JP2007162824A - 真空断熱材および真空断熱材を用いた断熱箱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着剤配置部における平面性を改善した薄型真空断熱材を提供する。
【解決手段】少なくとも芯材4と、吸着剤3と、芯材4および吸着剤3とを覆うガスバリア性を有する外被材5とから構成され、外被材5の内部を減圧してなる真空断熱材1において、吸着剤3は、粒状吸着剤8の圧縮成形体9を、ガス透過性を有する包装材7内に収容したことにより、包装材7が圧縮成形体9の外殻として圧縮成形体9の形状を維持する役割を果たすため、取り扱いの困難な粒状吸着剤8の圧縮成形体9の平面性を保ったまま外被材5内へ挿入できるため、真空断熱材1の平面性を確保できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄型の真空断熱材に関するものである。
近年、地球環境問題である温暖化の対策として家電製品や設備機器の省エネルギーを推進する動きが活発となっており、優れた断熱効果を有する真空断熱材が求められている。
真空断熱材とは、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外被材で覆い、外被材の内部を減圧密封したものである。真空断熱材は、その優れた断熱効果を長期にわたって維持する為に、真空断熱材へ侵入する水蒸気やガスを除去する水分吸着剤や気体吸着剤が芯材とともに減圧密封されている。
この水分吸着剤や気体吸着剤は、通常、粒状の吸着剤をガス透過性の包装材内へ収容したものであるため、吸着剤を芯材とともに外被材内へ挿入する工程において、粒の流動性により吸着剤が包装材内で偏り、真空断熱材の平面性が損なわれる。吸着剤の偏りは、芯材が薄いほど真空断熱材の平面性へ及ぼす影響が大きくなるため、真空断熱材の薄型化には、吸着剤の薄型化および厚みの均一化が課題であった。
この課題を解決するために、樹脂連続気泡発泡体と熱プレスによって板状に成形したガス吸着剤を用いた真空断熱材が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の真空断熱材の断面図である。この真空断熱材101は、樹脂連続気泡発泡体102と吸着剤103とを板状に成形するとともに、これらの樹脂連続気泡発泡体102と吸着剤103の複数を交互に積層したものである。これにより、樹脂連続発泡体102または吸着剤103のいずれかが最外面に位置させられたとしても、これらが板状に形成されているため、真空断熱材101の平面性が確保できるとされている。
特開平8−159373号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、真空断熱材101の芯材となる樹脂連続気泡発泡体102の有効断熱面積と同じ大きさの吸着剤103を樹脂連続気泡発泡体102に積層すると、真空断熱材101の全体厚みに占める芯材(樹脂連続気泡発泡体102)の厚みが相対的に減少するため、真空断熱材101の断熱効果が著しく低下する。
また、粉末の吸着剤103を熱プレスしただけでは機械的強度が飛躍的に改善しないため、芯材(樹脂連続気泡発泡体102)が冷蔵庫の側壁程度の大きさになると、吸着剤103の取り扱いの際に吸着剤103自身の重みに耐えられず、吸着剤103に割れや欠けが生じる。また、熱可塑性樹脂からなるバインダーを添加し、吸着剤103を熱プレスすると機械的強度は改善されるが、真空断熱材101の解体時に分別が困難となる。
本発明では、上記従来の課題を解決するものであり、薄型かつ平坦な吸着剤を用いた薄型の真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、少なくとも芯材と、吸着剤と、前記芯材および前記吸着剤とを覆うガスバリア性を有する外被材とから構成され、前記外被材の内部を減圧してなり、前記吸着剤が、粒状吸着剤の圧縮成形体を、ガス透過性を有する包装材内に収容した構成になっている。
通常、粒状吸着剤の圧縮成形体は、熱可塑性樹脂からなるバインダーを添加した板状吸着剤よりも機械的強度が小さいため、作業者の取り扱い方によっては圧縮成形体に割れや欠けが生じてしまうが、包装材が圧縮成形体の外殻として成形体の形状を維持する役割を果たすため、取り扱いの困難な粒状吸着剤の圧縮成形体の平面性を保ったまま外被材内へ挿入できるため、真空断熱材の平面性を確保できる。また、成形にバインダーを使用していないため、粒状吸着剤からのアウトガス発生の心配が無く、また、解体時の分別が容易となる。
以上これらの効果により薄型かつ平坦な吸着剤を用いた薄型の真空断熱材を提供することが可能となる。
請求項1に記載の発明は、少なくとも芯材と、吸着剤と、前記芯材および前記吸着剤とを覆うガスバリア性を有する外被材とから構成され、前記外被材の内部を減圧してなる真空断熱材において、前記吸着剤が、粒状吸着剤の圧縮成形体を、ガス透過性を有する包装材内に収容した構成になっているものである。
通常、粒状吸着剤の圧縮成形体は、熱可塑性樹脂からなるバインダーを添加した板状吸着剤よりも機械的強度が小さいため、作業者の取り扱い方によっては、圧縮成形体に割れや欠けが生じてしまうが、包装材が圧縮成形体の外殻として成形体の形状を維持する役割を果たすため、取り扱いの困難な粒状吸着剤の圧縮成形体の平面性を保ったまま外被材内へ挿入できるため、真空断熱材の平面性を確保できる。また、成形にバインダーを使用していないため、粒状吸着剤からのアウトガス発生の心配が無く、また、解体時の分別が容易となる。
なお、ここで粒状吸着剤とは、塊状や粒状もしくは粉末状の吸着剤を指す。
また、圧縮成形体とは粒状吸着剤に加圧もしくは加熱加圧による成形体を指す。
次に、真空断熱材の構成材料について説明する。
外被材に使用するラミネートフィルムは、最内層を熱溶着層とし、中間層にはガスバリア層として金属箔あるいは金属蒸着層を有し、最外層には表面保護層を設けたものが適用できる。
なお、熱溶着層としては、特に指定するものではないが、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム等の熱可塑性樹脂、或いは、それらの混合体が使用できる。
また、ガスバリア層としては、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体へアルミニウムや銅等の金属原子や、アルミナやシリカ等の金属酸化物を蒸着したフィルム等が使用できる。
また、表面保護層としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等、従来公知の材料が使用できる。
芯材の種類については、特に指定するものではないが、気層比率90%前後の多孔体をシート状または板状に加工したものであり、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォームなどの連続気泡体や、グラスウールやロックウール、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維などの繊維体、パーライトや湿式シリカ、乾式シリカなどの粉体など、従来公知の芯材が利用できる。
吸着剤は、真空包装直後に芯材の微細空隙から真空断熱材中へ放出された残存水分や、大気から真空断熱材内へ進入する水蒸気や気体を吸着する物質であり、水分吸着剤としては、酸化カルシウムや酸化マグネシウム等の化学吸着剤や、ゼオライト、シリカゲル、アロフェン等の物理吸着剤が使用でき、また、気体吸着剤としては、錯体分子が配位結合により連結された構造を持つ集積型錯体や、リチウムを含有する吸着剤などが使用できる。
包装材の種類については、特に指定するものではないが、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着された繊維体や、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂繊維をケミカルボンド方式やサーマルボンド方式等従来公知の接合方式によって製造された不織布、またはガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織物、微細孔を有する樹脂フィルムやシートや紙、もしくはこれらの貼り合わせによって得られた積層体等のガス透過性を有する従来公知の包装材が使用できる。
また、包装材の形状については、特に指定するものではないが、吸着したい水蒸気やガスの量または、吸着剤の求める厚みに応じて単包品、連包品を使用すれば良い。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明における吸着剤として、粒状吸着剤を、包装材を含めて圧縮成形した吸着剤を用いるものである。
包装材を含めて圧縮成形することにより、粒状吸着剤の圧縮成形体と包装材が密着するため、圧縮成形体の機械的強度が向上する。これにより、吸着剤厚みが1〜2mm程度であっても取り扱いが容易となるため、真空断熱材の薄型化が可能となる。
また、圧縮成形の際、粒状吸着剤の流動性によって、一部の粒状吸着剤が包装材内を移動するため、圧縮成形後の吸着剤は、包装材内に比表面積が大きな粒状吸着剤と平面性が良好な粒状吸着剤の圧縮成形体が混在した状態となり、真空包装直後に芯材の微細空隙から真空断熱材中へ放出された残存水分を吸着する速度が向上する。これにより、粒状吸着剤のもつ吸着速度と圧縮成形体のもつ平面性を兼ね備えた吸着剤を提供することが可能となる。
また、吸着剤を圧縮成形する工程において、ガスや水分の吸着による粒状吸着剤の劣化を抑制することができる。これにより、真空断熱材中で吸着剤の効果が長期にわたって発揮できるため、真空断熱材の断熱性能を長期にわたって維持することが可能となる。
また、圧縮成形体の厚みを、包装材の内寸法や粒状吸着剤の使用量や圧縮成形時の圧力を操作することによって自由に設計できる。これにより、吸着剤の厚みや形状に応じた容器や金型が不要となり、真空断熱材のコストダウンが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明における吸着剤として、少なくとも酸化カルシウムまたはゼオライトを含む吸着剤を用いるものである。
酸化カルシウムは、化学的に水分を吸着するため、水蒸気圧の極めて低い環境においても水分を吸着することができる。また、ゼオライトは物理的に水分を吸着するアルミナやシリカゲルと比較して、水蒸気圧の極めて低い環境において、水分をより多く吸着することができる。これにより、真空断熱材作製時に残存する水分を吸着し、真空断熱材の初期熱伝導率を低減することが可能であり、また、水蒸気の侵入による熱伝導率の経年劣化を抑制することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明における包装材として、少なくとも通気性を有する布地を含む構成の包装材を用いるものである。
ここで布地とは、織機、編機、フェルト製造法あるいは他の方法により、繊維、糸などで構成したシート状のものを指し、具体的には、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着された繊維体、または、ポリプロプレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂繊維をケミカルボンド方式やサーマルボンド方式等従来公知の接合方式によって製造された不織布、または、ガラス繊維やアルミナ繊維などの無機繊維からなる織物を指す。
本発明では、通気性を有する布地と吸着剤とが鋲効果により密着するため、吸着剤と布地との密着がさらに強固なものとなり、吸着剤の取り扱いが容易となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材を断熱箱体に適用するものである。
ポリウレタンやポリスチレンなどの発泡断熱材と複層する際、吸着剤適用部の表面性が良好であるため、発泡断熱材の流動性が損なわれない。これにより、発泡断熱材の未充填部が形成されにくく、断熱効果の高い箱体を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図である。図1において真空断熱材1は、グラスウールからなる芯材4を、吸着剤3とともにガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材5で覆い、外被材5の内部を減圧したものであり、外被材5の周縁に熱溶着部6が形成されている。なお、吸着剤3は、ガス透過性を有する包装材7内へ粒状吸着剤8からなる圧縮成形体9を収容したものである。
以上のように構成された真空断熱材について、以下その動作、作用を説明する。
まず、芯材4は、真空断熱材1の骨材として空間を形成する役割を果たし、真空排気後の真空断熱材1の断熱部を形成するものである。
吸着剤3は、ガス透過性を有する包装材7内へ粒状吸着剤8からなる圧縮成形体9を収容したものであり、真空包装直後に芯材4の微細空隙から真空断熱材1中へ放出された残存水分や、大気から真空断熱材1内へ進入する水蒸気や気体を粒状吸着剤8からなる圧縮成形体9によって吸着する役割を果たすものである。
外被材5は、熱可塑性樹脂や金属箔やプラスチックフィルム等をラミネート加工することでバリア性を付与したものであり、芯材4を空気や水分から隔離する役割を果たすものである。
熱溶着部6は、外被材5の熱溶着層が熱と圧力により溶融した後に固化したものであり、外被材5を所定の形状に保持する役割を果たすものである。また、ガスや水蒸気が外被材5の端部から真空断熱材1内へ侵入することを抑える役割を果たすものである。
包装材7は、粒状吸着剤8からなる圧縮成形体9の形状を保持する役割を果たすとともに、芯材4の微細空隙から真空断熱材1中へ放出された残存水分や、大気から真空断熱材1内へ進入する水蒸気や気体を粒状吸着剤8または圧縮成形体9が吸着する速度を一定に保つ役割を果たすものである。
次にこの真空断熱材1の製造方法および効果について説明する。
(実施例1)
粒度分布が1mm〜3mmである酸化カルシウムを1.5mmの厚みとなるように圧縮成型し、この圧縮成形体9を、撥水処理された耐水和紙および数μmの微細孔を有するポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる繊維層の3層構成からなる包装材7内へ収容することで吸着剤3を得た。
この吸着剤3をグラスウールからなる厚み5mmの芯材4の間に狭持させた状態で、あらかじめ外被材5の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材1を作製した。
この真空断熱材1における吸着剤3配置部の厚みは6.3mmであり、吸着剤3の偏りによる凹凸はみられず均一なものであった。
本実施例における吸着剤3は、酸化カルシウムの圧縮成形体9を包装材7で覆うことにより、包装材7が圧縮成形体9の外殻としての役割を果たすため、真空断熱材1作製時の取り扱いにおいて吸着剤7の平面性を維持したまま外被材5内へ挿入することが可能であった。
(実施例2)
粒度分布が150μm〜500μmである酸化カルシウム2.5gを、ポリエステル長繊維からなる不織布内へ収容し、不織布を含めて加圧したところ厚さ1.1mmの酸化カルシウムの圧縮成形体9が1.5gと、粒状の酸化カルシウムが1.0g混在した吸着剤3を得た。
この吸着剤3をグラスウールからなる厚み5mmの芯材4の間に狭持させた状態で、あらかじめ外被材5の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材1を作製した。
この真空断熱材1における吸着剤3配置部の厚みは5.5mmであり、吸着剤3の偏りによる凹凸はみられず均一なものであった。
本実施例における吸着剤3は、酸化カルシウムを包装材7を含めて圧縮成形することにより、包装材7が酸化カルシウムと密着し、吸着剤3の強度が向上するため、厚みが1mm程度の吸着剤3であっても真空断熱材1作製時の取り扱いにおいて吸着剤3の平面性を維持したまま外被材5内へ挿入することが可能であった。
(比較例1)
粒度分布が1mm〜3mmである酸化カルシウムを、撥水処理された耐水和紙および数μmの微細孔を有するポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる繊維層の3層構成からなる包装材7内へ収容することで吸着剤を得た。
この吸着剤をグラスウールからなる厚み5mmの芯材4の間に狭持させた状態で、あらかじめ外被材5の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。
この真空断熱材における吸着剤配置部の厚みは5〜9mmであり、平面性を確保できなかった。これは、吸着剤を芯材4に狭持させる工程において、酸化カルシウムを圧縮成形しなかったために、包装材7内で酸化カルシウムの粒が偏ったためである。
実施例1,2と比較例1の結果より、圧縮成形した吸着剤3を真空断熱材1へ適用することによって、吸着剤3の平面性を維持したまま真空断熱材1を作製することが可能となり、真空断熱材1の平面性を確保することが可能となる。また、吸着剤3の圧縮成形において熱可塑性樹脂等のバインダーを必要としないため、吸着剤3からのガス放出が少なく、粒状吸着剤と同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における真空断熱材について説明するが、実施の形態1と同一構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図2は、本発明の実施の形態2における真空断熱材の平面図であり、図3は図2をA−A’線で切断した真空断熱材の断面図である。
図2、図3において、真空断熱材1’は、複数のグラスウールからなる芯材4と、複数の吸着剤3とが熱溶着部6によって離間される同一平面状の独立した真空空間内に位置するように減圧密封され、対向する外被材5の熱溶着層同士が芯材4のすくなくとも周縁部の全てが熱溶着されている。
なお、吸着剤3は、ガス透過性を有する包装材7内へ粒状吸着剤8からなる圧縮成形体9を収容したものである。
次にこの真空断熱材1’の製造方法および効果について説明する。
(実施例3)
粒度分布が1.2mm〜2.0mmであるゼオライト2.0gを、撥水処理された耐水和紙および数μmの微細孔を有するポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる繊維層の3層構成からなる包装材7内へ収容し、包装材7を含めて加圧したところ、厚さ1.5mmのゼオライトの成形体7が1.3gと、粒状のゼオライトが0.7g混在した吸着剤3を得た。
次に、36個の方形に成形されたグラスウールからなる厚み5mmの芯材4をガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材5のうち、一方の外被材5の熱溶着層側へ図2のように格子状に6行6列となるように配置した後、各芯材4の上部に吸着剤3を配置し、熱溶着層同士が対向するように他方の外被材5で覆い、減圧下で外被材5全体を加熱加圧しながら芯材4の少なくとも周縁部の全てに熱溶着部6を形成し、真空断熱材1’を作製した。この真空断熱材1’における吸着剤3配置部の平均厚みは6.2mmであり、吸着剤3の偏りによる凹凸はみられず均一なものであった。
本実施例における吸着剤3は、ゼオライトを包装材7を含めて圧縮成形することにより、包装材7がゼオライトと密着し、吸着剤3の強度が向上するため、厚みが1mm程度の吸着剤3であっても真空断熱材1’作製時の取り扱いにおいて吸着剤3の平面性を維持したまま外被材5内へ挿入することが可能であった。
(比較例2)
粒度分布が1.2mm〜2.0mmであるゼオライト2.0gを、撥水処理された耐水和紙および数μmの微細孔を有するポリエチレン層ならびに延伸強化された多層ポリエチレンの割繊維を縦および横に連続的に積層し、熱溶着されてなる繊維層の3層構成からなる包装材7内へ収容し、吸着剤を得た。
次に、36個の方形に成形されたグラスウールからなる厚み5mmの芯材4をガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材5のうち、一方の外被材5の熱溶着層側へ図2のように格子状に6行6列となるように配置した後、各芯材4の上部に吸着剤を配置し、熱溶着層同士が対向するように他方の外被材5で覆い、減圧下で外被材5全体を加熱加圧しながら芯材4の少なくとも周縁部の全てに熱溶着部6を形成し、真空断熱材を作製した。
この真空断熱材における吸着剤配置部の平均厚みは5mm〜8mmであり、平面性を確保できなかった。これは、吸着剤を芯材4上へ配置する工程において、ゼオライトを圧縮成形しなかったために、包装材7内でゼオライトの粒が偏ったためである。
実施例3と比較例2の結果より、圧縮成形した吸着剤3を真空断熱材1’へ適用することによって、吸着剤3の平面性を維持したまま真空断熱材1’を作製することが可能となり、真空断熱材1’の平面性を確保することが可能となる。また、吸着剤3の圧縮成形において熱可塑性樹脂等のバインダーを必要としないため、吸着剤3からのガス放出が少なく、粒状吸着剤と同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における断熱箱体について説明するが、実施の形態1および2と同一構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。図4は、本発明の実施の形態3における断熱箱体としての冷蔵庫の縦断面図である。
図4において、断熱箱体10は、鋼板からなる外容器11と、熱可塑性樹脂からなる内容器12に、それぞれ実施の形態1の真空断熱材1が所定の位置に配置され、外容器11と内容器12により形成される空間内に発泡断熱材13を充填したものである。断熱箱体10は、冷蔵庫を構成し、断熱箱体10の背面下部の機械室14には圧縮機15が配置される。
以上のように構成された断熱箱体10について、以下その作用を説明する。
外容器11は、断熱箱体10の外殻を形成することで断熱箱体10の強度を保つとともに、内容器12とともに発泡断熱材13の型を形成するものである。
内容器12は、断熱箱体10中の内壁を形成し、外容器11とともに発泡断熱材13の型を形成するものである。
発泡断熱材13は、外容器11と内容器12との間に充填され、断熱箱体10の断熱材として作用するとともに、外容器11や内容器12と密着し、断熱箱体10の強度をさらに向上させる役割を果たすものである。
以上のように構成された断熱箱体10に実施の形態1の真空断熱材を適用することにより、真空断熱材1の吸着部の平面性が確保されていることから、ウレタンフォームなどの発泡樹脂の流動性を損なわないため、発泡断熱材13の未充填部が形成されにくく、断熱効果の高い断熱箱体10を提供することができる。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、吸着剤を有しながらも平面性を確保できるため、冷蔵庫や自動販売機、住宅、保冷ボックスなどの断熱材にも適用できる。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態2における真空断熱材の平面図 図2のA−A’線断面図 本発明の実施の形態3における断熱箱体の縦断面図 従来の真空断熱材の断面図
符号の説明
1,1’ 真空断熱材
3 吸着剤
4 芯材
5 外被材
7 包装材
8 粒状吸着剤
9 圧縮成形体
10 断熱箱体

Claims (5)

  1. 少なくとも芯材と、吸着剤と、前記芯材および前記吸着剤とを覆うガスバリア性を有する外被材とから構成され、前記外被材の内部を減圧してなり、前記吸着剤は、塊状または粒状吸着剤の圧縮成形体を、ガス透過性を有する包装材内に収容した構成となっている真空断熱材。
  2. 吸着剤は、粒状吸着剤を、包装材を含めて圧縮成形されている請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 吸着剤は、少なくとも酸化カルシウムまたはゼオライトを含む請求項1または2に記載の真空断熱材。
  4. 包装材は、少なくとも通気性を有する布地を含む構成である請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材を適用した断熱箱体。
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