JP2007195546A - 植物の栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の茎部に処理することにより、作業効率に優れ、効果的に植物の生育を促進させる植物の栽培方法の提供。
【解決手段】水100gに対する溶解度が25℃で0.1mg以下である窒素原子を含まない有機化合物を含有する植物活力剤を植物の茎部に処理する植物の栽培方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物の活力を向上させる植物の栽培方法に関し、特に、植物の生育を促進させる植物の栽培方法に関する。ここで、以下「植物」は、植物の語自体から認識されうるもの、野菜、果実、果樹、穀物、草花、香草(ハーブ)、樹木、分類学上の植物等を表すものとする。
植物が成長するには種々の栄養要素が必要であるが、そのいくつかの要素が不足すると植物の生育に支障を来すことが知られている。例えば、肥料三大要素として窒素は蛋白質の成分元素であり、リンは核酸やリン脂質の構成元素だけでなくエネルギー代謝や物質の合成・分解反応にも重要な役割を果たしていおり、また、カリウムは物質代謝や物質移動の生理作用がある。これら主要成分の不足により全般的に植物の生育は貧弱になる。また、カルシウムは、植物体及び細胞を構成する重要な成分であり、また代謝系のバランスを維持する為にも重要な働きをしており、カルシウムの欠乏症状を呈し生理障害をおこす。その他にもMg、Fe、S、B、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等、植物には種々の栄養素が必要である。
これら窒素、リン、カリウム等の栄養成分は元肥や追肥の形で施肥されたり、液体肥料を希釈して土壌灌注したり葉面散布で与えられたりしている。これらの肥料は、植物の生長に必要な不可欠のものであるが、ある程度の濃度以上に与えても、植物の生長性及び収量の向上にはそれ以上貢献できない。
しかし、農作物の生長を促進し、単位面積当たりの収穫量を増やして増収をはかることは農業生産上重要な課題であり、そのために必要な種々の植物生長調節剤が開発利用されている。ジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられているが、これらの物質の作用は多面的かつ複雑であり、用途が限定されている。
このような問題を解決するために、特許文献1では、植物に対して薬害がなく、効率的に植物の活力を向上させるため、炭素数12〜24の1価アルコールを植物活力剤として、必要により界面活性剤、肥料成分、キレート剤と共に用いることが提案されている。特許文献2では、種々の農作物に対して顕著な増収効果を目的として特定のアルコール、脂肪酸、有機酸、グリセリド、エーテルを農作物用増収剤として、必要により界面活性剤、肥料成分、キレート剤と共に用いることが提案されている。特許文献3では、植物体に効果的に活力を付与でき、且つ長期保存にも安定な液状製剤を得るため、炭素数12〜19の1価アルコールと炭素数20〜30の1価アルコールとを植物活力剤として、必要により界面活性剤、肥料成分、キレート剤と共に用いることが提案されている。特許文献4では、農薬活性成分とアジュバント(補助剤)と必要に応じて賦形剤を加えたタブレット状農薬製剤を植物体の茎又は幹の表面に貼付する植物処理方法が提案されている。
特開2000−198703号 特開2002−265305号 特開2003−300801号 特開平7−242501号
特許文献1〜3には植物活力剤を葉面又は根部へ処理することが示されているが、根部へ処理すると土壌に吸着したり、水耕栽培では水に不溶の化合物は不均一になったりして効果にばらつきが出る等の問題があり、葉面への処理ではクチクラ層に妨げられて、安定的な効果が得られない等の問題点がある。葉面散布の場合は大量の水が必要で作業効率的に作業者の負担になったり、冬場などでは、散布による温度低下が生じ光合成速度の低下もある。
特許文献4には農薬製剤を茎部に処理する方法が示されているが、植物の生長に関しては農薬活性成分によって植物成長の調整を示しているのみで、植物活力剤としての効果は示されていない。
このような状況から、作業効率に優れ、効果的に植物の生育を促進させる植物の栽培方法が望まれている。
本発明は、水100gに対する溶解度が25℃で0.1mg以下である窒素原子を含まない有機化合物を含有する植物活力剤を植物の茎部に処理する植物の栽培方法に関する。
本発明の植物の茎部に処理する植物の栽培方法は、葉面処理に比べて優れた生育促進効果を示す。特に、植物の根の重量増加等の植物成長に対する改善が認められる。本発明は、植物の茎部に処理することにより、作業効率に優れ、効果的に植物の生育を促進させる植物の栽培方法を提供する。
本発明の植物活力剤に用いられる窒素を含まない有機化合物は、水100gに対する溶解度が25℃で0.1mg以下、好ましくは0.05mg以下、より好ましくは0.01mg以下である。
本発明者らは、前記有機化合物を含有する植物活力剤を植物の茎部に処理することによって、葉面処理に比べて優れた植物の生育促進効果が示される植物の栽培方法を見出した。植物の根や地上部の重量増加、特に、根の重量増加等の植物成長に対する改善が認められる。ここで意味する茎とは幹も含める。また、茎部に処理するとは、処理の主体が茎部であって、主として茎部に与えることを意味する。例えば、茎部に散布したり、茎部に塗布したり、茎部に貼付したりする等の方法が挙げられる。株元付近の茎部へ散布したり、挿し穂(例えばキク等)、挿し木又は挿し芽(例えばサツマイモ等)、接木(例えばトマト、キュウリ等)等の場合茎部をどぶづけすることも有用である。
植物の茎部処理は、葉面散布等の葉面への処理に比べると、希釈する水の量を低減できるので、作業労力を下げることができ、効果的に処理できるため経済性にも優れる。また、冬期に葉に与えると温度低下が生じ、光合成速度の低下があって生育停滞の虞があるが、植物の茎部処理ではそのような生育停滞を抑制することができる。
根部への処理では、前記植物活力剤が土壌に吸着されたり、土壌中で分解が起こったり、潅水処理の場合水とともに流失してしまったりして利用効率が悪くなる虞があるが、植物の茎部処理ではそのような心配がなく、前記植物活力剤が効率良く利用される。
本発明の前記有機化合物は油性成分が好ましい。油性成分としては、高級アルコール、脂肪酸類、エステル類、グリセリド類、炭化水素類、シリコーン等が好ましく、高級アルコールがより好ましい。
高級アルコールとしては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類、好ましくは炭素数14〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール、更に好ましくはセタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベへニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコールが挙げられ、セタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベへニルアルコールがより好ましい。ここで、セタノールとは、セチルアルコールを主成分とし、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを含有するものをいう。
脂肪酸類としては、炭素数8〜40、好ましくは、炭素数10〜30、より好ましくは炭素数12〜24、さらにより好ましくは炭素数14〜22の脂肪酸が挙げられる。直鎖若しくは分岐鎖又は飽和若しくは不飽和脂肪酸が挙げられ、直鎖若しくは分岐鎖又は飽和脂肪酸が好ましく、直鎖又は飽和脂肪酸がより好ましい。具体的には オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコサン酸、ベヘニル酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコサン酸、ベヘニル酸、オレイン酸、イソステアリン酸が好ましく、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコサン酸、ベヘニル酸、オレイン酸、イソステアリン酸がより好ましく、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコサン酸、ベヘニル酸がより好ましい。
エステルとしては、ロウ類、ラノリン、総炭素数8〜48のエステル、好ましくは、ラノリン、総炭素数8〜40の脂肪酸の低級アルコール(炭素数1〜4)エステル等が挙げられ、ラノリン、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルがより好ましい。
グリセリド類としては、総炭素数8〜48、好ましくは総炭素数12〜40、より好ましくは総炭素数16〜40、さらにより好ましくは総炭素数18〜40のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドが挙げられる。トリグリセリドは植物性油脂であっても、動物性油脂であってもよい。具体的には、ラウリン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ベヘニン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、ラウリン酸ジグリセリド、ミリスチン酸ジグリセリド、パルミチン酸ジグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ベヘニン酸ジグリセリド、オレイン酸ジグリセリド等が挙げられ、ミリスチン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ベヘニン酸モノグリセリド、ミリスチン酸ジグリセリド、パルミチン酸ジグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ベヘニン酸ジグリセリドが好ましい。
炭化水素類としては、総炭素数8〜48、好ましくは総炭素数12〜40、より好ましくは総炭素数16〜40、さらにより好ましくは総炭素数18〜40の炭化水素又はパラフィン又はワセリンが挙げられ、さらによりワセリンが好ましい。
シリコーンとしては、(A)ジメチルポリシロキサン、(B)メチルフェニルポリシロキサン、(C)アミノ変性シリコーン〔好ましくは、平均分子量が約3000〜100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国、Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載のもの、水性乳濁液としては、SM8704C(トーレ・シリコーン社製)、DC939(ダウ・コーニング社製)等が挙げられる〕、(D)脂肪酸変性ポリシロキサン、(E)アルコール変性シリコーン、(F)脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、(G)ポリエーテル変性シリコーン、(H)エポキシ変性シリコーン、(I)フッ素変性シリコーン、(J)環状シリコーン、(K)アルキル変性シリコーン、(L)シリコーンゴム、(M)シリコーングリース等が挙げられ、(L)シリコーンゴム、(M)シリコーングリースが好ましい。
本発明の植物活力剤は、上記本発明に係る前記有機化合物の単独からなってもよいし、その他の成分を含有するものであってもよい。その他の成分として、界面活性剤及びキレート剤が好ましい。
本発明に用いられる植物活力剤は、前記有機化合物を0.01〜5000ppm(重量比、以下同様)、好ましくは0.1〜1000ppm、より好ましくは1〜500ppm、より好ましくは10〜300ppmの濃度で含有する。
前記有機化合物と界面活性剤の重量比は植物の生育促進効果を安定に発現させる観点から、〔前記有機化合物/界面活性剤〕=1/20〜20/1が好ましく、1/10〜10/1がより好ましく、1/5〜5/1がさらにより好ましい。
本発明に用いられる界面活性剤は、前記有機化合物の乳化、分散、可溶化又は浸透促進の目的で用いられ、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシド、アルキルアルカノールアミド、糖系脂肪酸アミド等が挙げられる。ここで、糖系脂肪酸アミドとしては、糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばグルコースやフルクトースの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドが挙げられる。また、アミノ基を有する糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばN-メチルグルカミンの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることもできる。非イオン界面活性剤としては、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤及びエステル基含有非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。具体的には、ポリオキシアルキレン(特にエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン(特にエチレン)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系界面活性剤が挙げられるが、カルボン酸系及びリン酸エステル系界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭素数6〜30の脂肪酸又はその塩、多価カルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩、エステル化化工澱粉等が挙げられる。中でもエステル化化工澱粉が好ましい。エステル化化工澱粉の中で、アルケニルコハク酸化デンプン(アルケニルコハク酸エステル化デンプン又はアルケニルコハク酸デンプンともいう)が好ましく、オクテニルコハク酸化デンプンがより好ましく、その市販品として例えばエマルスター#30〔松谷化学工業(株)製〕等が挙げられる。
スルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸の縮合物塩、ナフタレンスルホン酸の縮合物塩等が挙げられる。
硫酸エステル系界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル塩、アルキルポリグリコシド硫酸塩等が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤として、例えばアルキルリン酸エステル塩、アルキルフェニルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩等が挙げられる。
塩としては、例えば金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸系、ベタイン系、イミダゾリン系、アミンオキサイド系が挙げられる。
アミノ酸系としては、例えばアシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩等が挙げられる。
ベタイン系としては、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニアベタイン等が挙げられる。
イミダゾリン系としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
アミンオキサイド系としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジエタノールアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
上記界面活性剤は一種でも、二種以上混合して使用しても良い。また、上記界面活性剤は、植物活力剤の有効成分を、均一に可溶化、分散させる意味で、親水性の高い界面活性剤が望ましい。該界面活性剤においては、グリフィンのHLBは10以上、更に12以上が好ましい。また、これらの界面活性剤がポリオキシアルキレン基を含む場合は、好ましくはポリオキシエチレン基を有し、その平均付加モル数が1〜50であることが挙げられる。更に好ましくは平均付加モル数が5〜30、さらにより好ましくは10〜30である。
界面活性剤としては、エステル基含有非イオン界面活性剤、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カルボン酸系陰イオン界面活性剤及びリン酸系陰イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。エステル基含有非イオン界面活性剤及び窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上がより好ましい。窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤の中ではポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド(炭素数16以上のものを除く)、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシドがより好ましい。
本発明の植物活力剤は、本発明に係る前記有機化合物と界面活性剤の重量比率が、界面活性剤/前記有機化合物=0.01〜100、更に0.05〜50、より更に0.1〜30であることが、本発明に係る前記有機化合物を植物へ効率的に吸着させる点で好ましい。
本発明に用いられるキレート剤として、以下のようなキレート能を有する有機酸又はその塩を併用すると、農作物の増収効果がさらに改善される。本発明に用いられるキレート剤としては、具体的にはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等のオキシカルボン酸、多価カルボン酸や、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。また、有機酸以外のキレート剤の混合でも農作物の収量が改善される。混合するキレート剤としてEDTA、NTA、CDTA等のアミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。
前記有機化合物とキレート剤の重量比は植物の生育促進及び肥料吸収率向上の観点から、〔前記有機化合物/キレート剤〕=1/100〜500/1が好ましく、1/10〜100/1がより好ましく、1/3〜10/1がさらにより好ましい。
本発明の植物活力剤の形態は、液体、フロワブル、ペースト、水和剤、粒剤、粉剤、錠剤等いずれでも良く、水に希釈して使用する場合には、通常、植物活力剤中の本発明に係る有機化合物濃度が0.01〜5000ppm、好ましくは0.1〜1000ppm、より好ましくは1〜500ppmの水分散液あるいは乳化液として植物の茎部へ散布、塗布又は貼付される。
前記植物活力剤を水に希釈して使用する場合には、本発明に係る有機化合物を0.0001〜10mg/茎1cm2、好ましくは0.001〜5mg/茎1cm2、より好ましくは0.01〜1mg/茎1cm2の量で茎に処理するのが好ましい。また、前記植物活力剤を希釈しないで直接塗布する場合には、25℃で液状の前記植物活力剤を1〜500mg/茎1cm2、好ましくは5〜300mg/茎1cm2、より好ましくは10〜150mg/茎1cm2の量で茎に処理するのが好ましい。
本発明の植物活力剤を適用できる植物としては、果菜類では、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、トウモロコシ等が挙げられる。葉菜類では、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セルリー、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ等が挙げられる。根菜類としては、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、レンコン等が挙げられる。その他に、稲、麦類、花卉類等にも使用が可能である。本発明の植物活力剤は、植物成長促進剤として好適である。
本発明の植物活力剤の茎部への施用により効率的に植物の活力を向上できる理由は明確ではないが、本発明の植物活力剤が植物の茎部に適用されると、水100gに対する溶解度が25℃で0.1mg以下である窒素を含まない有機化合物が茎部に対して吸着するため、これが適度な刺激となり植物の活力向上に寄与しているものと推察される。また茎部に対する吸着から生じる適度な刺激により、植物内で発根を促進する植物生長ホルモンであるオーキシン等が増大し、その結果発根が促進し、地上部の生育、緑色度(SPAD値)の向上等に寄与すると推察される。
実施例1<トマト苗への水耕栽培評価>
品種 :「ホーム桃太郎」(タキイ種苗(株))
栽培容器:発芽用 50穴のセルトレイ
栽培用 100mL三角フラスコ
培養液:OKF2(大塚化学(株))をNPKベースとして希釈〔N:P:K=130:74.5:123.5(ppm)/OKF2を1076倍希釈〕
トマト種子"桃太郎"を箱播きにし、本葉3枚展開時期の苗を用い、反復数を9個体とした。表1に示した植物活力剤組成物を以下の方法を用いて処理し、試験を行った。配合原料の濃度は表1に示した通りで残部は水であり、本発明品No.1〜5、9〜12、比較品1〜2、5は中極細の筆を用いて、処理液(植物活力剤の水分散液)合計1mLを茎部軸方向に3cm幅で3回塗布し、本発明品6〜8、比較品3〜4は処理剤をスパーテルを用いて直接塗布した。試験開始10日後に植物生重量(g)を測定した。コントロール(比較品6)を100としたときの相対値で比較し、その結果を地上部重量及び地下部重量として表1に示す。処理した植物の処理面積は、1.884cm2であった。
Figure 2007195546
注)表中、POEはポリオキシエチレンの略であり、( )内の数字はエチレンオキサイドの平均付加モル数である。、シリコーンは信越化学(株)の「信越シリコーンKE1401RTV」〔(L)シリコーンゴムに分類される〕、ラノリンは山桂産業(株)の「精製ラノリン」、ワセリンは健栄製薬(株)の「白色ワセリン」を使用した。
実施例2
ジャガイモ(品種:男爵)を18cmポットに植付け、萌芽後、茎長が7〜10cmの時に、表2に示すような植物活力剤組成物を各部位に処理を行った。植物活力剤組成物の濃度は表2に示した通りで残部は水であり、中極細の筆を用いて、茎部軸方向に株あたり3mLを塗布する処理を7日間隔で3回処理した。そして、3回処理後2週間後に、1株あたりのイモ数および1株あたりのイモ重量を調査した。結果を表2に示す。数値は無処理を100とした時の相対値として示す。処理した植物の処理面積は、茎長が7cm,直径0.8cmであり、17.584cm2であった。
Figure 2007195546

Claims (9)

  1. 水100gに対する溶解度が25℃で0.1mg以下である窒素原子を含まない有機化合物を含有する植物活力剤を植物の茎部に処理する植物の栽培方法。
  2. 更に、界面活性剤及びキレート剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する植物活力剤を植物の茎部に処理する請求項1記載の植物の栽培方法。
  3. 有機化合物が油性成分である請求項1又は2記載の植物の栽培方法。
  4. 油性成分が高級アルコール、脂肪酸、エステル、グリセリド、炭化水素及びシリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項3記載の植物の栽培方法。
  5. 高級アルコールが炭素数14〜24の1価アルコ−ルである請求項4記載の植物の栽培方法。
  6. 界面活性剤がエステル基含有非イオン界面活性剤、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カルボン酸系陰イオン界面活性剤及びリン酸エステル系陰イオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項2〜5の何れか1項記載の植物の栽培方法。
  7. 植物活力剤を水に希釈して有効分として0.0001〜10mg/茎1cm2の量で処理する請求項1〜6の何れか1項記載の植物の栽培方法。
  8. 植物活力剤を植物の茎部に塗布処理する請求項7記載の植物の栽培方法。
  9. 25℃で液状の植物活力剤を1〜500mg/茎1cm2の量で直接塗布する請求項1〜6の何れか1項記載の植物の栽培方法。
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