JP2007189208A - ベベル処理方法及びベベル処理装置 - Google Patents

ベベル処理方法及びベベル処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡単で安価に入手できる処理部材を用いて構造が簡単なベベル研摩方法及びベベル処理装置を提供すること。
【解決手段】ウェーハWを保持するとともに回転させる被処理基板回転部と、被処理基板回転部に保持されたウェーハWのベベル部を含むエッジ部の一部が挿入される隙間9を空けて対向配置された一対の第1、第2アーム部材8、8と、この隙間9内に装着されてウェーハWのエッジ部を処理する処理部材と、を備えたベベル処理装置1において、処理部材は、柔軟で弾力性を有する線状又は帯状の繊維部材10、10〜10を用い、この繊維部材10、10〜10を第1、第2アーム部材8、8の隙間9間に所定の張力を掛けて張架し、この張架した繊維部材10、10〜10にウェーハWのエッジ部を押し当ててウェーハWを回転してエッジ部に付着した不要物を除去する。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体ウェーハ等の各種基板を研磨するベベル処理方法及びベベル処理装置に係り、特に、半導体ウェーハのエッジ部に付着した不要物を除去するベベル処理方法及びベベル処理装置に関するものである。
各種半導体素子は、半導体ウェーハ(以下、単にウェーハという)の表面に各種の成膜を施す成膜工程、成膜した薄膜から不要な部分を除去するエッチング工程、ウェーハ表面を洗浄する洗浄工程及び乾燥する乾燥工程等の各種工程を繰り返して、ウェーハ表面に微細パターンを形成することによって製造されている。
ところが成膜されたウェーハの周縁部、すなわちエッジ部には、絶縁膜やメタル膜等の不要な膜が形成され、また、エッジ端部はこれらの成膜がめくりあがり或いは一部が剥離しかかっている等の不安定な状態になっている。この状態をそのまま放置すると、次工程への搬送過程中等において端部が欠け或いは剥離して剥離片等が粉塵となって飛散する。このような粉塵が飛散すると、処理済みのウェーハデバイス面に再付着してパーティクルの原因となる。
そこで、このような発塵をなくするために、エッチング、研磨等によりエッジ部から不必要な加工膜を除去することが行われている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
図9は下記特許文献1に記載されたウェーハエッジ研磨処理装置を示し、図9(a)はエッジ研磨の工程図、図9(b)は研磨処理装置の概要図である。
このウェーハエッジ研磨処理装置を使用したエッジ研磨法は、図9(a)に示すように、ウェーハのエッジを研磨する研磨工程30、研磨されたウェーハを酸性の洗浄液で洗浄する第1洗浄工程31、次いでアルカリ性の洗浄液で洗浄する第2洗浄工程32、その後、前工程で使用された純水を遠心力によって飛散させて乾燥する乾燥工程33により行われている。
これらの工程のうち、研磨工程30を実施するエッジ研磨装置は、図9(b)に示すように、ウェーハを挟持し回転する回転テーブル(図示省略)と、この回転テーブルの外周縁に配設された3本の研磨ドラム40A〜40Cとを備え、これらの研磨ドラム40A〜40Cには、その表面にそれぞれ圧縮性のある柔軟な研磨パッド41A〜41Cを貼付して、各研磨ドラムをウェーハWに対してそれぞれ異なる角度で押し付け接触させて、ウェーハエッジの異なる箇所を研磨する構成となっている。
図10は下記特許文献2に記載された周辺部不要膜除去装置を模式的に示した上面図である。
この不要膜除去装置42は、ウェーハWをチャックしてその軸線の回りに回転させるチャック手段43と、このチャック手段に保持されたウェーハWの上下ベベル面を研磨する一対のベベル面研磨部材44a、44bと、ウェーハWの端面を研磨する端面研磨部材45と、これらの隅角部を研磨する隅角研磨部材46とを備え、ウェーハWを回転させ、この回転するウェーハエッジにそれぞれの研磨部材を押し当て接触させることにより、ウェーハエッジを研磨して不要膜を除去する構成となっている。符号47、48は、ウェーハの搬送装置である。
図11は下記特許文献3に記載されたウェーハ洗浄装置を示し、図11(a)は概要斜視図、図11(b)は支持具に支持されたウェーハの側面図である。
このウェーハ洗浄装置は、ウェーハWを支持、回転させる複数個のコロ49と、このコロにより回転されているウェーハWに接触して処理液を供給するロール50とを備え、ロール50をウェーハWの裏面に回転させながら押し付け、回転するロール50にパイプ51から薬液を供給して洗浄する構成となっている。このコロ49には、その溝内にスポンジ52を装着し、ウェーハの回転中に、薬液の表面張力を利用してコロ内のスポンジに薬液をしみ込ませて、薬液をしみ込んだスポンジ52によりエッジ部分のエッチングを行っている。
特開2003−151925号公報(図2、図3、図9、段落〔0011〕〜〔0013〕) 特開2002−367939号公報(図1、図2、段落〔0022〕〜〔0025〕) 特開2002−231676号公報(図6、図7、段落〔0018〕〜〔0022〕)
上記特許文献1〜3に記載された処理装置によれば、いずれもウェーハエッジ部の不要な成膜を除去できるが、これらの研磨処理装置によると、ウェーハ面の半導体素子が形成された領域、いわゆるデバイス面も洗浄液により汚染されてしまうので、パターン欠陥の原因となる恐れがあり、更に次工程において洗浄及び乾燥工程が必要となり、これらの工程を実施するために洗浄及び乾燥装置の設置が必須となっている。
すなわち、上記特許文献1に記載された研磨処理装置は、ウェーハエッジを研磨する研磨工程、研磨されたウェーハを酸性の洗浄液で洗浄する第1洗浄工程、次いでアルカリ性の洗浄液で洗浄する第2洗浄工程、更に洗浄されたウェーハを乾燥する乾燥工程を実施するそれぞれの装置、すなわちエッジ研磨装置、第1洗浄装置及び第2洗浄装置及び乾燥装置を備え、これらの装置は、何れも区画された処理室に収容され、ウェーハは各処理室へ個別の搬送装置によって搬送されるようになっている。この研磨処理装置によると、第1、第2洗浄装置及び乾燥装置並びに各装置間でウェーハを搬送するロボットアーム等の搬送装置が必要となり、研磨処理装置が大型化するとともに高価になる。また、各種の薬液を使用するのでこれらの薬液に対応した給排液システムが必要になり、更に使用する薬液の濃度によっても研磨が左右される、すなわち、濃度が薄いと研磨の度合いが少なくなって大きなゴミが残り、また濃いと過度な研磨が行われてウェーハ地肌にダメージを与えてしまうことになる。なお、上記特許文献2に記載された処理装置においてもほぼ同じ構成を有しているので同様の課題がある。
更に、上記特許文献3に記載された処理装置は、ウェーハ裏面処理と同時にウェーハを支持する支持具のコロにスポンジを装着し、このコロ内のスポンジに薬液をしみ込ませ、この薬液がしみ込んだスポンジによりエッジ部分のエッチングをしている。この装置によってもウェーハのデバイス面に薬液が付着し、エッジや裏面から剥がれた物質がデバイス面を汚染する恐れがあるので、上記特許文献1、2の装置と同じように洗浄及び乾燥装置が別途必要となる。また、スポンジが磨耗、汚れ等するとその交換が必要になるがその交換作業も面倒なものとなっている。
また、上記特許文献3に記載された処理装置は、研磨部材にスポンジが装着されたコロが使用されているが、このコロに代えて、研磨砥石を用いたものも知られている。
ところが、研磨砥石を使用すると、研磨するウェーハは、そのウェーハ毎にエッジ部の形状が異なるため、1種類の研磨砥石では対応ができず、種類の異なる研磨砥石が必要になり、これらを予め用意しておかなければならず、しかも、種類が異なるウェーハ毎にそれに適合する研磨砥石に交換しなければならないので、この交換作業が面倒であるばかりか、この作業を含めると処理効率が極めて低下してしまうことになる。更に、研磨時には研磨砥石を所定の圧力でウェーハに押し当てなければならず、この押圧力は、研磨砥石が多くなるとそれに比例してより強い押圧力が必要となるので、このために大型な押圧装置及び高度な圧力制御が必要となる。一方でまた、この押圧力に対応できるウェーハの把持機構も必要となる。更に、研磨部材にブラシを使用したものも知られているが、このようなブラシを使用すると、ウェーハから取れたゴミがブラシの回転によりウェーハに再付着する恐れがある。
そこで、本発明者らはこのような従来技術の課題に鑑み、被処理基板のエッジ部に付着した不要物の種類を分析したところ、その不要物には、比較的深く研磨しなければ除去できないものと、このように深く研磨するまでもなく簡単に擦る程度で除去できるものがあることから、前者の比較的深く研磨しなければならない不要物を除去するときは、上記のような従来技術の大型な装置が必要となるが、一方、後者の簡単に擦る程度で除去できる不要物に対しては、従来技術のような大型な装置が必ずしも必要としないで済むことに気付き、このように不要物の除去方法を探究し、従来技術の研磨砥石或いは研磨ドラム等に代えて繊維部材を使用したところ、期待した除去結果が得られたことにより、本発明を完成させるに到ったものである。
すなわち、本発明の目的は、入手が容易な処理部材を用いて被処理基板に付着した不要物を簡単に除去できるベベル処理方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、比較的簡単で安価に入手できる処理部材を用いて構造が簡単なベベル処理装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加え、エッジ処理時に被処理基板のデバイス面へ処理液やスラリー等を飛散させることなく処理できるベベル処理装置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、上記目的に加え、処理時間を短縮するとともに処理効率の向上を図ったベベル処理装置を提供することにある。
更にまた、本発明の他の目的は、上記目的を実現できる構造が簡単で小型なベベル処理装置を提供することにある。
更にまた、本発明の目的は、特別な乾燥装置、複雑な搬送装置を不要とした安価なベベル処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願の請求項1に記載のベベル処理方法の発明は、被処理基板のベベル部を含むエッジ部を処理するベベル処理手段を用いたベベル処理方法において、
前記ベベル処理手段は、柔軟で弾力性を有する繊維部材を有し、該繊維部材を所定の張力を掛けて張架して、この張架した繊維部材に前記エッジ部を押し当てて前記被処理基板及び前記繊維部材のいずれか一方又は双方を所定の方向へ移動させることにより前記エッジ部に付着した不要物を除去することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のベベル処理方法において、前記繊維部材は、天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材からなり、これらの繊維又は複合材で所定の太さを有する線状体又は所定の幅長を有する帯状体で形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のベベル処理方法において、前記繊維部材は、張力調節手段に連結され、前記被処理基板の種類及びエッジ部の状態並びに処理条件に応じて、前記張力調節手段により前記繊維部材の張力が調節されることを特徴とする。
請求項4に記載のベベル処理装置の発明は、被処理基板を保持するとともに回転させる被処理基板回転部と、前記被処理基板回転部に保持された被処理基板のベベル部を含むエッジ部を処理するベベル処理部材とを備えたベベル処理装置において、
前記ベベル処理部材には、柔軟で弾力性を有する繊維部材を用い、この繊維部材を所定の張力を掛けて張架し、この張架した前記繊維部材に回転する前記被処理基板のエッジ部を押し当てて該エッジ部に付着した不要物を除去することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のベベル処理装置において、前記繊維部材は、天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材からなり、これらの繊維又は複合材で所定の太さを有する線状体又は所定の幅長を有する帯状体で形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のベベル処理装置において、前記繊維部材は、前記エッジ部の一部が挿入される隙間を空けて対向配置した一対の第1、第2アーム部材の該隙間に複数本配設されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4に記載のベベル処理装置において、前記繊維部材は、一端が供給ロールに巻回され、他端が前記第1、第2アーム部材の隙間を通って、前記繊維部材に所定の張力を掛ける調節手段に結合されていることを特徴とする。
請求項8に記載のベベル処理装置の発明は、被処理基板を保持するとともに回転させる被処理基板回転部と、前記被処理基板回転部に保持された被処理基板のベベル部を含むエッジ部の一部が挿入される隙間を空けて対向配置された一対の第1、第2アーム部材と、前記隙間内に装着されて被処理基板のエッジ部を処理するベベル処理部と、を備えたベベル処理装置において、
前記ベベル処理部は、前記被処理基板のエッジ部から不要物を除去する除去部と、この除去部に連接されて洗浄液で前記エッジ部を洗浄する洗浄部とを有し、
前記除去部は、柔軟で弾力性を有する線状又は帯状の繊維部材を用い、この繊維部材を前記第1、第2アーム部材の隙間に所定の張力を掛けて張架して前記エッジ部に押し当てられるようにし、一方、前記洗浄部には、前記第1、第2アーム部材に洗浄液を供給する供給口及び前記被処理基板に供給される液滴及び前記被処理基板から除去されたカス等の種々の物質を吸引・排出する排出口が設けられていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のベベル処理装置において、前記繊維部材は、天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材からなり、これらの繊維又は複合材で所定の太さを有する線状体又は所定の幅長を有する帯状体で形成されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8に記載のベベル処理装置において、前記第1、第2アーム部材の前記隙間には、前記繊維部材が複数本配設されていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項8に記載のベベル処理装置において、前記繊維部材は、一端が供給ロールに巻回され、他端が前記第1、第2アーム部材の隙間を通って、前記繊維部材に所定の張力を掛ける調節手段に結合されていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項8に記載のベベル処理装置において、前記供給口は、前記第1、第2アーム部材の対向する面の一方又は双方に設けられていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項8に記載のベベル処理装置において、前記供給口は、回転する前記被処理基板が挿入される側に、前記排出口は前記被処理基板が抜け出す側に設けられていること特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項8〜13のいずれかに記載のベベル処理装置において、前記供給口の近傍には、該供給口から供給される洗浄液を霧状にする霧発生手段が設けられていることを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のベベル処理装置において、前記霧発生手段は、所定の開口幅及び深さを有する凹状溝で形成されていることを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項8〜15のいずれかに記載のベベル処理装置において、前記ベベル処理部は、前記被処理基板の外周囲に沿って複数個配設されていることを特徴とする。
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、ベベル処理手段は、柔軟で弾力性を有する繊維部材を有し、この繊維部材を所定の張力を掛けて張架し、この張架した繊維部材に被処理基板のエッジ部を押し当てて被処理基板及び繊維部材のいずれか一方又は双方を所定の方向へ移動させることにより、繊維部材の柔軟性及び弾力性を利用してエッジ部の形状に左右されることなくエッジ部に付着した不要物、例えば、被処理基板上のパターン形成時に作られた不要な突起、または剥がれかかったり、めくり上がったりした成膜、及び塵等を大きな押圧力を必要とすることなく効率よく除去できる。
請求項2の発明によれば、繊維部材は、天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材で形成されるので、これらは比較的簡単で安価に入手でき、しかも加工がし易いので線状体又は帯状体は簡単に作成できる。また、繊維部材を線状体又は帯状体にすると、エッジ部に付着した不要物の状態に応じて選択して使用ができる。すなわち、付着した不要物量が除去し易いものであるときは線状体でよく、また、除去し難いものであるときは帯状体が好適になる。更に、被処理基板の種類に対応して、天然繊維、化学繊維及び無機繊維を選択し、その素材の持つ性質を利用して、不要物の除去を円滑に行うことができる。
請求項3の発明によれば、被処理基板の種類及びエッジの状態並びに処理条件に応じて、繊維部材の張力が調節できるので、被処理基板の種類、エッジ部の状態等が変わっても不要物の除去を円滑に行うことができる。
請求項4の発明によれば、請求項1の発明と同じ効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。すなわち、従来技術は、研磨部材は研磨砥石、ロール等を使用しているが、このような研磨砥石等を用いると、被処理基板、例えばウェーハは、そのエッジ部の形状がウェーハ毎に異なるため、1種類の研磨砥石では対応ができず、数種類の研磨砥石を用意してその都度エッジ部の形状に合った研磨砥石に交換しなければならないため、交換作業が面倒であるばかりか処理に時間がかかり、作業効率が低下するが、本発明のように繊維部材を使用することによりこのような課題を解決できる。また、研磨砥石、ロール等を使用すると、ウェーハに対して比較的強い押圧力を掛ける必要があり、この押圧力は研磨砥石の数が多くなるとその数に比例して増大するため、大型な押圧装置が必要となるとともに、その圧力制御が難しく、一方、このような押圧力に対抗できる被処理基板把持機構も必要となるが、この発明によると、これらの装置は簡易なものでよいことになる。更に、繊維部材は、従来の砥石、ブラシ等に比べて安価であるので、研磨にかかるコストを低減できる。
請求項5の発明によれば、請求項2の発明と同じ効果、すなわち、繊維部材は天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材で形成されるので、これらは比較的簡単で安価に入手でき、しかも加工がし易いので線状体又は帯状体は簡単に作成できる。また、繊維部材を線状体又は帯状体にすると、エッジ部に付着した不要物の状態に応じて選択して使用できる。すなわち、付着した不要物が除去し易いものであるときは線状体でよく、また、除去し難いものであるときは帯状体が好適になる。更に、被処理基板の種類に対応して、天然繊維、化学繊維及び無機繊維を選択し、その素材の持つ性質を利用して、不要物の除去を円滑に行うことができる。
請求項6の発明によれば、複数本の繊維部材が第1、第2アーム部材の隙間に配設されるので、エッジ部との押圧力の制御が容易になる。すなわち、繊維部材が1本であると、この1本の繊維部材とベベル部を含むエッジ部との接触範囲を広くして所定の押圧力を掛けようとすると、繊維部材はエッジ部の回りに大きく湾曲しなければならないので張力の制御が困難となるが、繊維部材を複数本にすると、繊維部材の湾曲が小さくできるので張力の制御は容易になる。
請求項7の発明によれば、繊維部材は、一端を供給ロールに巻回し、他端を第1、第2アーム部材の隙間を通って、繊維部材に所定の張力を掛ける調節手段に接続したので、繊維部材に異物が付着し、また磨耗等した場合、繊維部材を供給ロールから引き出して新たな箇所で不要物を除去することができる。また、被処理基板の種類及びエッジ部の状態に応じて繊維部材の張力が調節されるので、被処理基板の種類やエッジ部の状態が変わっても不要物の除去を円滑に行うことができる。また、被処理基板の種類、処理条件等に応じた繊維部材の張力の調節が簡単にできる。
請求項8の発明によれば、ベベル処理部の除去部により請求項4の発明と同じ効果を奏することができるとともに、洗浄部により以下の効果を奏する。すなわち、被処理基板のエッジ部の洗浄は、ベベル処理部内で処理され、供給された洗浄液及び基板から剥がされたカスのようなデバイス面に影響を及ぼす全ての物質を吸引・排出することにより洗浄液等がベベル処理部から外へ飛散することがなくなり、従来技術で必要としていた洗浄・乾燥処理が不要となる。その結果、デバイス面の特別な洗浄・乾燥処理装置及びこれらの洗浄・乾燥処理装置の間で被処理基板を搬送する搬送装置も不要になり、装置を簡単にして小型化でき、しかも安価に製作できる。更に、ベベル処理部内で処理されたエッジ部は、このベベル処理部を抜け出るときには排出口により洗浄液及び被処理基板のカス等の被処理基板に影響を与える全ての物質がベベル処理部と被処理基板の隙間から装置内の雰囲気を形成する気体とともに吸引・排出される。この吸引・排出による流れによってエッジ部がベベル処理部を抜け出したときには乾燥状態となっている。これにより、ベベル処理部内でエッジ部に供給された洗浄液が被処理基板のデバイス面等に及ぶことがなく、ベベル処理部に覆われている部分を除く被処理基板の表面の全てが乾燥状態を維持して処理がなされるため、デバイス面等に影響を与えることなく一連の除去処理を行うことができるようになる。また、洗浄には薬液が不要となり、耐薬液用の部材を使用する必要がなく薬液供給手段及び薬液処理設備等が不要になり処理費用が安価になる。
請求項9〜11の発明によれば、それぞれ請求項5〜7に示す発明と同じ効果を奏することができる。
請求項12の発明によれば、この位置に供給口を設けることで洗浄液を被処理基板のエッジ部に効率よく供給できる。
請求項13の発明によれば、供給口と排出口との間にエッジ部の外周縁に沿った比較的長い流路が形成されるので、この流路により長く洗浄液がエッジ部に接触して洗浄されるのでエッジ部の洗浄残りがなくなり、また、洗浄液はエッジの外周縁に沿って流れるのでエッジ部にゴミ等が残存することがなくなる。更に、この位置に排出口を設けることで使用済みの洗浄液及びカス等を洗浄部から被処理基板のエッジ部外へ飛散させることなく効率よく回収し、外部へ排出できる。
請求項14の発明によれば、洗浄液を霧状にして被処理基板のエッジ部に供給するので、エッジ部には略均一に洗浄液が行き渡って、良好な洗浄ができる。
請求項15の発明によれば、洗浄液の流路中において気圧を変化させることで霧状に変化させるので、簡単な構造で霧発生手段を形成できる。
請求項16の発明によれば、ベベル処理部が被処理基板の外周囲に複数個配設されているため、被処理基板のエッジ部の洗浄を効率よくでき、処理スピードを上げることができる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのベベル処理方法及びベベル処理装置を例示するものであって、本発明をこのベベル処理方法及びベベル処理装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
図1は本発明の実施形態に係るベベル処理装置を示す概略断面図、図2は研磨ヘッドとウェーハとの関係を示す平面図、図3は繊維部材の側面図、図4は図2のA−A線の断面図である。なお、図1のベベル処理装置はその構造を分かりやすいように、その一部を後述する回転駆動機構5に連結されたウェーハ回転軸4が設けられた位置で切断した状態を示したものである。
ベベル処理装置1は、図1に示すように、ウェーハWをほぼ水平に保持して回転させる回転テーブル2と、このウェーハWの外周縁の一部に位置してエッジ部を研磨及び洗浄するベベル処理部7と、を備え、回転テーブル2及びベベル処理部7は、処理カップ6内に収容されている。
ベベル処理部7は、図2に示すように、所定長さの支持腕(図示省略)と、この支持腕の一端に結合された処理ヘッド7を備え、支持腕の他端は支持台(図示省略)に回動自在に固定されている。また、この支持腕は駆動機構(図示省略)で回動されて処理ヘッド7をウェーハWのエッジ部に接近させるようになっている。
回転テーブル2は、図1に示すように、ウェーハWが載置される保持台3と、この保持台3に連結された回転軸4と、この回転軸4に連結されて保持台3とともに回転させる回転駆動機構5と、を有している。この保持台3は、図2に示すように、ウェーハWより小さい円盤状をなし、この保持台3上に同軸上に載置されたウェーハWを保持固定するチャックにより固定される。この固定には、後述するように、ウェーハの把持力が従来技術と比べて小さくできるので大型な装置は不要となる。
ベベル処理部7は、ウェーハWのエッジ部を研磨する研磨ヘッド8とエッジ部を洗浄する洗浄ヘッド11とで構成されている。
研磨ヘッド8は、図4に示すように、ウェーハWのエッジ部の一部が挿入される隙間を空けて上下に対向配置される板状体からなる一対の第1、第2アーム部材8、8と、これら第1、第2アーム部材8、8の隙間に張架された繊維部材10とで構成されている。なお、この両アーム部材8、8の奥部は薄壁8で閉鎖されている。
繊維部材10は、所定の太さ及び長さを有する1本の線状体又は複数本を撚り合わせた紐状のもの、更に所定の幅長を有する帯状体、例えば布状或いはベルト状のもので作成される。
詳しくは、この繊維部材10は、図3に示すように、所定の太さ、例えば1〜50μmのフィラメントが所定の本数、例えば50〜5000本結束或いは絡み合ってフロス(floss)状になったものが使用される。このフロス状の繊維部材10は、所定の弾力性、柔軟性及び伸縮性を有し、通常は図3(a)に示すように、所定の長さに対して比較的幅広の略帯状をなし、この状態で両端が引っ張られると、図3(b)に示すように、紐ないし糸状になる性質を有している。したがって、この繊維部材は、所定の弾力性、柔軟性及び伸縮性を有するので、ウェーハのエッジ部に押し当てられたときに、エッジ部の形状にぴったり当接されて順応性がよく、しかも走行性も良好となり不要物の除去がスムーズに行える。すなわち、各種のウェーハは、ウェーハ毎にエッジ部の形状が異なり、また、エッジ部には、通常、結晶方向の向きを示すノッチ(切欠き)が設けられているが、このように形状が異なっても或いはノッチがあってもこれらに柔軟に且つ所定の張力を掛けることにより順応に対応できる。また、この繊維部材10の材料は、ウェーハWの種類に応じて、天然繊維、例えば、綿、麻、ヤシ、サボテン等の植物繊維、或いは毛、羊毛、絹、カシミヤ、ラクダ、ウサギ等の動物繊維、また、石綿等の鉱物繊維、更に、化学繊維、例えば、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維(ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、岩石繊維、スラッグファィバー)等から選択され、又は、これらを組み合わせた複合材が使用される。これらの素材のうち、天然繊維、動物繊維等は安価で簡単に入手できるので、線状又は帯状の繊維部材を安価に作成できる。なお、ダイヤモンド粒子のような研磨材を繊維部材に付着させてもよい。このように種々の繊維を選択的に使用することで、その素材の持つ性質を利用して、不要物の除去を円滑に行うことができる。
一対の第1、第2アーム部材8、8は、図4に示すように、隙間Dの入口に近いところに、糸状の繊維部材10を挿通できる大きさのスリット又は穴a、bが形成されている。この繊維部材10は、図4に示すように、ロールRに巻回されて、このロールに巻回された繊維部材が上下に位置する第1、第2アーム部材8、8間を通過して、他のロールR'に巻き取られるようになっている。この繊維部材10は、上下に位置する第1、第2アーム部材8、8間に所定の張力が掛けられて張架され、ウェーハW研磨時においてウェーハWが接触されたときにウェーハWのエッジ部と繊維部材10との間に所定の摩擦力が加わるように調節される。この摩擦力の調節は、ロールR'の巻き取り手段により行われる。なお、この摩擦力を調節する手段は、例えば所定の自重を有する錘を別途繊維部材10に吊下しただけのものでもよい。研磨時におけるエッジ部と繊維部材10との摩擦力は、線状の繊維部材10に数グラムの錘を吊下した程度の張力でも良好な結果が実験で確認されている。この程度の張力で良好な結果が得られるので、ウェーハWを保持する手段は大型の装置が不要になる。すなわち、この種のベベル処理装置では、従来ウェーハWの保持手段に大掛かりな装置、例えば、研磨材の押圧力に対抗できるような大型の真空吸着装置等が使用されているが、この実施形態のものによると、このような大型の装置は不要になる。また、繊維部材10をロールRに巻回しておくと、繊維部材10が磨耗し或いは古くなったときなどには繊維部材10をロールRから引き出してウェーハWとの接触箇所を変更することにより、再び良好な除去を行うことができる。このように、各ロールRを定期的に作動させて巻き取り、ウェーハWのエッジ部との接触箇所を変更するのが好ましい。また、処理を行いながら接触箇所を変更することも可能である。このような変更は、例えば、マイクロコンピュータ等を用いてロールRの回転を制御することにより行われる。
次に、この研磨ヘッド8を用いたウェーハエッジ部の不要物除去法を図1〜図4を参照して説明する。
先ず、回転テーブル2の保持台3上にウェーハWの中心を回転軸4の軸線の延長線上に位置するように載置し、この載置面にチャックによりウェーハWを固定する。そして、回転軸4に接続された回転駆動機構5によりウェーハWを時計方向へ回転させ、ベベル処理部7の駆動機構により、支持腕(図示省略)を回動させて研磨ヘッド8をウェーハWのエッジ部に押圧接触させる。
エッジ部への研磨ヘッド8の押圧により、上下第1、第2アーム部8、8間に略直線状に所定の張力で張架された糸状の繊維部材10は、図4に示すように、ウェーハWのエッジ部に押されて弓状に変形して所定の摩擦力が発生するように圧接される。所定の張架力は、ウェーハによって異なるが、この糸状の繊維部材に数グラムから数十グラム程度の錘を吊下する程度である。この状態にして、回転駆動機構5を作動させて所定の速度、例えば、20秒で1回転する速度で回転テーブル2を回転させ、研磨ヘッドの繊維部材10でウェーハエッジ部を走査し、同時に吸引装置(図示省略)により、走査によってエッジ部から剥ぎ取られた物質が外へ排出される。
したがって、この研磨ヘッドを用いた装置は、可撓性及び弾力性を有しソフトな繊維部材、例えばフロス状の繊維糸で小さい摩擦力でエッジ部を擦ることにより、十分な研磨が得られたことが実験結果で確認されている。このため、回転テーブルでのウェーハの保持装置、例えば真空吸着するような大掛かりな装置等が不要にできる。また、繊維糸には、剥離カスが付着し、また磨耗するので、各ロールを定期的に作動させて巻き取り、エッジ部との接触箇所を変更するのが好ましい。
上記の研磨ヘッド8は、繊維部材の繊維糸が1本であるが、複数本を使用してもよい。図5は研磨ヘッドの変形例に係る断面図を示し、図5(a)は変形例1の断面図、図5(b)は変形例2の断面図である。なお、図5(a)及び図5(b)は図4に示す研磨ヘッドの断面図に対応したものとなっている。また、図6は図5(a)の研磨ヘッドにおけるエッジ部と繊維部材との接触面を拡大して示した図であり、図6(a)は図3に示す繊維部材を用いた場合の拡大断面図、図6(b)はその他の繊維部材を用いた場合の拡大断面図である。
図5(a)の研磨ヘッド8Aは2本の繊維糸を使用したものである。この研磨ヘッド8Aは、第1、第2アーム部材8、8にそれぞれ所定間隔で穴a、a及びb、bを形成し、これらの穴に2本の繊維部材10、10を通して隙間9内の1箇所Xで交差するように配設されている。すなわち、第1、第2繊維部材10、10は、互いに交差するように、各ロールRとR'、RとR'間に張架される。各ロール間の張架は、上述した研摩ヘッド8と同じように、所定の張力が加わるように調節されている。このように繊維部材が2本あるとエッジ部との押圧力の制御が容易になる。すなわち、繊維部材が1本であると、この1本の繊維部材にベベル部を含むエッジ部との接触範囲を広くして所定の押圧力を掛けようとすると、繊維部材はエッジ部の回りに大きく湾曲しなければならないので、張力の制御が困難であるが、繊維部材を複数本にすると、繊維部材の湾曲が小さくなるので張力の制御は容易になる。なお、この研磨ヘッド8Aを使用した研磨法は、上記研磨ヘッド8を用いたものと同じである。
図5(b)の研磨ヘッド8Bは、3本の繊維糸を使用したものである。
この研磨ヘッド8Bは、第1、第2アーム部材8、8にそれぞれ所定間隔で穴a〜a及びb〜bを形成し、これらの穴に3本の繊維部材10、10、10を通して隙間9内の1箇所Xで交差するように配設されている。すなわち、第1、第3繊維部材10、10は、互いに交差するように、各ロールRとR'、RとR'間に張架され、また、第2繊維部材10は上記交差部となるX部分で第1、第3繊維部材10、10とそれぞれ交差するように各ロールRとR'との間に張架される。各ロール間の張架は、上記研磨部と同じように、所定の張力が加わるように調節されている。繊維部材が複数本であると、エッジ部との押圧力の制御が容易になる。すなわち、繊維部材が1本であると、この1本の繊維部材にベベル部を含むエッジ部との接触範囲を広くして所定の押圧力を掛けようとすると、繊維部材はエッジ部の回りに大きく湾曲しなければならないので、張力の制御が困難であるが、繊維部材を複数本にすると、繊維部材の湾曲が小さくなるので張力の制御は容易になる。なお、繊維糸の本数は1〜3本に限らず、さらに繊維糸を増やして研磨ヘッドを構成してもよい。
このように複数本の繊維糸を使用すると、ウェーハエッジ部を効率よく研磨することができる。しかしながら、この研磨時に、繊維部材の種類によっては、ウェーハエッジ部と繊維部材との間に当接されない隙間が形成されることがある。
すなわち、例えば、図6(b)に示すように、2本の繊維糸がウェーハWのエッジ部に当接されると、両繊維糸が交差する箇所にウェーハエッジ部と接触しない隙間Gが形成されてしまうことがある。このような場合は、図3に示したような繊維糸、すなわち所定の弾力性、柔軟性及び伸縮性を有する繊維糸を使用すると、図6(a)に示すように、この繊維糸の柔軟・弾力性により隙間がなくなり良好な研磨ができる。すなわち、この種の繊維糸がウェーハエッジ部に当接すると、当接する箇所が他の繊維糸を用いた場合の当接する箇所より長手方向に伸びると共に長手方向と直交する方向においてその断面積が縮小されて、周縁部の全面に接触し、上記のような隙間がなくなる。
ベベル処理装置1は、研磨ヘッド8、8A、8Bにより、ウェーハエッジ部を擦ることができるが、このヘッドに連接して、洗浄ヘッドを配設するのが好ましい。次に、この研磨ヘッドに連接される洗浄ヘッド11を図7を参照して説明する。図7は洗浄ヘッドを示し、図7(a)は斜視図、図7(b)は図7(a)のB−B線断面図である。
洗浄ヘッド11は、図7に示すように、研磨ヘッド8から延長された各第1、第2アーム部材8、8の間に、水平方向に延設されたウェーハWのエッジ部の一部が挿入される隙間Dを有するコ字状溝9が形成されている。第1アーム部材8及び第2アーム部材8には、その内面に洗浄液が供給される供給口11、11が第1、第2アームの一端部、すなわち、回転するウェーハWがコ字状溝9内に最初に入る側にそれぞれ対峙して形成されている。これらの供給口11、11から離れた位置、すなわち、回転するウェーハWがコ字状溝9から抜け出す側の溝9の奥部に排出口11が設けられている。
各供給口11、11及び排出口11は、ウェーハWの回転方向に対して、各供給口11、11をウェーハの未処理側、すなわち、回転するウェーハWがコ字状溝9内ヘッドに最初に入る側に、一方、排出口11をウェーハの処理済み側、すなわち、ウェーハWがコ字状溝9内から抜け出す側に配設され、図7(b)に示すように、各供給口11、11から供給された洗浄液は、各供給口11、11と排出口11との間に所定の距離ができて、この間でエッジ部の外周縁に沿って流れる流路Fが形成される。この流路Fにより、洗浄ヘッド11内のエッジ部には流路Fが長い時間接触するため、洗浄ムラがなくなりゴミ等が残存することがなくなる。なお、各供給口11、11は第1、第2アーム部材8、8に対峙して設けたが、いずれか一方のアーム部材でもよい。また、各供給口11、11は、第1、第2アーム部材8、8の中央部でもよい。
また、このような洗浄ヘッド11では、各供給口11、11から供給される洗浄液がヘッド内で霧状になっているのが好ましい。図8は霧発生手段を付設した洗浄ヘッドを示したもので、図8(a)は断面図(図7(b)に対応している)、図8(b)は図8(a)のC−C線の断面図である。
この洗浄ヘッド11Aは、上記洗浄ヘッド11とほぼ同じ構造を有し、異なるところは、霧発生手段を付設したところにある。霧発生手段12は、供給口11の近傍に形成した凹状溝12で構成されている。この凹状溝12は、図8(a)に示すように、供給口11の直下、すなわち、供給口11から供給される洗浄液が排出口11へ流れる方向と直交する方向に、所定の開口幅及び深さを有する溝で形成されている。このような凹状溝12を供給口11の近傍に設けると、ウェーハWと第1アーム部材8との隙間は、凹状溝12が形成された箇所の隙間Dが溝を形成されない箇所の隙間Dより大きくなり、この隙間を通過する洗浄液は、隙間の狭いところから広いところへ流れる際に、気圧変化が起こり霧状になる。したがって、洗浄液を霧状にすることによりウェーハWのエッジ部に略均一に供給できるので、良好な洗浄ができる。この凹状溝12Aは、供給口11の近傍に形成されているが、対向する供給口11にも形成される。
洗浄ヘッド11、11Aの各供給口11、11は、図1に示すように、供給路Lにより途中にバルブVを介して洗浄液供給源13aに接続されている。洗浄液供給源13aから供給される洗浄液としては、例えば純水を用いる。なお、洗浄液としては、この他にイオン水(機能水)、オゾン水等を使用してもよい。なお、特に薬品は使用されない。また、排出口11は、排出路Lにより途中にバルブVを介して吸引排出設備13bに接続されている。排出は工場排気圧を利用してバルブVで調整される。このとき排出路Lの途中に補助のためのポンプを介してもよい。
この研磨部及び洗浄部は、所定の幅長を有しているので、コ字状溝9内にウェーハWの外周縁の一部が挿入されたとき、ウェーハエッジの上下面を所定範囲で覆い、この覆われた箇所で研磨、洗浄及び使用済み洗浄液等の吸引排出がなされ乾燥状態に戻されるので、ウェーハWのデバイス面へ洗浄液が飛び出ることを阻止できる。
次に、この研磨ヘッドと洗浄ヘッドを連接したベベル処理装置によるウェーハの研磨・洗浄方法を主に図1〜図7、図8を参照して説明する。
先ず、回転テーブル2の保持台3上にウェーハWの中心を回転軸4の軸線の延長線上に位置するように載置し、この載置面にチャックによりウェーハWを固定する。そして、回転軸4に接続された回転駆動機構5によりウェーハWを時計方向へ回転させ、ベベル処理部7の駆動機構により、支持腕(図示省略)を回動させて研磨ヘッド8をウェーハWのエッジ部に押圧接触させ走査する。この走査は、上記研磨ヘッド8の方法と同じである。
走査されたエッジ部は、次の洗浄部において、各供給口11、11から純水を供給する。供給された洗浄液は、各供給口11、11と排出口11との間に所定の距離ができていることから、図7(b)に示すように、この間でエッジ部の外周縁に沿って流れる流路Fが形成され、この流路Fにより、洗浄ヘッド11内のエッジ部には、万遍なく洗浄液が行き渡り、洗浄ムラがなくなりゴミ等の残存することがなくなる。また、洗浄ヘッド11に代えて洗浄ヘッド11Aを使用すると、ヘッド内で洗浄液が霧状になるので、エッジ部にほぼ均一に洗浄液が当たり、洗浄がより良好に行われる。この研磨及び洗浄した後に、研磨カス及び使用済みの洗浄液等を排気口から排気する。この排気により、剥離カス及び使用済みの洗浄液等は、排出口11から吸引されて外へ排出されるとともに、吸引の陰圧により発生した気流によってエッジ部が乾燥される。したがって、この処理ヘッドによると、ウェーハのエッジ部は、研磨部及び洗浄部で研磨、洗浄及び乾燥され、しかも、研磨カス、洗浄液等が研磨ヘッドから外へ飛散されることがない。
この実施形態では、研磨ヘッドは、研磨部と洗浄部とを有しているが、洗浄部を省いてもよい。また、繊維部材に純水を供給してこの部材を純水で湿らせた状態で処理してもよい。また、ベベル処理部11は、図2に示すように、ウェーハの外周囲に1個設けた実施形態を説明したが、2個あるいはそれ以上の個数設けてもよい。ベベル処理部11を複数個配設することにより、処理能率を上げることが可能になる。更に、この実施形態では、ウェーハを回転させたが、ウェーハを固定してベベル処理部を回転、或いはウェーハ及びベベル処理部を互いに異なる方向へ回転させてもよい。
このように、本発明のベベル処理装置によると、ベベル処理部にウェーハがドライ状態で侵入し、乾燥状態で研磨し、ウェット洗浄をしてもドライ状態で抜け出てくること、つまりドライイン・ドライアウトの処理ができる。
図1は本発明の実施形態に係るベベル処理装置を示す概略断面図である。 図2はベベル処理部とウェーハとの関係を示す平面図である。 図3は繊維部材の側面図である。 図4は図2のA−A線の断面図である。 図5は研磨ヘッドの変形例に係る断面図を示し、図5(a)は変形例1の断面図、図5(b)は変形例2の断面図である。 図6は図5(a)の研磨ヘッドにおけるエッジ部と繊維部材との接触面を拡大して示した図であり、図6(a)は図3に示す繊維部材を用いた場合の拡大断面図、図6(b)はその他の繊維部材を用いた場合の拡大断面図である。 図7は洗浄ヘッドを示し、図7(a)は斜視図、図7(b)は図7(a)のB−B線の断面図である。 図8は別の洗浄ヘッドを示し、図8(a)は断面図、図8(b)は、図8(a)のC−C線の断面図である。 図9は従来技術のエッジ研磨法及び研磨装置を示し、図9(a)はエッジ研磨工程の工程図、図9(b)は研磨装置の概要図である。 図10は他の従来技術の周辺部不要膜除去装置を模式的に示した上面図である。 図11は更に他の従来技術のウェーハ洗浄装置を示す支持具に支持されたウェーハの断面図である。
符号の説明
1 ベベル処理装置
2 回転テーブル(被処理基板回転部)
3 保持台
4 回転軸
5 回転駆動機構
6 処理カップ
8、8A、8B 研磨ヘッド
第1アーム部材
第2アーム部材
9 コ字状溝
10、10〜10 繊維部材
11 ベベル処理部
11、11 供給口
11 排出口
供給路
吸引路
D 隙間
W ウェーハ(被処理基板)

Claims (16)

  1. 被処理基板のベベル部を含むエッジ部を処理するベベル処理手段を用いたベベル処理方法において、
    前記ベベル処理手段は、柔軟で弾力性を有する繊維部材を有し、該繊維部材を所定の張力を掛けて張架して、この張架した繊維部材に前記エッジ部を押し当てて前記被処理基板及び前記繊維部材のいずれか一方又は双方を所定の方向へ移動させることにより前記エッジ部に付着した不要物を除去することを特徴とするベベル処理方法。
  2. 前記繊維部材は、天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材からなり、これらの繊維又は複合材で所定の太さを有する線状体又は所定の幅長を有する帯状体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベベル処理方法。
  3. 前記繊維部材は、張力調節手段に連結され、前記被処理基板の種類及びエッジ部の状態並びに処理条件に応じて、前記張力調節手段により前記繊維部材の張力が調節されることを特徴とする請求項1に記載のベベル処理方法。
  4. 被処理基板を保持するとともに回転させる被処理基板回転部と、前記被処理基板回転部に保持された被処理基板のベベル部を含むエッジ部を処理するベベル処理部材とを備えたベベル処理装置において、
    前記ベベル処理部材には、柔軟で弾力性を有する繊維部材を用い、この繊維部材を所定の張力を掛けて張架し、この張架した前記繊維部材に回転する前記被処理基板のエッジ部を押し当てて該エッジ部に付着した不要物を除去することを特徴とするベベル処理装置。
  5. 前記繊維部材は、天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材からなり、これらの繊維又は複合材で所定の太さを有する線状体又は所定の幅長を有する帯状体で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のベベル処理装置。
  6. 前記繊維部材は、前記エッジ部の一部が挿入される隙間を空けて対向配置した一対の第1、第2アーム部材の該隙間に複数本配設されていることを特徴とする請求項4に記載のベベル処理装置。
  7. 前記繊維部材は、一端が供給ロールに巻回され、他端が前記第1、第2アーム部材の隙間を通って、前記繊維部材に所定の張力を掛ける調節手段に結合されていることを特徴とする請求項4に記載のベベル処理装置。
  8. 被処理基板を保持するとともに回転させる被処理基板回転部と、前記被処理基板回転部に保持された被処理基板のベベル部を含むエッジ部の一部が挿入される隙間を空けて対向配置された一対の第1、第2アーム部材と、前記隙間内に装着されて被処理基板のエッジ部を処理するベベル処理部と、を備えたベベル処理装置において、
    前記ベベル処理部は、前記被処理基板のエッジ部から不要物を除去する除去部と、この除去部に連接されて洗浄液で前記エッジ部を洗浄する洗浄部とを有し、
    前記除去部は、柔軟で弾力性を有する線状又は帯状の繊維部材を用い、この繊維部材を前記第1、第2アーム部材の隙間に所定の張力を掛けて張架して前記エッジ部に押し当てられるようにし、一方、前記洗浄部には、前記第1、第2アーム部材に洗浄液を供給する供給口及び前記被処理基板に供給される液滴及び前記被処理基板から除去されたカス等の種々の物質を吸引・排出する排出口が設けられていることを特徴とするベベル処理装置。
  9. 前記繊維部材は、天然繊維、化学繊維及び無機繊維のいずれか1つ又はこれらの複合材からなり、これらの繊維又は複合材で所定の太さを有する線状体又は所定の幅長を有する帯状体で形成されていることを特徴とする請求項8に記載のベベル処理装置。
  10. 前記第1、第2アーム部材の前記隙間には、前記繊維部材が複数本配設されていることを特徴とする請求項8に記載のベベル処理装置。
  11. 前記繊維部材は、一端が供給ロールに巻回され、他端が前記第1、第2アーム部材の隙間を通って、前記繊維部材に所定の張力を掛ける調節手段に結合されていることを特徴とする請求項8に記載のベベル処理装置。
  12. 前記供給口は、前記第1、第2アーム部材の対向する面の一方又は双方に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のベベル処理装置。
  13. 前記供給口は、回転する前記被処理基板が挿入される側に、前記排出口は前記被処理基板が抜け出す側に設けられていること特徴とする請求項8に記載のベベル処理装置。
  14. 前記供給口の近傍には、該供給口から供給される洗浄液を霧状にする霧発生手段が設けられていることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載のベベル処理装置。
  15. 前記霧発生手段は、所定の開口幅及び深さを有する凹状溝で形成されていることを特徴とする請求項14に記載のベベル処理装置。
  16. 前記ベベル処理部は、前記被処理基板の外周囲に沿って複数個配設されていることを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載のベベル処理装置。
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