JP2007185864A - 木質樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来の木質建材や樹脂建材、木質樹脂建材よりも難燃効果に優れ、かつ、難燃性を有する木質建材よりも表面硬度や寸法精度に優れる木質樹脂成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂100重量部に対して木質系充填剤の配合比率が10〜500重量部からなる熱可塑性樹脂と木質系充填剤を主体とする木質樹脂成形体であって、
前記熱可塑性樹脂100重量部に対してリン含有量で3〜10重量部の割合でリン系難燃剤を含有しており、かつ、前記木質系充填材100重量部に対してホウ素含有量で3〜10重量部の割合でホウ素系難燃剤を含有していることを特徴とする木質樹脂成形体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と木質充填材からなる木質樹脂成形体に係わり、本発明の木質樹脂成形体は、壁材、パーティションボード、天井材等の難燃性を必要とする建築材、建具、家電品の表面材等の樹脂成形体及びそれを用いた化粧材として用いられる。特に、賃貸マンション、アパート、オフィスビル、店舗、学生寮等の様に、リフォームによる貼り替えのサイクルの短い用途にも好適な、寸法精度に優れた難燃性に優れる木質樹脂成形体に関するものである。
現在、戸建て住宅等の建築物における室内床面用の床材としては、木質系フローリング材が最も広く流行している。しかし、水に濡れると膨れや割れ、反り、腐蝕を起こし易く、特に浴室脱衣所や洗面所の様な水廻りの部位への使用には問題があることが指摘されている。また、オフィスビルや店舗では凹みなどの耐傷性の問題があることも指摘されている。そこで近年では、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を主原料とした、耐水性、耐候性、耐腐食性、耐傷性、強度に優れる木質樹脂建材が提案されている。
しかし、従来からの木質フローリング材、および耐久性に優れる木質樹脂建材は難燃性に乏しいという問題があった。木質系樹脂建材の木質を難燃処理するためには硼酸、硼砂およびリン酸塩などの水溶液に含浸処理することにより得られるものであるが、一般的にはその加工性が乏しく生産性に劣るという欠点があり、また、樹脂建材においても環境問題の観点から、難燃性を有する塩化ビニル樹脂は敬遠され、さらには塩化ビニル樹脂においても燃焼時に黒煙の発生が多いという欠点があった。さらには環境問題に配慮したとされる木質充填材とオレフィン樹脂においてはいうまでもなく、難燃性を有するものではなかった。木材の難燃化の方法として、例えば、特許文献1に記載されているが、木質樹脂成形体においては木質充填材の難燃化だけではを不十分であった。
下記に特許文献を記す。
特開2003−211412号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、従来の木質建材や樹脂建材、木質樹脂建材よりも難燃効果に優れ、かつ、難燃性を有する木質建材よりも表面硬度や寸法精度に優れる木質樹脂成形体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち、請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂100重量部に対して木質系充填材の配合比率が10〜500重量部からなる熱可塑性樹脂と木質系充填剤を主体とする木質樹脂成形体であって、
前記熱可塑性樹脂100重量部に対してリン含有量で3〜10重量部の割合でリン系難燃剤を含有しており、かつ、前記木質系充填材100重量部に対してホウ素含有量で3〜10重量部の割合でホウ素系難燃剤を含有していることを特徴とする木質樹脂成形体である。
請求項2に記載の発明は、前記ホウ素系難燃剤が予め木質系充填材に固定化されていることを特徴とする請求項1に記載の木質樹脂成形体である。
請求項3に記載の発明は、前記ホウ素系難燃剤が、木質系充填材を粉砕する前もしくは粉砕した後、その難燃剤調製液を含浸またはスプレー塗布されて木質系充填材に固定化されていることを特徴とする請求項2に記載の木質樹脂成形体である。
請求項4に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の木質樹脂成形体である。
請求項5に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂がポリ乳酸樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の木質樹脂成形体である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の木質樹脂成形体が発泡成形体であることを特徴とする木質樹脂成形体である。
請求項1に記載の発明により、熱可塑性樹脂に効果的に難燃作用を示すリン系難燃剤を熱可塑性樹脂100重量部に対してリン含量3〜10重量部、また木質充填材に効果的に難燃作用を示すホウ素系難燃剤を木質系充填材100重量部に対してホウ酸含量の3〜10重量部配することにより、従来の木質建材や樹脂建材、木質樹脂建材よりも難燃効果に優れる木質樹脂成形体を得ることができ、かつ難燃性を有する木質建材よりも表面硬度や寸法精度に優れる木質樹脂成形体を得ることが可能となった。
また、請求項2、3に記載の発明により、ホウ素系難燃剤が予め木質系充填材に含浸または塗布等の方法で固定化されてなることにより、木質充填材の内部まで難燃剤を配することができ、木質充填材に対して難燃剤が効率的に木質系充填材に作用し、より少ない難燃剤の使用で難燃性が得られるさらに好ましい木質樹脂成形体を得ることが可能となった。
また、請求項4に記載の発明により、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いることにより、難燃性、材料リサイクル性に優れるのみならず、耐熱性や寸法安定性に優れる木質樹脂成形体とすることが可能となった。
また、請求項5に記載の発明により、熱可塑性樹脂としてポリ乳酸樹脂を用いることにより、そのポリ乳酸樹脂の酸素指数が23〜30とある程度の難燃性を示す樹脂であることからリン系難燃剤がより少ない添加量で効果的に作用することができ、所望の難燃性を得るためのリン系難燃剤の添加量を低減することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明により、木質樹脂成形体を発泡させることにより、難燃性に優れるのみならずより軽量かつ切削性や釘打ち性などの後加工性に優れるさらに好ましい木質樹脂成形体を得ることが可能となった。
以下に本発明の木質樹脂成形体を詳細に説明する。本発明の木質樹脂成形体は、熱可塑性樹脂100重量部に対して木質系充填剤の配合比率が10〜500重量部からなる熱可塑性樹脂と木質系充填剤を主体とする木質樹脂成形体であって、前記熱可塑性樹脂100重量部に対してリン含有量で3〜10重量部の割合で赤リン、リン酸塩もしくはリン酸エステルの群からなるリン系難燃剤のうち少なくとも1つが含有しており、かつ、前記木質系充填材100重量部に対してホウ素含有量で3〜10重量部の割合で無水ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸亜鉛の群からなるホウ素系難燃剤のうちすくなくとも1つが含有している。
本発明における木質樹脂成形体に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、
ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリポリカーボネート、アクリル、ポリ塩化ピニル、ポリ乳酸をはじめとする生分解性樹脂、等の樹脂から適官選択が可能であるが、焼却時のダイオキシンの発生や埋め立て時等の環境ホルモン物質の流出のない、ポリオレフインやさらには生分解性樹脂が好適である。
前記ポリオレフインとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上の目的で酸変性したもの、あるいはアイオノマー等から適宜選択が可能で、単一でも複数種の混合でも構わない。
上記のポリオレフインの中でも、特に、材料リサイクル性に優れるのみならず、耐候性や耐熱性、薬品や溶剤に対する耐性等の性能を満たすポリプロピレン樹脂であることが望ましい。
上記の生分解性樹脂としては、ポリヒドロキシブチレート系、ポリブチレンサクシネート系、ポリブチレンサクシネート系、ポリカプロラクトン系、酢酸セルロース系、ポリエステルアミド系、酢酸ビニル系、コポリエステル系、ポリ乳酸系、デンプン系のものから適宜選択が可能で、単一でも複数種の混合でも構わない。
上記の生分解性樹脂の中でも、特にポリ乳酸樹脂が望ましい。熱可塑性樹脂としてポリ乳酸樹脂を用いることで、リン系難燃剤がより少ない添加量で効果的に作用することができ、所望の難燃性を得るためのリン系難燃剤の添加量を低減することが可能となる。また、ポリ乳酸が高度の難燃性は有していないが、大気中で継続燃焼しにくい自己消化性を有していること、すなわち、難燃剤を付与しないポリ乳酸繊維織物の酸素指数は24であることは知られており(繊維学会誌 vol55,No7(1999)、ポリ乳酸繊維織物の難燃化)、リン系難燃剤の添加量をより少なくでき効率的に木質樹脂成形体に難燃性を付与することができる。
本発明における木質系充填材としては、特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して、微粉状にした木粉などを用いる。これにより木質樹脂成形体の燃焼時におけるドリップ抑制効果も得ることができる。
熱可塑性樹脂と木質系充填を含有してなる木質樹脂成形体は、熱可塑性樹脂100重量部に対して木質系樹脂充填剤の配合比率が10〜500重量部からなる。熱可塑性樹脂100重量部に対して木質系樹脂充填剤の配合比率が10重量部に満たない場合、木質感が出なくなってしまう。また、木質系樹脂充填剤の配合比率が500重量部を超える場合は成形体として十分な強度が得られなくなってしまう。
木質系充填材の平均粒径は10〜300μmが好ましく、50〜250μmであることがさらに好ましい。平均粒径が10μm未満のものは、取り扱いが困難である上に、特に木質系充填材の配合量が多い場合は、熱可塑性樹脂への分散が悪いと、製造される木質樹脂成形体の機械強度が低下する。また、300μmを超える場合には成形品の均質性に劣り機械的強度が低下する。さらには成形品の表面状態でも平面性が得られにくくなる。
また、ここでいう木質系充填材とは、前述の木粉に限定されるものではなく、木質系の繊維構造物全てを包含するものであり、木質樹脂成形体の利用の目的に応じて、例えば、ケナフ、バガス、バンブー、あるいは故紙を選択しても良い。
木質系充填材と熱可塑性樹脂の混練は特に方法を問わないが、バンバリーミキサーによって混練し、ペレタイザーでペレット化する方法や、2軸押出混練機によって混合、ペレット化する方法が一般的である。また、木質系充填材は含水率が大きいと、ペレタイズ時に発泡の原因となるために、混練前に予め乾燥機やホッパードライヤーで含水率を8%以下に抑えておくことが好ましい。
本発明におけるリン系難燃剤は、赤リン、リン酸塩もしくはリン酸エステルの郡からなるリン系難燃剤のうち少なくとも1つとし、熱可塑性樹脂100重量部に対してリン含量で3〜10重量部とする。既存のリン系難燃剤を使用することができ、使用する熱可塑性樹脂および木質充填材の量に応じて、また使用するリン化合物の種類によりその添加量を決めることができる。、熱可塑性樹脂100重量部に対してリン含量が3重量部に満たない場合、十分な難燃効果が得られなくなってしまう。また、リン含有量が10重量部を超えたとしても、難燃効果は上がらず、コストの上昇を引き起こす。また、赤リンの場合には10重量部を超えた場合には、逆に発火剤として作用してしまう。
また、熱可塑性樹脂に対する難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物があるが、これらは比較的安価な材料であり、充填材と兼ねて使用するなど、リン系難燃剤と併せて使用するなど、特に限定は無い。ただし、熱可塑樹脂に環境を考慮して塩化ビニル樹脂を使用しないのであるならば、ハロゲン系の難燃剤やアンチモン化合物などの重金属を含む難燃剤の使用については配慮する必要がある。
さらに、木質系充填材に対して、ホウ酸、無水ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂、無水ホウ砂、ホウ酸亜鉛の郡からなるホウ素系難燃剤のうち少なくとも1つが木質系充填材100重量部に対してホウ素含量で3〜10重量部の割合で含有するものとする。木質系充填材100重量部に対してホウ素含量が3重量部に満たない場合、十分な難燃効果が得られなくなってしまう。また、ホウ素含量が10重量部を超えたとしても、難燃効果は上がらず、コストの上昇を引き起こす。
木材に対する難燃剤として公知である、ホウ砂は水に溶解し、雨水や湿気、結露、水蒸気によって、溶け出してしまう事から、住宅用建材の場合の保証期間の設定が、使用する処理木材が使用される位置や場所により長期の保証期間の出来ない。したがって、折角の有用な難燃性だけでなく防蟻性、防腐性があり、ヒトに対しても低毒性である事が知られていても、溶脱する事により使用される木材の住宅での位置、場所、保証が出来ないなどの難点があった。
しかし、本発明の木質樹脂成形体の木質系充填材の難燃剤として作用させる場合には、ホウ素系難燃剤の周囲を熱可塑性樹脂で被服されるため、溶出しにくくすることができ、木質樹脂成形体の難燃性の低下を抑えることもできる。
ホウ素系難燃剤を木質系充填材に固定化せずに用いる場合、ホウ素系難燃剤の平均粒径は5〜300μmが好ましく、10〜250μmであることがさらに好ましい。平均粒径が5μm未満のものは、難燃効果は優れるものの取り扱いが困難である。また、300μmより大きい場合に、木質系充填剤とホウ素系化合物の分散する間隔が大きくなりすぎてしまい、製造される木質樹脂成形体の難燃性が低下するだけでなく、成形品の均質性に劣り機械的強度が低下する。さらには成形品の表面状態でも平面性が得られにくくなる。
また、ホウ素系難燃剤が予め木質系充填材に固定化されてなることにより、木質充填材に対してホウ素系難燃剤が効率的に木質系充填材に作用し、より少ないホウ素系難燃剤の使用で難燃性が得られるさらに好ましい木質樹脂成形体を得ることが可能となる。木質系
充填材に固定化する際のホウ素系難燃剤としては、ホウ酸やホウ酸ナトリウムといったホウ酸塩を好適に使用できる。
ホウ素系難燃剤は言うまでもなく、木質系材料に特に優れた難燃効果を示すものである。すなわち成形時に木質充填材の表面もしくはその内部にあることにより、より効果的な難燃効果を発現できる。したがって木質充填材を熱可塑性樹脂とコンパウンドする前にホウ素系難燃剤を木質系充填材に固定化することが好ましい。その固定化の方法としては、木質充填材を粉砕する前もしくは粉砕した後に、ホウ素系難燃剤の水溶液やアルコール溶液での、含浸、スプレーコート等、任意の方法を選択することができる。
また、ホウ素系難燃剤が予め木質系充填材に含浸されてなることにより、木質充填材の内部までホウ素化合物を配することができ、さらに効率的に木質系充填材に作用し、より少ないホウ素化合物の使用で難燃性が得られるさらに好ましい木質樹脂成形体を得ることが可能となる。
さらに、少ない薬剤添加量で効率的に難燃性を得るには、木質充填材の内部にホウ素系難燃剤を固定化しておくことがさらに好ましい。木質充填材の内部にホウ素系難燃剤を固定化するには、例えば、粉砕前の破砕木材チップを、ホウ素系難燃剤の水溶液もくしはアルコール溶液に含浸させ、木材チップの大きさにもよるが必要に応じてオートクレーブ等で圧入含浸処理を行う。さらにこれを木質充填材として所望する大きさに粉砕することにより、木質充填材の内部までホウ酸系難燃剤を配することができ、効率的に難燃効果を得ることができる。
さらには、リサイクル性においても、MDFやパーチクルボードのような木質リサイクル建材では熱硬化性樹脂の使用が多いため、再度材料リサイクルすることは難しいものであるが、熱可塑性樹脂と木質充填材からなる樹脂建材においては再度本発明の木質樹脂成形体の原料として、あるいはリサイクル材のプレスボード等に、原料リサイクルすることが容易でもある。
また、本発明の木質樹脂成形体が発泡成形体であることにより、難燃性に優れるのみならずより軽量かつ切削性や釘打ち性などの後加工性に優れるさらに好ましい木質樹脂成形体を得ることが可能となる。
木質樹脂成形体を発泡成形体とすることにより、言うまでもなく木質樹脂成形体を軽量化でき、使用材料を低減することができる。また、難燃化された木質樹脂成形体の表面積を大きくすることが可能であり、特に着火を抑える効果が著しく向上する。さらには、断熱効果、保温効果、衝撃吸収効果などを付与することができ、施工時の作業性にも優れる。
また、発泡の手法についても公知の手法がいずれも利用できる。一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡と、低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡に分類でき、化学発泡剤としては無機系の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、アジド化合物等、また有機発泡剤としてはアゾ系、ニトロソ系、ヒドラジド系等が、任意の組み合わせで使用できる。
また、特に2倍を超える高発泡倍率での発泡には主に物理発泡が用いられ、発泡剤としては炭酸ガスや脂肪族炭化水素が主に用いられる。また、物理発泡に際しても発泡体のセル形状を整えるため化学発泡剤を併用することが多い。
以下、具体的実施例を挙げて本発明を説明する。
下記配合により、異形押出成形法により縦900mm×横150mm×厚さ5mmの板形状の本発明の木質樹脂成形体を成形した。なお、無水ホウ酸は、ドライブレンドにて配合した。なお、縮合系リン酸エステル系難燃剤の熱可塑性樹脂100重量部に対するリン含量は4.6重量部であり、無水ホウ酸の木粉100重量部に対するホウ素含量は6.2重量部である。
<木質樹脂成形体の配合>
ポリプロピレン樹脂 62重量部
木粉(平均粒径100μm) 25重量部
タルク 10重量部
重曹−クエン酸系化学発泡剤 3重量部
縮合リン酸エステル系難燃剤(リン含量19重量%) 15重量部
無水ホウ酸(平均粒径100μm) 5重量部
下記配合により、実施例1と同様に、本発明の木質樹脂成形体を成形した。ただしホウ酸ナトリウムは、成形前に予め木粉にホウ酸ナトリウム水溶液を含浸させ木粉に固定化しておいた。なお、縮合系リン酸エステル系難燃剤の熱可塑性樹脂100重量部に対するリン含量は4.6重量部であり、ホウ酸ナトリウムの木粉100重量部に対するホウ素含量は4.9重量部である。
<樹脂組成物の配合>
ポリプロピレン樹脂 62重量部
木粉(平均粒径100μm) 20重量部
タルク 10重量部
重曹−クエン酸系化学発泡剤 3重量部
縮合リン酸エステル系難燃剤(リン含量19重量%) 15重量部
ホウ酸ナトリウム 10重量部
下記配合により、実施例1と同様に、本発明の木質樹脂成形体を成形した。ただしホウ酸ナトリウムは、成形前に予め木粉にホウ酸ナトリウム水溶液を含浸させ木粉に固定化しておいた。なお、縮合系燐酸エステル系難燃剤の熱可塑性樹脂100重量部に対するリン含量は3.6重量部であり、ホウ酸ナトリウムの木粉100重量部に対するホウ素含量は4.9重量部である。
<木質樹脂組成物の配合>
ポリ乳酸樹脂 62重量部
木粉(平均粒径100μm) 20重量部
タルク 10重量部
重曹−クエン酸系化学発泡剤 3重量部
縮合リン酸エステル系難燃剤(リン含量19重量%) 12重量部
ホウ酸ナトリウム 10重量部
実施例2と同様の配合にて得られた木質樹脂成形体について、温度40℃、湿度90%の試験室に導入し30日保管した。
(比較例)
実施例1の木質樹脂成形体の配合から無水ホウ酸を除いた配合からなる木質樹脂組成物を用い、実施例1と同様に、木質樹脂成形体を成形した。
(比較例)
実施例2の木質樹脂成形体の配合からホウ酸ナトリウムを除いた配合からなる樹脂組成物を用い、実施例1と同様に、木質樹脂成形体を成形した。
(比較例)
実施例3の木質樹脂成形体の配合からホウ酸ナトリウムを除いた配合からなる木質樹脂組成物を用い、実施例1と同様に、木質樹脂成形体を成形した。
<性能比較>
上記実施例1〜実施例7で得られた木質樹脂成形体について、難燃性を評価した。難燃性の評価方法としては、JIS A1322の45°メッケルバーナー法により行った。その結果を表1に記す。
Figure 2007185864
表1より、実施例1〜4で得られた本発明の木質樹脂成形体は、リン系難燃剤とホウ素系難燃剤を併用することで難燃効果に優れるものであり、特に実施例4で得られた木質樹脂成形体は、木粉に含ませたホウ素系難燃剤は溶出することなく、高温多湿下に保管後も十分な難燃効果を維持していることが確認された。これに対して、比較例としての実施例5〜7の木質樹脂成形体は、熱可塑性樹脂に対しリン系難燃剤を配合し、木粉にはホウ素系難燃剤を含有していないので十分な難燃効果を得ることができなかった。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂100重量部に対して木質系充填剤の配合比率が10〜500重量部からなる熱可塑性樹脂と木質系充填材を主体とする木質樹脂成形体であって、
    前記熱可塑性樹脂100重量部に対してリン含有量で3〜10重量部の割合でリン系難燃剤を含有しており、かつ、前記木質系充填材100重量部に対してホウ素含有量で3〜10重量部の割合でホウ素系難燃剤を含有していることを特徴とする木質樹脂成形体
  2. 前記ホウ素系難燃剤が予め木質系充填材に固定化されていることを特徴とする請求項1に記載の木質樹脂成形体。
  3. 前記ホウ素系難燃剤が、木質系充填材を粉砕する前もしくは粉砕した後、その難燃剤調製液を含浸またはスプレー塗布されて木質系充填材に固定化されていることを特徴とする請求項2に記載の木質樹脂成形体。
  4. 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の木質樹脂成形体。
  5. 前記熱可塑性樹脂がポリ乳酸樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の木質樹脂成形体。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の木質樹脂成形体が発泡成形体であることを特徴とする木質樹脂成形体。
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