JP2007178504A - 表示装置用フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、「ゆらぎ」がないなどの光学的品位に優れた表示装置用フィルムおよびその製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の表示装置用フィルムは、溶液製膜法で製膜されたフィルムであって、該フィルムを300mm区間にわたって0.25mmおきに厚みデータをサンプリングしたとき、任意の5mm区間中の厚み変動が0.5μm以下であり、かつ、厚み方向の位相差Rthが10nm以下であることを特徴とするものである。
かかる表示装置用フィルムの製造方法は、ポリマー(A)を溶媒(B)に溶解して調製したポリマー溶液(C)を用い、溶液製膜法でフィルムを製膜する方法において、該ポリマー溶液(C)の25℃における溶液粘度が7Pa・s以上600Pa・s以下であり、かつ溶媒(B)の沸点が30℃以上80℃以下であることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学的品位に優れた表示装置用フィルムおよびその製造方法に関する。
従来、偏光子保護フィルムなどの表示装置用フィルムは得られるフィルムの厚みムラや平面性に優れることから溶液製膜法が広く用いられてきた。
近年、表示装置の高精細化に伴い、従来は満足されていた品位であっても、さらなる改善要求が出される様になってきた。特に「ゆらぎ」と呼ばれる欠点が問題となってきた。
ゆらぎとは、フィルムを通して像を観察するときその像がひずんで見える現象であり、溶液製膜法で得るフィルム特有の欠点である。ゆらぎが大きいと画像表示用素子として用いたとき、視認性の低下につながる場合がある。
ゆらぎの改善に関しては特許文献1において厚み変動とゆらぎの視認性との関係について、単位距離あたりの厚みの変化がゆらぎにあたえる影響が大きいことを指摘している。これを解決するために流延ダイ付近の5〜100Hzの空気圧振動を抑制する、もしくは製膜速度を速くして厚みムラのピッチを広くし、目視で観察される周波数の厚み変動が生じない製膜方法を提案している。しかし、この方法では製膜方向に水平に生じる縞模様状のゆらぎを改善するには不十分であった。
従来の偏光子保護フィルムは面内位相差を制御することで輝度ムラの低減を提案してきたが、偏光子保護フィルムとして用いるフィルムの厚み方向位相差が表示機器の視野角に悪影響を与えることが明らかになってきた。一方、光学材料として用いられるフィルムは一般に高い光線透過率、低ヘイズが求められ、アクリル系のフィルムが好適に使用できる。
アクリル系フィルムの溶液製膜法については、たとえば特許文献2にあるが、この方法によっては溶液製膜法特有の欠点であるゆらぎに関して記載が無くまた得られるフィルムもゆらぎ改善が必要であった。
特開2002−189127公報 特開2003−334831公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、「ゆらぎ」がないなどの光学的品位に優れた表示装置用フィルムおよびその製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の表示装置用フィルムは、溶液製膜法で製膜されたフィルムであって、該フィルムを300mm区間にわたって0.25mmおきに厚みデータをサンプリングしたとき、任意の5mm区間中の厚み変動が0.5μm以下であり、かつ、厚み方向の位相差Rthが10nm以下であることを特徴とするものである。
かかる表示装置用フィルムの製造方法は、ポリマー(A)を溶媒(B)に溶解して調製したポリマー溶液(C)を用い、溶液製膜法でフィルムを製膜する方法において、該ポリマー溶液(C)の25℃における溶液粘度が7Pa・s以上600Pa・s以下であり、かつ溶媒(B)の沸点が30℃以上80℃以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、光学的品位に優れるため、画像表示素子などの光学部材に好適な表示装置用フィルムを提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり「ゆらぎ」がないなどの光学的品位に優れた表示装置用フィルムについて、鋭意検討し、溶液製膜法で製膜されたフィルムでは、従来見られなかったほど、厚み変動と厚み方向の位相差Rthを共に極めて小さく制御することを可能とし、初めて前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
すなわち、本発明者らは鋭意検討の結果「ゆらぎ」を300mm区間にわたって0.25mmおきに厚みデータをサンプリングしたとき任意の5mm区間中の厚み変動で表せることを見出した。ここで、厚み変動が0.5μm以下のとき「ゆらぎ」が良いと言える。本発明においては厚み変動が0.5μm以下である必要がある。フィルム面内の厚み変動が0.5μmを超えると、ゆらぎが大きく表示装置用フィルムとして好適に用いることができない。また、この厚み変動は0.3μm以下であるとゆらぎをほとんど認識することができなくなるためより好ましい。かかる厚み変動は小さいほど好ましいが、現実的には0.01μm程度が下限である。
かかる厚みの連続測定方法は、アンリツ株式会社性フィルムシックネステスタ「KG601A」および電子マイクロメータ「K306C」を用いて測定した。厚み変動、すなわち「ゆらぎ」は乾燥初期の塗膜の流動に起因すると考えられ、これを0.5μm以下にせしめるためには、溶液粘度、溶媒を最適に制御することが必要である。これらについては後で詳述する。
本発明の表示装置用フィルムでは、厚み方向の位相差Rthが10nm以下であることが必要である。すなわち、厚み方向の位相差Rthが10nm以下では、表示装置用フィルムとして用いたときの視野角が良好となるのである。この厚み方向の位相差Rthは好ましくは3nm以下、より好ましくは1nm以下である。
かかる厚み方向位相差Rthは、王子計測(株)製の自動複屈折計「KOBRA−21ADH」を用いて測定した値である。
かかるこの厚み方向の位相差Rthは、主にポリマーの構造に起因し、これを達成するためにはポリマーの面内方向の配向性のみでなく、厚み方向の配向性まで含めた3次元の屈折率差の少ないポリマーを用いて製膜を行うことが必要である。このようなポリマーとして後述するアクリル系のポリマーなどの例があげられる。
かかる本発明の表示装置用フィルムの厚みは、15μm以上100μm以下であることが好ましい。厚みが15μm未満であると、フィルム強度が低下し加工性が悪化する。また100μmを超えると、溶液製膜法で製膜するとき、塗膜が自己支持性を示すまでの時間が長くなりゆらぎが生じることがある。
また、本発明の表示装置用フィルムは、ガラス転移温度(Tg)が120℃以上であることが好ましい。より好ましくは130℃以上である。かかるガラス転移温度(Tg)が120℃未満の場合、プロジェクターのような高温になる機器や、車載用表示機器のような、高温の環境下で使用できない場合があるし、また、フィルム表面にハードコート処理などを行うときに熱により変形し平面性を損なう場合がある。更に、ガラス転移温度Tgが低いと、溶媒の乾燥工程で、フィルムの耐熱性の問題から乾燥温度が制限され、溶媒乾燥に長時間を要し、生産性が悪化する場合がある。
尚、ここでいうガラス転移温度とは、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、昇温速度20℃/分で測定し、JIS K7121(1987)に従い求めた中間点ガラス転移温度(Tmg)である。
次に300mm区間にわたって0.25mmおきに厚みデータをサンプリングしたとき各5mm区間中の厚み変動が0.5μm以下とせしめるための製膜方法について詳述する。
従来の製膜方法では、乾燥初期の塗膜の流動性が問題であり、乾燥風や乾燥ムラによるゆらぎが発生した。本発明者らは、かかるゆらぎ改善には、溶液粘度、溶媒を最適に制御することが必要であることを究明したものである。より具体的には、ゆらぎを抑制するためには、流延直後の塗膜の流動性を制御する必要がある。すなわち、流延直後の塗膜は乾燥風や乾燥ムラの影響を受け厚みムラが生じ、ゆらぎが発生しやすく、したがって、ゆらぎを抑制するには、流延後の塗膜が自己支持性を示すまでの間、塗膜の流動性が低い状態を維持し、乾燥風などによるフィルムの平面性の悪化を防止する必要がある。すなわち、ゆらぎ改善のキーポイントは、ポリマー溶液の粘度とその溶媒にあることを究明したものである。ここで、自己支持性とは支持体なしでもフィルム単体で形状を保ち得ることをいう。
まず、ポリマー溶液の粘度について説明する。
本発明の表示装置用フィルムの製造に用いるポリマー溶液(C)の25℃における溶液粘度は7Pa・s以上600Pa・s以下である必要がある。溶液粘度が7Pa・s未満のとき、塗膜の流動性が高すぎるため、乾燥風等の影響を受け、ゆらぎが大きくなるといった問題がある。また一般に溶液粘度が600Pa・sを超えるものは均一な流延が難しく、厚み精度が悪化しやすいといった問題がある。ポリマー溶液(C)の粘度はより好ましくは7Pa・s〜20Pa・s、特に好ましくは8Pa・s〜15Pa・sである。 かかるポリマー溶液(C)の粘度は、東機産業(株)製RBタイプR80U型粘度計を用いて測定したものである。
つぎに溶媒について説明する。
本発明の表示装置用フィルムの製造において、流延後の塗膜が自己支持性を示すまでの間、塗膜の流動性が低い状態を維持させるためには、かかる塗膜の温度が低い状態を維持する必要がある。さらに、塗膜の温度が低い状態においても溶媒が効率的に揮発し、該塗膜が自己支持性を示すまでの時間を短くすることが重要である。かかる条件を達成するために、使用する溶媒を特定なものを選択する。すなわち、かかる特定溶媒(B)としては、沸点が30℃以上80℃以下である溶媒成分を溶媒(B)中の50重量%以上となるように選択的に使用する必要がある。具体的にはテトラヒドロフラン、アセトン、2−ブタノン、ジクロロメタンなどがあげられる。溶媒(B)中の50重量%以上を占める溶媒成分の沸点が80℃を超えると、塗膜の流動性が無くなるまでの初期乾燥に要する時間が長くなるため、ゆらぎが生じることがある。また、高温の初期乾燥を必要とするため塗膜の流動性が高くなり、ゆらぎが生じることがある。沸点が30℃未満では常温での溶媒の揮発性が非常に高いため、製膜時に突沸欠点が生じる問題がある。かかる溶媒(B)は、1種類の溶媒を用いてもよいし、2種類以上の溶媒を混合して用いてもよい。2種類以上の溶媒を混合して用いる場合、沸点が30℃以上80℃以下の溶媒を50重量%以上含んでいる必要がある。該溶媒が50重量%未満の場合、乾燥時間が長くなりゆらぎが生じるまたは突沸欠点が生じるといったような問題がある。
これらの条件から、本発明に用いる溶媒(B)の80重量%以上100条量%以下が、アセトンおよび/又は2−ブタノンを用いることが最も好ましい。従来から溶液製膜によく用いられる溶媒としてジクロロメタンがあげられるが、ジクロロメタンは蒸発潜熱が大きく、揮発するとき塗膜の温度を急激に下げるため結露が生じやすく、かかる結露が生じると、乾燥ムラが生じ、ゆらぎが生じることがある。これに対して、アセトンや2−ブタノンは、蒸発潜熱が低いため、急激な塗膜温度の低下が無いため結露が生じにくく、乾燥ムラによるゆらぎが生じにくいのである。アセトンおよび/又は2−ブタノンが80重量%未満のとき、混合する溶媒が蒸発潜熱の高いジクロロメタンのような溶媒であれば蒸発潜熱による塗膜温度低下が生じ結露が生じることがある。混合する溶媒がポリマー(A)が溶けない貧溶媒であればその溶解性が低下してポリマー溶液(C)が均一な溶液ではなくなり塗工性が悪化することがある。沸点の高い溶媒を混合する場合は溶媒の揮発に乾燥時間が長くなる問題がある。
粘度および溶媒を上記のように制御することにより、300mm区間にわたって0.25mmおきに厚みデータをサンプリングしたとき、任意の5mm区間中の厚み変動が0.5μm以下とせしめる事が可能となる。
製膜について、その他の好ましい様態を説明する。
ポリマー溶液(C)中のポリマー(A)濃度は15質量%以上40質量%以下が好ましい。濃度が15質量%未満のとき塗膜の流動性が高くなりゆらぎが大きくなる場合がある。また、溶媒乾燥に長時間を要するため好ましくない。濃度が40質量%を超えると溶解性が悪化し均一な塗膜を得ることが困難になる場合がある。
また、溶媒(B)の乾燥促進や基材からの剥離性向上を目的に乾燥助剤や剥離剤などを添加してもよい。
溶解後のポリマー溶液(C)は、濾過を行い、異物やゲル状物を取り除くことが好ましい。異物を除去することにより、欠点やヘイズが減少するため光学用フィルムとして好適に使用できる。濾過精度は50μm以上の異物を除去できることが好ましい。さらに好ましくは10μm、最も好ましくは1μmである。濾過精度の異なる複数のフィルターにより段階的に濾過を行うと濾過寿命が延長されるため好ましい。濾過は、25℃以上100℃以下の温度で行うことができる。フィルターは、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網等の中から適宜選択し用いることができる。
次に、表示装置用フィルムの製膜方法の例を説明するが本発明はこれに限定されるものではない。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがあり、いずれの方法で製膜しても差し支えないが、ここでは乾式法を例にとって説明する。
乾式法で製膜する場合はポリマー溶液(C)を口金からドラム、エンドレスベルト、工程フィルム等の支持体上に流延して塗膜を形成し、続く乾燥工程でかかる膜層から溶媒(B)を揮発させ塗膜が自己保持性をもつまで乾燥する、その後熱処理を行い残存溶媒(B)の濃度を2質量%未満としたフィルムを得る。用いられるドラム、エンドレスベルト、工程フィルム等の表面はできるだけ平滑であれば、ゆらぎが少なくヘイズの低いフィルムが得られる。
ゆらぎを抑制するには流延後の塗膜が自己支持性を示すまでの間、塗膜の流動性が低い状態を維持し、乾燥風などによるフィルムの平面性の悪化を防止することが好ましい。このため、口金や配管を冷却し、流延するポリマー溶液(C)の温度を10℃〜25℃の範囲内とすることが好ましい。ポリマー溶液(C)の温度が10℃より低いと、ポリマー(A)の溶解性が悪く、溶解状態が不均一となることがあり、均一な流延ができなくなることがある。ポリマー溶液(C)の温度が25℃より高い場合、塗膜の流動性が高くなり、ゆらぎが生じやすくなる。ポリマー溶液(C)の温度はより好ましくは15℃〜25℃である。
また、製膜方向に垂直に生じるゆらぎ改善には溶液の送液量脈動、流延部の機械振動、支持体の速度ムラの抑制を行うことで塗膜の厚みムラを少なくすることも重要である。さらに、溶媒(B)の蒸発潜熱による結露によるフィルムのヘイズ上昇を防止するために、塗工部付近の湿度を低くすること、支持体の裏面から熱風、加熱ロール、ヒーター等により加熱することも有効である。この場合、熱風を局所的に当てると、支持体に振動が生じ、揺らぎの原因となるため、熱風を用いる場合は吹き出し口を大きく、風速を低くすることが好ましい。
続いて、乾燥工程で塗膜を基材上で自己支持性を示すまで乾燥する。ゆらぎ改善には乾燥工程で塗膜の流動性が低い状態を維持したまま自己支持性を示すまで乾燥させることが好ましい。溶媒の(B)の沸点をbp(℃)としたとき、(bp−50℃)〜(bp+20℃)の範囲で行うことが好ましい。乾燥工程の温度が低いと、自己支持性を示すまでの時間が長くなり、ゆらぎが大きくなることがある。高いと突沸発泡が生じ光学用フィルムとして使用できない場合がある。乾燥工程の温度は、より好ましくは(bp−30℃)〜(bp+10℃)、さらに好ましくは(bp−20℃)〜bpの範囲である。乾燥工程後のフィルム中の溶媒(B)濃度は10〜30質量%であることが好ましく、通常乾燥工程に要する時間は、1秒〜60秒程度である。効率よく溶媒(B)を除去するため、段階的に乾燥温度を上昇させることが好ましい。
次に、乾燥工程を終えたフィルムは熱処理工程を行いフィルム中の溶媒を揮発させる。ポリマー(A)のガラス転移温度をTgとすると、(Tg−50℃)〜(Tg+50℃)の温度範囲で熱処理を行うことが好ましい。熱処理の温度が低すぎると溶媒(B)の乾燥に時間がかかり生産性が悪化する。温度が高すぎると、フィルム中の残存溶媒(B)が揮発する際に発泡欠点を生じる場合がある。熱処理工程後のフィルム中の溶媒(B)濃度は2質量%未満であることが好ましく、通常熱処理に要する時間は5〜60分程度である。溶媒(B)濃度が2質量%以上であると、製品として使用したときに溶媒(B)が溶出する場合がある。フィルムの剛性が優れることから残存溶媒(B)はより好ましくは1質量%未満である。残存溶媒は少ないほど好ましいが、溶液製膜法で製造したフィルム中の溶媒を全て除去することは困難であり、現実的には0.001質量%程度が下限である。
得られたフィルムは、例えば工程フィルムを基材として製膜した場合は、積層したまま巻き取ってもよいし、乾燥工程の途中または最後で基材から剥離してもよい。基材から剥離する場合は、保護フィルムを積層して巻き取ると傷が抑制されるため好ましい。
得られたフィルムは、後工程で延伸、ハードコート層や反射防止層の積層などの処理を行ってもよい。
本発明の表示装置用フィルムは、厚み方向の位相差Rthが10nm以下である必要がある。このような厚み方向の位相差Rthを与えるポリマーであれば、ポリマーの限定は無いが、たとえばアクリル系ポリマーが例示でき、中でも下記構造式(a)〜(c)で表される構造単位のうち少なくとも1つ以上を含有するアクリル系ポリマーを用いると高い透明性、低複屈折性、低Rth、耐侯性、成形性といった光学用途に適した特性を持っており、表示装置用フィルムとして好適である。
Figure 2007178504
(上記式中、R、Rは、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基または、カルボキシル基、または炭素数2〜5のカルボキシアルキル基を表す。また、上記式中、X、Xは、同一または相異なるCHまたはC=Oを表す。Xは、O、またはNRを表す。Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基または、カルボキシル基、または炭素数2〜5のカルボキシアルキル基を表す。)
特に耐熱性の点から、R,Rは水素またはメチル基またはカルボキシメチル基が好ましく、とりわけメチル基が好ましく、X、Xは、C=Oが好ましい。また、透明性の観点からXは、Oが好ましい。
Figure 2007178504
(上記式中、R、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基または、カルボキシル基、または炭素数2〜5のカルボキシアルキル基を表す。)
特に耐熱性の点から、Rはメチル基が好ましい。
Figure 2007178504
(上記式中、Rは炭素数6〜15の脂環式構造を含有する置換基を表す。)
特に低吸湿性の点から、Rは下記構造式(e)、(f)で表される置換基であることが好ましい。
Figure 2007178504
Figure 2007178504
前記構造式(a)〜(c)の中でも、特に下記構造式(d)で表される環化構造を含有するアクリル系ポリマーを用いると、透明性、耐熱性、生産性に優れ、また、光学等方性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。
Figure 2007178504
(上記式中、R、Rは、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
特に耐熱性の点からは、R,Rは水素またはメチル基が好ましく、とりわけメチル基が好ましい。
次に、上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位を含有するアクリル系ポリマー(あ)の製造方法の例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、後の加熱工程により上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位を与える不飽和カルボン酸単量体(g)および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体(h)と、その他のビニル系単量体単位を含む場合には該単位を与えるビニル系単量体(i)とを重合させ、共重合体(ア)とした後、かかる共重合体(ア)を適当な触媒の存在下あるいは非存在下で加熱し、脱アルコールおよび/または脱水による分子内環化反応を行わせることにより製造することができる。この場合、典型的には共重合体(ア)を加熱することにより2単位の不飽和カルボン酸単位のカルボキシル基が脱水されて、あるいは隣接する不飽和カルボン酸単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からアルコールの脱離により1単位の前記グルタル酸無水物単位が生成される。この際用いられる不飽和カルボン酸単量体(g)としては、特に限定はなく、他のビニル化合物(i)と共重合させることが可能な、下記構造式(j)で表される不飽和カルボン酸単量体を使用することができる。
Figure 2007178504
(上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
特に、熱安定性が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種、または2種以上用いることができる。なお、上記構造式(j)で表される不飽和カルボン酸単量体(g)は共重合させた後、分子内環化反応を行わせることにより上記構造式(d)で表される構造の不飽和カルボン酸単位を与える。
また、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体(h)としては特に制限はないが、好ましい例として、下記構造式(k)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2007178504
(上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。R10は水素原子または炭素数1〜6の脂肪族、もしくは脂環式炭化水素基を示す。)
これらのうち、炭素数1〜6の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または置換基を有する該炭化水素基をもつアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルが熱安定性が優れる点で特に好適である。なお、上記構造式(k)で表される不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は、共重合させた後、分子内環化反応を行わせることにより上記構造式(d)で表される構造の不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を与える。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体(h)の好ましい具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルおよび(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどが挙げられ、中でもメタクリル酸メチルが最も好ましく用いられる。これらはその1種または2種以上を用いることができる。
また、本発明で用いるアクリル系ポリマー(あ)の製造においては、本発明の効果を損なわない範囲で、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミドなど、他のビニル系単量体(i)を用いてもかまわないが、透明性、複屈折、耐薬品性の点で芳香環を含まない単量体がより好ましく使用できる。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。
アクリル系ポリマー(あ)の重合方法については、基本的にはラジカル重合による、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の重合方法を用いることができるが、不純物がより少ない点で溶液重合、塊状重合、懸濁重合が特に好ましい。
重合温度については、特に制限はないが、色調の観点から、不飽和カルボン酸単量体および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を含む単量体混合物を95℃以下の重合温度で重合することが好ましい。また、重合温度の下限は、重合が進行する温度であれば、特に制限はないが、重合速度を考慮した生産性の面から、通常50℃以上である。重合収率あるいは重合速度を向上させる目的で、重合進行に従い重合温度を昇温することも可能である。また重合時間は、必要な重合度を得るのに十分な時間であれば特に制限はないが、生産効率の点から60〜360分間の範囲が好ましい。
本発明において、アクリル系ポリマー(あ)の製造時に用いられるこれらの単量体混合物の好ましい割合は、該単量体混合物を100質量部として、不飽和カルボン酸単量体(g)が5〜50質量部、より好ましくは9〜33質量部、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体(h)は好ましくは50〜95質量部、より好ましくは67〜91質量部、これらに共重合可能な他のビニル系単量体(i)を用いる場合、その好ましい割合は0〜5質量部であり、より好ましい割合は0〜3質量部である。
不飽和カルボン酸単量体量(g)が5質量部未満の場合には、共重合体(ア)の加熱などによる上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位の生成量が少なくなり、本発明のアクリル系フィルムの耐熱性向上効果が小さくなる傾向がある。一方、不飽和カルボン酸単量体量(g)が50質量部を超える場合には、共重合体(ア)の加熱による環化反応後に、不飽和カルボン酸単位が多量に残存する傾向があり、無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。
また、本発明のアクリル系フィルムに使用するアクリル系ポリマー(あ)は、質量平均分子量が8万〜15万であることが好ましい。このような分子量を有するアクリル系ポリマー(あ)は、共重合体(ア)の製造時に、共重合体(ア)を所望の分子量、すなわち質量平均分子量で5万〜15万に予め制御しておくことにより、達成することができる。質量平均分子量が、15万を越える場合、後工程の環化時に着色する傾向が見られる。一方、質量平均分子量が、5万未満の場合、アクリル系フィルムの機械的強度が低下する傾向見られる。
本発明に好ましく用いられるアクリル系ポリマー(あ)の製造に用いる共重合体(ア)を加熱し、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールにより分子内環化反応を行いグルタル酸無水物単位を含有する熱可塑性重合体を製造する方法としては、特に制限はないが、ベントを有する加熱した押出機に通して製造する方法や不活性ガス雰囲気または真空下で加熱脱気できる装置内で製造する方法が生産性の観点から好ましい。
なお、環化時の温度は、(イ)脱水および/または(ロ)脱アルコールにより分子内環化反応が生じる温度であれば特に限定されないが、好ましくは180〜300℃の範囲、特に200〜280℃の範囲が好ましい。
また、この際の環化時間も特に限定されず、所望する共重合組成に応じて適宜設定可能であるが、通常、1分間〜60分間、好ましくは2分間〜30分間、とりわけ3〜20分間の範囲が好ましい。特に、押出機を用いて、十分な分子内環化反応を進行させるための加熱時間を確保するため、押出機スクリューの長さ/直径比(L/D)が40以上であることが好ましい。L/Dの短い押出機を使用した場合、未反応の不飽和カルボン酸単位が多量に残存するため、加熱成形加工時に反応が再進行し、成形品にシルバーや気泡が見られる傾向や成形滞留時に色調が大幅に悪化する傾向がある。
さらに本発明では、共重合体(ア)を上記方法等により加熱する際にグルタル酸無水物への環化反応を促進させる触媒として、酸、アルカリ、塩化合物の1種以上を添加することができる。その添加量は特に制限はなく、共重合体(ア)100質量部に対し、0.01〜1質量部程度が適当である。
アクリル系ポリマー(あ)は、ガラス転移温度(Tg)が120℃以上であることが耐熱性の面で好ましい。ガラス転移温度を上げる方法としては、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(あ)中の、例えば、前記構造式(d)で表される様な環化構造単位の含有量を増やすことが効果的である。また、得られたフィルムを延伸により配向させることも有効である。
本発明のアクリル系ポリマー(あ)としては、上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からなる共重合体を好ましく使用することができる。不飽和カルボン酸アルキルエステル単位とグルタル酸無水物単位の含有量は、特に制限はないが、耐熱性が向上することから、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位とグルタル酸無水物単位の合計を100質量部としたときに、好ましくは不飽和カルボン酸アルキルエステル単位50〜90質量部およびグルタル酸無水物単位10〜50質量部からなり、より好ましくは、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位55〜80質量部およびグルタル酸無水物単位20〜45質量部からなる。グルタル酸無水物単位が10質量部未満である場合、耐熱性向上効果が小さくなるだけでなく、十分な低複屈折性(光学等方性)や耐薬品性が得られない傾向がある。
また、本発明のアクリル系ポリマー(あ)における各成分単位の定量には、一般に赤外分光光度計やプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機が用いられる。赤外分光法では、グルタル酸無水物単位は、1800cm−1及び1760cm−1の吸収が特徴的であり、不飽和カルボン酸単位や不飽和カルボン酸アルキルエステル単位から区別することができる。また、1H−NMR法では、例えば、グルタル酸無水物単位、メタクリル酸、メタクリル酸メチルからなる共重合体の場合、ジメチルスルホキシド重溶媒中でのスペクトルの帰属を、0.5〜1.5ppmのピークがメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびグルタル酸無水物環化合物のα−メチル基の水素、1.6〜2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(−COOCH)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素と、スペクトルの積分比から共重合体組成を決定することができる。また、上記に加えて、他の共重合成分としてスチレンを含有する共重合体の場合、6.5〜7.5ppmにスチレンの芳香族環の水素が見られ、同様にスペクトル比から共重合体組成を決定することができる。
また、本発明のアクリル系ポリマー(あ)は、アクリル系ポリマー(あ)中に他の不飽和カルボン酸単位および/または、共重合可能な他のビニル系単量体単位を含有することができる。
上記の熱可塑性重合体100質量部中に含有される他の不飽和カルボン酸単位量は10質量部以下、すなわち0〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量部、最も好ましくは0〜1質量部である。不飽和カルボン酸単位が10質量部を超える場合には、無色透明性、滞留安定性が低下する傾向がある。
また、共重合可能な他のビニル系単量体単位量は上記熱可塑性重合体100質量部中、5質量部以下、すなわち0〜5質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0〜3質量部である。特に、スチレンなどの芳香族ビニル系単量体単位を含有する場合、含有量が上記範囲を超えると、無色透明性、光学等方性、耐薬品性が低下する傾向がある。
本発明においては、上記のアクリル系ポリマー(あ)に弾性体粒子(い)を分散せしめることにより、アクリル系ポリマー(あ)の優れた特性を大きく損なうことなく伸度や靭性が向上し優れた加工性を付与することができる。弾性体粒子(い)としては、1以上のゴム質重合体を含む層と、それとは異種の重合体から構成される1以上の層から構成される、いわゆるコアシェル型と呼ばれる多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)や、ゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量体などからなる単量体混合物を共重合せしめたグラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)等が好ましく使用することができ、より好ましくは多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)である。
本発明に使用されるコアシェル型の多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)としては、これを構成する層の数は、特に限定されるものではなく、2層以上であればよく、3層以上または4層以上であってもよいが、内部に少なくとも1層以上のゴム質重合体よりなるゴム弾性体層を有する多層構造重合体であることが必要である。
本発明の多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)において、ゴム弾性体層の種類は、特に限定されるものではなく、ゴム弾性を有する重合体成分から構成されるものであればよい。例えば、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分またはエチレン成分、プロピレン成分、イソブテン成分などを重合させたものから構成されるゴムが挙げられる。好ましいゴム弾性体としては、例えば、アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分、スチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分、アクリロニトリル単位やメタクリロニトリル単位などのニトリル成分およびブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分から構成されるゴム弾性体である。また、これらの成分を2種以上組み合わせたものから構成されるゴム弾性体も好ましく、例えば、(1)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分から構成されるゴム弾性体、(2)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分から構成されるゴム弾性体、(3)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分から構成されるゴム弾性体、および(4)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分から構成されるゴム弾性体などが挙げられる。また、これらの成分の他に、ジビニルベンゼン単位、アリルアクリレート単位およびブチレングリコールジアクリレート単位などの架橋性成分から構成される共重合体を架橋させたゴム弾性体も好ましい。
本発明の多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)において、ゴム弾性体層以外の層の種類は、熱可塑性を有する重合体成分から構成されるものであれば特に限定されるものではないが、ゴム弾性体層よりもガラス転移温度が高い重合体成分であることが好ましい。熱可塑性を有する重合体としては、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和カルボン酸系単位、不飽和グリシジル基含有単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位およびその他のビニル系単位などから選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体が挙げられ、中でも、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和グリシジル基含有単位および不飽和ジカルボン酸無水物系単位から選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体が好ましく、さらには不飽和グリシジル基含有単位および不飽和ジカルボン酸無水物系単位から選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体がより好ましい。
上記不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位の原料となる単量体としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく使用される。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチルおよびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、(メタ)アクリル酸メチルが好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
上記不飽和カルボン酸単量体としては特に制限はなく、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びさらには無水マレイン酸の加水分解物などが挙げられるが、特に熱安定性が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種または2種以上用いることができる。
上記不飽和グリシジル基含有単位の原料となる単量体としては、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテルおよび4−グリシジルスチレンなどが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
上記不飽和ジカルボン酸無水物系単位の原料となる単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸および無水アコニット酸などが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、無水マレイン酸が好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
また、上記脂肪族ビニル系単位の原料となる単量体としては、エチレン、プロピレンおよびブタジエンなどを、上記芳香族ビニル系単位の原料となる単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンおよびハロゲン化スチレンなどを、上記シアン化ビニル系単位の原料となる単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリルなどを、上記マレイミド系単位の原料となる単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドおよびN−(クロロフェニル)マレイミドなどを、上記不飽和ジカルボン酸系単位の原料となる単量体としては、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸およびフタル酸などを、上記その他のビニル系単位の原料となる単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンおよび2−スチリル−オキサゾリンなどを、それぞれ挙げることができ、これらの単量体は単独ないし2種以上を用いることができる。
本発明のゴム質重合体を含有する多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)において、最外層の種類は、特に限定されるものではなく、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和カルボン酸系単位、不飽和グリシジル基含有単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位およびその他のビニル系単位などを含有する重合体などから選ばれた少なくとも1種が挙げられ、中でも、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和カルボン酸系単位、不飽和グリシジル基含有単位および不飽和ジカルボン酸無水物系単位を含有する重合体から選ばれた少なくとも1種が好ましく、さらには不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和カルボン酸系単位を含有する重合体がより好ましい。
さらに、上記の多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)における最外層が不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位および不飽和カルボン酸系単位を含有する重合体である場合、加熱することにより、前述した本発明のアクリル系ポリマー(あ)の製造時と同様に、分子内環化反応が進行し、上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位が生成することを見出した。従って、最外層に不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位および不飽和カルボン酸系単位を含有する重合体を有する多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)をアクリル系ポリマー(あ)に配合し、適当な条件で、加熱溶融混練することにより、連続相(マトリックス相)となるアクリル系ポリマー(あ)中に、最外層に上記構造式化10で表されるグルタル酸無水物単位を含有してなる重合体を有する多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)が分散することにより、凝集することなく、良好な分散状態が可能となり、耐衝撃性等の機械特性向上とともに、極めて高度な透明性が発現しうるものと考えられる。
ここでいう不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位の原料となる単量体としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、さらには(メタ)アクリル酸メチルがより好ましく使用される。
また、不飽和カルボン酸系単位の原料となる単量体としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸が好ましく、さらにはメタクリル酸がより好ましく使用される。
本発明の多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)の好ましい例としては、コア層がアクリル酸ブチル/スチレン重合体で、最外層がメタクリル酸メチル/上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位からなる共重合体、またはメタクリル酸メチル/上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位/メタクリル酸重合体であるもの、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体であるもの、コア層がブタンジエン/スチレン重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体であるもの、およびコア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体であるものなどが挙げられる(“/”は共重合を示す)。さらに、ゴム弾性体層または最外層のいずれか一つもしくは両方の層がメタクリル酸グリシジル単位を含有する重合体であるものも好ましい例として挙げられる。中でも、コア層がアクリル酸ブチル/スチレン重合体で、最外層がメタクリル酸メチル/上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位からなる共重合体、またはメタクリル酸メチル/上記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位/メタクリル酸重合体であるものが、連続相(マトリックス相)であるアクリル系ポリマー(あ)との屈折率を近似させること、およびポリマー組成物中での良好な分散状態を得ることが可能となり、近年より高度化する要求を満足しうる透明性が発現するため、好ましく使用することができる。
本発明に好ましく用いられる多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)の粒子径については、特に限定されるものではないが、10nm以上、1000μm以下であることが好ましく、さらに、20nm以上、100μm以下であることがより好ましく、特に50nm以上、400nm以下であることが最も好ましい。
本発明に好ましく用いられる多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)において、コアとシェルの質量比は、特に限定されるものではないが、多層構造重合体全体を100質量部としたときに、コア層が50質量部以上、90質量部以下であることが好ましく、さらに、60質量部以上、80質量部以下であることがより好ましい。
本発明に好ましく用いられる多層構造重合体としては、上述した条件を満たす市販品を用いてもよい。
このような多層構造重合体の市販品の例としては、例えば、三菱レイヨン社製”メタブレン”(登録商標)、鐘淵化学工業社製”カネエース”(登録商標)、呉羽化学工業社製”パラロイド”(登録商標)、ロームアンドハース社製”アクリロイド”(登録商標)、ガンツ化成工業社製”スタフィロイド”(登録商標)およびクラレ社製”パラペット(登録商標)SA”などが挙げられ、これらは、単独ないし2種以上を用いることができる。
また、本発明に好ましく用いられる弾性体粒子(い)として好適に使用されるグラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)の具体例としては、ゴム質重合体の存在下に、不飽和カルボン酸エステル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、芳香族ビニル系単量体、および必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物を共重合せしめたグラフト共重合体が挙げられる。
グラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)に用いられるゴム質重合体には特に制限はないが、ジエン系ゴム、アクリル系ゴムおよびエチレン系ゴムなどが使用できる。具体例としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体、エチレン−イソプレン共重合体、およびエチレン−アクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種または2種以上の混合物で使用することが可能である。
本発明におけるグラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)を構成するゴム質重合体の質量平均粒子径には特に制限はないが、0.01〜0.5μm、特に0.05〜0.4μmの範囲が好ましい。上記の範囲未満では得られる熱可塑性組成物の衝撃強度が低下する傾向を生じ、上記の範囲を越えると透明性が低下する場合がある。なお、ゴム質重合体の質量平均粒子径は「Rubber Age, Vol.88,p.484-490 (1960), by E.Schmidt, P.H.Biddison」に記載のアルギン酸ナトリウム法、つまりアルギン酸ナトリウムの濃度によりクリーム化するポリブタジエン粒子径が異なることを利用して、クリーム化した質量割合とアルギン酸ナトリウム濃度の累積質量分率より累積質量分率50%の粒子径を求める方法により測定することができる。
本発明におけるグラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)は、該粒子を100質量部としたときに、ゴム質重合体10〜80質量部、好ましくは20〜70質量部、より好ましくは30〜60質量部の存在下に、上記の単量体(混合物)20〜90質量部、好ましくは30〜80質量部、より好ましくは40〜70質量部を共重合することによって得られる。ゴム質重合体の割合が上記の範囲未満、または上記の範囲を越える場合には、衝撃強度や表面外観が低下する場合がある。
なお、グラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)は、ゴム質重合体に単量体混合物をグラフト共重合させる際に生成するグラフトしていない共重合体を含んでいてもよい。ただし、衝撃強度の観点からは、グラフト率は10〜100%であることが好ましい。ここで、グラフト率とは、ゴム質重合体に対するグラフトした単量体混合物の質量割合である。また、グラフトしていない共重合体のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度には特に制限はないが、0.1〜0.6dl/gのものが、衝撃強度と成形加工性とのバランスの観点から好ましく用いられる。
本発明におけるグラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度には、特に制限はないが、0.2〜1.0dl/gのものが、衝撃強度と成形加工性とのバランスの観点から好ましく用いられ、より好ましくは0.3〜0.7dl/gのものである。
本発明におけるグラフト共重合体である弾性体粒子(い−2)の製造方法には、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合および乳化重合などの重合法により得ることができる。
また、アクリル系ポリマー(あ)および弾性体粒子(い)のそれぞれの屈折率が近似している場合、本発明のアクリル系フィルムの透明性を得ることができるため、好ましい。具体的には、弾性体粒子(い)とアクリル系ポリマー(あ)の屈折率差が0.05以下であることが好ましく、より好ましくは0.02以下、とりわけ0.01以下であることが好ましい。このような屈折率条件を満たすためには、アクリル系ポリマー(あ)の各単量体単位組成比を調整する方法、および/または弾性体粒子(い)に使用されるゴム質重合体あるいは単量体の組成比を調製する方法などにより、屈折率差を小さくすることができ、透明性に優れたアクリル系フィルムを得ることができる。
尚、ここで言う屈折率差とは、アクリル系ポリマー(あ)が可溶な溶媒に、本発明のアクリル系フィルムを適当な条件で十分に溶解させ白濁溶液とし、これを遠心分離等の操作により、溶媒可溶部分と不溶部分に分離し、この可溶部分(アクリル系ポリマー(あ))と不溶部分(弾性体粒子(い))をそれぞれ精製した後、測定した屈折率(23℃、測定波長:550nm)の差を示す。
アクリル弾性体粒子(い)の平均粒子径としては、10〜1000nmとすることが好ましく、より好ましくは100〜200nmである。10nm以上とすることで靱性向上の実効を得ることができ、1000nm以下とすることで、耐熱性の低下を抑えることができる。
弾性体粒子(い)のアクリル系フィルムに対する含有量としては、0.1〜50重量部とすることが好ましく、より好ましくは5wt%〜20wt%である。弾性体粒子の含有量を上記範囲にすることにより、耐折れ性などの加工適性と耐熱性が特に優れたアクリル系フィルムを得ることが出来る。
また、実質的なアクリル系フィルム中でのアクリル系ポリマー(あ)と弾性体粒子(い)の共重合組成は、上記の溶媒による可溶成分と不溶成分の分離操作により、各成分を個別に分析可能である。
また、本発明のアクリル系フィルムには本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)、熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)の一種以上をさらに含有させることができ、また、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、およびシアノアクリレート系の紫外線吸収剤および酸化防止剤、高級脂肪酸や酸エステル系および酸アミド系、さらに高級アルコールなどの滑剤および可塑剤、モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびエチレンワックスなどの離型剤、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、ハロゲン系難燃剤、リン系やシリコーン系の非ハロゲン系難燃剤、核剤、アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系などの帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を任意に含有させてもよい。ただし、適用する用途が要求する特性に照らし、その添加剤保有の色が熱可塑性重合体に悪影響を及ぼさず、かつ透明性が低下しない範囲で添加する必要がある。
本発明においてアクリル系ポリマー(あ)に弾性体粒子(い)あるいはその他の添加剤などの任意成分を配合する方法には、特に制限はなく、アクリル系ポリマー(あ)とその他の任意成分を予めブレンドした後、通常200〜350℃において、一軸または二軸押出機により均一に溶融混練する方法が好ましく用いられる。また、弾性体粒子(い)を配合する場合には、(あ)、(い)成分の両者を溶解する溶媒の溶液中で混合した後に溶媒を除く方法を用いることができる。
本発明の表示装置用フィルムは、透明性に優れるため、例えば、各種カバー、各種端子板、プリント配線板、スピーカー、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、また、映像機器関連部品としてカメラ、VTR、プロジェクションTV等のファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズ等、光記録・光通信関連部品として各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)基板保護フィルム、光スイッチ、光コネクター等、情報機器関連部品として、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、タッチパネル用導電フィルム、カバー等、に用いることができるが、特に光学等方性に優れるため、基板フィルムや、偏光子保護フィルムとして極めて有用である。
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものでは無い。
[物性の測定方法]
各実施例の記述に先立ち、実施例で採用した測定方法を記載する。
1.厚み変動
厚み変動は、アンリツ株式会社性フィルムシックネステスタ「KG601A」および電子マイクロメータ「K306C」を用いて測定した。フィルムの搬送速度0.3m/分、サンプリング間隔0.1秒として測定を行い、300mm区間にわたって0.25mmおきに厚みデータをサンプリングした。任意の5mm区間中の厚みの最小値と最大値の差を厚み変動ΔD(μm)としたとき、測定した300mm区間内で最大のΔD(μm)をΔDmaxとした。
2.厚み方向の位相差Rth
厚み方向の位相差Rthは、王子計測(株)製の自動服屈折計(KOBRA−21ADH)を用い、波長590nmに対する樹脂フィルム面内の直行軸方向の屈折率、nx、ny(ただしnx≧ny)、波長590nmの光線に対する樹脂フィルムの厚み方向の屈折率nzを測定し、樹脂フィルムの厚みd(nm)とした時に下記式から求めた。測定は1回行った。
・厚み方向の位相差Rth=d×{(nx+ny)/2−nz}。
3.ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。サンプル量は5mgとした。
尚、ここでいうガラス転移温度とは、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、昇温速度20℃/分で測定し、JIS K7121(1987)に従い、求めた中間点ガラス転移温度(Tmg)である。
4.溶液粘度
東機産業(株)製RBタイプR80U型粘度計を用いて測定した。測定温度25℃、回転速度100rpm、STロータを用いて測定を行った値である。
5.屈折率、屈折率差
ポリマー(A)にアセトンを加え、4時間還流し、この溶液を9,000rpmで30分間遠心分離により、アセトン可溶分((あ)成分)と不溶分((い)成分)に分離した。これらを60℃で5時間減圧乾燥した。得られたそれぞれの固形物を250℃でプレス成形し、厚さ0.1mmのフィルムとした後、アッベ屈折計(株式会社アタゴ製、DR−M2)によって、23℃、550nm波長における屈折率を測定した。尚、(あ)成分と(い)成分の屈折率差については、その絶対値を用いた。
6.質量平均分子量(絶対分子量)
ジメチルホルムアミドを溶媒として、DAWN−DSP型多角度光散乱光度計(Wyatt Technology社製)を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフ(ポンプ:515型,Waters社製、カラム:TSK−gel−GMHXL,東ソー社製)を用いて測定した。
7.平均粒子径
フィルムを厚さ方向に100〜800nm程度の超薄切片とし、ルテニウム酸で染色した後に透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM-1200EX)を用いて、10万倍の倍率で場所を変えながら100個の粒子について円相当径を求め、平均値を平均粒子径とした。なお、コア・シェル型やグラフト共重合型の弾性体粒子(い)においては、ゴム質重合体部分の粒子径を測定した。
8.残存溶媒
製膜直後のフィルムを20cm四方でサンプリングし、フィルム重量wを秤量した。次にこのフィルムを温度200℃の熱風オーブン中で10分間熱処理した後、フィルム重量wを秤量し、以下の式からフィルム中の残存溶媒を求めた。なお、測定は2回行い平均値を求めた。
・残存溶媒(%)=(w−w)/w×100。
9.ゆらぎ評価
白色スクリーンの正面から1mの位置より投光器を用いて光を照射する。その直線上にスクリーンから15cmの位置にスクリーンの面に対して45°傾けたフィルムをおいた時の白色スクリーンに投影された陰影を目視で評価した。
A…投影像に縞模様が観察されない。
B…投影像にわずかに縞模様が観察されるが非常にコントラストが弱い。
C…投影像にはっきり縞模様が観察される。
D…投影像の縞模様が非常に顕著に見え、はっきりした周期が観察される。
(1)アクリル系ポリマーの調製
アクリル系ポリマー(あ−1)
先ず、メタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体系懸濁剤を、次の様にして調整した。
メタクリル酸メチル20質量部、
アクリルアミド80質量部、
過硫酸カリウム0.3質量部、
イオン交換水1500質量部
を反応器中に仕込み、反応器中を窒素ガスで置換しながら、単量体が完全に重合体に転化するまで、70℃に保ち反応を進行させた。得られた水溶液を懸濁剤とした。容量が5リットルで、バッフルおよびファウドラ型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、上記懸濁剤0.05質量部をイオン交換水165質量部に溶解した溶液を供給し、系内を窒素ガスで置換しながら400rpmで撹拌した。
次に、下記仕込み組成の混合物質を、反応系を撹拌しながら添加した。
メタクリル酸 :27質量部
メタクリル酸メチル :73質量部
t−ドデシルメルカプタン :1.2質量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:0.4質量部
添加後、70℃まで昇温し、内温が70℃に達した時点を重合開始時点として、180分間保ち、重合を進行させた。
その後、通常の方法に従い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体を得た。この共重合体の重合率は97%であり、質量平均分子量は13万であった。上記共重合体に添加剤(NaOCH)を0.2質量%配合し、2軸押出機(TEX30(日本製鋼社製、L/D=44.5)を用いて、ホッパー部より窒素を10L/分の量でパージしながら、スクリュー回転数100rpm、原料供給量5kg/h、シリンダ温度290℃で分子内環化反応を行い、ペレット状のアクリル系ポリマー(あ−1)を得た。アクリル系ポリマー(あ−1)の分子量は13万、Tgは140℃であった。
(2)弾性体粒子の調製
多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)
冷却器付きのガラス容器(容量5リットル)内に、初期調整溶液として、
脱イオン水120質量部、
炭酸カリウム0.5質量部、
スルホコハク酸ジオクチル0.5質量部、
過硫酸カリウム0.005質量部
を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌後、
アクリル酸ブチル53質量部、
スチレン17質量部、
メタクリル酸アリル(架橋剤)1質量部
を仕込んだ。これら混合物を70℃で30分間反応させて、ゴム質重合体を得た。
次いで、メタクリル酸メチル21質量部、
メタクリル酸9質量部、
過硫酸カリウム0.005質量部
の混合物を引き続き70℃で90分かけて連続的に添加し、更に90分間保持して、シェル層を重合させた。
この重合体ラテックスを硫酸で凝固し、苛性ソ−ダで中和した後、洗浄、濾過、乾燥して、多層構造重合体である弾性体粒子(い−1)を得た。電子顕微鏡で測定した弾性体粒子のゴム質重合体部分の平均粒子径は140nmであった。
(3)アクリル系ポリマー(あ)と弾性体粒子(い)との配合
アクリル系ポリマー(あ)80質量部と弾性体粒子(い)20質量部とを配合し、2軸押出機(日本製鋼社製TEX30、L/D=44.5)を用いて、スクリュー回転数150rpm、シリンダ温度280℃で混練し、ペレット状のアクリル系ポリマー組成物(う)を得た。ポリマーのTgは137℃であった。
(実施例1)
アクリル系ポリマー組成物(う)を80℃で8時間真空乾燥した後、アセトンに固形分濃度33質量%となるように溶解させ、1.2μmカットフィルターを用いて濾過を行い、ホッパーにて24時間静置して溶液中の泡を除去してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の25℃における粘度は8Pa・sであった。このポリマー溶液を22℃で、ギアポンプを用い、リップ間隙0.2mm、幅1360mmのTダイを通じて、離型処理を施したPETフィルム上に流延した。その後、60℃、70℃、90℃、100℃、120℃の乾燥を段階的に各1分行い、さらに130℃の熱処理を3分、170℃の熱処理を10分行い、厚み30μmのアクリル系フィルムを得た。厚み変動は0.2μmと小さく、またRthも1nmと小さいフィルムであった。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例2)
アクリル系ポリマー組成物(う)を80℃で8時間真空乾燥した後、2−ブタノンに固形分濃度28質量%となるように溶解させ、1.2μmカットフィルターを用いて濾過を行い、ホッパーにて24時間静置して溶液中の泡を除去してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の25℃における粘度は7Pa・sであった。このポリマー溶液を22℃で、ギアポンプを用い、リップ間隙0.2mm、幅1360mmのTダイを通じて、離型処理を施したPETフィルム上に流延した。その後、60℃、70℃、90℃、100℃、120℃の乾燥を段階的に各1分行い、さらに130℃の熱処理を3分、170℃の熱処理を10分行い、厚み30μmのアクリル系フィルムを得た。実施例1に比べ、溶媒の沸点がやや高いため、厚み変動が若干大きくなりゆらぎ評価がBとなった。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例3)
アクリル系ポリマー(あ)を80℃で8時間真空乾燥した後、アセトンに固形分濃度33質量%となるように溶解させ、1.2μmカットフィルターを用いて濾過を行い、ホッパーにて24時間静置して溶液中の泡を除去してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の25℃における粘度は8Pa・sであった。このポリマー溶液を22℃で、ギアポンプを用い、リップ間隙0.2mm、幅1360mmのTダイを通じて、離型処理を施したPETフィルム上に流延した。その後、40℃、60℃、80℃、100℃、120℃の乾燥を段階的に各1分行い、さらに130℃の熱処理を3分、170℃の熱処理を10分行い、厚み30μmのアクリル系フィルムを得た。厚み変動は0.2μmと小さく、またRthも1nmと小さいフィルムであった。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例1)
アクリル系ポリマー組成物(う)を80℃で8時間真空乾燥した後、2−ブタノンに固形分濃度25質量%となるように溶解させ、1.2μmカットフィルターを用いて濾過を行い、ホッパーにて24時間静置して溶液中の泡を除去してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の25℃における粘度は4Pa・sであった。このポリマー溶液を22℃で、ギアポンプを用い、リップ間隙0.2mm、幅1360mmのTダイを通じて、離型処理を施したPETフィルム上に流延した。その後、60℃、70℃、80℃、100℃、120℃の乾燥を段階的に各1分行い、さらに130℃の熱処理を3分、170℃の熱処理を10分行い、厚み30μmのアクリル系フィルムを得た。得られたフィルムはポリマー溶液の粘度が低いため厚み変動が0.6μmと大きく、ゆらぎ評価が悪くなった。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例2)
アクリル系ポリマー組成物(う)を80℃で8時間真空乾燥した後、ジクロロメタンに固形分濃度15質量%となるように溶解させ、1.2μmカットフィルターを用いて濾過を行い、ホッパーにて24時間静置して溶液中の泡を除去してポリマー溶を得た。このポリマー溶液の25℃における粘度は1Pa・sであった。このポリマー溶液を22℃で、ギアポンプを用い、リップ間隙0.6mm、幅1360mmのTダイを通じて、離型処理を施したPETフィルム上に流延した。その後、40℃、60℃、80℃、100℃、120℃の乾燥を段階的に各1分行い、さらに130℃の熱処理を3分、170℃の熱処理を10分行い、厚み40μmのアクリル系フィルムを得た。得られたフィルムはポリマー溶液の粘度が低いため厚み変動が0.8μmと大きくゆらぎ評価が悪くなった。また、溶媒のジクロロメタンが蒸発するとき結露が生じフィルムが白化した。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例3)
アクリル系ポリマー組成物(う)を80℃で8時間真空乾燥した後、ジクロロメタンに固形分濃度45質量%となるように溶解させ、1.2μmカットフィルターを用いて濾過を行い、ホッパーにて24時間静置して溶液中の泡を除去してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の25℃における粘度は620Pa・sであった。このポリマー溶液を22℃で、ギアポンプを用い、リップ間隙0.1mm、幅1360mmのTダイを通じて、離型処理を施したPETフィルム上に流延した。溶液の粘度が高く、口金からの押出ができず製膜できなかった。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例4)
ダイセル(株)製TAC“LT−35”を用い、ジクロロメタン80重量部、メタノール20重量部に混合した溶媒に、固形分濃度10質量%となるように溶解させ1.2μmカットフィルターを用いて濾過を行い、ホッパーにて24時間静置して溶液中の泡を除去してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の25℃における粘度は5Pa・sであった。このポリマー溶液を22℃で、ギアポンプを用い、リップ間隙0.6mm、幅1360mmのTダイを通じて、PETフィルム上に流延した。その後、30℃、40℃、60℃、の乾燥を段階的に各1分行い、さらに80℃の熱処理を3分、120℃の熱処理を10分行い、厚み40μmのセルロース系フィルムを得た。得られたフィルムはポリマー溶液の粘度が低いため厚み変動が0.6μmと大きくゆらぎ評価が悪くなった。また、ポリマーが厚み方向の位相差が持つためRthが45.6nmと大きいフィルムとなった。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2007178504
実施例1〜4の表示装置用フィルムは厚み変動が0.5μm以下でゆらぎが少なく、またRthの低い光学品位に優れたフィルムであった。比較例1,2,4のフィルムは厚み変動が0.5μmより大きくてゆらぎが大きく、さらに比較例4のフィルムはRthも高い光学品位に劣るフィルムであった。

Claims (13)

  1. 溶液製膜法で製膜されたフィルムであって、該フィルムを300mm区間にわたって0.25mmおきに厚みデータをサンプリングしたとき、任意の5mm区間中の厚み変動が0.5μm以下であり、かつ、厚み方向の位相差Rthが10nm以下である表示装置用フィルム。
  2. 前記表示装置用フィルムにおいて、その厚みが15μm以上100μm以下であり、かつガラス転移温度が120℃以上である請求項1に記載の表示装置用フィルム。
  3. 前記表示装置用フィルムがアクリル系ポリマーで構成されたものである請求項1又は2に記載の表示装置用フィルム。
  4. 前記表示装置用フィルムを構成するアクリル系ポリマーが、下記構造式(a)〜(c)3で表される構造単位のうち少なくとも1つ以上を含有するアクリル系ポリマー(あ)からなる、請求項3に記載の表示装置用フィルム。
    Figure 2007178504
    (上記式中、R、Rは、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基または、カルボキシル基、または炭素数2〜5のカルボキシアルキル基を表す。また、上記式中、X、Xは、同一又は相異なるCHまたはC=Oを表す。Xは、O,またはNRを表す。Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基または、カルボキシル基、または炭素数2〜5のカルボキシアルキル基を表す。)
    Figure 2007178504
    (上記式中、Rは、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基または、カルボキシル基、または炭素数2〜5のカルボキシアルキル基を表す。)
    Figure 2007178504
    (上記式中、Rは炭素数6〜15の脂環式構造を含有する置換基を表す。)
  5. 前記アクリル系ポリマーが、下記構造式(d)で表されるグルタル酸無水物単位を含有するアクリル系ポリマー(あ)からなるものである、請求項3又は4に記載の表示装置用フィルム。
    Figure 2007178504
    (上記式中、R、Rは、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  6. 前記アクリル系ポリマー(あ)が、アクリル系ポリマー(あ)を100質量部としたとき、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位50〜90質量部およびグルタル酸無水物単位10〜50質量部からなる請求項4又は5に記載の表示装置用フィルム。
  7. 前記アクリル系ポリマー(あ)が、粒子径が10nm以上1000nm以下であるアクリル弾性体粒子(い)を、アクリル系ポリマー(あ)100質量部に対し、5〜50質量部含有する、請求項4〜6のいずれかに記載の表示装置用フィルム。
  8. 前記アクリル弾性体粒子(い)が、1以上のゴム質重合体を含む層と、該ゴム質重合体以外の重合体から構成される1以上の層から構成される多層構造重合体である請求項7に記載の表示装置用フィルム。
  9. 前記アクリル弾性体粒子(い)と前記アクリル系ポリマー(あ)の屈折率差が0.05以下である請求項7又は8に記載の表示装置用フィルム。
  10. ポリマー(A)を溶媒(B)に溶解して調製したポリマー溶液(C)を用い、溶液製膜法でフィルムを製膜する方法において、該ポリマー(A)がアクリル系ポリマーであり、該ポリマー溶液(C)の25℃における溶液粘度が7Pa・s以上600Pa・s以下であり、かつ該溶媒(B)中の50重量%以上の溶媒成分の沸点が30℃以上80℃以下であることを特徴とする表示装置用フィルムの製膜方法。
  11. 前記溶媒(B)中の80重量%以上100重量%以下がアセトンおよび/又は2−ブタノンである請求項10に記載の表示装置用フィルムの製膜方法。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の表示装置用フィルム、または、請求項10若しくは11に記載の製造方法により得られた表示装置用フィルムを用いた液晶表示装置用フィルム。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の表示装置用フィルム、または、請求項10若しくは11に記載の製造方法により得られた表示装置用フィルムを用いた偏光子用保護フィルム。
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