本発明を更に詳しく説明する。
本発明で用いられるオニウム塩としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体が挙げられる。
これらオニウム塩は1種または2種以上を選択して使用することができる。本発明の活性光線硬化型組成物または活性光線硬化型インク組成物中のオニウム塩の含有量は、好ましくは0.2〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%である。
オニウム塩は、本発明の活性光線硬化型組成物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させてもさらなる硬化性向上効果はない。これらオニウム塩は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
本発明においては、活性光線照射によりベンゼンを発生しない、下記一般式〔2〕〜〔5〕で表されるスルホニウム塩が好適に用いられる。「活性光線照射によりベンゼンを発生しない」とは、実質的にベンゼンを発生しないことを指し、具体的には、活性光線硬化型組成物中にスルホニム塩(光酸発生剤)を5質量%含有した組成物を用いて厚さ15μm・約100m2の画像を作製し、組成物膜面を30℃に保った状態でスルホニム塩が十分分解する量の活性光線を照射した際に発生するベンゼンの量が、5μg以下の極微量あるいは皆無であることを指す。スルホニム塩としては、一般式〔2〕〜〔5〕で表されるスルホニウム塩化合物が好ましく、S+と結合するベンゼン環に置換基を持つものであれば、上記条件を満たす。
一般式〔2〕〜〔5〕において、R1〜R17はそれぞれ水素原子、または置換基を表し、R1〜R3、R4、R5、R8、R9、R12、R13、R16およびR17は水素原子を表すことはない。
R1〜R17で表される置換基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニル基、フェニルチオ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等を挙げることができる。
Xは、非求核性のアニオン残基を表し、例えば、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、B(C6F5)4、R18COO、R19SO3、SbF6、AsF6、PF6、BF4等を挙げることができる。ただし、R18及びR19は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等で置換されていもよいアルキル基もしくはフェニル基を表す。この中でも、安全性の観点から、B(C6F5)4、PF6が好ましい。
上記化合物は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Vol.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編,「イメージング用有機材料」,ぶんしん出版(1993年)に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
本発明においては、上記一般式〔2〕〜〔5〕で表されるスルホニウム塩が、下記一般式〔6〕〜〔14〕から選ばれるスルホニウム塩の少なくとも1種であることが特に好ましい。Xは非求核性のアニオン残基を表し、前述と同様である。
本発明の一般式〔1〕で表される化合物としては
1−(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、1−(2−ヒドロキシ−n−ブチル)アントラセン、2−(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2−(2−ヒドロキシ−n−ブチル)アントラセン、9−(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、9−(2−ヒドロキシ−n−ブチル)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−n−ブチル)アントラセン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、1,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、1,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、1,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、1,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、4,9,10−トリ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、8,9,10−トリ(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、9−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)アントラセン等のアントラセン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、2−(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、2−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)フルオレン、3−(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、4−(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、4−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)フルオレン、9−(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)フルオレン、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、1,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、2,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、3,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、4,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、2−(2−ヒドロキシフェニル−1−エチル)フルオレン等のフルオレン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)ピレン、1−(2−ヒドロキシ−n−ブチル)ピレン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピレン、4−(4−ヒドロキシエチル)ピレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)ピレン、1−(2−ヒドロキフェニルエチル)ピレン等のピレン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2−(2−ヒドロキシエチル)クリセン、3−(2−ヒドロキシエチル)クリセン、4−(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5−(2−ヒドロキシエチル)クリセン、6−(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,4−(ジヒドロキシエチル)クリセン、1,5−(ジヒドロキシエチル)クリセン、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、1,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、3,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、3,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、3,6−ジ(ヒドロキシメチル)クリセン、3,7−ジ(ヒドロキシメチルクリセン、3,8−ジヒドロキシエチルクリセン、3,9−ジヒドロキシエチル)クリセン、3,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、3,11−ジ(2−ヒドロキシエチルクリセン、3,12−ジ(2−ヒドロキシエチルクリセン、4,5−ジヒドロキシエチル)クリセン、4,6−ジヒドロキシエチル)クリセン、4,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、4,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、4,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、4,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、4,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、4,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、5,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、6,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、6,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、6,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、6,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、6,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、6,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)クリセン、2−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)クリセン等のクリセン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2−(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3−(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、4−(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、9−(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、1,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、3,10−ジヒ(2−ドロキシエチル)フェナントレン、4,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、4,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、4,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、4,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、4,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、4,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェナントレン、2−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)フェナントレン等のフェナントレン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2−(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、3−(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、1,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、1,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)アントラキノン、2−(2−ヒドロキシエチル−1−フェニル)アントラキノン等のアントラキノン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2−(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3−(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、1,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、3,12−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン、2,5,8,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)ペリレン等のペリレン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチルカルバゾール、2−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2−(2−ヒドロキシエチル−9−メチル)カルバゾール、3−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、4−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、9−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、3,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、3,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、3,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、3,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、3,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、3,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、4,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、4,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、4,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、4,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、4,9−ジ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,2,9−トリ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,3,9−トリ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、1,4,9−トリ(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール、2−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)カルバゾール、9−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)カルバゾール等のカルバゾール誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、2−(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、3−(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、4−(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、1−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、2−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、3−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、4−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、1,5−ジヒドロキシエチル)フェノチアジン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、4,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)フェノチアジン、1,3−ジ(2−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、1,5−ジ(2−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、2,8−ジ(2−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン、4,8−ジ(2−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン等のフェノチアジン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、2−(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、3−(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、4−(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、1,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、1,7−ジ(ヒドロキシメチル)チオキサントン、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、3,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、3,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、3,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、3,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、3,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、4,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、4,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、4,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン、4,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チオキサントン等のチオキサントン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2−(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、3−(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、4−(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、3,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、3,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、3,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、3,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、3,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、4,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、4,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、4,7−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、4,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2,4,7−トリ(2−ヒドロキシエチル)チアントレン、2−(2−ヒドロキシエチル−1−フェニル)チアントレン等のチアントレン誘導体。
2−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、2−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ベンズアントラセン、3−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、4−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、6−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、7−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、8−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、9−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、9−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ベンズアントラセン、10−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、11−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、2,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、2,8−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン、2,10−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンズアントラセン等のベンズアントラセン誘導体。
1−(2−ヒドロキシエチル)ナフタセン、1−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ナフタセン、2−(2−ヒドロキシエチル)ナフタセン、2−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ナフタセン、4−(2−ヒドロキシエチル)ナフタセン、4−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ナフタセン、5−(2−ヒドロキシエチル)ナフタセン、5−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ナフタセン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエチル)ナフタセン、1,4−ジ(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ナフタセン、1,11−ジ(2−ヒドロキシエチル)ナフタセン、1,11−ジ(4−ヒドロキシ−n−ブチル)ナフタセン等のナフタセン誘導体。
2−(2−ヒドロキシエチル)トリフェニレン、2−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)トリフェニレン、3−(2−ヒドロキシエチル)トリフェニレン、3−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)トリフェニレン、4−(2−ヒドロキシエチル)トリフェニレン、4−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)トリフェニレン等のトリフェニレン誘導体である。
上記化合物は、例えば以下の文献を参考に合成することができる。ブー−ホイ,N.P.とロング,C.T.;Rec.Trav.chim.1956,75,1221、バックリー,D.A.;トーマス,H.R.;Ger Offen.1975DE2,456,538号、同19,750,710号、米国出願番号73−428,929号、Chem.Abstr.1975,83,p192946w、特表2005−20728号公報。
本発明の一般式〔1〕の化合物は、本発明の光硬化性組成物または活性光線硬化型インク組成物中に好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜5質量%含まれる。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物としては、例えば、オキセタン環を有する化合物(以下、オキセタン化合物という)、オキシラン環を有する化合物(以下、オキシラン化合物という)が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物としてのオキセタン化合物は、分子内に1以上のオキセタン環を有する化合物である。具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成(株)製商品名OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等を好ましく用いることができ、特に、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルを好ましく用いることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のオキセタン化合物は、本発明の光硬化性組成物または活性光線硬化型インク組成物中に好ましくは5〜95質量%、より好ましくは20〜80質量%含まれる。
オキシラン化合物としては、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等のエポキシ化合物が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
本発明においてもっとも好ましい脂環式エポキシドとしては、たとえば、特開2004−315778号、特開2005−28632号公報に記載のものが挙げられる。
例示化合物を以下に記載する。
本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
これらオキシラン化合物は、本発明の光硬化性組成物または活性光線硬化型インク組成物中に好ましくは5〜95質量%、より好ましくは20〜80質量%含まれる。
本発明においてはカチオン重合性化合物としてさらに、ビニルエーテル化合物を併用することもできる。例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
本発明の活性光線硬化型インク組成物には顔料を用いることができる。有機顔料及び/または無機顔料等の種々のものが使用できる。具体的には、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトボン及び酸化アンチモン等の白色顔料、アニリンブラック、鉄黒及びカーボンブラック等の黒色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ハンザイエロー(100、50、30等)、チタンイエロー、ベンジンイエロー及びパーマネントイエロー等の黄色顔料、クロームバーミロオン、パーマネントオレンジ、バルカンファーストオレンジ及びインダンスレンブリリアントオレンジ等の橙色顔料、酸化鉄、パーマネントブラウン及びパラブラウン等の褐色顔料、ベンガラ、カドミウムレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、チオインジゴレッド、PVカーミン、モノライトファーストレッド及びキナクリドン系赤色顔料等の赤色顔料、コバルト紫、マンガン紫、ファーストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、インダンスレンブリリアントバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー及びインジゴ等の青色顔料、クロムグリーン、酸化クロム、エメラルドグリーン、ナフトールグリーン、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン及びポリクロルブロム銅フタロシアニン等の緑色顔料の他、各種螢光顔料、金属粉顔料、体質顔料等が挙げられる。
本発明において、顔料は十分な濃度及び十分な耐光性を得るため、活性光線硬化型インク組成物中に好ましくは、3〜50質量%、より好ましくは5〜20質量%の範囲で含まれる。
本発明の組成物には、上記成分の他、必要に応じて活性光線硬化型インク組成物中、50質量%までの量で以下の材料を加えることができる。
高分子バインダー、無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、粘着付与樹脂、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、染料、処理剤、粘度調節剤、有機溶剤、潤滑性付与剤及び紫外線遮断剤のような不活性成分を配合することができる。高分子バインダーとしては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類が好ましい。無機充填材の例としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化マグネシウム及び酸化マンガン等の金属/非金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化第一鉄及び水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウム等の塩類、二酸化ケイ素等のケイ素化合物、カオリン、ベントナイト、クレー及びタルク等の天然顔料、天然ゼオライト、大谷石、天然雲母及びアンモナイト等の鉱物類、人工雲母及び合成ゼオライト等の合成無機物、並びにアルミニウム、鉄及び亜鉛等の各種金属等が挙げられる。これらの中には、前記顔料と重複するものもあるが、これらは必要に応じて前記必須成分の顔料に加え、組成物に充填材として配合させることもできる。潤滑性付与剤は、得られる塗膜の潤滑性を向上させる目的で配合されるものであり、例えば、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリオレフィンワックス、動物系ワックス、植物系ワックス等のワックス類を挙げることができる。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン酸、重合ロジン酸及びロジン酸エステル等のロジン類、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族飽和炭化水素樹脂並びに石油樹脂等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物または活性光線硬化型インク組成物の調製は、これらを構成する材料を十分混合できれば特に混合方法に制限はない。具体的な混合方法としては、例えば、プロペラの回転に伴う撹拌力を利用する撹拌法、ロール練り混込み法及びサンドミル等の通常の分散機等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物または活性光線硬化型インク組成物を硬化させる活性光線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等があるが、集光性を必要とする場合はレーザ光線が特に好ましい。
本発明の光硬化性組成物または活性光線硬化型インク組成物においては、25℃における粘度が5〜500mPa・sであることが、硬化環境(温度・湿度)に関係なく、良好な硬化性を得るために好ましい。
本発明で用いることのできる好ましい記録材料としては、活性光線硬化型インク組成物が浸透する繊維質材料があげられる。具体的には、繊維質材料が、羊毛、絹、毛類、アルギナート繊維、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン又はポリウレタン繊維及びセルロース性繊維よりなる群から選ばれる。
合成繊維としては,ポリエステル繊維,ポリアミド繊維,ポリビニルアルコール繊維,ポリエチレン繊維,ポリプロピレン繊維,ポリアラミド繊維等の一般に市販されている合成繊維が挙げられる。合成繊維よりなる布帛としては、前記合成繊維を用いた織物,編物,不織布等がある。ターポリンは,布帛の表面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆されているもので,ラミネート法,コーティング法,パッディッング法,トッピング法あるいはこれらを組み合わせた方法により加工されたいずれでもよい。塩化ビニル樹脂は,ペーストレジンタイプおよびストレートレジンタイプのいずれをも用いることができる。塩化ビニル樹脂には,一般に配合される可塑剤,充填剤,耐寒剤,防炎剤,紫外線吸収剤の配合が可能である。
上記の繊維は、特に繊維工業において用いられている存在形態、例えば単繊維、糸、織物、編み物又はフェルトのような不織布のいずれでもよい。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
次に、本発明の画像形成方法のうち、活性光線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方式について説明する。
本発明の画像形成方法においては、上記の活性光線硬化型インク組成物をインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射して活性光線硬化型インク組成物を硬化させる方法が好ましい。
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄い材料である場合は、記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
活性光線硬化型インク組成物の吐出条件としては、記録ヘッド及び活性光線硬化型インク組成物を35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インク組成物は、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が2〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成出来る。
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることが出来る。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
本発明では、300〜360nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成出来、且つ、記録材料の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
次いで、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明に使用される記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも記録装置の一態様であり、本発明に使用される記録装置はこの図面に限定されない。
図1は本発明に使用される記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイトインク組成物(W)、イエローインク組成物(Y)、マゼンタインク組成物(M)、シアンインク組成物(C)、ブラックインク組成物(K)、ライトイエローインク組成物(Ly)、ライトマゼンタインク組成物(Lm)、ライトシアンインク組成物(Lc)、ライトブラックインク組成物(Lk)、ホワイトインク組成物(W)を含む10個の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により記録材料P上に吐出された活性光線硬化型インク(以下、単にインクともいう)は、紫外線の照射によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行な
え、好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
インク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することもあるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明の活性光線硬化型インク組成物は、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。複数のインクジェット記録ヘッド3は、それぞれ異なったカラーインク、即ち、ホワイトインク組成物(W)、イエローインク組成物(Y)、マゼンタインク組成物(M)、シアンインク組成物(C)、ブラックインク組成物(K)、ホワイトインク組成物(W)を収納している。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
実施例1
〔活性光線硬化型フレキソインク組成物1〜10の作製〕
表1に示す材料を共にサンドミルに入れて分散を4時間行い、これをメンブランフィルターで加圧濾過し、活性光線硬化フレキソインク組成物を得た。数字は質量部を表す。
表中の各化合物を下記に示し、顔料は表2に示す。
UVI6992:トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロフォスフェート(ユニオンカーバイド社製)
一般式〔1〕の例示化合物
A:9−(2−ヒドロキシエチル)アントラセン
B:9−(2−ヒドロキシエチル)フルオレン
C:2−(2−ヒドロキシエチル)−9−メチルカルバゾール
D:2−(2−ヒドロキシ−n−ブチル)フェノチアジン
E:2−(2−ヒドロキシエチル)チアントレン
Poly bd 605 Resin:エルファトケム社製のエポキシ化されたヒドロキシテレケリックなポリブタジエン
DA9100:変性熱可塑性アクリル樹脂(サンノブコ社製)
表2に示す各粗製顔料250部、塩化ナトリウム2500部及びポリエチレングリコール(東京化成社製「ポリエチレングリコール300」)160部をスチレン製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、3時間混練した。次に、この混合物を2.5Lの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌しスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムを除き、次いで乾燥して処理済み顔料とし、活性光線硬化型フレキソインク組成物に使用した。
〔活性光線硬化型フレキソインク組成物の評価〕
作製した活性光線硬化型フレキソインク組成物(以下、フレキソインク組成物ともいう)について下記のようにして評価を行った。
(硬化性)
フレキソ印刷機により、綿サテン織物およびポリエステル繊維上に転写し、UV照射装置(冷陰極管8本、出力20W)を用いて露光硬化させた。指触によりタックがなくなる最小の露光エネルギー(mJ/cm2)を測定した。露光エネルギーは少ないほど硬化性がよい。
(硬化画像のにじみ)
タックがなくなる最小の露光エネルギー(表3記載)で印字硬化させたサンプルを24時間放置した後、滲み具合を目視にて判断した。
ランク評価
◎・・・100%滲みなし
○・・・滲みはあるが、実用上使用可能レベル
△・・・滲みはあるが、実用上限定使用可能レベル
×・・・滲みがひどく、使用に耐えないレベル。
(硬化膜擦り耐久性)
タックがなくなる最小の露光エネルギー(表3記載)で印字硬化させたサンプル硬化表面を擦り試験機(当社製)で100回擦りを行ない、硬化膜の擦り減り状況を光学顕微鏡にて評価した。
◎・・・100%変化無し
○・・・わずかに表面が削れているが実用上使用可能レベル
△・・・わずかに表面が削れているが実用上限定使用可能レベル
×・・・大部分が削れている。
(硬化膜洗濯耐久性)
タックがなくなる最小の露光エネルギー(表3記載)で印字硬化させたサンプルを洗剤を溶かし込んだ40℃の温水で洗濯機に投入し、30分間各版を行ない、硬化膜の擦り減り状況を光学顕微鏡にて評価した。
◎・・・100%変化無し
○・・・部分的に削れている実用上使用可能レベル
△・・・部分的に削れている実用上限定使用可能レベル
×・・・大部分が削れている
評価の結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の一般式〔1〕で表される化合物を用いた、フレキソインク組成物No.1〜5は硬化性、硬化画像のにじみ、洗濯時あるいは物理的こすりに対する繰り返し耐久性に優れた活性光線硬化型フレキソインク組成物であることが判る。
実施例2
〔活性光線硬化型インク組成物11〜21の作製〕
表4に示す材料を共にサンドミルに入れて分散を4時間行い、これをメンブランフィルターで加圧濾過し、活性光線硬化組成物を得た。表中の各化合物は、実施例1と同じで、数字は質量部を表す。但し、一般式〔1〕の例示化合物Fは、2−ヒドロキシエチルチオキサントンである。
顔料P1は、粗製銅フタロシアニン(東洋インク製造社製「銅フタロシアニン」)、250部、塩化ナトリウム2500部及びポリエチレングリコール(東京化成社製「ポリエチレングリコール300」)160部をスチレン製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、3時間混練した。次に、この混合物を2.5Lの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌しスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムを除き、次いで乾燥して処理済みしたものである。
〔活性光線硬化型インク組成物の評価〕
作製した活性光線硬化型インク組成物(以下、インクジェットインク組成物ともいう)について下記のようにして評価を行った。
(硬化性)
図2に記載のインクジェット記録方法により、綿サテン織物およびポリエステル繊維上に吐出し、UV照射装置(冷陰極管8本、出力20W)を用いて露光硬化させた。指触によりタックがなくなる最小の露光エネルギー(mJ/cm2)を測定した。露光エネルギーは少ないほど硬化性がよい。
(硬化画像のにじみ)
タックがなくなる最小の露光エネルギー(表5記載)で印字硬化させたサンプルを24時間放置した後、滲み具合を目視にて判断した。
ランク評価
◎・・・100%滲みなし
○・・・滲みはあるが、実用上使用可能レベル
△・・・滲みはあるが、実用上限定使用可能レベル
×・・・滲みがひどく、使用に耐えないレベル。
(硬化膜擦り耐久性)
タックがなくなる最小の露光エネルギー(表5記載)で印字硬化させたサンプル硬化表面を擦り試験機(社製)で100回擦りを行ない、硬化膜の擦り減り状況を光学顕微鏡にて評価した
◎・・・100%変化無し
○・・・わずかに表面が削れているが、実用上使用可能レベル
△・・・わずかに表面が削れているが、実用上限定使用可能レベル
×・・・大部分が削れている。
(硬化膜洗濯耐久性)
タックがなくなる最小の露光エネルギー(表5記載)で印字硬化させたサンプル洗剤を溶かし込んだ40℃の温水で洗濯機に投入し、30分間各版を行ない、硬化膜の擦り減り状況を光学顕微鏡にて評価した。
◎・・・100%変化無し
○・・・部分的に削れているが、実用上使用可能レベル
△・・・部分的に削れているが、実用上限定使用可能レベル
×・・・大部分が削れている
評価の結果を表5に示す。