JP2007194273A - 圧粉磁心用の軟磁性金属粉末および圧粉磁心 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮性に優れかつ高い絶縁性を有する軟磁性金属粉末を提供する。
【解決手段】表面に酸化物層をそなえるアトマイズ純鉄粉またはアトマイズ合金粉の表面に、絶縁物質層を被覆し、結合強化処理による固相反応により、該酸化物層と該絶縁物質層とを一体化して金属化合物単一層とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁心用の軟磁性金属粉末およびこの軟磁性金属粉末を用いて作製した磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心に関するものである。
1997年の京都会議におけるCO2排出量削減の目標設定を受けて、近年、そのための化石 燃料消費量抑制のための技術開発やそれを受けた商品開発が広く行われている。例えば、日本国内ではCO2排出量の相当割合を発電による化石燃料消費が占めているため、これを 削減すべく、太陽電池や燃料電池などの分散型電力源の開発が、ベースロードの原子力発電化推進と並行して精力的に進められている。
また、同様にCO2排出量の相当割合を占めている自動車についても、ハイブリッド化な どを通じた化石燃料の削減技術の開発が進められている。
ところで、これらの技術においては、動力や太陽光によって得られたエネルギーを一旦電力に変換し、再度目的の形態のエネルギーに変換するという手法が広く採用されている。この理由は、電力が比較的制御し易いエネルギーというだけでなく、別形態のエネルギーへの変換が容易なためである。
従って、電力変換効率を改善することは、新技術でのエネルギー効率の改善に極めて重要な意味をもっている。
電力変換回路には種々の素子があり、それぞれの特性および制御方法が効率に強く影響する。その中でも取り分け効率に強く影響するものの一つとして、トランスやリアクトルなどに代表されるコイルと鉄心から構成される磁気素子が挙げられる。これらの素子は、変換回路において常に動作する素子であるため、僅かな効率改善であっても変換回路全体の効率改善に多大な影響を与えることが多い。そのため、常に効率改善が求められる素子である。
また、かような磁気素子は、鉄心に巻き線をするという構造を持つため、半導体素子などに比べて大型でかつ大重量であることが多い。巻き線部分が多いことは重量や形状だけでなく製造コストの増大にも直結するため小型化に対する要求も効率改善と並んで大きい。
上記した二つの問題の改善を図るため、種々の開発が広く行われている。
開発内容を具体的に記述すると、巻き線数の削減や鉄心の小型化が可能になる透磁率や磁束密度の向上、効率改善に直結する鉄損の低減が挙げられる。これらは磁気素子中でも鉄心に強く依存する性質である。そのため、鉄心素材の改良は磁気素子の特性改善のために避けては通れない非常に重要な課題である。特に電力変換回路では、一旦電流を周波数1kHz〜50kHz程度の交流に変換し、さらにそれを目的とする出力に変換することが多いので、かような周波数域における特性改善が極めて重要である。
一般に磁気素子の鉄心としては、ソフトフェライトコアや電磁鋼板、電磁鉄板などを積層して作製される積層鉄心が広く利用されている。
このうち、積層鉄心は、透磁率が高く、高い磁束密度が容易に得られるだけでなく、比較的安価であるという特長を持つ。しかしながら、一方で、使用する交流電流の周波数が高くなると、電流によって誘起される交番磁界に起因して発生する鋼板内部での渦電流が急激に増大し、それに伴って鉄心の発熱や磁心損失、いわゆる鉄損が急激に増大するという問題がある。
一方、ソフトフェライトコアは、鉄損は小さいが、飽和磁束密度が低いという問題があった。飽和磁束密度が低い鉄心を用いた磁気素子は、大電流が流れると鉄心が磁気飽和を起こしてしまうことがある。磁気飽和が起きた場合、磁気素子としての機能を果たさなくなるだけでなく、最悪の場合には変換回路の暴走を引き起こす危険性がある。
変換回路の大出力化が進むにつれ、磁気素子に流れる電流も増大するようになってきた昨今、ソフトフェライトコアの飽和磁束密度の低さは大きな問題であった。
上記のような背景から、変換回路の一層の効率改善のために、積層鉄心やソフトフェライトコアに代わる、新しい鉄心材料の開発が強く求められていた。
このような要請を受けて、軟磁性金属粉末に適宜樹脂などのバインダーを添加した混合粉末を、加圧成形することで作製される圧粉磁心が注目を浴び始めている。これは圧粉磁心が次の2つのメリットを持つからである。すなわち、一つは、粉末を原料とし、さらに樹脂など絶縁性の優れる材料をバインダーとして使用するため、渦電流の発生を抑制することができ、その結果積層鉄心に比べて鉄損を低減することが可能であるということである。さらにもう一つは、原料に軟磁性金属を利用するので、ソフトフェライトに比べて飽和磁束密度が高く、磁気飽和を起こし難い鉄心が得られるということである。
これらの特長を受けて、圧粉磁心は電磁鋼板やソフトフェライトにかわる鉄心材料として強い注目を集めている。
しかしながら、変換回路で用いられる周波数域では圧粉磁心の鉄損は依然として大きく、また透磁率や磁束密度も十分ではないという問題がある。圧粉磁心を電磁鋼板やソフトフェライトに変わる新たな鉄心材料とするためには、圧粉磁心の磁束密度の向上および鉄損の低減が不可欠である。
上述した圧粉磁心の課題、すなわち鉄損の低減と磁束密度の向上という目標を達成するために、従来からいくつかの技術が提案されている。
例えば、圧粉磁心の磁束密度は、成形体密度の上昇に伴い向上することが広く知られているが、この知見に基づき圧粉磁心の成形体密度を向上させるための技術開発が広く行われている。
一方、圧粉磁心の鉄損は、大きくヒステリシス損失と渦電流損失に分けられるが、このうち渦電流損失を低減するためにいくつかの技術が提案されている。
例えば、軟磁性金属粉末の粒径を制御方法(例えば特許文献1)や、軟磁性金属粉末と樹脂などの絶縁性物質を混合する方法(例えば特許文献2)などが挙げられる。
一方、ヒステリシス損失の低減を図るためにも種々の検討が行なわれている。そもそも圧粉磁心においてヒステリシス損失が顕著となるのは、軟磁性金属粉末を加圧成形して圧粉磁心とする際、軟磁性金属粉末に巨大な加工歪みが加えられることに起因する。従って、ヒステリシス損失の低減には、加圧成形後、成形体を焼鈍することにより、軟磁性金属粉末中に加えられた歪みを解放することが有効であると指摘されている(例えば非特許文献1)。特に、600℃以上での焼鈍が有効であるといわれている。しかしながら、渦電流 損失の低減を図るために使用される樹脂は一般に耐熱性に劣るため、ヒステリシス損失を低減するための焼鈍を行うと、絶縁物質が分解してしまい、絶縁性が著しく劣化してしまう。その結果、渦電流損失の低減とヒステリシス損失の低減を両立させることは非常に困難であるという問題があった。
そこで、かかる問題を解決するために、従来からいくつかの技術が提案されている。
例えば、軟磁性金属粉末表面をリン酸やクロム酸などを含む材料で処理して、耐熱性に優れた絶縁被膜を形成する技術がいくつか提案されている(例えば特許文献3)。
しかしながら、この技術について発明者らが調査したところ、これらの材料は550℃以 上で焼鈍すると変質し、絶縁性が失われてしまうことが判明した。そのため、ヒステリシス損失と渦電流損失の双方を低減させることは困難であることが確認された。
類似した技術としては、樹脂の中でも比較的耐熱性に優れたシリコーン樹脂を用いる方法もいくつか提案されている(例えば特許文献4)。
しかしながら、シリコーン樹脂も500℃以上では熱分解してしまうため、500℃以上で焼鈍した場合、絶縁性が失われてしまうことが判明した。従って、この技術によってもヒステリシス損失と渦電流損失双方の低減は困難であった。
そこで、より耐熱性の優れた材料、例えばSiO2やAl2O3などの高融点酸化物などで金属 粉末の表面を被覆することによって、歪み取り焼鈍後も絶縁性を維持することを企図した技術がいくつか提案されている。例えば、特許文献5においては、酸化物などの微粉末と樹脂を軟磁性金属粉末と混合した後、加圧成形して、焼鈍後も絶縁性が高い試料が得られるとする技術が開示されている。
しかしながら、発明者らが試験したところ、単に微粉末を混合しただけでは微粉末が不均一に分散した状態になるため、十分に絶縁が取れない個所が発生し、その結果、焼鈍前から十分な絶縁性は得られず、焼鈍するとさらに絶縁性は低下し、鉄損低減は実現困難であることが判明した。
また、特許文献6においては、高純度鉄粉にシリカゾルを被覆したものから圧粉磁心を作製する絶縁被膜を持つ高純度鉄粉を得る技術が紹介されている。
そこで、発明者らは、この技術についても試験を行った。その結果、シリカゾル被膜は高純度鉄粉との密着性が悪く、加圧成形によって被膜が剥離してしまうため、この方法によって得られた圧粉磁心も、上述した酸化物粉末を用いた場合と同様に十分な絶縁性が得られないことが判明した。
また、軟磁性金属粉末を意図的に酸化させることで表面に耐熱性の優れた絶縁層を形成し、歪み取り焼鈍後も絶縁性を維持することを企図した技術もいくつか提案されている( 例えば特許文献7)。
しかしながら、発明者らが試験したところ、このようにして形成した絶縁被膜は、焼鈍時、熱平衡反応によって酸化層が軟磁性金属と酸素に分解してしまうため、焼鈍中に絶縁性が失われてしまい鉄損低減は実現困難であることが判明した。
酸化物粉末などを用いた場合、密着性が不十分になるという課題を回避するための技術もいくつか提案されている。例えば、特許文献8においては、メカノフュージョンなど強力なせん断力を付与する手法を用いることで、軟磁性金属粉末表面へ酸化物粒子を機械的に埋設することによって付着させて耐熱性に優れた絶縁被膜を形成し、さらにその上にリン酸系の材料で絶縁被覆を施すことで、耐熱性に優れた絶縁被覆を持つ軟磁性金属粉末を得る方法が示されている。
しかしながら、発明者らが試験したところ、この手法では、金属粉の表面に均一に酸化物粒子を埋設することは極めて難しく、やはり十分満足いくほどの絶縁性は得られないことが判明した。
また、特許文献9においては、軟磁性金属粉末とケイ素を含む粉末を混合した上で熱処理して、ケイ素を軟磁性金属粉末に拡散する技術が紹介されているが、この手法では表面に絶縁層が形成されないので、耐熱性に優れた絶縁被膜を得ることはできなかった。
さらに、合金成分としてシリコンを予合金として添加した軟磁性金属粉末を作製する技術がいくつか公開されている(例えば特許文献10、特許文献11)。これらは、シリコンが表面に濃化し易いという特徴を利用した技術である。すなわち、アトマイズおよびその後の熱処理においてシリコンを表面に濃化させ、さらに酸化させることにより、軟磁性金属粉末表面に耐熱性に優れた絶縁被膜を形成し、さらに、その上にシリコーン樹脂などによる絶縁被覆処理を行うことにより、耐熱性に優れた絶縁被膜を持つ軟磁性金属粉末を得ようというものである。金属粉末表面に濃化したシリコンは酸化物として存在すると推定され、このシリコン酸化物層が下地として存在することにより、絶縁被覆処理後の絶縁性が向上していることが、これらの公報において指摘されている。
そこで、発明者らは、これらの手法に従って試験を行った。その結果、この技術によって得られた軟磁性金属粉末は、他の従来技術に比べると、ある程度絶縁性が改善されることが確認された。しかしながら、絶縁性は依然として不十分であり、その上シリコン添加による軟磁性金属粉末の硬度上昇が原因となって圧粉体密度の低下が生じ、結果として十分な磁束密度が得られないという問題があることが判明した。
さらに、特許文献12には、軟磁性金属粉末の表面を高抵抗物質で被覆し、さらにその高抵抗物質の表面をリン酸系化成処理液で処理して二層の絶縁層をもった粉末を用いることで、比抵抗が高く高密度な軟磁性成形体を得る方法が提案されている。
しかしながら、この技術は、リン酸系化成膜が高温で変質してしまうため600℃以上の 温度では熱処理できないという問題があった。
また,発明者らが試験したところ、400℃以上で焼鈍すると比抵抗が大幅に低下してし まい所期の狙いを実現することは困難であることが判明した。
ところで、発明者らは、先に、上記の問題を解決するものとして、素材粉末の表面に酸化物を存在させ、次にその上に酸化物などの耐熱性に優れた絶縁物質を存在させ、さらに加熱等により結合強化処理を行って、2つの部分を互いに強固に固着することにより、耐熱性および絶縁性に優れた軟磁性金属粉末、さらにはかかる粉末を素材とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を開発し、特許文献13および特許文献14において開示した。
特開昭58−147106号公報 特開昭62−71202号公報 特開平6−260319号公報 特開2004−103778号公報 特開平11−238613号公報 特開平9−180924号公報 特表2001−510286号公報 特開2003−332116号公報 特開平2−97603号公報 特開2003−297624号公報 特開2003−142310号公報 特開2001−85211号公報 特願2004−317235号明細書 特願2005−51149号明細書 堀江ら:日本応用磁気学会誌, Vol.22, No.2, P.45 (1998)
本発明は、上掲した特許文献13および特許文献14に開示の技術の改良に係り、アトマイズ純鉄粉またはアトマイズ合金粉の表面に被覆する絶縁層の密着性ひいては絶縁性を一層向上させた軟磁性金属粉末、およびかかる粉末を素材として製造した磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を提供することを目的とする。
特許文献13および特許文献14に開示の技術は、表面に酸化物(好適には層状態)をそなえるアトマイズ純鉄粉またはアトマイズ合金粉の表面を、耐熱性に優れた絶縁物質(好適には層状態)で覆い、結合強化処理を施すことによって、両者を強固に結合するものであり、酸化物(層)と絶縁物質(層)は2層状態で存在するものであるが、発明者らの研究によれば、両者を結合するための結合強化処理をさらに強化し、酸化物層と絶縁層の2層を、固相反応により相互拡散させて単一の金属酸化物層とすることにより、被膜密着性が格段に向上に、それに伴い絶縁性も有利に向上することの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)表面に金属化合物層をそなえるアトマイズ純鉄粉またはアトマイズ合金粉であって、該金属化合物層は、該アトマイズ純鉄粉または該アトマイズ合金粉の表面に形成した酸化物層とその上に被覆した絶縁物質の層とを、結合強化処理による固相反応により単一層として形成したものであることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(2)上記(1)において、前記結合強化処理が、非酸化性雰囲気中、750〜1200℃、60〜240分の加熱処理であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(3)上記(1)または(2)において、前記アトマイズ合金粉が、Fe−Si系合金粉末、Fe−Al系合金粉末およびFe−Ni系合金粉末の内から選んだいずれかであることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記アトマイズ純鉄粉または前記アトマイズ合金粉の表面に被覆した絶縁物質が、Fe,Si,Ni,Al,Mn,Ti,Mg,Li,Mo,Nb,Hf,Zr,ScおよびZnのうちから選んだ一種または二種以上の元素を含む物質であることを特徴とする、圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記アトマイズ純鉄粉または前記アトマイズ合金粉の表面に形成した金属化合物層が、金属酸化物層であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(6)上記(5)において、前記金属酸化物層を構成する金属元素が、Fe,Si,Ni,Al,Mn,Ti,Mg,Li,Mo,Nb,Hf,Zr,ScおよびZnのうちから選んだ一種または二種以上であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記金属化合物層の表面を、さらにシリコーン樹脂層で被覆したことを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の軟磁性金属粉末を、金型に充填し、加圧成形後、焼鈍処理を施して得たことを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
(9)上記(8)において、前記焼鈍処理が、非酸化性雰囲気中、600℃以上、30分以上の処理であることを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
本発明によれば、圧縮性に優れかつ高い絶縁性を有する軟磁性金属粉末を得ることができる。
従って、上記の軟磁性金属粉末を素材とすることにより、磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
図1(a)に、本発明に従う軟磁性金属粉末の代表的な被覆構造を示す。図中番号1は素材であるアトマイズ純鉄粉またはアトマイズ合金粉である。以下、本明細書では、アトマイズ純鉄粉とアトマイズ合金粉の両者を総称して表記する場合にはアトマイズ合金粉末と呼称する。番号2はアトマイズ合金粉末の表面に形成された金属化合物層、番号3は、絶縁性向上を目的として被覆されたシリコーン樹脂層である。なお、本発明においては、番号3のシリコーン樹脂層は必須ではない。
本発明において、番号2で示される金属化合物層は、図1(b)に示すように、アトマイズ合金粉末の表面の酸化物層2-1とその上に被覆した絶縁物質の層2-2とが、結合強化処理による固相反応により、相互拡散した単一層となっているところに特徴を有している。
従来、アトマイズ合金粉末の表面に形成される絶縁層(図1(a)の番号2に相当)は、単に素材粉末(図1(a)の番号1に相当)の表面に乗っていただけなので、両者間の結合力は極めて小さかった。そのため、加圧成形時に絶縁層が剥がれ、結果として歪取り焼鈍後の絶縁性低下を余儀なくされた。
これに対し、本発明の軟磁性金属粉末は、原料アトマイズ合金粉末を直接酸化させて形成した酸化物層とその上に被覆した絶縁物質の層とを、固相反応により一体化して金属化合物層としたものであり、上記酸化物層は原料粉末と連続的な界面を持つため原料粉末との結合力が強く、また上記金属化合物層は、かように原料粉末と強固に結合した酸化物層と絶縁物質の層と固相反応により一体化したものであるので、上記金属化合物層は従来に比べると原料粉末に対して格段に高い結合力を有している。
かような構造を採ることにより、加圧成形時に粉末表面に作用する応力によっても絶縁被膜が剥がれることなくなり、作製された圧粉磁心は 600℃以上の温度にて歪取り焼鈍を行った後も、依然として高い絶縁性を示す。そのため、従来困難であったヒステリシス損失と渦電流損失の双方を低減させることが可能になるので、非常に鉄損が低い圧粉磁心が得られる。
また、従来のシリコーン樹脂だけを被覆した技術の場合には、600℃以上の温度でシリ コーン樹脂の分解による絶縁性の低下が生じていた。しかしながら、本発明では、シリコーン樹脂の下に合金粉末と強く結合し、さらに高い耐熱性と絶縁性を示す金属酸化物層が形成されているので、600℃以上の温度での加熱によりシリコーン樹脂の分解が若干進行しても、下層の絶縁被膜(金属酸化物層)によって合金粉末間の絶縁性が維持されるため、十分満足のいく絶縁性が確保される。
なお、従来のFe−Si合金粉を用いた技術では、表面の絶縁性を高めるために、軟磁性金属粉末中にシリコンを比較的多量に含有させる必要があった。そのため、圧縮性の低下を招き、結果として磁束密度の低下を余儀なくされていた。
しかしながら、本発明においては、軟磁性金属粉末原料に由来する酸化物層の上に、別途絶縁層を被覆し、さらに結合強化処理による固相反応により金属化合物層を形成することによって、金属粉末中にシリコンを多量に含有させることなく、Fe−Si合金粉を用いた従来技術と同等またはそれ以上の絶縁性を得ることが可能となった。その結果、多量のシリコンを含ませていないので圧縮性の低下が防止され、ひいては高い磁束密度を得ることができるのである。
以下、各構成要件について詳細に説明する。
(原料粉末)
本発明で用いる原料粉末は、アトマイズ純鉄粉またはアトマイズ合金粉であり、これらはいずれも、強磁性で、アトマイズ法による作製時に表面に酸化物絶縁層が形成される。代表的なアトマイズ合金粉末としては、Siを0.005〜1.0mass%含有するFe−Si系合金粉末、Alを3〜20mass%含有するFe−Al系合金粉末、Niを20〜80mass%含有するFe−Ni系合金粉末などが挙げられる。なお、これらの合金粉末には、上記した基本成分の他に、圧縮性や圧粉磁心の磁気特性などに悪影響を及ぼさない範囲で、他の元素を適宜含有させることができるのは言うまでもない。
なお、アトマイズ純鉄粉は、合金粉に比べて、より軟質で、磁束密度が高いので、圧粉磁心として場合に、合金粉を用いた場合に比べて、より高い磁気特性が得られるという利点がある。ここに、純鉄粉とは、Feの濃度が99.8mass%以上のものを指す。
また、原料粉末の粒度については特に制限はなく、圧粉磁心の用途や要求特性に応じて、適宜決定すればよい。
なお、上記した合金粉末のうち、特に合金成分としてシリコンを添加した場合は、純鉄粉に比べて磁気異方性が低下するので、透磁率や磁束密度などが高くなるという性質がある。その上、シリコンは粉末表面に拡散し易いので表面に濃化し易いという性質がある。表面で濃化したシリコンは空気中の酸素などで容易に酸化され、絶縁性に優れたシリカへと容易に変化する。そのためシリコンを添加した粉末は、磁気特性に優れ、その上絶縁性が高いという特徴がある。従って、本発明において合金粉末としてはFe−Si系合金粉が特に好適である。なお、この場合、Si量が0.005mass%に満たないと十分な絶縁性が得られ ず、一方1.0mass%を超えると圧縮性が低下して透磁率や磁束密度が低下するという問題 が生じる。より好ましくは0.01mass%以上、0.5mass%以下の範囲である。
(原料粉末表面の酸化物層)
この酸化物層は、原料粉末をアトマイズ法で製造する過程で積極的に形成させる。従来、アトマイズ粉の製造に際しては、かような酸化物層の形成は極力回避するのが常であったが、本発明ではこれとは逆に積極的に表面を酸化させて、原料粉末の表面全面に酸化物層を形成するのである。原料粉末が純鉄粉の場合には表面に鉄酸化物が形成される。かかる鉄酸化物の組成は、通常FeO−Fe2O3であるが、FeO−Fe2O3−Fe3O4の場合またはアモルファスとなっている場合もある。また、原料粉末がFe−Si系合金の場合には表面にSiO2が、Fe−Al系合金の場合には表面にAl2O3が、Fe−Ni系合金の場合には表面にNiOがそれぞれ形成される。
また、かかる酸化物層の量は、アトマイズ法における製造条件(例えばアトマイズ時粉末化に用いられる媒質[例えば水を用いる方法など]、アトマイズを行う雰囲気中の酸素濃度の調整、アトマイズ後の加熱あるいは媒質の乾燥条件[温度、時間、雰囲気]等)を制御することによって、適宜調整することができる。
ここに、酸化物層の好適厚みは、粉末中に含有される合金成分の量によって幾分変化するが、概ね0.5〜1000nm程度が好適である。
このようにして形成された酸化物層は、原料粉末と酸化物の界面部における成分濃度変化が連続的なものとなるため、例えば接着した場合のように成分濃度が非連続的に変化する場合に比べると、原料粉末との密着性は極めて優れている。
(絶縁物質の層)
上記した酸化物層の表面に被覆する絶縁層の素材である絶縁物質としては、好ましくは上記した酸化物よりも絶縁性が高く、かつ酸化物との間で結合強化処理が可能であるならば、どのようなものでも構わない。その中でも、絶縁性に優れ、なおかつ耐熱性に優れた材質は、本発明の最終的な目的である耐熱性に優れた絶縁被膜を形成するという目的を達成するためにとりわけ好適である。
このような絶縁物質としては、例えば絶縁性の高いFe,Si,Ni,Al,Mn,Ti,Mg,Li,Mo,Nb,Hf,Zr,ScおよびZn等の金属元素の酸化物、炭酸塩や硫酸塩などに代表される塩などが挙げられる。本発明においては、これらを単体で用いても構わないし、併用しても構わない。
また、本発明においては、上記した材料の原料や前躯体となるものを用いても構わない。このようなものとしては、例えばアルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル等のように酸化物を水和した溶液、あるいは上気した金属の錯体溶液やアルコキシド溶液などの前駆体を分散・溶解した溶液などが挙げられる。また溶液に粉末を分散した形態のものなど、複数の形態が混在した状態のものを用いても構わない。勿論、ここに挙げたもの以外の形態であっても、最終的に絶縁層が形成されるのであれば、それを用いても構わない。
なお、本発明においては、上気した物質の中でも、酸化物あるいはその前駆体となる材料を用いることが好ましい。これは、酸化物を用いた場合、後述する金属酸化物層の合成反応が、塩を用いた場合に比べて起き易いという特徴があるためである。このような材料としては、酸化物の他にアルコキシドなど酸化物前駆体となるもの、加熱すると分解して酸化物となる炭酸塩、水洗すると水と反応して酸化物を形成する塩化物を形成しなくても、ある程度の反応は進むので、酸化物あるいはその前駆体以外の材料を用いても、構わない。
かような絶縁層を形成する方法としては、例えば、上記した酸化物をそなえる合金粉末に、絶縁物質を添加した上で混合して材料を被覆する方法、CVD、PVDなどの気相蒸着法で被覆する方法、あるいはこれらの方法を複数組み合わせた方法などが挙げられる。勿論、ここに記載した方法以外の方法を用いても構わない。
上記の方法の中でも、原料粉末に絶縁物質を混合して被覆する方法は、被覆成分、被覆成分の付着量、被覆層厚み等の調整が容易であるため、確実に所望の絶縁被膜が得られるので好ましい。
かような混合手段としては、アトライター、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどの混合装置を用いた混合処理が挙げられる。
また、絶縁物質の材料として、前記したアルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾルのように酸化物を水和した溶液、あるいは前記した金属の錯体溶液やアルコキシド溶液などの前駆体を分散・溶解した溶液などを用いると、粉末を原料とする場合に比べ、緻密かつ均一な状態で絶縁層を形成することが可能である。このような絶縁層を形成することにより、得られた粉末は最終的に高い絶縁性を示すようになり、本発明においては特に好適である。さらに、酸化物を水和した溶液の場合、加熱によって分子中の水分を飛散させれば、加熱しても重量減少や体積減少が起き難い耐熱性に優れた絶縁被膜を形成するので、本発明においてはさらに好ましい。
本発明では、原料粉末に対する絶縁物質の添加量は0.01〜5.0 mass%程度とすることが好ましい。というのは、添加量が0.01mass%を下回ると、添加量が少なすぎるために被覆が不均一となって、十分な絶縁性が得難く、さらに強度も低下する。一方 5.0mass%を超えると、圧粉磁心中の原料粉末の割合が低下するので、その分磁束密度の低下を招き好ましくない。
(結合強化処理)
さて、本発明においては、上記した酸化物層と絶縁物質層の密着性を向上させるために、結合強化処理を施す。この処理は、耐熱性に優れた酸化物と絶縁物質層を固相反応により一体化し強固に固着させて、密着性に優れた絶縁被覆(金属化合物層)が確実に得られるように十分な処理とする。従って、本発明においては、この処理は極めて重要である。
なお、この処理に、熱処理を用いる方法は、既知の知見を利用することによる柔軟な物質設計が可能であることに加え、機械的手法や化学反応を利用する方法に比べて局所的な反応が起き難いため、処理粉末全体で均一な状態を得ることが容易であり、工業的な生産も容易であり、さらには装置全体が簡便であるという特徴をもち、本発明の軟磁性金属粉末を作製するための結合強化処理方法として、極めて有効である。
この点、メカノフュージョン等の強力なせん断力を付与する手法を結合強化処理して利用した場合は、固相反応が単一層を形成せしめるほどに十分でなく
(1)処理度合いが粉末表面の部分部分によってムラが生じやすいため均一な絶縁被覆形成が難しい、
(2)絶縁被覆と金属間の結合は、物理的な結合によるものであり化学的な結合ではないので、密着性が化学的な結合によるものに比べて低く、絶縁被覆が不均一なものになる、
(3)絶縁被覆中に金属が介在した状態になるため、絶縁被覆そのものの絶縁性が低い
という問題があるため、十分な絶縁性が得られない。
その上、加工時の強いせん断力により、粉末に応力歪みが加わるため圧縮性が低下し、加えて加工により粉末が球状化するので、この粉末を成形した試料は著しく脆いものになり、実用上取り扱いが難しい。
かような熱処理の際における、処理温度、時間、雰囲気などの条件は、用いる材料の組み合わせによって変化するが、原料粉末や絶縁物質の融点、それぞれの物質相互間及び材料内での物質の拡散係数、酸素などに代表される各成分量、それぞれ材料の粒径、絶縁物質の添加量などを考慮して決定すればよい。例えば絶縁層材料が、固相反応の起こりにくいAl2O3やSiO2などの高融点材料の場合には、750℃以上、1200℃以下程度とするのが好ましい。というのは、処理温度が750℃未満では物質拡散が不十分になるので密着性向上の効果が小さく、一方1200℃超では、原料粉末相互での拡散が著しくなり粉末同士が焼結してしまうからである。一旦焼結した材料を再度粉末化するには、巨大な力を加えて粉砕する必要がある。このような巨大な力が作用すると、一旦原料粉末と接合した絶縁物質が脱落してしまい、絶縁性改善の効果が不十分になる。その上、巨大な力によって原料粉末に加工歪みが入るため加工硬化が起きる。このような粉末を成形して得られる試料の圧粉体密度は極めて低いものになるため、磁束密度の低下が避けられない。
また、時間についても、用途に応じて適宜決定すればよい。好適には60〜240分である。
さらに、かかる熱処理における雰囲気は、非酸化性雰囲気とすることが好ましく、用途に応じて窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性雰囲気、水素ガス、アンモニアガス、RXガスなどの還元性雰囲気あるいは真空下などから適宜選べばよい。また、熱処理中に雰囲気を切り替えても構わない。
なお、ここでの熱処理温度は、後述する成形体の焼鈍温度よりも高いことが好ましい。温度が低いと強化処理が十分でなくなるだけでなく、結合強化処理時に未反応だった部分が成形体焼鈍時に反応し、その際ガスが発生して成形体破壊を引き起こしたりするので好ましくない。従って、結合強化のための熱処理温度は、成形体の焼鈍温度に対して+10〜+150℃程度とすることが好ましい。特に好ましくは+50〜+150℃の範囲である。
上記したような加熱による結合強化処理を行うと金属化合物層2は強い結合力を示す。これは、アトマイズ合金粉末の表面にもともと形成されていた酸化物と、その後被覆した絶縁物質が固相反応することによって一体に形成されているためである。純鉄粉またはアトマイズ合金粉末(以下、単に「アトマイズ合金粉末」と記載する)の表面にもともと形成されていた酸化物層は、原料粉末と連続的な界面を持つため原料粉末と強い結合力を持つ。本発明では、その酸化物と被覆した絶縁物質が固相反応して番号2で示される金属化合物層を形成するので、この金属化合物層2の原料粉末1に対する結合力も強くなる。
このような反応が起きるのは、熱エネルギーによって原子の相互拡散が起きるためである。そして、この拡散は、合金化合物(酸化物や金属塩)と酸化物の方が、金属化合物と金属の場合に比べて起きやすいため、アトマイズ合金粉末の表面に酸化物を形成しておくことが必要なわけである。とりわけ、酸化物同士の場合は、双方に存在する酸素原子が拡散するため、より強い結合が得られる。さらに、金属原子のイオン半径が同程度のものである場合は、金属原子が相互に拡散するために、一層強い結合が得られる。特に、固溶体を形成する酸化物の組み合わせを用いた場合、拡散が阻害されないため、その反応が進行し易く、強い結合を持つ被覆が形成される。
従って、本発明では、アトマイズ合金粉末上の表面酸化物層と固溶体を形成する酸化物、あるいはその酸化物前駆体を絶縁層2-2の材料として用いることが好ましい。また、この固体中での原子拡散は、イオン半径が近い物ほど起き易い。表面酸化物には析出時に混在した鉄原子が存在する。例えば、鉄(Fe)原子とイオン半径が同程度の酸化物を絶縁物質層2-2の原料として用いた場合、その原料と表面酸化物との間で鉄原子と原料中の原子が交換し、拡散が進行し、固溶体化が進む。この固溶体化した絶縁層(金属化合物層)2は酸化物を解して原料粉末と強固に結合したものとなる。
本発明において、原料粉末表面上に形成される酸化物層には、その析出過程において不可避的に鉄原子(Fe)が混入する。従って、上記のメカニズムを用いた結合を企図する場合、鉄原子を拡散させる方法は容易に進められるという特徴がある。従って、本発明では、絶縁物質2-2の材材料として、鉄原子と近いイオン半径を持つ元素を含む材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えばSi、Ni、Al、Mn、Ti、Mg、Li、Mo、Nb、Hf、Zr、Sc、Znなどの金属原子を含む材料、あるいはFeそのものなどが挙げられる。
なお、従来から、このような固相反応が発生することについては可能性が指摘されていた。しかしながら、粉末の表面への固相反応を利用した絶縁被覆を形成した実例はほとんど知られていない。この原因は、従来は固相反応の原料材料を酸化物固体として供給していたことにある。酸化物粉末の鉄粉表面に対する付着力は著しく弱いため、固相反応を発生させる以前に剥がれてしまうという問題があった。さらに、酸化物を用いた場合は、固相反応を起こす温度を高くする必要があった。これらの理由があいまって、固相反応を企図して粉末を加熱すると、粉末同士の焼結してしまいケーキ状となってしまう。これを砕いて粉末化する際に、一部反応した部分も機械的な力で剥がされてしまい、結果として初期の目標を満たす粉末は得られなかった。
本発明においては、この問題点を回避するために、固相反応原料を供給する手段として金属アルコキシド、あるいは同様の効果が得られるナノ分散型の酸化物ゾル(たとえばアルミナゾルなど)を用いることが好ましい。その中でも特に、金属アルコキシドは溶液に可溶なので、鉄粉表面を均一に被覆することが容易に出来、結果として酸化物固体を鉄粉表面に均一に被覆することができるという特徴がある。その上、形成される酸化物はナノ結晶状態をとるため粉末を用いた場合より固相反応が低温で起きるようになるためである。その結果、固相反応処理後もケーキ状になることが無くなり、絶縁被覆の機械的な力による破壊を防止できる。また、粉砕工程が省略できるので製造コストも著しく低減される。従って、金属アルコキシドを原料として用いることは極めて好ましい。
なお、本発明に従う金属化合物層を構成する酸化物と絶縁物質は、特に耐熱性を持つことが好ましい。というのは、これらの耐熱性が低いと、シリコーン樹脂層の耐熱性が十分に高くても所望の耐熱性が得られなくなる場合がある。なお、ここでいう耐熱性を持つとは、軟磁性金属粉末を圧粉磁心にして、さらにその圧粉磁心を焼鈍した後にも絶縁性が維持されていることを意味する。従って、この条件を満たす物質なら、どのような物質を用いてもかまわないし、評価に利用する指標にも特に制限はない。
また、本発明における金属化合物層の膜厚は、20〜1000nm程度とすることが好ましい。というのは、膜厚が20nmに満たないと十分な絶縁性が得られず、一方1000nmを超えると透磁率などの磁気特性が不十分となるからである。
ここに、原料粉末の表面に一体化した金属化合物層ができたことは、オージュ電子分光法(AES)による深さ分析により確認することができる。
(シリコーン樹脂層)
このようにして得た軟磁性金属粉末に、さらに耐熱性に優れたシリコーン樹脂を被覆して最外層を形成してもよい。これにより、圧粉磁心の絶縁性がさらに向上し、その上成形体強度まで向上させることが可能である。
シリコーン樹脂としては、分子内に3官能性(T単位)、あるいは4官能性(Q単位)シロキサン単位を含有するポリオルガノシロキサン等が有利に適合する。かかるシリコーン樹脂は、シリコーンオイルやシリコーンゴムなどに比べ架橋密度が高く、硬化物は硬いという特徴があり、本発明に好適である。ところで、シリコーン樹脂は、成分がシリコーンのみから構成されるストレートシリコン樹脂と、シリコーン成分と有機樹脂の共重合体であるシリコーン変成有機樹脂に大別されるが、本発明においては、そのいずれを使用しても構わない。ストレートシリコーン樹脂は、MQレジンとDTレジンに大別されるが、本発明においては、そのいずれを用いても構わない。シリコーン変成有機樹脂としては、アルキド変成型、エポキシ変成型、ポリエステル変成型、アクリル変成型、フェノール変成型などが挙げられるが、本発明においては、そのいずれを用いても構わない。また、シリコーン樹脂には、加熱すると硬化するタイプのものと、室温においても硬化が進行するタイプのものがあるが、本発明においてはその何れを用いても構わない。シリコーン樹脂の硬化反応には、いくつかのタイプがあり、例えば加熱硬化型シリコーン樹脂の硬化の機構は大きく分けて、脱水縮合反応、付加反応、過酸化物反応によるものに、室温硬化型シリコーン樹脂の硬化の機構は、脱オキシム反応、脱アルコール反応によるものに区別することができる。本発明において用いられるシリコーン樹脂は、上記にある何れかの硬化反応によって硬化するものであれば良い。
本発明で使用されるシリコーン樹脂としては、たとえば東レダウコーニングシリコーン社の製造する、SH805 , SH805, SH806A ,SH840, SH997, SR620, SR2306, SR2309, SR2310, SR2316, DC12577, SR2400, SR2402, SR2404, SR2405, SR2406, SR2410, SR2411, SR2416, SR2420, SR2107, SR2115, SR2145, SH6018, DC6-2230, DC3037, DC3074, QP8-5314や、信越化学の製造する KR251, KR255, KR114A, KR112, KR2610B, KR2621-1, KR230B, KR220, KR220L, KR285, K295, KR300,KR2019, KR2706, KR165, KR166, KR169, KR2038, KR221, KR155, KR240, KR101-10, KR120, KR105, KR271, KR282, KR311, KR211, KR212, KR216, KR213, KR217, KR9218, SA-4, KR206, KR5206, ES1001N, ES1002T, ES1004, KR9706, KR5203, KR5221,X-52-1435などが挙げられる。勿論、ここに挙げた以外のシリコーン樹 脂を使用しても構わない。また、これらの物質、あるいはこれらの原料物質を変成したシリコーン樹脂を使用しても構わない。さらに、種類、分子量、官能基が異なる2種以上のシリコーン樹脂を、適当な割合で混合したシリコーン樹脂 を使用しても構わない。
最外層を構成するシリコーン樹脂を軟磁性金属粉末に添加あるいは被覆する際は、粉末状のものを混合してもよいし、あるいはシリコーン樹脂を溶剤に溶かし、その溶液と軟磁性金属粉末を接触させることで混合あるいは被覆してもかまわない。溶液にする場合、溶剤にはシリコーン樹脂が溶解するものであれば、いずれを用いてもよい。このような材料としては、例えばエタノールやメタノールに代表されるアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトンに代表されるケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、安息香酸などに代表される芳香族系溶剤、リグロイン、ケロシンなどの石油系溶剤が挙げられる。シリコーン樹脂を溶解し易い芳香族系溶媒が、特に好ましい。また、シリコーン樹脂が可溶なら、水を用いても構わない。その溶液の濃度は、施工のし易さや乾燥時間などを勘案して決めれば良い。さらに、シリコーン樹脂溶液の粘度・チキソトロピー性・レベリング性、また塗布後の乾燥時間、樹脂が硬化するまでの時間、樹脂の硬化温度や硬化時の架橋密度などを制御するために、上記塗料に若干の添加物を加えてもよい。このような添加物としては、シリコーン樹脂の硬化を制御するステアリン酸金属塩などの金属石鹸、パーフルオロアルキルなどの界面活性剤などがあげられる。なお、溶剤にして添加するとシリコーン樹脂の偏析が防止できるため、添加量が同一であっても粉末を用いた場合に比べ圧粉磁心の絶縁性が改善されるので、本発明においては溶液状にして添加することが好ましい。
なお、最外層を構成するシリコーン樹脂の添加は、最初に全量添加しても良いし、撹拌の途中で分割して添加しても良い。また、撹拌時にスプレーノズルを通して噴霧してもよい。本発明で用いられるシリコーン樹脂溶液をスプレーノズルを通して噴霧・添加すると、本発明で用いられるシリコーン樹脂溶液が軟磁性金属粉末に対して均一に添加され、皮膜も均一になるので好適である。撹拌混合には、アトライタ、ヘンシェルミキサー、ボールミル、流動造粒機、転動造粒機などを利用するのが一般的である。流動造粒機や転動造粒機のように、流動槽による撹拌を行なうと、粉体同士の凝集が抑制されるので好適である。また、流動槽に対してスプレーを通して本発明で用いられるシリコーン樹脂溶液を噴霧すると、スプレー噴霧による効果と、流動槽を利用した効果が複合し、一層均一な被覆が得られるので、特に好ましい。溶媒の乾燥を促進やシリコーン樹脂の硬化などを目的として、混合中あるいは混合後に加熱処理を行なっても良い。
本発明において、最外層を構成するシリコーン樹脂の添加量は、軟磁性金属粉末に対してシリコーン樹脂の固形分量(固形分量=添加した溶液量−溶液中の溶剤量)で軟磁性金属粉末に対して0.01〜5mass%程度とすることが好ましい。添加量が0.01mass%を下回ると、シリコーン樹脂が少なすぎるために原料粉末の被覆が不均一となり絶縁性改善の効果が不十分となり、一方5mass%を超えた場合には、圧粉磁心中の原料粉末の割合が著しく低下するので、磁束密度の低下を招き好ましくない。
以上の方法によって作製された、絶縁被覆付き軟磁性金属粉末は、必要に応じて潤滑剤などが添加された後、金型などを用いて加圧成形される。潤滑剤としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、あるいは脂肪酸アミドなどのワックスが挙げられる。軟磁性金属粉末に対して潤滑剤を添加せず、金型表面に潤滑剤を塗布する金型潤滑を用いてもよい。
成形圧は、用途に応じて適宜決定すれば良いが490〜1960MPa程度とするのが好ましい。成形圧が490MPaを下回ると、成形体密度が低くなるため磁束密度が低くなるという問題が生じ、一方1960MPaを超えると成形時の金型磨耗が顕著となり実用的でない。
上記の成形後、加圧時に鉄基粉末に加えられた歪を解放してヒステリシス損失を低減させるために、成形体を 600℃以上の温度で保持しながら、焼鈍することが特に好ましい。特に好ましい焼鈍温度は800℃以上である。また前述した理由より、かかる焼鈍温度は、 結合強化処理時の温度より−10℃〜−150℃程度とすることが好ましい。特に好ましくは −50℃〜−150℃である。また、焼鈍時間は30分以上とすることが好ましい。焼鈍雰囲気 は、ArやN2などの不活性雰囲気、水素などの還元性雰囲気、あるいは真空などの非酸化性雰囲気とすることが好ましい。水蒸気の露点は用途等に応じて適宜決定すれば良い。焼鈍の際の昇温速度、降温速度は、熱膨張率の違いにより絶縁被覆の破壊、急冷による軟磁性金属粉末の金属組織内での熱歪みの発生などを防止するため、20℃/分以下程度とすることが好ましい。また、昇温時あるいは降温時に、一定の温度で保持する段階を設けてもよい。
実施例1
原料粉末としては、アトマイズ法により製造した表1に示す8種類の合金粉末を用いた。各合金粉末の成分、粒度分布および粉体特性(見かけ密度)を表1に示す。
なお、本発明は、あらゆる強磁性を示す金属粉末に対して有効である。従って、実施例に無い強磁性を示す金属粉末に対しても、勿論ながら本発明は有効である。
Figure 2007194273
次に、絶縁物質を被覆した。ここでは表2に示す材料を使用した。溶液状のものは濃度:10mass%の溶液を準備した後、転動流動層によって被覆処理を施した。粉末状のものは原料粉末に耐熱性に優れた絶縁材料を添加した後、ヘンシェルミキサーで10分間混合した。さらに、表2に併せて示した熱処理による結合強化処理を行い、金属化合物層を形成した。なお、比較例4は、結合強化処理としてメカノフュージョンを利用した。結合強化処理後、目開き180μmのふるいで分級して軟磁性金属粉末を得た。
得られた軟磁性金属粉末について、AESによる被覆の深さ方向の成分分析を行った。AESの測定条件は、PHISICAL ELECTONICS社製PHI MODEL 660にて、加速電圧:10kV、試料電流:0.2μA、測定領域:20μm平方の正方形、試料傾斜角:30°とした。AES分析の結果から、得られた軟磁性金属粉末は、酸素、添加した合金元素および絶縁物質原料に含有される元素の全ての元素を含有する酸化物層を有し、またその酸化物層の厚さは20〜1000nmの範囲にあった。
その結果も表2に示す。
さらに、いくつかの実施例においては、得られた軟磁性金属粉末に、シリコーン樹脂による最外層を形成した。シリコーン樹脂としては、東レダウコーニング社のSR2400を用いた。被覆に当たっては、樹脂をキシレンにて濃度:5mass%とした溶液を用いた。軟磁性金属粉末に対するシリコーン樹脂の被覆は、転動流動槽型被覆装置により実施した。シリコーン樹脂溶液の添加は、原料粉末を装置容器内で流動化させた上で、スプレーを用いてその流動状態にある粉末に対し、被覆材を固形分添加量が表2に示す量になるように噴霧することにより行った。噴霧終了後、乾燥のために20分間流動状態を保持して、原料粉末の上に被覆材を被覆した軟磁性金属粉末を得、さらに大気雰囲気中にて、250℃で60分間加熱することで シリコーン樹脂を加熱硬化して、軟磁性金属粉末試料を得た。
表2に、使用した軟磁性金属粉末と絶縁物質、シリコーン樹脂およびシリコーン樹脂の固形分添加量を併記する。
かくして得られた軟磁性金属粉末を、金型に充填し、加圧成形して測定用のリング試料(外径:38mm,内径:25mm,高さ:6.2mm)を得た。成形圧は 980MPaとした。加圧の際の潤滑は、水にステアリン酸亜鉛を分散させた潤滑剤溶液を金型面に塗布する金型潤滑とした。さらに、一部の試料については、表3に示した温度にてN2ガス雰囲気下で60分の焼鈍を行った。
表3に、成形圧、成形時の潤滑剤添加量、成形体試料の焼鈍温度を示す。
上記のようにして得られた試料を用いて、圧粉体密度、比抵抗、磁束密度、鉄損を測定した。圧粉体密度は、試料の寸法と重量を測定し、その値を用いて算出した。比抵抗は四端子法にて測定した。通電電流は1Aとした。磁束密度は、リング試料にφ0.6mm のホルマル被覆導線を 1次側:100巻、2次側:20巻したコイルを用い、磁界H=10 kA/mでの磁束密度B10kで評価した。鉄損は、リング試料にφ0.6mm のホルマル被覆導線を1次側:40巻、2次側:40巻したコイルを用いて、周波数:200Hz 〜10kHz、磁束密度Bm=0.2Tの条件で評価した。鉄損については、周波数:5kHz,磁束密度:0.2Tの値(W2/5k)で評価した。
得られた結果を表3に併記する。
Figure 2007194273
Figure 2007194273
表3に示したとおり、発明例はいずれも比較例に較べて、比抵抗と磁束密度が高く、鉄損が低いことが分かる。これより、本発明により低鉄損で高磁束密度となる圧粉磁心が得られることが分かる。
発明例と比較例1〜3との比較から、K、Srなどのようにイオン半径が鉄(Fe)に比べて大きい元素を用いた場合、本発明の効果である比抵抗の上昇という効果が得られず鉄損が上昇してしまうことが分かる。これより、本発明のように用いる元素のイオン半径が鉄と同等であることが好ましいことが分かる。
発明例14〜19,21〜22の結果から、本発明はSiやAl,Niなどを含有する合金粉にも有効であることが分かる。ただし、発明例14、15と16の比較から明らかなように、原料粉中のSiが増えると圧縮性が低下し、その結果磁束密度が低下している。これより、本発明は、Si量は0.5mass%以下の場合に、特に有効であることが分かる。
また、比較例4の結果から、メカノフュージョンのように強力なせん断力を用いた結合強化処理では、発明例に比べて比抵抗が低く、鉄損が増大することが分かる。これより、本発明で用いた加熱処理による結合強化処理法が有効であることが分かる。
さらに、発明例1〜5と6〜13の比較から、シリコーン樹脂を用いると比抵抗の改善が認められることが分かる。これより、本発明においてはシリコーン樹脂を用いても良いことが分かる。
本発明により、圧縮性に優れかつ高い絶縁性を有する軟磁性金属粉末および軟磁性金属粉末を使用して磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を得ることができ、その結果、積層鉄心やソフトフェライトコアの代替となる圧粉磁心を得ることができる。
(a)は、本発明に従い結合強化処理を施して金属化合物層を形成した合金粉末の断面図であり、(b)は、結合強化処理前の酸化物層と絶縁物質層の被覆状態を示す断面図である。
符号の説明
1 アトマイズ合金粉末
2 金属化合物層
2-1 酸化物層
2-2 絶縁物質層
3 シリコーン樹脂層

Claims (9)

  1. 表面に金属化合物層をそなえるアトマイズ純鉄粉またはアトマイズ合金粉であって、該金属化合物層は、該アトマイズ純鉄粉または該アトマイズ合金粉の表面に形成した酸化物層とその上に被覆した絶縁物質の層とを、結合強化処理による固相反応により単一層として形成したものであることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  2. 請求項1において、前記結合強化処理が、非酸化性雰囲気中、750〜1200℃、60〜240分の加熱処理であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  3. 請求項1または2において、前記アトマイズ合金粉が、Fe−Si系合金粉末、Fe−Al系合金粉末およびFe−Ni系合金粉末の内から選んだいずれかであることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記アトマイズ純鉄粉または前記アトマイズ合金粉の表面に被覆した絶縁物質が、Fe,Si,Ni,Al,Mn,Ti,Mg,Li,Mo,Nb,Hf,Zr,ScおよびZnのうちから選んだ一種または二種以上の元素を含む物質であることを特徴とする、圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記アトマイズ純鉄粉または前記アトマイズ合金粉の表面に形成した金属化合物層が、金属酸化物層であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  6. 請求項5において、前記金属酸化物層を構成する金属元素が、Fe,Si,Ni,Al,Mn,Ti,Mg,Li,Mo,Nb,Hf,Zr,ScおよびZnのうちから選んだ一種または二種以上であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記金属化合物層の表面を、さらにシリコーン樹脂層で被覆したことを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の軟磁性金属粉末を、金型に充填し、加圧成形後、焼鈍処理を施して得たことを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
  9. 請求項8において、前記焼鈍処理が、非酸化性雰囲気中、600℃以上、30分以上の処理であることを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
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