連行されるか、またはせき止められることにより低下する。圧の下限は最小限の負荷であり、この下限を下回ると不規則な流れまたは塔、たとえばトレーの空運転により分離作用が低下するか、または中断される(Vauck/Mueller、Grundoperationen chemischer Verfahrenstechnik、第626頁、VEB Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie)。フラッディングポイントでは、気体により液体へ伝達されるせん断応力が大きいために、全ての液体量が滴の形で気体と共に連行されるか、または塔中で転相が生じる(J.Mackowiak、Fluiddynamik von Kolonnen mit modernen Fuellkoerpern und Packungen fuer Gas/Fluessigkeitssysteme、Otto Salle Verlag、1991)。
反応蒸留塔は有利には1.5より小さい還流比で、特に0.6以上1.2以下、有利には0.7以上1.1以下の還流比で運転される。
反応蒸留の上位概念には、蒸留および反応が同時に実施される全ての方法技術的な措置が該当する。記載される反応器中でこれは塔中での充てん物の特別な実施態様により達成される。あるいはまた有利なETBE法では、これらの範囲を、反応蒸留の利点を断念することなく空間的に分離することも可能である。
1変法では反応蒸留塔は、触媒を有し、かつ側方流で運転される1もしくは複数の外部に存在する反応器を有する蒸留塔、いわゆる側方反応器として実施されていてもよい。
反応蒸留塔の塔頂生成物は実質的にC4−炭化水素混合物およびエタノールを含有する。
触媒として有利には固定床工程でも、また場合により存在する反応蒸留塔中でも、使用物質混合物中にも生成物混合物中にも溶解しない、その表面に酸性中心を有する固体の物質を使用する。触媒は反応条件下で酸性の物質を生成物混合物に放出すべきでない。というのは、これは収率の損失につながりうるからである。
触媒の活性は有利には、反応条件下でイソブテンへのエタノールの付加を触媒するけれども、線状のブテンへの付加は触媒しないように選択する。さらに触媒は線状ブテンのオリゴマー化および2つの分子を使用するエタノールからのジアルキルエーテル形成をできる限り触媒しないか、またはわずかに触媒するにすぎないべきである。1−ブテンの高い収率に関して、1−ブテンから2−ブテンへの異性化に関する活性は有利にはわずかであるべきである。
固体の触媒として例えばゼオライト、酸活性化ベントナイトおよび/または酸化アルミニウム、スルホン化された酸化ジルコニウム、モンモリロナイトまたは酸性のイオン交換樹脂を使用することができる。
工程a)におけるETBE法で使用される酸性触媒の有利な群は、固体のイオン交換樹脂、特にスルホン酸基を有する樹脂である。適切なイオン交換樹脂はたとえばフェノール/アルデヒド縮合物の、または芳香族ビニル化合物のコオリゴマーのスルホン化により製造される樹脂である。コオリゴマーを製造するための芳香族ビニル化合物に関する例は、スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタリン、ビニルエチルベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベンゼン、ビニルキシレンおよびジビニルベンゼンである。特にスチレンとジビニルベンゼンとの反応により生じるコオリゴマーを、スルホン酸基を有するイオン交換樹脂を製造するための前駆物質として使用する。該樹脂はゲル状、マクロ孔質、またはスポンジ状に製造することができる。
該樹脂の特性、特に比表面積、多孔度、安定性、膨潤性もしくは収縮および交換容量は、製造法により変更することができる。
ETBE法では、イオン交換樹脂をそのH型で使用することができる。スチレン−ジビニルベンゼンタイプの強酸性樹脂は、特に以下の商品名で市販されている:Duolite C20、Duolite C26、Amberlyst 15、Amberlyst 35、Amberlite IR−120、Amberlite 200、Dowex 50、Lewatit SPC 118、Lewatit SPC 108、K2611、K2621、OC1501。
細孔容積は有利には0.3〜0.9ml/g、特に0.5〜0.9ml/gである。樹脂の粒径は有利には0.3mm〜1.5mm、特に0.5mm〜1.0mmである。粒径分布はこれより狭く、または広く選択することができる。たとえば極めて均一な粒径を有するイオン交換樹脂(単分散性樹脂)を使用することができる。イオン交換体の容量は、納品される形に対して、有利には0.7〜2.0eq/l、特に1.1〜2.0eq/l、もしくは有利には0.5〜5.5mol/kg、特に0.8〜5.5mol/kgである(mol/kgでの容量に関する記載は、温かい窒素流中、たとえば105℃で乾燥したイオン交換樹脂が質量一定になるまでのものに対する)。
場合により工程a)に存在する反応蒸留の反応部分では、単一の反応器中で使用されるものと同一の触媒を使用することができる。反応蒸留塔中で触媒は、充てん物、たとえば(EP0428265に記載されているような)KataMax(R)、(EP0396650またはDE29807007.3U1に記載されているような)KataPak(R)として組み込まれているか、または(たとえばUS5244929に記載されているように)成形体に重合されていてもよい。
工程b)
工程b)における工程a)の搬出物からの未反応のC4−炭化水素IIIの分離は、熱による分離法によって、たとえば蒸留または分留により行う。工程a)が反応蒸留を含む場合、工程b)は部分的に、または完全にすでに反応蒸留の実施の際に行い、かつ別の工程b)は場合により省略することができる。
工程b)は有利には蒸留塔で実施することができる。有利には蒸留塔は25〜50まで、好ましくは30〜40までの理論分離段の数を有する。該塔への供給流は有利には第10段目〜第15段目の理論分離段の範囲で行う(上記のとおり)。工程a)における蒸留は有利には3〜10バール絶対、好ましくは4〜7バール絶対で、有利な塔頂温度30〜70℃、特に有利には45〜60℃で、かつ有利な塔底温度105〜125℃、特に有利には110〜120℃で実施する。
熱による分離法は有利には、塔底生成物として実質的にETBEを含有する分画および塔頂生成物として実質的に未反応のC4−炭化水素ならびにエタノールを含有する分画が得られる。ブテンオリゴマーをエタノールとの反応前に分離する場合、反応蒸留塔の塔底生成物は有利にはETBEからなる。
工程b)の塔頂生成物、つまり反応蒸留または熱による分離の塔頂生成物は、直接工程c)によるその後の分離に供給するか、またはまず1もしくは複数の作業工程で後処理することができる。
工程f)
有利なETBE法は、有利には工程b)およびc)の間に、別の工程f)を有しており、この工程で工程b)からの塔頂生成物、つまり実質的に未反応のC4−炭化水素およびエタノールを含有する反応蒸留からの、または熱による分離からの塔頂生成物からまず、エタノールを完全に、またはほぼ完全に未反応のC4−炭化水素から分離する。
有利には蒸留塔または反応蒸留塔の塔頂で得られる工程b)からの塔頂生成物を、抽出塔へ移し、ここへ抽出剤として水を、塔頂に存在する供給部を介して向流として供給する。抽出剤は塔底の排出部を介して取り出すことができる。工程a)および場合によりb)において反応しなかった炭化水素IIIからの流が、塔頂で抽出の生成物として得られる。該生成物を工程c)に供給することができる。
工程f)は、有利には抽出塔で実施する。抽出塔は有利には5〜20、好ましくは10〜15段の理論分離段を有する。工程f)における抽出は、有利には5〜12バール絶対、好ましくは7〜10バール絶対の圧力である。工程f)における抽出は有利には30〜60℃および有利には35〜45℃の温度で実施する。工程b)もしくはa)からの塔頂生成物に対する抽出剤の水の比率は、有利には0.05〜0.5、好ましくは0.1〜0.25および特に有利には0.15〜0.2である。
抽出塔の塔底で生じる、エタノールが富化された抽出剤は蒸留により分離することができ、かつこうして得られたエタノールを水分の多いエタノール流として本発明による方法に供給し、該流を水分の少ないエタノールへと後処理し、該エタノールをETBE法に、出発材料として工程a)またはd)に再度供給する。
工程c)
ETBEを分離した後、および場合により未反応のエタノールを分離した後に、工程b)またはf)から得られる炭化水素流を工程c)において蒸留により分離する。蒸留による分離は、少なくとも1−ブテンおよびイソブテンを含有する分画IV(塔頂分画)およびほぼイソブテン不含の、有利には5質量%未満、好ましくは1質量%未満および特に有利には0.1質量%未満のイソブテンを含有し、少なくとも2−ブテンおよびn−ブタンを含有する分画V(塔底分画)が得られるように実施する。分画Vは、当初、工程c)の生成物として得られた、炭化水素流中に含有されている2−ブテンを少なくとも95質量%、有利には少なくとも99質量%、特に有利には少なくとも99.8質量%含有する。有利には分画IVは1質量%未満、特に有利には0.2質量%未満のn−ブタンを含有する。蒸留による分離はこのような炭化水素混合物の分離のために通常使用される装置中で実施することができる。このような装置はたとえば蒸留塔または分留塔であってよい。
有利には分離を超分留塔(Superfraktionierkolonne)で実施する。該塔への供給は有利には塔の下半分で、有利には塔の下から三分の一のところで行う。分離すべき混合物の沸点範囲が狭いので、蒸留は有利には100以上、好ましくは125以上、特に有利には150またはそれ以上の理論分離段を有する塔で実施し、とりわけ有利には150〜200の理論分離段を有する塔で実施する。還流比(蒸留液の取り出し量に対する返送流の量)は、実現される工程数および運転圧力に依存して、有利には20以下、好ましくは14以下、特に有利には11以下およびとりわけ有利には8〜11である。凝縮は冷却水または空気に対して実施することができる。蒸留液の容器は有利には液−液分離器として実施される。このことにより場合により供給流中に含有される水を蒸留容器中で第二の相として分離し、かつ技術的に無水の塔底生成物が得られる。
工程c)による分離は有利には4〜10バール絶対、好ましくは5〜7バール絶対の圧力で実施する。分離を実施する温度は有利には35〜65℃、好ましくは40〜50℃である。
塔の気化器を加熱するために、通常の熱伝達媒体、たとえば蒸気または温水ならびに有利には別の工程からの廃熱を使用することができる。廃熱の場合、塔が1より多くの気化器を備えていることが有利でありうる。塔は有利には少なくとも1の気化器および少なくとも1の凝縮器を有する簡単な塔として構成されている。高いエネルギー需要量および塔底と塔頂との間の小さい温度差に基づいて、エネルギー節約切り替えは特に有利な実施態様である。ここでは例として蒸気圧縮法を指摘しておく。もう1つの特に有利な切り替えは、第二の塔と統合された二重圧力切り替え((Zweidruckschaltung):複効蒸留(double effect distillation))である。第2の塔は有利には並列接続され、同一もしくは異なった分離課題を有する塔であってよい。その際、1つの塔は、その凝縮温度が他方の塔の加熱のために十分であるような高さの圧力で運転される。異なった温度課題を有する塔の熱技術的な切り替えの場合、原則としてETBE法からの任意の適切な塔あるいはまたETBE法以外で装置の設置箇所に存在している塔を工程c)の塔と接続することができる。
工程d)
工程c)から得られるイソブテン含有分画IVを、有利なETBE法で、残りのイソブテンがエタノールの付加によりETBEへと反応するその後の反応工程(工程d)で反応させる。
イソブテンのエーテル化は工程a)によるエーテル化と同様に、酸性で触媒される反応として実施する。エタノールとして高純度のエタノール、純粋なエタノールまたは少量の不純物を含有するエタノールを使用することができる。有利には使用されるエタノールの純度は、エタノールの質量%で記載して、90%より大きく、特に有利には95%より大きく、かつ特に有利には99%以上である。99質量%以上の純度を有するエタノールは欧州ではたとえばバイオエタノール(Bioethanol)として提供されている。水の含有率は有利には3質量%未満、特に有利には1質量%未満、とりわけ有利には0.5質量%未満である。方法では、変性エタノールを使用することが有利でありうる。特に有利にはエタノールとして、変性剤として有利には0〜5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、特に有利には0.05〜1質量%およびとりわけ有利には0.01〜0.2質量%の濃度でETBEを含有するエタノールを使用する。ドイツでは有利には、変性剤を0.1〜1質量%含有するエタノールを使用する。ETBEにより変性されたエタノールを使用することにより、異物が方法に導入されることが回避される。ここでもまた有利には水分の少ないエタノールまたは本発明による方法により得られる水分の少ないエタノールを含有する組成物を使用する。
イソブテンとアルコール、特にメタノールとのメチル−t−ブチルエーテルへの反応のために、種々の変法が開発された(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、オンライン版、2004年、Wiley&Sons、キーワード:メチル−t−ブチルエーテル、および該箇所で引用されている文献、Obenaus、Fritz、Droste、Wilhelm、Erdoel&Kohle、Erdgas、Petrochemie(1980)、33(6)、第271〜275頁、DE2629769、DE2853769を参照のこと)。原則としてイソブテンとアルコールとを反応させるための全ての公知の方法を工程d)として適切に使用することができる。
有利には、反応を液相中で酸性イオン交換樹脂を用いて行う方法を使用する。エタノールがイソブテンとほぼ熱力学的な平衡になるまで反応する反応器として、従来の固定床触媒反応器(管束反応器、断熱固定床反応器、循環流反応器)を使用することができる。これらの反応器は部分的な返送を行うか、または行わずに運転することができ、その際、場合により返送流を冷却することができる。特に有利であるのは、工程d)において、2つの反応器、特に固定床反応器を有する反応器系である。有利には両方の反応器を直流の通過で運転する。
反応器は25〜110℃の温度で、有利には30〜70℃の温度で、および特に有利には35〜50℃の温度で運転することができる。圧力は有利には5〜50バール絶対、好ましくは10〜20バール絶対および特に有利には10〜13バール絶対である。エタノール/イソブテンおよびエーテルの間の熱力学的な平衡は低温では主としてエーテル側に存在するので、複数の反応器を使用する場合には、第一の反応器を後続する反応器よりも高い温度で(平衡状態の利用)運転することが有利である。
工程d)への過程でのエタノール対イソブテンのモル比は、有利には25:1〜1:1の範囲であり、特に有利には15:1〜3:1、およびとりわけ有利には10:1〜5:1の範囲である。
触媒として、有利には工程a)に関して記載した触媒を使用し、その際、有利なETBE法は、工程a)およびd)においてそのつど同一の触媒または異なった触媒を使用することができるように実施することができる。有利には工程a)およびd)において同一の触媒を使用する。
有利な実施態様では、イソブテンへのエタノールの付加は酸性触媒の存在下に、少なくとも1つの反応工程が反応蒸留として実施されるように実施する。特に有利には酸性触媒による工程d)のエーテル化は少なくとも2つの反応工程で実施し、その際、有利には少なくとも1の、特に有利には最後の反応工程を反応蒸留として実施する。この場合、固定床反応器中でまず酸性触媒を用いてイソブテン含有分画IVおよびエタノールVIから、そのイソブテン濃度、エタノール濃度およびt−ブチルエーテル濃度に関して熱力学的な平衡近辺にある反応混合物を製造する。この反応工程において、イソブテンの残留含有率は有利には、その後の反応蒸留により1−ブテンの必要とされる純度を達成することができるように反応させる。この混合物を次/最後の反応工程で反応蒸留塔に供給し、ここでイソブテンの別の部をエーテルへと反応させる。特に有利には、直列に接続された2つの反応器および反応蒸留塔を有する反応器系で工程d)を実施し、その際、両方の反応器を有利には直流の通過で運転し、かつ第二の反応器からの搬出物を反応蒸留塔へと供給する。
反応蒸留塔の反応部分では、上記で反応蒸留を使用しない工程の簡単な実施態様に関して記載したと同様の触媒を使用することができる。
反応蒸留塔では触媒は充てん物、たとえば(EP0428265に記載されているような)KataMax(R)、(EP0396650またはDE29807007.3U1に記載されているような)KataPak(R)として組み込まれているか、または(US5,244,929に記載されているように)成形体に重合されていてもよい。
イソブテンとエタノールとの、ETBEへの反応は、反応蒸留で10〜140℃の温度範囲で、有利には30〜70℃、特に有利には35〜50℃の温度範囲で(触媒がその中に存在する塔の範囲の温度。塔の塔底温度は明らかにこれより高くてよい)行う。
特にETBEはエタノールとの反応により、DE10102082にメタノールとイソブテンとのMTBEへの反応に関して記載されているような方法で製造される。イソブテンを含有するC4−炭化水素混合物をエタノールと一緒に前反応器に供給する。その際、エタノールは有利には過剰で使用される。前反応器中で、イソブテン、エタノールおよびETBEが平衡であるか、またはほぼ平衡である混合物が生じる。この反応混合物を反応蒸留塔に導入する。
反応蒸留塔の供給流には、なお存在するイソブテンの完全な反応のために必要とされるよりも多くのエタノールが含有されていてよい。しかしアルコール過剰は、エタノールおよびC4−炭化水素から形成される共沸混合物のために十分なエタノール量が存在しているように算定すべきである。
場合により、たとえばエタノール含有率が塔供給流中で最大で認容可能な値を下回る場合、追加のエタノールを塔供給部に混合することができる。さらに反応蒸留塔の塔頂で塔供給部の上であり、かつ液体分配装置の下において、または液体分配装置中で反応帯域の上または反応帯域の範囲において、有利には反応帯域の範囲において、別の装置によりエタノール供給を行うことができる。エタノールの追加の供給はたとえば塔の返送流中で、または直接に反応性充てん物中へ行うことができる。追加のエタノール添加は、反応帯域の充てん物中で、液相中のエタノール含有率が有利には1.5質量%以上、好ましくは2質量%以上、および特に有利には2〜3質量%以上であるように算定すべきである。
有利には反応蒸留塔は触媒充てん物の上方に純粋に蒸留による分離の領域を有しており、これは特に有利には5〜20、特に7〜10の理論分離段を有する。触媒帯域は充てん物高さ1メートルあたり1〜5の理論分離段の蒸留作用を見積もることができる。触媒の下の分離帯域は、有利には12〜36、特に20〜30の理論分離段を包含していてもよい。触媒帯域/反応帯域の高さは所望のイソブテン反応率に依存して簡単な前試験により確認することができる。触媒量は有利には、2000質量ppm(wppm)より小さい、有利には1500wppmより小さい塔頂生成物中の残留イソブテン含有率が達成されるような大きさに選択する。
反応蒸留塔への供給流は、触媒帯域の上方で、または下方で行うことができる。反応蒸留塔への供給は有利には反応性充てん物の下方で、有利には反応性充てん物の3〜13段、特に有利には4〜10段の理論分離段分下方で行う。
反応蒸留塔は、塔頂で測定して3バール絶対〜10バール絶対、有利には4〜7バール絶対の圧力で運転され、特に5バール絶対〜6バール絶対で運転される。塔の触媒充てん物中での液圧は、そのフラッディングポイントの負荷の有利には10%〜110%、好ましくは20%〜90%および特に有利には35〜75%である。蒸留塔の液圧とは、上昇する蒸気物質流と返送される液体物質流による塔横断面の均一な流体技術的な要求であると理解する。圧の上限は蒸気および返送液体による最大の負荷を特徴付け、この上限を超えると、上昇する蒸気流による返送液体の連行または滞留に基づいて分離作用は低下する。圧の下限は最小の負荷を特徴付け、この下限を下回ると、分離作用は低下するか、または不規則な流れまたは塔の、たとえばトレーの空運転に基づいて中断される(Vauck/Mueller、Grundoperationen chemischer Verfahrenstechnik、第626頁、VEB Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie)。
フラッディングポイントでは、気体から液体へと伝達されるせん断応力が極めて大きいために、全ての液体量が滴の形で気体と共に連行されるか、または塔中で転相が生じる(J.Mackowiak、"Fluiddynamik von Kolonnen mit modernen Fuellkoerpern und Packungen fuer Gas/Fluessigkeitssysteme"、Otto Salle Verlag 1991)。
反応蒸留塔は有利には0.2〜4の還流比で、特に0.4〜2、好ましくは0.5〜1の還流比で運転される。
最終工程としての工程d)で、反応蒸留塔を使用して、該塔中で、少なくとも部分的に工程d)ならびに工程e)、つまり未反応の炭化水素からのETBEの分離を行うことができる。更なる工程e)は場合により省略することができる。
反応蒸留の上位概念には、蒸留および反応が同時に実施される全ての方法技術的な措置が該当する。記載の反応器中で、これは塔中での充てん物の特別な実施態様によって達成される。しかしまたETBE法において、これらの領域を空間的に分離し、その際、反応蒸留の利点を断念しないことも可能である。
1変法では、反応蒸留塔を、1もしくは複数の外部に存在する、触媒を含有し、かつ側方流で運転される反応器を有する蒸留塔として実施する。
工程e)
工程d)でエーテル化および同時の分離のための反応蒸留塔を使用しない場合、有利なETBE法では独立の工程e)が想定され、該工程で工程d)からの生成物を、ETBEを含有する塔底流と、未反応の炭化水素を含有する流とに分離する。その他の点では、工程e)による蒸留による分離は、反応蒸留塔中で行う。分離はたとえば、工程d)の反応器からの搬出物を蒸留塔に供給することにより行うことができる。塔は塔底気化器および塔頂生成物のための凝縮器を備えていてもよい。蒸留塔の塔底生成物として、ETBEおよび場合により過剰のエタノールが得られる。塔頂生成物は部分的に返送流として塔へ返送することができる。もう1つの部分は工程h)に供給することができる。
塔は有利には20段以上、好ましくは25段以上、特に有利には30〜50段の理論分離段を有する。還流比は、実現される工程数に依存して、有利には1以下である。特に有利には還流比を0.9〜0.6の値に調節する。凝縮は冷却水または空気に対して実施することができる。塔の気化器を加熱するために、たとえば蒸気を使用することができる。塔への供給流を少なくとも部分的に前蒸発させて塔へ供給するか、または直接、塔へ供給することが有利でありうる。有利にはこのために外部の熱伝達媒体中の供給流に熱をたとえば廃熱の利用により供給する。部分的な蒸発を達成するために、ケトルタイプの気化器が伝熱装置の有利な実施態様である。プロセス熱または廃熱によりより低い温度水準に加熱された中間気化器を塔の下方部分で使用することはさらに有利でありうる。
塔への供給は工程e)において有利には10〜15の理論分離段で行う。塔は有利には4〜11、好ましくは5〜8バール絶対の圧力で運転する。工程e)で使用される塔の塔頂温度は、有利には40〜70℃、好ましくは45〜60℃である。
工程e)の塔頂生成物が、該工程を蒸留塔で実施するか、または反応蒸留塔で実施するかとは無関係に、さらにC4−炭化水素中にエタノールの残留量を有する場合、これを少なくとも1の付加的な抽出工程で水により洗浄することが有利でありうる。この洗浄は公知の技術の標準法により、たとえば抽出塔中で、またはミキサーと分離容器とのカスケード中で実施することができる(工程h)を参照のこと)。
ETBEおよび場合により過剰のエタノールを含有する塔底生成物は直接使用するか、または後処理、たとえばさらなる蒸留に供給することができ、ここでETBEを過剰の成分から分離する。
方法のもう1つの有利な実施態様では、工程d)もしくはe)の反応蒸留または蒸留において生じる、ETBEおよび場合により未反応のエタノールを含有する塔底生成物を完全に、または部分的に工程a)および/またはb)へ返送する。この実施態様は特に、工程d)における反応を化学量論的に過剰のエタノールを用いて運転する場合に有利である。有利には工程d)のこの変法の場合に、反応を固定床反応器中のみで実施し、かつ工程e)で蒸留による分離を蒸留塔で実施する。未反応のC4−炭化水素VIIIは塔頂生成物として得られ、かつ生じる、少なくともETBEおよび場合により未反応のエタノールを含有する塔底生成物を完全に、または部分的に工程a)および/またはb)へ返送する。工程d)を大過剰のエタノールを用いて実施する場合、たとえばイソブテンに対するエタノールのモル比2:1以上、特に5:1以上のモル比で実施する場合、工程e)で塔底生成物として、実質的にエタノールを含有する混合物が生じ、従って使用原料として特に良好に工程a)へ返送することができる。この実施態様の場合、ETBEはもっぱら工程b)の塔底生成物として得られる。工程e)からの塔底生成物の蒸留による後処理のために、この実施態様では工程b)を利用する。
工程h)
工程d)もしくはe)からの、蒸留塔または反応蒸留塔の塔頂で得られる塔頂生成物を抽出塔に移す場合、向流で抽出剤として水を塔頂に存在する供給部を介して供給することが有利でありうる。抽出剤は塔底の排出部から取り出すことができる。塔頂で抽出の生成物として、工程d)および場合によりe)において反応しなかった炭化水素VIIIからの流が得られる。該流をさらなる使用、たとえば1−ブテンへの後処理(工程i))へ供給することができる。
工程h)は有利には抽出塔中で実施する。有利には抽出塔は5〜20段、好ましくは10〜15段の理論分離段を有する。工程h)における抽出は有利には5〜12、好ましくは7〜10バール絶対の圧力で実施する。工程h)における抽出は有利には30〜60℃、特に有利には35〜45℃の温度で実施する。抽出剤、特に水対工程d)もしくはe)からの塔頂生成物の比は、有利には0.05〜0.5、好ましくは0.1〜0.25および特に有利には0.15〜0.2である。
抽出塔の塔底で生じる、エタノールが富化された抽出剤を蒸留により分離することができ、かつこうして得られたエタノールを水分の多いエタノール流として本発明による方法に供給することができ、ここで水分の少ないエタノールへと乾燥させ、これを工程a)またはd)の出発原料としてETBE法へとふたたび供給する。
工程i)
工程e)による反応蒸留もしくは蒸留から得られ、かつ場合によりエタノールを除去した、未反応の、実質的に1−ブテン、イソブタンおよび低沸点物質を含有する炭化水素からのC4−炭化水素混合物VIIIから、蒸留により1−ブテンをさらなる有価生成物として分離することができる。1−ブテンの分離は有利には1もしくは複数の蒸留塔中での混合物VIIIの蒸留により行う。
有利な実施態様では、1−ブテンの分離は蒸留塔中で行い、ここで塔底生成物として極めて純粋な1−ブテンが得られる。塔頂生成物としてイソブタンが富化された分画が得られ、これはさらに低沸点物質(たとえばC3−炭化水素)を含有していてもよい。
有利には分離を超分留塔中で実施する。該塔への供給は有利には上方の半分で、好ましくは塔の上方の半分の下半分で行う。分離すべき混合物の沸点範囲が狭いため、塔は有利には100段以上、好ましくは125段以上、特に有利には150段以上およびとりわけ有利には150〜200段の理論分離段を用いて実施する。還流比(蒸留液の除去量に対する返送量)は、実現される工程数および運転圧力に依存して、有利には100以下、好ましくは70以下、特に有利には30〜60である。凝縮は冷却水または空気に対して実施することができる。蒸留液容器は有利には液−液分離器として構成する。このことにより場合により供給流中に含有されている水を第二の層として蒸留液容器中で分離し、かつ技術的に無水の塔底生成物が得られてもよい。
工程i)による分離は有利には5〜11バール絶対の圧力で、好ましくは6〜8バール絶対の圧力で実施する。分離が実施される塔頂温度は有利には35〜65℃、好ましくは45〜50℃である。熱の統合が考慮される場合には、工程i)をより高い温度でひいてはより高い圧力で実施することが有利でありうる。
塔の気化器を加熱するためには、通例の熱伝達媒体、たとえば蒸気または温水ならびに有利には別の工程からの廃熱を使用することができる。廃熱の場合、塔が1以上の気化器を備えていることが有利でありうる。塔は有利には単純な塔として少なくとも1の気化器および少なくとも1の凝縮器を備えている。高いエネルギー要求量および塔底と塔頂との間での小さい温度差に基づいて、エネルギーを節約する切り替えは特に有利な実施態様である。例としてここでは、蒸気圧縮法を指摘しておく。もう1つの特に有利な切り替えは、第二の塔との統合における二重圧力切り替えである。第二の塔は有利には同一もしくは異なった分離課題を有する並列接続された塔であってよい。この場合、塔は、その凝縮温度が別の塔の加熱のために十分であるような高さの圧力で運転される。異なった分離課題を有する塔の熱技術的な切り替えの場合、原則として、ETBE法からのそれぞれの適切な塔あるいはまた、ETBE法の外部で装置の設置箇所に存在する塔を、工程i)の塔と接続することもできる。特に有利には第二の塔は工程c)からのC4−分離塔である。この場合、塔は、その凝縮温度が別の塔の加熱のために十分であるような高さの圧力で運転される。
もう1つの実施態様では、第一の蒸留塔中で、低沸点物質を塔頂生成物として分離し、塔底で、主として1−ブテンおよびイソブタンを含有する混合物が得られる。第二の塔中でこれらの塔底混合物を、塔底生成物として生じる1−ブテンと、イソブタンが富化された分画(塔頂生成物)とに分離する。
有利なETBE法により製造される、純粋な1−ブテンは有利には5000wppm(質量ppm)未満、有利には2000wppm未満および特に有利には1500wppm未満のイソブテンを含有し、かつ問題とされる中間生成物である。たとえばこれはポリエチレン(LLDPEまたはHDPE)ならびにエチレン−プロピレン−コポリマーを製造する際のコモノマーとして使用される。さらにこれはアルキル化剤としても使用され、かつブタン−2−オール、ブテンオキシド、バレロアルデヒドの製造のための出発原料である。製造される、ほぼイソブテン不含の1−ブテンのさらなる使用はn−ブテンオリゴマーの、特にオクトール法による製造である。
工程i)で、1−ブテン以外に通常(C4−炭化水素の出発組成に応じて)イソブタンが富化された分画が生じる。該分画をさらに、有利には純粋なイソブタンへと精製することができる。純粋なイソブタンへの精製はたとえばなお含有されているアルケンをアルカンへと完全に水素化し、かつ引き続き蒸留することにより行うことができる。後処理の際に得られるイソブタンは、有利にはイソブタン少なくとも90質量%の純度、特に有利にはイソブタン95質量%の純度を有し、かつ有利には1000wppm未満、特に有利には200wppm未満のオレフィンを含有する。
ETBE法の使用物質
有利なETBE法では、通常使用されるすべての工業用C4−炭化水素混合物を使用することができる。適切なイソブテン含有C4流はたとえば分解装置(たとえば水蒸気分解装置、ハイドロクラッカー、触媒分解装置)からのC4分画、フィッシャー・トロプシュ合成からの混合物、ブタンの脱水からの混合物、線状ブテンの骨格の異性化からの混合物および、オレフィンのメタセシスにより生じる混合物である。これらの技術は専門書に記載されている(K.Weissermel、H.J.Arpe、Industrielle Organische Chemie、Wiley−VCH、第5版、1998年、第23〜24頁、第65〜99頁、第122〜124頁)。
有利にはまずエテンとプロペンとの製造のために運転され、かつここで原料としてたとえばラフィネートガス、ナフサ、ガス油、LPG(液化石油ガス)およびNGL(天然ガス液)が使用される水蒸気分解装置からの、または触媒分解装置からのC4−分画を使用する。副生成物として生じるC4分画は、分解法に応じて、異なった量のイソブテンを含有する。別の主成分は1,3−ブタジエン、1−ブテン、c−2−ブテン、t−c−ブテン、n−ブタンおよびi−ブタンである。C4分画中の一般的なイソブテン含有率は、水蒸気分解装置からのC4分画の場合、18〜35質量%であり、流動接触分解装置(FCC)の場合、10〜20質量%である。
ETBE法のために、ポリ不飽和炭化水素、たとえば1,3−ブタジエンを使用原料から除去することは有利でありうる。これは公知の方法により、たとえば抽出、抽出蒸留または錯化により行うことができる(K.Weissermel、H.J.Arpe、Industrielle Organische Chemie、Wiley−VCH、第5版、1998年、第119〜121頁参照)。
ポリ不飽和炭化水素を分離するための代替法は選択的な化学反応である。たとえば1,3−ブタジエンを、たとえばEP0523482に記載されているように選択的に線状のブテンへと水素化することができる。1,3−ブタジエンの選択的な反応、たとえばシクロオクタジエンへの二量化、シクロドデカトリエンへの三量化、重合反応またはテロマー化反応によっても、1,3−ブタジエンを少なくとも部分的に除去することができる。分解C4分画を原料として使用する場合、いずれの場合にも、主として飽和炭化水素、n−ブタンおよびイソブタンおよびオレフィンのイソブテン、1−ブテンおよび2−ブテンを含有する炭化水素混合物(ラフィネートIまたは水素化分解C4(HCC4)が残留する。
有利にはETBE法において、工程a)、b)、c)、d)、e)またはf)の1もしくは複数の工程の前に接続される付加的な精製工程で、C4−炭化水素流中に含有されているポリ不飽和炭化水素を選択的に接触水素化する。特に有利には少なくとも工程a)またはc)の前に、および特に有利には工程c)の前に、特に排除され得ない場合には、使用される工業用C4−炭化水素流がポリ不飽和炭化水素を含有するような精製工程が考えられる。
ポリ不飽和炭化水素とは、主として1,3−ブタジエン;1,2−ブタジエン、ブテニンおよび1−ブチンであり、含有されているとしても明らかにごくわずかな量で含有されている。水素化は1もしくは複数工程の水素化法で、液相中、パラジウム触媒を使用して行うことができる。1,3−ブタジエンの含有率を有利に1000wppm未満に低下するために、その際に水素化の最後の工程で、調節剤を添加して作業し、該調節剤によりパラジウム触媒の選択率が向上する。有利には調節剤として一酸化炭素を使用し、これを0.05〜100質量ppm(wppm)の割合で添加する。ポリ不飽和炭化水素の含有率はこの工程への供給流中で1%を下回り、有利には0.5%を下回るべきである。文献ではこの種の1,3−ブタジエンの残留含分の選択的水素化がSHP(選択的水素化法)の名称で公知である(EP0081041、Erdoel、Kohle、Erdgas、Petrochem.1986、39、73を参照のこと)。
イソブテン含有C4流において、ポリ不飽和炭化水素、たとえば1,3−ブタジエンが1%を越える量で含有されている場合、これを有利には前接続された水素化において反応させる。この水素化は有利には液相中、パラジウム触媒を使用して実施する。不飽和炭化水素の含有率に応じて水素化を複数の工程で実施することができる。水蒸気分解装置からの、一般に38〜45%の1,3−ブタジエン含有率を有する分解C4の反応のために、水素化を2工程で実施することが有利であることが判明している。その際、個々の工程またはすべての工程は、部分的な生成物の返送が考慮されていてもよい。搬出物中で、1%より小さい1,3−ブタジエンの濃度が得られるので、選択的水素化(SHP)におけるさらなる反応を行うことができる。
ETBE法において使用される、イソブテンおよび線状ブテンを含有する炭化水素混合物は有利には次の組成を有しており、その際、不飽和炭化水素の含有率に応じて水素化または選択的水素化を工程a)〜d)の前に、有利には工程a)またはc)の前に実施する。
Figure 2007197447
ラフィネートIもしくはHCC4は、その他のものと並んで、ETBE法で有利に使用されるイソブテン含有炭化水素混合物である。C4−炭化水素を後処理するための装置は通常、束(複数の装置を結合したもの)として構成されているが、しかしラフィネートIもしくはHCC4がETBE法へ導入される前に1もしくは複数のその他の工程を通過することも可能である。これらの工程はたとえば工程a)についての実施態様に記載されているような方法もしくは工程であってよい。ETBE法で使用可能なC4−炭化水素混合物は、工程a)の実施態様による方法およびその後の工程b)による分離から得られるものであってよい。特に、イソブテンからt−ブタノール(TBA)を分離することによりTBAを製造する際に得られる混合物を使用することもできる。このようにしてそのつど個別に適応させた、相応する生成物ポートフォリオにより後処理するための全概念を実現することができる。
ETBE法の前に行われうる一般的な方法は、水洗浄、吸着装置中での精製法、乾燥法および蒸留である。
水洗浄(ETBE法)
水洗浄により親水性成分、たとえば窒素成分を、使用される、イソブテンおよび線状ブテンを含有する工業用炭化水素混合物から完全に、または部分的に除去することができる。窒素成分に関する例はアセトニトリルまたはN−メチルピロリドン(たとえば1,3−ブタジエン抽出蒸留に由来しうる)である。酸素化合物(たとえばFCCからのアセトン)もまた、部分的に水洗浄により除去することができる。イソブテン含有の炭化水素流は、水洗浄後に水により飽和される。反応器中で後続する工程において2相を回避するために、ここで反応温度は水洗浄の温度よりも約10℃高い。
吸着装置(ETBE法)
吸着装置は、不純物を除去するために使用される。これはたとえば、工程において貴金属触媒を使用する場合には有利でありうる。しばしば窒素または硫黄化合物を吸着装置により除去する。吸着剤に関する例は、酸化アルミニウム、分子ふるい、ゼオライト、活性炭、金属で含浸した酸化アルミニウムである。吸着剤は様々な会社から、たとえばAlcoa社(Selexsorb(R))から市販されている。
乾燥(ETBE法)
イソブテン含有炭化水素混合物中に場合により含有されている、たとえば水洗浄に由来しうる水を、乾燥のための公知の方法により除去することができる。適切な方法はたとえば共沸混合物としての蒸留による水の分離である。その際、しばしば含有されているC4−炭化水素との共沸混合物を利用することができるか、または共留剤を添加することができる。
炭化水素混合物の乾燥は、種々の理由から、たとえば工程a)でアルコール(主としてt−ブチルアルコール)の形成を低減するために、または水の分離による技術的な問題の回避のために、または低温(たとえば中間貯蔵の際)での氷の形成を回避するために有利でありうる。
蒸留(ETBE法)
蒸留工程はたとえば、不純物(たとえばC3−炭化水素のような低物点物質、C5−炭化水素のような高沸点物質)を分離するために、または異なったイソブテン濃度を有する分画を得るために利用することができる。これは直接ラフィネートIもしくはHCC4を用いて行うことができるか、または1もしくは複数のその他の工程を通過した後で行うことができる。ラフィネートIもしくはHCC4を直接蒸留することにより、たとえば2−ブテンおよびn−ブタンの少ない、イソブテンの多い分画への分離が可能である。
使用される工業用炭化水素混合物の組成に応じて、および/または目的生成物の純度に応じて、工業用炭化水素混合物を直接、有利なETBE法の工程a)で使用するか、あるいはまた1もしくは複数の前記の方法による前処理の後に初めて、使用することができる。
有利なETBE法により、容易な方法でETBEまたはETBEを含有する組成物を製造することができ、これは工程b)およびe)による反応蒸留または蒸留の塔底生成物として、有利には工程b)の塔底生成物として得られる。
従って本発明の対象は、特にETBEを製造するための方法でもあり、特にETBEを製造するための上記の方法であり、該方法は、水分の少ないエタノールを製造するための本発明による方法によって製造される水分の少ないエタノールを、ETBE法の原料として使用し、かつETBE法からの過剰のエタノールならびに新鮮エタノールを、異なった含水率を有する水分の多いエタノール流として、水分の少ないエタノールを製造するための本発明による方法に供給することを特徴とする。
図1〜図3に基づいて、本発明による方法をブロック図で詳細に説明するが、その際、本方法はここに例として記載された実施態様に限定されるべきではない。概略図では本質的な工程のみが記載されている。方法技術的に通例の流、たとえば冷却水流、循環流、または返送流、および/または通例の装置の記載に関しては、部分的により良好な概要のために省略した。ただしブロック図に記載されていない通例の部材、たとえばポンプ、真空ポンプ、バルブ、熱交換器は、本発明による方法を実施するための装置における部材でありうる。
図1には、エタノール流の脱水を本発明による方法により実施することができる1変法のブロック図が記載されている。高い含水率を有するエタノール(4)を膜ユニット(5)に導通する。ここで特定の含水率を有する濃縮液(6)および水分の多い透過液(3b)が得られる。水分の少ないエタノール流(1)を膜ユニット(2)に導通する。濃縮液(7)として、所望の含水率を有するエタノールならびに透過液(3a)が得られる。濃縮液(6)および(7)を合して一緒の流(76)にし、これを有利にはETBE装置中で、たとえばエーテル化反応器中で原料として使用することができる。透過液(3a)および(3b)は別々に、または有利には一緒に後処理することができる。蒸留による水および、エタノール/水の共沸混合物からなるか、またはエタノール/水の共沸混合物と追加の水とからなる塔頂生成物へ分離する可能性が生じる。蒸留液は適切な箇所で、たとえば流(4)として、または流(4)の部分量として脱水装置へ返送することができる。
図2には、エタノール流の脱水を本発明による方法により実施することができる第二の変法のブロック図が記載されている。高い含水率を有するエタノール(4)を膜ユニット(5)へ導通する。ここで、エタノール流(1)とほぼ同じ含水率を有する濃縮液(6)および水分の多い透過液(3b)が生じる。水分の少ないエタノール流(1)を濃縮液(6)と一緒に膜ユニット(2)へ導通する。濃縮液(7)として、所望の含水率を有するエタノールと、透過液(3a)とが得られる。濃縮液(7)を有利にはETBE合成において原料として使用する。透過液(3a)および(3b)を別々に、または有利には一緒に後処理することができる。水および、エタノール/水共沸混合物からなるか、またはエタノール/水共沸混合物と追加の水とからなる塔頂生成物へ蒸留により分離する可能性が生じる。蒸留液を適切な箇所で、たとえば流(4)として、またはその部分量として脱水装置へ返送することができる。
図3は、もう1つの変法のブロック図を示している。膜ユニット(2)中で、エタノール流(1)を水分の少ない濃縮液(7)と、水分の多い透過液(3a)とに分離する。膜ユニット(5)中で、エタノール流(4)を、濃縮液(7)とほぼ同じ含水率を有する濃縮液(6)と、水分の多い透過液(3b)とに分離する。濃縮液(7)および(6)を一緒に膜ユニット(9)中で、所望の含水率を有するエタノール流(10)と、水分の多い透過液(3c)とに分離する。エタノール流(10)を有利にはETBE装置中で使用する。透過液(3a)、(3b)および(3c)は別々に、または有利には一緒に後処理することができる。水および、エタノール/水共沸混合物からなるか、またはエタノール/水共沸混合物と追加の水とからなる塔頂生成物へ蒸留により分離する可能性が生じる。蒸留液は適切な箇所で、たとえば流(4)として、またはその部分量として、脱水装置へ返送することができる。
以下の実施例は本発明を詳細に説明するものであるが、特許請求の範囲および明細書から生じる保護範囲を制限するものではない。
本発明による方法の利点を説明するために、2つの例を考量する。工業的な方法で、特にETBE製造の際に生じうる2つの流を乾燥する:
1質量%の含水率を有する新鮮エタノール流を毎時10t、
9質量%の含水率を有する返送エタノール流を毎時1.45t。
目的は乾燥したエタノール中で0.3質量%の水の残留濃度である。
運転温度は90℃であった。エタノールの乾燥のために通例のポリビニルアルコール(PVA)膜を使用した。この膜の種類については文献において広範な測定データが発表されている(S.Klatt:Zum Einsatz der Pervaporation im Umfeld der chemischen Industrie、Shaker Verlag 1993年;M.Franke:Auslegung und Optimierung von Pervaporationsanlage zur Entwaesserung von Loesungsmitteln und Loesungsmittelgemischen、学位論文、Aachen、1990年)。90℃で該膜は約14kg/m2hの純水流量を有する(Klatt、1993年)。市販のPVA膜はたとえばPERVAP 2200(Sulzer Chemtech)の商品名で入手可能である。
Brueschke(Brueschke、H.E.A.:State of Art of Pervaoration Processes、Nunes、S.P.およびPeinemann、K.−V.(編):Membrane Technology in the chemical Industry、Wiley VCH、2001年)によれば、次の式:
Figure 2007197447
により膜表面積の確認を行った。
上記式中で、Aはm2で記載される、調査される膜表面積であり、
Figure 2007197447
は、kg/hで記載される供給流の流量であり、J0はkg/(m2h)で記載される外挿された純水の流量であり、かつCFeedならびにCProduktは、質量%で記載されてる供給流および濃縮液の濃度である。通常の脱水膜の選択率は広い濃度範囲で一定しており、かつ全ての変法で類似の濃度範囲が通過される比較試験に関して考慮してはならなかった。脱水膜PERVAP 2200に関する選択率は、たとえばBrueschke(2001)により記載されている。透過液の後処理(凝縮および真空装置)は考量された実施例ではそれ以上考察しなかった。
例1(比較例)として、本発明によらない例を考量したが、この方法では両方の供給流(1)および(4)を膜装置の前で混合する。これにより平均して2.01質量%の供給流濃度が生じ、かつ上記の式により計算される、必要とされる膜表面積は1557m2である。
例2として、図2の記載による本発明による方法を考量したが、この方法では返送エタノール(4)を固有の膜装置(5)中で、1質量%の含水率になるまで乾燥させる。このために約352m2の膜表面積が必要である。引き続き、透過液(6)を新鮮エタノール(1)と混合し、かつ第二の膜装置(2)に供給し、ここで全流は0.3質量%の水規格に達する。第二の膜装置のために、次いで約860m2の膜表面が生じる。合計で例2による装置は1212m2の表面積を有する。透過液の後処理は、両方の膜装置(2)および(5)に関して共通である。
例1および例2の結果は第2表にまとめられている。両方の例を比較することにより、本発明による方法の利点を直接評価することができる。膜装置の運転コストの大部分は、寿命が消尽した後の規則的な膜の交換に起因する。プロセス条件により膜装置の場合、その他の運転コスト、たとえば熱量、真空装置のための運転手段および透過液の後処理もまた、膜表面積に対する第一の近似値に比例する。本発明による方法の場合には膜表面積は、合計で約1212m2であることによって、例1に記載されている比較装置の場合よりも約22%少ない。このことにより次の利点が生じる(第2表も参照のこと):
例2では、投資コストが例1による装置のものよりも約18%低い。
例2では、運転コストが例1による装置のものよりも約22%低い。
Figure 2007197447
本発明による1実施態様を示す略図 本発明による1実施態様を示す略図 本発明による1実施態様を示す略図
符号の説明
1 水分の少ないエタノール流、 2 膜ユニット、 3a、3b、3c 透過液、 4 高い含水率を有するエタノール、 5 膜ユニット、 6、7 濃縮液、 9 膜ユニット、 10 エタノール流

Claims (21)

  1. 異なった含水率を有する水分の多いエタノールの少なくとも2つの流から膜を用いた脱水により水分の少ないエタノールを製造する方法において、異なった含水率を有するエタノール流を別々に異なった膜ユニットに導通し、その際、エタノール流を膜ユニット中でそのつど、濃縮液としての水分の少ないエタノールと、水分の多い透過液とに分離し、かつ高い含水率を有するエタノール流を分離するための少なくとも1の膜ユニットからの濃縮液流を、供給流および/またはエタノール流を分離するための少なくとも1の別の膜ユニットの濃縮液流と合し、その際、最大で1質量%絶対のエタノール濃度における相違を有する流のみを合することを特徴とする、水分の少ないエタノールの製造方法。
  2. 20〜150℃の温度で膜を用いて脱水を実施することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 0.001〜2MPaの差圧で膜を用いて脱水を実施することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 膜を用いた逆浸透法、透析蒸発法または蒸気浸透法により水の分離を行うことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 膜の透過液側に真空を発生させることにより差圧を生じることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. すべての使用される膜の透過液側に共通の減圧装置によって減圧を発生させることにより差圧を生じることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 1質量%より少ない含水率を有する水分の少ないエタノールの少なくとも1の流が得られることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 水の濃度が1.0質量%より大きく異なる、異なった含水率を有する2つの水分の多いエタノール流を使用することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 少なくとも1の水分の多いエタノール流が新鮮アルコールであり、かつ少なくとも1の水分の多いエタノール流がETBE装置に由来することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 脱水の際に膜ユニット中で生じる水分の多い透過液を別々に後処理することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 脱水の際に膜ユニット中で生じる水分の多い透過液を一緒に後処理することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  12. 透過液を蒸留により水と、エタノール/水の混合物からなる少なくとも1の蒸留液とに分離し、かつ該蒸留液を水分の多いエタノール流として膜ユニットに返送することを特徴とする、請求項10または11記載の方法。
  13. 透過液をエタノール含有水性抽出液と一緒にETBE装置から蒸留により後処理し、かつエタノールが多い蒸留液を水分の多いエタノール流として膜ユニットに返送することを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 濃縮液の水濃度の違いが0.2質量%より小さい場合に、濃縮液を合することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 2以上の濃縮液流を合し、かつ別の膜ユニット中で脱水することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 高い含水率を有するエタノール流を分離するための膜ユニットからの濃縮液流を、低い含水率を有するエタノール流を分離するための膜ユニットの供給流と合することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  17. 本発明により製造される水分の少ないエタノールをETBE合成のための原料として使用し、かつETBE合成の過程からの過剰のエタノールを水を用いた抽出によりETBE法から除去し、かつ該抽出流を直接または蒸留による後処理の後に水分の多いエタノール流として膜ユニットに供給することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. ETBEの製造方法において、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法により製造される水分の少ないエタノールをETBE法における原料として使用し、かつETBE法からの過剰のエタノールならびに新鮮エタノールを水分の多いエタノール流として請求項1から17までのいずれか1項記載の方法に供給することを特徴とする、ETBEの製造方法。
  19. 請求項1から17までのいずれか1項記載の方法により製造される、水の含有率が1質量%より少ないエタノールと水とを含有する組成物。
  20. ETBEを製造するための原料としての、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法により製造される、エタノールを含有する組成物の使用。
  21. 請求項19に記載の組成物を使用することを特徴とする、請求項20記載の使用。
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