JP2007183396A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各色光用の三角柱状支持部材の第2面側に反射型液晶パネルを取り付ける。
【解決手段】RGB3原色光に対応して各色光用の三角柱状支持部材(直角三角柱)31を各色光ごとに用意し、この三角柱状支持部材31の第1面31cに各色光用のワイヤグリッド偏光子32が取り付けられる共に、第2面31dに各色光用の反射型液晶パネル33が第2面31dに対して位置調整された状態で各色光用の反射型液晶パネル33の光軸方向(K方向)に調整可能に取り付けられ、更に、第3面31eに各色光用の光透過性偏光板35が取り付けられている。
【選択図】図5
【解決手段】RGB3原色光に対応して各色光用の三角柱状支持部材(直角三角柱)31を各色光ごとに用意し、この三角柱状支持部材31の第1面31cに各色光用のワイヤグリッド偏光子32が取り付けられる共に、第2面31dに各色光用の反射型液晶パネル33が第2面31dに対して位置調整された状態で各色光用の反射型液晶パネル33の光軸方向(K方向)に調整可能に取り付けられ、更に、第3面31eに各色光用の光透過性偏光板35が取り付けられている。
【選択図】図5
Description
本発明は、RGB3原色光に対応して各色光ごとに用意した3つの反射型空間光変調素子に表示された各色の変調画像光を光学的に合成して、カラー画像光を投射レンズによりスクリーン上に拡大して表示する投射型表示装置に関するものである。
最近、映像情報の多様化・高画質化が進み、ハイビジョン放送規格やコンピータ・グラフィクスのSVGA規格に代表される高品質画像データが増加し、これに伴って高品質画像データを拡大表示するために投射型表示装置が盛んに利用されている。
この種の投射型表示装置のうちで3板式の投射型表示装置では、RGB3原色光と対応して各色光ごとに用意した3つの空間光変調素子に表示された各色の変調画像光を光学的に合成して、カラー画像光を投射レンズによりスクリーン上に拡大して表示している。
この際、投射型表示装置は、これに適用される空間光変調素子の種類によって、透過型空間光変調素子を適用したもの、反射型空間光変調素子を適用したもの、DMD(Digital Mirror Device)を適用したものがある。
透過型空間光変調素子及びDMDは、光学構成が比較的簡単にできるために小型化が容易であるが高解像度化に難がある。一方、反射型空間光変調素子は高解像度化に有利であるが光学構成が複雑となるために小型化に難がある。
とくに、反射型空間光変調素子を適用した投射型表示装置は、反射型空間光変調素子に照射される入射光と当該反射型空間光変調素子で光変調・反射された反射光とを分離するために偏光ビームスプリッタを必要とする。高コントラストを実現するためには一つの反射型空間光変調素子に対して、通常2つ以上の偏光ビームスプリッタを作用させるために、これが投射型表示装置の光学構成を複雑にしていたが、最近、複数の偏光ビームスプリッタを至近距離に配置してセラミックスベース等に接着固定し、光学系を構成することにより小型化を達成している。
この投射型表示装置において、RGB3原色光に対応した3つの反射型空間光変調素子に表示された各色の変調画像光を光学的に合成する際、各色光用の反射型空間光変調素子の光学的画像合成手段に対する位置がずれれば、スクリーン上に拡大して表示したカラー画像光のレジストレーションがずれて画質を損なうことになる。
一方、近年高精細化によって表示画素数が多い反射型空間光変調素子が使われるようになり、一つの画素の大きさが10μmを切るようになってきており、反射型空間光変調素子中の一つの画素の大きさが数十μmと大きい場合には数μmの取り付け誤差は問題とならないが、一つの画素の大きさが10μm以下になると、数μmの取り付け誤差はレジズレとなって色ズレが発生してしまう。
そこで、本出願人は、反射型空間光変調素子の脱着作業を行ってもレジストレーション調整の精度が維持でき、且つ、反射型空間光変調素子を上下に配置したセラミックスベース材にしっかりと固定できる光学デバイスの製造方法及び投射表示装置を先に提案した(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−325917号公報
従来の投射表示装置は上記した特許文献1(特開2004−325917号公報)に開示されており、ここでの図示を省略するものの、RGB3原色光と対応して各色光ごとに用意した3つの反射型空間光変調素子と、複数の偏光ビームスプリッタと、複数のカラー偏光フィルタとを上下方向からセラミックスベース材に固定し、且つ、上下のセラミックスベース材に複数の素子固定金具をセラミックス接着剤により接着して固定すると共に、反射型空間光変調素子を固定している素子パッケージをさらにレジストレーション調整を実施しながら複数の素子固定金具に半田付けにより固定している。こうすることにより、反射型空間光変調素子の脱着作業を行ってもセラミックスベース材及び素子パッケージに引き剥がし応力や熱の影響がおよばないのでレジストレーション調整の精度が維持でき、且つ、反射型空間光変調素子を上下に配置したセラミックスベース材にしっかりと固定できる。
ところで、上記した従来の投射型表示装置では、上述したように、反射型空間光変調素子を固定している素子パッケージをレジストレーション調整を実施しながら複数の素子固定金具に半田付けにより固定しているので、半田付けの熱が冷却した時に反射型空間光変調素子が位置ズレが起こる危険性があり、これによりレジズレが発生してしまう。
そこで、素子固定金具に半田付けすることなく各色光用の反射型空間光変調素子に対してレジストレーション調整を容易に行うことができ、且つ、偏光ビームスプリッタを用いずに、高いコントラス性能が得られる投射型表示装置が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、R,G,Bの各色光を各色光用の信号で光変調する各色光用の反射型空間光変調素子と、
前記R光,G光,B光を、前記各色光用の反射型空間光変調素子にそれぞれ照明するための各色光照明手段と、
前記各色光照明手段からの各色光の第1偏光成分光を透過させて前記各色光用の反射型空間光変調素子に入射させ、該各色光用の反射型空間光変調素子で光変調して得られた各色光の第2偏光成分光を反射させる各色光用のワイヤグリッド偏光子と、
前記各色光用のワイヤグリッド偏光子で反射させた前記各色光の第2偏光成分光を色合成してカラー画像光を出射させる色合成光学系と、
前記色合成光学系の各入射面に対向して近接配置され、前記各色光用のワイヤグリッド偏光子が取り付けられる第1面と、前記各色光用の反射型空間光変調素子が位置調整機構部を介して取り付けられる第2面とを少なくとも有した各色光用の支持部材と、
前記色合成光学系からの前記カラー画像光を投射する投射レンズと、を備えた投射型表示装置であって、
前記位置調整機構部は、
前記各色光用の支持部材の第2面に着脱自在に取り付けられ、且つ、複数の位置決めピンを各色光用の反射型空間光変調素子の光軸方向に向かって固着した少なくとも一つ以上の位置決めピン支持板と、
前記各色光用の支持部材の第2面に対して位置調整した前記各色光用の反射型空間光変調素子を固着して、前記複数の位置決めピンに沿って該各色光用の反射型空間光変調素子の光軸方向に調整可能な反射型空間光変調素子支持板とから構成したことを特徴とする投射型表示装置である。
前記R光,G光,B光を、前記各色光用の反射型空間光変調素子にそれぞれ照明するための各色光照明手段と、
前記各色光照明手段からの各色光の第1偏光成分光を透過させて前記各色光用の反射型空間光変調素子に入射させ、該各色光用の反射型空間光変調素子で光変調して得られた各色光の第2偏光成分光を反射させる各色光用のワイヤグリッド偏光子と、
前記各色光用のワイヤグリッド偏光子で反射させた前記各色光の第2偏光成分光を色合成してカラー画像光を出射させる色合成光学系と、
前記色合成光学系の各入射面に対向して近接配置され、前記各色光用のワイヤグリッド偏光子が取り付けられる第1面と、前記各色光用の反射型空間光変調素子が位置調整機構部を介して取り付けられる第2面とを少なくとも有した各色光用の支持部材と、
前記色合成光学系からの前記カラー画像光を投射する投射レンズと、を備えた投射型表示装置であって、
前記位置調整機構部は、
前記各色光用の支持部材の第2面に着脱自在に取り付けられ、且つ、複数の位置決めピンを各色光用の反射型空間光変調素子の光軸方向に向かって固着した少なくとも一つ以上の位置決めピン支持板と、
前記各色光用の支持部材の第2面に対して位置調整した前記各色光用の反射型空間光変調素子を固着して、前記複数の位置決めピンに沿って該各色光用の反射型空間光変調素子の光軸方向に調整可能な反射型空間光変調素子支持板とから構成したことを特徴とする投射型表示装置である。
更に、請求項2記載の発明は、請求項1記載の投射型表示装置において、
前記一つ以上の位置決めピン支持板及び前記反射型空間光変調素子支持板は、前記各色光用の支持部材と同じ材料を用いたことを特徴とする投射型表示装置である。
前記一つ以上の位置決めピン支持板及び前記反射型空間光変調素子支持板は、前記各色光用の支持部材と同じ材料を用いたことを特徴とする投射型表示装置である。
請求項1記載の投射型表示装置によると、とくに、各色光用の支持部材の第2面に各色光用の反射型空間光変調素子が第2面に対して位置調整された状態で各色光用の反射型空間光変調素子の光軸方向に調整可能に取り付けられているので、各色光用の反射型空間光変調素子はレジストレーション調整と、フォーカス調整とが終了した状態で各色光用の反射型空間光変調素子からの各色の変調画像光を3色合成クロスダイクロイックプリズムで色合成した時に、レジズレがなく、且つ、フォーカスが合ったカラー画像光が得られる。
また、従来のような半田付けを一切使用していないので、各色光用の反射型空間光変調素子の位置ズレが発生することもなく、色合成したカラー画像光はレジズレがなく、且つ、フォーカスが合った良好な状態となる。
更に、請求項2記載の発明によると、とくに、一つ以上の位置決めピン支持板及び反射型空間光変調素子支持板は、各色光用の支持部材と同じ材料を用いたため、一つ以上の位置決めピン支持板及び反射型空間光変調素子支持板並びに各色光用の支持部材に生じる熱膨張や熱収縮を同じ程度に抑えることができる。
以下に本発明に係る投射型表示装置の一実施例について図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る実施例の投射型表示装置を説明するための平面図、
図2(a),(b)は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、各色光用の三角柱状支持部材と3色合成クロスダイクロイックプリズムとをベース台の上面に固定する状態を示した斜視図,側面図、
図3は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、R,G,B光用の各反射型液晶パネル組立体を拡大して示した斜視図、
図4(a)〜(c)は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル組立体内のワイヤグリッド偏光子を説明するための図である。
図2(a),(b)は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、各色光用の三角柱状支持部材と3色合成クロスダイクロイックプリズムとをベース台の上面に固定する状態を示した斜視図,側面図、
図3は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、R,G,B光用の各反射型液晶パネル組立体を拡大して示した斜視図、
図4(a)〜(c)は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル組立体内のワイヤグリッド偏光子を説明するための図である。
図1に示した如く、本発明に係る実施例の投射型表示装置10は、後述するようにR光,G光,B光にそれぞれ対応した空間光変調素子として光を反射する反射型を用いて構成されている。
この実施例の投射型表示装置10では、無偏光の白色光を出射する光源11と、光源11からの白色光をR光(赤色光),G光(緑色光),B光(青色光)に色分解する色分解光学系17〜19と、R,G,B光用の各反射型空間光変調素子(以下、反射型液晶パネルと記す)33と、R,G,B光用の各反射型液晶パネル33でそれぞれ光変調された各色の変調画像光を色合成する3色合成クロスダイクロイックプリズム40と、この3色合成クロスダイクロイックプリズム40で得られた色合成画像光を投射する投射レンズ42とが同一平面上に配置されている。
まず、光源11はメタルハライドランプ,キセノンランプ,ハロゲンランプなどを用いてR光,G光,B光を含んだ無偏光の白色光を出射しており、この光源11から出射した白色光が放物面鏡12で反射されることにより、略々平行光となって放物面鏡12の前面に取り付けた第1のフライアイレンズアレイ13と、この第1のフライアイレンズアレイ13の前方に設けた第2のフライアイレンズアレイ14とに順に入射される。これら第1,第2のフライアイレンズアレイ13,14は、対をなして白色光の光束内の照度分布を均一化するためのインテグレータを構成している。尚、光源11の前方に、紫外光及び赤外光をカットする図示しない可視外光除去フィルタを配置しても良い。
この後、第1,第2のフライアイレンズアレイ13,14により照度分布を均一化された無偏光の白色光は、偏光変換光学素子となる偏光変換プリズムアレイ15に入射される。この偏光変換プリズムアレイ15は、偏光分離プリズムアレイと、λ/2位相差板とを有して、全体として平板状に構成されている。即ち、この偏光変換プリズムアレイ15に入射した光は、まず、偏光分離プリズムアレイが有する偏光ビームスプリッタ膜面により、この偏光ビームスプリッタ膜面に対するP偏光成分とS偏光成分とに分離される。
この際、偏光変換プリズムアレイ15の偏光ビームスプリッタ膜面は、平行なストライプ状に複数設けられており、それぞれが偏光変換プリズムアレイ15の主面に対して45°の傾斜を有している。この偏光ビームスプリッタ膜面において、P偏光成分は透過して偏光変換プリズムアレイ15の前面側に出射され、S偏光成分は反射される。一つの偏光ビームスプリッタ膜面によって反射されたS偏光成分は、光路を90°曲げられ、隣接する他の偏光ビームスプリッタ膜面によって再び反射されて光路を90°曲げられて、偏光変換プリズムアレイ15の前面側に出射される。
そして、このようなS偏光成分が出射される領域には、λ/2位相差板が設けられている。このλ/2位相差板を透過したS偏光成分は、偏光方向を90°回転され、偏光ビームスプリッタ膜面を透過したP偏光成分(または、偏光ビームスプリッタ膜面に2回反射されたS偏光成分)と同一の偏光方向となされる。このようにして、光源11からの無偏光の白色光が偏光変換プリズムアレイ15を透過した後に、所定の一方向の偏光光となされている。
この実施例の形態においては、偏光変換プリズムアレイ15を透過した光は、図1中の符号で示すように、所定の一方向の偏光光として例えばP偏光光に変換されている。ただし、偏光変換プリズムアレイ15における偏光変換効率は100%ではなく、この偏光変換プリズムアレイ15からの出射光には、数%乃至数十%のS偏光成分が混入している。
尚、以下では、偏光変換プリズムアレイ15によって得られる所定の一方向の偏光光を第1偏光成分光であるP偏光光として説明するが、これに限られるわけではなく、光源11からの白色光を偏光変換プリズムアレイ15でS偏光光に偏光変換する方法も可能である。
この後、偏光変換プリズムアレイ15を透過したP偏光光(第1偏光成分光)の白色光は、フィールドレンズ16を経て、第1のダイクロイックミラー17に入射する。この第1のダイクロイックミラー17では、R光,G光,B光を含んだ白色光からR光及びG光の2色の成分を反射させて90°方向を変え、残りのB光を透過させてそのまま直進させている。
そして、第1のダイクロイックミラー17で反射されたR光及びG光は、第1の金属膜反射ミラー18に入射し、この第1の金属膜反射ミラー18で反射されて90°方向を変えた後に第2のダイクロイックミラー19に入射する。この第2のダイクロイックミラー19では、R光を透過させてそのまま直進させて、R光をR光用反射型液晶パネル組立体30Rに入射させる一方、G光を反射させて90°方向を変えて、G光をG光用反射型液晶パネル組立体30Gに入射させている。
また、第1のダイクロイックミラー17を透過したB光は、第2,第3の金属膜反射ミラー20,21で順に反射されてB光用反射型液晶パネル組立体30Bに入射される。
上記から第1,第2のダイクロイックミラー17,19が光源11からの白色光をR光,G光,B光に色分解する色分解光学系を構成しており、且つ、光源11から色分解光学系17,19までの各構成部材が、R光,G光,B光を、各色光用の反射型液晶パネル(反射型空間光変調素子)33にそれぞれ照明するための各色光照明手段となっている。
尚、この実施例では、光源11からの白色光を色分解光学系17,19によりR光,G光,B光に色分解させた例を用いて説明しているが、これに限ることなく、例えば、R光,G光,B光をそれぞれ出射するR光用,G光用,B光用の各LED光源を用いれば、色分解光学系17,19を設ける必要がなくなるので、各色光照明手段となる各色光用のLED光源からそれぞれ出射したR光,G光,B光の各一方向の偏光成分(第1偏光成分)を、各色光に対応した各色光用の反射型液晶パネル33にそれぞれ直接照明しても良いものである。
ここで、R光用反射型液晶パネル組立体30R及びG光用反射型液晶パネル組立体30G並びにB光用反射型液晶パネル組立体30Bは全て同一に構成されており、且つ、R光用反射型液晶パネル組立体30R及びG光用反射型液晶パネル組立体30G並びにB光用反射型液晶パネル組立体30Bは、直方体形状に形成された色合成光学系となる3色合成クロスダイクロイックプリズム40の各入射面40a〜40cに対向して近接配置されている。
この際、R光用反射型液晶パネル組立体30R及びG光用反射型液晶パネル組立体30G並びにB光用反射型液晶パネル組立体30Bと、3色合成クロスダイクロイックプリズム40は、図2に示したように、ファインセラミックスとか、バルクモールディングコンパウンド(BMC)などのプラスチック材料や、ニッケル合金材料などを用いて形成したベース台25の上面25a上に取り付けられている。
具体的には、ベース台25の上面25aに3色合成クロスダイクロイックプリズム40の下面40gが接着剤を用いて固定され、且つ、ベース台25の裏面25bから複数のネジ26をベース台25に穿設した複数の取り付け孔25c内に挿入して、これら複数のネジ26を各色光用の三角柱状支持部材31の下面31aに形成した各ネジ孔(図示せず)に締結することで、各色光用の三角柱状支持部材31の下面31aがベース台25の上面25aに固定されている。尚、各色光用の三角柱状支持部材31の下面31aをベース台25の上面25aに接着剤を用いて固定しても良い。
更に、図3に拡大して示した如く、R光用反射型液晶パネル組立体30R及びG光用反射型液晶パネル組立体30G並びにB光用反射型液晶パネル組立体30Bのそれぞれは、アルミ板材とかステンレス板材などを用いて直角三角形状の下面31a及び上面31bとの間に、各色光照明手段による各色光の光軸に対して45°傾けた第1面31cと、この第1面31cを挟んで互いに直交した第2面31d及び第3面31eとをそれぞれ枠状に形成して、各面31a〜31eで囲まれた内部を中空状の空洞に形成した三角柱状支持部材(直角三角柱)31を各色光ごとに用意している。
そして、各色光用の三角柱状支持部材31内で各色光照明手段による各色光の光軸に対して45°傾けて配置した第1面31cに各色光照明手段からの各色光中に含まれる第1偏光成分の各色光を透過させた後に各色光用の反射型液晶パネル33に入射して光変調・反射された第2偏光成分の各色光を反射させる各色光用のワイヤグリッド偏光子32が接着剤などを用いて取り付けられ、且つ、各色光用のワイヤグリッド偏光子32を透過させた各透過光の光軸に対して直交して配置した第2面31dに各色光用の反射型液晶パネル33が後述する反射型液晶パネル位置調整機構部50(又は50A〜50C)を介して取り付けられている。
更に、各色光用の反射型液晶パネル33からの反射光を各色光用のワイヤグリッド偏光子32で反射させた各反射光の光軸に対して直交して配置した第3面31eに各色光用のワイヤグリッド偏光子32で反射された第2偏光成分の各色光から不要な第1偏光成分の各色光を除去して出射させる各色光用の透過型偏光板35が接着剤を用いて取り付けられている。
尚、各色光用の三角柱状支持部材31の第3面に、各色光用の透過型偏光板35に代えて光透過性光学ガラス板(図示せず)を取り付けても良く、この場合には、不要な偏光成分を除去する各色光用の透過型偏光板(図示せず)を3色合成クロスダイクロイックプリズム40の各入射面40a〜40cに接着剤を用いて固着させれば良い。従って、各色光用の三角柱状支持部材31の第3面には、透過型偏光板35又は光透過性光学ガラス板(図示せず)などの光透過性光学板を取り付ければ良い。
更に、三角柱状支持部材31の下面31a及び上面31bと第1面31c〜第3面31eとで直角三角柱状に囲まれた内部空間に窒素又はアルゴンなどの不活性ガスを1気圧以上の気圧状態で封入させて塵埃などに対して密閉させた状態で、各色光用の透過型偏光板35側を3色合成クロスダイクロイックプリズム40の各入射面40a〜40cに対してそれぞれ隙間を隔てて対向させている。
尚、上記した三角柱状支持部材31は、直角三角柱に限定されるものでもなく、即ち、各色光用のワイヤグリッド偏光子32を接着した第1面31cと各色光用の反射型液晶パネル33を接着した第2面31dとのなす角度が45°であることが必要であるものの、第1面31cに接着した各色光用のワイヤグリッド偏光子32で反射させた第2偏光成分の各色光を第3面31eから透過できれば良いので、第2面31dと第3面31eのなす角度は90°に限定されるものではない。
尚更に、投射型表示装置10(図1)内で塵埃対策が十分施されている場合には、実施例の三角柱状支持部材31に限定されるものでなく、3色合成クロスダイクロイックプリズム40の各入射面40a〜40cに対向して近接配置され、入射した各色光の光軸に対して45°の傾斜角を持って各色光用のワイヤグリッド偏光子32が取り付けられる第1面と、各色光用のワイヤグリッド偏光子32を透過させた各色光の第1偏光成分光の光軸に対して直交して配置されて各色光用の反射型液晶パネル33が後述する反射型液晶パネル位置調整機構部50(又は50A〜50C)を介して取り付けられる第2面とを少なくとも有した各色光用の支持部材であっても良い。
また、各色光用の三角柱状支持部材31にそれぞれ取り付けたワイヤグリッド偏光子32及び反射型液晶パネル33並びに透過型偏光板35は、ベース台25(図2)に対して垂設されている。
また、反射型液晶パネル33は、この反射型液晶パネル33を冷却するためのヒートシンク34が裏面に取り付けられており、且つ、このヒートシンク34の裏面にフィン部34aが突出形成されている。尚、反射型液晶パネル33の前面に波長板(図示せず)を必要に応じて取り付けても良い。
そして、例えば、R光用反射型液晶パネル組立体30RにP偏光成分(第1偏光成分)のR光を入射させる時に、このP偏光成分のR光を三角柱状支持部材31に取り付けたワイヤグリッド偏光子32を透過させて、R光用の反射型液晶パネル33に入射させている。
上記したワイヤグリッド偏光子32は、従来技術で説明したような偏光ビームスプリッタと同じ偏光分離機能を備えているものの、偏光ビームスプリッタは熱応力によるシェーディングを発生させないために透明なガラスの中に鉛が混入されているのに対してワイヤグリッド偏光子32は地球環境問題上で有害である鉛は使用されていなので公害問題の発生がない。
また、上記したワイヤグリッド偏光子23は、図4(a)に示した如く、光学ガラス板32a上に、アルミニウムなどの金属線32bを例えば140nmのピッチで規則正しくストライプ状に多数本並べて形成したものであり、金属線32bに垂直な偏光成分(例えば、P偏光光)をそのまま透過させ、且つ、金属線32bに平行な偏光成分(例えば、S偏光光)は反射する機能を有している。
そして、図4(b)に示した如く、ワイヤグリッド偏光子32へのP偏光光による入射光の入射角θをパラメータとした時に、P偏光成分の透過率の波長依存性を図4(c)に示している。この図4(c)において、aはワイヤグリッド偏光子32へのP偏光光による入射光の入射角θが0°、bは入射角θが−15°、cは入射角θが+15°の場合を示している。尚、入射角θは、ワイヤグリッド偏光子32への入射光が光軸に対してなす角度であり、ワイヤグリッド偏光子32の入射面は光軸に対して45°傾斜されている。このワイヤグリッド偏光子32においては、入射角θが±15°に達しても、P偏光光の透過率の波長依存性は、可視波長領域で極めて小さく、安定している。
このため、ワイヤグリッド偏光子32を用いると、明るく、色再現性の良好な表示画像が得られることがわかる。また、ワイヤグリッド偏光子32は、一枚の板状の偏光分離板であるので、軽量である。また、ワイヤグリッド偏光子32は、光源11(図1)から発せられる光を吸収しにくいため、複屈折による表示画像の品質低下を抑えることができる。
再び図1に戻り、R光用のワイヤグリッド偏光子32を透過したP偏光光によるR光がR光用の反射型液晶パネル33に入射すると、R光用の反射型液晶パネル33内でR光の画像信号に応じて光変調された後に反射された光束は再びR光用のワイヤグリッド偏光子32に戻る。ここで、R光用のワイヤグリッド偏光子32においては、R光用の反射型液晶パネル33を照明する第1偏光成分のR光であるP偏光光とは異なって、反射型液晶パネル33で光変調・反射された第2偏光成分のR光であるS偏光光(第2偏光成分光)の光束のみを反射する。
この際、反射型液晶パネル33は、シリコン基板上にスイッチング素子をマトリックス状に設けると共にこの上方に絶縁層を介してアルミニウムなどの金属からなる画素電極をマトリックス状に複数設け、この複数の画素電極と透明基板に設けた共通電極との間に液晶を封入して、複数の画素電極と共通電極との間に電圧を印加して、透明基板側から入射させた入射光に各色光の画像信号に応じて光変調し、この入射光を複数の画素電極で反射させた変調画像光を出射するように反射型として構成されている。このような反射型液晶パネル33は、画素集積度が高いので高解像度画像に適しており、また、複数の画素電極の下方に回路構造を積層できるので、開口率を90%程度に高めることができ、明るく滑らかで細密な画像を表示できるという長所がある。
この後、R光用のワイヤグリッド偏光子32で反射されたS偏光光(第2偏光成分光)によるR光は、R光用の三角柱状支持部材31内で3色合成クロスダイクロイックプリズム40の入射面40aと対向して配置されたR光用の不要偏光光除去手段となる透過型偏光板35に入射され、この透過型偏光板35で不要な第1偏光成分のR光であるP偏光光を除去しながら透過型偏光板35を透過したS偏光成分(第2偏光成分)のR光を3色合成クロスダイクロイックプリズム40の入射面40aから入射させている。
この際、上記した不要偏光光除去手段となる透過型偏光板35は、ワイヤグリッド偏光子32で反射された反射光に不要偏光光であるP偏光光が混入されている場合に、このままでは表示画像のコントラスト比が低下する要因となるので、不要なP偏光光を除去するために設けられている。
そして、透過型偏光板35としては、基材フィルム(ポリビニルアルコール;PVA)にヨウ素や有機染料などの二色性の材料を染色、吸着させ、高度に延伸、配向させることで、吸収二色性を発現させているものである。このPVA偏光層をTAC(トリアセチルセルロース)層で挟んだ偏光フィルムを、ガラス基板上に粘着材、または、接着剤で貼り付けた構成である。このような吸収二色性を基本原理とした透過型偏光板35は、入射する光束の直交する偏光成分のうち、二色性染料の配列と同方向の偏光成分を吸収し、他方の偏光成分を透過する。
この透過型偏光板35は光吸収型であるので、耐熱性、放熱性を考慮し、水晶やサファイアなどの熱伝導性に優れた基板を用いて構成することが望ましい。光利用率の向上のためと、界面での不要反射光による表示画像の品位低下を防止するため、透過型偏光板35の空気界面には、減反射コートを施す必要がある。これらの偏光特性、反射防止膜特性は、R,G,B各色について最適化されることが望ましい。
また、透過型偏光板35は、片面フィルムで構成しても良いが、フィルムの表面を波長オーダで平坦化するのは困難であるので、このフィルム表面の非平面性が波面収差となり、解像度を劣化させる要因となる。そこで、より高い解像度を実現するためには、この偏光フィルムを平坦な光学研磨の施された基板(白板ガラス、光学ガラス、水晶、石英、サファイアなど)で挟み、接着剤、または、粘着材でフィルムの凹凸を埋めることで、解像度劣化を防ぐことができる。
以下、上記したR光と同様に、G光及びB光をG光用反射型液晶パネル組立体30G及びB光用反射型液晶パネル組立体30Bに入射させた時に、G光用及びB光用の反射型液晶パネル33,33で光変調されて反射されたS偏光光のG光及びB光を3色合成クロスダイクロイックプリズム40の入射面40b及び入射面40cから入射させている。
この後、3色合成クロスダイクロイックプリズム40の各入射面40a〜40cから入射されたR光,G光,B光の各変調画像光は、3色合成クロスダイクロイックプリズム40内に形成した第1,第2ダイクロイック膜40e,40fによって色合成され、この色合成クロスダイクロイックプリズム40で得られた色合成画像光が出射面40dから出射されて1/4波長板41を介して投射レンズ42に入射され、この投射レンズ42によって図示しないスクリーン上に拡大投射されて実像を結像し、色合成画像光を表示している。
上記した3色合成クロスダイクロイックプリズム40は、光学ガラスを用いて直方体(立方体も含む)に形成されており、上面から見た時に第1,第2ダイクロイック膜40e,40fがX字状にクロスしている。
この際、3色合成クロスダイクロイックプリズム40内の第1ダイクロイック膜40eは、入射面40aから入射したR光を反射して90°方向を変えて出射面40dから出射させ、且つ、入射面40bから入射したG光をそのまま透過して出射面40dから出射させ、入射面40cから入射したB光も透過させる機能を備えている。
また、3色合成クロスダイクロイックプリズム40内の第2ダイクロイック膜40fは、入射面40cから入射したB光を反射して90°方向を変えて出射面40dから出射させ、且つ、入射面40bから入射したG光をそのまま透過して出射面40dから出射させ、入射面40aから入射したR光も透過させる機能を備えている。
従って、3色合成クロスダイクロイックプリズム40内に形成した第1,第2ダイクロイック膜40e,40fで3色合成が可能になっている。
また、3色合成クロスダイクロイックプリズム40と投射レンズ42との間に配置した1/4波長板41は、投射レンズ42のレンズ表面からの微量な反射光が3色合成クロスダイクロイックプリズム40,透過型偏光板35,ワイヤグリッド偏光子32を介して反射型液晶パネル33側に戻り、再度反射されてスクリーンに達し、ゴースト状に不要光が現われるのを防ぐためのものであり、この1/4波長板41は必要に応じて設置すれば良いものである。
ここで、実施例の要部の一部を構成する反射型液晶パネル位置調整機構部について図5〜図7を用いて説明する。
図5は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル位置調整機構部の実施例を説明するために分解して示した分解斜視図、
図6は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル位置調整機構部の変形例1を説明するために分解して示した分解斜視図、
図7は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル位置調整機構部の変形例2を説明するために分解して示した分解斜視図、
図8は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル位置調整機構部の変形例3を説明するために分解して示した分解斜視図である。
図6は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル位置調整機構部の変形例1を説明するために分解して示した分解斜視図、
図7は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル位置調整機構部の変形例2を説明するために分解して示した分解斜視図、
図8は本発明に係る実施例の投射型表示装置において、反射型液晶パネル位置調整機構部の変形例3を説明するために分解して示した分解斜視図である。
まず、図5に示した実施例の反射型液晶パネル位置調整機構部50では、三角柱状支持部材31の第1面31cにワイヤグリッド偏光子32を取り付け、且つ、第3面31eに透過型偏光板35を取り付けた状態で、第2面31d側に取り付ける反射型液晶パネル33を第2面31dに対して取り付け位置調整(レジストレーション調整)した上で、この反射型液晶パネル33が光軸方向Kに調整可能に構成されている。
具体的に説明すると、三角柱状支持部材31の第2面31d内には、反射型液晶パネル33の画枠の大きさに対応した矩形孔31d1が貫通して穿設されていると共に、この矩形孔31d1の近傍で上下左右に合計4個のネジ孔31d2が形成されている。
また、三角柱状支持部材31の第2面31dの図示手前側には、ステンレス棒材を用いて各先端をテーパ状に形成した2本の位置決めピン51を反射型液晶パネル33の光軸方向Kに向かって左右に圧入などにより固着させ、且つ、左右2本の位置決めピン51間に2個の取り付け用丸孔52aを貫通して穿設した一対の位置決めピン支持板52,52が、同一形状で上下に分かれて2個用意されている。これら一対の位置決めピン支持板52,52は、三角柱状支持部材31の第2面31dに形成した矩形孔31d1を塞がないように細い幅で板状に形成されている。
そして、一対の位置決めピン支持板52,52は、合計4本のネジ53を各取り付け用丸孔52a内に挿入して、三角柱状支持部材31の第2面31dの上下に形成した各ネジ孔31d2に着脱自在に取り付けられている。
また、一対の位置決めピン支持板52,52よりも図示手前側には、反射型液晶パネル33と、反射型液晶パネル支持板54とが用意されている。
上記した反射型液晶パネル支持板54は、三角柱状支持部材31の第2面31dの外形寸法と略同じ寸法で矩形状の平板に形成されており、且つ、内部に反射型液晶パネル33の裏面に取り付けたヒートシンク34のフィン部34aが臨む矩形孔54aが貫通して穿設されていると共に、この矩形孔54aの近傍で上下左右に合計4個の位置決め孔54bが上記した一対の位置決めピン支持板52,52にそれぞれ固着した合計4本の位置決めピン51に位置合わせして貫通して形成され、更に、上側及び下側の左右2本の位置決め孔54b間に上記した合計4本のネジ53を挿脱するための逃げ孔54cが合計4個貫通して穿設されている。
この際、上記した一対の位置決めピン支持板52,52及び反射型液晶パネル支持板54は、アルミ板材とかステンレス板材などを用いて形成した三角柱状支持部材31と同一材料を用いて形成されており、これにより三角柱状支持部材31及び一対の位置決めピン支持板52並びに反射型液晶パネル支持板54に生じる熱膨張や熱収縮を同じ程度に抑えることができるようになっている。
そして、反射型液晶パネル33を三角柱状支持部材31の第2面31d側に取り付ける場合には、反射型液晶パネル33の裏面にヒートシンク34を取り付けた上で、2本の位置決めピン51を固着した一対の位置決めピン支持板52,52を三角柱状支持部材31の第2面31dの上下に予め取り付けておく。更に、反射型液晶パネル支持板54の上下左右に形成した合計4個の位置決め孔54b内に一対の位置決めピン支持板52,52に固着した合計4本の位置決めピン51を嵌合させて反射型液晶パネル支持板54を各位置決めピン51に仮に支持しておく。
この後、ロボットアーム(図示せず)に把持したヒートシンク34を取り付けた反射型液晶パネル33を一対の位置決めピン支持板52,52と反射型液晶パネル支持板54との間に挿入して、このヒートシンク34を取り付けた反射型液晶パネル33をロボットアームを介して三角柱状支持部材31の第2面31dに対してX方向及び/又はY方向に二次元的に移動させて取り付け位置調整(レジストレーション調整)を行った後に、この取り付け位置調整状態を保ったまま反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34を反射型液晶パネル支持板54にUV硬化型接着剤を用いてUV光(紫外線)の照射により接着している。
この際、反射型液晶パネル33のレジストレーション調整は、図1に示したR光用反射型液晶パネル組立体30R,G光用反射型液晶パネル組立体30G,B光用反射型液晶パネル組立体30Bをそれぞれ組み立てておき、3つの反射型液晶パネル組立体30R,30G,30Bのうちで例えばG光用反射型液晶パネル組立体30Gをレジストレーション調整時の基準ユニットに設定している。
この理由を説明すると、カラー画像光を不図示のスクリーン上に投射した時に、R,G,Bの3原色の中でG光は最も解像度に影響を与える。また、R光はその次に解像度に影響を与え、B光は解像度に影響を与える割合が比較的少ない。従って、反射型液晶パネル33のレジストレーション調整は相対的な変位調整であるので、最も解像度に影響するG光用反射型液晶パネル組立体30G内の反射型液晶パネル33を最初に位置決めしておき、このG光用反射型液晶パネル組立体30G内の反射型液晶パネル33からの変調画像光に合わせるようにR光用反射型液晶パネル組立体30R,B光用反射型液晶パネル組立体30B内の各反射型液晶パネル33に対して取り付け位置調整(レジストレーション調整)を行えば、各色光用の反射型液晶パネル33からの各色の変調画像光を3色合成クロスダイクロイックプリズム41で色合成した時にレジズレのないカラー画像光が得られる。
図5に戻り、更に、取り付け位置調整済みの反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34を接着した反射型液晶パネル支持板54を合計4本の位置決めピン51に沿いながら反射型液晶パネル33の光軸方向Kに移動させて取り付け位置調整(フォーカス調整)を行って、フォーカス調整状態を保ったまま合計4本の位置決めピン51を合計4個の位置決め孔54b内にUV硬化型接着剤を用いてUV光(紫外線)の照射により接着している。
これにより、反射型液晶パネル33は、レジストレーション調整と、フォーカス調整とが終了した状態で三角柱状支持部材31の第2面31d側に取り付けられているので、各色光用の反射型液晶パネル33からの各色の変調画像光を3色合成クロスダイクロイックプリズム41で色合成した時に、レジズレがなく、且つ、フォーカスが合ったカラー画像光が得られる。
また、何らかの理由で反射型液晶パネル33を交換する場合には、反射型液晶パネル支持板54の上下左右に形成した逃げ孔54c内にドライバー(図示せず)を挿入して、一対の位置決めピン支持板52,52ごと取り外すことが可能である。
次に、図6に示した変形例1の反射型液晶パネル位置調整機構部50Aは、先に図5を用いて説明した実施例の反射型液晶パネル位置調整機構部50内で上下に分離して設けた一対の位置決めピン支持板52,52に代えてこれらを一体化した1個の位置決めピン支持板55に置換されているだけであるので、実施例の反射型液晶パネル位置調整機構部50と同じ部材に同一符番を付して図示し、ここでは実施例に対して異なる点のみを説明する。
即ち、変形例1の反射型液晶パネル位置調整機構部50Aにおいて、三角柱状支持部材31の第2面31dの図示手前側に取り付けられる1個の位置決めピン支持板55は、アルミ板材とかステンレス板材などを用いて形成した三角柱状支持部材31と同一材料を用いて三角柱状支持部材31の第2面31dの外形寸法と略同じ寸法で矩形状の平板に形成されているので、これにより三角柱状支持部材31及び反射型液晶パネル支持板54並びに位置決めピン支持板55に生じる熱膨張や熱収縮を同じ程度に抑えることができるようになっている。
また、位置決めピン支持板55の内部には、反射型液晶パネル33の画枠の大きさに対応した矩形孔55aが貫通して穿設されていると共に、この矩形孔55aの近傍で上下左右に各先端をテーパ状に形成した合計4個の位置決めピン51が反射型液晶パネル33の光軸方向Kに向かって圧入などにより固着され、且つ、上側及び下側の左右2本の位置決めピン51間に合計4個の取り付け用丸孔55bが貫通して穿設されている。
そして、位置決めピン支持板55は、合計4本のネジ53を各取り付け用丸孔55b内に挿入して、三角柱状支持部材31の第2面31dの上下に形成した各ネジ孔31d2に着脱自在に取り付けられ、上記した実施例に対して位置決めピン支持板の部品点数の削減を図っている。
従って、この変形例1でも、ロボットアームを介してヒートシンク34を取り付けた反射型液晶パネル33を三角柱状支持部材31の第2面31dに対して二次元的に取り付け位置調整を行った状態を保ったまま反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34を反射型液晶パネル支持板54にUV硬化型接着剤を用いてUV光(紫外線)の照射により接着し、この後、取り付け位置調整済みの反射型液晶パネル33を接着した反射型液晶パネル支持板54を合計4本の位置決めピン51に沿いながら反射型液晶パネル33の光軸方向Kに移動させて取り付け位置調整(フォーカス調整)を行い、反射型液晶パネル支持板54を合計4本の位置決めピン51に接着している。
次に、図7に示した変形例2の反射型液晶パネル位置調整機構部50Bは、先に図5を用いて説明した実施例の反射型液晶パネル位置調整機構部50内で反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34の反射型液晶パネル支持板54側の面をスペーサ板56に合計4本のネジ57を用いて予め固定し、これに伴って、反射型液晶パネル支持板54に合計4本のネジ57を逃げるための逃げ孔54dが合計4個貫通して穿設されている点が異なっているだけであるので、実施例の反射型液晶パネル位置調整機構部50と同じ部材に同一符番を付して図示し、ここでは実施例に対して異なる点のみを説明する。
即ち、変形例2の反射型液晶パネル位置調整機構部50Bにおいて、反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34の反射型液晶パネル支持板54側の面に取り付けられるスペーサ板56は、アルミ板材とかステンレス板材などを用いて形成した三角柱状支持部材31と同一材料を用いて反射型液晶パネル33の外形寸法と略同じ寸法で矩形状の平板に形成されている。
この変形例2において、反射型液晶パネル33を三角柱状支持部材31の第2面31d側に取り付ける場合には、反射型液晶パネル33の裏面にヒートシンク34を取り付けた上で、2本の位置決めピン51を固着した一対の位置決めピン支持板52,52を三角柱状支持部材31の第2面31dの上下に予め取り付けておき、且つ、反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34の反射型液晶パネル支持板54側の面にスペーサ板56を予め取り付けておく。更に、反射型液晶パネル支持板54の上下左右に形成した合計4個の位置決め孔54b内に一対の位置決めピン支持板52,52に固着した合計4本の位置決めピン51を嵌合させて反射型液晶パネル支持板54を各位置決めピン51に仮に支持しておく。
この後、スペーサ板56にヒートシンク34を介して取り付けた反射型液晶パネル33をロボットアーム(図示せず)を介して一対の位置決めピン支持板52,52と反射型液晶パネル支持板54との間に挿入して、この反射型液晶パネル33をロボットアームを介して三角柱状支持部材31の第2面31dに対してX方向及び/又はY方向に二次元的に移動させて取り付け位置調整(レジストレーション調整)を行った後に、この取り付け位置調整状態を保ったまま反射型液晶パネル33をヒートシンク34を介して取り付けたスペーサ板56を反射型液晶パネル支持板54にUV硬化型接着剤を用いてUV光(紫外線)の照射により接着している。
更に、反射型液晶パネル支持板54を合計4本の位置決めピン51に沿いながらここに接着したスペーサ板56と一体に反射型液晶パネル33を光軸方向Kに移動させて取り付け位置調整(フォーカス調整)を行って、フォーカス調整状態を保ったまま合計4本の位置決めピン51を合計4個の位置決め孔54b内にUV硬化型接着剤を用いてUV光(紫外線)の照射により接着しているので、各色光用の反射型液晶パネル33からの各色の変調画像光を3色合成クロスダイクロイックプリズム41で色合成した時にフォーカスが合ったカラー画像光が得られる。
従って、変形例2では、実施例及び変形例1と異なって、反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34を反射型液晶パネル支持板54に直接接着することなく、スペーサ板56を介して接着しているので、ヒートシンク34を取り付けた反射型液晶パネル33を交換する場合にヒートシンク34をスペーサ板56から取り外せば良いので、ヒートシンク34を取り付けた高価な反射型液晶パネル33を傷つけることなく交換可能となる。
次に、図8に示した変形例3の反射型液晶パネル位置調整機構部50Cは、先に図7を用いて説明した変形例2の反射型液晶パネル位置調整機構部50B内で上下に分離して設けた一対の位置決めピン支持板52,52に代えて変形例1と同様にこれらを一体化した1個の位置決めピン支持板55に置換されているだけであるので詳細な説明を省略する。
この変形例3でも、実施例及び変形例1と異なって、反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34を反射型液晶パネル支持板54に直接接着することなく、スペーサ板56を介して接着しているので、反射型液晶パネル33を交換する場合に反射型液晶パネル33の裏面に取り付けられたヒートシンク34をスペーサ板56から取り外せば良いので、ヒートシンク34を取り付けた高価な反射型液晶パネル33を傷つけることなく交換可能となる。
10…投射型表示装置、
11…光源、12…放物面鏡、
13…第1のフライアイレンズアレイ、14…第2のフライアイレンズアレイ、
15…偏光変換光学素子(偏光変換プリズムアレイ)、
17…第1のダイクロイックミラー、19…第2のダイクロイックミラー、
25…ベース台、25a…上面、25b…裏面、26…ネジ、
27…天板、27a…裏面、27b…上面、28…ネジ、
30R…R光用反射型液晶パネル組立体、
30G…G光用反射型液晶パネル組立体、
30B…B光用反射型液晶パネル組立体、
31…三角柱状支持部材、
31a…下面、31b…上面、31c〜31e…第1面〜第3面、
32…ワイヤグリッド偏光子、
33…反射型空間光変調素子(反射型液晶パネル)、
35…透過型偏光板、
40…3色合成クロスダイクロイックプリズム、
40a〜40c…入射面、40d…出射面、
40e,40f…第1,第2ダイクロイック膜、40g…下面、40h…上面、
42…投射レンズ、
50…実施例の反射型液晶パネル位置調整機構部、
50A…変形例1の反射型液晶パネル位置調整機構部、
50B…変形例2の反射型液晶パネル位置調整機構部、
50C…変形例3の反射型液晶パネル位置調整機構部、
51…位置決めピン、52,52…一対の位置決めピン支持板、53…ネジ、
54…反射型液晶パネル支持板、55…位置決めピン支持板、
56…スペーサ板、57…ネジ。
11…光源、12…放物面鏡、
13…第1のフライアイレンズアレイ、14…第2のフライアイレンズアレイ、
15…偏光変換光学素子(偏光変換プリズムアレイ)、
17…第1のダイクロイックミラー、19…第2のダイクロイックミラー、
25…ベース台、25a…上面、25b…裏面、26…ネジ、
27…天板、27a…裏面、27b…上面、28…ネジ、
30R…R光用反射型液晶パネル組立体、
30G…G光用反射型液晶パネル組立体、
30B…B光用反射型液晶パネル組立体、
31…三角柱状支持部材、
31a…下面、31b…上面、31c〜31e…第1面〜第3面、
32…ワイヤグリッド偏光子、
33…反射型空間光変調素子(反射型液晶パネル)、
35…透過型偏光板、
40…3色合成クロスダイクロイックプリズム、
40a〜40c…入射面、40d…出射面、
40e,40f…第1,第2ダイクロイック膜、40g…下面、40h…上面、
42…投射レンズ、
50…実施例の反射型液晶パネル位置調整機構部、
50A…変形例1の反射型液晶パネル位置調整機構部、
50B…変形例2の反射型液晶パネル位置調整機構部、
50C…変形例3の反射型液晶パネル位置調整機構部、
51…位置決めピン、52,52…一対の位置決めピン支持板、53…ネジ、
54…反射型液晶パネル支持板、55…位置決めピン支持板、
56…スペーサ板、57…ネジ。
Claims (2)
- R,G,Bの各色光を各色光用の信号で光変調する各色光用の反射型空間光変調素子と、
前記R光,G光,B光を、前記各色光用の反射型空間光変調素子にそれぞれ照明するための各色光照明手段と、
前記各色光照明手段からの各色光の第1偏光成分光を透過させて前記各色光用の反射型空間光変調素子に入射させ、該各色光用の反射型空間光変調素子で光変調して得られた各色光の第2偏光成分光を反射させる各色光用のワイヤグリッド偏光子と、
前記各色光用のワイヤグリッド偏光子で反射させた前記各色光の第2偏光成分光を色合成してカラー画像光を出射させる色合成光学系と、
前記色合成光学系の各入射面に対向して近接配置され、前記各色光用のワイヤグリッド偏光子が取り付けられる第1面と、前記各色光用の反射型空間光変調素子が位置調整機構部を介して取り付けられる第2面とを少なくとも有した各色光用の支持部材と、
前記色合成光学系からの前記カラー画像光を投射する投射レンズと、を備えた投射型表示装置であって、
前記位置調整機構部は、
前記各色光用の支持部材の第2面に着脱自在に取り付けられ、且つ、複数の位置決めピンを各色光用の反射型空間光変調素子の光軸方向に向かって固着した少なくとも一つ以上の位置決めピン支持板と、
前記各色光用の支持部材の第2面に対して位置調整した前記各色光用の反射型空間光変調素子を固着して、前記複数の位置決めピンに沿って該各色光用の反射型空間光変調素子の光軸方向に調整可能な反射型空間光変調素子支持板とから構成したことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記一つ以上の位置決めピン支持板及び前記反射型空間光変調素子支持板は、前記各色光用の支持部材と同じ材料を用いたことを特徴とする請求項1記載の投射型表示装置。
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