JP2007190607A - ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法 - Google Patents

ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凝固層の混入、酸化膜の混入、及びガスの巻き込みを防止して、高品質の鋳造品を製造することのできる装置及び方法を提供すること。
【解決手段】金型キャビテイCを形成することができる固定金型1及び可動金型2、固定金型1側に設けられた、金型キャビティCに連通する鋳込スリーブ5、並びに鋳込スリーブ5内を摺動するプランジャー6を有する装置本体と、鋳込スリーブ5に形成された溶湯送出開口51を介して鋳込スリーブ5に下方から溶湯を供給充填する鋳込手段7とを備えたダイカスト鋳造装置であって、鋳込手段が、プランジャーを用いることなく、溶湯を金型キャビティC全体に充満させることができる手段7であると共に、プランジャー6が溶湯送出開口51を閉塞したときのプランジャー前方部分が、溶湯の凝固収縮体積補充に必要十分な容量となるように構成されているダイカスト鋳造装置及び該ダイカスト鋳造装置を用いるダイカスト方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、金型キャビテイ内へ溶湯を下方から充填してアルミニウム合金等の鋳造品を鋳造することができるダイカスト鋳造装置、特にガス加圧注湯鍋を用いて金型キャビテイ内へ溶湯を下方から供給充填するダイカスト鋳造装置やそれを用いたダイカスト鋳造方法に関する。
従来、固定金型と可動金型によって形成される金型キャビティに、溶融されたアルミニウム合金等の溶湯を注入し、冷却して鋳物を作製するアルミニウム合金等のダイカスト鋳造装置においては、一旦、鋳込スリーブ内に溶湯を送入した後、かかる鋳込スリーブ内の溶湯をプランジャーで押し出すことにより、溶湯を金型キャビティ内に導入していた(例えば、特許文献1,2参照。)。これらの従来の方法においては、高品質の鋳造品を製造するために、凝固層の混入、酸化膜の混入、ガスの巻き込みといった原因を排除すべく、様々な提案がなされているが、必ずしも十分であるとはいえず、さらなる改良が望まれて
いる。
特開2004−136315号公報 特開2004−344956号公報
本発明の課題は、凝固層の混入、酸化膜の混入、及びガスの巻き込みを防止して、高品質の鋳造品を製造することのできる装置及び方法を提供することにある。
本発明者らは、より高品質の鋳造品を製造するために鋭意研究した結果、一旦鋳込スリーブ内に溶湯を送入した後にプランジャーで溶湯を金型キャビティ内に導入するという従来の方法においては、鋳込スリーブ内の溶湯の上方に存在するガスの影響により、溶湯へのガスの巻き込み、酸化膜の混入を完全に回避することが困難であることに着目すると共に、迅速に短時間で各動作を行っても、鋳込スリーブ内で溶湯が滞留する間に冷却凝固し、この凝固層の混入が品質を低下させる大きな要因となっているという知見を得、この問題を解決するためにさらに鋭意研究した結果、鋳込手段により、一気に金型キャビティ内に溶湯を導入することにより、これらの問題を解決することができることを見い出し本発明を完成するに至った。また、装置本体と装脱着可能な小容量のガス加圧注湯鍋を用いる
ことにより、ガス加圧注湯鍋のガス圧力を極めて高い精度で制御できると共にガス圧力を高くすることによって溶湯を金型キャビティまで高速で供給することができ、凝固層の混入、酸化膜の混入及びガスの巻込みのない鋳造品を鋳造することができ、また、作業効率がよくメンテナンスの容易な設備費の安いダイカスト鋳造装置とすることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)金型キャビテイを形成することができる固定金型及び可動金型、固定金型側に設けられた、金型キャビティに連通する鋳込スリーブ、並びに鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーを有する装置本体と、前記鋳込スリーブに形成された溶湯送出開口を介して該鋳込スリーブに下方から溶湯を供給充填する鋳込手段とを備えたダイカスト鋳造装置であって、鋳込手段が、プランジャーを用いることなく、溶湯を金型キャビティ全体に充満させることができる手段であると共に、プランジャーが溶湯送出開口を閉塞したときのプランジャー前方部分が、溶湯の凝固収縮体積補充に必要十分な容量となるように構成されていることを特徴とするダイカスト鋳造装置や、(2)鋳込手段が、装置本体に装脱着可能なガス加圧注湯鍋を有していることを特徴とする上記(1)に記載のダイカスト鋳造装置や、(3)鋳込手段が、金型キャビティ内のガスを真空吸引して溶
湯を吸引充填する真空吸引機構を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のダイカスト鋳造装置や、(4)装置本体が鋳込ストークを備えると共に、ガス加圧注湯鍋の上端部を装置本体に密着させて密閉構造を形成することを特徴とする上記(2)又は(3)に記載のダイカスト鋳造装置や、(5)ガス加圧注湯鍋の容量が、1回の鋳込みに必要な溶湯を収容可能な容量であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置に関する。
また、本発明は、(6)金型キャビティが、その入口に鋳込スリーブ端部から漸次拡大するテーパー形状の湯溜部を備えていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置や、(7)金型キャビテイの周囲に、金型キャビテイに連通した周囲ガス通路が設けられていることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置や、(8)不活性ガスを金型キャビティ側から導入する不活性ガス導入機構を有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置や、(9)不活性ガス導入機構が、可動金型の固定金型とは反対側に設けられた不活性ガスを収容するガス室を備えていることを特徴とする上記(8)に記載のダイカスト鋳造装置や、(10)鋳込ストークの下端部が傾斜していることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置や、(11)金型キャビテイ内の溶湯を加圧する加圧手段を備え、金型キャビティが該加圧手段用の湯溜を備えていることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置や、(12)固定金型及び可動金型の型開量を測定する型開量測定手段を備えると共に、該型開量が所定量以下となるように、溶湯の加圧速度を制御する加圧速度制御手段を備えたことを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置や、(13)鋳込ストークの下方から挿入されるストーク加熱手段を備えたことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置に関する。
さらに、本発明は、(14)金型キャビテイを形成することができる固定金型及び可動金型、固定金型側に設けられた、金型キャビティに連通する鋳込スリーブ、並びに鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーを有する装置本体と、前記鋳込スリーブに形成された溶湯送出開口を介して該鋳込スリーブに下方から溶湯を供給充填する鋳込手段とを備えたダイカスト鋳造装置を用いる鋳造方法であって、鋳込み手段により、溶湯を金型キャビティ全体に充満させ、プランジャーを前進させて鋳込スリーブの溶湯送出開口を閉塞し、さらにプランジャーを前進させて溶湯を加圧し、鋳造品を鋳造することを特徴とするダイカスト鋳造方法や、(15)鋳込手段が、前記装置本体に装脱着可能なガス加圧注湯鍋を有している装置を用い、鋳込スリーブの溶湯送出開口を閉塞した後、直ちにガス加圧溶湯鍋内のガス圧を大気解放すると共に装置本体から脱着して、次回に必要な溶湯をガス加圧溶湯鍋に供給し、再び装置本体に装着して、次回の鋳造に備えることを特徴とする上記(14)に記載のダイカスト鋳造方法や、(16)ガス加圧溶湯鍋を装置本体から脱着して溶湯をガス加圧溶湯鍋に供給している間に、ストーク加熱手段を鋳込ストークの下方から挿入し加熱することを特徴とする(15)に記載のダイカスト鋳造方法や、(17)ガス加圧注湯鍋内のガス圧を1kg/cm以上に調整して、高速で短時間に溶湯を鋳込むことを特徴とする上記(15)又は(16)に記載のダイカスト鋳造方法や、(18)不活性ガスを金型キャビティ側から鋳込ストーク下端側へ流通させている状態で、溶湯が収容されたガス加圧溶湯鍋を装置本体に装着することを特徴とする上記(15)〜(17)のいずれかに記載のダイカスト鋳造方法に関する。
本発明によれば、凝固層の混入、酸化膜の混入、及びガスの巻き込みを防止して、高品質の鋳造品を製造することができる装置及び方法を提供することができる。
本発明のダイカスト鋳造装置としては、金型キャビテイを形成することができる固定金型及び可動金型、固定金型側に設けられた、金型キャビティに連通する鋳込スリーブ、並びに鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーを有する装置本体と、前記鋳込スリーブに形成された溶湯送出開口を介して該鋳込スリーブに下方から溶湯を供給充填する鋳込手段とを備えたダイカスト鋳造装置であって、鋳込手段が、プランジャーを用いることなく、溶湯を金型キャビティ全体に充満させることができる手段であると共に、プランジャーが溶湯送出開口を閉塞したときのプランジャー前方部分が、溶湯の凝固収縮体積補充に必要十分な容量となるように構成されているダイカスト鋳造装置であれば特に制限されるものではなく、本発明のダイカスト鋳造装置によれば、鋳込スリーブに溶湯を一旦充填した後、
プランジャーで溶湯を押し出すことにより金型キャビティに溶湯を充填するのではなく、鋳込み手段により、一気に金型キャビティまで溶湯を充填するので、凝固層の混入、酸化膜の混入、及びガスの巻き込みを防止し、欠陥の発生を防止して、高品質の鋳造品を製造することができる。本発明のダイカスト鋳造装置により製造できる鋳造品としては特に限定されるものではなく、軽金属合金、特に、酸化の可能性が大きく、凝固収縮が大きいアルミニウム合金であっても高品質の鋳造品を製造することができる。
鋳込み手段としては、プランジャーを用いることなく、溶湯を金型キャビティ全体に充満させることができる手段であれば特に制限されるものではなく、従来の浸漬型電磁ポンプによる方法等を用いることができるが、ガス加圧注湯鍋を用いたガス加圧注湯法が好ましい。ガス加圧注湯鍋としては、ガス加圧が可能な注湯鍋であって、装置本体に装脱着可能な注湯鍋であれば特に制限されるものではなく、ガス加圧のためにガス加圧注湯鍋を密閉構造とする必要があるが、例えば、上方が開放されたガス加圧注湯鍋に蓋を設けて密閉構造とすることもできるが、装置本体に装着することにより密閉構造を形成することが好ましい。装置本体に装着することにより密閉構造を形成する構成としては、ガス加圧注湯鍋が鋳込ストークを備えている場合には、鋳込ストーク上端部を装置本体に密着させて密
閉構造を形成することができ、具体的に、例えばストークの上面を鋳込スリーブの下部に押し付けて密閉構造を形成することができる。また、装置本体が鋳込ストークを備えている場合には、ガス加圧注湯鍋の上端部を装置本体に密着させて密閉構造を形成することができ、具体的に、例えばガス加圧注湯鍋の上面を固定盤下面に押し付けて密閉構造を形成したり、固定金型又は固定盤の下部に設けられた取付板のシールパッキンに押し込んで密閉構造を形成したりすることができる。このとき、ガス加圧注湯鍋の上部を下部に比して小さくして、装置本体に密封しやすい形状とすることが好ましい。
このように装置本体に装脱着可能なガス加圧注湯鍋を用いることにより、脱着した(取り外した)ガス加圧注湯鍋の上方(開放部)から溶湯を例えば給湯ラドルを用いて導入することができるので、非常に容易に溶湯の補充を行なうことができる。また、ガス加圧注湯鍋を脱着して、装置本体の鋳込スリーブの清掃や潤滑のためのスプレー作業を行なうことができるので非常にメンテナンスを行いやすい。
また、ガス加圧注湯鍋は、その下部に設けられた開口に連通した溶湯供給管(溶湯供給通路)を備えていてもよく、その場合、該溶湯供給管の給湯口には、ガス加圧に耐えうるシール力をもった開閉可能な給湯口蓋が設けられる。ここで、開口が設けられるガス加圧注湯鍋の下部とは、(充満時の)溶湯鍋内の溶湯の湯面より下方の部位を意味し、鋳込ストーク下端の下方の部位であることが好ましい。この場合、給湯時にガス加圧溶湯鍋を脱着して移動する必要は必ずしもないが、脱着して給湯する場合、その移動距離を短縮することができ、より効率的に作業を行うことができる。
かかるガス加圧注湯鍋は、加熱手段を備えていることが好ましく、これにより、凝固層の発生を抑制し、湯廻りが良好で鋳造製品の不良発生を極力抑制することが可能となる。
また、ガス加圧注湯鍋の容量としては、装置大型化の防止やガス加圧注湯鍋の搬送の容易さの点から、例えば1〜3回の鋳込みに必要な溶湯を収容可能な容量であることが好ましく、1回の鋳込みに必要な溶湯を収容可能な容量であることがより好ましい。1回の鋳込みに必要な溶湯を収容可能な容量とすることにより、各鋳込み時の注湯鍋内の溶湯量が常に一定なので圧力補正を行う必要がなく、より簡便に連続して充填を行うことができると共に、酸化物の混入やガスの巻き込みを抑制して安定した運転が可能となる。すなわち、複数回分の容量の場合には、各鋳込み時の液面レベルが異なり、圧力の微妙な調整を行なう必要があるが、1回の鋳込みに必要な溶湯を収容可能な容量とすることにより、このような微妙な調整を行なう必要がない。
このようなガス加圧注湯鍋の小型化は、湯面を高くしてガス部の体積を小さくできるので、溶湯の供給量調整が容易にできると共にガス圧の高圧化を可能にして容易に金型キャビティ内まで溶湯を充填することができ、また、金型キャビティへの定量的な溶湯の供給や供給速度の高速化及びショットタイムラグの短縮化を可能とし、高品質な鋳造や薄肉で大型の鋳造品の鋳造が可能となる。さらに、このような注湯鍋を用いることにより、生産サイクルタイムが短くなるので、生産性も向上する。
また、鋳込手段は、上記ガス加圧注湯鍋に加えて、金型キャビテイ内のガスを真空吸引して溶湯を吸引充填する真空吸引機構を有することが好ましい。これにより、金型キャビティへの溶湯の高速充填を可能とすると共に、金型キャビテイ内のガスを排出しガスの巻込みを防止することができる。なお、この真空吸引は、例えば、後述する周囲ガス通路及び/又はガス室に連通する吸引口から行うことができる。
上記鋳込スリーブとしては、例えば、合金鋼製の固定金型を固定する固定盤を貫通して固定金型に略水平状態又は略垂直状態、或いは傾斜状態で固着されているものを例示することができる。鋳込スリーブにはストークとの連通口である溶湯送出開口が設けられ、例えば、水平タイプ給湯装置では鋳込スリーブ下面に、垂直タイプ給湯装置では鋳込スリーブ側面に、溶湯送出開口が設けられることになる。
また、鋳込スリーブと連通状態で隣接する金型キャビティ入口に、鋳込スリーブ端部から漸次拡大するテーパー形状に形成されている湯溜部を備えているものが、溶湯充填時に鋳込スリーブ及び湯溜部内のガスを排出しやすく、加圧時に湯溜部側壁に発生した凝固層をプランジャーが加圧しないので、プランジャー前進時の抵抗が小さくなり、かつ小さい加圧力で溶湯を充分に加圧することが可能となる点でより好ましい。かかる湯溜部はサイドゲートを介して上方に位置する金型キャビティ製品部と連通させることができる。
本発明においては、鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーが溶湯送出開口を閉塞したときのプランジャー前方部分が、溶湯の凝固収縮体積補充に必要十分な容量となるように構成されている。すなわち、鋳込手段によって、一気に金型キャビティ内まで溶湯を送入するので、プランジャーは従来法における場合のように、金型キャビティ内に溶湯を押し込むための手段ではなく、金型キャビティに充填された溶湯を加圧するための手段となり、プランジャーの前方部分、すなわち、鋳込スリーブの前方部分の容量、又は湯溜部が設けられている場合には、前記鋳込スリーブの前方部分にこの湯溜部を合計した部分の容積が、凝固収縮体積補充に必要十分な容量(従来より大幅に小容量)となるように構成されている。
また、鋳込スリーブに送出された溶湯を前記金型キャビティへ注入する前記給湯装置におけるプランジャーとしては、鋳込スリーブ内を気密下に摺動しうるプランジャーチップ(プランジャーヘッド)と、前記プランジャーチップを進退させることができるプランジャーロッドを有するものを例示することができ、プランジャーロッドの往復動の駆動源としては、油圧シリンダやサーボモータを挙げることができる。
また、プランジャーチップが鋳込スリーブの前進限に位置したときに、ストークからの溶湯の送出開口を開放するような長さのプランジャーチップを用いることもでき、その場合、プランジャーロッドがその後部に鋳込スリーブ内を摺動する後方摺動部を備え、該後方摺動部とプランジャーロッドのプランジャーチップとの間にガス室を形成可能な構成とすることが好ましい。すなわち、先方に位置するプランジャーチップ及び後方に位置する後方摺動部の間にガス室を形成し、かかるガス室にガス供給手段を用いてガスを送入し、プランジャーチップの後端を溶湯送出開口に到達させてガス室とストークを連結させ、ガス室からのガス圧により、ストーク内の溶湯を注湯鍋に落下させるようにする構成とすることもできる。これにより、ストーク内に溶湯を残存させることなくすべての溶湯を確実
に溶湯鍋に導くことが可能となり、プランジャーチップ後退時の溶湯のさしこみや、ストーク内での凝固固着などのトラブルの発生を防止することができる。前記ガス室内のガス圧としては特に制限されないが、溶湯鋳込み圧力と同等であることが好ましく、注湯鍋に送入するガスを供給するガス供給手段と同一のガス供給手段を用いることができる。なお、後方摺動部が設けられるプランジャーロッドの後部とは、所定長さ(所定容量)のガス室が形成できるよう、プランジャーチップとある程度の距離をもった位置であればよく、具体的には、プランジャーロッドの中央部や後端部が挙げられ、かかる後方摺動部は、プランジャーチップ同様、プランジャーロッドと一体成型のものであってもよいし、別途取り付けてもよい。
また、前記プランジャーの他に、金型キャビティ内に注入された溶湯を加圧する加圧手段を、金型キャビティのキャビティ製品部等の加圧手段用湯溜に備えているものが好ましい。かかる金型キャビティ内に注入された溶湯を加圧する加圧手段としては、閉塞された金型キャビティ内に充填されている溶湯を加圧することにより、凝固時にひけ巣の発生を抑制しうる手段であればどのようなものでもよいが、金型キャビティ内の溶湯を加圧する手段として、金型キャビティのキャビティ製品部を形成する可動金型の圧力伝達が有効にできる位置に摺動自在に配設された加圧ピンを具体的に例示することができる。この加圧ピンは複数設けることができる。
また、本発明のダイカスト鋳造装置においては、固定金型及び可動金型の型開量を測定する型開量測定手段を備えると共に、該型開量が所定量以下となるように、プランジャー及び/又は加圧ピンによる溶湯の加圧速度を制御する加圧速度制御手段を備えていることが好ましい。型開量としては、例えば、0.1mm以下、0.2mm以下程度に設定することができ、型開き量を検出、その値が規定値を超えないように加圧速度を制御する。これにより、小さい型締め力のプレス装置でバリ吹きを防止しながらひけ巣の発生を防止することができる。
鋳込ストークとしては、装置本体に備えられていても、ガス加圧溶湯鍋に備えられていてもよいが、ガス加圧溶湯鍋内の溶湯が最も低くなったその湯面よりも、その下端が下方に位置することが好ましい。これにより、注湯溶湯に溶湯の上のガスを巻き込んだり、酸化膜が混入することなく、ガスの巻き込みや、凝固層及び酸化膜の混入による鋳造製品の不良を抑制することが可能になる。また、鋳込ストークの下端部が傾斜している構成のものが好ましく、これにより、後述するように、ストークから排出される不活性ガスにより、溶湯表面に存在する酸化膜をより吹き除くことができる。
本発明のダイカスト鋳造装置においては、金型キャビテイの周囲に、金型キャビテイに連通した周囲ガス通路が設けられていることが好ましい。周囲ガス通路としては、例えば、可動金型及び/又は固定金型に設けられた溝を挙げることができる。かかる溝としては、例えば、幅10〜15mm、深さ3〜5mm程度の溝を例示することができる。また、この周囲ガス通路は、例えば、0.1〜0.2mm程度の薄い隙間(通路)を介して金型キャビティに連通することができる。
また、本発明のダイカスト鋳造装置は、不活性ガスを金型キャビティ側から導入する不活性ガス導入機構を有することが好ましい。不活性ガス導入機構としては、可動金型の固定金型とは反対側に不活性ガスを収容するガス室を備えたものを挙げることができる。溶湯充填に際しては、溶湯鋳込み前、型締め完了後、例えば、ガス室及び周囲ガス通路を通じて不活性ガスを金型キャビテイに送入、金型内酸化の原因となる酸素を含む空気を鋳込スリーブ、鋳込ストークを通じて排出する。この状態で、ガス加圧注湯鍋を装着することにより、鋳込ストークの下端から排出されるガスによって、鋳込ストークの下の湯面の酸化膜は吹き除かれ、酸化膜が鋳込ストークに入ることを防止することができる。
さらに、本発明のダイカスト鋳造装置においては、鋳込ストーク内壁を加熱するための、鋳込ストークの下方から挿入されるストーク加熱手段を備えていることが好ましい。すなわち、ガス加圧注湯鍋を装置本体から外して給湯している間に、ストーク加熱手段を鋳込ストークの下方から挿入し加熱することにより、鋳込ストーク内壁を加熱することができ、これにより、次回の鋳造時において、かかる部分で溶湯が凝固することを確実に防止することができ、特に、装置使用の初期段階においては有用である。ストーク加熱手段としては、具体的には、鋳込ストークの下方から挿入可能なバーナーを挙げることができる。
次に、本発明のダイカスト鋳造方法について説明する。
本発明のダイカスト鋳造方法としては、金型キャビテイを形成することができる固定金型及び可動金型、固定金型側に設けられた、金型キャビティに連通する鋳込スリーブ、並びに鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーを有する装置本体と、前記鋳込スリーブに形成された溶湯送出開口を介して該鋳込スリーブに下方から溶湯を供給充填する鋳込手段とを備えたダイカスト鋳造装置を用いる鋳造方法であって、鋳込み手段により、溶湯を金型キャビティ全体に充満させ、プランジャーを前進させて鋳込スリーブの溶湯送出開口を閉塞し、さらにプランジャーを前進させて溶湯を加圧し、鋳造品を鋳造するダイカスト鋳造方法であれば特に制限されるものではなく、本発明のダイカスト鋳造方法によれば、鋳込スリーブに溶湯を一旦充填した後、プランジャーで溶湯を押し出すことにより金型キャビ
ティに溶湯を充填するのではなく、鋳込み手段により、一気に金型キャビティまで溶湯を充填するので、凝固層の混入、酸化膜の混入、及びガスの巻き込みのない高品質の鋳造品を製造することができる。
本発明の鋳造方法においては、鋳込手段が、装置本体に装脱着可能なガス加圧注湯鍋を有している装置を用いることが好ましく、かかる装置を用いて、鋳込スリーブの溶湯送出開口を閉塞し、鋳込ストーク内の溶湯を落下させた後、直ちにガス加圧溶湯鍋内のガス圧を大気解放すると共に装置本体から脱着して、次回に必要な溶湯をガス加圧溶湯鍋に供給し、再び装置本体に装着して、次回の鋳造に備えることが好ましく、これにより、1つのガス加圧注湯鍋を用いて非常に効率的に鋳造を行なうことができる。なお、ガス加圧注湯鍋を複数用いて鋳造することも可能である。また、溶湯供給管を備えたガス加圧注湯鍋を用いる場合には、注湯鍋内のガスを大気解放すると共に、溶湯鍋を装置本体から脱着して又は脱着せずに、溶湯供給管の蓋を開いて次回の溶湯を供給することができる。
また、本発明の鋳造方法においては、ガス加圧注湯鍋内のガス圧を1kg/cm以上に調整して、高速で短時間に溶湯を鋳込むことが好ましい。さらに、溶湯鋳込み前に、不活性ガスを金型キャビティ側から鋳込ストーク下端側へ流通させている状態で、溶湯が収容されたガス加圧溶湯鍋を装置本体に装着することが好ましく、これにより、鋳込ストークの下端から排出されるガスによって、鋳込ストークの下の湯面の酸化膜は吹き除かれ、酸化膜が鋳込ストークに入ることを防止することができる。
ガス加圧注湯鍋を本体に装着、密閉すると、加圧ガスを送入、高温の溶湯を鋳込ストークを通じて押し上げ、途中で停止することなく、金型キャビテイ内に充填する。これにより、鋳込スリーブで溶湯が滞留することがないので、溶湯の冷却を防止して、凝固層の発生及び混入を防止することができる。この際、溶湯が金型キャビテイ内のガスを巻き込むことのないように速度を制御すると共に、真空吸引機構により真空吸引することにより金型キャビテイ内のガスを排出する。この時、可動金型内に加圧ピン、押出ピンの周囲の隙間はガス室に通じており、この隙間から外気が金型キャビテイ内に漏入することはない。また、金型の合わせ面のシールが悪く外気が漏入しても、周囲ガス通路、ガス室を通じて
排出されるので、金型キャビテイに外気が入ることはない。
金型キャビテイに溶湯を充填後、直ちにプランジャー、必要に応じて加圧ピンにより加圧、凝固収縮体積を補充充填しひけ巣の発生を防止する。この時、加圧速度が大きいと型開き力が大きくなり、型が開きバリを吹く可能性があるので、バリを吹くことのない0.1〜0.2mmの型開き量に抑えるように型開き量を検出、その値が規定値を超えないように加圧速度を制御する。凝固が進むと圧力伝達の抵抗が大きくなりプランジャー、加圧ピンの加圧力を大きくしても型開力が大きくなることはなくなり、型が開きバリを吹くことはない。
また、プランジャーロッドの後部に後方摺動部が設けられている本発明のダイカスト鋳造装置を用いる場合には、鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーを前進させ、該プランジャーのプランジャーロッドの後方摺動部を鋳込スリーブ内に進入させたときに、プランジャーチップと後方摺動部の間のプランジャーロッド小径部の周囲にガス室を形成させ、該ガス室にガスを送入し、プランジャーを更に前進させて、大径のプランジャーチップの後端が溶湯送出口に到達し、ガス室とストークを連結させて、ガス室からのガス圧でストーク内の溶湯を注湯鍋に落下させることもできる。これにより、ストーク内に溶湯を残存させることなくすべての溶湯を確実に溶湯鍋に導くことが可能となり、プランジャーチップ後退時の溶湯のさしこみや、ストーク内での凝固固着などのトラブルの発生を防止する
ことができる。
本発明のダイカスト鋳造装置を適用した好ましい実施の態様を以下図面を参照して説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。図1は本発明のダイカスト鋳造装置を示す概略断面図であり、図2は図1におけるA−A矢視図であり、図3は図1におけるB−B矢視図であり、図4〜図9は図1に示すダイカスト鋳造装置の作業状態を示す説明図である。以下、鋳込み手段としてガス加圧注湯鍋及び真空吸引機構を備えたダイカスト鋳造装置を挙げて説明する。
図1〜図9に示される本発明のダイカスト鋳造装置としては、固定金型1と可動金型2との間に形成される金型キャビテイCに溶湯を注入するための鋳込スリーブ5と鋳込スリーブ5内を往復するプランジャー6と、鋳込ストーク9を介して鋳込スリーブ5に溶湯を供給するための装脱着可能なガス加圧注湯鍋7と金型キャビテイC内の溶湯を加圧する加圧ピン11と金型キャビテイC内にガス室18、ガス通路穴19b、周囲ガス通路19aを経て連通する不活性ガスの送入、また、真空排気をするガス出入り口13を有した装置であって、金型キャビテイC内に溶湯をガス圧によって鋳込み、プランジャー6及び加圧ピン11による加圧状態で冷却凝固して鋳造品を鋳造するものである。なお、図示されていないがダイカスト鋳造装置には、溶湯冷却後、金型キャビテイCから鋳造品10を押出し取り出すための押出ピンと型開きを行う型締装置が設けられている。
図1に示すように、鋳込スリーブ5は、金型キャビテイCに連通されるように固定盤3を貫通し、固定金型1に略水平に固定され、金型キャビテイC寄りの先端近傍付近の管壁下面にはガス加圧注湯鍋7に挿入される鋳込ストーク9が取付けられている。金型キャビテイCへの溶湯の供給充填はほぼ全量ガス圧によってガス加圧注湯鍋7から行うので、鋳込スリーブ5の溶湯送出開口51を閉塞した後のプランジャーチップ63の前進量は、金型キャビテイ内の溶湯の凝固収縮体積だけでよく、これにより、鋳込スリーブ5及びプランジャーチップ63の径は小さく、鋳込スリーブ5の長さは短く、プランジャー6のストロークも短くなる。
ガス加圧注湯鍋7は、1回の鋳込みに必要な溶湯を収納可能な耐圧注湯鍋であって、鋳込ストーク9を通じて鋳込スリーブ5へ供給する溶湯Mを保持する。ガス加圧注湯鍋7を装置本体に装着し、パッキング8で密封したとき、加圧ガスを加圧ガス通路81を通じて送入、溶湯Mを鋳込ストーク9内へ押し上げるが、ガス加圧注湯鍋7の直径は小さく、その上部のガス体積も小さく、高圧のガスを送入することも可能であり、ガス圧による注湯速度の制御は容易にできる。また、装置本体から脱着し、鋳込ストーク9の下端に当たらぬ位置まで下降させ移動した時、溶湯Mの補給が容易にできる構造になっている。また、装置本体に装着時、鋳込ストーク9の下端入口は、金型キャビテイCへの1回の注湯により下降する湯面の下方に配置されており、溶湯Mが送出される際に、溶湯の上の加圧ガスや溶湯表面近傍の酸化膜等が鋳込スリーブ5内へ混入することはない。
図2に示すように、金型キャビテイCの外周には、オーバーフロー湯溜C3及び薄い隙間の溶湯の凝固用空隙を介して、周囲ガス通路19aが設けられており、この周囲ガス通路19aは、可動金型2に設けられたガス通路穴19bを介して金型キャビテイCの背面の可動金型ホルダー15及びその側蓋で構成される密閉可能なガス室18に連通、このガス室18には、ガス出入り口13が設けられている。
鋳込スリーブ5に連通する金型キャビテイCには、鋳込スリーブ5の内径より少し大きいテーパー形状の湯溜部C1が設けられ、湯溜部C1はサイドゲ−トC2を介して上方の金型キャビテイCの製品部に連通している。また、金型キャビテイCの製品部の一端には、金型キャビテイ内の溶湯を加圧ピン用油圧シリンダー12の駆動により加圧ピン用加圧板16を介して加圧ピン湯溜14に進出して溶湯を加圧する加圧ピン11が設けられている。なお、図示されていないが、本装置には加圧時の型開き量を検出する検出装置が設けられている。
次に、上記ダイカスト鋳造装置を用いたダイカスト鋳造方法について説明する。図4に示す型締状態において、ガス出入口13を通じガス室18に不活性ガスを送入、そのガスはガス通路穴19b及び周囲ガス通路19aを通って金型キャビテイCに送出され、金型キャビテイC内の酸素を含む空気をサイドゲートC2、鋳込スリーブ5を経由して鋳込ストーク9の下端から排出される。その状態において、別の位置において給湯を完了したガス加圧注湯鍋を装着しようとするとき、図5に示すように湯面が鋳込ストーク9の下端に達すると、そのガスの流れにより湯面の上にある酸化膜を追い出し、鋳込ストーク9の中の湯面には酸化膜が入らない。鋳込ストーク9の下端が湯面の中に完全に入ると不活性ガスの送入を停止する。
図6に示すように、ガス加圧注湯鍋7が、本体に装着、密閉されると加圧ガス入口81を通じガス加圧注湯鍋7内に送入された加圧ガスの溶湯湯面にかかるガス圧と、周囲ガス通路19a、ガス室18を通じガス出入口13からの真空吸引機構による吸引によって、ガス加圧注湯鍋7内の溶湯が鋳込ストーク9、鋳込スリーブ5を通って金型キャビテイCへ充填される(図7参照。)。この時、溶湯は高温で完全溶融されており、ガス加圧注湯鍋7が小さいので、加圧ガスは高圧が使用でき、鋳込み速度は早く、途中停滞もないので短時間に完全に充填完了するので、流れの途中での凝固層の発生はなく、また、鋳込スリーブ5内、金型キャビテイC内には残存酸素はなく、酸化膜の発生はなく、ガスを真空排出するので溶湯のガスの巻き込みもない。
また、ガス通路溝19aが金型キャビテイCの全外周に設けてあり、これが真空吸引機構に連通したガス室18に通じており、金型の合わせ面から漏入する外気はこれに吸収され金型キャビテイCに入ることはなく、金型キャビテイCに連通している加圧ピン11、押出ピンの周囲の隙間はガス室18に連通しており、ここから金型キャビテイCに外気が漏入して欠陥を発生させることもない。
図8に示すように、ガス加圧による金型キャビテイCへの溶湯充填が完了すると、直ちにプランジャー6及び加圧ピン11を前進させて凝固収縮体積の補充充填を行い、ひけ巣の発生を防止する。凝固収縮体積の補充充填は、凝固収縮速度に応じて必要な速度で行えばよいのであって、加圧速度、加圧力を必要以上に大きくして型を開かせバリを吹かせるほど早く、大きくする必要はない。一般的にアルミニウム合金を鋳造する場合、金型の合わせ面の隙間δが0.1〜0.2mmでバリを吹くことはない。特に、鋳込み速度が遅く、鋳込み圧力が小さい場合は、隙間が大きくても許容される。このために、本発明においては、金型の型開き量を直接的又は間接的に検出し、その値が許容値を超えないように、プランジャー、加圧ピンの加圧速度、加圧力を制御しながら有効に加圧すると、小さい型締力(従来の1/5以下)でひけ巣のない鋳造品を鋳造することができる。
なお、微小型開き量検出の方法の一例として、型締力を確保するために、図10に示すようなゲートロック方式等の短いストロークの油圧シリンダー20を用いた例を挙げることができる。この場合、型締ピストン21の先端と油圧シリンダー20の底面との距離をhと短くし、溶湯を充填し加圧した時、型開き量がδに達したとすると、その型開き量は型締装置のタイバーの伸びやプラテンの変形量と、型締シリンダー20のピストン21の後退量で吸収される。仮に、ピストン21の後退量の比率をαとすると、型締シリンダー20内の油はα×δ÷hだけ圧縮されたことになる。
油の圧縮率が5.6×10−5/(kg/cm3)であるので、
Δp=α×δ÷(h×5.6×10−5)
だけ圧力が上昇する。
仮に、変形分担率α=1/3、型開き量δ=0.1mm、ピストン21の先端から型締シリンダー20の底面までの距離h=30mmとすると、
Δp=(1/3)×0.1÷(30×5.6×10−5)≒20kg/cm
となり、油の圧力変動で0.1mmの型開き量を充分に検出できる。他にも型開き量の検出方法は多数あり、この方法に限定されるものではない。
図9に示すように、凝固が進みプランジャーチップ63が前進し、プランジャーチップ63の後端が溶湯送出開口51の後端を過ぎると加圧ガスが鋳込スリーブ5から鋳込ストーク9の上端から入り、鋳込ストーク9内の溶湯を急速に落下させ、溶湯の冷却を防止する。冷却凝固が完了すると型を開き、鋳造品を取り出すと共に、ガス加圧注湯鍋7を脱着、次の給湯のために移動する。このとき、図11に示すように、バーナー24を鋳込みストーク9の下方に移動させ、鋳込ストーク9の中にバーナー24を挿入、溶湯送出開口51の入口部分及び鋳込ストーク9の内壁を加熱昇温して、次回の鋳造における凝固層の発生を防止することができ、特に、装置使用の開始前の事前加熱等の初期段階において有用である。
本発明のダイカスト鋳造装置の概略縦断面図である。 図1におけるA−A矢視である。 図1におけるB−B矢視である。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の作動状態を示す説明図で、不活性ガスを送入する状態を示す。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の作動状態を示す説明図で、ガス加圧注湯鍋を装着する状態を示す。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の作動状態を示す説明図で、鋳込み前の状態をしめす。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の作動状態を示す説明図で、溶湯を金型キャビテイ内へ充填した状態を示す。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の作動状態を示す説明図で、金型キャビテイ内の溶湯が加圧された状態を示す。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の作動状態を示す説明図で、溶湯の冷却凝固が完了し、型を開き、製品を取り出す状態を示す。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の型締シリンダーの一例を示す説明図である。 図1に示す本発明のダイカスト鋳造装置の作動状態を示す説明図で、型を開いて、製品を取り出した後、鋳込みストークをバーナーで加熱する状態を示す。
符号の説明
1 固定金型
2 可動金型
3 固定盤
4 可動盤
5 鋳込スリーブ
51 溶湯送出開口
6 プランジャー
63 プランジャーチップ
7 ガス加圧注湯鍋
8 パッキング
81 加圧ガス入口
9 鋳込ストーク
10 鋳造品
11 加圧ピン
12 加圧ピン用油圧シリンダー
13 ガス出入口
14 加圧ピン湯溜
15 可動金型ホルダー
16 加圧板
17 押出板
18 ガス室
19a 周囲ガス通路(ガス通路溝)
19b ガス通路穴
20 型締シリンダー
21 型締ピストン
22 ロックゲート
23 リヤプラテン
24 バーナー
C 金型キャビテイ
C1 湯溜部
C2 サイドゲート
C3 オーバーフロー湯溜
M 溶湯

Claims (18)

  1. 金型キャビティを形成することができる固定金型及び可動金型、固定金型側に設けられた、金型キャビティに連通する鋳込スリーブ、並びに鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーを有する装置本体と、前記鋳込スリーブに形成された溶湯送出開口を介して該鋳込スリーブに下方から溶湯を供給充填する鋳込手段とを備えたダイカスト鋳造装置であって、鋳込手段が、プランジャーを用いることなく、溶湯を金型キャビティ全体に充満させることができる手段であると共に、プランジャーが溶湯送出開口を閉塞したときのプランジャー前方部分が、溶湯の凝固収縮体積補充に必要十分な容量となるように構成されていることを特徴とするダイカスト鋳造装置。
  2. 鋳込手段が、装置本体に装脱着可能なガス加圧注湯鍋を有していることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造装置。
  3. 鋳込手段が、金型キャビティ内のガスを真空吸引して溶湯を吸引充填する真空吸引機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のダイカスト鋳造装置。
  4. 装置本体が鋳込ストークを備えると共に、ガス加圧注湯鍋の上端部を装置本体に密着させて密閉構造を形成することを特徴とする請求項2又は3に記載のダイカスト鋳造装置。
  5. ガス加圧注湯鍋の容量が、1回の鋳込みに必要な溶湯を収容可能な容量であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  6. 金型キャビティが、その入口に鋳込スリーブ端部から漸次拡大するテーパー形状の湯溜部を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  7. 金型キャビティの周囲に、金型キャビティに連通した周囲ガス通路が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  8. 不活性ガスを金型キャビティ側から導入する不活性ガス導入機構を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  9. 不活性ガス導入機構が、可動金型の固定金型とは反対側に設けられた不活性ガスを収容するガス室を備えていることを特徴とする請求項8に記載のダイカスト鋳造装置。
  10. 鋳込ストークの下端部が傾斜していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  11. 金型キャビティ内の溶湯を加圧する加圧手段を備え、金型キャビティが該加圧手段用の湯溜を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  12. 固定金型及び可動金型の型開量を測定する型開量測定手段を備えると共に、該型開量が所定量以下となるように、溶湯の加圧速度を制御する加圧速度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  13. 鋳込ストークの下方から挿入されるストーク加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のダイカスト鋳造装置。
  14. 金型キャビティを形成することができる固定金型及び可動金型、固定金型側に設けられた、金型キャビティに連通する鋳込スリーブ、並びに鋳込スリーブ内を摺動するプランジャーを有する装置本体と、前記鋳込スリーブに形成された溶湯送出開口を介して該鋳込スリーブに下方から溶湯を供給充填する鋳込手段とを備えたダイカスト鋳造装置を用いる鋳造方法であって、鋳込み手段により、溶湯を金型キャビティ全体に充満させ、プランジャーを前進させて鋳込スリーブの溶湯送出開口を閉塞し、さらにプランジャーを前進させて溶湯を加圧し、鋳造品を鋳造することを特徴とするダイカスト鋳造方法。
  15. 鋳込手段が、前記装置本体に装脱着可能なガス加圧注湯鍋を有している装置を用い、鋳込スリーブの溶湯送出開口を閉塞した後、直ちにガス加圧溶湯鍋内のガス圧を大気解放すると共に装置本体から脱着して、次回に必要な溶湯をガス加圧溶湯鍋に供給し、再び装置本体に装着して、次回の鋳造に備えることを特徴とする請求項14に記載のダイカスト鋳造方法。
  16. ガス加圧溶湯鍋を装置本体から脱着して溶湯をガス加圧溶湯鍋に供給している間に、ストーク加熱手段を鋳込ストークの下方から挿入し加熱することを特徴とする請求項15に記載のダイカスト鋳造方法。
  17. ガス加圧注湯鍋内のガス圧を1kg/cm以上に調整して、高速で短時間に溶湯を鋳込むことを特徴とする請求項15又は16に記載のダイカスト鋳造方法。
  18. 不活性ガスを金型キャビティ側から鋳込ストーク下端側へ流通させている状態で、溶湯が収容されたガス加圧溶湯鍋を装置本体に装着することを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載のダイカスト鋳造方法。
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