JP2007187133A - ドライサンプ式エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライサンプ式エンジンにおいて、クランク室からのオイルの排出を促進する。
【解決手段】オイルタンク3とクランク室2とを連結する第二連通路26と、当該第二連通路26に設置されピストン5の上昇時にのみ開くようにされた脱気弁27と、を備え、且つオイルタンク3を閉塞状態とする。ピストン5の上昇に伴ってクランク室2内とオイルタンク3内とが減圧され、これによって第一連通路23を通じてクランク室2内のオイルがオイルタンク3内に排出される。
【選択図】図3

Description

本発明は、クランク室とオイルタンクとの間を連結し、両者の間でオイルを移動させるようにしたドライサンプ式エンジンに関する。
クランク室とオイルタンクとの間を連結してなるドライサンプ式エンジンが種々提案されている。例えば特許文献1のエンジンは、クランク室下部にオイル溜まりを設け、このオイル溜まりの出口に、クランク室の圧力が高いときに開くリード弁を設けている。この装置では、ピストン下降時のクランク室の正圧によって、オイル溜まり内のオイルが、リード弁を通じてオイルタンクに排出される。
特開2000−87714号公報
しかしながら、この特許文献1の構成は、クランク室内の正圧を利用してクランク室内のオイルを外部に排出するものであるところ、低回転低負荷時にはクランク室内の圧力が比較的低いため、オイルの排出が不十分となる。また、低温始動時にはオイルの粘度が高いためバルブの開閉の障害となる場合がある。
そこで本発明の目的は、クランク室とオイルタンクとの間を連結し、両者の間でオイルを移動させるようにしたドライサンプ式エンジンにおいて、クランク室からのオイルの排出を促進できる新規な手段を提供することにある。
本発明のドライサンプ式エンジンは、シリンダの下部に閉塞状態で画成されピストンの上下動に伴い圧力変動を繰り返すクランク室と、前記クランク室とオイルタンクとの間を連結する第一連通路と、を備えたドライサンプ式エンジンであって、前記オイルタンクと前記クランク室とを連結する第二連通路と、当該第二連通路に設置され前記ピストンの上昇時に開くようにされた脱気弁と、を更に備え、且つ前記オイルタンクを閉塞状態としたことを特徴とする。
本発明では、オイルタンクとクランク室とを連結する第二連通路と、当該第二連通路に設置されピストンの上昇時に開くようにされた脱気弁と、を備え、且つオイルタンクを閉塞状態としたので、ピストンの上昇に伴ってクランク室内とオイルタンク内とが減圧され、これによって第一連通路を通じてクランク室内のオイルがオイルタンク内に排出される。したがって、クランク室からのオイルの排出を促進することができる。
本発明における第二連通路は、気液分離手段を有することが望ましい。例えば、第二連通路の吸入口を、オイルタンクにおけるオイル面よりも高い位置に配置することにより、簡易な構成によって所期の効果を得ることができる。
本発明において第二連通路に設けられる脱気弁は、ピストンの上昇時に開くようにされた弁機構であればどのようなものでも採用でき、カム機構などによって駆動される機械式のものであっても、あるいは電気的に駆動される電動式のものであってもよい。しかしながら、脱気弁をオイルタンクからクランク室に向かう流れを許容する一方向弁とすれば、簡易な構成によって所期の効果を得ることができる。
好ましくは、前記第一連通路の排出口は、前記オイルタンクにおけるオイル面よりも高い位置に配置されている。
好ましくは、前記第一連通路には、前記ピストンの下降時に開くようにされたオイル排出弁が設けられている。
好ましくは、前記オイル排出弁は、前記クランク室から前記オイルタンクに向かう流れを許容する一方向弁である。
本発明に係るドライサンプ式エンジンは、前記第一連通路における前記オイル排出弁よりもオイルタンク側に形成されたオイル貯留部と、当該オイル貯留部に連通した新気導入路と、を更に備えていてもよい。この場合には、オイルタンク内が減圧されているときに、これによって、新気導入路を通じオイル貯留部を経由して新気を導入することが可能になる。
好ましくは、前記新気導入路はシリンダヘッドの内部に連通しており、当該新気導入路を経由してシリンダヘッドからのオイルが前記オイル貯留部に移動可能にされている。この場合には、好ましくは、前記新気導入路は、オイルの逆流を抑制する逆流抑制手段を有する。逆流防止手段はオイルの逆流を抑制できるような多様な変形を採用できるが、バルブとしてもよく、段部としてもよい。
本発明に係るドライサンプ式エンジンは、好ましくは、前記クランク室と吸気経路とを結ぶブローバイガス還元通路を更に備える。また、このブローバイガス還元通路は、好ましくは圧力制御弁を有する。
本発明の実施形態について、以下に図面に従って説明する。図1において、本発明の実施形態に係るドライサンプ式エンジン1は、不図示の燃料噴射弁を有する4サイクルガソリンエンジンであり、クランク室2と、オイルタンク3とを備えている。図1は1つのシリンダ4のみを図示しているが、エンジン1は4つのシリンダ4を有する。各シリンダ4にはピストン5が上下動自在に配置され、ピストン5はコンロッド6を介してクランク軸7に連結されている。
エンジン1のシリンダヘッド8aには、吸気バルブ9および排気バルブ10がセットされており、これらバルブ9,10はカムシャフト11,12により駆動されて、吸気ポート13及び排気ポート14を開閉する。吸気ポート13に連通された吸気経路には、その上流側からエアクリーナ15、スロットル弁16およびサージタンク17が設置されている。
クランク室2は、シリンダ4の下部に閉塞状態で画成されている。すなわち、クランク室2は、オイルをその下部に液密状態に貯留することができると共に、ピストンリングとシリンダ4との微小間隙や後述する第二連通路26等を通じてその外部に連通されてはいるものの、ピストン5の上下動に伴って十分に圧力変動を生じうる閉じた空間として形成されている。クランク室2は、シリンダ4ごとに1つずつ、互いに独立して画成されている。
オイルタンク3は、クランク室2の外部に閉塞状態で画成されている。すなわち、オイルタンク3は、オイルをその下部に液密状態に貯留することができると共に、後述する第一連通路23及び第二連通路26等を通じてその外部に連通されてはいるものの、第二連通路26を通じた吸引に伴って十分に圧力変動を生じうる閉じた空間として形成されている。エンジン1は単一のオイルタンク3を有し、オイルタンク3は4つのシリンダ4について共通である。オイルタンク3は不図示のオイルポンプに接続されており、オイルタンク3に回収されたオイルは当該オイルポンプによりエンジン1の所定の潤滑点に給送される。
クランク室2の下部には、単一のオイル貯留部21が形成されている。オイル貯留部21は4つのシリンダ4について共通であり、クランク軸7に平行な方向を長手とした概ね函状の内部形状を有する。各クランク室2とオイル貯留部21との間には、オイル排出弁22が設置されている。オイル排出弁22は一方向弁であり、クランク室2内の圧力が相対的に低い場合、及びクランク室2内の圧力がオイル貯留部21内の圧力と所定範囲内で一致している状態では閉塞状態にあるが、クランク室2内の圧力がオイル貯留部21内の圧力よりも上記所定範囲を超えて高くなった場合に開状態すなわち連通状態になるようにされている。オイル排出弁22には、例えばその閉塞状態を弁体の弾性復帰力によって実現する周知のリードバルブを用いるのが好適である。
オイル貯留部21には、第一連通路23および新気導入路24が連結されている。第一連通路23は、クランク室2とオイルタンク3との間を、オイル貯留部21を経て連通させている。図2に示されるように、第一連通路23は、断面が略長円形の管体であり、クランク室2の形状に沿って略弧状に湾曲している。第一連通路23の排出口23aは、オイルタンク3におけるオイル面(好ましくは、想定されるオイル面の最高位置)よりも高い位置に配置されている。第一連通路23の排出口23aには、第一連通路23の延長上に交差するように、湾曲した板状の舌片23bが設置されている。舌片23bの先端は、オイルタンク3の壁面に当接し、または固定されている。なお、図1においては理解の容易のため、舌片23bの先端はオイルタンク3の壁面から離して描かれている。
新気導入路24は、シリンダ4を画成する不図示のシリンダブロック、及びクランク室2を画成する不図示のクランクケースを通じて開けられた通孔であり、その上端はシリンダヘッド8a内の空室内に開口している。シリンダヘッド8a内の空室の上面を画成するヘッドカバー8bは、ブリーザパイプ32によって、吸気通路内のエアクリーナ15とスロットル弁16との間に接続されている。新気導入路24は、ブリーザパイプ32からの新気をクランク室2内に導入する経路と、シリンダヘッド8a内のオイルをオイルタンク3に還元するためのオイル落とし孔とを兼ねている。
第一連通路23の吸入口は、オイル貯留部21の底面に沿って開口している。新気導入路24の排出口は、第一連通路23の吸入口よりも高い位置であって、オイル貯留部21の上端部の近傍に開口している。
オイルタンク3の上部には、オイルタンク3とクランク室2との間を液密に区画する隔壁25が設置されている。隔壁25に設けられた開口部から、クランク室2に設けられた排出口2aまでの領域は、第二連通路26とされている。隔壁25の開口部には、脱気弁27が設置されている。脱気弁27は一方向弁であり、クランク室2内の圧力が相対的に高い場合、及びクランク室2内の圧力がオイルタンク3内の圧力と所定範囲内で一致している状態では閉塞状態にあるが、クランク室2内の圧力がオイルタンク3内の圧力よりも上記所定範囲を超えて低くなった場合に開状態すなわち連通状態になるようにされている。脱気弁27には、例えば上記オイル排出弁22と同様のリードバルブを用いるのが好適である。
隔壁25の上部側には、第二連通路26とその上部とを液密に画成する隔壁20,28が形成されている。隔壁28に設けられた開口部には、ブローバイガス逆流防止弁29が設置されており、その上部側には、ブローバイガス還元通路30の一端が接続されている。ブローバイガス還元通路30の他端部は、吸気通路におけるサージタンク17よりも下流側の吸気マニホールド近傍に接続されている。ブローバイガス還元通路30には、圧力制御弁31が設置されている。圧力制御弁31はブローバイガス還元通路30の流量の上限を設定する。
ブローバイガス逆流防止弁29は一方向弁であり、クランク室2内の圧力が相対的に低い場合、及びクランク室2内の圧力がオイルタンク3内の圧力と所定範囲内で一致している状態では閉塞状態にあるが、クランク室2内の圧力がブローバイガス還元通路30内の圧力よりも上記所定範囲を超えて高くなった場合に開状態すなわち連通状態になるようにされている。ブローバイガス逆流防止弁29には、例えば上記オイル排出弁22と同様のリードバルブを用いるのが好適である。ブローバイガス逆流防止弁29は、クランク室2内の想定されるオイル面よりも高い位置に設置するのが好適である。
以上のとおり構成された本実施形態の動作について説明する。本実施形態では、クランク室2は上述のとおり閉塞状態で画成されているため、ピストン5の上下動に伴い圧力変動を繰り返す。
ピストン5の上昇時には、図3に示されるように、ピストン5の上昇に伴うクランク室2の容積増大によって、クランク室2内が減圧される。この減圧の結果、脱気弁27が開かれ、オイルタンク3内の上部の空間が減圧される。これによって、オイル貯留部21及び第一連通路23内に存在するオイルとガスとが、第一連通路23を通じて吸引され(矢印a)、排出口23aからオイルタンク3内のオイル面より上の空間に吐出される。
そして、ガスは第二連通路26を経由してクランク室2内に吸引され(矢印b)、オイルは自重で下降する(矢印c)。排出口23aに設けられている舌片23bは、オイルに対する障害物として作用し、オイルの飛散を抑制してこれを下向きに誘導する。舌片23bの先端部はオイルタンク3の壁面に当接または固定されているので、オイルがオイルタンク3の壁面に付着・流下することでその滴下が抑制され、オイルとガスの混合が抑制される。
また、オイル貯留部21内の減圧の結果、ブリーザパイプ32及び新気導入路24から、オイル貯留部21に、オイルと共に新気が導入される(矢印d、矢印e)。これらの動作の間、オイル排出弁22およびブローバイガス逆流防止弁29は閉じている。
ピストン5の下降時には、図4に示されるように、ピストン5の下降に伴うクランク室2の容積減少によって、クランク室2内が昇圧される。この昇圧の結果、オイル排出弁22が開かれ、クランク室内のオイルとガスとがオイル貯留部21内に排出される(矢印f)。また、ブローバイガス逆流防止弁29が開かれ、ガスがブローバイガス還元通路30を通じて、吸気通路内に排出される(矢印g、矢印h)。
また、高負荷・高回転運転時には、ピストンリングとシリンダ4との間からクランク室2内に侵入するブローバイガス量が増大するので、クランク室2内の圧力が更に高まる。このため、図5に示されるように、オイル排出弁22が開かれ、クランク室内のオイルとガスとが、オイル貯留部21内に排出されると共に、それらの一部がオイル貯留部21から第一連通路23を通じてオイルタンク3内に吐出され(矢印i)、他の一部が新気導入路24を逆流しようとする(矢印j)。ここで、新気導入路24はその排出口をオイル貯留部21の上部に設けたので、オイル貯留部21の側壁面のうち新気導入路24の排出口を囲む段部21aがオイルの逆流に対する障害物として作用し、オイルの逆流が抑制される。
以上のとおり、本実施形態では、オイルタンク3とクランク室2とを連結する第二連通路26と、当該第二連通路26に設置されピストン5の上昇時にのみ開くようにされた脱気弁27と、を備え、且つオイルタンク3を閉塞状態としたので、ピストン5の上昇に伴ってクランク室2内とオイルタンク3内とが減圧され、これによって第一連通路23を通じてクランク室2内のオイルがオイルタンク3内に排出される。したがって、クランク室2からのオイルの排出を促進することができる。
また本実施形態では、第二連通路26の吸入口(隔壁25の開口部)を、オイルタンク3におけるオイル面よりも高い位置に配置したので、簡易な構成によってオイルとガスとを分離することができ、クランク室2内へのオイルの再侵入を抑制することができる。また、第一連通路23の排出口23aに、第一連通路23の軸線上に交差するように舌片23bを設置したので、オイルとガスとの分離を更に促進することができる。
また本実施形態では、脱気弁27をオイルタンクからクランク室に向かう流れのみを許容する一方向弁としたので、簡易な構成によって所期の効果を得ることができる。
また本実施形態では、第一連通路23の排出口23aを、オイルタンク3におけるオイル面よりも高い位置に配置したので、簡易な構成によってオイルタンク3からオイル貯留部21へのオイルの逆流を抑制することができる。
また、本実施形態では、オイル貯留部21に連通した新気導入路24を設けたので、オイルタンク3内が減圧されているときに、新気導入路24を通じて新気を導入することが可能になる。したがって、クランク室2内に滞留するブローバイガスに起因した機関の劣化を抑制し、その耐久性を向上することが可能になる。
また、本実施形態では新気導入路24がシリンダヘッドからのオイル落とし孔を兼ねることとしたので、新気導入路の設置に伴うエンジン1のサイズの増大を抑制できる。
また本実施形態では、クランク室2と吸気経路とを結ぶブローバイガス還元通路30を設けたので、このブローバイガス還元通路30を通じたブローバイガスの排出によって機関の劣化を更に抑制することが可能になる。また、このブローバイガス還元通路30に圧力制御弁31を設けたので、ブローバイガスの過剰な還元に起因した空燃比の変動を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明については、特許請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。すなわち、本発明は特許請求の範囲およびその等価物の範囲および趣旨に含まれる修正および変更を包含するものである。例えば、上記実施形態では、第二連通路26に設けられる脱気弁27、およびクランク室2からのオイル排出経路中に設けられるオイル排出弁22として、一方向弁を採用したが、本発明における脱気弁およびオイル排出弁としては、ピストンの上昇時(あるいは下降時)に開くようにされた弁機構であればどのようなものでも採用でき、たとえば、カム機構などによって駆動される機械式のもの、ロータリソレノイド等によって電気的に駆動される電動式のもの、あるいは油圧式のものであってもよい。電動式あるいは油圧式の弁機構を採用する場合には、その開閉を制御するタイミングはクランク軸7の角度を検出するクランク角センサ(不図示)の検出値に基づいて決定してもよいし、クランク室2内あるいはオイルタンク3内の実際の圧力あるいはそれらの推定値に基づいて決定しても良い。
また、上記実施形態では、オイルタンク3からクランク室2内へのオイルの再侵入を防止するための気液分離手段として、第二連通路の吸入口(隔壁25の開口部)をオイルタンク3におけるオイル面よりも高い位置に配置する構造と、第一連通路23の吐出口に設けられた舌片23bとを採用したが、この気液分離手段としては、オイルタンク3からクランク室2までの経路中に配置されるオイルミストの付着を促進するための突起やメッシュ層などの各種の障害物あるいは迂回路など、各種の構成を採用することができる。
また、上記実施形態では新気導入路24におけるオイルの逆流を抑制する逆流抑制手段として、オイル貯留部21の側壁面のうち新気導入路24の排出口を囲む部分によって形成される段部を採用したが、逆流防止手段はオイルの逆流を抑制できるような多様な変形を採用できる。例えば、図6に示されるように、新気導入路24の排出口をその断面積が端部に向けて漸増するように拡張し、その底部をオイル貯留部21の底面に連なるスロープ24aとしてもよく、この場合にはスロープ24aに起因するオイル付着面積の拡張およびオイルの自重による下降の促進によって、新気導入路24を通じたオイルの逆流を抑制できる上、上記実施形態のように段部21aの下部の隅部にオイルが滞留するおそれがある構造に比較して、オイルの排出を促進することができる。また、図7に示すように、新気導入路24の排出口をオイル貯留部21の底面に沿う位置に接続する共に、新気導入路24の途中に垂直部24bを設けてもよく、この場合にも同様にオイルの排出を促進することができる。
また新気導入路24の途中に、ピストン5の上昇時にのみ開くようにされた逆流防止弁を設置してもよい。図8に示される例では、逆流防止弁24cとしてロータリソレノイドによって駆動される電動式の弁機構を採用すると共に、これを電子制御装置(ECU)100によって制御するようにしている。逆流防止弁24cの開閉を制御するタイミングはクランク軸7の角度を検出するクランク角センサ(不図示)の検出値に基づいて決定してもよいし、クランク室2内あるいはオイルタンク3内の実際の圧力あるいはそれらの推定値に基づいて決定してもよい。このような構成のほかに、逆流防止弁としてはピストン5の上昇時にのみ開くようにされた弁機構であればどのようなものでも採用でき、圧力差によって駆動されるリードバルブなどの一方向弁のほか、たとえば、カム機構などによって駆動される機械式のもの、上記以外の電動式のもの、あるいは油圧式のものであってもよい。
また、上記実施形態では脱気弁27を隔壁20に設けたが、脱気弁27はクランク室2とオイルタンク3とを画成するクランクケース壁面など、オイルタンク3からクランク室2に至る通気経路中のいずれかの点に設ければよい。また、上記実施形態ではオイルタンク3をクランク室2の下方に設けたが、オイルタンクの位置はクランク室2の側方など任意の位置とすることができる。
また、上記実施形態および各変形例では、脱気弁27、オイル排出弁22、ブローバイガス逆流防止弁29、逆流防止弁24cを、いずれも順方向の流れのみを許容するものとしたが、これらは順方向の流れを主として許容するものであれば多少の逆方向の流れをも許容する場合があってもよい。すなわち、本発明はこれらの弁の少なくともいずれかが逆方向の流れを許容するものであってもよい。
また、上記実施形態では本発明をガソリンエンジンに適用した例について説明したが、本発明は自然着火式のディーゼルエンジンなど、往復動するピストンを有する各種の内燃機関に適用することが可能であり、そのような変形はいずれも本発明の範疇に属するものである。
本発明の実施形態に係るドライサンプ式エンジンの概略構成図である。 実施形態における第一連通路を示す斜視図である。 ピストン上昇時における実施形態の動作を示す概略構成図である。 ピストン下降時における実施形態の動作を示す概略構成図である。 高負荷・高回転運転時における実施形態の動作を示す概略構成図である。 本発明の実施形態の変形例を示す要部断面図である。 本発明の実施形態の別の変形例を示す要部断面図である。 本発明の実施形態のまた別の変形例を示す要部断面図である。
符号の説明
1 ドライサンプ式エンジン
2 クランク室
3 オイルタンク
4 シリンダ
5 ピストン
21 オイル貯留部
22 オイル排出弁
23b 舌片
23a 排出口
23 第一連通路
24 新気導入路
26 第二連通路
27 脱気弁
29 ブローバイガス逆流防止弁
30 ブローバイガス還元経路


Claims (13)

  1. シリンダの下部に閉塞状態で画成されピストンの上下動に伴い圧力変動を繰り返すクランク室と、前記クランク室とオイルタンクとの間を連結する第一連通路と、を備えたドライサンプ式エンジンであって、
    前記オイルタンクと前記クランク室とを連結する第二連通路と、
    当該第二連通路に設置され前記ピストンの上昇時に開くようにされた脱気弁と、
    を更に備え、
    且つ前記オイルタンクを閉塞状態としたことを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  2. 請求項1に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記第二連通路における吸入口は、前記オイルタンクにおけるオイル面よりも高い位置に配置されていることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  3. 請求項1または2に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記脱気弁は、前記オイルタンクから前記クランク室に向かう流れを許容する一方向弁であることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記第一連通路の排出口は、前記オイルタンクにおけるオイル面よりも高い位置に配置されていることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記第一連通路には、前記ピストンの下降時に開くようにされたオイル排出弁が設けられていることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  6. 請求項5に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記オイル排出弁は、前記クランク室から前記オイルタンクに向かう流れを許容する一方向弁であることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  7. 請求項4ないし6のいずれかに記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記第一連通路における前記オイル排出弁よりもオイルタンク側に形成されたオイル貯留部と、
    当該オイル貯留部に連通した新気導入路と、
    を更に備えたことを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  8. 請求項7に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記新気導入路はシリンダヘッドの内部に連通しており、当該新気導入路を経由してシリンダヘッドからのオイルが前記オイル貯留部に移動可能にされていることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  9. 請求項8に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記新気導入路は、オイルの逆流を抑制する逆流抑制手段を有することを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  10. 請求項9に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記逆流抑制手段はバルブであることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  11. 請求項9に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記逆流抑制手段は段部であることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記クランク室と吸気経路とを結ぶブローバイガス還元通路を更に備えたことを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  13. 請求項12に記載のドライサンプ式エンジンであって、
    前記ブローバイガス還元通路は圧力制御弁を有することを特徴とするドライサンプ式エンジン。

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