JP2007191018A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、クラッチから駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置において、電動機の回生時にクラッチのスリップ状態を適切に制御して燃費を向上する。
【解決手段】第2モータジェネレータMG2の回生時にエンジン回転速度Nが所定の回転速度N’となるようにスリップ制御手段122によりクラッチK(例えば第1クラッチC1)のスリップ状態が制御されるので、クラッチKが完全係合されている場合に比較してクラッチKより上流の負荷例えばエンジン12の回転抵抗が抑制されて、第2モータジェネレータMG2の回生量を多くとることが可能になる。よって、燃費が向上する。また、エンジン回転速度Nが所定の回転速度N’に維持されることから、車両再加速時のエンジントルクTの立ち上がりの鈍化が抑制される。
【選択図】図7

Description

本発明は、回生制動力を発生可能な電動機を備える車両用駆動装置に関し、特に、その電動機の回生時における車両制御に関するものである。
エンジンと、そのエンジンを補助(アシスト)するように駆動輪に対してトルクを出力可能な電動機とを備えた車両用駆動装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用駆動装置がそれである。この特許文献1には、エンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられた変速機と、その変速機の出力軸側に電動機(回転電機)とを備える車両用駆動装置において、例えば車速および要求駆動力(例えばアクセル操作量)等の車両の走行状態に基づいてエンジンのみを駆動力源として走行するエンジン走行か、電動機のみを駆動力源として走行するモータ走行か、エンジンと電動機とを駆動力源として複合的に用いる走行かの何れで走行するかを切り換える一方で、アクセルオフとなる減速走行時には電動機を発電機として用いることによりバッテリの充電を行うと共に回生制動力を発生させて車両の減速度を制御する技術が記載されている。
一般的に、特許文献1に示されるようなエンジンと電動機とを備えたハイブリッド車両は、効率が良い領域にてエンジンを作動させたり電動機による回生制御を行ったりすること等により燃費が向上するとされている。
特開2004−155327号公報
しかしながら、燃費が向上する反面、エンジンとは別に電動機やその電動機への電流を制御するためのインバータ等が新たに必要となることからコストが必然的に高くなってしまう。特に、エンジンをアシストすることに加えて特許文献1の駆動装置のようにモータ走行が可能な程の大きな出力を有する電動機を備えるハイブリッド車両の場合には、燃費向上の効果も大きいが比較的大きな電動機やその電動機に見合った大きなインバータやバッテリ等が必要となってよりコストが高くなってしまう。
そこで、一層燃費を向上させる為に電動機を効率よく作動させることが考えられる。例えば、比較的安いコストで燃費の向上を図るために、エンジンをアシストする程度の比較的小さな電動機を備える場合であっても、その電動機の多用化を図り、小さな電動機の僅かなトルクでもそれを利用することにより、燃費の向上とドライバーの要求にあった車両走行性能の実現を図ることが考えられる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンと、エンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、クラッチから駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置において、電動機の回生時にクラッチのスリップ状態を適切に制御して燃費を向上することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) エンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、そのクラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、(b) 前記電動機の回生時に、前記エンジンの回転速度が所定の回転速度となるように前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段を含むことにある。
このようにすれば、エンジンと、エンジンから駆動輪への動力伝達経路に順次設けられたクラッチおよび回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置において、電動機の回生時にエンジンの回転速度が所定の回転速度となるようにスリップ制御手段によりクラッチのスリップ状態が制御されるので、クラッチが完全係合されている場合に比較してクラッチより上流の負荷例えばエンジンの回転抵抗が抑制されて、電動機の回生量を多くとることが可能になる。よって、燃費が向上する。また、エンジンの回転速度が所定の回転速度に維持されることから、車両再加速時のエンジントルクの立ち上がりの鈍化が抑制される。
ここで、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の車両用駆動装置において、所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断すなわちフューエルカット作動が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである。このようにすれば、エンジンのフューエルカット作動が実行されたとしても、エンジン回転速度が所定の回転速度に維持されることから、電動機の回生量を最大にする為にクラッチが完全解放される場合にフューエルカット作動に伴いエンジンが回転停止する場合に比較して、車両再加速時の燃料供給再開に伴うエンジントルクの立ち上がりが速やかになる。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の車両用駆動装置において、前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されないときには前記クラッチを解放するものである。このようにすれば、クラッチより上流の負荷例えばエンジンの回転抵抗が無くなり電動機の回生量を最大にすることが可能になる。すなわち、駆動輪側からの回転によってエンジンが連れ回されることなく燃料供給によりエンジンの回転速度が維持されるので、クラッチを解放して電動機の回生量を最大にすることを可能とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用駆動装置において、前記所定の回転速度は、アイドル回転速度である。このようにすれば、エンジンのフューエルカット作動が実行された場合でも、エンジンの回転速度がアイドル回転速度に維持されるので、エンジンの回転状態を維持するために燃料を再噴射しなくて済み、燃費が向上する。また、車両再加速時の燃料供給再開に伴ってエンジンが速やかに起動する。
また、請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用駆動装置において、前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた流体式伝動装置に備えられたロックアップクラッチであり、前記スリップ制御手段は、車両再加速時に前記ロックアップクラッチを解放側に制御するものである。このようにすれば、流体式伝動装置の作用によりその流体式伝動装置の下流側の駆動系を引きづらないので、車両再加速時にエンジンの回転速度上昇を促進させ、エンジン出力が速やかに増加して再加速性能が向上する。
また、請求項6にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用駆動装置において、前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には、前記ロックアップクラッチを係合側に制御するロックアップクラッチ制御手段とを、更に含むものである。このようにすれば、駆動輪側からの回転によってエンジンが連れ回されてアクセルオフであってもエンジンの回転速度が直ぐに低下しない。
また、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の車両用駆動装置において、前記ロックアップクラッチ制御手段は、車両再加速時の前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ状態からの再係合に際して前記ロックアップクラッチを解放側に制御するものである。このようにすれば、流体式伝動装置の作用により変速用クラッチの再係合による係合ショックの発生を抑制することができる。また、流体式伝動装置の作用によりその流体式伝動装置の下流側の駆動系を引きづらないので、車両再加速時にエンジンの回転速度上昇を促進させ、エンジン出力が速やかに増加して再加速性能が向上する。
また、前記目的を達成するための請求項8にかかる発明の要旨とするところは、(a) エンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、そのクラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、(b) 前記電動機の回生時に、前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段と、(c) 前記クラッチのスリップ状態におけるスリップ回転速度に基づいて前記電動機の回生制動力を制御する回生制御手段とを、含むことにある。
このようにすれば、エンジンと、エンジンから駆動輪への動力伝達経路に順次設けられたクラッチおよび回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置において、電動機の回生時にスリップ制御手段により制御されるクラッチのスリップ状態におけるスリップ回転速度に基づいて回生制御手段により電動機の回生制動力が制御されるので、クラッチが完全係合されている場合に比較してクラッチより上流の負荷例えばエンジンの回転抵抗が抑制されて電動機の回生量を多くとることが可能になり燃費が向上すると共に、駆動輪に発生するブレーキ力を構成するエンジンブレーキ力の大きさを考慮した回生制動力を発生させることができてドライバーの所望の制動力を発生させることができる。
また、請求項9にかかる発明は、請求項8に記載の車両用駆動装置において、所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである。このようにすれば、エンジンのフューエルカット作動が実行されたとしても、エンジン回転速度が例えば所定の回転速度に維持される。
また、請求項10にかかる発明は、請求項8または9に記載の車両用駆動装置において、前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には、前記ロックアップクラッチを係合側に制御するロックアップクラッチ制御手段とを、更に含むものである。このようにすれば、駆動輪側からの回転によってエンジンが連れ回されてアクセルオフであってもエンジンの回転速度が直ぐに低下しない。
また、前記目的を達成するための請求項11にかかる発明の要旨とするところは、(a) エンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、そのクラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、(b) 前記電動機の回生時に、前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段と、(c) 前記スリップ制御手段による前記クラッチのスリップ制御開始に同期するように前記電動機の回生制御を開始する回生制御手段とを、含むことにある。
このようにすれば、エンジンと、エンジンから駆動輪への動力伝達経路に順次設けられたクラッチおよび回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置において、電動機の回生時に行われるスリップ制御手段によるクラッチのスリップ制御開始に同期するように回生制御手段により電動機の回生制御が開始されるので、クラッチが完全係合されている場合に比較してクラッチより上流の負荷例えばエンジンの回転抵抗が抑制されて電動機の回生量を多くとることが可能になり燃費が向上すると共に、回生制御による車両制動力の確保とエネルギー回収時間の確保が可能となる。
ここで、請求項12にかかる発明は、請求項11に記載の車両用駆動装置において、所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである。このようにすれば、エンジンのフューエルカット作動が実行されたとしても、エンジン回転速度が例えば所定の回転速度に維持される。
また、請求項13にかかる発明は、請求項11または12に記載の車両用駆動装置において、前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には、前記ロックアップクラッチを係合側に制御するロックアップクラッチ制御手段とを、更に含むものである。このようにすれば、駆動輪側からの回転によってエンジンが連れ回されてアクセルオフであってもエンジンの回転速度が直ぐに低下しない。
また、前記目的を達成するための請求項14にかかる発明の要旨とするところは、(a) エンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、そのクラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、(b) 前記エンジンから前記クラッチへの動力伝達経路に設けられてそのエンジンに回転駆動されるオイルポンプと、(c) 前記電動機の回生時に、前記オイルポンプの回転速度が所定の回転速度となるように前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段とを、含むことにある。
このようにすれば、エンジンと、エンジンから駆動輪への動力伝達経路に順次設けられたクラッチおよび回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置において、電動機の回生時にエンジンに回転駆動されるオイルポンプの回転速度が所定の回転速度となるようにスリップ制御手段によりクラッチのスリップ状態が制御されるので、クラッチが完全係合されている場合に比較してクラッチより上流の負荷例えばオイルポンプの駆動負荷が抑制されて、電動機の回生量を多くとることが可能になる。よって、燃費が向上する。また、オイルポンプの回転速度が所定の回転速度に維持されることから、必要なオイル吐出量確保の為の電動オイルポンプが不要になるかまたその容量を小さくできる。また、オイルポンプを回転駆動するエンジンも回転状態が維持されることから、車両再加速時のエンジントルクの立ち上がりの鈍化が抑制される。
ここで、請求項15にかかる発明は、請求項14に記載の車両用駆動装置において、所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断すなわちフューエルカット作動が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである。このようにすれば、エンジンのフューエルカット作動が実行されたとしても、オイルポンプの回転速度が所定の回転速度に維持されることに伴ってエンジンも回転状態が維持されることから、電動機の回生量を最大にする為にクラッチが完全解放される場合にフューエルカット作動に伴いエンジンが回転停止する場合に比較して、車両再加速時の燃料供給再開に伴うエンジントルクの立ち上がりが速やかになる。
また、請求項16にかかる発明は、請求項14または15に記載の車両用駆動装置において、前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されないときには前記クラッチを解放するものである。このようにすれば、クラッチより上流の負荷例えばオイルポンプの駆動負荷が無くなり電動機の回生量を最大にすることが可能になる。すなわち、駆動輪側からの回転によってオイルポンプが連れ回されることなく燃料供給によりエンジンの回転速度が維持されてオイルポンプが回転駆動されるので、クラッチを解放して電動機の回生量を最大にすることを可能とする。
また、請求項17にかかる発明は、請求項14乃至16のいずれかに記載の車両用駆動装置において、前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた流体式伝動装置に備えられたロックアップクラッチであり、前記スリップ制御手段は、車両再加速時に前記ロックアップクラッチを解放側に制御するものである。このようにすれば、流体式伝動装置の作用によりその流体式伝動装置の下流側の駆動系を引きづらないので、車両再加速時にエンジンの回転速度上昇を促進させ、エンジン出力が速やかに増加して再加速性能が向上する。
また、請求項18にかかる発明は、請求項14乃至16のいずれかに記載の車両用駆動装置において、前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には前記ロックアップクラッチを係合側に制御し、車両再加速時のそのスリップ制御手段によるその変速用クラッチのスリップ状態からの再係合に際してはそのロックアップクラッチを解放側に制御するロックアップクラッチ制御手段とを、更に含むものである。このようにすれば、変速用クラッチのスリップ制御時には駆動輪側からの回転によってエンジンが連れ回されてアクセルオフであってもエンジンの回転速度が直ぐに低下しない。一方、変速用クラッチのスリップ状態からの再係合時には流体式伝動装置の作用によりその変速用クラッチの再係合による係合ショックの発生を抑制することができる。また、流体式伝動装置の作用によりその流体式伝動装置の下流側の駆動系を引きづらないので、車両再加速時にエンジンの回転速度上昇を促進させ、エンジン出力が速やかに増加して再加速性能が向上する。
ここで、好適には、前記車両用駆動装置はエンジンから駆動輪への動力伝達経路に自動変速機を備えるものである。前記電動機が連結される回転部材は例えばこの自動変速機の出力回転部材であるが、駆動輪の車軸など他の動力伝達部材に連結することも可能である。
また、好適には、前記自動変速機は、複数組の遊星歯車装置の回転要素がクラッチ(係合装置)によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成される例えば、前進5段、前進6段、前進7段、前進8段等の種々の遊星歯車式多段変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤのいずれかを同期装置によって択一的に動力伝達状態とする同期噛合型平行2軸式変速機ではあるが、油圧アクチュエータにより駆動される同期装置によって変速段が自動的に切換られることが可能な同期噛合型平行2軸式自動変速機、動力伝達部材として機能する伝動ベルトが有効径が可変である一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、或いは共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速機などにより構成される。
また、好適には、上記自動変速機の車両に対する搭載姿勢は、変速機の軸線が車両の幅方向となるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型でも、変速機の軸線が車両の前後方向となるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両などの縦置き型でも良い。
また、好適には、上記自動変速機のクラッチとしては、油圧アクチュエータによって係合させられる多板式、単板式のクラッチやブレーキ、或いはベルト式のブレーキ等の油圧式摩擦係合装置が広く用いられる。この油圧式摩擦係合装置を係合させるための作動油はエンジンにより回転駆動されるオイルポンプにより供給される。
また、好適には、上記油圧式摩擦係合装置を含む油圧制御回路は、例えばリニアソレノイドバルブの出力油圧を直接油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)にそれぞれ供給することが応答性の点で望ましいが、そのリニアソレノイドバルブの出力油圧をパイロット油圧として用いることによりシフトコントロールバルブを制御して、そのコントロールバルブから油圧アクチュエータに作動油を供給するように構成することもできる。
また、好適には、上記リニアソレノイドバルブは、例えば複数の油圧式摩擦係合装置の各々に対応して1つずつ設けられるが、同時に係合したり係合、解放制御したりすることがない複数の油圧式摩擦係合装置が存在する場合には、それ等に共通のリニアソレノイドバルブを設けることもできるなど、種々の態様が可能である。また、必ずしも全ての油圧式摩擦係合装置の油圧制御をリニアソレノイドバルブで行う必要はなく、一部乃至全ての油圧制御をON−OFFソレノイドバルブのデューティ制御など、リニアソレノイドバルブ以外の調圧手段で行っても良い。
また、好適には、前記自動変速機が遊星歯車式多段変速機により構成される場合には、前記電動機の回生時に前記スリップ制御手段によりスリップ状態が制御される前記クラッチは、その遊星歯車式多段変速機のクラッチすなわち変速用クラッチが適用される。また、前記自動変速機がそれ自身に変速用クラッチを含まない変速機により構成される場合には、前記電動機の回生時に前記スリップ制御手段によりスリップ状態が制御される前記クラッチは、例えばロックアップクラッチやエンジンから電動機への動力伝達経路に設けられた入力クラッチ等のクラッチが適用される。尚、前記自動変速機が遊星歯車式多段変速機により構成される場合であっても、前記電動機の回生時に前記スリップ制御手段によりスリップ状態が制御される前記クラッチとして更にエンジンから電動機への動力伝達経路に変速用クラッチとは別に入力クラッチ等のクラッチが設けられても良い。
また、好適には、前記流体式伝動装置は、ロックアップクラッチ付トルクコンバータやフルードカップリングが用いられる。
また、好適には、前記エンジンとしては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が広く用いられる。また、前記電動機は、そのエンジンの動力をアシストするための補助的な駆動力源として機能するものであっても良いし、電動機のみを駆動力源として走行するモータ走行が可能な比較的大きな容量の電動機であっても良い。また、電動機がエンジンを一時的にアシストするための補助的な駆動力源として用いられる場合には、比較的小型なものを採用することが可能で、且つ自動変速機に隣接して配設して出力回転部材に連結するだけで良いため、簡単且つ安価に構成できる。
なお、この明細書で「油圧を供給する」という場合は、「油圧を作用させ」或いは「その油圧に制御された作動油を供給する」ことを意味する。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両用駆動装置(以下、駆動装置)10の構成を説明する骨子図である。この駆動装置10は、共通の軸線(軸心)上に、第1モータジェネレータMG1、エンジン12、流体式伝動装置(流体継手)であるトルクコンバータ14、遊星歯車式の自動変速機16、および第2モータジェネレータMG2が順次配設されている。なお、この駆動装置10は、エンジン12を除いて軸心に対して略対称的に構成されており、図1の骨子図においてはその軸心の下半分が省略されている。以下の実施例についても同様である。
第1モータジェネレータMG1は、エンジン12(クランク軸)に作動的に連結されており、主としてエンジン12のスタータとして用いられるが、必要に応じて回生制御されることによりインバータ74を介して蓄電装置76を充電することができる(図4参照)。エンジン12は、燃料の燃焼で動力を発生するガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関であり、トルクコンバータ14を介して自動変速機16の入力軸22に連結されている。この入力軸22は入力回転部材に相当するものであり、本実施例ではエンジン12によって回転駆動されるトルクコンバータ14のタービン軸でもある。トルクコンバータ14は、エンジン12側と自動変速機16側とを直結するロックアップクラッチ18が設けられているとともに、入力側(ポンプ翼車)にはエンジン12によって回転駆動される機械式のオイルポンプ20が連結されている。第2モータジェネレータMG2は、自動変速機16の出力軸24に作動的に連結されており、車両発進時や車両走行時にに力行制御されることによりエンジン12をアシストする一方、アクセルオフの減速走行時等に回生制御されることにより、車両に制動力を作用させるとともにインバータ74を介して蓄電装置76を充電する。この出力軸24は出力回転部材に相当するものであり、例えば差動歯車装置(終減速機)26や一対の車軸28等を順次介して左右の駆動輪30を回転駆動する(図7参照)。
自動変速機16は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置32を主体として構成されている第1変速部34と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置36およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置38を主体として構成されている第2変速部40とを備え、入力軸22の回転を変速して出力軸24から出力する。
第1変速部34を構成している第1遊星歯車装置32は、サンギヤS1、遊星歯車(ピニオンギヤ)P1、その遊星歯車P1を自転および公転可能に支持するキャリヤCA1、遊星歯車P1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を備えており、サンギヤS1は非回転部材であるトランスミッションケース42(以下、単にケース42という)に一体的に固定され、リングギヤR1は入力軸22に連結されて一体的に回転駆動されるようになっている。キャリアCA1は中間出力部材として機能し、入力軸22に対して所定の減速比で減速回転させられる。
第2変速部40を構成している第2遊星歯車装置36は、サンギヤS2、遊星歯車P2、その遊星歯車P2を自転および公転可能に支持するキャリヤCA2、遊星歯車P2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2を備えている。また、第3遊星歯車装置38は、サンギヤS3、遊星歯車P3およびP3(P2)、その遊星歯車P3およびP3を自転および公転可能に支持するキャリヤCA3(CA2)、遊星歯車P3およびP3を介してサンギヤS3と噛み合うリングギヤR3(R2)を備えている。
そして、第2遊星歯車装置36および第3遊星歯車装置38では、それ等の回転要素(サンギヤS2、S3、キャリアCA2、CA3、リングギヤR2、R3)の一部が互いに連結されること等によって4つの回転要素RE1〜RE4が構成されている。
第1回転要素RE1であるサンギヤS2は、第3クラッチC3を介してキャリアCA1に連結されて回転駆動されるとともに、第1ブレーキB1を介してケース42に一体的に連結されて回転停止させられるようになっている。第2回転要素RE2であるキャリアCA2およびCA3は互いに一体的に連結されており、第2クラッチC2を介して入力軸22に連結されて回転駆動されるとともに、第2ブレーキB2を介してケース42に一体的に連結されて回転停止させられるようになっている。第3回転要素RE3であるリングギヤR2およびR3は互いに一体的に連結されているとともに、出力軸24に一体的に連結されており、変速後の回転を出力するようになっている。第4回転要素RE4であるサンギヤS3は、第1クラッチC1を介してキャリアCA1に連結されて回転駆動されるようになっている。なお、キャリアCA2およびCA3、リングギヤR2およびR3は、それぞれ一体の部材にて構成されているとともに、第3遊星歯車装置38の外側の遊星歯車P3は第2遊星歯車装置36の遊星歯車P2を兼ねており、所謂ラビニヨ型の歯車列を構成している。
図2は、自動変速機16の複数のギヤ段(変速段)を成立させる際のクラッチC1、C2、C3、およびブレーキB1、B2の作動の組み合わせを説明する作動図表(係合作動表)であり、「○」は係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ表している。このように、自動変速機16においては、3組の遊星歯車装置32、36、38を備え、クラッチC1、C2、C3、およびブレーキB1、B2を選択的に係合することにより変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が異なる複数のギヤ段例えば前進6段および後進1段の多段変速が達成される。また、各ギヤ段毎に異なる変速比γは一例であって、第1遊星歯車装置32、第2遊星歯車装置36、および第3遊星歯車装置38の各ギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
クラッチC1、C2、C3、およびブレーキB1、B2(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレーキなど油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)によって係合制御される油圧式摩擦係合装置(以下、係合装置という)であり、油圧制御回路70(図4、図5参照)内のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の励磁、非励磁やマニュアルバルブ108によって油圧回路が切り換えられることにより、その係合、解放状態が切り換えられるとともに係合、解放時の過渡油圧などが制御される。
図3は、自動変速機16の第1変速部34および第2変速部40の各回転要素(サンギヤS1〜S3、キャリアCA1〜CA3、リングギヤR1〜R3)の回転速度を直線で結ぶことができる共線図で、縦軸が回転速度を表しており、「1.0」は入力軸22と同じ回転速度を意味している。そして、クラッチCおよびブレーキBの作動状態に応じて、第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の6つの前進ギヤ段が成立させられるとともに、1つの後進ギヤ段「Rev」が成立させられる。第2変速部40の第3回転要素RE3(リングギヤR2、R3)の欄に示す「1st」〜「6th」、および「Rev」は、入力軸22の回転速度「1.0」に対する各ギヤ段の回転速度で、変速比γに対応する。
尚、以下の実施例中では、エンジン12から駆動輪30への動力伝達経路に設けられたクラッチKとして例えばクラッチC1を用いるが、このクラッチKはその動力伝達経路を断接可能なように設けられる必要があり、第5速ギヤ段および第6速ギヤ段ではクラッチC1に替えて例えばクラッチC2が用いられる。つまり、クラッチKの一例としてクラッチC1を用いるものであり、クラッチKとしては、自動変速機16の各ギヤ段を成立させるための変速用クラッチであってその各ギヤ段においてその動力伝達経路を断接可能なクラッチC1、C2、C3、およびブレーキB1、B2のいずれかの係合装置が用いられる。また、第2モータジェネレータMG2が、このクラッチKから駆動輪30への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機に相当する。
図4は、本実施例の駆動装置10が備えている制御系統の要部を説明するブロック線図であり、電子制御装置50に入力される信号及びその電子制御装置50から出力される信号を例示している。この電子制御装置50は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御を含む第1、第2モータジェネレータMG1、MG2に関するハイブリッド制御や自動変速機16の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や変速制御用等に分けて構成される。
電子制御装置50には、図4に示すような各センサやスイッチなどから、例えばアクセルペダル44の操作量であるアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ52、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Nを検出するエンジン回転速度センサ54、トルクコンバータ14のタービン回転速度Nすなわち入力軸22の回転速度NINを検出するタービン回転速度センサ56、エンジン12の吸気配管46に設けられた電子スロットル弁48の開き角であるスロットル弁開度θTHを検出するスロットル弁開度センサ58、出力軸24の回転速度NOUTに対応する車速Vを検出する車速センサ60、第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1を検出するMG1回転速度センサ62、第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2(=出力軸回転速度NOUT)を検出するMG2回転速度センサ64、シフトレバー66のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するシフトポジションセンサ68、油圧制御回路70内の作動油の温度であるAT油温TOILを検出する油温センサ72、インバータ74に接続された蓄電装置76の蓄電量(残容量、充電量)SOCを検出するSOCセンサ78、エンジン12の冷却水温Tを検出するエンジン水温センサ、各車輪の車輪速Vを検出する車輪速センサ、排気ガスを浄化する触媒の温度TREを検出する触媒温度センサ、車両の加速度(減速度)Gを検出する加速度センサ、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無を検出するブレーキスイッチ、エアコンの作動を検出するエアコンスイッチなどから、アクセル開度Acc、エンジン回転速度N、タービン回転速度N(=入力軸回転速度NIN)、スロットル弁開度θTH、車速V(出力軸回転速度NOUT)、第1モータジェネレータ回転速度NMG1、第2モータジェネレータ回転速度NMG2、レバーポジションPSH、AT油温TOIL、蓄電量SOC、エンジン冷却水温T、車輪速V、触媒温度TRE、車両加速度G、フットブレーキの操作の有無すなわちブレーキペダルの操作の有無を表す信号、エアコンの作動の有無を表す信号などが供給されるようになっている。
上記アクセルペダル44は、運転者の要求する車両駆動力に応じて踏み込み操作されるもので、出力操作部材に相当し、その操作量であるアクセル開度Accは加速要求量に相当する。
また、電子制御装置50からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号S例えばアクセル開度Accに応じて電子スロットル弁48の開閉を制御するためのスロットルアクチュエータ80への駆動信号や燃料噴射装置82から噴射される燃料の量を制御するための噴射信号やイグナイタ84によるエンジン12の点火時期を制御するための点火時期信号などが出力されている。また、自動変速機16の変速制御の為の変速制御指令信号S、例えば自動変速機16の変速段を切り換えるために油圧制御回路70内のATシフトソレノイドすなわちリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の励磁、非励磁などを制御するためのバルブ指令信号やライン油圧PLを制御するためのリニアソレノイドバルブSLTへの駆動信号などが出力されている。また、第1モータジェネレータMG1や第2モータジェネレータMG2の力行制御、発電(回生)制御などのためにMG1コントローラ86やMG2コントローラ88によりインバータ74を制御させるための制御信号、電動エアコンを作動させるための電動エアコン駆動信号、シフトインジケータを作動させるためのシフトポジション(操作位置)表示信号、ギヤ段を表示させるためのギヤ段表示信号、制動時の車輪のスリップを防止するABSアクチュエータを作動させるためのABS作動信号などがそれぞれ出力されている。
図5は、クラッチCおよびブレーキBの各油圧アクチュエータの作動を制御するリニアソレノイドバルブSL1〜SL5等に関する回路図であって、油圧制御回路70の要部を示す回路図である。
図5において、クラッチC1、C2、およびブレーキB1、B2の各油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)90、92、96、98には、油圧供給装置100から出力されたDレンジ圧(前進レンジ圧、前進油圧)PDがそれぞれリニアソレノイドバルブSL1、SL2、SL4、SL5により調圧されて供給され、クラッチC3の油圧アクチュエータ94には、油圧供給装置100から出力されたライン油圧PL1がリニアソレノイドバルブSL3により調圧されて供給されるようになっている。なお、ブレーキB2の油圧アクチュエータ98には、リニアソレノイドバルブSL5の出力油圧およびリバース圧(後進レンジ圧、後進油圧)PRのうち何れか供給された油圧がシャトル弁99を介して供給される。
油圧供給装置100は、オイルポンプ20から発生する油圧を元圧としてライン油圧PL1(第1ライン油圧PL1)を調圧する例えばリリーフ型のプライマリレギュレータバルブ(第1調圧弁)102、第1調圧弁102によるライン油圧PL1の調圧のために第1調圧弁102から排出される油圧を元圧としてライン油圧PL2(第2ライン油圧PL2、セカンダリ圧PL2)を調圧するセカンダリレギュレータバルブ(第2調圧弁)104、アクセル開度Acc或いはスロットル弁開度θTHで表されるエンジン負荷等に応じたライン油圧PL1、PL2に調圧されるために第1調圧弁102および第2調圧弁104へ信号圧PSLTを供給するリニアソレノイドバルブSLT、ライン油圧PL1を元圧としてモジュレータ油圧PMを一定値に調圧するモジュレータバルブ106、およびケーブルやリンクなどを介して機械的に連結されるシフトレバー66の操作に伴い機械的に作動させられて油路が切り換えられることにより入力されたライン油圧PL1をシフトレバー66が「D」ポジション或いは「S」ポジションへ操作されたときにはDレンジ圧PDとして出力し或いは「R」ポジションへ操作されたときにはリバース圧PRとして出力するマニュアルバルブ108等を備えており、ライン油圧PL1、PL2、モジュレータ油圧PM、Dレンジ圧PD、およびリバース圧PRを供給する。
リニアソレノイドバルブSL1〜SL5は、基本的には何れも同じ構成で、電子制御装置50により独立に励磁、非励磁され、各油圧アクチュエータ90〜98の油圧が独立に調圧制御されてクラッチC1〜C3、ブレーキB1、B2の係合圧が制御される。そして、自動変速機16は、例えば図2の係合作動表に示すように予め定められた係合装置が係合されることによって各変速段が成立させられる。また、自動変速機16の変速制御においては、例えば変速に関与するクラッチCやブレーキBの解放と係合とが同時に制御される所謂クラッチ・ツウ・クラッチ変速が実行される。例えば、図2の係合作動表に示すように5速→4速のダウンシフトでは、クラッチC3が解放されると共にクラッチC1が係合され、変速ショックを抑制するようにクラッチC3の解放過渡油圧とクラッチC1の係合過渡油圧とが適切に制御される。このように、自動変速機16の係合装置(クラッチC、ブレーキB)がリニアソレノイドバルブSL1〜SL5により各々制御されるので、係合装置の作動の応答性が向上される。或いはまた、その係合装置の係合/解放作動の為の油圧回路が簡素化される。
シフトレバー66は例えば運転席の近傍に配設され、図6に示すように、5つのレバーポジション「P」、「R」、「N」、「D」、または「S」へ手動操作されるようになっている。
「P」ポジション(レンジ)は自動変速機16内の動力伝達経路を解放しすなわち自動変速機16内の動力伝達が遮断されるニュートラル状態(中立状態)とし且つメカニカルパーキング機構によって機械的に出力軸24の回転を阻止(ロック)するための駐車ポジション(位置)であり、「R」ポジションは自動変速機16の出力軸24の回転方向を逆回転とするための後進走行ポジション(位置)であり、「N」ポジションは自動変速機16内の動力伝達が遮断されるニュートラル状態とするための中立ポジション(位置)であり、「D」ポジションは自動変速機16の変速を許容する変速範囲(Dレンジ)で第1ギヤ段「1st」〜第6ギヤ段「6th」の総ての前進ギヤ段を用いて自動変速制御を実行させる前進走行ポジション(位置)であり、「S」ポジションはギヤ段の変化範囲を制限する複数種類の変速レンジすなわち変速可能な高速側のギヤ段が異なる複数種類の変速レンジを切り換えることにより手動変速が可能な前進走行ポジション(位置)である。
この「S」ポジションにおいては、シフトレバー66の操作毎に変速範囲をアップ側にシフトさせるためのレバーポジションPSHとしての「+」ポジション、シフトレバー66の操作毎に変速範囲をダウン側にシフトさせるためのレバーポジションPSHとしての「−」ポジションが備えられている。例えば、「S」ポジションにおいては、「6」レンジ〜「L」レンジの何れかがシフトレバー66の「+」ポジション或いは「−」ポジションへの操作に応じて変更される。
上記「D」ポジションは自動変速機16の変速可能な例えば図2に示すような第1速ギヤ段乃至第6速ギヤ段の範囲で自動変速制御が実行される制御様式である自動変速モードを選択するシフトポジションでもあり、「S」ポジションは自動変速機16の各変速レンジの最高速側ギヤ段を超えない範囲で自動変速制御が実行されると共にシフトレバー66の手動操作により変更された変速レンジ(すなわち最高速側ギヤ段)に基づいて手動変速制御が実行される制御様式である手動変速モードを選択するシフトポジションでもある。
図7は、電子制御装置50の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図7において、変速制御手段110は、例えば図8に示すような車速Vおよびアクセル開度Accを変数として予め記憶された関係(変速マップ、変速線図)から実際の車速Vおよびアクセル開度Accに基づいて自動変速機16の変速すべき変速段を判断し、すなわち自動変速機16の変速を実行すべきか否かを判断し、その判断した変速段が得られるように自動変速機16の自動変速制御を実行する。このとき、変速制御手段110は、例えば図2に示す係合表に従って変速段が達成されるように、自動変速機16の変速に関与する係合装置を係合および/または解放させる変速制御指令信号S(変速出力指令、油圧指令)を油圧制御回路70へ出力する。そして、その変速制御指令信号Sに従って自動変速機16の変速が実行されるように油圧制御回路70内のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の励磁、非励磁や電流制御が実行させられてその変速に関与する係合装置の油圧アクチュエータが作動させられ、第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の何れかの前進ギヤ段、或いは後進ギヤ段「Rev」が成立させられると共に、変速過程のクラッチC、ブレーキBの過渡油圧などが制御される。
図8の変速線図において、実線はアップシフトが判断されるための変速線(アップシフト線)であり、破線はダウンシフトが判断されるための変速線(ダウンシフト線)である。また、この図8の変速線図における変速線は、実際のアクセル開度Acc(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点車速)Vを越えたか否かを判断するためのものであり、上記値Vすなわち変速点車速の連なりとして予め記憶されている。例えば、車速Vが低くなったりアクセル開度Accが大きくなったりするに従って変速比γが大きい低速側の変速段が成立させられる。
このように、変速制御手段110は、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5の励磁、非励磁をそれぞれ制御することにより、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5にそれぞれ対応するクラッチC1〜C3、およびブレーキB1、B2の係合、解放状態を切り換えて第1ギヤ段「1st」〜第6ギヤ段「6th」の何れかの前進ギヤ段、或いは後進ギヤ段「Rev」を成立させる。
エンジン出力制御手段112は、例えばスロットルアクチュエータ80により電子スロットル弁48を開閉制御する他、燃料噴射量制御のために燃料噴射装置82を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ84を制御するなどしてエンジン12の出力制御を実行する為のエンジン出力制御指令信号Sを出力する。
例えば、エンジン出力制御手段112は、図9に示す予め記憶された関係から実際のアクセル開度Accに基づいてスロットルアクチュエータ80を駆動し、アクセル開度Accが増加するほどスロットル弁開度θTHを増加させる。また、エンジン出力制御手段112は、アクセル開度Accが略零(全閉、アクセルオフ)となる車両停止時や減速走行時等には、アイドル回転速度NIDLを目標値制御するように予め定められたアイドル時スロットル開度θIDLとなるようにスロットル制御を実行する。
また、エンジン出力制御手段112は、所定の条件が成立したときにエンジン12への燃料を遮断するフューエルカット制御手段として機能する。
具体的には、エンジン出力制御手段112は、燃費を向上させるために、例えばアクセル開度Accが略全閉であったり或いは2〜3%程度以下の微開であったりするようなアクセルオフの車両減速走行時にエンジン回転速度Nが例えば1400rpm程度に予め定められたフューエルカット開始回転速度NEKを越え且つエンジン回転速度Nが低下に向かっている等の所定の条件が成立したときに、フューエルカット作動が開始されるようにエンジン12への燃料供給の停止指令を燃料噴射装置82に出力する。
その後、エンジン出力制御手段112は、減速走行と共にエンジン回転速度Nが予め定められたフューエルカット復帰回転速度NEF以下となるとフューエルカット作動が終了するようにエンジン12への燃料供給の停止指令の出力を中止する。フューエルカット作動が解除させられると、燃料供給が再開されてエンジン12が速やかに起動される。上記フューエルカット復帰回転速度NEFは、燃料供給が再開されたときにエンジン12が速やかに起動されるための予め実験的に求めて記憶されたエンジン回転速度判定値であって、例えば550rpm程度のアイドル回転速度NIDLやそれ以下の300〜500rpm程度のエンジン回転速度Nが設定されている。
フューエルカット可否判定手段114は、前記エンジン出力制御手段112によるエンジン12のフューエルカット作動が可能な状態であるか否かを判断する。そして、フューエルカット可否判定手段114は、フューエルカット作動が可能な状態であると判断したときにはエンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動を許可する一方で、フューエルカット作動が可能でない状態であると判断したときにはエンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動を許可しない。例えば、フューエルカット可否判定手段114は、エンジン12が暖気運転前であったり、エンジン12の排気ガス中の有害成分を低減するための触媒の劣化防止のために燃料の供給が必要な状態であるときには、フューエルカット作動が可能でないと判断して、エンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動を許可しない。
前記エンジン出力制御手段112は、前記フューエルカット可否判定手段114によりフューエルカット作動が可能でないと判断されてそのフューエルカット作動が許可されない場合には、所定の条件が成立したときであってもエンジン12への燃料供給の停止指令を燃料噴射装置82に出力しない。
ロックアップクラッチ制御手段116は、専ら加速走行時には、例えば図10に示すようなスロットル弁開度θTHおよび車速Vを変数とする二次元座標において解放(ロックアップオフ)領域、スリップ制御領域、係合(ロックアップオン)領域を有する予め記憶された関係(マップ、ロックアップ領域線図)から実際の車両走行状態例えば実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vとに基づいて係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれの領域に属するかを判断し、その判断した領域の作動となるようにロックアップクラッチ18の作動状態を切り換えるロックアップ制御指令信号Sを油圧制御回路70へ出力する。そして、そのロックアップ制御指令信号Sに従ってロックアップクラッチ18の作動状態が切り換えられるように油圧制御回路70内の図示しないロックアップリレーバルブやロックアップコントロールバルブの励磁、非励磁や電流制御が実行させられてロックアップクラッチ26が係合状態、解放状態、或いはスリップ状態のいずれかの作動状態とされる。
また、ロックアップクラッチ制御手段116は、主に前記エンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動中にはエンジン回転速度Nが急低下されないように、前記図10に示すようなロックアップ領域線図からの作動領域判断に拘わらずロックアップクラッチ18の作動状態を係合側に制御する。つまり、フューエルカット作動中は、駆動輪30側からの動力(回転)によりエンジン12が連れ回される被駆動状態であることから、ロックアップクラッチ18を介して駆動輪30側からの回転がエンジン12側へ伝達されるようにロックアップクラッチ18の作動状態を係合側に制御してエンジン回転速度Nを引き上げ、フューエルカット領域を拡大するのである。例えば、ロックアップクラッチ制御手段116は、タービン回転速度Nに対して−50rpm程度のエンジン回転速度Nとなるようにロックアップクラッチ18をスリップ制御する。
ここで、ロックアップクラッチ18の作動状態の係合側とは、ロックアップクラッチ18の係合力が大きくなる側すなわちスリップ状態やロックアップオン状態を含むスリップ量が減少する側(方向)のことであり、ロックアップクラッチ18の作動状態の解放側とは、ロックアップクラッチ18の係合力が小さくなる側すなわちスリップ状態やロックアップオフ状態を含むスリップ量が増大する側(方向)のことである。例えば、ロックアップクラッチ18の解放側への切換えとはスリップ量が増大する方向への切換えであり、ロックアップクラッチ18の係合側への切換えとはスリップ量が減少する方向への切換えである。
ハイブリッド制御手段118は、車両状態に応じてエンジン走行やモータアシストや回生等のエンジン12やモータジェネレータMG1、MG2の作動状態が異なる複数の運転モードでの走行を行うために、第1モータジェネレータMG1や第2モータジェネレータMG2の力行制御、回生制御等を実行する。
例えば、ハイブリッド制御手段118は、基本的には専らエンジン12を走行用の駆動力源として車両走行を行うもので、エンジン12により必要な駆動力を発生させて走行するようにエンジン出力制御手段112に指令を出力する。
また、ハイブリッド制御手段118は、発進時や加速時にはエンジン12の動力に加え第2モータジェネレータMG2を力行制御してトルクアシストを行うようにMG2コントローラ88にインバータ74から第2モータジェネレータ制御電流を供給して第2モータジェネレータMG2を力行状態とする制御指令を出力する。
また、ハイブリッド制御手段118は、減速走行時には第2モータジェネレータMG2を回生制御して車両に回生制動力を作用させるとともに発生した電気エネルギーで蓄電装置76を充電するようにMG2コントローラ88に制御指令を出力する回生制御手段として機能する。
したがって、前進走行時に信号待ちなどで停車した場合には、エンジン12を停止してアイドリングストップを行うとともに、発進時には第2モータジェネレータMG2を用いて速やかに発進させることができる。すなわち、ブレーキ操作のOFF(解除)、或いはアクセルの踏込操作(ON操作)に伴って直ちにエンジン12を始動して車両を発進させるが、そのエンジン12による駆動力が得られるようになるまでの応答遅れを、第2モータジェネレータMG2によって補うことことにより、優れた応答性で車両を発進させることができるのである。また、エンジン12が作動状態のままの停車時においても、アクセルオンの発進時に第2モータジェネレータMG2がアシストトルクを発生することにより、エンジン12のみで発進する場合に比較して発進応答性が向上する。第2モータジェネレータMG2は、このように発進時等に一時的にトルクアシストを行うものであるため、比較的小型なものを採用することが可能で、且つ自動変速機16と同軸に隣接して配設して出力軸24に連結するだけで良いため、簡単且つ安価に構成できる。なお、必要に応じて、第1モータジェネレータMG1を併用してトルクアシストや回生制御を行うこともできる。
また、ハイブリッド制御手段118は、蓄電装置76の残容量SOCが少ない場合などでは、必要に応じて第1モータジェネレータMG1が発電(回生)状態とされ且つその発電エネルギEが蓄電装置76に蓄電されるようにMG1コントローラ86に指令を出力する。
回生制御可否判定手段120は、前記ハイブリッド制御手段118による回生制御が可能な状態であるか否かを判断する。そして、回生制御可否判定手段120は、回生制御が可能な状態であると判断したときにはハイブリッド制御手段118による回生制御を許可する一方で、回生制御が可能でない状態であると判断したときにはハイブリッド制御手段118による回生制御を許可しない。例えば、回生制御可否判定手段120は、アクセルオフの減速走行時に蓄電装置76に蓄電が可能なときには、例えば蓄電装置76の残容量SOCが所定容量より少ないときには、回生制御が可能な状態であると判断して、ハイブリッド制御手段118による回生制御を許可する。
スリップ制御手段122は、前記ハイブリッド制御手段118による第2モータジェネレータMG2の回生時には、クラッチKより上流の負荷例えばエンジン12の回転抵抗が抑制されて第2モータジェネレータMG2の回生量をクラッチKが完全係合されている場合に比較して多くとれるために、エンジン回転速度Nが所定の回転速度N’となるようにクラッチKのスリップ状態例えば第1ギヤ段〜第4ギヤ段で走行中は第1クラッチC1のスリップ状態を制御する。これによって、燃費が向上する。また、エンジン回転速度Nが所定の回転速度N’に維持されることから、車両再加速時のエンジントルクTの立ち上がりの鈍化が抑制される。
例えば、スリップ制御手段122は、フューエルカット作動時にクラッチKが完全解放されてエンジン12が回転停止する場合に比較して燃料供給再開に伴うエンジントルクTの立ち上がりが速やかになるように、前記フューエルカット可否判定手段114によりエンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動が許可されているときにクラッチKのスリップ状態を制御する。
また、スリップ制御手段122は、前記フューエルカット可否判定手段114によりエンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動が許可されないときには、燃料供給により元々エンジン12の回転状態が維持されることから、クラッチKより上流の負荷例えばエンジン12の回転抵抗が無くなって第2モータジェネレータMG2の回生量を最大にすることが可能となるようにクラッチKを完全解放する。別の見方をすれば、クラッチKのスリップ制御によりエンジン回転速度Nを所定の回転速度N’に維持しようがしまいが、フューエルカット作動が許可されないならばエンジン12へは燃料が供給されるので、クラッチKの耐久性や制御性を優先してスリップ制御手段122はスリップ制御を実施しない。
上記所定の回転速度N’は、例えばエンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動が実行された場合でもエンジン回転速度Nが低下して燃料を再噴射しなくて済むように、前記フューエルカット復帰回転速度NEFと同様に、550rpm程度のアイドル回転速度NIDLやそれ以下の300〜500rpm程度のエンジン回転速度Nが設定される。
前記ロックアップクラッチ制御手段116は、前記スリップ制御手段122によるクラッチKのスリップ制御時には、前記エンジン出力制御手段112によるフューエルカット作動中と同様に、アクセルオフであっても駆動輪30側からの回転によってエンジン12が連れ回されてエンジン回転速度Nが直ぐに低下されないようにロックアップクラッチ18の作動状態を係合側に制御する。
スリップ回転速度算出手段124は、前記スリップ制御手段122によるクラッチKのスリップ状態におけるスリップ回転速度NSLIPすなわちスリップ量Sを算出する。例えば、スリップ回転速度算出手段124は、図示しない回転速度センサからの信号に基づいてクラッチKにおける相対する部材の各回転速度を検出し、クラッチKの相対回転速度差をスリップ回転速度NSLIPとして算出する。
前記ハイブリッド制御手段118は、前記スリップ回転速度算出手段124により算出されたスリップ回転速度NSLIPに基づいて第2モータジェネレータMG2の回生量すなわち回生制動力を制御しても良い。
図11は、スリップ制御手段122による第1クラッチC1のスリップ状態におけるスリップ回転速度NSC1すなわちスリップ量SC1とハイブリッド制御手段118による第2モータジェネレータMG2の回生制御において可能な回生量との予め実験的に求められた関係(マップ)である。図11において、スリップ量が増加すれば、第1クラッチC1が完全係合されている場合に比較して第1クラッチC1より上流の負荷例えばエンジン12の回転抵抗が抑制されて第2モータジェネレータMG2の回生量を多くとることが可能になり、第1クラッチC1が完全解放されたときに第2モータジェネレータMG2の回生量を最大にすることが可能になることがわかる。見方を換えれば、第2モータジェネレータMG2の回生制御において可能な回生量の範囲において、駆動輪30に発生するブレーキ力を構成するエンジンブレーキ力の大きさを考慮した回生制動力を発生させることができてドライバーの所望の制動力を発生させることができる。尚、図11において回生量の単位はkwであるが、第2モータジェネレータMG2の回転速度が決まれがトルクで表される。
前記ハイブリッド制御手段118は、前記スリップ制御手段122によるクラッチKのスリップ制御開始に同期するように第2モータジェネレータMG2の回生制御を開始しても良い。これにより、第2モータジェネレータMG2の回生制御による車両制動力の確保とエネルギー回収時間の確保が可能となる。
図12は、電子制御装置50の制御作動の要部すなわち第2モータジェネレータMG2の回生時に第1クラッチC1のスリップ状態を適切に制御して燃費を向上させる制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。また、図13は図12のフローチャートに示す制御作動の一例であって、アクセルオフに伴い回生制御を実施する制御作動を説明するタイムチャートである。
図12において、前記回生制御可否判定手段120に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、回生制御が可能な状態であるか否かを、例えばアクセルオフの減速走行時に蓄電装置76に蓄電が可能であるか否かに基づいて判断する。
前記SA1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合は前記フューエルカット可否判定手段114に対応するSA2において、エンジン12のフューエルカット作動が可能な状態であるか否かが判断される。
前記SA2の判断が肯定される場合は前記スリップ制御手段122に対応するSA3において、第1クラッチC1のスリップ制御が実施される。このスリップ制御は、エンジン回転速度Nが所定の回転速度N’となるように第1クラッチC1のスリップ状態すなわち第1クラッチC1の係合油圧がフィードバック制御される。
前記SA2の判断が否定される場合は前記スリップ制御手段122に対応するSA4において、第1クラッチC1が完全解放される。前記SA2においてフューエルカット作動が許可されていないのでエンジン12へは燃料が供給されてアイドル回転速度NIDLが維持される。
前記SA3或いは前記SA4に次いで、前記ハイブリッド制御手段118に対応するSA5において、第2モータジェネレータMG2を回生制御して車両に回生制動力を作用させるとともに発生した電気エネルギーで蓄電装置76を充電する制御指令がMG2コントローラ88に出力される。このとき、例えば図11に示すような予め求めて記憶された関係から前記SA3或いはSA4における第1クラッチC1のスリップ量SC1に基づいて第2モータジェネレータMG2の回生量すなわち回生制動力が制御される。特に、前記SA4にて第1クラッチC1が完全解放された段階で最大限の回生量をとることが可能とされる。
図13のt時点は、アクセルオフの減速走行が開始されたことを示している。この図13の実施例では、ロックアップクラッチ18が係合側に制御されていることから駆動輪30側からの回転によりエンジン回転速度Nも直ぐに低下しない。
時点から第1クラッチC1の油圧PC1が徐々に低下させられすなわちスリップ制御され、エンジン回転速度N(実線)が所定の回転速度(目標回転速度)N’であるアイドル回転速度NIDLに近づけられて維持される。ここで、第1クラッチC1に替えてすなわち変速用クラッチに替えてクラッチKをロックアップクラッチ18としても良く、エンジン回転速度Nが所定の回転速度(目標回転速度)N’に維持されるようにそのロックアップクラッチ18を係合側に制御(例えばスリップ制御)することにより同様の効果が得られる。但し、第1クラッチC1でスリップ制御を実施すればロックアップクラッチ18で実施する場合に比べて、自動変速機16のインプット系の引きづりをより低下させることができる。
回生量の実線はt時点からの第1クラッチC1のスリップ制御開始と同時に第2モータジェネレータMG2の回生制御が実施される一例が示され、破線はt時点からの第1クラッチC1のスリップ制御開始に遅れてそのスリップ制御が安定するt時点から第2モータジェネレータMG2の回生制御が実施される一例が示されている。例えば、実線の方は減速度が連続的になる長所を持ち、破線の方は制御が容易となる長所を持つ。
以上、エンジン回転速度N(実線)を所定の回転速度(目標回転速度)N’に維持する実施例を説明したが、エンジン回転速度Nに替えて、2点鎖線に示すようにオイルポンプ20の回転速度NOPを所定オイルポンプ回転速度(目標回転速度)NOP’に維持するように第1クラッチC1をスリップ制御しても良い。つまり、オイルポンプ20はエンジン12により回転駆動されるものであり実質的にはエンジン回転速度Nと同じであるが、オイルポンプ回転速度NOPに着目することにより、油圧制御回路70の元圧となるオイルポンプ20の吐出量を確保しつつ、クラッチKが完全係合されている場合に比較してクラッチKより上流の負荷例えばオイルポンプ20の駆動負荷を抑制して第2モータジェネレータMG2の回生量を多くとることを可能にすることを目的とするものである。従って、所定オイルポンプ回転速度NOP’は、例えば駆動状態よりも必要な係合圧が小さくなる回生時に自動変速機16のギヤ比(ギヤ段)を作るためのすなわち自動変速機16内の係合装置がスリップしない係合圧が維持(確保)されるための作動油が供給されるように予め実験的に求めて記憶されたオイルポンプ回転速度NOPが設定される。
上述のように、本実施例によれば、第2モータジェネレータMG2の回生時にエンジン回転速度Nが所定の回転速度N’となるようにスリップ制御手段122によりクラッチK(例えば第1クラッチC1等の変速用クラッチやロックアップクラッチ18)のスリップ状態が制御されるので、クラッチKが完全係合されている場合に比較してクラッチKより上流の負荷例えばエンジン12の回転抵抗が抑制されて、第2モータジェネレータMG2の回生量を多くとることが可能になる。よって、燃費が向上する。また、エンジン回転速度Nが所定の回転速度N’に維持されることから、車両再加速時のエンジントルクTの立ち上がりの鈍化が抑制される。
また、本実施例によれば、第2モータジェネレータMG2の回生時にスリップ制御手段122により制御されるクラッチKのスリップ状態におけるスリップ回転速度NSC1に基づいてハイブリッド制御手段(回生制御手段)118により第2モータジェネレータMG2の回生制動力(回生量)が制御されるので、クラッチKが完全係合されている場合に比較してクラッチKより上流の負荷例えばエンジンの回転抵抗が抑制されて第2モータジェネレータMG2の回生量を多くとることが可能になり燃費が向上すると共に、駆動輪30に発生するブレーキ力を構成するエンジンブレーキ力の大きさを考慮した回生制動力を発生させることができてドライバーの所望の制動力を発生させることができる。
また、本実施例によれば、第2モータジェネレータMG2の回生時に行われるスリップ制御手段122によるクラッチKのスリップ制御開始に同期するようにハイブリッド制御手段(回生制御手段)118により第2モータジェネレータMG2の回生制御が開始されるので、クラッチKが完全係合されている場合に比較してクラッチKより上流の負荷例えばエンジンの回転抵抗が抑制されて第2モータジェネレータMG2の回生量を多くとることが可能になり燃費が向上すると共に、回生制御による車両制動力の確保とエネルギー回収時間の確保が可能となる。また、スリップ制御開始に遅れて回生制御が実施されることに比較して減速度が連続的になる利点がある。
また、本実施例によれば、第2モータジェネレータMG2の回生時にエンジン回転速度Nが所定の回転速度N’となるようにスリップ制御手段122によりクラッチKのスリップ状態が制御されることに替えて、第2モータジェネレータMG2の回生時にオイルポンプ20の回転速度NOPが所定オイルポンプ回転速度NOP’に維持されるようにスリップ制御手段122によりクラッチKのスリップ状態が制御されても良い。このようにしても、クラッチKが完全係合されている場合に比較してクラッチKより上流の負荷例えばオイルポンプ20の駆動負荷が抑制されて、第2モータジェネレータMG2の回生量を多くとることが可能になり、燃費が向上する。また、オイルポンプ20の回転速度NOPが所定オイルポンプ回転速度NOP’に維持されることから、必要なオイル吐出量確保の為の電動オイルポンプが不要になるかまたその容量を小さくできる。また、オイルポンプ20を回転駆動するエンジン12も回転状態が維持されることから、車両再加速時のエンジントルクTの立ち上がりの鈍化が抑制される。
また、本実施例によれば、エンジン出力制御手段(フューエルカット制御手段)112によるフューエルカット作動が許可されているときにはスリップ制御手段122によりクラッチKのスリップ状態が制御されるので、フューエルカット作動が実行されたとしてもエンジン回転速度Nが所定の回転速度N’に維持されることから、別の見方をすればフューエルカット作動が実行されたとしてもオイルポンプ20の回転速度NOPが所定オイルポンプ回転速度NOP’に維持されることに伴ってエンジン12も回転状態が維持されることから、第2モータジェネレータMG2の回生量を最大にする為にクラッチKが完全解放される場合にフューエルカット作動に伴いエンジン12が回転停止する場合に比較して、車両再加速時の燃料供給再開に伴うエンジントルクTの立ち上がりが速やかになる。
また、本実施例によれば、エンジン出力制御手段(フューエルカット制御手段)112によるフューエルカット作動が許可されないときにはスリップ制御手段122によりクラッチKが解放されるので、クラッチKより上流の負荷例えばエンジンの回転抵抗(別の見方をすればオイルポンプ12の駆動負荷)が無くなり第2モータジェネレータMG2の回生量を最大にすることが可能になる。すなわち、駆動輪30側からの回転によってエンジン12(別の見方をすればオイルポンプ12)が連れ回されることなく燃料供給によりエンジン回転速度Nが維持されるので、クラッチKを解放して第2モータジェネレータMG2の回生量を最大にすることが可能とされる。
また、本実施例によれば、所定の回転速度N’はアイドル回転速度NIDLであるので、エンジン12のフューエルカット作動が実行された場合でも、エンジン回転速度Nがアイドル回転速度NIDLに維持されて、エンジン12の回転状態を維持するために燃料を再噴射しなくて済み、燃費が向上する。また、車両再加速時の燃料供給再開に伴ってエンジン12が速やかに起動する。
また、本実施例によれば、スリップ制御手段122によるクラッチKのスリップ制御時にはロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップクラッチ18が係合側に制御されるので、駆動輪30側からの回転によってエンジン12が連れ回されてアクセルオフであってもエンジン回転速度Nが直ぐに低下しない。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例では、第2モータジェネレータMG2の回生時にクラッチK例えば第1クラッチC1等の変速用クラッチのスリップ状態を適切に制御して燃費を向上させる制御作動を説明した。この回生中には第1クラッチC1はスリップ制御されており、加速時には第1クラッチC1を完全係合する必要がある。本実施例では、第1クラッチC1がスリップ制御されている回生中に続いて車両の再加速が行われるときに第1クラッチC1を適切に再係合する制御作動を説明する。
図14は、電子制御装置50の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、前記図7の機能ブロック線図に再加速判定手段126およびエンジン回転速度判定手段128がさらに加えられている。
再加速判定手段126は、前記ハイブリッド制御手段による回生制御中からの再加速を判定する。例えば、再加速判定手段126は、アクセルオフの減速走行中にアクセルペダル44が再び踏込操作されたか否かに基づいて回生中に再加速が行われるか否かを判定する。
前記スリップ制御手段122は、前記再加速判定手段126により回生中からの再加速が判断された場合には、変速用クラッチ例えば第1クラッチC1をスリップ状態から完全係合する。この第1クラッチC1の完全係合に際して、スリップ状態のまま直ちに係合すると回転速度差すなわちスリップ回転速度NSLIPがあることから係合ショックが大きくなる可能性がある。そこで、スリップ制御手段122は、エンジン回転速度Nが吹き上がりすなわちタービン回転速度Nが吹き上がり第1クラッチC1の相対回転速度が同期回転速度或いはそれに近い回転速度になったところで、すなわち前記スリップ回転速度算出手段124により算出されたスリップ回転速度NSC1が所定スリップ回転速度NSC1’以下となったところで第1クラッチC1をスリップ状態から完全係合する。
例えば、前記スリップ回転速度算出手段124は算出したスリップ回転速度NSC1が所定スリップ回転速度NSC1’以下であるか否かを判定し、スリップ制御手段122はスリップ回転速度算出手段124によりスリップ回転速度NSC1が所定スリップ回転速度NSC1’以下であると判定されたときに、第1クラッチC1をスリップ状態から完全係合する。上記所定スリップ回転速度NSC1’は、零乃至零に近い値であって、係合装置の再係合による係合ショックの発生を抑制することができるための予め実験的に求めて定められた判定値である。
また、前記ロックアップクラッチ制御手段116は、車両再加速時の前記スリップ制御手段122による第1クラッチC1のスリップ状態からの再係合に際してロックアップクラッチ18を解放側に制御する。つまり、ロックアップクラッチ18を解放乃至スリップ状態とすることにより第1クラッチC1の再係合による係合ショックの発生を抑制するのである。また、トルクコンバータ作用により自動変速機16のインプット系を引きづらず、イナーシャが少なくなってエンジン12が吹き上がり易くなることから、ロックアップクラッチ18を解放乃至スリップ状態とすることによりエンジン出力を速やかに増加させて再加速性能を向上させるのである。
ロックアップクラッチ制御手段116により車両再加速時にロックアップクラッチ18が係合状態から解放状態へ切り換えられたときに、アクセルオフにより回生状態に戻った場合にロックアップクラッチ18が再び係合状態へ切り換えられることになる。このとき、ロックアップクラッチ18の係合と解放とが短い時間で繰り返されるビジー切換を避けるために、ロックアップクラッチ制御手段116は、前記再加速判定手段126により回生中からの再加速が判断された後、ロックアップクラッチ18を係合状態から解放側へ直ちに切り換えるのではなく、エンジン回転速度Nが第1所定エンジン回転速度NE1より大きくなったときに係合状態から解放側への切換えを開始する。この場合、更にエンジン回転速度Nが第1所定エンジン回転速度NE1より大きな第2所定エンジン回転速度NE2より大きくなったときにロックアップクラッチ18を解放状態へ一気に切り換えても良い。
また、ロックアップクラッチ18のビジー切換を避ける別の例として、ロックアップクラッチ制御手段116は、前記再加速判定手段126により回生中からの再加速が判断された後、直ちにすなわちアクセルオンでエンジン回転速度が上昇するのと略同時に、ロックアップクラッチ18を係合状態からスリップ状態へ一旦切り換え、更にエンジン回転速度Nが第2所定エンジン回転速度NE2より大きくなったときにスリップ状態から解放状態へ一気に切り換える。この場合は、第1所定エンジン回転速度NE1より大きくなったときに係合状態から解放側への切換えを開始する場合に比べて、ロックアップクラッチ18が早めに解放側へ制御されるものの、スリップ状態(半係合状態)の為、ロックアップクラッチ18のビジー切換を避けられつつ再び係合状態へも戻しやすい。
エンジン回転速度判定手段128は、エンジン回転速度Nが第1所定エンジン回転速度NE1より大きくなったか否かを判定する。また、エンジン回転速度判定手段128は、エンジン回転速度Nが第2所定エンジン回転速度NE2より大きくなったか否かを判定する。そして、エンジン回転速度判定手段128は、その判定結果を前記ロックアップクラッチ制御手段116へ出力する。この第1所定エンジン回転速度NE1および第2所定エンジン回転速度NE2は、ロックアップクラッチ18のビジー切換が避けられるための予め実験的に求めて定められた再加速時におけるロックアップクラッチ18の作動状態切換判定値である。
図15は、電子制御装置50の制御作動の要部すなわち第2モータジェネレータMG2の回生中において車両の再加速が行われたときに第1クラッチC1を適切に再係合する制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図15は、前記図12のフローチャートにおけるステップSA5以降の制御作動である。
また、図16は図15のフローチャートに示す制御作動の一例であって、前記図13のタイムチャートに示したアクセルオフに伴い回生制御を実施する制御作動に引き続いて、アクセルオン(アクセル踏込み)に伴い回生制御を中止して第1クラッチC1を係合する制御作動を説明するタイムチャートである。
図15において、前記再加速判定手段126に対応するSB1において、回生制御中からの再加速が、例えばアクセルペダル44が再び踏込操作されたか否かに基づいて判定される。
前記SB1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合は前記エンジン回転速度判定手段128に対応するSB2において、エンジン回転速度Nが第1所定エンジン回転速度NE1より大きくなったか否かが判定される。このSB2の判断は肯定されるまで繰り返し実行される。
前記SB2の判断が肯定される場合は前記ロックアップクラッチ制御手段116に対応するSB3において、ロックアップクラッチ18が係合側から解放側に制御される。トルクコンバータ14のトルクコンバータ作用によりエンジン12が吹き上がり易くて、早く出力が増加する。
続いて、前記スリップ回転速度算出手段124に対応するSB4において、算出されたスリップ回転速度NSC1が所定スリップ回転速度NSC1’以下であるか否かが判定される。このSB4の判断は肯定されるまで繰り返し実行される。
前記SB4の判断が肯定される場合は前記スリップ制御手段122に対応するSB5において、第1クラッチC1がスリップ状態から完全係合される。第1クラッチC1自体の相対回転が同期回転速度に達しているので、係合時のショックが低減される。また、ロックアップクラッチ18が解放乃至半係合となっているので、同様に係合時のショックが低減される。また、スリップ状態からの係合となるので、完全解放からの完全係合に比べて速やかに係合される。
図16のt時点の前までは、前記図13の実施例と同じであるので説明を省略する。図16のt時点は、第1クラッチC1がスリップ制御されている回生中にアクセルペダル44が踏み込まれて再加速が開始され、回生制御が終了させられたことを示している。また、t時点以降にてアクセルペダル44の踏込みに伴ってエンジン回転速度Nが上昇させられている。
ロックアップクラッチの実線は、t時点にてエンジン回転速度Nが第1所定エンジン回転速度NE1より大きくなったことでロックアップクラッチ18が係合状態から解放側へ切換え開始され、t時点にてエンジン回転速度Nが第2所定エンジン回転速度NE2より大きくなったことでロックアップクラッチ18が解放状態(完全解放)へ一気に切り換えられたことを示している。この実線の実施例では、t時点にて直ぐにロックアップクラッチ18を解放側へ切換えず、エンジン回転速度Nが第1所定エンジン回転速度NE1より大きなるまで待つことよって、ロックアップクラッチ18のビジー切換を避けることができる。
ロックアップクラッチの破線は、t時点以降にてエンジン回転速度Nが上昇するのと略同時にロックアップクラッチ18が係合状態から解放側へ切換え開始されてスリップ状態へ一旦切り換えられ、更にt時点にてエンジン回転速度Nが第2所定エンジン回転速度NE2より大きくなったことでロックアップクラッチ18が解放状態へ一気に切り換えられたことを示している。この破線の実施例では、t時点にて直ぐにロックアップクラッチ18を解放側へ切換えるものの、一旦スリップ状態を維持する為、再び係合状態へも戻しやすく、ロックアップクラッチ18のビジー切換を避けることができる。
そして、第1クラッチC1のスリップ回転速度NSC1が所定スリップ回転速度NSC1’以下となったt時点から第1クラッチC1の油圧PC1が徐々に上昇させられ、t時点にて第1クラッチC1が完全係合させられる。
また、図16の実施例においても図13の実施例と同様にエンジン回転速度Nに替えてオイルポンプ回転速度NOPに着目して、車両再加速時のスリップ制御手段122による第1クラッチC1のスリップ状態からの再係合に際してロックアップクラッチ18を解放側に制御しても良い。この場合には、第1所定エンジン回転速度NE1に相当する第1所定オイルポンプ回転速度NOP1および第2所定エンジン回転速度NE2に相当する第2所定オイルポンプ回転速度NOP2がそれぞれ設定され、エンジン回転速度判定手段128に相当するオイルポンプ回転速度判定手段は、オイルポンプ回転速度NOPが第1所定オイルポンプ回転速度NOP1より大きくなったか否か、またオイルポンプ回転速度NOPが第2所定オイルポンプ回転速度NOP2より大きくなったか否かを判定する。このようにしても、同様の効果が得られる。
上述のように、本実施例によれば、前述の実施例における効果に加え、車両再加速時のスリップ制御手段122によるクラッチK例えば第1クラッチC1のスリップ状態からの再係合に際してロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップクラッチ18が解放側に制御されるので、トルクコンバータ14の作用により第1クラッチC1の再係合による係合ショックの発生を抑制することができる。また、トルクコンバータ14の作用によりそのトルクコンバータ14の下流側の駆動系例えば自動変速機16のインプット系を引きづらないので、車両再加速時にエンジン回転速度Nの上昇を促進させ、エンジン出力が速やかに増加して再加速性能が向上する。
前記実施例では前進6段、後進1段の自動変速機16が用いられていたが、これはあくまでも一例であり、例えば図17〜図19に示す自動変速機130など、種々の自動変速機を採用できる。
図17の自動変速機130は、自動変速機16に比較して第1変速部132、その第1変速部132と第2変速部40との連結関係、および第2変速部40において第2ブレーキB2と並列に一方向クラッチF1が設けられていることが主に相違しており、前進8段および後進2段のギヤ段が成立させられるようになっている。
第1変速部132は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置134を主体として構成されており、その第1遊星歯車装置134は、サンギヤS1、遊星歯車P1およびP1、その遊星歯車P1およびP1を自転および公転可能に支持するキャリヤCA1、遊星歯車P1およびP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を備えている。そして、サンギヤS1はケース42に一体的に固定され、キャリアCA1は入力軸22に連結されて一体的に回転駆動されるとともに、第4クラッチC4を介して第2変速部40の第1回転要素RE1(サンギヤS2)と連結されるようになっており、リングギヤR1は、第1クラッチC1を介して第2変速部40の第4回転要素RE4(サンギヤS3)と連結されるとともに、第3クラッチC3を介して第1回転要素RE1(サンギヤS2)と連結されるようになっている。リングギヤR1は中間出力部材として機能し、入力軸22に対して所定の減速比で減速回転させられる。
自動変速機130の第2変速部40においては、第2回転要素RE2とトランスミッションケース42との間には、第2回転要素RE2の正回転(入力軸22と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止する一方向クラッチF1が第2ブレーキB2と並列に設けられている。
図18は、自動変速機130の複数のギヤ段(変速段)を成立させる際のクラッチC1〜C4、およびブレーキB1、B2の作動の組み合わせを説明する作動図表(係合作動表)であり、「○」は係合状態を、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ表している。このように、自動変速機130においては、3組の遊星歯車装置134、36、38を備え、クラッチC1〜C4、およびブレーキB1、B2を選択的に係合することにより変速比γが異なる複数のギヤ段例えば前進8段および後進2段の多段変速が達成される。特に、第2ブレーキB2と並列に一方向クラッチF1が設けられていることから、第1ギヤ段「1st」を成立させる際に、第2ブレーキB2はエンジンブレーキ時には係合させられる一方、駆動時には解放させられる。また、各ギヤ段毎に異なる変速比γは一例であって、第1遊星歯車装置134、第2遊星歯車装置36、および第3遊星歯車装置38の各ギヤ比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
図19は、自動変速機130の第1変速部132および第2変速部40の共線図で、図3の共線図に相当する。そして、クラッチCおよびブレーキBの作動状態に応じて、第1速ギヤ段「1st」〜第8速ギヤ段「8th」の8つの前進ギヤ段が成立させられるとともに、第1後進ギヤ段「Rev1」および第2後進ギヤ段「Rev2」の2つの後進ギヤ段が成立させられる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例2では、クラッチKは第1クラッチC1等の変速用クラッチであったが、実施例1と同様にクラッチKはロックアップクラッチ18であっても良い。但し、この場合には、変速用クラッチは元々係合されているため、図15のSB4およびSB5のステップは必要なく、スリップ制御手段122は、第2モータジェネレータMG2の回生時にエンジン回転速度Nが所定の回転速度N’となるように係合側(特にスリップ状態)に制御しているロックアップクラッチ18を車両再加速時に解放側に制御する。このようにすれば、トルクコンバータ14の作用によりそのトルクコンバータ14の下流側の駆動系例えば自動変速機16のインプット系を引きづらないので、車両再加速時にエンジン回転速度Nの上昇を促進させ、エンジン出力が速やかに増加して再加速性能が向上する。
前述の実施例では、ロックアップクラッチ制御手段116は、再加速判定手段126により回生中からの再加速が判断された後、エンジン回転速度Nが第1所定エンジン回転速度NE1より大きくなったときにロックアップクラッチ18を係合状態から解放側へ切り換えたが、これ以外に、エンジン回転速度Nの変化率が所定値以上でロックアップクラッチ18を係合状態から解放側へ切り換えても良い。また、アクセル開度Accが所定アクセル開度以上でロックアップクラッチ18を係合状態から解放側へ切り換えても良いし、アクセル開度Accの変化率が所定アクセル変化率以上でロックアップクラッチ18を係合状態から解放側へ切り換えても良い。
また、前述の実施例では、第1クラッチC1のスリップ制御開始と同時に第2モータジェネレータMG2の回生制御が実施されたり、第1クラッチC1のスリップ制御開始に遅れてそのスリップ制御が安定してから第2モータジェネレータMG2の回生制御が実施されたが、第2モータジェネレータMG2の回生制御中に第1クラッチC1のスリップ制御が開始されても良い。このようにしても、燃費が向上する一定の効果は得られる。
また、前述の実施例では、第2モータジェネレータMG2は、出力軸24に連結されていたが、駆動輪32に対してトルクを出力可能に備えられればよい。例えば、出力軸24から駆動輪32への動力伝達経路の何れかに設けられればよい。また、第1モータジェネレータMG1や第2モータジェネレータMG2は、回転部材に直接的に連結される以外に、ベルト等を介して連結されても良い。特に、第2モータジェネレータMG2は、減速ギヤ等を介して回転部材に連結されても良い。
また、前述の実施例では、スリップ制御手段122(SA3)による第1クラッチC1のスリップ制御は、エンジン回転速度Nが所定の回転速度N’となるように第1クラッチC1の係合油圧がフィードバック制御されたが、フィードフォワード制御でも良い。
また、前述の実施例のクラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2などの油圧式摩擦係合装置は、パウダー(磁粉)クラッチ、電磁クラッチ、噛み合い型のドグクラッチなどの磁粉式、電磁式、機械式係合装置から構成されていてもよい。油圧式摩擦係合装置の場合には油圧でスリップ状態が制御されたが、例えば、パウダークラッチの場合は、電流値によりスリップ状態が制御される。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例の制御装置が適用される車両用駆動装置の要部構成を説明する骨子図である。 図1の自動変速機の変速段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとの関係を示す作動表である。 図1の自動変速機の作動を説明する共線図である。 図1の駆動装置などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 クラッチおよびブレーキの各油圧アクチュエータの作動を制御するリニアソレノイドバルブ等に関する回路図であって、図4の油圧制御回路の要部を示す回路図である。 図4のシフト操作装置の一例を示す図である。 図4の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図4の電子制御装置の変速制御において用いられる変速線図を示す図である。 図4の電子制御装置の電子式スロットル弁開度制御において用いられる関係を示す図である。 図4の電子制御装置のロックアップクラッチ制御において用いられるロックアップ領域線図を示す図である。 図4の電子制御装置のスリップ制御と回生制御とにおいて用いられる第1クラッチのスリップ量と第2モータジェネレータの回生制御において可能な回生量との関係である。 図4の電子制御装置の制御作動の要部すなわち第2モータジェネレータの回生時に第1クラッチのスリップ状態を適切に制御して燃費を向上させる制御作動を説明するフローチャートである。 図12のフローチャートに示す制御作動の一例であって、アクセルオフに伴い回生制御を実施する制御作動を説明するタイムチャートである。 図4の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、前記図7の機能ブロック線図に再加速判定手段およびエンジン回転速度判定手段がさらに加えられている。 図4の電子制御装置の制御作動の要部すなわち第2モータジェネレータの回生中において車両の再加速が行われたときに第1クラッチを適切に再係合する制御作動を説明するフローチャートであり、前記図12のフローチャートにおけるステップSA5以降の制御作動である。 図15のフローチャートに示す制御作動の一例であって、前記図13のタイムチャートに示したアクセルオフに伴い回生制御を実施する制御作動に引き続いて、アクセルオンに伴い回生制御を中止して第1クラッチを係合する制御作動を説明するタイムチャートである。 図1の駆動装置に適用される自動変速機の別の例を説明する骨子図である。 図17の自動変速機の各ギヤ段と、それを成立させるための油圧式摩擦係合装置との関係を示す作動表である。 図17の自動変速機の複数の回転要素の回転速度を直線で結ぶことができる共線図である。
符号の説明
10:車両用駆動装置
12:エンジン
14:トルクコンバータ(流体式伝動装置)
16、130:自動変速機
18:ロックアップクラッチ(クラッチ)
20:オイルポンプ
30:駆動輪
112:エンジン出力制御手段(フューエルカット制御手段)
116:ロックアップクラッチ制御手段
118:ハイブリッド制御手段(回生制御手段)
122:スリップ制御手段
C1〜C4、B1、B2:変速用クラッチ(クラッチ)
MG2:第2モータジェネレータ(電動機)

Claims (18)

  1. エンジンと、該エンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、該クラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、
    前記電動機の回生時に、前記エンジンの回転速度が所定の回転速度となるように前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段を含むことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、
    前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである請求項1の車両用駆動装置。
  3. 前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されないときには前記クラッチを解放するものである請求項1または2の車両用駆動装置。
  4. 前記所定の回転速度は、アイドル回転速度である請求項1乃至3のいずれかの車両用駆動装置。
  5. 前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた流体式伝動装置に備えられたロックアップクラッチであり、
    前記スリップ制御手段は、車両再加速時に前記ロックアップクラッチを解放側に制御するものである請求項1乃至4のいずれかの車両用駆動装置。
  6. 前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、
    前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、
    前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には、前記ロックアップクラッチを係合側に制御するロックアップクラッチ制御手段と
    を、更に含むものである請求項1乃至4のいずれかの車両用駆動装置。
  7. 前記ロックアップクラッチ制御手段は、車両再加速時の前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ状態からの再係合に際して前記ロックアップクラッチを解放側に制御するものである請求項6の車両用駆動装置。
  8. エンジンと、該エンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、該クラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、
    前記電動機の回生時に、前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段と、
    前記クラッチのスリップ状態におけるスリップ回転速度に基づいて前記電動機の回生制動力を制御する回生制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用駆動装置。
  9. 所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、
    前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである請求項8の車両用駆動装置。
  10. 前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、
    前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、
    前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には、前記ロックアップクラッチを係合側に制御するロックアップクラッチ制御手段と
    を、更に含むものである請求項8または9の車両用駆動装置。
  11. エンジンと、該エンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、該クラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、
    前記電動機の回生時に、前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段と、
    前記スリップ制御手段による前記クラッチのスリップ制御開始に同期するように前記電動機の回生制御を開始する回生制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用駆動装置。
  12. 所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、
    前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである請求項11の車両用駆動装置。
  13. 前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、
    前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、
    前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には、前記ロックアップクラッチを係合側に制御するロックアップクラッチ制御手段と
    を、更に含むものである請求項11または12の車両用駆動装置。
  14. エンジンと、該エンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチと、該クラッチから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられて回生制動力を発生可能な電動機とを備えた車両用駆動装置であって、
    前記エンジンから前記クラッチへの動力伝達経路に設けられて該エンジンに回転駆動されるオイルポンプと、
    前記電動機の回生時に、前記オイルポンプの回転速度が所定の回転速度となるように前記クラッチのスリップ状態を制御するスリップ制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用駆動装置。
  15. 所定の条件が成立したときに前記エンジンへの燃料を遮断するフューエルカット制御手段を更に含み、
    前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されているときに前記クラッチのスリップ状態を制御するものである請求項14の車両用駆動装置。
  16. 前記スリップ制御手段は、前記フューエルカット制御手段による前記エンジンへの燃料の遮断が許可されないときには前記クラッチを解放するものである請求項14または15の車両用駆動装置。
  17. 前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた流体式伝動装置に備えられたロックアップクラッチであり、
    前記スリップ制御手段は、車両再加速時に前記ロックアップクラッチを解放側に制御するものである請求項14乃至16のいずれかの車両用駆動装置。
  18. 前記クラッチは、前記エンジンから前記駆動輪への動力伝達経路に設けられた自動変速機内の変速用クラッチであり、
    前記エンジンから前記自動変速機への動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ付き流体式伝動装置と、
    前記スリップ制御手段による前記変速用クラッチのスリップ制御時には前記ロックアップクラッチを係合側に制御し、車両再加速時の該スリップ制御手段による該変速用クラッチのスリップ状態からの再係合に際しては該ロックアップクラッチを解放側に制御するロックアップクラッチ制御手段と
    を、更に含むものである請求項14乃至16のいずれかの車両用駆動装置。
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