JP2007163796A - 画像形成装置 - Google Patents

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崇 向井
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Abstract

【課題】 定着液を用いる湿式の画像形成装置において、定着液によるトナーの流動、凝集、記録媒体のしわ、カールなどを起こすことなく、定着液消費量、電力消費量などを低減化でき、多色トナー像でも比較的短い時間で定着させる。
【解決手段】 トナー像形成手段2と、中間転写ベルト21を備える転写手段3と、定着液非接触付与手段4と、転写定着手段5と、記録媒体供給手段6と、スキャナ部7とを含む画像形成装置1において、定着液非接触付与手段4として、定着液槽34と、定着液搬送部材35と、印加電極36と、対向電極37と、空気流制御部材38とを含む静電霧化装置を用い、トナー像形成手段2による中間転写ベルト21へのトナー像の転写位置から転写定着手段5によるトナー像の記録媒体8への転写定着位置までの間に設けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリなどに用いられる電子写真方式の画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリなどに多く採用される電子写真方式の画像形成装置においては、表面に光導電性物質を含む感光層を形成した感光体を用い、感光体表面に電荷を付与して均一に帯電させた後、種々の作像プロセスにて画像情報に対応する静電潜像を形成し、この静電潜像を、現像手段から供給されかつトナーを含む現像剤により現像してトナー像とし、このトナー像を紙などの記録媒体に直接転写するかまたは中間転写媒体に一旦転写した後、さらに記録媒体に転写する。そして、記録媒体に転写されるトナー像を記録媒体上に定着させるためには、加熱手段を含む定着ローラなどを用いる熱定着方式の定着手段によって記録媒体を加熱および加圧するのが一般的である。
しかし、近年、地球温暖化対策として省エネルギー化が志向されており、電子写真方式の画像形成装置においても、トナー像を記録媒体に定着させる際の消費電力の低減が求められる。また、熱定着方式では、装置内部で加熱手段が用いられるため、装置内部が高温になるので、構成部材の耐熱性を高める必要があり、材料コストが増大する。また、熱定着方式では、定着部分が所定の温度まで上昇しないと定着を行えないので、所定の温度に達するまでの時間すなわちウォームアップ時間が長くなる傾向にある。さらに、熱定着方式では、多色トナー像の記録媒体への定着が、単色トナー像の定着に比べて時間を要するという問題がある。したがって、多色トナー像の定着時間の短縮化が要望される。
このような要望に鑑み、水と、水に溶解または分散できかつトナーを軟化または膨潤させる作用を有する液体とを含む定着液を用いる湿式定着方式が提案されている。この方式では、定着液の付与により軟化または膨潤状態にしたトナー像を記録媒体に付着させ、加圧することによって、トナー像を記録媒体に定着させている。湿式定着方式は、熱定着方式に比べて消費電力が非常に少ないので、省エネルギーという観点からは有用な方式である。また、多色トナー像の定着を行う際も、多量の熱量を必要としないので、熱定着方式に比べて定着時間を短縮できる。したがって、湿式定着方式の実用化に向けて種々の改良が行われている。
たとえば、中間転写媒体のトナー担持面に微小間隔で離隔するように設けられる定着液塗布ローラを含み、中間転写媒体上に担持されるトナー像に対して、定着液塗布ローラから定着液を直接付与する定着液付与手段と、トナー像に定着液を付与した後に定着液を加熱するための加熱手段とを有する定着装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、この定着装置では、中間転写媒体上のトナー像に定着液を付与した後に、加熱を行う方式が採用される。しかしながら、中間転写媒体上の未定着のトナー像は室温下ではトナー粒子が物理的または化学的な結合力を持たずに集合した塊に過ぎない。したがって、未定着のトナー像に定着液のような液状物を直接付与すると、トナー粒子が軟化および/または膨潤する前に、トナー粒子の流動、凝集などが起こり易い。その結果、定着後の画像エッジに滲みが生じ、また均一であるべきハーフトーン部分に不均一なむらが生じ、高品位画像を得ることができない。
また、中間転写媒体に対向する面に、中間転写媒体の幅方向に間隔を開けて形成される複数の微細孔を有する定着液噴射部材を含み、定着液噴射部材の内部に圧縮空気を導入し、複数の微細孔から霧状、ガス状の定着液を中間転写媒体上のトナー像に付与する定着装置が提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。この定着装置の場合、トナー粒子の流動、凝集などは起こり難い。しかしながら、この定着装置は、単に霧状またはガス状の定着液を中間転写媒体上のトナー像に噴霧するだけなので、トナー像に付着するのと同量の定着液がトナー像の付着部分以外の部分(非画像部)にも付着し、定着液の消費量が著しく増加するという欠点を有する。非画像部に付着する定着液は、トナー像を記録媒体に転写した後に、記録媒体にしわ、カールなどを発生させる。また、定着液消費量の増加は、定着液の補給頻度の増大または画像形成装置内部に設置される定着液貯留タンクの大容量化をもたらし、メンテナンス性が低下し、装置の小型化の妨げになる。
特開2004−109747号公報 特開2004−333866号公報
本発明の目的は、液状の定着液を用いてトナー像を記録媒体に定着させるに際し、トナーの流動、凝集によるトナー像の乱れ、記録媒体のしわ、カールなどが発生することなく、かつ定着液消費量、電力消費量などを低減化でき、さらに多色トナー像でも比較的短い時間で定着させ得る定着液付着手段を含む画像形成装置を提供することである。
本発明は、
トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段から転写されるトナー像を担持して回転駆動するトナー像担持体を含む転写手段と、トナー像担持体上のトナー像に定着液を付与する第1の定着液非接触付与手段とを含み、トナー像担持体上のトナー像を構成するトナーを定着液により軟化および/または膨潤させてトナー像を記録媒体に定着させる画像形成装置であって、
第1の定着液非接触付与手段は、
定着液の液滴を発生させる定着液滴生成手段と、
定着液滴生成手段とトナー像担持体との間の空間領域に設けられて、定着液滴生成手段からトナー像担持体に向う空気流を制御する空気流制御手段とを含み、定着液の液滴をトナー像担持体上のトナー像に非接触下に付与することを特徴とする画像形成装置(以後「第1の画像形成装置」と称す)である。
また本発明の第1の画像形成装置は、
定着液滴生成手段が、
定着液を貯留する定着液貯留部と、
両端に開口部を有しかつその内部に両端の開口部に連なる定着液搬送路を有し、一端が定着液貯留部に貯留される定着液中に浸漬し、他端の先端部がトナー像担持体を臨んで設けられる1または複数の定着液搬送部材と、
定着液搬送部材に接続されて電圧が印加される印加電極であって、その長手方向に定着液搬送部材を挿通させる1または複数の挿通孔が形成されて定着液搬送部材の少なくとも他端が挿通孔から定着液搬送方向に突出するように設けられる印加電極と、
印加電極に対向しかつ定着液搬送部材の他端の先端部から離隔するように設けられ、その長手方向に定着液の液滴および空気流を、定着液搬送部材からトナー像担持体に向けて流過させる定着液滴流過孔が形成される対向電極とを含むことを特徴とする。
さらに本発明の第1の画像形成装置は、
定着液搬送部材が、
他端の先端部が針状に形成されることを特徴とする。
また本発明は、
トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段から転写されるトナー像を担持して回転駆動するトナー像担持体を含む転写手段とを含み、トナー像担持体上のトナー像を構成するトナーを定着液により軟化および/または膨潤させてトナー像を記録媒体に定着させる画像形成装置において、
定着液の液滴を発生させる定着液滴生成手段を含み、
トナー像担持体上のトナー像に非接触下に定着液の液滴を付与する第2の定着液非接触付与手段と、
トナー像担持体の回転駆動方向において第2の定着液非接触付与手段の下流側に設けられて、
トナー像担持体上のトナー像に接触下に定着液を付与する定着液接触付与手段とを含むことを特徴とする画像形成装置(以後「第2の画像形成装置」と称す)である。
また本発明の第2の画像形成装置は、
定着液滴生成手段が、
定着液を貯留する定着液貯留部と、
両端に開口部を有しかつその内部に両端の開口部に連なる定着液搬送路を有し、一端が定着液貯留部に貯留される定着液中に浸漬し、他端の先端部がトナー像担持体を臨んで設けられる1または複数の定着液搬送部材と、
定着液搬送部材に接続されて電圧が印加される印加電極であって、その長手方向に定着液搬送部材を挿通させる1または複数の挿通孔が形成されて定着液搬送部材の少なくとも他端が挿通孔から定着液搬送方向に突出するように設けられる印加電極と、
印加電極に対向しかつ定着液搬送部材の他端の先端部から離隔するように設けられ、その長手方向に定着液の液滴および空気流を、定着液搬送部材からトナー像担持体に向けて流過させる定着液滴流過孔が形成される対向電極とを含むことを特徴とする。
さらに本発明の第2の画像形成装置は、
定着液搬送部材が、
他端の先端部が針状に形成されることを特徴とする。
さらに本発明の第2の画像形成装置は、
第2の定着液非接触付与手段が、
定着液滴生成手段とトナー像担持体との間の空間領域に設けられて、
定着液滴生成手段からトナー像担持体に向う空気流を制御する空気流制御手段をさらに含むことを特徴とする。
さらに本発明の第2の画像形成装置は、
複写原稿から画像情報を読み取るスキャナ手段をさらに有し、
第2の定着液非接触付与手段が、
スキャナ手段に読み取られる画像情報に応じてトナー像に付与される定着液量を制御する定着液量制御手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、トナー像形成手段と、トナー像担持体を備える転写手段と、第1の定着液非接触付与手段とを含み、第1の定着液非接触付与手段が定着液の液滴を発生させる定着液滴生成手段と定着液滴生成手段からトナー像担持体に向う空気流を制御する空気流制御手段とを含み、トナー像担持体上のトナー像に非接触下に定着液の液滴を付与する第1の画像形成装置が提供される。すなわち、定着液滴生成手段とトナー像担持体との間の空間領域に空気流制御手段を設け、空気流が定着液滴生成手段からトナー像担持体に向けて流過するように制御することによって、定着液滴の非画像部への付着が著しく減少し、トナー像の記録媒体への定着に必要充分量の定着液滴をトナー像のみにほぼ選択的に付与できるので、定着液によるトナー粒子の流動、凝集などが防止され、定着液の消費量を著しく低減化することが可能になるとともに、記録媒体上に高品位画像が形成され、記録媒体にしわ、カールなどが発生することもない。また第1の画像形成装置は、定着液を用いてトナー像の記録媒体への定着を行う湿式の画像形成装置なので、多色トナー像を記録媒体に比較的短時間で定着でき、熱エネルギー消費量も低減化できる。
本発明によれば、定着液滴生成手段として、定着液貯留部と、定着液搬送部材と、印加電極と、対向電極とを含み、印加電極に電圧を印加して印加電極と対向電極との間に電界を形成し、この電界の作用により定着液滴を発生させる静電霧化装置を用いることによって、定着液の微小液滴が得られ、定着液の付着によるトナー粒子の流動、凝集などによる画像の乱れを一層防止できる。さらに、発生する定着液滴は帯電するので、トナー像とは逆帯電になるように定着液滴を帯電させれば、定着液のトナー像への選択的な付着および非画像部への非付着が一層確実に実行され、定着液消費量が一層減少する。
本発明によれば、定着液滴生成手段に含まれる定着液搬送部材において、トナー像担持体に臨む他端の先端部を針状に形成することによって、定着液滴のトナー像への選択的な付与がさらに顕著になる。
本発明によれば、トナー像形成手段と、トナー像担持体を備える転写手段と、定着液滴生成手段を備え、トナー像担持体上のトナー像に定着液の液滴を非接触下に付与する第2の定着液非接触付与手段と、トナー像担持体上のトナー像に定着液を接触下に付与する定着液接触付与手段とを含む第2の画像形成装置が提供される。第2の画像形成装置によれば、トナー像を加熱することなく、定着液のみでトナー像を記録媒体に定着できるので、エネルギー消費量の一層の低減化が可能である。また、定着液接触付与手段は接触下に定着液を付与するけれども、トナー像担持体の回転駆動方向において定着液接触付与手段の上流側にトナー像に非接触で定着液を付与する第2の定着液非接触付与手段が設けられ、第2の定着液非接触付与手段により付与される定着液により、トナー像を構成するトナー粒子が膨潤し、トナー粒子同士の結着力を上げた状態で定着液接触付与手段による定着液の接触付与が行われるので、トナー像の乱れ、定着液接触付与手段へのトナーの付着といった不具合を生じない。また、定着液接触付与手段に、トナー像に対しては定着液を付与し、トナー像以外の部分(非画像部など)に付着する定着液を回収する機能を付加することによって、第2の定着液非接触付与手段による定着液滴の非接触付与の際に、わずかではあるが非画像部に付着した定着液を定着液接触付与手段により回収することができ、トナー像の定着に必要最小限量の定着液を使用してトナー像を記録媒体に定着でき、定着液消費量のさらなる低減化、記録媒体におけるしわ、カールなどの発生のさらなる低減化などを図り得る。
本発明によれば、第2の定着液非接触付与手段が、定着液滴生成手段とトナー像担持体との間の空間領域に設けられ、空気流が定着液滴生成手段からトナー像担持体に向けて流過するように制御する空気流制御手段を含むことによって、定着液滴の非画像部への付着が著しく減少し、トナー像の記録媒体への定着に必要充分量の定着液滴をトナー像のみにほぼ選択的に付与できる。
本発明によれば、第2の定着液非接触付与手段が、スキャナ手段により複写原稿から読み取られる画像情報に応じてトナー像に付与される定着液量を制御する定着液量制御手段をさらに含むことによって、たとえば、画像の印字率に応じて定着液付与量を調整することが可能になる。たとえば、印字率の低い画像の場合に、第2の定着液非接触付与手段による定着液付与量を減らし、トナーを膨潤させるのに寄与しない定着液のトナー像担持体への付着量を一層低減化できる。
図1は、本発明の実施の第1形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す画像形成装置1の要部(後述のトナー像形成手段2)の構成を拡大して示す断面図である。図3は、図1に示す画像形成装置1の要部(後述の定着液非接触付与手段4)の構成を拡大して示す断面図である。
画像形成装置1は、トナー像形成手段2と、転写手段3と、定着液非接触付与手段4と、転写定着手段5と、記録媒体供給手段6と、スキャナ部7とを含んで構成される。
トナー像形成手段2は、作像ユニット10y,10m,10c,10bを含み、これらは、各色相のデジタル信号(以下、画像情報)に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して各色のトナー像を形成するものである。すなわち、作像ユニット10yはイエロー色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10mはマゼンタ色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10cはシアン色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10bはブラック色の画像情報に対応するトナー像を形成する。
作像ユニット10yは、感光体ドラム11yと、帯電ローラ12yと、光走査ユニット13と、現像装置14yと、ドラムクリーナ15yとを含んで構成される。
感光体ドラム11yは、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない円筒状、円柱状または薄膜シート状(好ましくは円筒状)の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含んで構成される。感光体ドラム11yには、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、導電性基体であるアルミニウム素管と、アルミニウム素管の表面に形成される有機感光層とを含む、GND電位に接続される直径30mmの感光体ドラムが挙げられる。有機感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層して形成される。有機感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを1つの層に含むものであってもよい。有機感光層の層厚は、たとえば、20μmである。また有機感光層と感光体ドラムとの間に下地層を設けてもよい。さらに、有機感光層の表面に保護層を設けてもよい。感光体ドラムは、時計周りの方向に、たとえば、周速度100mm/sで回転駆動する。
帯電ローラ12yは、感光体ドラム11yの表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、スコロトロンといったコロナ帯電器などが使用できる。
光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面にイエロー色の画像情報に対応するレーザ光13yを照射し、感光体ドラム11yの表面に、イエロー色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。レーザ光13yの光源には、半導体レーザなどが用いられる。
現像装置14yは、現像ローラ17yと、現像ブレード18yと、トナー貯留容器19yと、攪拌ローラ20ya,20ybとを含んで構成される。現像ローラ17yは、感光体ドラム11yを臨み、感光体ドラム11yとの間に空隙を有して離隔しかつ軸線回りに回転駆動可能に設けられ、図示しない固定磁極を内包するローラ状部材であり、感光体ドラム11y表面の静電潜像にイエロー色トナー16yを供給する。本実施の形態では、現像ローラ17yと感光体ドラム11yとの間の空隙長さは0.5mmである。また、現像ローラ17yは、感光体ドラム11yとの最近接部(現像ニップ部)において、感光体ドラム11yの回転駆動方向と同じ方向に回転駆動する。したがって、軸線回りの回転駆動方向は、逆方向になる。本実施の形態では、現像ローラ17yの周速度は、たとえば、感光体ドラム11y周速度の1.5倍の150mm/sである。現像ブレード18yは、一端がトナー貯留容器19yに支持され、他端が現像ローラ17yとの間に空隙を有して離隔するように設けられる板状部材であり、現像ローラ17y表面のイエロー色トナー層を均一化(層規制)する。トナー貯留容器19yは、イエロー色トナー16yを貯留する内部空間を有する箱状部材である。トナー貯留容器19yには、イエロー色トナー16yの消費状況に応じて、図示しないトナーカートリッジからイエロー色トナー16yが補給される。攪拌ローラ20ya,20ybは、トナー貯留容器19yの内部において、互いに空隙を有して離隔しかつ軸線回りに回転駆動可能に設けられる。また、攪拌ローラ20yaは、現像ローラ17yを臨み、現像ローラ17yとの間に空隙を有して離隔するように設けられる。攪拌ローラ20ya,20ybは、トナー貯留容器19y内のイエロー色トナー16yを現像ローラ17yの表面に供給する。トナー貯留容器19y中のイエロー色トナー16yは、撹拌ローラ20ya,20ybによって現像ローラ17y表面に供給され、現像ブレード18yにより層厚を均一化された後、電位差などを利用して感光体ドラム11y表面の静電潜像にほぼ選択的に供給され、イエロー色の画像情報に対応するトナー像が形成される。なお、本実施の形態では、イエロー色トナー16yと磁性キャリアとを混合した2成分現像剤が用いられる。また本実施の形態では、感光体ドラム11y、現像ローラ17y、現像ブレード18yおよび攪拌ローラ20ya,20ybがそれぞれ離隔するように設けられるけれども、それに限定されず、現像ローラ17yと感光体ドラム11y、現像ローラ17yと攪拌ローラ20yaおよび現像ローラ17yと現像ブレード18yとがそれぞれ圧接するように設けられる1成分現像方式を採用してもよい。
ドラムクリーナ15yは、後述するように、感光体ドラム11y表面のイエロー色トナー像が中間転写ベルト21に中間転写された後に、該表面に残存するイエロー色トナーを除去、回収する。
作像ユニット10yによれば、感光体ドラム11yをその軸線回りに回転駆動させながら、まず図示しない電源により帯電ローラ12yに例えば−1200Vの電圧を印加し、放電させることより感光体ドラム11yの表面を例えば−600Vに帯電させる。次に、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13からイエロー色の画像情報に対応する信号光を照射し、イエロー色の画像情報に対応する露光電位−70Vの静電潜像を形成する。次いで、感光体ドラム11yの表面に、現像ローラ17y表面に担持されるイエロー色トナー層が接触する。現像ローラ17yには現像電位として−420Vの直流電圧が印加されており、電位差により、静電潜像にイエロー色トナー16yが付着して現像され、感光体ドラム11yの表面にイエロー色のトナー像が形成される。このイエロー色トナー像は、後述するように、感光体ドラム11yの表面に圧接し、矢符23の方向に駆動する中間転写ベルト21に中間転写される。感光体ドラム11yの表面に残留するイエロー色トナー16yはドラムクリーナ15yにより除去され、回収される。以後、同様のイエロー色トナー像作成動作が繰り返し実行される。
作像ユニット10m,10c,10bは、それぞれマゼンタ色トナー16m、シアン色トナー16cまたはブラック色トナー16bを使用する以外は、作像ユニット10yに類似の構造を有するので、同一の参照符号を付し、さらに各参照符号の末尾に、マゼンタ色を示す「m」、シアン色を示す「c」またはブラック色を示す「b」を付し、説明を省略する。なお、作像ユニット10y,10m,10c,10bは、中間転写ベルト21の移動方向(副走査方向)、すなわち矢符29の方向の上流側からこの順番で一列に配列される。
なお、各色トナー16y,16m,16c,16bは、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する。
結着樹脂としては、後述する定着液32により軟化または膨潤する樹脂であれば特に制限されず、たとえば、ポリスチレン、スチレンの置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。このような結着樹脂の中でも、カラートナー用としては、保存性、耐久性、後述する定着液32による軟化または膨潤制御などの点から、軟化点が100〜150℃、ガラス転移点が50〜80℃の結着樹脂が好ましく、ポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは入手容易な有機溶剤により軟化および/または膨潤しやすく、軟化または膨潤した状態で透明になる。したがって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が重ね合わされた多色トナー像を定着液32にて定着すると、結着樹脂であるポリエステル自体は透明化するので、減法混色により充分な発色が得られる。また、熱定着用のトナーに用いられる結着樹脂よりも軟化点(分子量)および硬度の高い樹脂を用いても、定着液32による定着が可能である。軟化点および硬度の高い樹脂を用いれば、現像の際の負荷による劣化が防止され、長期間にわたって画質の劣化が少ない画像が得られる。
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成技術において用いられるトナー用顔料および染料を使用できるけれども、定着液32による滲みを防止するために、定着液32に溶解しない顔料が好ましく、ニグロシン染料などの染料は好ましくない。顔料の具体例としては、たとえば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料などの有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルーなどの無機系顔料、アルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
離型剤としては、各種ワックスを使用できる。ワックスとしては、定着液32により軟化または膨潤するものであれば特に制限なく使用できる。ワックスの具体例としては、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。
トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有することができる。
トナーの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、好ましくは2〜7μmである。このような小粒径トナーを用いると、単位面積当りのトナーの表面積が大きくなり、定着液32との接触面積が増加して定着し易くなる。これによって、定着液32の使用量の低減化を図り得るとともに、トナー像の記録媒体への定着および定着後の乾燥を短時間で実施できる。また、トナーの体積平均粒径が適度に小さい場合には、記録媒体8に対する被覆率が高くなるので、低付着量での高画質化およびトナー消費量の低減化を達成でき、ひいては定着液32の消費量のさらなる低減化を達成できる。
トナーの体積平均粒径が2μm未満では、トナーの流動性が低下し、現像動作の際に、トナーの供給、撹拌および帯電が不充分になり、トナー量の不足、逆極トナーの増加などが起こり、高画質の画像が得られないおそれがある。一方、体積平均粒径が7μmを超えると、トナー粒子の中心まで軟化および/または膨潤し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、画像の記録媒体への定着性が低下するとともに、画像の発色が悪くなり、特にOHPへの定着の場合には、画像が暗くなる。
トナー自体の軟化点およびガラス転移点は特に制限されないけれども、軟化点が100〜130℃、ガラス転移点が50〜80℃であることが好ましい。このような軟化点の高いトナーは、現像時の負荷に対する耐久性を向上させるには好ましいけれども、熱定着方式では充分に定着および発色しない。ところが、本発明では、定着液32を用いて化学的にトナーを軟化および/または膨潤させるので、定着および発色が充分で、高品位な画像が得られる。なお、トナーが複数の結着樹脂を含む場合には、トナーが複数の軟化点または複数のガラス転位点を示すことがある。その場合、トナーの軟化点またはガラス転移点とは、複数あるうちの最も低い軟化点またはガラス転移点の温度を示すものとする。
トナーは、公知の方法に従って製造できる。たとえば、結着樹脂に離型剤、着色剤などを分散して粉砕する方法、結着樹脂のモノマー溶液中に離型剤、着色剤などを分散させ、その後結着樹脂のモノマーを重合させる方法などが挙げられる。いずれの方法においても、トナーの表面積を大きくするために、トナーの形状が球形よりも不定形になるように調整するのが好ましい。これによって、定着液32と接触し易くなるので、定着液32の使用量を減らし、トナー像の定着および乾燥を短時間で実施できる。
各色トナー16y,16m,16c,16bは、キャリアと混合して2成分現像剤として用いてもよく、または、そのまま1成分現像剤として用いもよい。
本実施の形態で用いられる各色トナー16y,16m,16c,16bは、顔料以外は次に示す同じ構成を有する。このトナーは、ガラス転移点60℃、軟化点120℃、体積平均粒径6μmであり、負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、X−Rite社製310による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、5g/mのトナー量が必要である。このトナーは、ガラス転移点60℃かつ軟化点120℃のポリエステル(結着樹脂)、ガラス転移点50℃かつ軟化点70℃の低分子ポリエチレンワックス(離型剤)および各色の顔料を含み、ワックス含有量がトナー全量の7重量%、顔料含有率がトナー全量の12重量%および残部が結着樹脂のポリエステルである。このトナーに含まれる低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂のポリエステルよりもガラス転移点および軟化点が低いワックスである。このようなワックスを用いれば、結着樹脂のガラス転移点よりも低い温度下でも、トナー同士の付着力、トナーと中間転写ベルト21または記録媒体8との付着力が増加するので、液状物である定着液32を付与する際に、定着液32によるトナーの流れ、凝集などが発生するのを抑制できる。さらに、トナー中のワックスが軟化すると、ワックスが存在する箇所からトナー内部に定着液32が浸透し易くなる。したがって、定着液32の付与時に短時間でトナー全体が軟化および/または膨潤し、記録媒体8への転写時に充分な定着強度が得られ、トナー像の重ね合わせによる発色も充分になる。
転写手段3は、中間転写ベルト21と、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bと、支持ローラ25,26,27と、ベルトクリーナ28とを含んで構成される。
中間転写ベルト21は、支持ローラ25,26,27との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状のトナー像担持体であり、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で矢符29の方向に回転する。中間転写ベルト21には、たとえば、厚さ100μmのポリイミドフィルムの表面に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)とを8:2(重量比)の割合で含むフッ素樹脂組成物からなる厚さ20μmの被覆層を設けたものが挙げられる。ポリイミドフィルムおよび被覆層中には、中間転写ベルト21としての電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。被覆層表面が、トナー像担持面21aになる。なお、中間転写ベルト21の材料はこれだけに限定されず、定着液32を浸透しないものであれば特に制限なく使用できる。たとえば、導電性を付与したポリカーボネート、フッ素ゴムなどのフィルムに、PTFEおよび/またはPFAからなる被覆層を設けたものでもよい。
中間転写ベルト21のトナー像担持面21aは、その回転方向(矢符29の方向)上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接する。中間転写ベルト21の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色相のトナー像が中間転写ベルト21に転写される中間転写ニップ部である。中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向する位置に、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bが配置される。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bは、それぞれ、中間転写ベルト21におけるトナー像担持面21aの反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含んで構成される。軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。軸体の直径は特に制限されないけれども、好ましくは8〜10mmである。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電性制御剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。導電性層によって、中間転写ベルト21に高電圧が均一に印加される。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、それぞれ、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナー像を中間転写ベルト21上に転写するために、トナーの帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー色、マゼンタ色、シアン色およびブラック色の各色相のトナー像が中間転写ベルト21のトナー像転写面21aに順次重ね合わさって転写され、多色トナー像が形成される。但し、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの色相の一部のみの画像情報が入力される場合には、作像ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色相に対応する作像ユニットのみにおいてトナー像が形成される。
支持ローラ25,26,27には、たとえば、直径30mmで、肉厚が1mmのアルミニウム製円筒体が用いられる。支持ローラ25の内部には加熱手段31を設けてもよい。加熱手段31は、中間転写ベルト21のトナー像担持面21a上のトナー像を加熱するために設けられるけれども、トナー像を熱定着するほどの発熱量を必要とせず、後述の定着液非接触付与手段4により付与される定着液32の消費量の更なる低減を目的とするものである。したがって、加熱手段31を設けることによって、画像形成装置1の電力消費量は熱定着方式の画像形成装置のそれよりも大幅に少ない。加熱手段31には、たとえば、ハロゲンランプ、ヒータなどが用いられる。中間転写ベルト21を介して、後述する転写定着ローラ30に圧接する支持ローラ26は、電気的に接地される。
ベルトクリーナ28は、中間転写ベルト21のトナー像転写面21a上のトナー像を後述の転写定着手段5において記録媒体8に転写した後に、トナー像転写面21a上に残存するトナーを除去する部材であり、中間転写ベルト21を介して支持ローラ27に対向するように設けられ、図示しない加圧手段により、中間転写ベルト21のトナー像転写面21aに圧接し、トナー像転写面21a上の残存トナーなどを掻き取るクリーニングブレード28aと、クリーニングブレード28aに掻き取られるトナーなどを貯留するトナー貯留容器28bとを含んで構成される。クリーニングブレード28aには、たとえば、弾性を有するゴム材料(たとえば、ウレタンゴム)などからなるブレードを使用できる。
転写手段3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成される各色のトナー像が、中間転写ベルト21のトナー像転写面21aの所定位置に重ね合わされて転写され、トナー像が形成される。このトナー像が中間転写ベルト21上で中間転写ニップ部よりも下流側に配置される後述の定着液非接触付与手段4で定着液を噴霧付与され、膨潤する。膨潤して粘着性を持ったトナー像は、転写定着手段5において記録媒体8に転写定着される。その後、中間転写ベルト21上の残存トナー、オフセットトナー、紙粉などがベルトクリーナ28により除去され、トナー像転写面21aには再度トナー像が転写される。
図3は、図1に示す画像形成装置1の要部、特に定着液非接触付与手段4の構成を模式的に示す断面図である。図4は、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aを臨む方向から見た定着液非接触付与手段4の正面図である。図4では、説明のために、破線で示すべき部材の一部を実線で示す。
定着液非接触付与手段4は、中間転写ベルト21によって搬送される未定着トナー像に定着液32を付与するための静電霧化装置であり、中間転写ベルト21の回転方向(矢符29の方向)において、トナー像形成手段2による中間転写ベルト21へのトナー像の転写位置から転写定着手段5によるトナー像の記録媒体8への転写定着位置までの間に設けられ、定着液槽33と、定着液槽34と、定着液搬送部材35と、印加電極36と、対向電極37と、空気流制御部材38とを含んで構成される。
定着液槽33は、印加電極36および対向電極37を支持し、その鉛直方向下部に定着液32を貯留する定着液貯留部34を有する。さらに、定着液槽33の短手方向において、空気流制御ローラ38が設けられる側の側壁33bに対向する側壁33aは、鉛直方向上方に延びるほど側壁33bに近づくように湾曲し、その先端部分は、中間転写ベルト21上のトナー像が該先端部分に接触することなく通過可能な程度の間隔を有して中間転写ベルト21に離隔するように設けられる。また、側壁33aの長手方向において、印加電極36が側壁33aに接する位置と、対向電極37が側壁33aに接する位置との間には、複数の吸気孔40が形成される。本実施の形態では、吸引孔40は方形状であるけれども、それに限定されず、たとえば、円形状、楕円形状、多角形状などの種々の形状に形成することができる。定着液槽33には、図示しない定着液供給管を介して図示しない定着液供給ポンプおよび定着液収容タンクが接続され、定着液槽33内に設けられる図示しない液量検知センサによる検知結果に応じて、定着液貯留部34における定着液面の高さが一定になるように、定着液収容タンクから定着液32が補給される。また、それに限定されず、定着液貯留部34の定着液32が消費された場合に、新しい定着液槽33に交換するカートリッジ方式にすることもできる。
定着液搬送部材35は、両端に開口部を有しかつその内部に両端の開口部に連なる定着液搬送路を有する中空棒状部材であり、印加電極36により支持されて一方の端部が定着液貯留部34に貯留される定着液32に浸漬し、他方の端部の先端部が中間転写ベルト21のトナー像担持面21aを臨むように設けられて、一方の端部から他方の端部に向けて毛細管現象などを利用して定着液32を搬送する。また、定着液搬送部材35は、一方の端部が定着液槽33の鉛直方向の底面に接しないように設けられる。また、定着液搬送部材35は、少なくとも他方の端部の先端部が、印加電極36から定着液搬送方向に突出するように設けられる。また、少なくとも他方の端部の先端部は、針状に形成されるのが好ましい。それによって、定着液32の液滴径のさらなる小径化を図ることができ、定着液滴のトナー像への選択的付与を一層有利に実行できる。また、複数の定着液搬送部材35は、定着液槽33の長手方向に一列に配列される。隣り合う定着液搬送部材35の間隔については、定着液搬送部材35の他端先端部の角度(定着液32の広がり易さ)、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aと定着液搬送部材35の他端先端部との距離、画像形成速度などの各種条件に応じて適宜選択できる。本実施の形態では、20mm間隔で12本の定着液搬送部材35が一列に配列される。定着液搬送部材35には、たとえば、棒状多孔質体、1または複数の毛細管などを使用できる。棒状多孔質体としては、アルミナ、ジルコニアなどが主成分の多孔質セラミックを棒状に形成したものなどが挙げられる。一般的な多孔質セラミックは絶縁体であるけれども、アルミナ、ジルコニアなどからなる多孔質酸化物中に導電性セラミックス粒子を微細に分散させた導電性多孔質セラミック、半導電多孔質セラミックなども使用できる。毛細管としては、たとえば、金属製毛細管、合成樹脂製毛細管などを使用できる。定着液搬送部材35は、定着液32に浸漬する一方の端部から、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aを臨む他方の端部に向けて、毛細管現象などを利用して定着液32を搬送する。他方の端部に搬送される定着液32は、その先端部で表面張力により液滴となって外方に向けて露出する。この定着液32の液滴は、後述するように印加電極36と対向電極37との間に発生する電界によって微小液滴化され、空気流41により搬送される。
図5は、印加電極36を支持ローラ25側から見た上面図である。印加電極36は、定着液槽34の短手方向の両側壁によって、定着液貯留部34に貯留される定着液32の液面に接しない位置に水平に支持され、その長手方向に一列に鉛直方向の貫通孔である定着液搬送部材挿通孔36aが形成され、この定着液搬送部材挿通孔36aによって定着液搬送部材35を支持する。印加電極36には、導電性材料から形成されるものを使用できる。導電性材料としては、たとえば、合成樹脂とカーボーブラック、導電性ウィスカ、導電性金属酸化物などの導電材とを含む導電性樹脂組成物、ステンレス鋼などの導電性金属などが挙げられる。印加電極36には、図示しない高電圧発生装置が接続され、トナー像の帯電電位とは逆の電圧が印加される。本実施の形態では、+5〜6kVの電圧が印加される。印加電極36に印加される電圧を調整することによって、微小液滴化される定着液32の量を適宜選択できる。
図6は、対向電極37を支持ローラ25側から見た上面図である。対向電極37は、定着液槽34の側壁33aによって、印加電極36に対向しかつ定着液搬送部材35の他端の先端部と離隔する位置に水平に支持される。また、対向電極37には、上方から見て網目状に形成され、鉛直方向の貫通孔である定着液滴流過孔37aが形成される電極部材が用いられる。この部材における網目(メッシュ)の粗さは、定着液滴が支障なく通過し得る粗さであれば特に制限はない。これによって定着液32の微小液滴を含む空気流41が中間転写ローラ21上のトナー像に向けて流過する。対向電極37の形成には、印加電極36を形成するための導電性材料と同じものを使用できる。本実施の形態では、対向電極37には網目状の電極部材が用いられるけれども、定着液滴を支障なく通過させ得る鉛直方向の貫通孔を有する電極部材であれば特に制限なく使用できる。
印加電極36に高電圧を印加すると、印加電極36と対向電極37との間に電界が発生し、電界は定着液搬送部材35の他方の先端部に搬送されて外方に向けて露出する定着液32の液滴に集中する。電界の集中度合いは、他方の先端部の形状が針状である場合に大きくなる。定着液32の液滴には電荷が注入され、液滴の電荷がレイリー(Rayleigh)限界を超えると、液滴が不安定になって液滴から強く荷電された1つまたは複数の微小液滴が放出される。この微小液滴が空気流41に乗り、微小液滴の電荷により、さらに空気流41が後述の空気流制御部材38にて中間転写ベルト21のトナー像に向けて流過するように制御されることも相俟って、微小液滴がトナー像に選択的に付与される。
図7は、空気流制御部材38により発生する空気流41の流過方向を模式的に示す断面図である。空気流制御部材38は、矢符39の方向に回転自在に支持されるローラ状部材であり、定着液槽34よりも中間転写ベルト21の回転方向下流側において、その回転を妨げずかつ空気流41の流過がほとんどない程度の微小間隔を有して定着液槽34の側壁33bの上端部および対向電極37の水平方向の側壁33b側端部と離隔し、かつ空気流41が円滑に流過する程度の空隙を有して中間転写ベルト21に離隔するように設けられる。中間転写ベルト21との空隙は、たとえば、0.5〜3mm程度である。空気流制御部材38をこのように配置し、矢符39の方向に回転駆動させることによって、吸引口40から空気を吸入して空気流41を発生させ、さらに定着液32の微小液滴を含む空気流41を空気制御部材38と中間転写ベルト21との間の空隙に集中的に導入することができる。そして、中間転写ベルト21上のトナー像がその空隙に搬送され、そこで定着液32の微小液滴の付与を受けることによって、トナー像に定着液32の微小液滴を選択的に付与し、トナー像を膨潤および/または軟化させることができる。このような空気流制御部材38は、特に画像形成速度が速くなるほど効果的に作用する。
定着液32は、トナーを軟化および/または膨潤させる液状物である。定着液32として、トナーを軟化および/または膨潤させる作用を有する有機化合物(以後「トナー定着用有機化合物」と称す)と、トナー定着用有機化合物を溶解または分散できる溶媒成分とを含むものが好ましい。
トナー定着用有機化合物としては、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカルボン酸と、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類とから形成されるエステル類などが挙げられる。これらの中でも、エーテル類およびエステル類が好ましく、エステル類が特に好ましい。エーテル類の中では、ジエチルエーテルが特に好ましい。エステル類の中では、酢酸エチル、酢酸メチル、蟻酸メチル、蟻酸エチルなどがさらに好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。トナー定着用有機化合物は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。トナー定着用有機化合物は、常温での揮発性を有するとともに、ポリエステルなどのトナー用結着樹脂を軟化および/または膨潤させる作用に優れる。
トナー定着用有機化合物の定着液32における含有量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは定着液32全量の1〜50重量%、さらに好ましくは定着液32全量の5〜50重量%、特に好ましくは定着液32全量の10〜40重量%である。1重量%未満では、トナーの軟化および/または膨潤作用が不充分になり、トナー像の記録媒体8への定着強度が低下するおそれがある。また、50重量%を超えると、相対的に溶媒成分の含有量が減少することによって、定着液32のトナー像に対する浸透性が低下し、トナー像の表層のみが軟化および/または膨潤するので、トナー像の記録媒体8に対する定着強度が低下するおそれがある。
溶媒成分としては、トナー定着用有機化合物を溶解または分散し得る液体成分であれば特に制限されないけれども、トナー像への浸透性などを考慮すると、ハイドロフルオロエーテルが好ましい。ハイドロフルオロエーテルは表面張力および粘度が小さいので、トナー粒子間、トナーと記録媒体8との接触面などに良く浸透する。このため、トナー定着用有機化合物が、ハイドロフルオロエーテルとともにトナー粒子間、トナーと記録媒体8との接触面などに運ばれ、トナーを瞬時に軟化および/または膨潤させ得る。また、ハイドロフルオロエーテルは、蒸発潜熱が小さいので、室温でも短時間で揮発し、記録媒体8の乾燥が速くなる。
ハイドロフルオロエーテルとしては公知のものを使用でき、たとえば、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル(COCH)、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル(COC)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル 2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(CHFCFOCHCF)などが挙げられる。ハイドロフルオロエーテルは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ハイドロフルオロエーテルの定着液32における含有量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは定着液32全量の50〜99重量%、さらに好ましくは定着液32全量の50〜95重量%、特に好ましくは定着液32全量の60〜90重量%である。50重量%未満では、定着液32のトナー像に対する浸透性が低下し、トナー像の表層のみが軟化および/または膨潤するに留まり、トナー像の記録媒体8に対する定着強度が低くなるおそれがある。一方、99重量%を超えると、相対的にトナー定着用有機化合物の含有量が少なくなり、定着液32のトナーに対する軟化・膨潤作用が低下し、トナー像の記録媒体8に対する定着強度が不充分になるおそれがある。
定着液32には、トナー定着用有機化合物および溶媒成分のほかに、トナー定着用有機化合物の水中での分散状態を保ち、定着液32のトナーとの濡れ性を向上させる界面活性剤を添加できる。界面活性剤としては公知のものを使用でき、たとえば、脂肪酸誘導体硫酸エステル塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、四級アンモニウム塩、複素環アミンなどの陽イオン界面活性剤、アミノ酸エステル、アミノ酸などの両性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
定着液非接触付与手段4によれば、空気流制御部材38の回転によって吸引口40から定着液槽33内に導入される空気流41が、定着液槽33内で形成され、トナー像とは逆電位の帯電状態にある定着液32の微小液滴を乗せて、空気流制御部材38と中間転写ベルト21との間の空隙に集中し、そこに搬送されるトナー像Tに定着液32の微小液滴を選択的に付与し、トナー像を膨潤および/または軟化させる。
転写定着手段5は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ26に圧接しかつ軸線方向に回転駆動可能に設けられる転写定着ローラ30を含んで構成される。転写定着ローラ30には、たとえば、直径10mmの芯金の外周に、厚さ4mmのウレタンゴム層を設けたものが用いられる。転写定着ローラ30は、たとえば、5N/cmの線圧で支持ローラ26に押圧される。本実施の形態では、前述のように、芯金の外周にウレタンゴム層を設けた転写定着ローラ30が用いられるけれども、これに限定されず、トナー像の記録媒体8への転写定着を一層円滑に実行することなどを目的として、カーボンなどの導電材を含むウレタンゴム層を設けた転写定着ローラを用いてもよい。このとき、転写定着ローラの芯金にたとえば+1kV程度の電圧を印加すると、中間転写ベルト21のトナー像は一層確実に記録媒体8に転写定着される。
転写定着手段5によれば、軟化および/または膨潤した状態にあるトナー像を担持する中間転写ベルト21が、支持ローラ26と加圧ローラ30との圧接部(転写定着ニップ部)に移動し、それに同期して、後述の記録媒体供給手段6から転写定着ニップ部に記録媒体8が搬送され、中間転写ベルト21のトナー像担持部分と記録媒体8とが重ね合わせられて押圧される。このトナー像は、軟化および/または膨潤状態にあるので、押圧によって記録媒体8に付着する。このとき、記録媒体8が紙類である場合には、トナー像は紙繊維に強く入り込み、それと同時にトナー粒子同士が融合し、トナー像の表面が平滑になる。その結果、減法混色による発色性と表面の光沢性に優れる高品位なカラー画像が得られる。本実施の形態では、中間転写ベルト21の表面に、トナーとの付着力が小さいフッ素樹脂層を設けるので、トナー像はほぼ全量が記録媒体8に転写される。また、中間転写ベルト21は、フッ素樹脂層の下に弾性層を有するので、記録媒体8表面の凹凸に従って変形するので、記録媒体8の凹部にもトナー像を接触させることができ、均一な転写定着像が得られる。なお、トナー像が転写定着された記録媒体8は、排紙ローラ45を介して画像形成装置1の外部に設けられる排出トレイ46に排出される。
記録媒体供給手段6は、記録媒体8を貯留する記録媒体カセット42と、記録媒体8を搬送路Pに1枚ずつ送給するピックアップローラ43と、中間転写ベルト21上の多色トナー像が転写定着ローラ30と支持ローラ26との圧接部に搬送されるのに同期して、転写定着ローラ30と支持ローラ26との圧接部に記録媒体8を送給する一対のレジストローラ44a,44bとを含んで構成される。記録媒体供給手段6によれば、記録媒体カセット42内の記録媒体8をピックアップローラ43により1枚ずつ搬送路Pに送給し、さらに中間転写ベルト21上のトナー像が転写定着ニップ部に搬送されるのに同期して、レジストローラ44a,44bにより記録媒体8を転写定着ニップ部に送給する。
スキャナ部7は、透明ガラスからなり複写すべき原稿を載置する図示しない原稿台と、原稿台に載置される原稿を照明する図示しない光源と、原稿台上へ複写すべき原稿を自動的に供給搬送する図示しない両面自動送り装置と、前記光源により照明される原稿からの反射光を光電変換することで、反射光を画像信号に変換するCCD9センサとを含んで構成される。CCDセンサ9は変換部と転送部と出力部とを含み、変換部では反射光である光信号を電気信号に変換し、転送部ではクロックパルスに同期して電気信号を順次出力部へ転送し、出力部では電気信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像処理を行ってデジタル信号に変換する。スキャナ部7により読み取られる原稿の画像情報は、画像形成装置の全動作を制御する図示しないCPUに送られ、各種画像処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像を読出して光走査ユニット13に転送して記録媒体である記録紙上に画像を形成させる。
画像形成装置1によれば、トナー像形成手段2により画像情報に応じて形成されるトナー像が中間転写ベルト21に転写され、支持ローラ25による予備加熱を受けた後、定着液非接触付与手段4により定着液32の選択的な付与を受けて膨潤および/または軟化し、転写定着部5において記録媒体8に転写と同時に定着される。
画像形成装置1では、トナー像の記録媒体8への熱定着を行うことなく画像形成が可能であるため、消費電力を大幅に削減できる。加熱手段31を用いても、熱定着のようにトナーを完全に溶融させる必要がないので、消費電力の大幅な削減が可能である。
また、静電霧化を行う定着液非接触付与手段4を用いて定着液32の微小液滴を未定着トナー像に噴霧するので、トナー像の乱れるによる画像劣化を防止できる。また、付与される定着液32が速やかにトナー像に拡散、浸透し、トナーの軟化および/または膨潤が瞬時にかつ広範囲で生じるため、画像形成速度が高速の場合でも対応が可能である。また、定着液32の微小液滴が未定着トナー像とは逆電位に帯電し、この微小液滴を含む空気流41がトナー像のみに吹き付けられることにから、未定着トナー像へ選択的に定着液32が集まり、非画像部への定着液32の付着が著しく減少する。その結果、定着液32の使用量の低減化、記録媒体8のカール、しわなどの発生の低減化などを図り得る。
図8は、本発明の実施の第2形態である画像形成装置50の構成を模式的に示す断面図である。図9は、図8に示す画像形成装置50の要部(後述の定着液非接触付与手段51および定着液接触付与手段52)の構成を拡大して示す断面図である。
画像形成装置50は画像形成装置1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
画像形成装置50は、トナー像形成手段2による中間転写ベルト21へのトナー像転写位置から転写定着手段5によるトナー像の記録媒体8への転写定着位置までの間で、中間転写ベルト21に沿って設けられ、図示しない定着液量制御手段を含む以外は定着液非接触付与手段4に類似する定着液非接触付与手段51と、定着液非接触付与手段51よりも中間転写ベルト21の回転方向(矢符29の方向)下流側でかつ転写定着手段5よりも上流側に設けられて中間転写ベルト21上のトナー像に定着液32を接触下に付与する定着液接触付与手段52とを含むことを特徴とする。
定着液非接触付与手段51は、定着液非接触付与手段4に類似の構造を有し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。定着液非接触付与手段51は、前述のように、図示しない定着液量制御手段を含むことを特徴とする。
定着液量制御手段は、スキャナ部7により読み取られ、画像形成装置50の図示しないCPUのメモリに入力される形成しようとする画像の画像情報のうち、印字率、ベタ画像の有無およびその画像面積などのデータを、CPUの演算部において、やはりメモリに予め入力される印字率毎の定着液32付与量、ベタ画像の画像面積毎の定着液32付与量と比較して必要な定着液32付与量を算出し、この演算結果に応じてCPUの制御部がCPUと電気的に接続され、印加電極36に電圧を印加する図示しない高電圧発生装置に制御信号を送り、高電圧発生装置により印加電極36に印加される電圧値ひいては印加電極36と対向電極37との間に発生する電界を制御することによって、定着液32の液滴化(霧化)量を制御する。このように構成すれば、形成される画像に応じて定着液32の液滴化量を調整できるので、後の定着液接触付与手段52により定着液32に接触塗布する際に、定着液接触付与手段52へのトナーの付着、定着液接触付与手段52との接触によるトナー像の乱れなどが生じない程度にトナー粒子同士の結合力を向上させるのに過不足のない量の定着液32の微小液滴が選択的にトナー像に付与され、定着液32の消費量の低減化に寄与し得る。
定着液非接触付与手段51によれば、中間転写ベルト21上のトナー像に、トナー粒子同士の結合力が向上するのに過不足のない量の定着液32が、微小液滴としてトナー像に選択的に付与され、
定着液接触付与手段52は、定着液32を貯留し得る内部空間を有する定着液溜53と、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aに圧接し、その一部が定着液溜53に貯留される定着液32中に浸漬しかつ図示しない駆動手段により矢符55の方向に回転駆動可能なように支持され、定着液溜53の中間転写ベルト21を臨む開口部に設けられる定着液供給ローラ54と、定着液供給ローラ54の表面に圧接しかつ図示しない駆動手段により矢符57の方向に回転駆動可能に設けられる規制ローラ56と、一端を定着液溜53に固定されかつ他端が規制ローラ56の表面に圧接するように設けられる除去ブレード58とを含んで構成される。なお、定着液供給ローラ54と規制ローラ56とは、たとえば、単一のギア列により駆動され、一定の周速比で回転する。
定着液溜53は内部空間を有する箱状部材であり、その鉛直方向下部の内部空間に定着液32を貯留する。定着液溜53には図示しない定着液供給管を介して図示しない定着液供給ポンプおよび定着液収容タンクが接続され、定着液溜53内に設けられる図示しない液量検知センサによる検知結果に応じて、定着液溜53における定着液面の高さが一定になるように、定着液収容タンクから定着液32が補給される。また、それに限定されず、定着液溜53の定着液32が消費された場合に、新しい定着液溜53に交換するカートリッジ方式にすることもできる。
定着液供給ローラ54には、その表面に定着液32を担持し得るローラ状部材であり、たとえば、芯金と、芯金の表面に形成される弾性層と、弾性層の表面に形成される親水性層とを含むローラ状部材が挙げられる。弾性層には、たとえば、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどが用いられる。親水性層には、たとえば、親水性処理を施したPTFEなどが用いられる。さらに、定着液供給ローラ54は、少なくともその表面層が、後述する定着液32との濡れ性が良好な材料を含んで構成することができる。該材料としては特に制限はないけれども、たとえば、アルミニウムなどの金属、親水性樹脂、親水性ゴム材料などが挙げられる。このような親水性の表面層を設けることによって、定着液32を薄い層として保持することができ、少量の定着液32でも広い範囲に付与できるので、定着液32の消費量を低減化できるとともに、過剰な定着液32が未定着のトナーを押し流して画像を乱すのを防止できる。また、定着液供給ローラ54は、トナー像のような吸液性のものには定着液32を付与し、中間転写ベルト21表面のように定着液32をはじくような材質を有する部材表面では、該表面に付着する定着液32を吸収する性質を有する。したがって、定着液供給ローラ54は、定着液接触付与手段52の中間転写ベルト21の回転方向上流に設けられる定着液非接触付与手段51による定着液32の付与により、わずかではあるけれども非画像部に付着する無駄な定着液32を吸収できるので、定着液32の使用量をさらに削減できる。本実施の形態では、径12mmの芯金に弾性を有するシリコンゴムからなる弾性層を設けて外径20mmのローラを得、さらに弾性層の表面に親水性処理を施したPTFEからなる厚さ10μmの親水性層を設けたローラが、接触塗布手段49として用いられる。また本実施の形態では、定着液供給ローラ54は、0.5N/cmの圧力で中間転写ベルト21に圧接される。さらに定着液供給ローラ54は、中間転写ベルト21の回転速度に対して2%遅い速度で回転する。定着液供給ローラ54の矢符55方向の回転により、定着液供給ローラ54の表面には定着液32が担持される。
規制ローラ56は、定着液供給ローラ54表面に担持される定着液32の液量を規制するローラ状部材である。規制ローラ56には、たとえば、金属製ローラが用いられる。本実施の形態では、外径12mmのステンレス鋼製ローラである。また本実施の形態では、規制ローラ56は、定着液供給ローラ54の周速度に対して1/2の周速度で、定着液供給ローラ54との圧接部で表面が逆方向に移動する方向、すなわち矢符57の方向に回転する。
除去ブレード58は、規制ローラ56表面から定着液32を除去する板状部材であり、たとえば、厚さ40μmのステンレス鋼製の板などが用いられる。
定着液接触付与手段52によれば、まず、定着液供給ローラ54表面に担持される定着液32が規制ローラ56により規制を受け、ほぼ一定の厚さを有する定着液32の薄層が形成され、この定着液層が、定着液供給ローラ54と中間転写ベルト21との圧接部において、中間転写ベルト21のトナー像担持面21a上に移行する。このとき、定着液供給ローラ54上の定着液32のほぼ1/2がトナー像担持面21aの表面に移行してトナー像に付与される。これによって、トナー像が記録媒体8への定着に適するほどに膨潤および/または軟化する。この後、トナー像は転写定着手段5により記録媒体8に転写と同時に定着される。
画像形成装置50によれば、中間転写ベルト21上のトナー像に対して、定着液非接触付与手段51により定着液32を前塗布してトナーをある程度軟化および/または膨潤させ、トナー同士の結着性を向上させた後に、定着液接触付与手段52によりトナー像に対し、接触下に本塗布を行うことで、転写定着手段5に搬送される前に、トナー像を軟化および/または膨潤させ、記録媒体8に対して充分な定着強度で転写定着することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、画像形成装置50内で熱定着を行うことなく、画像形成が可能であるため、消費電力量を大幅に削減できる。なお、加熱手段31を用いるけれども、トナー像を、トナーの熱定着温度よりは著しく低温のトナーのガラス転移点程度に加熱するために用いられるのみなので、消費電力量の大幅削減が可能である。
また、定着液非接触付与手段51を用いて定着液32の微小液滴を未定着トナー像に噴霧した後に、定着液接触付与手段52による接触塗布を行うので、トナー像の乱れそれに伴う画像劣化を防止できる。また、定着液32が速やかにトナー像に拡散、浸透し、トナーの軟化および/または膨潤が瞬時にかつ広範囲で生じるため、画像形成を高速で行う場合でも対応が可能である。
また、本塗布手段として、定着液接触付与布手段52を用いるので、前塗布工程(定着液非接触付与手段51による定着液32の付与)において、わずかではあるけれども非画像部に付着する定着液32を定着液供給ローラ54により回収でき、定着液32の消費量をさらに削減できる。
さらに、画像形成装置50において、スキャナ部7より読み込まれた画像データを画像処理する際、印字率なならびにベタ画像の有無およびその画像面積を判定し、前塗布工程での定着液32の液滴生成量を調整できるので、やはり定着液32の消費量削減に寄与できる。
本発明の実施の第1形態である画像形成装置の構成を模式的に示す断面図である。 図1に示す画像形成装置の要部の構成を拡大して示す断面図である。 図1に示す画像形成装置の要部の構成を拡大して示す断面図である。 定着液非接触付与手段の正面図である。 印加電極の上面図である。 対向電極の上面図である。 定着液非接触付与手段における空気流の流過方向を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の第2形態である画像形成装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。 図8に示す画像形成装置の要部の構成を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1,50 画像形成装置
2 トナー像形成手段
3 転写手段
4,51 定着液非接触付与手段
5 転写定着手段
6 記録媒体供給手段
7 スキャナ部
8 記録媒体
9 CCDセンサ
10y,10m,10c,10b 作像ユニット
11y,11m,11c,11b 感光体ドラム
12y,12m,12c,12b 帯電ローラ
13 光走査ユニット
14y,14m,14c,14b 現像装置
15y,15m,15c,15b ドラムクリーナ
16y,16m,16c,16b トナー
21 中間転写ベルト
22y,22m,22c,22b 中間転写ローラ
25,26,27 支持ローラ
28 ベルトクリーナ
30 転写定着ローラ
31 加熱手段
32 定着液
34 定着液槽
35 定着液搬送部材
36 印加電極
37 対向電極
38 空気流制御部材
40 吸気孔
41 空気流
42 記録媒体カセット
43 ピックアップローラ
44a,44b レジストローラ
52 定着液接触付与手段
53 定着液溜
54 定着液供給ローラ
56 規制ローラ
58 除去ブレード

Claims (8)

  1. トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段から転写されるトナー像を担持して回転駆動するトナー像担持体を含む転写手段と、トナー像担持体上のトナー像に定着液を付与する第1の定着液非接触付与手段とを含み、トナー像担持体上のトナー像を構成するトナーを定着液により軟化および/または膨潤させてトナー像を記録媒体に定着させる画像形成装置であって、
    第1の定着液非接触付与手段は、
    定着液の液滴を発生させる定着液滴生成手段と、
    定着液滴生成手段とトナー像担持体との間の空間領域に設けられて、定着液滴生成手段からトナー像担持体に向う空気流を制御する空気流制御手段とを含み、定着液の液滴をトナー像担持体上のトナー像に非接触下に付与することを特徴とする画像形成装置。
  2. 定着液滴生成手段は、
    定着液を貯留する定着液貯留部と、
    両端に開口部を有しかつその内部に両端の開口部に連なる定着液搬送路を有し、一端が定着液貯留部に貯留される定着液中に浸漬し、他端の先端部がトナー像担持体を臨んで設けられる1または複数の定着液搬送部材と、
    定着液搬送部材に接続されて電圧が印加される印加電極であって、その長手方向に定着液搬送部材を挿通させる1または複数の挿通孔が形成されて定着液搬送部材の少なくとも他端が挿通孔から定着液搬送方向に突出するように設けられる印加電極と、
    印加電極に対向しかつ定着液搬送部材の他端の先端部から離隔するように設けられ、その長手方向に定着液の液滴および空気流を、定着液搬送部材からトナー像担持体に向けて流過させる定着液滴流過孔が形成される対向電極とを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 定着液搬送部材は、
    他端の先端部が針状に形成されることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段から転写されるトナー像を担持して回転駆動するトナー像担持体を含む転写手段とを含み、トナー像担持体上のトナー像を構成するトナーを定着液により軟化および/または膨潤させてトナー像を記録媒体に定着させる画像形成装置において、
    定着液の液滴を発生させる定着液滴生成手段を含み、
    トナー像担持体上のトナー像に非接触下に定着液の液滴を付与する第2の定着液非接触付与手段と、
    トナー像担持体の回転駆動方向において第2の定着液非接触付与手段の下流側に設けられて、
    トナー像担持体上のトナー像に接触下に定着液を付与する定着液接触付与手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  5. 定着液滴生成手段は、
    定着液を貯留する定着液貯留部と、
    両端に開口部を有しかつその内部に両端の開口部に連なる定着液搬送路を有し、一端が定着液貯留部に貯留される定着液中に浸漬し、他端の先端部がトナー像担持体を臨んで設けられる1または複数の定着液搬送部材と、
    定着液搬送部材に接続されて電圧が印加される印加電極であって、その長手方向に定着液搬送部材を挿通させる1または複数の挿通孔が形成されて定着液搬送部材の少なくとも他端が挿通孔から定着液搬送方向に突出するように設けられる印加電極と、
    印加電極に対向しかつ定着液搬送部材の他端の先端部から離隔するように設けられ、その長手方向に定着液の液滴および空気流を、定着液搬送部材からトナー像担持体に向けて流過させる定着液滴流過孔が形成される対向電極とを含むことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 定着液搬送部材は、
    他端の先端部が針状に形成されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 第2の定着液非接触付与手段は、
    定着液滴生成手段とトナー像担持体との間の空間領域に設けられて、
    定着液滴生成手段からトナー像担持体に向う空気流を制御する空気流制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項5または6記載の画像形成装置。
  8. 複写原稿から画像情報を読み取るスキャナ手段をさらに有し、
    第2の定着液非接触付与手段は、
    スキャナ手段に読み取られる画像情報に応じてトナー像に付与される定着液量を制御する定着液量制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
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JP2011185970A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Ricoh Co Ltd 交換ユニット及び画像形成装置
JP2011215575A (ja) * 2010-03-17 2011-10-27 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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