JP2007186564A - ヒドリンゴム組成物 - Google Patents

ヒドリンゴム組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2007186564A
JP2007186564A JP2006004589A JP2006004589A JP2007186564A JP 2007186564 A JP2007186564 A JP 2007186564A JP 2006004589 A JP2006004589 A JP 2006004589A JP 2006004589 A JP2006004589 A JP 2006004589A JP 2007186564 A JP2007186564 A JP 2007186564A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrin rubber
rubber composition
component
hydrin
aging agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006004589A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideto Ikeda
英仁 池田
Eiji Fukaya
英司 深谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2006004589A priority Critical patent/JP2007186564A/ja
Publication of JP2007186564A publication Critical patent/JP2007186564A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】ニッケル不含で、耐熱老化性、耐オゾン性、貯蔵安定性等に優れたヒドリンゴム組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物であって、その組成物中における(B)成分と(C)成分との含有割合が、重量比で、(B):(C)=2:1〜8:1の範囲に設定され、(D)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対して2〜6重量部の範囲に設定されている。
(A)エチレンオキサイド量が30mol%以下のヒドリンゴム。
(B)フェノール系老化防止剤。
(C)ベンゾイミダゾール系老化防止剤。
(D)含水ハイドロタルサイト化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種ホース、例えば、自動車用のエアー系ホースや、燃料系ホースの外表層等の形成材料に用いられるヒドリンゴム組成物に関するものである。
従来から、耐熱性等を要求されるホース、例えば、自動車用のエアー系ホース等の形成材料には、エピクロルヒドリン重合ゴム(CO)やエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム(ECO),エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム(GECO)を主成分とするヒドリンゴム組成物が汎用されている。そして、上記ヒドリンゴム組成物には、通常(なかば習慣的に)、老化防止剤としてニッケル化合物、例えば、ニッケルジブチルジチオカルバメート(NBC)等が用いられている(特許文献1参照)。しかしながら、上記ニッケル化合物の使用に代わる代替技術の開発は、従来から殆ど行われておらず、また、上記ニッケル化合物は、いわゆる環境負荷物質となり得る懸念があることから、近年の環境問題の視点にたって、上記ニッケル化合物を含有しないヒドリンゴム組成物が検討されている。
特開平5−230288号公報
しかし、上記ニッケル化合物不含のヒドリンゴム組成物を用いて形成されたホースは、耐熱老化性、耐オゾン性(特に動的耐オゾン性)等が著しく低く、到底満足できるものではない。このような不具合を生じるメカニズムは、明確には解っていないが、ニッケル化合物を不含とすることにより、ヒドリンゴムの架橋点にある塩素が引き抜かれやすい状態となり、それにより系内において塩酸の生成が増え、一般に用いられる受酸剤(酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等)の通常量での使用では、受酸作用が不足状態となる。そのため、ヒドリンゴム層に対する耐熱老化性試験時等に、上記受酸作用の不足によって生じた塩酸によるヒドリンゴム主鎖への反応により、主にエーテル部の切断が容易に起こってしまい、その結果、上記現象が生じるものと考えられる。
また、耐オゾン性等の改良のため、上記ニッケル化合物に代えてアミン系老化防止剤を用いることも検討されているが、アミン系老化防止剤は、ヒドリンゴム主鎖のエーテル部分にアミンが反応し、その主鎖を切断し軟化劣化を起こすおそれがある。
このようなことから、上記ニッケル化合物を用いた場合と同等のゴム特性が得られる、ニッケル不含の老化防止剤の使用が検討されているものの、未だ実用化されるまでに至るヒドリンゴム組成物が得られていないのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ニッケル不含で、耐熱老化性、耐オゾン性、貯蔵安定性等に優れたヒドリンゴム組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のヒドリンゴム組成物は、下記の(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物であって、その組成物中における(B)成分と(C)成分との含有割合が、重量比で、(B):(C)=2:1〜8:1の範囲に設定され、(D)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対して2〜6重量部の範囲に設定されているという構成をとる。
(A)エチレンオキサイド量が30mol%以下のヒドリンゴム。
(B)フェノール系老化防止剤。
(C)ベンゾイミダゾール系老化防止剤。
(D)含水ハイドロタルサイト化合物。
すなわち、本発明者らは、ニッケル不含であって、しかも従来と同等のゴム特性を備えたヒドリンゴム組成物を得るために鋭意検討を重ねた。そして、従来のニッケル化合物に代わり、ニッケル不含で、かつ耐熱老化性等に関しても同等レベルの特性を得ることのできる老化防止剤となりうる化合物を求めてさらに研究を重ねた。その結果、上記フェノール系老化防止剤(B)とベンゾイミダゾール系老化防止剤(C)との2種類の老化防止剤を併用すると、極めて有効であるとの知見を得た。すなわち、前記系内で生じた塩酸によりヒドリンゴムの主鎖のエーテル部が攻撃され、主鎖切断に作用するラジカルが生じるが、上記(B)および(C)の老化防止剤は、ラジカル防止作用を奏する。詳述すると、フェノール系老化防止剤(B)がラジカル防止剤として速効性を示し(一次防止剤として作用し)、ベンゾイミダゾール系老化防止剤(C)がラジカル防止剤として中長期的に作用(二次防止剤として作用)するため、塩酸の攻撃により生じるヒドリンゴム側のラジカル生成を効果的に防ぐことができる。そして、多数の実験の結果、上記2種類の老化防止剤を、特定の割合(比率)で併用したところ、上記効果に加えて、ヒドリンゴムの伸びと強度とのバランスに優れるようになり、所望の物性が得られるようになることを見いだした。さらに、本発明者らは、ヒドリンゴムのエチレンオキサイド量を30mol%以下に設定して、塩酸の攻撃対象となるエーテル部を減らし、また、脱塩素を加速させるおそれのある酸化マグネシウム(MgO)等の金属酸化物を不含とし、それに代えて、ニッケル不含であっても優れた受酸効果を現す含水ハイドロタルサイト化合物(D)を特定の割合で含有させることにより、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
このように、本発明は、エチレンオキサイド量が30mol%以下のヒドリンゴム(A)に、フェノール系老化防止剤(B)とベンゾイミダゾール系老化防止剤(C)との2種類の老化防止剤を特定の割合で併用し、含水ハイドロタルサイト化合物(D)を特定の割合で含有するヒドリンゴム組成物である。このため、環境負荷物質であるニッケルを含有しない化合物を老化防止剤として用いることから、環境問題に対して優位であるとともに、耐熱老化性、耐オゾン性、貯蔵安定性、加工性等に優れた性能を発揮することができる。
特に、上記ヒドリンゴム(A)のエチレンオキサイド量が、10〜30mol%の範囲に設定されていると、耐熱性、低温性、貯蔵安定性等に、より優れるようになる。
また、上記老化防止剤〔(B),(C)〕の合計の含有割合が、ヒドリンゴム(A)100重量部に対して1〜6重量部の範囲に設定されていると、他のゴム物性の低下を招くことなく従来と同等以上の優れた耐熱性が得られる。
さらに、上記ヒドリンゴム組成物にゼオライトを加えると、より安定したゴム特性を得ることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明のヒドリンゴム組成物は、先に述べたように、下記の(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物であって、その組成物中における(B)成分と(C)成分との含有割合が、重量比で、(B):(C)=2:1〜8:1の範囲に設定され、(D)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対して2〜6重量部の範囲に設定されている。
(A)エチレンオキサイド量が30mol%以下のヒドリンゴム。
(B)フェノール系老化防止剤。
(C)ベンゾイミダゾール系老化防止剤。
(D)含水ハイドロタルサイト化合物。
上記(A)成分のヒドリンゴムには、エチレンオキサイド量が30mol%以下のものを用いる必要があり、また、2種以上のヒドリンゴムを併せて用いる場合、この「エチレンオキサイド量が30mol%以下のヒドリンゴム」とは、そのトータルのエチレンオキサイド量が30mol%以下となるよう用いることを意味する。そして、低温性、貯蔵安定性等の点において、上記(A)成分のヒドリンゴムのエチレンオキサイド量は、好ましくは10〜30mol%の範囲である。上記ヒドリンゴムとしては、上記規定を満たすものであれば、特に限定はなく、例えば、エピクロルヒドリン重合ゴム(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム(ECO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム(GECO)等が、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、これらヒドリンゴムのなかでも、特に耐熱性等の点から、エピクロルヒドリン成分が全体の少なくとも50mol%含有されていることが好ましい。
上記(B)成分のフェノール系老化防止剤としては、例えば、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、2,2′−メチレン−ビス〔6−(1−メチルシクロヘキシル−p−クレゾール)〕、4,4′−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。このような老化防止剤としては、具体的には、精工化学社製のBHTスワノックス、精工化学社製のノンフレックスMBP等があげられる。
上記(C)成分のベンゾイミダゾール系老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。このような老化防止剤としては、具体的には、大内新興化学工業社製のノクラックMB等があげられる。
そして、上記フェノール系老化防止剤(B)と、ベンゾイミダゾール系老化防止剤(C)とは、いずれもニッケル不含の化合物であることを要し、先述のように、ヒドリンゴム組成物中における両者の含有割合が、重量比で、(B):(C)=2:1〜8:1の範囲とすることを要する。これにより、ヒドリンゴムの伸びと強度のバランスが優れるようになり、所望の物性が得られるようになる。そして、このような点における、両者の好適な含有割合は、重量比で、(B):(C)=3:1〜6:1の範囲である。
また、上記老化防止剤〔(B),(C)〕の合計の含有割合は、ヒドリンゴム(A)100重量部(以下、「部」と略す)に対して1〜6部の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜4部である。すなわち、上記老化防止剤の含有割合が1部未満では、含有量が少な過ぎて所望のゴム物性(耐熱性等)を得ることができず、逆に6部を超えると、増量による耐熱性向上効果がさほどみられないうえに、老化防止剤が表面にブルーミングする傾向がみられ、外観を損なう恐れがあるからである。
上記(A)〜(C)成分とともに用いられる含水ハイドロタルサイト化合物(D)には、下記の一般式(1)で表される化合物が用いられる。
Figure 2007186564
そして、上記一般式(1)で表される含水ハイドロタルサイト化合物としては、例えば、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 、Mg4 Al2 (OH)12CO3 ・3.5H2 O、Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 O、Mg5 Al2 (OH)14CO3 ・4H2 O、Mg3 Al2 (OH)10CO3 ・1.7H2 O、Mg3 ZnAl2 (OH)12CO3 ・wH2 O、Mg3 ZnAl2 (OH)12CO3 等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。このような化合物としては、具体的には、協和化学工業社製のDHT−4A、協和化学工業社製のDHT−6等があげられる。なお、含水ハイドロタルサイト化合物は、酸化マグネシウム等の金属酸化物のようにヒドリンゴム(A)の脱塩素を加速させるおそれがなく、優れた受酸効果を得ることができる。そして、本発明のヒドリンゴム組成物において、その架橋を進行させるには、上記のように含水タイプを用いることが必須であり、例えば焼成タイプのハイドロタルサイト化合物では、このような機能を果たすことができない。
そして、上記含水ハイドロタルサイト化合物(D)の含有割合は、(A)成分のヒドリンゴム100部に対して2〜6部の範囲に設定することを要する。すなわち、上記含水ハイドロタルサイト化合物(D)が2部未満では、含有量が少な過ぎて架橋が進行せず、圧縮永久歪みが悪くなるからであり、逆に6部を超えると、架橋が進行しすぎ、ゴム物性や貯蔵安定性に悪影響を与えるからである。そして、上記含水ハイドロタルサイト化合物(D)の含有割合は、好ましくは、(A)成分のヒドリンゴム100部に対し2.5〜5部の範囲である。
本発明のヒドリンゴム組成物は、先述の通り、上記(A)〜(D)の各成分を必須成分とするものであるが、必要に応じ、これに加え、受酸効果を高めるため、ゼオライトを含有させることもできる。ゼオライトとしては、下記の一般式(2)で表されるものが用いられ、このようなものとしては、例えば、A型ゼオライトKタイプ、A型ゼオライトNaタイプ、A型ゼオライトCaタイプ、A型ゼオライトMgタイプ、X型ゼオライトNaタイプ、X型ゼオライトCaタイプ等があげられる。そして、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
Figure 2007186564
上記ゼオライトの配合量は、上記(A)成分のヒドリンゴム100部に対して、1〜20部の範囲内が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲内である。すなわち、このような範囲内でゼオライトを含有させることにより、より安定したゴム特性を得ることができる。
なお、ゼオライトのように、ヒドリンゴム(A)の脱塩素を加速させることなく、受酸効果を高めることができるものとしては、これ以外にも、例えば、焼成ハイドロタルサイト化合物等を用いてもよい。上記焼成ハイドロタルサイト化合物としては、例えば、協和化学工業製のDHT−4A・2や、DHT−4C、KW−2100等があげられる。なお、先にも述べたように、本発明のヒドリンゴム組成物中において、含水ハイドロタルサイト化合物(D)に代えて、この焼成ハイドロタルサイト化合物を用いることはできないが、このように含水ハイドロタルサイト化合物(D)と併用することは可能である。
また、本発明のヒドリンゴム組成物には、必要に応じ、加硫剤が用いられる。上記加硫剤としては、例えば、硫黄、2,3−ジメチルカプトキノキサリン誘導体、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム類、4,4′−ジチオ−ジモルフォリン等の硫黄系加硫剤や、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の樹脂加硫剤等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記加硫剤の配合量は、上記ヒドリンゴム(A)100部に対して、0.3〜5部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜3部の範囲内である。
さらに、本発明のヒドリンゴム組成物には、上記各成分以外にも、必要に応じて、加硫促進剤、可塑剤、充填剤、加硫遅延剤、加工助剤、難燃剤、スコーチ防止剤、着色剤、白色充填剤等の他の添加剤を適宜に配合することができる。
上記加硫促進剤としては、特に限定はなく、例えば、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、アルデヒドアンモニア系、アルデヒドアミン系、グアニジン系、チオウレア系、エチレンジメタクリレート系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジブチルグリコールアジペート、ジブチルカルビトールアジペート、アジピン酸ポリエステル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記充填剤としては、カーボンブラック、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、クレー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記加硫遅延剤としては、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、無水フタル酸等があげられる。
上記加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の脂肪酸類、脂肪酸エステル類等があげられる。
上記難燃剤としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩化パラフィン等があげられる。
ところで、本発明のヒドリンゴム組成物は、例えば、上記(A)〜(D)の各成分に、加硫剤、さらに必要に応じて他の添加剤を配合し、バンバリーミキサーや混練ロール等を用いて混練することにより得られる。
また、このようにして得られるヒドリンゴム組成物を用いてのホースの作製は、例えば、単層構造の場合、つぎのようにして行われる。すなわち、上記ホース用ゴム組成物を用い、マンドレル上に管状に押出成形することにより管状物であるホースを作製することができる。なお、上記では単層構造のホースについて述べたが、これに限定するものではなく、2層以上の多層構造のホースのゴム層形成材料、例えば、多層構造の最外層のゴム層形成材料としても好適に用いることができる。
本発明のヒドリンゴム組成物は、各種ホース、例えば、自動車用のエアー系ホース、詳しくは、ガソリン蒸気・エンジンオイルのミスト・空気の三者の混合物をエンジンから排出して再燃焼のためにエンジンに供給するためのエアー系ホース、より具体的には、過給機用ホース、ブローバイガス用ホース、エミッションコントロールホース等のエアー系耐熱ホースのホース形成材料や、燃料系ホースの外被となる最外層のゴム層形成材料として有用である。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例に先立って各成分を準備した。
〔ヒドリンゴムA〕
ECO(エピクロマーC、エチレンオキサイド量51mol%、ダイソー社製)
〔ヒドリンゴムB〕
CO(エピクロマーH、エチレンオキサイド量0mol%、ダイソー社製)
〔ヒドリンゴムC〕
ECO(エピクロマーCG、エチレンオキサイド量41mol%、ダイソー社製)
〔加工助剤A〕
ステアリン酸(ルーナックS30、花王社製)
〔加工助剤B〕
脂肪酸エステル(エマスター510P、理研ビタミン社製)
〔老化防止剤A〕
フェノール系老化防止剤(BHTスワノックス、精工化学社製)
〔老化防止剤B〕
フェノール系老化防止剤(ノンフレックスMBP、精工化学社製)
〔老化防止剤C〕
フェノール系老化防止剤(ノンフレックスEBP、精工化学社製)
〔老化防止剤D〕
ベンゾイミダゾール系老化防止剤(ノクラックMB、大内新興化学社製)
〔老化防止剤E〕
ベンゾイミダゾール系老化防止剤(ノクラックMMB、大内新興化学社製)
〔老化防止剤F〕
ニッケルジブチルジチオカルバメート(ノクラックNBC、大内新興化学社製)
〔受酸剤A〕
含水ハイドロタルサイト(DHT−4A、協和化学工業社製)
〔受酸剤B〕
含水ハイドロタルサイト(DHT−6、協和化学工業社製)
〔受酸剤C〕
ゼオライト(ミズカライザーDS、水澤化学社製)
〔受酸剤D〕
焼成ハイドロタルサイト(KW−2100、協和化学工業社製)
〔受酸剤E〕
酸化マグネシウム(協和マグ#150、協和化学工業社製)
〔カーボン〕
SRF級カーボンブラック(シーストS、東海カーボン社製)
〔可塑剤〕
アジピン酸エーテルエステル系可塑剤(RS−107、旭電化社製)
〔加硫促進剤〕
ナフトエ酸DBU塩(DA−500、ダイソー社製)
〔加硫剤〕
6−メチルキノキサリン−2,3ジチオカーボネート(ダイソネットXL−21S、ダイソー社製)
〔加硫遅延剤〕
N−シクロヘキシルチオフタルイミド(サントガードPVI、モンサント社製)
〔実施例1〜18、比較例1〜4、従来例〕
上記各成分(加硫剤、加硫遅延剤を除く)を下記の表1〜表3に示す割合で配合し、バンバリーミキサーを用いて混合し、ついで、それに加硫剤および加硫遅延剤を下記の表1〜表3に示す割合で配合し、ロールを用いて混練することによりヒドリンゴム組成物を作製した。
Figure 2007186564
Figure 2007186564
Figure 2007186564
このようにして得られた各ヒドリンゴム組成物を用い下記の方法に従って各種特性を測定・評価した。
〔未加硫物性〕
上記調製のゴム組成物における未加硫粘度の経時的変動を見るため、調製直後(初期)、および、温度50℃×湿度95%RH雰囲気下に48時間放置後(湿熱後)のムーニー粘度(ML1+3 121℃)を、東洋精機製作所社製のムーニー粘度測定器により測定した。また、上記測定器により、粘度トルク値(絶対値)が最低ムーニー値より5ポイント上昇したときのスコーチタイム(St.5p)(分)も測定した。なお、この試験において本発明に要求される粘度は50〜70(ML1+3 121℃)であり、そのSt.5pは15分以上である。
〔常態時物性〕
各ヒドリンゴム組成物を用い、ミキシングロールにより厚み2mmの未加硫ゴムシートを作製し、これに160℃×45分間のプレス加硫を施してゴムシートを作製した。ついで、上記ゴムシートを、JIS5号ダンベルで打ち抜き、厚み2mmの常態時物性評価用のシート状ゴム試験片を作製した。上記ゴム試験片について、JIS K6251に準拠して、破断点強度(TB)、破断伸び(EB)、および硬度(HA)を測定した。なお、この試験において本発明に要求される破断点強度(TB)は9.8MPa以上であり、破断伸び(EB)300%以上であり、硬度(HA)は70±5Hsの範囲である。
〔耐熱老化性〕
上記常態時物性評価に使用したシート状ゴム試験片を用い、125℃の高温雰囲気下にて240時間放置後、または150℃の高温雰囲気下にて168時間放置後の耐熱老化試験に供し、上記常態時物性と同様に、破断点強度(TB)、破断伸び(EB)、および硬度(HA)をJIS K6251に準拠して、それぞれ測定した。なお、125℃×240時間の試験において本発明に要求される破断点強度(TB)は8MPa以上であり、破断伸び(EB)180%以上である。また、150℃×168時間の試験において本発明に要求される破断点強度(TB)は6MPa以上であり、破断伸び(EB)100%以上である。
〔圧縮永久歪み〕
上記ゴム試験片の圧縮永久歪みを、JIS K6262に準じ、温度125℃×試験時間70時間×圧縮率25%の測定条件にて測定した。なお、この試験において本発明に要求される圧縮永久歪みは50%以下である。
〔動的耐オゾン性〕
上記ゴム試験片を、JIS K6259に準拠し、オゾン濃度50pphm,40℃雰囲気中で、0〜30%の伸張を繰り返し行い、耐オゾン性の評価(試験時間:168時間)を行った。すなわち、上記試験において、試験時間内に、ゴム試験片に亀裂が生じなかったものを○、亀裂が生じたものを×と表示した。
〔低温脆化〕
JIS K 6261に準じて、脆化温度(℃)を測定し、低温脆化性を評価した。なお、脆化温度は−30℃以下であることが好ましいと考える。
これらの測定・評価結果を、ヒドリンゴムポリマー中のエチレンオキサイド量(mol%)、Ni含有の有/無とともに、下記の表4〜表6に併せて示す。なお、表に記載の「総合判定」は、上記の各種特性の測定・評価結果をもとに判定したものである。
Figure 2007186564
Figure 2007186564
Figure 2007186564
上記結果から、実施例品は、ニッケルジブチルジチオカルバメート(老化防止剤F)を用いた従来例と同等レベルの常態時物性を備え、しかも耐熱老化性評価においても優れた評価結果が得られたことがわかる。さらに、圧縮永久歪みにおいても、良好な結果が得られた。
これに対して、ポリマー中のエチレンオキサイド量が多すぎる比較例1品は、破断点強度(TB)が低く、耐熱性の悪化がみられた。また、含水ハイドロタルサイト量が少なすぎる比較例2品は、圧縮永久歪みが悪く、逆に、含水ハイドロタルサイト量が多すぎる比較例3品は、破断伸び(EB)や、湿熱後の未加硫物性が悪くなっていることがわかる。比較例4品は、含水ハイドロタルサイトを用いず、焼成ハイドロタルサイトを用いているが、加硫が甘く、耐熱性および圧縮永久歪みが悪化していることがわかる。
また、上記実施例品のヒドリンゴム組成物を管状に押出成形することにより得られたホースは、ガソリン蒸気・エンジンオイルのミスト・空気の三者の混合物を流通させるためのエアー系ホースとして有用であることが、実験により確認され、ニッケルジブチルジチオカルバメート等のニッケル化合物が不含であっても、耐熱老化性、耐オゾン性等に優れることが確認された。
本発明のヒドリンゴム組成物は、各種ホース、例えば、自動車用のエアー系ホース、詳しくは、ガソリン蒸気・エンジンオイルのミスト・空気の三者の混合物をエンジンから排出して再燃焼のためにエンジンに供給するためのエアー系ホースや、燃料系ホースの最外層等の形成材料として有用である。

Claims (4)

  1. 下記の(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物であって、その組成物中における(B)成分と(C)成分との含有割合が、重量比で、(B):(C)=2:1〜8:1の範囲に設定され、(D)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対して2〜6重量部の範囲に設定されていることを特徴とするヒドリンゴム組成物。
    (A)エチレンオキサイド量が30mol%以下のヒドリンゴム。
    (B)フェノール系老化防止剤。
    (C)ベンゾイミダゾール系老化防止剤。
    (D)含水ハイドロタルサイト化合物。
  2. 上記(A)成分のエチレンオキサイド量が、10〜30mol%の範囲に設定されている請求項1記載のヒドリンゴム組成物。
  3. 上記(B)成分と(C)成分との合計の含有割合が、(A)成分100重量部に対して1〜6重量部の範囲に設定されている請求項1または2記載のヒドリンゴム組成物。
  4. 上記(A)〜(D)成分に加え、ゼオライトを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒドリンゴム組成物。
JP2006004589A 2006-01-12 2006-01-12 ヒドリンゴム組成物 Withdrawn JP2007186564A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006004589A JP2007186564A (ja) 2006-01-12 2006-01-12 ヒドリンゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006004589A JP2007186564A (ja) 2006-01-12 2006-01-12 ヒドリンゴム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007186564A true JP2007186564A (ja) 2007-07-26

Family

ID=38341951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006004589A Withdrawn JP2007186564A (ja) 2006-01-12 2006-01-12 ヒドリンゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007186564A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010021169A1 (ja) * 2008-08-22 2010-02-25 ダイソー株式会社 空気バネ用加硫ゴム組成物及び空気バネ用ゴム成型体
WO2018079401A1 (ja) * 2016-10-31 2018-05-03 株式会社大阪ソーダ 美容器具用組成物
WO2018147328A1 (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 株式会社大阪ソーダ ゴム用組成物
WO2020116391A1 (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 日本ゼオン株式会社 エピハロヒドリン系ゴム組成物、ゴム架橋物、ゴム積層体、およびホース

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010021169A1 (ja) * 2008-08-22 2010-02-25 ダイソー株式会社 空気バネ用加硫ゴム組成物及び空気バネ用ゴム成型体
US8530587B2 (en) 2008-08-22 2013-09-10 Daiso Co., Ltd Vulcanizable rubber composition for use in an air spring and rubber formed product for use in an air spring
JP5541525B2 (ja) * 2008-08-22 2014-07-09 ダイソー株式会社 空気バネ用加硫ゴム組成物及び空気バネ用ゴム成型体
WO2018079401A1 (ja) * 2016-10-31 2018-05-03 株式会社大阪ソーダ 美容器具用組成物
JPWO2018079401A1 (ja) * 2016-10-31 2019-09-19 株式会社大阪ソーダ 美容器具用組成物
WO2018147328A1 (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 株式会社大阪ソーダ ゴム用組成物
JPWO2018147328A1 (ja) * 2017-02-09 2019-12-12 株式会社大阪ソーダ ゴム用組成物
WO2020116391A1 (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 日本ゼオン株式会社 エピハロヒドリン系ゴム組成物、ゴム架橋物、ゴム積層体、およびホース
CN113056371A (zh) * 2018-12-07 2021-06-29 日本瑞翁株式会社 表卤代醇系橡胶组合物、橡胶交联物、橡胶层叠体及软管
JP7415945B2 (ja) 2018-12-07 2024-01-17 日本ゼオン株式会社 エピハロヒドリン系ゴム組成物、ゴム架橋物、ゴム積層体、およびホース

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5338658B2 (ja) ニトリル共重合体ゴム組成物
US8258222B2 (en) Composition for vulcanized rubber and vulcanization product
US20180346692A1 (en) Hose rubber composition, hose laminated body, and hose
WO2016199388A1 (ja) ホース用ゴム組成物及びホース
JP5431666B2 (ja) ヒドリンゴム組成物
JP4867311B2 (ja) 加硫ゴム用組成物およびその加硫物
JP2000212330A (ja) 加硫性ゴム組成物
JP2007186564A (ja) ヒドリンゴム組成物
JP2008265273A (ja) 耐熱ホース
EP1975196B1 (en) Hydrin rubber composition and heat-resistant hose using the same as material
US6699936B1 (en) Rubber composition for hose and hose
JP3994757B2 (ja) 加硫用ゴム組成物およびその加硫物
JP2017019947A (ja) 難燃ホース用ゴム組成物及び難燃ホース
JP5238982B2 (ja) ダイヤフラム用ゴム組成物及びダイヤフラム
JP2007185826A (ja) 耐熱ホース
JP5403419B2 (ja) バイオディーゼル燃料と直接接触する成型部品を製造するための加硫用ゴム組成物
JP2006249367A (ja) ヒドリンゴム組成物
WO2012096030A1 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた自動車用燃料部材
JPS6032656B2 (ja) クロロプレンゴム加硫物
JP4532818B2 (ja) 自動車用エアー系ホース用ゴム組成物
JP5358880B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JPWO2007063905A1 (ja) ゴム組成物、加硫性ゴム組成物およびゴム加硫物
JP2008163214A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2001019804A (ja) ホース用ゴム組成物およびホース
JP4389738B2 (ja) 加硫用ゴム組成物、そのゴム加硫物および同加硫物からなるゴム製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080820

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090428