JP2007166946A - 標的遺伝子の発現を抑制するための組成物 - Google Patents

標的遺伝子の発現を抑制するための組成物 Download PDF

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健太朗 小暮
Nobuhisa Nakamura
宣央 中村
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史朗 二木
Hideyoshi Harashima
秀吉 原島
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Abstract

【課題】 標的遺伝子の発現を抑制し得るDNA(例えばアンチセンスDNA等)又はRNA(例えばsiRNA等)が封入されたリポソームを含む、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物を提供する。
【解決手段】 連続した複数個のアルギニン残基を含む第1のペプチドを表面に有するリポソームと、標的遺伝子の発現を抑制し得るDNA又はRNAとを含む、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物であって、前記DNAは、プロタミン又はその誘導体により凝集化された状態で、前記リポソームに封入されており、前記RNAは、連続した複数個のアルギニン残基を含む第2のペプチド又は疎水性基で修飾されたその誘導体により凝集化された状態で、前記リポソームに封入されている組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、標的遺伝子の発現を抑制し得るDNA(例えばアンチセンスDNA等)又はRNA(例えばsiRNA等)が封入されたリポソームを含む、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物に関する。
近年、薬物、核酸、ペプチド、タンパク質、糖等の目的物質を標的部位に確実に送達するためのベクターの開発が盛んに行われている。例えば、目的の遺伝子を標的細胞へ導入するためのベクターとして、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス等のウイルス性ベクターが開発されている。しかしながら、ウイルス性ベクターは、大量生産の困難性、抗原性、毒性等の問題があるため、このような問題点が少ない非ウイルス性ベクター(例えば、リポソームベクター)が注目を集めており、目的物質の細胞内送達効率を向上させるために、様々な機能性分子が導入された非ウイルス性ベクターの開発が盛んに行われている。
例えば、リポソーム膜の外表面に親水性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール)が導入されたリポソームが開発されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4)。このリポソームによれば、リポソームの血中滞留性を向上させることにより、腫瘍細胞に対するリポソームの指向性を向上させることができる。
また、リポソーム膜の外表面に、細胞膜の表面上に存在する受容体又は抗原と結合できる物質(例えば、トラスフェリン、インシュリン、葉酸、ヒアルロン酸、抗体又はその断片、糖鎖)が導入されたリポソームが開発されている(特許文献3及び特許文献4)。このリポソームによれば、リポソームのエンドサイトーシス効率を向上させることができる。
また、リポソーム膜の外表面にステアリル化オクタアルギニンが導入されたリポソームが開発されている(特許文献5,非特許文献1)。このリポソームによれば、リポソームに封入された目的物質の細胞内送達効率を向上させることができる。
一方、遺伝子発現抑制に関し、Rous肉腫ウイルスのmRNAに対して相補的な合成オリゴDNAがウイルスの複製を抑制することが報告されている(非特許文献2,3)。このようなアンチセンスDNAは、イントロンを標的にでき、合成が容易で、安定性が高く扱いやすいという利点を持ち合わせている。しかしながら、in vivoで遺伝子治療へ応用するためには、ヌクレアーゼによるアンチセンスDNAの分解の抑制、体内での滞留時間の延長、標的部位への送達、細胞膜の突破等の問題がある(非特許文献4)。これらの問題を解決するためには、アンチセンスDNAの効率のよいパッケージング法の確立が必要になる。
アンチセンスDNAのパッケージング法に関し、アンチセンスDNA存在下で脂質膜を水和させることによってアンチセンスDNAを脂質膜に封入させる方法が報告されている(非特許文献5)。しかしながら、この方法は、リポソーム表面のプラスチャージにより、リポソームのpharmacokinetics(PK)及びbiodistribution(BD)が大きく抑えられており、単核食細胞システムや肺以外の組織への送達機会がかなり少ないという問題点を有している。
また、freeze-thaw methodによってカチオニック脂質にアンチセンスDNAを封入する方法(非特許文献6)、アンチセンスDNAを、stabilized antisense-lipid particles(SALP)とよばれるpH感受性カチオニック脂質に封入する方法(非特許文献7)が報告されている。これらの2つの方法は、マイナスにチャージしたアンチセンスDNAをカチオニック脂質と静電的に相互作用させるという効果的なものであるが、いずれも調製時間が長く、封入効率が高くないという問題点を有している。
特開平1−249717号公報 特開平2−149512号公報 特開平4−346918号公報 特開2004−10481号公報 国際公開WO2005/032593号パンフレット Kogure, K.等., Journal of Controlled Release, 2004年, 第98巻, p.317-323 Stephenson, M.L.等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1978年, 第75巻, p.285-288 Zamecnik, P.C.等, Proc.Natl. Acad. Sci. USA, 1978年, 第75巻, p.280-284 Shi F.等, J Control. Release, 2004年, 第97巻, p.189-209 Gokhale PC等, Gene Ther., 1997年, 第4巻, p.1289-99 Shi N等, Proc Natl Acad Sci USA, 2000年, 第97巻, p.7567-7572 Semple SC等, Biochim Biophys Acta., 2001年, 第1510巻, p.152-166
本発明は、標的遺伝子の発現を抑制し得るDNA(例えばアンチセンスDNA等)又はRNA(例えばsiRNA等)が封入されたリポソームを含む、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の組成物を提供する。
(1)連続した複数個のアルギニン残基を含む第1のペプチドを表面に有するリポソームと、標的遺伝子の発現を抑制し得るDNA又はRNAとを含む、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物であって、前記DNAは、プロタミン又はその誘導体により凝集化された状態で、前記リポソームに封入されており、前記RNAは、連続した複数個のアルギニン残基を含む第2のペプチド又は疎水性基で修飾されたその誘導体により凝集化された状態で、前記リポソームに封入されている組成物。
(2)前記第1のペプチドが、連続した4〜20個のアルギニン残基を含む4〜35個のアミノ酸残基からなるペプチドである前記(1)記載の組成物。
(3)前記第1のペプチドがアルギニン残基のみからなる前記(1)又は(2)記載の組成物。
(4)前記第1のペプチドの量が、前記リポソームの脂質膜を構成する総脂質に対して2%(モル比)以上である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)前記第2のペプチドが、連続した4〜20個のアルギニン残基を含む4〜35個のアミノ酸残基からなるペプチドである前記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)前記第2のペプチドがアルギニン残基のみからなる前記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)前記第2のペプチドを修飾する疎水性基がステアリル基である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8)前記リポソームの脂質膜を構成する総脂質に対するカチオン性脂質の割合が0〜40%(モル比)である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9)前記第1のペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されており、前記疎水性基又は前記疎水性化合物が前記リポソームの脂質膜に挿入され、前記ペプチドが前記リポソームの脂質膜から露出している前記(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。
(10)前記第1のペプチドを修飾する疎水性基がステアリル基である前記(9)記載の組成物。
(11)前記DNAがアンチセンスDNAであり、前記RNAがsiRNAである前記(1)〜(10)のいずれかに記載の組成物。
本発明の組成物に含まれるリポソームは、表面に存在する第1のペプチドを介して効率よく細胞内又は核内に移行することができ(WO2005/032593号参照)、リポソームに封入されている凝集化DNA(例えばアンチセンスDNA等)は、細胞内又は核内において効率よくプロタミン又はその誘導体から脱凝集化することができ、リポソームに封入されている凝集化RNA(例えばsiRNA等)は、細胞内又は核内において効率よく第2のペプチド又はその誘導体から脱凝集化することができる。したがって、本発明の組成物によれば、標的遺伝子の発現を効果的に抑制することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
リポソームは脂質膜(脂質二重膜)を有する閉鎖小胞である。リポソームの脂質膜の数は特に限定されるものではなく、多重膜リポソーム(MLV)であってもよいし、SUV(small unilamella vesicle)、LUV(large unilamella vesicle)、GUV(giant unilamella vesicle)等の一枚膜リポソームであってもよい。リポソームのサイズは特に限定されるものではないが、直径100〜500nmであることが好ましく、直径150〜300nmであることがさらに好ましい。
リポソームの脂質膜の構成成分としては、例えば、脂質、膜安定化剤、抗酸化剤、荷電物質、膜タンパク質等が挙げられる。
脂質は脂質膜の必須の構成成分であり、脂質膜に含有される脂質量は、脂質膜を構成する総物質量の通常70%(モル比)以上、好ましくは75%(モル比)以上、さらに好ましくは80%(モル比)以上である。なお、脂質膜に含有される脂質量の上限値は、脂質膜を構成する総物質量の100%である。
脂質としては、例えば、以下に例示するリン脂質、糖脂質、ステロール、飽和又は不飽和の脂肪酸等が挙げられる。
[リン脂質]
ホスファチジルコリン(例えば、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン等)、ホスファチジルグリセロール(例えば、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジグリセロール等)、ホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジエタノールアミン等)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール、セラミドホスホリルグリセロールホスファート、1,2−ジミリストイル−1,2−デオキシホスファチジルコリン、プラスマロゲン、卵黄レシチン、大豆レシチン、これらの水素添加物等。
[糖脂質]
グリセロ糖脂質(例えば、スルホキシリボシルグリセリド、ジグリコシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド、グリコシルジグリセリド)、スフィンゴ糖脂質(例えば、ガラクトシルセレブロシド、ラクトシルセレブロシド、ガングリオシド)等。
[ステロール]
動物由来のステロール(例えば、コレステロール、コレステロールコハク酸、コレスタノール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロール)、植物由来のステロール(フィトステロール)(例えば、スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール)、微生物由来のステロール(例えば、チモステロール、エルゴステロール)等。
[飽和又は不飽和の脂肪酸]
パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸等の炭素数12〜20の飽和又は不飽和の脂肪酸等。
膜安定化剤は、脂質膜を物理的又は化学的に安定させたり、脂質膜の流動性を調節したりするために含有させることができる、脂質膜の任意の構成成分であり、脂質膜に含有される膜安定化剤量は、脂質膜を構成する総物質量の通常30%(モル比)以下、好ましくは25%(モル比)以下、さらに好ましくは20%(モル比)以下である。なお、膜安定化剤の含有量の下限値は0である。
膜安定化剤としては、例えば、ステロール、グリセリン又はその脂肪酸エステル等が挙げられる。ステロールとしては、上記と同様の具体例が挙げられ、グリセリンの脂肪酸エステルとしては、例えば、トリオレイン、トリオクタノイン等が挙げられる。
抗酸化剤は、脂質膜の酸化を防止するために含有させることができる、脂質膜の任意の構成成分であり、脂質膜に含有される抗酸化剤量は、脂質膜を構成する総物質量の通常30%(モル比)以下、好ましくは25%(モル比)以下、さらに好ましくは20%(モル比)以下である。なお、抗酸化剤の含有量の下限値は0である。
抗酸化剤としては、例えば、トコフェロール、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシトルエン等が挙げられる。
荷電物質は、脂質膜に正荷電又は負荷電を付与するために含有させることができる、脂質膜の任意の構成成分であり、脂質膜に含有される荷電物質量は、脂質膜を構成する総物質量の通常30%(モル比)以下、好ましくは25%(モル比)以下、さらに好ましくは20%(モル比)以下である。なお、荷電物質の含有量の下限値は0である。
正荷電を付与する荷電物質としては、例えば、ステアリルアミン、オレイルアミン等の飽和又は不飽和脂肪族アミン;ジオレオイルトリメチルアンモニウムプロパン等の飽和又は不飽和カチオン性合成脂質等が挙げられ、負電荷を付与する荷電物質としては、例えば、ジセチルホスフェート、コレステリルヘミスクシネート、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸等が挙げられる。
膜タンパク質は、脂質膜の構造を維持したり、脂質膜に機能性を付与したりするために含有させることができる、脂質膜の任意の構成成分であり、脂質膜に含有される膜タンパク質量は、脂質膜を構成する総物質量の通常10%(モル比)以下、好ましくは5%(モル比)以下、さらに好ましくは2%(モル比)以下である。なお、膜タンパク質の含有量の下限値は0である。
膜タンパク質としては、例えば、膜表在性タンパク質、膜内在性タンパク質等が挙げられる。
脂質膜を構成する脂質として、血中滞留性機能、温度変化感受性機能、pH感受性機能等を有する脂質誘導体を使用してもよい。これにより、上記機能のうち1種又は2種以上の機能をリポソームに付与することができる。リポソームに血中滞留性機能を付与することにより、リポソームの血液中での滞留性を向上させ、肝臓、脾臓等の細網内皮系組織による捕捉率を低下させることができる。リポソームに温度変化感受性機能及び/又はpH感受性機能を付与することにより、リポソームに封入された目的物質の放出性を高めることができる。
血中滞留性機能を付与することができる血中滞留性脂質誘導体としては、例えば、グリコフォリン、ガングリオシドGM1、ホスファチジルイノシトール、ガングリオシドGM3、グルクロン酸誘導体、グルタミン酸誘導体、ポリグリセリンリン脂質誘導体、N−{カルボニル-メトキシポリエチレングリコール−2000}−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミン、N−{カルボニル-メトキシポリエチレングリコール−5000}−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミン、N−{カルボニル−メトキシポリエチレングリコール−750}−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミン、N−{カルボニル−メトキシポリエチレングリコール−2000}−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミン、N−{カルボニル−メトキシポリエチレングリコール−5000}−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミン等のポリエチレングリコール誘導体等が挙げられる。
温度変化感受性機能を付与することができる温度変化感受性脂質誘導体としては、例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン等が挙げられ、pH感受性機能を付与することができるpH感受性脂質誘導体としては、例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン等が挙げられる。
リポソームは、連続した複数個のアルギニン残基を含む第1のペプチドを表面(外表面)に有する。リポソームは、表面以外の部分(例えば、脂質膜の内表面)に第1のペプチドを有していてもよい。
第1のペプチドにおいて、連続したアルギニン残基の個数は複数個である限り特に限定されるものではないが、通常4〜20個、好ましくは6〜12個、さらに好ましくは7〜10個である。第1のペプチドを構成するアミノ酸残基の総数は特に限定されるものではないが、通常4〜35個、好ましくは6〜30個、さらに好ましくは7〜23個である。第1のペプチドは、連続した複数個のアルギニン残基のC末端及び/又はN末端に任意のアミノ酸配列を含むことができるが、アルギニン残基のみからなることが好ましい。
第1のペプチドにおいて、連続した複数個のアルギニン残基のC末端又はN末端に付加されるアミノ酸配列は、剛直性を有するアミノ酸配列(例えば、ポリプロリン)であることが好ましい。ポリプロリンは、柔らかくて不規則な形をとっているポリエチレングリコール(PEG)と異なり、直線的で、ある程度の堅さを保持している。また、連続した複数個のアルギニン残基のC末端又はN末端に付加されるアミノ酸配列に含まれるアミノ酸残基は、酸性アミノ酸以外のアミノ酸残基であることが好ましい。負電荷を有する酸性アミノ酸残基が、正電荷を有するアルギニン残基と静電的に相互作用し、アルギニン残基の効果を減弱させる可能性があるためである。
リポソームの表面に存在する第1のペプチドの量は、脂質膜を構成する総脂質に対して通常0.1〜30%(モル比)、好ましくは1〜25%(モル比)、さらに好ましくは2〜20%(モル比)である。
リポソームは、その表面に存在する第1のペプチドを介して細胞内又は核内へ移行することができる(WO2005/032593号参照)。リポソームの表面に存在する第1のペプチドの量が、脂質膜を構成する総脂質に対して2%(モル比)未満、好ましくは1.5%(モル比)未満、さらに好ましくは1%(モル比)未満であると、リポソームは、主にエンドサイトーシスを介して細胞内又は核内へ移行することができる(WO2005/032593号参照)。このときの第1のペプチドの量の下限値は、脂質膜を構成する総脂質に対して通常0.1%(モル比)、好ましくは0.5%(モル比)、さらに好ましくは0.7%(モル比)である。一方、リポソームの表面に存在する第1のペプチドの量が、脂質膜を構成する総脂質に対して2%(モル比)以上、好ましくは3%(モル比)以上、さらに好ましくは4%(モル比)以上であると、リポソームは、主にマクロピノサイトーシスを介して細胞内又は核内へ移行することができる(WO2005/032593号参照)。このときの第1のペプチド量の上限値は、脂質膜を構成する総脂質に対して通常30%(モル比)、好ましくは25%(モル比)、さらに好ましくは20%(モル比)である。マクロピノサイトーシスでは、細胞外物質がマクロピノソームという画分として細胞内に取り込まれ、マクロピノソームはエンドソームと異なりリソソームと融合しないため、マクロピノソーム内封物はリソソームによる分解を回避することができる。したがって、リポソームがマクロピノサイトーシスを介して細胞内に移行する場合、リポソームに封入された目的物質を効率よく細胞内又は核内に送達することができる。
リポソームの細胞内移行経路がエンドサイトーシスに依存する場合、脂質膜はその主要成分としてカチオン性脂質を含む必要があるが、本発明において、リポソームの細胞内移行経路は、エンドサイトーシスにのみ依存するわけではないので、脂質膜にカチオン性脂質が含まれている必要はない。すなわち、本発明において、リポソームの脂質膜は、カチオン性脂質及び非カチオン性脂質のいずれか一方で構成されていてもよいし、両方で構成されていてもよい。但し、カチオン性脂質による細胞毒性を低減させる点、マクロピノサイトーシスを介してリポソームに封入された目的物質を効率よく細胞内に送達する点等からは、脂質膜に含まれるカチオン性脂質の量を出来る限り少なくすることが好ましく、脂質膜を構成する総脂質に対するカチオン性脂質の割合は0〜40%(モル比)であることが好ましく、0〜20%(モル比)であることがさらに好ましい。
カチオン性脂質としては、例えば、DODAC(dioctadecyldimethylammonium chloride)、DOTMA(N-(2,3-dioleyloxy)propyl-N,N,N-trimethylammonium)、DDAB(didodecylammonium bromide)、DOTAP(1,2-dioleoyloxy-3-trimethylammonio propane)、DC−Chol(3β-N-(N',N',-dimethyl-aminoethane)-carbamol cholesterol)、DMRIE(1,2-dimyristoyloxypropyl-3-dimethylhydroxyethyl ammonium)、DOSPA(2,3-dioleyloxy-N-[2(sperminecarboxamido)ethyl]-N,N-dimethyl-1-propanaminum trifluoroacetate)等が挙げられる。
「非カチオン性脂質」とは、中性脂質又はアニオン性脂質を意味し、中性脂質としては、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、コレステロール、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、セレブロシド等が挙げられ、アニオン性脂質としては、例えば、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン(N−スクシニルPE)、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエチレングリコール、コレステロールコハク酸等が挙げられる。
リポソームの好ましい態様として、第1のペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されており、疎水性基又は疎水性化合物が脂質膜に挿入され、第1のペプチドが脂質膜から露出しているリポソームを例示することができる。なお、本態様において、「ペプチドが脂質膜から露出している」には、ペプチドが脂質膜の外表面又は内表面のいずれか一方から露出している場合、両方から露出している場合が含まれる。
疎水性基又は疎水性化合物は、脂質膜に挿入され得る限り特に限定されるものでない。脂質膜は親水性部分と疎水性部分とからなるが、疎水性基又は疎水性化合物は、脂質膜の疎水性部分と疎水結合した状態で脂質膜に挿入される。疎水性基としては、例えば、ステアリル基等の飽和又は不飽和の脂肪酸基、コレステロール基又はその誘導体等が挙げられるが、これらのうち特に炭素数10〜20の脂肪酸基(例えば、パルミトイル基、オレイル基、ステアリル基、アラキドイル基等)が好ましい。また、疎水性化合物としては、例えば、上記に例示したリン脂質、糖脂質又はステロール、長鎖脂肪族アルコール(例えば、フォスファチジルエタノールアミン、コレステロール等)、ポリオキシプロピレンアルキル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
リポソームの内部には、標的遺伝子の発現を抑制し得るDNA又はRNAが封入されている。DNAはプロタミン又はその誘導体により凝集化された状態で封入されており、RNAは連続した複数個のアルギニン残基を含む第2のペプチド又は疎水性基で修飾されたその誘導体により凝集化された状態で封入されている。
プロタミンの誘導体としては、例えば、硫酸プロタミン、リン酸プロタミン、塩酸プロタミン等が挙げられる。
第2のペプチドにおいて、連続したアルギニン残基の個数は複数個である限り特に限定されるものではないが、通常4〜20個、好ましくは6〜12個、さらに好ましくは7〜10個である。第1のペプチドを構成するアミノ酸残基の総数は特に限定されるものではないが、通常4〜35個、好ましくは6〜30個、さらに好ましくは7〜23個である。第2のペプチドは、連続した複数個のアルギニン残基のC末端及び/又はN末端に任意のアミノ酸配列を含むことができるが、アルギニン残基のみからなることが好ましい。
第2のペプチドにおいて、連続した複数個のアルギニン残基のC末端又はN末端に付加されるアミノ酸配列は、剛直性を有するアミノ酸配列(例えば、ポリプロリン)であることが好ましい。ポリプロリンは、柔らかくて不規則な形をとっているポリエチレングリコール(PEG)と異なり、直線的で、ある程度の堅さを保持している。また、連続した複数個のアルギニン残基のC末端又はN末端に付加されるアミノ酸配列に含まれるアミノ酸残基は、酸性アミノ酸以外のアミノ酸残基であることが好ましい。負電荷を有する酸性アミノ酸残基が、正電荷を有するアルギニン残基と静電的に相互作用し、アルギニン残基の効果を減弱させる可能性があるためである。
第2のペプチドを修飾する疎水性基は特に限定されるものではないが、例えば、ステアリル基等の飽和又は不飽和の脂肪酸基、コレステロール基又はその誘導体等が挙げられるが、これらのうち特に炭素数10〜20の脂肪酸基(例えば、パルミトイル基、オレイル基、ステアリル基、アラキドイル基等)が好ましい。
標的遺伝子の種類は特に限定されるものではなく、治療目的等に応じて適宜決定することができる。標的遺伝子の発現を抑制し得るDNAは特に限定されるものではないが、例えば、アンチセンスDNA、デコイDNA等が挙げられる。アンチセンスDNAは、標的遺伝子のmRNAへの転写を抑制することができる一本鎖DNAであり、その塩基長は特に限定されるものではないが、通常12〜30塩基、好ましくは15〜25塩基、さらに好ましくは18〜20塩基である。デコイDNAは、標的遺伝子の転写を調節する転写調節因子に結合して標的遺伝子の転写を抑制することができる二本鎖DNAであり、その塩基長は特に限定されるものではないが、通常10〜30塩基、好ましくは15〜25塩基、さらに好ましくは18〜22塩基である。標的遺伝子の発現を抑制し得るRNAは特に限定されるものではないが、例えば、マイクロRNA等が挙げられる。マイクロRNAはRNA干渉等により標的遺伝子の発現を抑制することができる二本鎖RNAであり、マイクロRNAとしては、例えば、siRNA等が挙げられる。マイクロRNAの塩基長は特に限定されるものではないが、通常15〜33塩基、好ましくは18〜30塩基、さらに好ましくは20〜27塩基である。
プロタミン又はその誘導体は正電荷を有しており、DNAは負電荷を有しているので、静電的相互作用により両者は複合体を形成し、これによりDNAはプロタミン又はその誘導体により凝集化される。同様に、第2のペプチド又はその誘導体は正電荷を有しており、RNAは負電荷を有しているので、静電的相互作用により両者は複合体を形成し、これによりRNAは第2のペプチド又はその誘導体により凝集化される。凝集化の際、DNAとプロタミン又はその誘導体との混合比率、あるいはRNAと第2のペプチド又はその誘導体との混合比率を調整することにより、全体として正又は負に帯電する凝集体を調製することができる。
プロタミン又はその誘導体によってDNAを凝集化する際、N/P比は通常0.5〜3.5、好ましくは0.8〜3.0、さらに好ましくは1.0〜2.5である。このようなN/P比で凝集化することにより、粒子径が通常100〜250nm、好ましくは100〜200nm、さらに好ましくは100〜150nmであり、ゼータ電位が通常−50〜50mV、好ましくは−30〜30mV、さらに好ましくは−20〜25mVである凝集体を調製することができる。また、第2のペプチド又はその誘導体によってRNAを凝集化する際、N/P比は通常0.5〜3.5、好ましくは0.8〜3.0、さらに好ましくは1.0〜2.5である。このようなN/P比で凝集化することにより、粒子径が通常100〜250nm、好ましくは100〜200nm、さらに好ましくは100〜150nmであり、ゼータ電位が通常−50〜50mV、好ましくは−30〜30mV、さらに好ましくは−20〜25mVである凝集体を調製することができる。
リポソームは、プロタミン又はその誘導体により凝集化されたDNA、あるいは第2のペプチド又はその誘導体により凝集化されたRNAの存在下、脂質膜を水和し、次いで攪拌又は超音波処理することにより作製することができる。凝集化されたDNA又はRNAは、全体としてプラス電荷又はマイナス電荷を帯びているので、マイナス電荷又はプラス電荷を有する脂質膜との静電的相互作用により、DNA又はRNAが封入されたリポソームを効率よく作製することができる。
水和法によるリポソームの製造例を以下に示す。
脂質膜の構成成分である脂質と、疎水性基又は疎水性化合物で修飾された第1のペプチドとを有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去することにより脂質膜を得る。この際、有機溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール等の低級アルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン等のケトン類等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。次いで、脂質膜を水和させ、攪拌又は超音波処理することにより、第1のペプチドを表面に有するリポソームを製造することができる。
水和法による別の製造例を以下に示す。
脂質膜の構成成分である脂質を有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去することにより脂質膜を得、この脂質膜を水和させ、攪拌又は超音波処理することによりリポソームを製造する。次いで、このリポソームの外液に、疎水性基又は疎水性化合物で修飾された第1のペプチドを添加することにより、リポソームの表面に上記ペプチドを導入することができる。
リポソームを所定のポアサイズのフィルターで通過させることにより、一定の粒度分布を持ったリポソームを得ることができる。また、公知の方法に従って、多重膜リポソームから一枚膜リポソームへの転換、一枚膜リポソームから多重膜リポソームへの転換を行うことができる。
プロタミン又はその誘導体により凝集化されたDNA、あるいは第2のペプチド又はその誘導体により凝集化されたRNAが封入されたリポソームを含む組成物は、標的遺伝子の発現を抑制するために使用することができる。
標的遺伝子を有する細胞が由来する生物種は特に限定されるものではなく、動物、植物、微生物等のいずれであってもよいが、動物であることが好ましく、哺乳動物であることがさらに好ましい。哺乳動物としては、例えば、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、モルモット等が挙げられる。また、目的物質を送達すべき細胞の種類は特に限定されるものではなく、例えば、体細胞、生殖細胞、幹細胞又はこれらの培養細胞等が挙げられる。
本発明の組成物の剤形としては、例えば、リポソームの分散液又はその乾燥物(例えば、凍結乾燥物、噴霧乾燥物等)が挙げられる。分散溶媒としては、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝液,クエン緩衝液,酢酸緩衝液等の緩衝液を使用することができる。分散液には、例えば、糖類、多価アルコール、水溶性高分子、非イオン界面活性剤、抗酸化剤、pH調節剤、水和促進剤等の添加剤を添加して使用してもよい。
本発明の組成物は、in vivo及びin vitroのいずれにおいても使用することもできる。本発明の組成物をin vivoにおいて使用する場合、投与経路としては、例えば、静脈、腹腔内、皮下、経鼻等の非経口投与が挙げられ、投与量及び投与回数は、リポソームに封入された目的物質の種類や量等に応じて適宜調節することができる。本発明の組成物に含まれるリポソームは、0〜40℃という広範な温度域(効果的な温度域は4〜37℃)において細胞内移行性及び核内移行性を発揮することができるので(WO2005/032593号参照)、目的に応じた温度条件を設定することができる。低温(通常4〜10℃、好ましくは4〜6℃)において細胞内移行性及び核内移行性を効果的に発揮するためには、リポソームがエンドサイトーシスを介さずに細胞内又は核内へ移行することが必要である。本発明において、リポソームの表面に存在する第1のペプチドの量が、脂質膜を構成する総脂質に対して2%(モル比)以上、好ましくは3%(モル比)以上、さらに好ましくは4%(モル比)以上であると、リポソームは、低温(通常4〜10℃、好ましくは4〜6℃)において細胞内移行性及び核内移行性を効果的に発揮することができる(WO2005/032593号参照)。このときの第1のペプチド量の上限値は、脂質膜を構成する総脂質に対して通常30%(モル比)、好ましくは25%(モル比)、さらに好ましくは20%(モル比)である。
〔実施例1〕
多機能性エンベロープ型ナノ構造体(MEND)はプラスミドDNAの効率的なデリバリーシステムとして開発されている(Kogure, K.等., Journal of Controlled Release, 2004年, 第98巻, p.317-323)。また、膜透過性ペプチドとして有用であるステアリルオクタアルギニン(stearyl octaargine,STR−R8)をコンデンス試薬として用いてアンチセンスオリゴDNA(アンチセンスODN)をMENDにパッケージすることには既に成功している(Yamada, Y.等, Biol. Pharm. Bull. 2005年, 第28巻, p.1939-1942)。そこで、本研究では、アンチセンスODN封入MENDの機能向上のための構造最適化を目的として実験をおこなった。
1.材料及び方法
(1)試薬
1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1,2-Dioleoyl-sn-Glycero-3-phosphoethanolamine(DOPE))は、AVANTI Polar Lipids社から購入した。コレステリルヘミスクシネート(Cholesteryl Hemisuccinate(CHEMS))、ポリ−L−リジン(Poly-L-lysine(PLL),分子量27400)は、SIGMA-Aldrich社から購入した。ステアリルオクタアルギニン(Stearyl octaarginine(STR−R8))は、公知の方法(S. Futaki等, Bioconjug. Chem. 12 (2001) 1005-1011.)に従って合成した。硫酸プロタミンは、Calbiochem社から購入した。ルシフェラーゼ遺伝子に対するアンチセンスオリゴDNA(アンチセンスODN)(5'- aaccgcttccccgacttcc -3'(配列番号1))は、SIGMA-Aldrich社から購入した(配列は、Xu等の論文(Xu Y, Zhang HY等, Biochem Biophys Res Commun. 306 (2003) 712-717.)を参照した)。NIH3T3細胞は、American Type Culture Collectionから入手した。
(2)多機能性エンベロープ型ナノ構造体(MEND)の調製
MENDの調製工程は、以下の3工程からなる。
(a)ポリカチオン(PLL,STR−R8,硫酸プロタミン)によるDNAの凝集化
DNA及びポリカチオンをそれぞれ10mM HEPES緩衝液(pH7.4)に溶解し、DNA溶液(0.1mg/mL)及びポリカチオン溶液(0.1mg/mL)をボルテックス下、室温にて混合し、DNAを凝集化した。N/P(nitrogen/phosphate)比2.4で調製したDNA/PLL複合体(DPC)懸濁液、N/P比2.9で調製したDNA/STR−R8複合体(DPC)懸濁液、及びN/P比2.2で調製したDNA/硫酸プロタミン複合体(DPC)懸濁液のDNA量は、いずれも0.05mg/mLであった。なお、DNAは、ルシフェラーゼ遺伝子及びその上流にCMVプロモーターを有する全長7037bpのプラスミドDNA(CMVプロモーターを有するpcDNA3.1プラスミドにルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだもの)、及びルシフェラーゼ遺伝子に対するアンチセンスODNの混合物である。
(b)脂質膜の水和
DNAの凝集化の後、DPC懸濁液0.25mLを脂質膜に加え、10分間インキュベーションして水和した。脂質膜は、137.5nmol(DOPE/CHEMS=9:2(モル比))のクロロホルム溶液をガラス試験管に収容し、溶媒を除去することにより形成した。脂質の最終濃度は0.55mMであった。
(c)超音波処理による凝集化DNAのパッケージング
DPCを脂質でコーティングするために、ガラス試験管を超音波槽(125 W, Branson Ultrasonics)で約1分間超音波処理し、脂質膜の表面に膜透過性ペプチドであるオクタアルギニン(R8)を結合させるために、STR−R8溶液(脂質の5モル%)を懸濁液に加え、混合物を室温で30分間インキュベーションした。流体力学的直径は準弾性光散乱方法によって測定し、ゼータ電位は、電気泳動的光散乱分光測光器(ELS-8000, Otsuka electronics)によって分析した。
(3)ショ糖密度勾配遠心
FITC標識化DNA(総DNAの15%)及びローダミン標識化DOPE(総脂質の1モル%)を含有するMENDを不連続ショ糖密度勾配(0−60%)上に重層し、20℃、160,000gの条件で2時間遠心した。上部から1mLずつ画分を回収し、FITC及びローダミンの蛍光強度を測定した。不連続ショ糖密度勾配遠心によって回収された画分のうち、DNA含量の高い画分をリポソーム含有画分とした。リポソーム含有画分は、ショ糖30〜60%の境界から回収することができた。さらに、FITC及びローダミン間のFRET(fluorescence resonance energy transfer)を測定した。各フラクションは、1%SDSで溶解し、蛍光強度の測定に使用した。封入効率は、次式:
封入効率=(Σリポソーム含有画分のODN量/回収した総ODN量)×100
に従って算出した。
(4)コトランスフェクションアッセイ
DNA0.04μgを含むサンプル(プラスミドDNA:ODN=1:748(モル比))又はリポフェクトアミン2000で処理したDNA0.04μg(プラスミドDNA:ODN=1:748(モル比))をDMEM(血清及び抗生物質を含まない)0.25mLに懸濁し、4×10個のNIH3T3細胞に加え、37℃で3時間インキュベートした。次いで、10%ウシ胎仔血清を含むDMEM 1mLを加え、さらに5、13、21及び45時間インキュベートした。その後、細胞を洗浄し、reporter lysis buffer(Promega社)で溶解し、細胞溶解液 20μLにルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega社)100μLを加えて、ルミノメーター(Luminescencer-PSN)によりルシフェラーゼ活性を測定した。また、BCAプロテインアッセイキット(PIERCE社)により細胞溶解液中のタンパク質量を測定した。
2.結果及び考察
ルシフェラーゼ発現プラスミドDNAとそれに対応するアンチセンスODNとを一緒にSTR−R8で凝集化した後、MENDに封入し、脂質膜をSTR−R8で修飾してアンチセンスODN封入MENDを調製し、これをNIH3T3細胞にコトランスフェクションしてルシフェラーゼ発現抑制率を調べた。その結果、コトランスフェクション後8時間のルシフェラーゼ発現抑制率は30%であり、ルシフェラーゼ発現抑制効果はあまり高くなかった。また、コトランスフェクション後16時間からはルシフェラーゼ発現抑制効果は観察されなかった。
ローダミン標識化DOPE及びFITC標識化アンチセンスODNを用いて、MENDのショ糖密度勾配遠心を行い、比重の違いを詳細に検討した。その結果、図1に示すように、フラクション#7(20−25%)、#9(25−30%)、#10(30−40%)にアンチセンスODNが多く含まれており、比重が軽く、かなりヘテロな比重のMENDができていた。なお、図1中、○はDNA量、●は脂質量を表す。MENDの構造の不均一は、機能の不均一につながるおそれがある。そこで、アンチセンスODN封入MENDの最適化を図るため、アンチセンスODNを凝集化するポリカチオンをPLL又は硫酸プロタミンに変更して実験を行った。PLLはコンデンス試薬として広く用いられており、プロタミンはアルギニンの割合が大きく、よいコンデンス試薬として知られている***由来ペプチドである(Brewer, L.R.等, Science, 286, 120-123., Sorgi, F.L.等, Gene Ther., 4, 961-968.)。
アンチセンスODN及びDOPEは上記と同様に標識化したものを用い、アンチセンスODNをPLL又は硫酸プロタミンで凝集化し、脂質膜でパッケージしたMENDのショ糖密度勾配遠心分画を行った。その結果、PLLの場合、図2に示すように、#10(30−40%)、#11(40−60%)にアンチセンスODNが多く含まれており、プロタミンの場合、図3に示すように、#10(30−40%)にアンチセンスODNが多く含まれており、いずれの場合も比重が重く、比較的均一な比重のMENDができた。なお、図2及び3中、○はDNA量、●は脂質量を表す。また、脂質とアンチセンスODNが共存していたこと、並びに、SDSで脂質膜を可溶化した後はFITCの蛍光強度が数倍から数十倍に増加した(データは示さない)、つまりFRETが解消されたことから、アンチセンスODNが脂質膜でパッケージされていることが示された。
それぞれのMENDの粒子径、ゼータ電位、アンチセンスODN封入率について表1に示す。粒子径はおよそ200−350nmであり、ゼータ電位はいずれも−を示しており、ショ糖密度勾配遠心分画から算出したアンチセンスODN封入率はいずれも90%以上と高い値を示した。

PLL又は硫酸プロタミンで凝集化し、脂質膜をSTR−R8で修飾したアンチセンスODN封入MENDを上記と同様にNIH3T3細胞にコトランスフェクションした。その結果、図4に示すように、PLLの場合には全くルシフェラーゼ発現抑制効果が観察されなかったが、プロタミンの場合にはコトランスフェクション後8時間のルシフェラーゼ発現抑制率が90%であり、高いルシフェラーゼ発現抑制効果が観察され、48時間後のルシフェラーゼ発現抑制率も77%と高いルシフェラーゼ発現抑制効果を保っていた。また、対照としてリポフェクトアミン2000を用いて同様にコトランスフェクションすると、コトランスフェクション後8時間のルシフェラーゼ発現抑制率は55%だったが、48時間後のルシフェラーゼ発現抑制率は19%であり、かなり減少した。
ポリカチオンによってこのような違いがでたことから、この違いが凝集化状態にあるのかもしれないと考え、アンチセンスODNをPLL又はプロタミンでそれぞれ凝集化した粒子の粒子径及びゼータ電位をN/P比を変化させて測定した。その結果、図5及び6に示すように、PLLの場合、PLLにアンチセンスODNを添加すると、N/P比が1.8付近で凝集し、それ以上のN/P比のときには粒子径が100nm以下でゼータ電位が+の粒子ができたが、それ以下のN/P比のときには粒子径が100−200nmでゼータ電位が−の粒子ができた。プロタミンの場合、明確な凝集点が認められず、粒子径が100−200nmの間に収まった。なお、図5及び6中、○は硫酸プロタミン、●はPLLを表す。
この結果に関して、PLLは+チャージをもつリジンのみで構成されているのに対し、プロタミンは塩基性アミノ酸以外にも、中性アミノ酸などの正味の+チャージをもっていないものが含まれており、それが粒子同士の相互作用を妨げて凝集しにくくさせていると考えられる。また、粒子径の大きさにも違いがみられ、コトランスフェクションアッセイにおいて凝集化に用いたN/P比(PLL=2.4、プロタミン=2.2)ではアンチセンスODN/プロタミンの方がアンチセンスODN/PLLよりも大きかった。これは、アンチセンスODN/プロタミンの方がアンチセンスODN/PLLよりも凝集状態がゆるいということを示していると考えられる。逆に言うと、アンチセンスODN/プロタミンは脱凝縮しやすいと考えられる。ゼータ電位に関しては、電位が0になるN/P比が異なっており、プロタミンの場合、N/P比が1.2付近だが、PLLの場合、N/P比が1.8付近となっていた。これはPLLの方が粒子の内側に、より余っている+チャージが多いということを表しており、このためアンチセンスODNがPLLから脱凝縮しにくくなっていると考えられる。以上のことから、アンチセンスODN/プロタミンはアンチセンスODN/PLLよりも脱凝縮しやすいので、アンチセンスODNがフリーになり、機能を発揮しやすくなったと考えられる。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして、PLL、硫酸プロタミン又はSTR−R8を用いてルシフェラーゼ発現プラスミド及びルシフェラーゼ遺伝子に対するsiRNA(5'- gcgcugcuggugccaaccctt -3'(配列番号2)及び5'- ggguuggcaccagcagcgctt -3'(配列番号3))を凝集化し、MENDへパッケージングした。すなわち、ポリカチオン及びsiRNAを10mM HEPES緩衝液(pH7.4)に溶解し、ボルテックス条件下にて、ポリカチオン溶液(0.1mg/mL)0.2mLに、siRNA溶液(0.1mg/mL)0.1mLを添加することで、siRNAを凝縮化し、プラス荷電を有する粒子を調製した。試験管にジオレオイルフォスファチジルエタノールアミン(DOPE)とコレステロールコハク酸(CHEMS)(DOPE:CHEMS=9:2(モル比))を137.5nmol含むクロロホルム溶液を分取し、窒素ガスを吹き付けることで蒸発乾固させ、マイナス荷電を有する脂質膜を形成した。凝集化siRNA懸濁液0.25mLを、脂質膜に添加し、室温で10分以上放置することで、脂質膜を水和させるとともに、凝縮化siRNA粒子を脂質膜に結合させた。水和後、超音波槽中で10〜30秒間、超音波処理することによって凝縮化siRNAを脂質膜でコートした。得られた脂質コート凝縮化siRNA懸濁液に、STR−R8(2mg/mL)溶液を全脂質量の5モル%になるように添加し、室温で30分放置することで、凝縮化siRNAをコートしている脂質膜にSTR−R8を分配させ、表面をR8ペプチドで修飾した。
実施例1と同様にして、各MENDをショ糖密度勾配遠心に供した結果を図7に示す。図7に示すように、STR−R8の場合、#10(30−40%)にsiRNAが多く含まれており、比重が重く、比較的均一な比重のMENDができたが、PLL及び硫酸プロタミンの場合、このようなMENDはできなかった。なお、図7中、○はDNA量、●は脂質量を表す。
15%ポリアクリルアミドゲルに各複合体を200ng又は400ng(RNA相当)アプライし、50mVで45分間電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色したものにUVを照射することで視覚化した。siRNA/ポリカチオン複合体をポリアクリルアミド電気泳動に供した結果を図8に示す。図8に示すように、PLLの場合、siRNAは高分子量側に観察され、凝集化が不完全であることが判明した。硫酸プロタミンの場合、siRNAは低分子量側に観察され、凝集化されていないことが判明した。STR−R8の場合、siRNAは開始点に確認され、凝集化されていることが判明した。
HeLa細胞にルシフェラーゼ発現プラスミドpcDNA3.1−Lucをトランスフェクションし、抗生物質G418存在下で培養することにより、プラスミド含有細胞のみを選別培養し、培養を繰り返すことによってルシフェラーゼ安定発現細胞株を確立した。実施例1と同様にして、各MENDをルシフェラーゼ安定発現HeLa細胞にコトランスフェクションした(siRNA濃度は約30pmol/ウェル)。コトランスフェクション24時間後のルシフェラーゼ発現抑制率(RNAi効果)を図9に示す。図9に示すように、STR−R8の場合にはリポフェクトアミン2000と同様に高いルシフェラーゼ発現抑制率(約80%)であったが、PLL及び硫酸プロタミンの場合にはそれらよりも顕著に低いルシフェラーゼ発現抑制率であった。また、図10に示すように、STR−R8の場合にはリポフェクトアミン2000(LA2000)と同様の時間依存性及び濃度依存性を示した。なお、図10中、●はSTR−R8を用いたMEND、△はリポフェクトアミン2000(LA2000)の結果を示す。
ショ糖密度勾配遠心の結果を表す図である。 ショ糖密度勾配遠心の結果を表す図である。 ショ糖密度勾配遠心の結果を表す図である。 各種MENDによるルシフェラーゼ発現抑制率を表す図である。 アンチセンスオリゴDNAをPLL又はプロタミンで凝集化する際のN/P比と粒径との関係を表す図である。 アンチセンスオリゴDNAをPLL又はプロタミンで凝集化する際のN/P比とゼータ電位との関係を表す図である。 ショ糖密度勾配遠心の結果を表す図である。 ポリアクリルアミド電気泳動の結果を表す図である。 各種MENDによるルシフェラーゼ発現抑制率を表す図である。 ルシフェラーゼ発現抑制率の時間依存性及び濃度依存性を表す図である。

Claims (11)

  1. 連続した複数個のアルギニン残基を含む第1のペプチドを表面に有するリポソームと、標的遺伝子の発現を抑制し得るDNA又はRNAとを含む、標的遺伝子の発現を抑制するための組成物であって、
    前記DNAは、プロタミン又はその誘導体により凝集化された状態で、前記リポソームに封入されており、
    前記RNAは、連続した複数個のアルギニン残基を含む第2のペプチド又は疎水性基で修飾されたその誘導体により凝集化された状態で、前記リポソームに封入されている組成物。
  2. 前記第1のペプチドが、連続した4〜20個のアルギニン残基を含む4〜35個のアミノ酸残基からなるペプチドである請求項1記載の組成物。
  3. 前記第1のペプチドがアルギニン残基のみからなる請求項1又は2記載の組成物。
  4. 前記第1のペプチドの量が、前記リポソームの脂質膜を構成する総脂質に対して2%(モル比)以上である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記第2のペプチドが、連続した4〜20個のアルギニン残基を含む4〜35個のアミノ酸残基からなるペプチドである請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記第2のペプチドがアルギニン残基のみからなる請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記第2のペプチドを修飾する疎水性基がステアリル基である請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記リポソームの脂質膜を構成する総脂質に対するカチオン性脂質の割合が0〜40%(モル比)である請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 前記第1のペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されており、前記疎水性基又は前記疎水性化合物が前記リポソームの脂質膜に挿入され、前記ペプチドが前記リポソームの脂質膜から露出している請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記第1のペプチドを修飾する疎水性基がステアリル基である請求項9記載の組成物。
  11. 前記DNAがアンチセンスDNAであり、前記RNAがsiRNAである請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
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