JP2007167794A - フィルタ構造体及びこれを用いた流体分離モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタ構造体は、耐薬品性が十分ではなく、支持体とフィルタの接合層にクラックが発生するなどの課題があった。
【解決手段】多孔質体からなる複数の管状のフィルタ1と、複数の貫通孔4を備えた一対の支持体2と、を有し、各フィルタ1を支持体2の各貫通孔4内に挿入支持され接合層3を介して接合してなるフィルタ構造体10であって、前記フィルタ1の両端面が支持体2の一方の主面より突出して配置されるとともに、少なくともフィルタ1の両端部が第1の保護層5aで覆われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、2種の液体、特に水とその他の液体または個体を透過、分離できるフィルタを備えたフィルタ構造体および液体分離モジュールに関する。
液体中に存在する有機物などの汚物を選択的に分離するための装置として、流体分離モジュールが知られている。流体分離モジュールは、高分子樹脂などの有機材料もしくはセラミックスなどの多孔質体の表面に金属膜や無機酸化物膜などを被着したフィルタと、平板状の支持体から構成され、各フィルタを支持体にて固定したフィルタ構造体をケーシング内に配置することにより構成されている。
このフィルタ構造体として、特許文献1では、図5(a)に示すように、複数のフィルタ21と、フィルタ21を集束固定するための支持体22とから構成され、支持体22は図5(b)に示す分解斜視図のように、複数の貫通孔を有するハニカム構造の多孔体22aと、多孔体22aの外周縁に設けられた外枠板22bとで構成されている。また、フィルタ21の両端部は、多孔体22aの各貫通孔24に挿通され、貫通孔24に充填された接着剤からなる接合層23によって多孔体22aに固定された構造になっている。
この支持体22は、ハニカム構造の多孔体22aで構成しているため、支持体22の強度が向上し、これにより、支持体22の厚さを薄くすることができ、支持体22を軽量化できることが示されている。
さらに、特許文献2にて提案されているフィルタ構造体は、各フィルタを保持する支持体22は、貫通孔が所定ピッチごとに形成されているとともに、支持体22の両主面には、貫通孔が存在する領域にわたって凹部22cが形成されている。フィルタ21と支持体22の固定は、フィルタ21の端部が、支持体21の各貫通孔に挿通され、フィルタ21の端部と支持体22が凹部22cの両主面に充填された接着剤からなる接合層23により一体に固定されている。
このフィルタ構造体によると、フィルタ21の間隔が支持体22の貫通孔の間隔で決定されるため、フィルタ21の間隔を正確に維持することが可能になるとされている。したがって、非処理液体の有機物等の汚物などが各フィルタ21の間に堆積して流路閉塞が発生するといった不具合を防ぐことができるとされている。
特開2004−141762号公報 特開2003−144862号公報
従来のフィルタ構造体は、図5に示すように、フィルタ21の端面は、多孔体22aの主面と同一の高さに保持されているため、接合層23がフィルタ21の開口部に流れ込みやすくなり、流路閉塞を起こしやすいという問題があった。
また、図6に示すようなフィルタ構造体では、各フィルタ21は支持体22の両主面に形成された凹部22cに充填された接着剤から成る接合層23により保持されているが、特許文献1と同様に接合層23がフィルタ21の端面と同一高さに保持されており、接着剤が開口部に流れ込みやすくなり、流路閉塞を起こしやすいという問題があった。
また、フィルタ21と支持体22の接合強度は、支持体22の厚みによって決定されるため、接合強度を高めるためには、支持体22を厚くする必要があり、フィルタ構造体自体の重量が増すという問題があった。
さらに、泥水などの被処理流体を分離するときは、接合層23がフィルタ21の端面と同一高さに保持されていると、被処理流体中に含まれる藻などの植物がフィルタ21の内部に直接流れ込み易くなり、流路閉塞を起こしやすいという問題があった。
さらに、特許文献1、2で用いられている接着層23は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの樹脂剤からなるため、耐薬品性に劣り長期間の使用に供することができないという問題を有していた。
またさらに、フィルタ構造体を流体分離モジュールとして用いた際に、被処理流体の濾過時や、フィルタ21内の細孔に残留する汚物を除去するときにフィルタ21と支持体22の接合部に応力が集中し、接合層23やフィルタ自体にクラックを発生させるという課題があった。
本発明のフィルタ構造体は、複数の貫通孔を備えた一対の支持体と、多孔質体からなる複数の管状のフィルタと、を有し、前記一対の支持体を離間して対向配置し、各貫通孔内に前記各フィルタの両端部を挿通するとともに接合層を介して接合してなるフィルタ構造体であって、前記各フィルタの両端面は支持体の一方の主面側に突出して配置され、少なくとも支持体の一方の主面上に第1の保護層が形成されていることを特徴とする。
また、前記支持体の一方の主面側に突出した各フィルタ間に形成された第1の保護層は、フィルタの軸方向に平行な断面においてフィルタの端面に向かって漸増する断面U字状であることを特徴とする。
さらに、前記支持体の他方の主面側に延出した各フィルタ間に第2の保護層が形成されるとともに、前記断面においてフィルタの中央部に向かって漸増する断面U字状であることを特徴とする。
またさらに、前記接合層は、内部に空隙を有することを特徴とする。
さらにまた、前記第1の保護層、第2の保護層および接合層は、同一の材料で形成されていることを特徴とする。
また、前記第1の保護層、第2の保護層および接合層がガラスからなることを特徴とする。
また、本発明の流体分離モジュールは、前記フィルタ構造体を用いたことを特徴とする。
本発明のフィルタ構造体によれば、複数の貫通孔を備えた一対の支持体と、多孔質体からなる複数の管状のフィルタと、を有し、前記一対の支持体を離間して配置するとともに、各貫通孔内に前記各フィルタの両端部を挿通し、接合層を介して接合してなるフィルタ構造体であって、前記各フィルタの両端面は支持体の一方の主面側に突出して配置され、少なくとも支持体の一方の主面上に第1の保護層が形成されていることから、フィルタと支持体を接合する接合層が、フィルタの流路に形成されることを防止することができる。また、泥水などの被処理流体を分離する際も、植物などが突出部に絡まりやすくなり、フィルタ内への流れ込みを防ぐことができ、流路閉塞を抑制することができる。さらに、支持体の厚みを厚くすることなくフィルタと支持体の高い接合強度を保つことができる。
さらに、支持体の他方の主面側に延出した各フィルタ間を第2の保護層で覆うとともに、該第2の保護層が断面U字状であることから、流体分離モジュールの逆洗時にフィルタと接合層にクラックが発生することを防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明のフィルタ構造体の一実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は同図(a)におけるA−A線断面図、(c)は一端部の分解斜視図である。
また、図2は、本発明のフィルタ構造体を備えた流体分離モジュールの一実施形態を示す概略断面図である。
本発明のフィルタ構造体10は、主面間を貫通する複数の貫通孔4を備えた一対の支持体と、被処理液体中から有機物などの汚物を選択的に透過、分離できる多孔質体からなる複数の管状のフィルタと、を有してなる。
前記支持体2は、2枚の平板から成り、緻密なアルミナ質焼結体、シリカ質焼結体、コージェライト質焼結体、フォルステライト質焼結体、ステアタイト質焼結体、ジルコニア質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体、ガラス等から成り、フィルタ1との熱膨張率が±1ppm/℃以内で近似していることが望ましい。また、支持体2の厚みは1〜20mm、特に厚み5〜10mmが好ましく、支持体2の外周形状はハウジング6の内壁形状に合わせて適宜調整される。
また、前記フィルタ1は、管形状であり、その内径側は被処理流体が通過する流路1aを形成している。またフィルタ1の材質としては多孔質のアルミナ質焼結体、ジルコニア質焼結体、シリカ質焼結体、コージェライト質焼結体およびチタニア質焼結体などからなり、機械的強度および被処理流体の分離性能の点で、内径1〜5mm、肉厚0.3〜1mmであることが望ましい。
さらに、前記フィルタ1は、その気孔率を20%以上、50%以下とすることが好ましい。フィルタ1を透過する被処理流体の流量を一定量とするため、気孔率を20%以上、また被処理流体の濾過圧の低下抑制もしくは逆洗時の圧力に対してフィルタ1の破損を防止するために気孔率を50%以下とすることが好ましい。また、被処理流体に含まれる汚物を効率よく分離するために平均気孔径0.05μm以上、2μm以下、フィルタ1の表面に汚物が堆積しないために表面粗さ(Ra)2μm以下であることが好ましい。また、フィルタ構造体10の被処理流体の流通、拡散を促進して流体透過効率を高めるためには、全てのフィルタ1間の最大距離が0.1mm以上、3mm以下の範囲で、接合層3を介して接続されている方がよい。
フィルタ1と支持体2とは、接着剤から成る接合層3によって接合されており、接合層3は、無機接合剤によって接合されるのが良い。例えば、ガラス、セラミックス等から選ばれる少なくとも1種によって接合、封止される。接合層3が、有機接合剤であった場合、有機接合剤から分離された有機系の汚物とが環境温度の上昇などで反応し、接合層3が変質してフィルタ1と支持体2の接合強度が低下してフィルタ構造体10の劣化が早くなるからである。詳細には、硼珪酸ガラス、鉛ガラス、アルカリ珪酸ガラス、石英ガラス、ビスマス珪酸ガラス等のガラス、特に耐熱性および耐熱衝撃性に優れたガラスを主成分とすることが好ましい。あるいは、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、コージェライトなどを主成分とするフィラーを添加した無機接合剤からなり、フィルタ1との熱膨張率±1ppm/℃以内で近似していることが望ましい。特に水処理の用途においては、耐薬品性に優れた硼珪酸ガラスが良い。
本発明のフィルタ構造体10は、主に流体分離モジュール100として用いられるものであり、図2に示すように、フィルタ構造体10の支持体2は、ハウジング6内に配置された固定部材8にグランドパッキング、金属製や樹脂製またはゴム製のガスケット7を介在させて固定、封止されている。ハウジング6には、被処理流体を供給する供給口9、フィルタ構造体10により濾過された流体が排出される濾過流体排出口10、有機物などの汚物を含んだ濃縮流体排出口11が配置されている。なお濃縮流体排出口11には、排圧弁(不図示)が配置されている。また、流体分離膜モジュール100によって濾過された流体を得る方法としては、濃縮流体排出口11側の排圧弁を絞りつつ、被処理流体を供給口9を通じてハウジング6内に送り込みさらに、フィルタ1の端面側よりフィルタ1内の流路1aに送り込む。この時、濃縮水排出口11側の排圧弁が絞られているため流路1aの被処理流体に圧力が加わり、フィルタ1を介して濾過された流体が抽出され濾過流体排出口15より排出される。
ここで、本発明のフィルタ構造体10は、図1(b)、図3に示すように各フィルタ1の両端面が支持体2の一方の主面側に突出して配置され、少なくとも支持体2の一方の主面上に第1の保護層5aが形成されていることが重要である。
このように、フィルタ1の両端面が支持体2の一方の主面側に突出して配置されることから、支持体2の貫通孔4内でフィルタ1を接合する接合層3が、各フィルタ1の流路1a内に形成されることを防止し流路1aの閉塞を防止して、より効率よく液体等の被処理流体を分離することができる。また、被処理流体中に藻などの植物が含まれる場合、突出部にて植物を絡めることが可能となり、フィルタ1の流路1a内に植物が流れ込むことを防止することができ、フィルタ1の閉塞を抑制することができる。
同時に、少なくとも支持体2の一方(外方側)の主面上は、第1の保護層5aが形成されていることから、第1の保護層5aは、フィルタ1の両端部の損傷を防止することも可能となる。フィルタ1の両端部には、流体分離モジュール100において被処理流体を送り込むとき、もしくは逆洗時に、約0.3〜1.5MPaが掛かる。したがって、この圧力によって、フィルタ1の両端部は、流体の圧力によって割れ、欠け、クラックなどの損傷を起こすことがあるが、第1の保護層5aで覆われているため、フィルタ1の両端部に直接被処理流体の圧力がかかることを防止することができる。
前記第1の保護層5aは、前述の通り、フィルタ1の細孔に有機物などの汚物が浸透することとフィルタ1の両端部の損傷を防止することを目的とするため、フィルタ1との密着性に優れる材質を選択することが好ましい。そのため、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの樹脂剤からなる接着剤もしくは接合層3と同一材質で構成されることが好ましい。特に接合層3と同一材質であれば、接合層3と第1の保護層5aの密着強度を向上することができるために、支持体2に対するフィルタ1の接合強度を向上させることができ、機械的特性を向上させることができる。また、第1の保護層5aがガラス質であると、第1の保護層5a自体の耐薬品性、耐熱性を向上させることが可能となるので、長期間の使用に供することができるフィルタ構造体10を得ることができる。
また、図3(a)、(b)に示すように、支持体2の一方の主面側に突出した各フィルタ1間に形成された第1の保護層5aは、フィルタ1の軸に平行な断面においてフィルタ1の端面に向かって漸増する断面U字状であることが好ましい。
これにより、支持体2の一方の主面より突出したフィルタ1の外周部を第1の保護層5aが覆うこととなるため、被処理流体に含まれる有機物などの汚物の残留を防止し、フィルタ1の両端部に細菌などが発生して増殖することを防止することができる。この理由は、フィルタ1は、前述の通り、気孔率20%以上、平均気孔径0.05〜2μmが好ましい範囲とされる多孔質体である。フィルタ1の両端部が被処理流体に直接接触すると、フィルタ1の細孔内に有機物などの汚物が残留することになる。この残留物を除去するために、流体分離膜モジュール100は、定期的もしくは使用状況に従ってフィルタ1に逆洗を行うが、フィルタ1の両端部は逆洗時の逆洗水が届きにくい位置にあるからである。
また、第1の保護層5aはフィルタ1の端面に向かって漸増するが、フィルタ1の端面には形成しない程度の高さまで形成することが好ましい。第1の保護層5aは、その形成時は流動性を有する粘性体であることが多い。そこで、フィルタ1の端面と同一の高さまで第1の保護層5aを形成すると、フィルタ1の流路1a内にまで第1の保護層5aが形成されることがあり、流体分離モジュール100の使用中において、流路閉塞を起こす可能性があるためである。一方、第1の保護層5aはフィルタ1の端面に形成しない程度の高さに形成することで、多孔質体からなるフィルタ1にクラック等が生じることを防止することができる。
また、第1の保護層5aは、断面U字状であるため、支持体2の厚みを増加させることなくフィルタ1と支持体2の接合強度を高めることが可能となる。また、U字形状とすることにより、フィルタ1間の第1の保護層5aの量を少なくできるため、被処理流体の温度変化によりフィルタ1と第1の保護層5aとに熱膨張が生じても、両者の熱膨張差に起因してフィルタ1と第1の保護層5aとの接合部に剥がれやクラックなどが発生するのを抑制することができる。
このように、第1の保護層5を断面U字状に形成するには、支持体2の各貫通孔にフィルタ1を挿通させた後に、支持体2の一方の主面上のフィルタ1間に第1の保護層5aとなるガラスペーストを塗布して乾燥、熱処理する。乾燥、熱処理の過程で、ガラスペーストに含まれる溶剤および有機物が蒸発、熱処理することにより、熱処理中にガラスペーストの粘度が低くなり、表面張力の作用によってフィルタ1の端面に向かって濡れ、断面U字状とすることができる。また、樹脂剤を用いる場合は、支持体2の一方の主面上のフィルタ1間に樹脂剤を塗布した後に、フィルタ1をさらに突出させることにより断面U字形状とした後に樹脂剤を乾燥させればよい。なお、ガラスペーストもしくは樹脂剤の塗布は、フィルタ1の端面より若干低く塗布すればよく、ディスペンサーなどで容易に塗布することができる。
さらに、フィルタ1の両端面の突出量は、1〜7mmの範囲であることが好ましく、特に1.5〜5mmの範囲が好ましい。これは、第1の保護層5aはガラスを用いた場合、形成時には流動性を有する粘性流体のため、表面張力が作用し、断面U字状を形成させる好ましい突出量である。また、樹脂剤を用いた場合は、断面U字形状とするために適した突出量である。また、泥水に含まれる藻などの植物を絡めるためにも適した突出量であり、過度に突出させると植物を絡めるためには問題がないが、第1の保護層5aが形成されにくくなり、フィルタ1の破損などが起きるからである。
また、第1の保護層5aは、平板状の支持体2の外周縁部にも形成されていることが好ましく、支持体2はセラミック焼結体から成るため、セラミック焼結体の表面にボイドが介在する。このボイドは、汚物の残留の原因ともなるために第1の保護層5aにより支持体2の外周縁部も覆うことで汚物の残留を防止することができる。
また、図1(a)において接合層3は、支持体2の一方の主面12aと同一の高さまで形成されているが、同一であることに限定されず、一方の主面12aより低い位置に形成されても良く、一方の主面12aよりも高い位置に形成されても構わない。
さらに、本発明のフィルタ構造体10は、図3(a)、(b)に示すように、支持体2の他方の主面に延出した各フィルタ1間に第2の保護層5bが形成されるとともに、フィルタ1の軸に平行な断面においてフィルタ1の中央部に向かって漸増する断面U字形状であることが好ましい。
流体分離モジュール100の逆洗は、供給口9もしくは濃縮流体排出口11のいずれかを閉口し、濾過流体排出口10側より逆洗水を供給する。供給された逆洗水は、フィルタ1の細孔を通じて流路1aに達すると同時に、フィルタ1の細孔内に残留する汚物も流路1aに排出する。また、逆洗時の逆洗水の圧力は、被処理流体を送り込む圧力に対して約1.5〜3倍の圧力をかけるために、フィルタ1と支持体2の界面に応力が集中することになり、界面に発生するクラックや割れを防止することが可能となる。また、フィルタ1間の第2の保護層5bが断面U字形状であることから、支持体2とフィルタ1との接合を安定化させることが可能になる。
また、第2の保護層5bは、第1の保護層5aと同様に、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの樹脂剤からなる接着剤もしくは接合層3と同一材質で構成されることが好ましい。特に接合層3と同一材質であれば、接合層3と第2の保護層5bの密着強度を向上することができるために、支持体2に対するフィルタ1の接合強度を向上させることができ、機械的特性を向上させることができる。
さらに、第1の保護層5a、第2の保護層5bおよび接合層3を同一の材料で構成することにより、フィルタ1の交換が容易にすることが可能となる。流体分離モジュール100は、長期間の使用によっては、フィルタ1の細孔に詰まった汚物を除去できなくなったり、フィルタ1の破損、もしくは接合層3、保護層5に発生するクラック等により流体透過効率の低下を起こすことがある。この場合、第1の保護層5a、第2の保護層5bおよび接合層3を同一の材料で構成することで、フィルタ1の交換時に新たな第1の保護層5a、第2の保護層5bおよび接合層3を一括で形成することが可能になる。
また、第1の保護層5a、第2の保護層5bおよび接合層3が形成されているフィルタ1の外周部は、実質的に被処理流体の濾過に寄与していないため、保護層5a、5bおよび接合層3の材質は、フィルタ1の細孔を通じて内部まで浸透することにより支持体2に対するフィルタ1の接合を良好に保つことができる。また、フィルタ1にセラミック焼結体を用いていることから、第1の保護層5a、第2の保護層5bおよび接合層3は、硼珪酸ガラス、鉛ガラス、アルカリ珪酸ガラス、ビスマス珪酸ガラス等の低融点ガラスを用いることが好ましい。これらの低融点ガラスは、フィルタ1を構成するセラミックスとの濡れ性も良くフィルタ1の細孔内に浸透することができる。特に、耐薬品性を考慮した場合、保護層5a、5bおよび接合層3は、硼珪酸ガラスであることが好ましい。
また、図3(a)、(b)に示すように、貫通孔内でフィルタ1を接合する接合層3は、内部に空隙13を有することにより、被処理流体の濾過時もしくは逆洗時による圧力により、接合層3にクラックが発生したとしても、クラックが接合層3の一方の主面から他方の主面まで達することを防止することができる。つまり、接合層3中の空隙13でクラックの進展が止まるため、被処理流体の濾過もしくは逆洗時にフィルタ1と支持体2との間から流体が漏洩することを防止できるものである。また、図3(b)に示すように空隙13は、支持体2とフィルタ1に接触しない状態で完全に接合層3の内部に存在することが好ましい。被処理流体を濾過する際に、接合層3付近のフィルタ1を介して空隙13の内部に汚物が浸透することがある。空隙13に浸透した汚物は逆洗にて除去することが困難であるため、空隙13内に汚物が原因となる細菌が増殖することがあるからである。さらに、空隙13の数は接合層3におけるフィルタ1と支持体2の接合強度を劣化させない範囲であれば数に限定されることはない。
本発明のフィルタ構造体10は、図1(b)、(c)に示すように、一対の支持体2の対向面の間に連結体14を配置することが好ましい。この連結体14は、フィルタ構造体10のハンドリング時およびハウジング6内への固定の際に発生するねじり剪断応力を緩和する効果を有している。また、フィルタ1への接触を防ぐことも可能となるため、ハンドリング時のフィルタ1の割れなどを防止することができる。連結体14と支持体2の接合は、図1(b)に示す通り、支持体2に凹形状の穴を形成しそこに挿入することで配置することができる。この際、連結体14と支持体2は接合剤を介して接合しても構わない。また、連結体14は、フィルタ1と熱膨張係数が近い無機質で形成されることが望ましく、これにより、流体分離モジュール100を高温で使用する際に発生する熱ひずみを低減させることができ、流体分離モジュール100が破損することを防止できる。なお、連結体14は、フィルタ構造体10を形成するフィルタ1の数もしくは支持体2の面積に応じて適宜選択される。
さらに、図4(a)〜(d)に本発明のフィルタ構造体10に用いられる支持体2の種々の実施形態の断面図を示す。(a)〜(c)の場合は支持体2の一方の主面12aとは、主に貫通孔4を有する領域のことをいい、(d)のように各フィルタ1が配置される貫通孔4がザグリ形状に形成された場合は、各ザグリ形状の底面部を一方の主面12aという。このように、支持体2は種々の形状を成し、ハニカム構造体が組み込まれる流体分離モジュールにより、適宜選択できる。
次に、本発明のフィルタ構造体10の製造方法について説明する。
例えば、平均粒径0.05〜10μm、特に、平均粒径0.1〜2μmの所定のセラミック粉末に所望の有機バインダを加え、押出し成形、射出成形等の公知の成形手段により所望の形状に成形した後、焼成することによりセラミックスからなるフィルタ1を作製する。なお、フィルタ1を形成するセラミックスの平均粒径は0.1〜2μmとすることが好ましい。
一方、上述したセラミックおよび/またはガラス粉末に所望の有機バインダを加え、押出成形、プレス成形、鋳込み成型、射出成形等の公知の成形手段により貫通孔4を有する所望の形状に成形した成形体を得た後に、この成形体を焼成することにより複数個の貫通孔4を有する支持体2を作製する。
また、平均粒径5μm以下、特に2μm以下、さらに0.5μm以下の上述したガラス粉末、アルミナ、シリカ、ジルコニア、コージェライト等のセラミック粉末と、有機バインダとα−テオピネオールなどの溶媒とを混合し、接合層3を形成するスラリーを作製する。
そして、上記フィルタ1の両端部を、上述した2つの支持体2の貫通孔4内に挿入するとともに、上記支持体2の貫通孔4とフィルタ1との間に接合層3を形成するスラリー充填する。
次いで、得られた構造体を、例えば800℃以上、特に接合層3のフィルタ1内への充填深さを大きくする点で1000〜1150℃に加熱して接合層3内のガラス粉末、セラミック粉末を軟化、溶融または焼結させて接合層3とし、フィルタ1と支持体2とを固定、封止することによってフィルタ構造体10を得ることができる。
また、保護層3を形成する場合は、フィルタ構造体10を得た後に、保護層3を形成する接着剤を塗布乾燥するか、もしくは接合層3と同様に塗布乾燥した後に熱処理することに形成される。
本発明は、例えば水などの液体とその液体中に含まれる気体、または液体及び固体を透過、分離するフィルタを備えたフィルタ構造体に用いることが可能である。
また、上記フィルタ構造体を備えた流体分離モジュールに用いることが可能である。
(a)は斜視図、(b)は同図(a)におけるA−A線断面図、(c)は一端部の分解斜視図である
本発明のフィルタ構造体の一実施形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は同図(a)におけるA−A線における断面図、(c)は一端部の分解斜視図である。 本発明のフィルタ構造体を備えた流体分離モジュールの一実施形態を示す概略断面図である。 (a)、(b)は、本発明のフィルタ構造体のフィルタと支持体の接合状態を示す部分断面図である。 (a)〜(d)は、本発明のフィルタ構造体に用いられる支持体の種々の実施形態の断面図である。 (a)は従来のフィルタ構造体の主面図であり、(b)は分解斜視図である。 従来のフィルタ構造体のフィルタと支持体の接合状態を示す部分断面図である。
符号の説明
10:フィルタ構造体
1、21:フィルタ
1a:流路
2、22:支持体
3、23:接合層
4、24:貫通孔
5a:第1の保護層
5b:第2の保護層
6:ハウジング
7:ガスケット
8:固定部材
9:供給口
10:濾過流体排出口
11:濃縮流体排出口
12a:一方の主面
13:空隙
14:連結体
22a:多孔体
22b:外枠板
22c:凹部
100:流体分離モジュール

Claims (7)

  1. 複数の貫通孔を備えた一対の支持体と、多孔質体からなる複数の管状のフィルタと、を有し、前記一対の支持体を離間して対向配置し、各貫通孔内に前記各フィルタの両端部を挿通するとともに接合層を介して接合してなるフィルタ構造体であって、前記各フィルタの両端面は支持体の一方の主面側に突出して配置され、少なくとも支持体の一方の主面上に第1の保護層が形成されていることを特徴とするフィルタ構造体。
  2. 前記支持体の一方の主面側に突出した各フィルタ間に形成された第1の保護層は、フィルタの軸方向に平行な断面においてフィルタの端面に向かって漸増する断面U字状であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ構造体。
  3. 前記支持体の他方の主面側に延出した各フィルタ間に第2の保護層が形成されるとともに、前記断面においてフィルタの中央部に向かって漸増する断面U字状であることを特徴とする請求項1〜2に記載のフィルタ構造体。
  4. 前記接合層は、内部に空隙を有することを特徴とする請求項1〜3に記載のフィルタ構造体。
  5. 前記第1の保護層、第2の保護層および接合層は、同一の材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載のフィルタ構造体。
  6. 前記第1の保護層、第2の保護層および接合層がガラスからなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のフィルタ構造体。
  7. 請求項1〜6に記載のフィルタ構造体を用いたことを特徴とする流体分離モジュール。
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