JP2007181833A - テトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法 - Google Patents

テトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 陽イオン交換樹脂やキレート樹脂をテトラアルキルアンモニウム(TAA)イオン含有液との接触処理に供し、再生するサイクルを繰り返しても、樹脂がクラックを生じて早期に劣化することがない様にする。
【解決手段】 強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂及びキレート樹脂の少なくとも一つの樹脂を用いてTAAイオン濃度が0.15重量%を越えるTAAイオン含有液(例えば、フォトレジスト現像廃液)を処理するに当たって、または、強酸性陽イオン交換樹脂及び弱酸性陽イオン交換樹脂の少なくとも一つの樹脂を用いてTAAイオン含有液からTAAイオンを吸着除去した後に水を回収するに当たって、新品樹脂の最初と前記樹脂を再生した後最初に通液する上記TAAイオン含有液のTAAイオン濃度を0.15重量%以下として上記の少なくとも一つの樹脂に接触させてTAAイオンを吸着させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、テトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法に関し、特にテトラアルキルアンモニウムイオン含有液から水酸化テトラアルキルアンモニウム(テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドで、以下、時に「TAAH」と略称する)を回収又は精製するか、或るいは、テトラアルキルアンモニウムイオン(以下、時に「TAAイオン」と略称する)を除去して水を回収する処理方法に関する。
電子産業分野において、半導体デバイス(LSI、VLSI等)、プリント基板や液晶ディスプレイ(LCD)等の製造工程等におけるフォトリソグラフイー工程でフォトレジストのアルカリ現像液として一般に水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、時に「TMAH」と略称する)やコリン等のTAAHが使用されており、これらを使用する工場や研究所では現像工程や洗浄工程から溶解したフォトレジストとTAAイオンを含む廃液(「フォトレジスト現像廃液」と言い、時に「現像廃液」と略称する)が排出されている。なお、フォトレジストは、露光部分が可溶性となるポジ型と露光部分が不溶性となるネガ型があり、ポジ型フォトレジストの現像液としてはアルカリ現像液が主流であり、ネガ型フォトレジストの現像液としては有機溶剤系現像液が主流であるが、アルカリ現像液を用いるものもある。
現像廃液中で、TAAイオンは、上述したことより明らかな通り、通常は水酸化物イオンを対イオンとするものであるが、廃液(廃水)は工場によって異なってくるものであり、何が混入してくるか分からず、また、場合によっては他の廃水と混合されることがあり得るので、他種のイオンを対イオンとする塩の形の場合もあり得る。従って、上記現像廃液を始めとするTAAイオン含有液の処理についての本明細書の一般的な説明では対イオンを特定せず、「イオン」と言う概念で捉えたものである。しかし、上記現像廃液中のTAAイオンは、上述のように、通常はTAAHとして存在するので、本明細書ではこれを中心としてを説明する。
従来、TAAイオンを含有するフォトレジスト現像廃液等のTAAイオン含有液を処理する方法には、全量業者引取する方法、蒸発法や逆浸透膜処理法により濃縮し廃棄処分(焼却又は業者引取)する方法、活性汚泥により生物分解処理して放流する方法がある。また、上記の様にして得た濃縮廃液或いはもともとTAAイオン濃度の高い濃厚現像廃液については、電気透析法や電解法によりTAAイオンを好ましくは水酸化物の形(電解法では必然的に水酸化物の形となる)で濃縮回収し、再利用するといった試みがなされている(特開平7−328642号公報、特開平5−17889号公報参照)。また、この様なTAAイオン含有液に関して、陽イオン交換樹脂を用いるTAAH含有廃液処理及び水回収方法としては、特開平6−142649号公報では弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂を、特開平6−304557号公報ではアクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂を用いて廃液と接触させてTAAHを吸着させる方法がある。
特開平7−328642号公報 特開平5−17889号公報 特開平6−142649号公報 特開平6−304557号公報
蒸発法や逆浸透膜処理法により濃縮する方法は、アルカリ可溶性フォトレジスト等の不純物とTAAイオンが共に濃縮されるため、処理後の廃液は廃棄処分せざるを得ない。活性汚泥により生物分解処理する方法は、一般にTAAイオンの生物分解性が悪く、また、他の有機物成分がTAAイオン含有液に混在している場合は、該他の有機物成分を分解する微生物の方の増殖が活発となり、TAAイオンを分解する微生物の増殖が不活発となるので更にその生物分解性が悪くなるため、低濃度のTAAイオン含有液の場合しか処理できず、大規模な処理施設が必要となる。また、電気透析や電解により現像廃液等からTAAイオンを好ましくは水酸化物の形で濃縮してTAAH溶液を回収する方法が公害対策や資源の有効活用等の点でベストであるが、高純度とするためにはランニングコストが掛り、また、脱塩廃液(脱塩水)として排出される排水の量(容積)が殆ど又は余り減らないという問題がある。
一方、TAAイオン含有液からTAAイオンを陽イオン交換樹脂に吸着させて回収又は除去する方法においては、TAAイオン含有液を強酸性陽イオン交換樹脂や弱酸性陽イオン交換樹脂で処理してTAAイオンを吸着し、次いで樹脂再生を行うに際して、陽イオン交換樹脂の大きな膨潤と収縮を伴うという問題がある。これは陽イオン交換樹脂の種類によって異なるが、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂では通常使用するイオン形ではH形(水素イオン形)が最も陽イオン交換樹脂中の水分が多く、膨潤体積が大きいが、TAA形(テトラアルキルアンモニウムイオン形)はH形よりも更に約5〜15%だけ膨潤体積が大きく、H形からTAA形へ変化するに際しての膨潤率は約5〜15%となる。強酸性陽イオン交換樹脂が膨潤体積の小さい塩形からTAA形に変化するに際しては、上記膨潤率を越える膨潤率となる。また、弱酸性陽イオン交換樹脂では、H形からTAA形への変化時の膨潤率は約100〜150%である。従って、このような陽イオン交換樹脂の再生とTAAイオン含有液の通水を繰り返す場合に、その大きな収縮と膨潤を繰り返すために膨潤収縮強度に優れると言われるMR型(macroreticular type 、マクロポーラス型)の陽イオン交換樹脂でさえクラックを生じて破砕し、早期に劣化して差圧が上昇するなど、陽イオン交換樹脂を少なくとも一部充填したイオン交換処理装置の運転上の不都合が生じる。
一方、何らかの処理工程を経て回収されたTAAイオン含有液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂で精製する場合にも、上述と同様に、H形の陽イオン交換樹脂やキレート樹脂をTAA形とする際、または、H形の陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に直接TAAイオン含有液を通液する際には、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂は大きく膨潤し、TAAイオン含有液から金属イオン等の不純物を吸着した後に陽イオン交換樹脂やキレート樹脂を再生する際には大きく収縮するので、クラックを生じて早期に劣化し、差圧が上昇するなど、陽イオン交換樹脂を少なくとも一部充填したイオン交換処理装置やキレート樹脂処理装置の運転上の不都合が生じてしまう。
従って、本発明は、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂をTAAイオン含有液との接触処理に供し、再生するサイクルを繰り返しても、クラックを生じて早期に劣化することがないTAAイオン含有液の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、TAAイオン含有液のTAAイオン濃度を0.15重量%以下(最も代表的なテトラメチルアンモニウムイオン〔TMAイオン〕の場合は、約0.02当量%以下に相当)として強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、キレート樹脂に接触させることにより、急激な膨潤・収縮を緩和してクラックの発生、樹脂の破砕、樹脂母体構造へのダメージによる不可逆膨潤等の劣化が防げることを見出した。また、再生剤の酸濃度についても、TAAイオンや金属イオン等の吸着物を脱着できる範囲で可及的な低濃度とするのが望ましく、1当量/L(リットル)以下の低濃度とするのが好ましく、特に弱酸性陽イオン交換樹脂は再生効率が良いので更に低濃度にすることができ、このような低い酸濃度では更に膨潤・収縮を緩和することができることも見出した。
即ち、本発明は、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂及びキレート樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂を用いてテトラアルキルアンモニウムイオン濃度が0.15重量%を越えるテトラアルキルアンモニウムイオン含有液を処理するに当たって、新品樹脂の最初と前記樹脂を再生した後最初に通液するテトラアルキルアンモニウムイオン含有液のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度を0.15重量%以下として前記の少なくとも一つの樹脂に接触させてテトラアルキルアンモニウムイオンを吸着させることを特徴とするテトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法、並びに、強酸性陽イオン交換樹脂及び弱酸性陽イオン交換樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂を用いてテトラアルキルアンモニウムイオン濃度が0.15重量%を越えるテトラアルキルアンモニウムイオン含有液からテトラアルキルアンモニウムイオンを吸着除去した後に水を回収するに当たって、新品樹脂の最初と前記樹脂を再生した後最初に通液するテトラアルキルアンモニウムイオン含有液のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度を0.15重量%以下として前記の少なくとも一つの樹脂に接触させることを特徴とするテトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法を提供するものである。ここで、TAAイオンがTAAHの形である時は、強酸性陽イオン交換樹脂にも弱酸性陽イオン交換樹脂にもTAAイオンが吸着するが、TAAイオンがTAA塩の形である時は、強酸性陽イオン交換樹脂にはTAAイオンが吸着するが、弱酸性陽イオン交換樹脂にはTAAイオンが吸着しないのが通常である。
さらに、本発明の方法を実施するに当たって、上記TAAイオン濃度を0.15重量%以下とする方法として電気透析法(特開平7−328642号公報)、電解法(特開平5−17889号公報)、逆浸透膜処理法、生物処理法の少なくとも一つの方法を用いることが望ましい。電気透析法と電解法では、TAAイオン濃度の低下した脱塩液が得られるので、このTAAイオン濃度が0.15重量%以下となるまで必要に応じて他段式や循環式の電気透析又は電解を行うか、他の排水等の水で希釈すればよい。ここで、TAAイオン含有液としてTAA塩溶液を電解して、例えば、TAAHを製造する様な場合は、濃縮液はTAAH溶液となるが、脱塩排水には少量のTAA塩が混入して来るのが通常である。逆浸透膜処理法では、TAAイオン濃度の低下した透過液が得られるので、1段の逆浸透膜処理でそのTAAイオン濃度が0.15重量%以下とならなければ、他段に逆浸透膜処理を行うか、他の排水等の水で希釈すればよい。生物処理法では、処理液のTAAイオン濃度が0.15重量%以下となるまで活性汚泥により生物分解処理を行うのが有利であるが、そのTAAイオン濃度が0.15重量%以下とならなければ、他の排水等の水で希釈すればよい。
少なくとも或る程度TAAイオンを吸着した強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、キレート樹脂を再生する際の再生剤の酸濃度は、1当量/L(リットル)以下であることが望ましい。この再生は、塩酸や硫酸等の酸の水溶液で陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂を処理して、H形の樹脂とし、(超)純水等の水で酸を洗い落として行うが、樹脂の急激な収縮を緩和するために、該酸水溶液の酸濃度は1当量/L以下であるのが好ましい。但し、キレート樹脂の場合は、2当量/L程度の酸濃度の方が再生効率の点では好ましい。
本発明におけるTAAイオンとは、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム(即ち、コリン)、水酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムなど(特に前2者とコリン)の水酸化テトラアルキルアンモニウムから由来する。
現像廃液等のTAAイオン含有液中のTAAイオン(TAA)の対イオンは、上述したように水酸化物イオン(OH)であるのが通常であるが、工場によっては他の廃水と混合される場合や中和される場合があるので、弗化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、燐酸水素イオン、燐酸二水素イオン等の無機陰イオン、及び、蟻酸イオン、酢酸イオン、蓚酸イオン等の有機陰イオンから選ばれる少なくとも一種がTAAイオンの対イオンの少なくとも一部となるのが一般的である。特に炭酸イオン、炭酸水素イオンは、空気中の炭酸ガスが現像廃液中に溶け込んで少量存在することが多い。
TAAイオン含有液としては、半導体デバイス(LSI、VLSI等)、プリント基板や液晶ディスプレイ(LCD)等の電子部品の製造工程等におけるフォトリソグラフイー工程でフォトレジストのアルカリ現像液としてTAAHを用いた場合に現像工程や洗浄工程から排出されるTAAH含有現像廃液、その電気透析(特開平7−328642号公報参照)又は電解(特開平5−17889号公報参照)により生じる脱塩排水(TAAイオンの大部分が除去された脱塩水)や回収液(TAAイオンがTAAH形等で濃縮された濃縮液)、そのNF膜(nanofiltration membrane )分離処理(特開平11−192481号公報)により生じる濃縮液(フォトレジストの大部分が濃縮液側に残存濃縮され、また、Fe、Al等の金属成分やシリカ等の不純物もかなり濃縮液側に残存する)や透過液(TAAHはNF膜を透過してその殆どが透過液側に入って来る)等であるが、本発明の方法はこれらに限定されず、TAAイオンを含んだあらゆる液体を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に接触処理をする場合に適用できる。なお、電気透析や電解では、「濃縮液」、「脱塩排水」とは、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使い分けられる用語であり、必ずしもどちらのTAAH濃度が高いか低いかを示すものではない。また、TAAH含有現像廃液等のTAAイオン含有液の電解を行って得られる濃縮液では、必然的に水酸化物イオンが通常TAAイオンの対イオンとなる。また、NF膜とは、分画分子量が100〜1000の範囲内で、且つ、0.2%(重量/容積)の塩化ナトリウム水溶液を被処理液として25℃で分離処理した時の塩化ナトリウムの阻止率(除去率)が90%以下の特性を有する分離膜である。
特開平11−192481号公報
その他のTAAイオン含有液の具体例としては、現像廃液を活性炭処理する活性炭処理工程を経て得られる処理液(特開昭58−30753号公報)、現像廃液を中和し、不溶性となった分のフォトレジスト(TAA塩の形のフォトレジストから酸の形に戻って不溶性となる)を遠心分離や濾過等の固液分離により除去する中和+固液分離工程を経て得られる処理液(中和剤としての酸がTAAイオンと塩を形成する)、上記の中和+固液分離工程、オゾン、過酸化水素又は紫外線照射による有機物分解工程及び電解工程を経て得られる脱塩液や濃縮液(特開平4−41979号公報、特開平5−17889号公報、特開平5−106074号公報)を挙げることができる。
特開昭58−30753号公報 特開平4−41979号公報 特開平5−17889号公報 特開平5−106074号公報
TAAイオン含有液の例を挙げるに当たって、例えば、現像廃液から出発する場合の種々の単位処理操作を挙げたが、これらの単位処理操作や更には陰イオン交換樹脂等の陰イオン交換体との接触処理や精密濾過膜又は限外濾過膜等による膜濾過処理等の他の単位処理操作を目的に応じて任意に組み合わせ、且つ、任意の順序で処理して得られるTAAイオン含有液に本発明の方法が適用できることは言うまでもない。
上記強酸性陽イオン交換樹脂は、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等にスルホン酸基等の強酸基を導入した樹脂であり、材質やゲル型かMR型かは限定されず、処理効率の点で繊維状や粒状であるのが好ましく、その具体例としては、ローム・アンド・ハース社製のアンバーライトIR124、アンバーライトXT−1006、アンバーライト200C、デュオライトC−20等を挙げることができる。また、弱酸性陽イオン交換樹脂とは、例えば、カルボン酸基を有するアクリル酸系及び/又はメタクリル酸系の樹脂等の弱酸基を有する樹脂であり、材質やゲル型かMR型かは限定されず、処理効率の点で繊維状や粒状であるのが好ましく、その具体例としては、ローム・アンド・ハース社製のアンバーライトIRC76、アンバーライトIRC50、デュオライトC−476等を挙げることができる。陽イオン交換樹脂としては、上記の強酸性陽イオン交換樹脂類と弱酸性陽イオン交換樹脂類の中から一種類を選択しても、複数の種類を選択し、任意の割合で混合もしくは積層して用いても良い。また、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を、混床、積層構造又は別カラム充填配置の形で併用してもよい(特開平11−190907号公報)。
特開平11−190907号公報
一方、キレート樹脂とは、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等にキレート形成基を導入した樹脂であり、材質やゲル型かMR型かは限定されず、処理効率の点で繊維状や粒状であるのが好ましい。キレート樹脂としては、例えば、イミノ二酢酸型、イミノプロピオン酸型、アミノメチレンホスホン酸型等のアミノホスホン酸型、ポリアミン型、N−メチルグルカミン型等のグルカミン型、アミノカルボン酸型、ジチオカルバミン酸型、チオール型、アミドキシム型、ピリジン型などの各種のキレート樹脂類を挙げることができる。その具体例を挙げると、イミノ二酢酸型キレート樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のアンバーライトIRC−718を挙げることができ、イミノプロピオン酸型キレート樹脂としては、例えば、ミヨシ油脂(株)製のエポラスMX−8を挙げることができ、アミノメチレンホスホン酸型キレート樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のデュオライトC−467を挙げることができ、ポリアミン型キレート樹脂としては、例えば、住友化学工業(株)製のスミキレートMC−10や三菱化学(株)製のダイヤイオンCR−20を挙げることができ、N−メチルグルカミン型キレート樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のアンバーライトIRA−743を挙げることができる。キレート樹脂は、再生現像液を再利用するに際して問題となる微量不純物としての多価の金属イオン類〔Fe(II)、Fe(III) 、Al(III) 等〕に対する選択性が高く、現像廃液の再生処理過程においてキレート樹脂と現像廃液又はそれに由来するTAAH含有溶液とを接触処理させることにより、これらの多価の金属イオン類を効果的に除去できる(特開2000−93955公報)。
特開2000−93955公報
また、陽イオン交換樹脂とキレート樹脂、または、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とキレート樹脂を、混床、積層構造又は別カラム充填配置の形で併用してもよく、積層構造又は別カラム充填配置の形の場合は、これらの樹脂の配置順序は任意である(特開2000−93955公報)。
これらの陽イオン交換樹脂やキレート樹脂にTAAイオン含有液を通水及び再生剤を通水するときは下向流、上向流どちらでも良く、通水時の流速も任意であるが、下向流が好ましく、また、接触処理時の通水流速はSV=4〜30程度、再生時の通水流速はSV=2〜6程度であるのが好ましい。
本発明によれば、TAAH含有液等のTAAイオン含有液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂を用いて処理を行う従来の場合にしばしばその膨潤や収縮の大きさから陽イオン交換樹脂やキレート樹脂が早期に破砕されて劣化してしまい、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂を充填した処理装置の運転上不都合が生じてしまったが、新品樹脂の最初と上記樹脂を再生した後最初に通液するTAAイオン含有液のTAAイオン濃度を0.15重量%以下に調整した後、TAAH含有液等のTAAイオン含有液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に接触処理させることにより、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂を充填した処理装置を安定して運転することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明がこれらに限定されるもので無いことは言うまでもない。
TAAイオン含有液のTAAイオン濃度を0.15重量%以下(TMAイオンの場合は、「約0.02当量%以下」が「0.15重量%以下」に相当する)とする方法としては、現像工程や洗浄工程からのTAAイオン含有廃液及びその電気透析又は電解による脱塩排水については、他の排水、回収水、純水、逆浸透膜透過水、生物処理水等を希釈水として用い、混合希釈してTAAイオン濃度調整することができる。また、電気透析や電解により回収したTAAH溶液等のTAAイオン含有溶液(電解では、必然的にTAAH溶液となる)については、純水、超純水を希釈水として用い、混合希釈してTAAイオン濃度調整することができる。
混合希釈方法は、混合希釈槽を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂との接触処理装置の前段に設けて、槽内でTAAイオン含有液と希釈水とを混合希釈しても、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂との接触処理装置へのライン(流路)中でTAAイオン含有液と希釈水と合流させて混合希釈しても良い。
また、TAAイオン濃度を0.15重量%以下とする方法には、TAAイオン含有液を電気透析法、電解法、逆浸透膜処理法または生物処理法を用いることにより、その脱塩排水(電気透析法、電解法の場合)、透過水(逆浸透膜処理法の場合)又は処理液(生物処理法の場合)のTAAイオン濃度を0.15重量%以下として、本発明の方法に従い陽イオン交換樹脂やキレート樹脂と接触処理することもできる。
上述の電気透析又は電解の脱塩排水、或いは、逆浸透膜処理の透過水又は生物処理の処理水のTAAイオン濃度が0.15重量%を越えている場合には、目的に応じて他の排水、純水、超純水等を用いてTAAイオン含有液のTAAイオン濃度が0.15重量%以下となるように更に希釈して、本発明の方法に従い陽イオン交換樹脂やキレート樹脂と接触処理することができる。
例えば、TAAHを電気透析や電解等の方法で回収した際の回収TAAH水溶液からNaイオン、Feイオン等の金属イオンを除去して回収TAAH水溶液を精製する場合には、H形の陽イオン交換樹脂やキレート樹脂をTAA形とした後回収TAAH水溶液を通液するか、或いは直接的に回収TAAH水溶液をH形の陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に通液するが、本発明の方法に従い新品樹脂の最初と樹脂再生後最初に通液するTAAイオン含有液としてのTAAH水溶液のTAAイオン濃度を0.15重量%以下として通液し、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂がTAA形となった後には、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂が膨潤安定化しており、回収TAAH水溶液のTAAイオン濃度が0.15重量%を越えている場合においても回収TAAH水溶液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に通液してクラックが発生することは殆ど無いので、このような方法は、好ましい回収TAAH水溶液の精製方法である。
本発明の方法によるTAAイオン含有液の処理に陽イオン交換樹脂を使用する場合には、本発明によれば通液と再生を繰り返してもH形や塩型からTAA形への変化や逆の変化に伴う樹脂の急激な膨潤・収縮を緩和することができ、樹脂の劣化を防ぐことができる。
本発明の一実施形態としては、TAAイオン濃度が0.15重量%を越えるTAAイオン含有液に他の工程から排出される排水や回収水又は純水や超純水を混合希釈し、TAAイオン濃度を0.15重量%以下に調整した後、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂へ通液するものである。この時のTAAイオン濃度の測定管理には、導電率計、超音波濃度計、pH滴定装置や電位差滴定装置等の自動滴定装置等が便利に使用でき(特開平10−207082号公報参照)、希釈槽を設けて槽内で混合希釈しても通液ライン(流路)中で合流希釈して濃度調整しても良い。なお、超音波濃度計は、超音波の溶液中の伝搬速度、該溶液の密度及び体積弾性率に基本的関係があること、体積弾性率と密度が該溶液の濃度及び温度に依存することを利用し、超音波伝搬速度及び温度を測定して溶液の濃度を求める測定機器である。
特開平10−207082号公報
このようなTAAイオン含有液の処理方法の利用法としては、TAAイオン含有廃液や電気透析や電解等により得られるTAAイオン含有溶液からのTAAH溶液の回収や精製、および、TAAイオン除去処理後の水の回収に利用することができ、これらの代表的なフローはそれぞれ以下の様な例が挙げられるが、本発明に従いTAAイオン含有液の処理を行う限りにおいて、他のフローでも差し支えない。
ここで挙げているフローに従い処理するTAAイオン含有液には、前段でTAAイオン含有原液の電気透析、電解、逆浸透膜処理、生物処理、中和+固液分離等を前処理として行って得られる脱塩排液や濃縮液や処理液も含まれる。なお、下記のフローで、「濃度調整」は処理対象のTAAイオン含有液のTAAイオン濃度の調整を、「TAAイオン回収」は陽イオン交換樹脂の再生操作時にTAAイオン含有水を回収する操作を、「ED」は電気透析を、「MF」は精密濾過膜による濾過膜処理を、「NF」はNF膜による膜処理を、「陽イオン交換樹脂」は陽イオン交換樹脂によるイオン交換処理を、「陰イオン交換樹脂」は陰イオン交換樹脂によるイオン交換処理を、「SA→SB」は強塩基性陰イオン交換樹脂→強酸性陽イオン交換樹脂を、「MB」は陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂の混床を、「再利用」は回収TAAH溶液の再利用を、「/」は「及び/又は」を表す。
(1)濃度調整→陽イオン交換樹脂→TAAイオン回収→濃縮→廃棄
(2)濃度調整→陽イオン交換樹脂→TAAイオン回収→電解→再利用
(3)ED/電解→陰イオン交換樹脂→濃度調整→陽イオン交換樹脂→MF→再利用
(4)ED/電解→NF→濃度調整→陽イオン交換樹脂→MF→再利用
(5)ED/電解→NF→陰イオン交換樹脂→濃度調整→キレート樹脂→陽イオン交換樹脂→MF→再利用
(6)濃度調整→陽イオン交換樹脂→排水又は水回収
(7)濃度調整→陽イオン交換樹脂→逆浸透膜処理→水回収
(8)逆浸透膜処理→濃度調整→陽イオン交換樹脂→水回収
(9)濃度調整→陽イオン交換樹脂→活性炭処理→イオン交換処理(SA→SB、MB等)→水回収
(10)濃度調整→陽イオン交換樹脂→紫外線酸化処理/オゾン酸化処理→活性炭処理→イオン交換処理(SA→SB、MB等)→水回収
(11)紫外線酸化処理/オゾン酸化処理→活性炭処理→濃度調整→陽イオン交換樹脂→イオン交換装置(SA→SB、MB等)→水回収
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下の比較例や参考例及び実施例で、「破砕率」は、H形樹脂の数枚の顕微鏡写真を観察し、クラックが入ったり微細化した樹脂粒の数を数え、全樹脂粒数に対するクラックが入ったり微細化した樹脂粒数の百分率を計算した値である。従って、「破砕率の上昇」は、TAAイオン含有液(廃液又は回収精製液)の通液処理後のH形樹脂についての破砕率から新品H形樹脂についての破砕率を差し引いた値である。
比較例1
LCD製造工場から排出されたTAAHとしてのTMAHを濃度1.0重量%で含む廃液の8L(リットル)を弱酸性陽イオン交換樹脂「アンバーライトIRC76」(ローム・アンド・ハース社製)のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=20で通液し、陽イオン交換樹脂にTMAイオンを吸着させたところ、通液途中で該樹脂が破砕し、そのため流量が大きく減少して、最終的には通液不能となった。
比較例2
半導体関連製造工場から排出された現像廃液をTAAHとしてのTMAH濃度0.2重量%とし、得られた濃度調整廃液の30Lを比較例1と同じ弱酸性陽イオン交換樹脂のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=20で通液し、陽イオン交換樹脂にTMAイオンを吸着させた。次いで、純水でカラムから残留廃液を押し出し、洗浄を行い、その後、1モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は24%であった。
参考例1
比較例2と同じTMAH濃度0.2重量%の廃液を他の廃液と合流させて、TMAH濃度を0.15重量%とし、得られた合流廃液の40Lを比較例1と同じ弱酸性陽イオン交換樹脂のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=20で通液し、陽イオン交換樹脂にTMAイオンを吸着させた。次いで、純水でカラムから残留廃液を押し出し、洗浄を行い、その後、0.25モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は3%であった。
参考例2
半導体関連製造工場から排出されたTMAH濃度100ppmの廃液の50Lを比較例1と同じ弱酸性陽イオン交換樹脂のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=50で通液し、陽イオン交換樹脂にTMAイオンを吸着させた。次いで、純水でカラムから残留廃液を押し出し、洗浄を行い、その後、1モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は0.2%であった。
比較例3
LCD製造工場から排出されたTAAHとしてのTMAHを濃度1.0重量%で含む廃液の4.8Lを強酸性陽イオン交換樹脂「アンバーライトIR124」(ローム・アンド・ハース社製)のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=20で通液し、陽イオン交換樹脂にTMAイオンを吸着させた。次いで、純水でカラムから残留廃液を押し出し、洗浄を行い、その後、1モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は40%であった。
参考例3
LCD製造工場から排出された比較例3と同じTMAH濃度1.0重量%の廃液を他の廃液と合流させて、TAAHとしてのTMAH濃度を0.15重量%とし、得られた合流廃液の32Lを比較例3と同じ強酸性陽イオン交換樹脂のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=20で通液し、陽イオン交換樹脂にTMAイオンを吸着させた。次いで、純水でカラムから残留廃液を押し出し、洗浄を行い、その後、1モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は5%であった。
参考例4
半導体関連製造工場から排出された現像廃液を他の廃液と合流させてTMAH濃度を100ppmとした廃液の20Lを比較例3と同じ強酸性陽イオン交換樹脂のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=50で通液し、陽イオン交換樹脂にTMAイオンを吸着させた。次いで、純水でカラムから残留廃液を押し出し、洗浄を行い、その後、1モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は1%であった。
比較例4
LCD製造工場から排出された現像廃液から電気透析により濃縮液としてTMAH濃度2.3重量%のTMAH溶液を回収し、この回収濃縮液中の金属イオンを除去するための強酸性陽イオン交換樹脂「アンバーライト200C」(ローム・アンド・ハース社製)のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=5で2.3重量%TMAH溶液の2Lを通液し、陽イオン交換樹脂を予めTMA形とした。次いで、回収濃縮液の200Lを該カラムに通液して金属イオン除去処理した後、超純水でカラムから残留濃縮液を押し出し、洗浄を行い、その後、1モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は35%であった。
比較例4と同じ現像廃液から電気透析により濃縮液としてTMAH濃度2.3重量%のTMAH溶液を回収し、この回収濃縮液中の金属イオンを除去するための比較例4と同じ強酸性陽イオン交換樹脂のH形の200mlを充填したカラムに0.15重量%TMAH溶液20Lを流速SV=10で通液し、陽イオン交換樹脂を予めTMA形とした。次いで、TMAH濃度2.3重量%の回収濃縮液の200Lを該カラムに通液して金属イオン除去処理した後、超純水でカラムから残留濃縮液を押し出し、洗浄を行い、その後、1モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形の陽イオン交換樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は2%であった。
比較例5
LCD製造工場から排出された現像廃液から電気透析により濃縮液としてTMAH濃度2.3重量%のTMAH溶液を回収し、この回収濃縮液中の金属イオンを除去するためのイミノ二酢酸型キレート樹脂「アンバーライトIRC−718」(ローム・アンド・ハース社製)のH形の200mlを充填したカラムに流速SV=10で0.5重量%TMAH溶液の4Lを通液し、キレート樹脂を予めTMA形とした。次いで、回収濃縮液の200Lを該カラムに通液して金属イオン除去処理した後、超純水でカラムから残留濃縮液を押し出し、洗浄を行い、その後、2モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形のキレート樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は15%であった。
比較例5と同じ現像廃液から電気透析により濃縮液としてTMAH濃度2.3重量%のTMAH溶液を回収し、この回収濃縮液中の金属イオンを除去するための比較例5と同じイミノ二酢酸型キレート樹脂のH形の200mlを充填したカラムに0.15重量%TMAH溶液14Lを流速SV=10で通液し、キレート樹脂を予めTMA形とした。次いで、TMAH濃度2.3重量%の回収濃縮液の200Lを該カラムに通液して金属イオン除去処理した後、超純水でカラムから残留濃縮液を押し出し、洗浄を行い、その後、2モル/Lの塩酸で再生を行った。これを1サイクルとして3サイクルを実施し、H形のキレート樹脂を顕微鏡により観察し、その破砕状態を調べた。破砕率の上昇は2%であった。
以上の結果より、0.15重量%を越えるTAAイオン濃度のTAAイオン含有液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に通液した場合には樹脂粒の多くが破砕してしまい、陽イオン交換樹脂やキレート樹脂を充填した処理装置を安定して運転することができないことが分かる。参考例で0.15重量%以下のTMAH濃度の廃液を陽イオン交換樹脂に通液した場合と、実施例で0.15重量%以下にTMAH濃度を調整したTMAH含有液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に新品樹脂の最初及び樹脂再生後最初には通液した場合には樹脂の破砕はさほど起こらなかった。

Claims (4)

  1. 強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂及びキレート樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂を用いてテトラアルキルアンモニウムイオン濃度が0.15重量%を越えるテトラアルキルアンモニウムイオン含有液を処理するに当たって、新品樹脂の最初と前記樹脂を再生した後最初に通液するテトラアルキルアンモニウムイオン含有液のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度を0.15重量%以下として前記の少なくとも一つの樹脂に接触させてテトラアルキルアンモニウムイオンを吸着させることを特徴とするテトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法。
  2. 強酸性陽イオン交換樹脂及び弱酸性陽イオン交換樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂を用いてテトラアルキルアンモニウムイオン濃度が0.15重量%を越えるテトラアルキルアンモニウムイオン含有液からテトラアルキルアンモニウムイオンを吸着除去した後に水を回収するに当たって、新品樹脂の最初と前記樹脂を再生した後最初に通液するテトラアルキルアンモニウムイオン含有液のテトラアルキルアンモニウムイオン濃度を0.15重量%以下として前記の少なくとも一つの樹脂に接触させることを特徴とするテトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法。
  3. 前記テトラアルキルアンモニウムイオン濃度を0.15重量%以下とする方法として、電気透析法、電解法、逆浸透膜処理法、生物処理法の少なくとも一つの方法を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のテトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法。
  4. 前記の少なくとも一つの樹脂を再生する際の再生剤の酸濃度が、1当量/L(リットル)以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のテトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法。
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