JP2007187692A - 微粒子を内包するマイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

微粒子を内包するマイクロカプセルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 粒子を内包してもカプセル壁に欠損を与えず、十分な強度を備える微粒子内包中空マイクロカプセルを製造する方法、微粒子内包中空マイクロカプセル、およびそれを利用した画像表示媒体、及び同画像表示媒体を利用した画像表示装置を提供することである。
【解決手段】疎水性微粒子を油溶性溶媒に分散し、ラジカル重合反応によりカプセル壁が形成した後に、減圧工程により芯物質溶媒が除去される微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法。

Description

本発明は、疎水性微粒子を用いることを特徴とする微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法に関する。当該製造方法で製造されたマイクロカプセルは、可逆表示媒体などに応用できる。
近年、情報機器の発展に伴い、各種情報のデータ量は拡大の一途をたどり、情報の出力も様々な形態をとっている。情報出力の形態は一般的にブラウン管や液晶を用いたディスプレイ画面に表示されるが、これらディスプレイにおいては、携帯性や低電力性などが求められており、新規ディスプレイの開発が盛んに行われている。このような新規ディスプレイとして、着色粒子の回転(Twisting Ball Display)、電気泳動、サーマルリライタブル、メモリ性を有する液晶、エレクトロクロミー、トナーディスプレイ等の技術が知られている。前記表示技術の内、サーマルリライタブル媒体、メモリ性液晶などは、画像のメモリ性には優れるが、表示面を紙のように十分な白表示とすることができず、そのため画像を表示した場合に、画像を表示した部分と表示しない部分との区別を目視で確認しにくい、すなわち、画質が悪くなるという問題があった。
また、Twisting Ball Displayは表示のメモリ性もあり、画像表示媒体の内部は、粒子周囲のキャビティにのみオイルが存在するが、ほとんど固体状態なのでシート化は比較的容易である。しかし、白く塗り分けられた半球面を表示側に完全に揃えた場合でも、球と球の隙間に入り込んだ光線は反射されず内部でロスしてしまうため、原理的にカバレッジ100%の白色表示はできず、やや灰色がかってしまうという問題がある。また、粒子サイズは画素サイズよりも小さいサイズであることが要求されるため、高解像度表示のためには色が塗り分けられた微細な粒子を製造しなければならず、高度な製造技術を要するといった問題もある。
一方、電気泳動方式においては、電気泳動性の粒子を、該粒子とは異なる色調に着色された分散媒に分散した分散系をマイクロカプセルに封入し、これらマイクロカプセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が知られている(特許文献1〜3参照)。この方法は、液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としない反射型ディスプレイであるため利用者の目の負担が軽減される、見る角度を変えても見えにくくなるということがない、応答時間が比較的早く書き換えも可能である、さらには電圧をかけることにより電極上に移動した電気泳動性粒子は電圧を取り除いても長期にわたってその状態を維持するメモリー性を有しているため、ある表示を保持する時間は電力を必要としないなどの、表示装置としての優れた性能が期待されている。
また、トナーディスプレイについては、トナーを用いて表示する画像表示媒体として、導電性の着色トナーと白色粒子とを対向する表示基板と非表示基板との間に空気を媒体として封入し、両基板の内側に電荷輸送層と電極が形成された画像表示媒体がある(非特許文献1参照)。このような画像表示媒体は、電荷輸送層を介して導電性着色トナーへ電荷が注入され、電荷注入された導電性着色トナーが電極により画像に応じて形成された基板間の電界により移動して表示基板へ付着する。これにより、表示基板側に導電性着色トナーと白色粒子とのコントラストとしての画像が表示される。
トナーディスプレイでは、さらに白色粒子、着色粒子ともに絶縁性の摩擦帯電式も開発が行われている。この方式では、電荷輸送層を設ける必要が無いため、装置構成がより単純となり、コスト面で有利である。また、トナーディスプレイ方式は、粒子が移動する電界強度に閾値特性があるため、パッシブ駆動とすることができ、この点でもコスト面で他方式に対して優位性がある。
以上のように、電気泳動およびトナーディスプレイが新規表示方式として有力視されており、粒子の電界移動を用いている点で共通しているが、それぞれ個別の課題がある。電気泳動方式では、マイクロカプセル中に液状の非水媒質を含むことから、それに通常用いられる石油系溶剤等への引火性や、大気中への揮発による衛生性の懸念がある。また、媒質の粘性抵抗のために粒子の移動速度が遅いことから、応答速度に限界があり、動画の表示や印刷物のページをめくるような視覚効果の得られる速度での表示が困難である。
一方、トナーディスプレイでは、表示材料である粉体トナーが画素毎に分割されていないため、粒子群の偏りが発生し、画像の反射濃度が不均一になるという欠点がある。セル構造を形成して分割する手段が考えられるが、極めて微細な構造であるために技術的難度が高く、製造コストが高い、耐久性や柔軟性に欠けるなど多くの問題点がある。
これらの欠点を克服するため、内部に中空構造を有するマイクロカプセルの使用する方法が検討されている。例えば、アルカリ溶解方式によるマイクロカプセルの製造である。この方法では、芯物質を溶出させて取り出すため、不完全な中空化による着色微粒子の固定化、溶出処理によるカプセル壁欠損が懸念されるうえ、10μm以上のマイクロカプセル製造が困難なため微粒子内包率が小さく、所望のコントラストが得られないなどの問題を有していた。
また、中空構造を有するマイクロカプセルを製造する方法として、熱膨張方式が報告されている。この方法では、カプセル径および形状の制御が困難であるため、所望の表示特性が得られないという欠点を有するうえ、疎水性液状発泡剤が液状のまま残存し、電圧印加による着色微粒子の応答速度が低いなどの問題を有していた。
上記問題を解決するために、異なる色調に着色された粒子を油溶性分散媒に分散した分散系をマイクロカプセルに封入し、減圧工程により芯物質溶媒である油溶性分散媒を除去する方法が考えられる。しかし、これまでこのような減圧工程を含む製造方法で異なる色調に着色された分散媒を中空マイクロカプセルに内包させるという提案はなかった。
従来の中空マイクロカプセル作製方法と比較して、異なる色調に着色された分散媒に分散した分散系をラジカル重合反応によりカプセル壁を形成し、減圧工程により芯物質溶媒が除去される方法は、均一なカプセル径および形状を実現でき、カプセル壁に欠損を与えず、液状物質を残存させず、微粒子内包率に優れるなど、画像表示媒体として優れた特性を有する製造方法であると推測される。
しかし、マイクロカプセルに内包する粒子表面が親水的であると、カプセルを形成する過程で使用する油溶性溶媒中での分散状態が不安定化し、周囲の親水性溶媒に移行しやすくなり、粒子内包率の低下、カプセル強度の低下など生じやすいと問題があらたに発生した。
特開平1−86116号公報 米国特許第6,241,921号明細書 米国特許第6,262,706号明細書 トナーディスプレイ、日本画像学会、Japan Hardcopy '99 論文集p249−p251、Japan Hardcopy '99fall予稿集p10−p13
本発明の目的は、粒子を内包してもカプセル壁に欠損を与えず、十分な強度を備える中空マイクロカプセルを製造する方法、マイクロカプセル、およびそれを利用した画像表示媒体、及び当該画像表示媒体を利用した画像表示装置を提供することである。

本発明者等は鋭意検討の結果、疎水性微粒子を油溶性溶媒に分散し、ラジカル重合反応によりカプセル壁が形成した後に、減圧工程により芯物質溶媒が除去される方法で中空マイクロカプセルを製造することにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、微粒子を分散した油溶性溶媒と水溶性溶媒との界面で重合性モノマーがラジカル重合反応させてカプセル壁を形成して微粒子内包マイクロカプセルとした後、100Pa以下に減圧する減圧工程により前記油溶性溶媒が除去される微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法であって、前記微粒子が疎水性である微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、微粒子が、メタノールを30重量%未満の混合水溶媒には混合せず、分離するものである上記微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、微粒子が、表面に無機微粒子を固着した後に、さらに疎水化処理を行ったものである上記微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、無機微粒子が、疎水性シリカである上記微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、疎水化処理が、シラン系カップリング剤および/またはチタン系カップリング剤および/またはシリコンオイルを用いた処理である上記微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、微粒子が、帯電性微粒子である上記粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法で製造されてなる粒子内包中空マイクロカプセルに関する。
また、本発明は、上記粒子内包中空マイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体に関する。
本発明おける製造方法を用いることにより、液状物質をカプセル壁内に残存させず、球形を維持したまま、中空マイクロカプセルを簡易かつ効率的に得ることができ、さらに微粒子を内包してもカプセル壁に十分な強度がある微粒子内包中空カプセルを得ることができる。
よって、特に表示装置として応用する場合、内包する帯電微粒子への影響を最大限に抑えることができるため、帯電微粒子の移動性を阻害することなく、優れた表示特性を示す可逆表示媒体を提供することが可能となった。
本発明の微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法は、疎水性表面を持つ微粒子を分散させた油溶性溶媒を分散質とし、水溶性溶媒を分散媒として用いてラジカル重合反応によりマイクロカプセルを作製した後、減圧工程により芯物質である油溶性溶媒を除去して微粒子内包中空マイクロカプセルを製造するものである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる微粒子としては、特に限定されないが、例えば、モノマーを重合させ、必要に応じて分級操作を行って製造されたものでも、既存の樹脂を粉砕分級することによって得たものでも良い。重合による微粒子の作成方法としては、従来公知の方法で製造することが可能であり、例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法等があげられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。ただし、後述する疎水性を備えていなければならない。
上記モノマーとしては、例えば、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマーなどを用いることができ、アクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、テトラエチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレート、テトラプロピレングリコールモノアクリレート、アミノアルコキシアルキルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ノナプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ジシクロペンタジエニルジアクリレート、アクリル化シアヌレート等のアクリレート化合物があげられる。
メタクリル系モノマーとしてはメタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、テトラエチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、トリプロピレングリコールモノメタクリレート、テトラプロピレングリコールモノメタクリレート、アミノアルコキシアルキルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ノナプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ノナンジオールジメタクリレート、ジシクロペンタジエニルジメタクリレート、アクリル化シアヌレート等のメタクリレート化合物があげられる。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体などが挙げられる。
上記樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、これらは単独でも2種以上混合することもできる。
本発明に用いられる微粒子は、着色剤として有機または無機の各種顔料、染料を含むことができる。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルフアストイエロー、ニッケルチタンエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどがある。橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどがある。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレツド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。紫色顔料としては、マンガン紫、フアストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがある。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。
本発明で用いられる油溶性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカンなどの炭素数4〜16の直鎖状、分岐鎖状、環状脂肪族炭化水素類、
クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、
リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、等のカルボン酸エステル類、
メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、などのケトン類、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノールなどのアルコール類、
塩素化パラフィン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
油溶性溶媒としては、減圧工程で揮発し易いものを用いるのが望ましい。例えば、100Paでの沸点が、200℃以下である溶媒が望ましい。このような溶媒として、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ヘキサメチルジシロキサンが好ましい。さらに好ましくは、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘキサメチルジシロキサンである。このような物質を用いることにより、減圧工程によるマイクロカプセルの中空化が容易であり、溶媒の完全な除去が可能となるため好ましい。
本発明で用いられる水溶性溶媒としては、水などの油溶性溶媒と相溶しない溶媒を用いることができる。メタノール、アセトン、アセトニトリル等の有機溶媒も使用することができるが油溶性溶媒と相溶しないものを選択しなければならない。水溶性溶媒はこれらに限定されるものではなく、それぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
また、分散媒中における分散質の分散状態を安定化するために界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、分散媒に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独又は、2種以上混合して用いることができる。また、分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を1個以上有する反応性界面活性剤も使用することができる。
これらの界面活性剤としてノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。
ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。
モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。
オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。
ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。
ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。
飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化化合物類。ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類。
ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CH2CH2O)mH(CH2CH2O)nH、R−NH−C36−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等、mおよびnは、0以上の整数。〕で表されるアルカノールアミン類。
R−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R12−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R123N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。アクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類及び、オリゴマー類を使用することができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えばポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類を使用することができる。
カチオン系界面活性剤としては、例えばR−N(CH3)3X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH3)(CH3COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH3)N(C24O)mH(C24O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等、mおよびnは、0以上の整数〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類を使用することができる。
両性系界面活性剤としては、例えば各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等を使用することができる。またその他の各種保護コロイド剤を用いることができる。
また反応性界面活性剤としては、例えばスルフォン酸塩系(市販品としては、例えば花王株式会社製ラテムルS−120,S−180P,S−180A,三洋化成株式会社製エレミノールJS−2,RS−30等)やアルキルフェノールエーテル系(市販品としては、例えば第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10,RN−20等)を使用することができる。
界面活性剤としてより好ましくは、不飽和二重結合を含有する反応性界面活性剤である。不飽和二重結合を含有することで、界面活性剤もラジカル重合によりカプセル壁に固定化されるため、より強固なマイクロカプセルを形成させることができるため好ましい。
また、界面活性剤として、例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、それぞれの樹脂骨格に不飽和二重結合を含有される様、モノマーを選択して合成、あるいは変性すれば反応性界面活性剤として用いることができ、より好ましい。また、マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレン、ブタジエン等とマレイン酸との共重合物等)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム澱粉誘導体、ポリビニルアルコール等も界面活性剤として利用することができる。
さらに、乳化状態をコントロールするために他の非イオン性界面活性剤やイオン性界面活性剤や無機微粒子としては、例えば、タルク、ベントナイト、有機ベントナイト、ホワイトカーボン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、微粒子シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を併用することができる。
本発明のマイクロカプセルは、油溶性溶媒と水溶性溶媒との界面で重合性モノマーがラジカル重合反応することによりカプセル壁が形成され微粒子内包マイクロカプセルとなり、その後、減圧工程により芯物質溶媒である油溶性溶媒が除去されることで、中空マイクロカプセルとなる。
本発明における重合性モノマーとしては、親水性モノマーが好適に用いられる。親水性とは、20℃における水への溶解度が1%重量以上であることをいう。さらに好ましくは3重量%以上である。このような親水性モノマーを用いることにより、水溶性溶媒中のモノマー濃度を高濃度にでき、内包物への影響を抑えながらカプセル壁の形成反応をより効率的に行うことができるため好ましい。
前記親水性モノマーとしては、水溶性を与える、窒素原子を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物がある。具体的には、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール等の窒素原子上に不飽和二重結合を有する化合物、
(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートのほか、2つ以上のアルキレンオキサイド単位を有するポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物、
フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、無水ジメチルマレイン酸等の不飽和二重結合を有するジカルボキシレート化合物もしくはその無水物、
マレイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)マレイミド、N−(4−クロロフェニル)マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、シトラコンイミド、N−メチルシトラコンイミド、ジメチルマレイミド等のマレイミド化合物、
クロトン酸、無水クロトン酸等のクロトン酸誘導体、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等の窒素原子上に不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。
ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、等のビニルエーテル化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの親水性モノマー(A)はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
さらに、カプセル形成効率、カプセル強度、カプセル壁厚み、ゲル化防止性の制御等を目的として、親水性モノマー(A)以外の重合性モノマーを用いることができる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、アクリル化シアヌレート等の(メタ)アクリレート化合物、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体、
(メタ)アクリロニトリル、フマロニトリル、クロトンニトリル等の不飽和二重結合を有するニトリル化合物、
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、
ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジブチルマレエート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジメチルシトラコネート、ジエチルシトラコネート、ジブチルシトラコネート等の不飽和二重結合を有するジカルボキシレート化合物、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン化合物、
エチレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、シクロペンタジエンなどのオレフィン化合物、のほか、アリル基を有する化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
また、ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生させることができる化合物を用いることができる。具体的には、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物、
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物、
のほか、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の酸化剤と、ロンガリット等の還元剤の組み合わせによるレドックス開始剤を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの重合開始剤はそれぞれ単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また分子量調整のために連鎖移動剤として、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマーなどを使用することができる。
またカプセル形成速度の調整や、反応系のゲル化防止等を目的として重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤として、ラジカル重合進行中のモノマーラジカル、オリゴマーラジカル、ポリマーラジカルに作用してラジカル重合の更なる進行を停止させることができるものを用いることができる。具体的には、パラベンゾキノン、p−ナフトキノン、2,5−ジフェニル p−ベンゾキノン等のキノン類、
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノエチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、モノt−ブチルハイドロキノン、ジt−ブチルパラクレゾール、ナフトール等のフェノール類、
トリエチルアミンやジメチルアニリンの塩酸塩、酢酸塩、炭酸塩等のアンモニウム塩類、
チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アルミニウム等のチオシアン酸塩類、
亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸銀、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸セシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム等の亜硝酸塩類、
メルカプトエタノール、モノチオプロピレングリコール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオヒドロアクリル酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオエタノールアミン、β−ニトロエチルメルカプタン、1,2−ジチオグリセロール、1,3−ジチオグリセロール、1,3−ジメルカプトアセトン、β,β−ジチオイソ酪酸等のジメルカプトカルボン酸、チオグリコール、チオジグリコール、チオジグリコール酸、β,β−チオジプロピオン酸、チオジ乳酸、β−メチルチオプロピオンアルデヒド、β−アミノエチルスルフィド、β−ニトロエチルスルフィド等のニトロ置換スルフィド、β−メルカプトエチルスルフィド等の水溶性イオウ含有有機化合物類、
この他、イソチオシアン酸等のアルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩,アンモニウム塩,ホスフィン酸等のアルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩等の無機酸の塩類や、ナトリウム,カリウム等の臭化物、ナトリウム,カリウム,カルシウム,アンモニウム等のヨウ化物等のハロゲン化物、あるいは遷移金属イオン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明における減圧工程とは、マイクロカプセルの中空化を目的として行われ、カプセル壁内の油溶性溶媒を除去される。減圧工程は、100Pa以下で行われるのが好ましく、さらに好ましくは10Pa以下でありさらに好ましくは1Pa以下である。このような条件で減圧することにより、球形を維持したままマイクロカプセルの中空化が行えるため好ましい。また減圧工程は、真空ポンプなど密閉した容器内の圧力を低下させるものであればいかなるものを用いることができる。
さらに、減圧工程はカプセル壁を構成する高分子材料のガラス転移温度以下で行うのが好ましい。このような温度条件で減圧することにより、球形を維持し易いため好ましい。さらに、好ましくはガラス転移温度より10℃低い温度以下であり、さらに好ましくはガラス転移温度より20℃低い温度以下である。
本発明でいう微粒子の疎水性とは、メタノールと水との混合溶媒に対する微粒子の濡れ性で判断し、以下に定義する疎水度30重量%以上のものをいう。メタノールの比率が高い溶媒ほど微粒子は混合溶媒に濡れやすくなる。ここでいう濡れるとは、溶媒表面に粒子を落とすと、速やかに粒子が溶媒中に落ちていくことを意味し、濡れないとは、粒子が溶媒表面に留まり続ける状態である。微粒子が濡れる最小のメタノールの重量%をその微粒子の疎水度と規定する。この場合、疎水度の低い、すなわち親水的な粒子は水に容易に濡れるため、疎水度は0%である。一方、疎水度が高い粒子は、濡れるために必要なメタノールの量が多くなる。この疎水度としては、30重量%以上が好ましい。
本発明における微粒子を疎水化する方法としては、微粒子を構成するポリマー成分に水に対する溶解性が低いもので、構造的には長鎖アルキル基やフェニル基などを有するモノマーを用いる方法や、例えばシリコーンオイルやシリコーン樹脂などの疎水性の高い材料を微粒子表面に適量コートする方法、表面に無機微粒子を固着させるなどの方法がある。なかでも、微粒子の帯電性を損なわないことや、微粒子の流動性を高める効果が得られる点で、上記の無機微粒子を固着させる方法が本発明の目的には好適であるが、固着させる際の衝撃や摩擦などの物理的作用により、無機微粒子表面の疎水性が低下する傾向がある。そのため、無機微粒子を固着させた後に疎水性の高いカップリング剤やシリコーンオイルで処理する方法が好ましい。
上記無機微粒子としては、二酸化珪素(シリカ)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅等が挙げられる。 特に、疎水性シリカが好ましい。これら無機微粒子の平均粒径としては、平均粒径が20〜100nmの範囲が、好ましい。これら無機微粒子には、表面がシリコーンオイルや、各種カップリング剤などによる疎水化処理がなされていることが好ましい。表面が親水的であると、カプセルを形成する過程で使用する油溶性溶媒中での分散状態が不安定化し、周囲の親水性溶媒に移行しやすくなり、粒子内包率の低下、カプセル強度の低下などの問題を生じやすい。
固着される前の微粒子としては、特に、限定されるものではない。例えば、有機微粒子、無機微粒子などが挙げられる。
固着される前の微粒子は、その表面に上記無機微粒子を固着して用いることが出来る。固着する方法としては、例えばハイブリダイザー(奈良機械製)やメカノフージョン(ホソカワミクロン製)などの装置による物理的処理が挙げられる。

上記用途に用いられるカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤が用いられ、特に正の帯電性を高める必要が無ければ、窒素原子含まないものが選択される。そのようなシラン系カップリング剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、等を挙げることができる。
同様にチタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトラブトキシチタン、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート等を挙げることができる。
微粒子に正帯電性を付与する目的で、窒素原子を含むカップリング剤を選択することも出来、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤等のアミノカップリング剤が好適に使用される。
そのようなアミノカップリング剤としては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス{N(2−アミノエチル)アミノプロピル}−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(ジエチルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(3−プロピルアミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等を挙げることができる。これらは、目的に応じて窒素原子を含まないカップリング剤と混合して用いることも出来る。
また、上記用途に用いられるシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の窒素を含まないものや、アミノ変性シリコーンオイル、ニトリル変性シリコーンオイル、イソシアネート系シリコーンオイルなどの窒素含むシリコーンオイルなどが挙げられる。
これらのカップリング剤やシリコーンオイルで微粒子の表面を処理する場合、微粒子を攪拌などによりクラウド状とし、これに気化したカップリング剤又はシリコーンオイルを反応させる乾式処理、又は、溶媒中に分散させたカップリング剤又はシリコーンオイルを微粒子に滴下させる、あるいはカップリング剤を溶解または分散させた溶媒に微粒子を分散させて加熱する湿式法等が使用できる。
本発明に用いられる微粒子の帯電特性を制御する方法としては、粒子の組成自体の持つ帯電特性に加えて、上記表面処理によって望ましい特性に制御することができる。また、帯電特性の向上を目的として、粒子に電荷制御剤を添加しても良い。
電荷制御剤としては一般的に電子写真の分野で使用されている材料を使用することができ、トナーに正荷電を与えるものとしては、例えばニグロシン系染料やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料あるいは第4級アンモニウム塩等の電子供与性物質が、またトナーに負荷電を与えるものとしては、例えばモノアゾ染料の金属錯体、含クロム有機染料(銅フタロシアニングリーン、含クロムモノアゾ染料)のごとき含金属染料があげられるが、これらの材料に限定されるものではない。これら電荷制御剤は、例えば電子写真用のトナーの製法と同様に樹脂と混練して粉砕する方法や、重合トナー法などによって粒子に固定化することができるが、特にこれら方法に限定されるものではない。
微粒子の帯電量は絶対値で10〜100μC/gの範囲であることが好ましく、20〜60μC/gの範囲であることがより好ましい。帯電量の絶対値が10μC/g未満であると電解の変化に対する応答速度が低くなり、メモリー性も低くなる傾向にある。また、帯電量の絶対値が100μC/gを超えるとメモリー性はよいが、電界を反転した場合の微粒子の追随性が悪化する傾向にある。なお、微粒子はその帯電電荷を保持する必要があるので、1010Ω・cm以上の絶縁粒子であることが好ましく、1012Ω・cm以上の絶縁粒子であることがより好ましい。
微粒子の粒子径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは1〜10μmの物である。粒子径が1μmより小さいと粒子間および粒子カプセル壁間のファンデルワールス力が強く作用し、電界による異動が困難になる。一方、10μmより大きい場合、マイクロカプセルへの内包が困難であり、内包率やコントラストの低下する。
本発明における少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極を挟んでなる可逆表示媒体とは、本発明の色と帯電性が異なる2種類の着色微粒子を内包する中空マイクロカプセルを上記2枚の電極間に、カプセルが1層に均一になるように封入した表示部分と、2枚の電極間に電圧を与える駆動部分より成る。駆動部分では粒子をクーロン力により一方の電極から他方の電極へと移動するために必要な電界を発生する。この時の電界は、粒子の特性によって異なるが、おおよそ2〜10V/μmである。すなわち電極間の距離が100μmであれば、200〜1000Vの電圧が必要である。
上記範囲の適正な電圧で、一方の着色微粒子は表示媒体の前面に移動するために、表示媒体はその着色微粒子の色を表示する。次に電界の向きが反対になるように電極間に電圧を印加すると前面にあった着色微粒子が裏側の電極に移動し、それとは反対に裏側にあった着色微粒子が前面に移動することで表示媒体は異なる色を表示する。この時の移動に要する時間は非常に短く、数ミリ秒である。従って、電圧を印加する時間はこの数ミリ秒だけで十分である。それぞれの着色微粒子は、電界の無い状態においても、粒子の持つ電荷と電極表面で誘起される鏡像電荷の間のクーロン力により付着状態を維持できる。そのため表示媒体はいわゆるメモリー性を有しており、表示状態を維持するための電源は不要である。このような駆動特性を有するため、本発明の表示媒体は消費電力を極めて少なくすることができる。
上記の2枚の電極のうち、一方が透明な電極としては例えばITO膜付きガラス板が用いられ、もう一方の電極は同様にITO膜付きガラス板でも良いし、あるいは銅、アルミニウムなどの金属板であっても良い。これらは、導電性の面をカプセル側に向けて用いることが駆動効率の点で望ましい。ただし、導電性の面にはポリマーなどの材料で絶縁されていることが好ましい。
本発明の着色微粒子を内包する中空マイクロカプセルを封入する方法としては、例えば同中空マイクロカプセルをバインダーポリマーを溶解させた溶媒に混合して塗工液を調製し、この塗工液をギャップ100μmのアプリケーターを用いて、スペーサーとなる部材を周囲に配した一方の電極基板上に塗布する。次に対向する電極基板をのせて、乾燥させた後に硬化性のポリマー材料などで封止する。この際に用いる電極を所望の大きさに分割し、それぞれ別個の駆動回路に接続し、制御することで、様々の画像を繰り返し表示することが可能となる。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
なお、実施例および比較例において、各測定値は次のようにして測定した。
(1)微粒子帯電量
微粒子を鉄粉キャリア(ASR−100)と混合し、ファラデーケージによる吸引分離式帯電量測定装置210HS−2Aにより測定した。
(2)平均粒径
微粒子の平均粒径は、ベックマン・コールター社製レーザー回折式粒度分布形LS13 320を用いて測定し、体積換算による平均値を平均粒径とした。
(3)コントラスト
表示媒体の可視光反射率を大塚電子社製MCPD-7000を用いて測定し、白表示と黒表示のそれぞれの反射率平均値の比率によりコントラストを算出した。
(実施例1)
白色微粒子1:
メチルメタクリレートモノマー100部に、樹脂系電荷制御剤FCA−201−PS(藤倉化成)3部を溶解し、疎水化処理酸化チタン(MPT−801:石原産業)20部を加えて分散し、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)1部を溶解して得られた液を、水1000部、リン酸三カルシウム10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部に混合、懸濁し、70℃で5時間重合させた後、濾過、洗浄、乾燥した。次に、分級機マルチプレックス100MZR(ホソカワミクロン)で分級し、白色微粒子を得た。この白色微粒子100部に疎水性シリカRX200(日本アエロジル)0.5部を混合し、ハイブリダイゼーションHNS−0型(奈良機械)で15,000rpmで3分間複合化処理を行った。得られた粒子20部を、水50部、メタノール50部、ヘキシルトリメトキシシラン1部、酢酸0.05gを混合、攪拌して均一となった溶液に混合し、濾過により余剰の溶液を分離して、100℃で1時間加熱、乾燥させて、粉砕することで、疎水化処理を行った。得られた疎水性白色微粒子1の平均粒径は5.3μm、帯電量は36.2μC/g、疎水度は40%であった。
黒色微粒子1:
メチルメタクリレートモノマー100部に、電荷制御剤E−89(オリエント化学)2部とカーボンブラック(モナーク800:キャボット社)8部を加えて分散し、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)1部を溶解して得られた液を、水1000部、リン酸三カルシウム10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部に混合、懸濁し、70℃で5時間重合させた後、濾過、洗浄、乾燥した。次に分級機マルチプレックス100MZR(ホソカワミクロン)で分級し、黒色微粒子を得た。この黒色微粒子100部に疎水性シリカRX200(日本アエロジル)0.5部を混合し、ハイブリダイゼーションHNS−0型(奈良機械)で15,000rpmで3分間複合化処理を行った。得られた粒子20部を、水50部、メタノール50部、ヘキシルトリメトキシシラン1部、酢酸0.05gを混合、攪拌して均一となった溶液に混合し、濾過により余剰の溶液を分離して、100℃で1時間加熱、乾燥させて、粉砕することで、疎水化処理を行った。得られた疎水性黒色微粒子1の平均粒径は4.2μm、帯電量は−35.1μC/g、疎水度は40%であった。
分散質溶液1:
油溶性溶媒としてオクタン150部に対して、白色微粒子1を5部、黒色微粒子1を5部加え、超音波分散機を用いて3分間分散させた。さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1:水溶性溶媒としてイオン交換水1500部に、反応性界面活性剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)15部、親水性モノマー(A)としてアクリル酸80部およびトリエチレングリコールジアクリレート10部、それ以外の重合性モノマーとしてアクリロニトリル60部、重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム1.5部を加え攪拌することにより分散媒溶液を調整した。
上記分散媒溶液1に、分散質溶液1を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることによりマイクロカプセルを得た。得られたマイクロカプセルを25℃、1Paにて3時間減圧することにより、微粒子内包中空マイクロカプセル1を得た。得られた微粒子内包中空マイクロカプセルの収率は80%であった。
ついで、10重量%ポリビニルアルコール水溶液80gに、得られた微粒子内包中空マイクロカプセル1を20g加え分散塗工液を調整した。この塗工液をギャップ100μmのアプリケーターを用い、ITO膜付きガラス板上(ITO膜上)に塗布、乾燥してマイクロカプセル塗膜を形成し、さらにその上にITO膜付きガラス板(ITO膜がマイクロカプセル塗膜側)を乗せることで、可逆表示媒体を作成した。この様にして作成した可逆表示媒体を直流電源に接続し、1Hzの矩形周波数で電界方向を切り替えて、±300Vの電圧を印加させることで可逆表示を行った。白色微粒子が上部、黒色微粒子が下部電極に移動した場合は白(この時、上部電極の電界が負)の表示が、黒色微粒子が上部、白色微粒子が下部電極に移動した場合は黒(この時、上部電極の電界が正)の表示が可能であった。この時のコントラストは8.2であった。
(実施例2)
疎水化処理に使用するシラン化合物にイソプロピルトリメトキシシランを用いたこと以外は実施例1と同様の手順で白色微粒子2および黒色微粒子2の調製を行った。得られた白色微粒子2の平均粒径は6.3μm、帯電量は40.2μC/g、疎水度は30%であり、黒色微粒子2の平均粒径は4.9μm、帯電量は−37.4μC/g、疎水度は30%であった。
分散質溶液2:
油溶性溶媒としてヘキサン150部に対して、白色微粒子2を5部、黒色微粒子2を5部加え、超音波分散機を用いて3分間分散させた。さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部加え攪拌することにより分散質溶液2を作製した。
分散媒溶液1に、分散質溶液2を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることにより微粒子内包マイクロカプセルを得た。得られた微粒子内包マイクロカプセルを25℃、1Paにて3時間減圧することにより、微粒子内包中空マイクロカプセル2を得た。得られた中空マイクロカプセルの収率は70%であった。この微粒子内包中空マイクロカプセル2を実施例1と同様の方法で可逆表示媒体を作成し、可逆表示が可能であることを確認した。この時のコントラストは7.4であった。
(実施例3)
白色微粒子3:
メチルメタクリレートモノマー100部に、電荷制御剤P−51(オリエント化学)1部を溶解し、疎水化処理酸化チタン(MPT−801:石原産業)20部を加えて分散し、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)1部を溶解して得られた液を、水1000部、リン酸三カルシウム10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部に混合、懸濁し、70℃で5時間重合させた後、濾過、洗浄、乾燥した。次に分級機マルチプレックス100MZR(ホソカワミクロン)で分級し、白色微粒子を得た。この白色微粒子100部に疎水性シリカRX200(日本アエロジル)0.5部を混合し、ハイブリダイゼーションHNS−0型(奈良機械)で15,000rpmで3分間複合化処理を行った。得られた粒子20部を、水50部、メタノール50部、デシルトリメトキシシラン1部、酢酸0.05gを混合、攪拌して均一となった溶液に混合し、濾過により余剰の溶液を分離して、100℃で1時間加熱、乾燥させて、粉砕することで、疎水化処理を行った。得られた疎水性白色微粒子3の平均粒径は5.5μm、帯電量は21.0μC/g、疎水度は45%であった。
黒色微粒子3:
メチルメタクリレートモノマー100部に、電荷制御剤T−95(保土ヶ谷化学)2部とカーボンブラック(モナーク800:キャボット社)8部を加えて分散し、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)1部を溶解して得られた液を、水1000部、リン酸三カルシウム10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部に混合、懸濁し、70℃で5時間重合させた後、濾過、洗浄、乾燥した。次に分級機マルチプレックス100MZR(ホソカワミクロン)で分級し、黒色微粒子を得た。この黒色微粒子100部に疎水性シリカRX200(日本アエロジル)0.5部を混合し、ハイブリダイゼーションHNS−0型(奈良機械)で15,000rpmで3分間複合化処理を行った。得られた粒子20部を、水50部、メタノール50部、デシルトリメトキシシラン1部、酢酸0.05gを混合、攪拌して均一となった溶液に混合し、濾過により余剰の溶液を分離して、100℃で1時間加熱、乾燥させて、粉砕することで、疎水化処理を行った。得られた疎水性黒色微粒子3の平均粒径は4.6μm、帯電量は−32.3μC/g、疎水度は45%であった。
分散質溶液3:
油溶性溶媒としてヘキサメチルジシロキサン150部に対して、白色微粒子3を5部、黒色微粒子3を5部加え、超音波分散機を用いて3分間分散させた。さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1に、分散質溶液3を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることにより微粒子内包マイクロカプセルを得た。得られた微粒子内包マイクロカプセルを25℃、1Paにて3時間減圧することにより、微粒子内包中空マイクロカプセル3を得た。得られた微粒子内包中空マイクロカプセルの収率は82%であった。この微粒子内包中空マイクロカプセルを実施例1と同様の方法で可逆表示媒体を作成し、可逆表示が可能であることを確認した。この時のコントラストは8.4であった。
(実施例4)
疎水化処理に使用するシラン化合物にオクタデシルトリメトキシシランを用いたこと以外は実施例3と同様の手順で白色微粒子および黒色微粒子の調製を行った。得られた白色微粒子4の平均粒径は5.3μm、帯電量は37.5μC/g、疎水度は50%であり、黒色微粒子4の平均粒径は4.5μm、帯電量は−44.4μC/g、疎水度は50%であった。
分散質溶液4:
油溶性溶媒としてオクタン150部に対して、白色微粒子4を5部、黒色微粒子4を5部加え、超音波分散機を用いて3分間分散させた。さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1に、分散質溶液4を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることにより微粒子内包マイクロカプセルを得た。得られた微粒子内包マイクロカプセルを25℃、1Paにて3時間減圧することにより、微粒子内包中空マイクロカプセル4を得た。得られた微粒子内包中空マイクロカプセルの収率は70%であった。この微粒子内包中空マイクロカプセル4を実施例1と同様の方法で可逆表示媒体を作成し、可逆表示が可能であることを確認した。この時のコントラストは8.5であった。
(比較例1)
白色微粒子5:
メチルメタクリレートモノマー100部に、樹脂系電荷制御剤FCA−201−PS(藤倉化成)3部を溶解し、疎水化処理酸化チタン(MPT−801:石原産業)20部を加えて分散し、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)1部を溶解して得られた液を、水1000部、リン酸三カルシウム10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部に混合、懸濁し、70℃で5時間重合させた後、濾過、洗浄、乾燥した。次に分級機マルチプレックス100MZR(ホソカワミクロン)で分級し、白色微粒子5を得た。この白色微粒子5の平均粒径は4.7μm、帯電量は43.5μC/g、疎水度は0%であった。
黒色微粒子5:
メチルメタクリレートモノマー100部に、電荷制御剤E−89(オリエント化学)2部とカーボンブラック(モナーク800:キャボット社)8部を加えて分散し、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)1部を溶解して得られた液を、水1000部、リン酸三カルシウム10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部に混合、懸濁し、70℃で5時間重合させた後、濾過、洗浄、乾燥した。次に分級機マルチプレックス100MZR(ホソカワミクロン)で分級し、黒色微粒子5を得た。この黒色微粒子5の平均粒径は4.2μm、帯電量は−41.1μC/g、疎水度は0%であった。
分散質溶液5:
油溶性溶媒としてオクタン150部に対して、白色微粒子5を5部、黒色微粒子5を5部加え、超音波分散機を用いて3分間分散させた。さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1に、分散質溶液5を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させたが、カプセル皮膜が脆弱であり、反応終了時点でカプセルの形状を維持できているものは皆無であった。
(比較例2)
白色微粒子6:
100部の白色微粒子5に疎水性シリカRX200(日本アエロジル)0.5部を混合し、ハイブリダイゼーションHNS−0型(奈良機械)で15,000rpmで3分間複合化処理を行い、白色微粒子6を得た。この白色微粒子6の平均粒径は4.7μm、帯電量は31.4μC/g、疎水度は10%であった。
黒色微粒子6:
100部の黒色微粒子5に疎水性シリカRX200(日本アエロジル)0.5部を混合し、ハイブリダイゼーションHNS−0型(奈良機械)で15,000rpmで3分間複合化処理を行い、黒色微粒子6を得た。この黒色微粒子6の平均粒径は4.2μm、帯電量は−33.6μC/g、疎水度は10%であった。
分散質溶液6:
油溶性溶媒としてオクタン150部に対して、白色微粒子6を5部、黒色微粒子6を5部加え、超音波分散機を用いて3分間分散させた。さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1に、分散質溶液6を加え窒素雰囲気下、25℃で10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることにより微粒子内包マイクロカプセルを得た。得られたマイクロカプセルを25℃、1Paにて3時間減圧することにより、微粒子内包中空マイクロカプセル6を得た。得られた微粒子内包中空マイクロカプセルの収率は20%であった。この微粒子内包中空マイクロカプセル6を実施例1と同様の方法で可逆表示媒体を作成したが、内部の微粒子はカプセル壁に癒着しており可逆表示することはできなかった。
本発明の帯電微粒子内包中空マイクロカプセルを用いた可逆表示媒体の模式図を表す。
符号の説明
1.基板、2.電極、3.透明電極、4.マトリックス材料(マイクロカプセル充填層) 、5.帯電微粒子内包中空マイクロカプセル、6.スペーサー

Claims (8)

  1. 微粒子を分散した油溶性溶媒と水溶性溶媒との界面で重合性モノマーがラジカル重合反応させてカプセル壁を形成して微粒子内包マイクロカプセルとした後、100Pa以下に減圧する減圧工程により前記油溶性溶媒が除去される微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法であって、前記微粒子が疎水性である微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法。
  2. 微粒子が、メタノールを30重量%未満の混合水溶媒には混合せず、分離するものである請求項1に記載の微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法。
  3. 微粒子が、表面に無機微粒子を固着した後に、さらに疎水化処理を行ったものである請求項1または2に記載の微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法。
  4. 無機微粒子が、疎水性シリカである請求項3に記載の微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法。
  5. 疎水化処理が、シラン系カップリング剤および/またはチタン系カップリング剤および/またはシリコンオイルを用いた処理である請求項3または4に記載の微粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法。
  6. 微粒子が、帯電性微粒子である請求項1ないし5いずれかに記載の粒子内包中空マイクロカプセルの製造方法。
  7. 請求項1ないし6いずれかに記載の製造方法で製造されてなる粒子内包中空マイクロカプセル。
  8. 請求項7記載の粒子内包中空マイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010122257A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Konica Minolta Business Technologies Inc 白色表示粒子および画像表示装置
WO2023190291A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 積水化学工業株式会社 成形体
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WO2023190291A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 積水化学工業株式会社 成形体

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