JP2007160541A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップ部材によるキャッピング性能を維持しながら記録ヘッドの吐出口配列方向(記録媒体搬送方向)の寸法を小とし、これによって記録領域の上流側および下流側に設けられるローラ等の記録媒体搬送手段の配置間隔を小さくできるようにする。
【解決手段】記録ヘッド側面の外周に沿って設けられたキャップ受け部材によってキャップ部材の当接を受容するようにする。これにより、キャッピング性能を維持しながら記録ヘッドの吐出口配列方向の寸法を小とでき、記録媒体搬送手段の配置間隔を小さくできる。さらに、キャップ受け部材を上記当接位置から後退した位置に設定可能とすることで記録媒体搬送手段との干渉を避けることができ、搬送手段の配置間隔を最小限にすることができるようになる。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドおよびこれを用いるインクジェット記録装置に関するものである。なお、本発明は、一般的なプリント装置のほか、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリント部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには、各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用することができる。
インクジェット記録装置(以下、単に記録装置とも言う)における代表的なインク吐出方式は、エネルギの作用に応じ微細な吐出口から微少量のインクを例えば滴として吐出させて、記録媒体に付着させることにより記録を行うものである。この方式を採用するインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとも言う)の中で、例えばインクを吐出するために利用されるエネルギとして熱エネルギを利用するものは、吐出口の内方の液路に電気熱変換素子を有している。そしてこの電気熱変換素子に記録信号となる電気パルスを与えることによりインクに熱エネルギを与え、インクの相変化により生じる発泡(沸騰)の気泡圧力をインク吐出に利用するものである。
かかる記録ヘッドは、電気熱変換素子およびインクの吐出口を実装した記録素子基板と、記録装置本体から電気信号を受けて、その電気信号を記録素子基板に伝達するための電気配線基板とを有している。そしてこの記録ヘッドに適用される記録素子基板と電気配線基板との接続に関しては、特許文献1や特許文献2に開示されている。
図8(a)はこれらの特許文献に記載されたような記録素子基板と電気配線基板との接続部の模式的平面図、同図(b)は模式的断面図である。これらの図に示すように、記録素子基板100は、回路基板101とオリフィス板104とが接合されることで構成されている。回路基板101は、複数の電気熱変換素子と、駆動信号に応じて電気熱変換素子を選択的に駆動するための制御回路と、これらに対する所要の電気的配線部をなす電極配線(いずれも不図示)とを有し、電極端子107を介して外部への電気的接続が行われる。オリフィス板104は、その表面側に電気熱変換素子に対応した吐出口105を有し、回路基板101と接合されることで、回路基板101を貫通して設けたインク供給口106から吐出口105へのインク流路を画成する。回路基板101は接着剤210によって支持部材102に支持されている。この支持部材210は、不図示のインク供給源からのインクを受容して回路基板101のインク供給口106に導く流路109を有している。
回路基板101の電極端子107は、電気配線基板103のリード端子108とILB(Inner Lead Bonding)による金属間結合、または異方性導電接着を用いた熱圧着により電気的に接続される。これにより、記録装置本体から回路基板101に対して制御信号および駆動電力を供給することができる。
これらの接続部分は、封止材110により覆われている。インクからの保護を行うほか、吐出口が設けられたオリフィス板104の表面(吐出口形成面)にインク滴や紙紛等の塵埃が付着した際にこれらを除去するために行われるワイピング動作からの保護を行うべためである。また、回路基板101の温度上昇によりインクの吐出性能が低下しないように、支持部材210はアルミナなど回路基板101と同等の熱伝導率を有する材料で形成されている。
ところで、インクジェット記録装置の記録媒体搬送機構としては、特許文献3に記載されたもののように、記録ヘッドの吐出口形成面に対向するプラテンローラに記録媒体を巻きつけながら搬送する方式のものがある。また特許文献4に記載されたように、記録媒体搬送方向上、記録ヘッドによる記録領域の上流側のローラ(給紙ローラ)対および下流側のローラ(排紙ローラ)対とでそれぞれ記録媒体を挟持し、記録領域では記録媒体を平坦に規制しながら搬送を行う方式がある。近年、記録ヘッドのノズル数の増大に伴いノズル配列範囲が広くなっていることから、記録媒体がプラテンローラの曲面に規制されるためにノズルの位置により記録媒体との距離が変化してしまう前者の方式は殆ど使われなくなってきている。従って、現在では後者の搬送方式が主流になってきている。
図9(a)および(b)は記録素子基板100と電気配線基板103とを具える記録ヘッドの構成の2例を示す模式図であり、図8(b)に示した記録素子基板100の吐出口105側から見た平面図に対応している。
図9(a)は、例えば異なる3色のインク(例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C))に対応して設けた各記録素子基板100が電気配線基板103の開口103Aに並置されている記録ヘッドを示している。このインクジェット記録ヘッドは図の左右方向に走査され、その走査の過程でインクを吐出することにより記録を行う。それぞれの記録素子基板100は当該走査の方向とは異なる方向、すなわち例えば記録媒体(不図示)の搬送方向である図の上下方向に配列された吐出口105を有している。各記録素子基板100において、電極端子(同図には不図示)は、吐出口配列方向の延長線に交差する方向の対向する2つの短辺に沿ってのみ設けられている。
従って、電気配線基板103では、3つの記録素子基板100の短辺に対向する開口103Aの辺(図における開口103Aの上辺および下辺)から、配線の端部である電極リードが突出し、電極端子に接続される。電気配線基板103は、外周のいずれかの辺(例えば図の下辺)において折り曲げられて図に直交する方向に延在しており、その延在部分の端部には、記録装置本体から電気制御信号および駆動電力の供給を受けるコンタクト部分が設けられる。従って、図に示されている電気配線基板103の平面内では、配線は開口103Aの上辺および下辺の少なくとも一方に向かって回り込む部分(例えば開口103Aの上辺に向かう回り込み部103s)を有することになる。よって、かかる構成では、記録ヘッドの、図示の平面における上下方向(吐出口配列方向)の寸法は、記録素子基板100の長辺寸法よりも、少なくとも回り込み部103sの分だけ大きくなる。
ここで、インクジェット記録装置においては通常、不使用時に吐出口付近でインクが乾燥により固化するのを防ぐために、吐出口形成面を覆うキャップ部材が設けられる。かかるキャップ部材は、吐出口形成面に密着させた状態でキャップ内に負圧を作用させることにより、インクとともにノズル内の気泡や混入物等を吸引して除去するための回復処理(吸引回復)を行う際にも用いられる。従来の記録装置においては、図9(a)に示すような複数の記録素子基板の吐出口形成面の全体を覆うように単一のキャップ部材を構成するか、記録素子基板毎の吐出口形成面をそれぞれ覆うように各別のキャップ部材を構成するようにされている。しかしいずれにしても、キャップ部材によるキャッピング効果を得るには、キャップ部材が一様な平坦面またはなだらかな連続面を有した平面に対して密着されるようにされていた。そのため、従来では、上記配線の回り込み部103sもキャップ部材の平坦な受け面として利用されていた。
図9(b)は、上記と同様の3色のカラーインクに対応して一体に設けた記録素子基板100Coとブラック(K)のインクに対応して設けた記録素子基板100Kとが、それぞれ電気配線基板103Wの開口103Coと103Kとに配置されている構成である。記録素子基板100と電気配線基板103Wとの接続部の構成は上述と同様である。なお、このようなインクジェット記録ヘッドの構成は例えば特許文献5に開示されている。
ここで、ブラックインク用の記録素子基板100Kでは吐出量を多くするために比較的大径の吐出口105Kが配列されている。一方、カラー(Y,M,C)インク用の記録素子基板100Coでは吐出量を少なくするために比較的小径の吐出口105Y,105M,105Cが配列されており、記録素子基板100Kは記録素子基板100Coよりも図の上下方向の寸法が大きくなっている。これに伴い、記録ヘッドの、図示の平面における上下方向の寸法は、これら記録素子基板の構成に加え、記録素子基板100Kに対する回り込み部103sの分によって定まるものとなる。そして、かかる構成においても、回り込み部103sはキャップ部材の平坦な受け面として利用される。
特公平8−25272号公報 特開平10−44418号公報 特開平4−69264号公報 特開2001−341918号公報 特開2002−103637号公報
しかしながら、上述した図9(a)および(b)に示したようなインクジェット記録ヘッドないしこれを用いる記録装置には、記録品位を低下させる以下のような課題がある。
図9(a)および(b)において、記録ヘッドの吐出口配列方向(記録媒体搬送方向)の寸法は、上記給紙ローラと排紙ローラとで記録媒体を平坦に規制しながら搬送を行う方式において、給紙ローラおよび排紙ローラの配置に影響する。
最近では記録の高速化のために吐出口の配列範囲が大きくなっており、その分記録ヘッドの吐出口配列方向(記録媒体搬送方向)の寸法が増大している。また、カラーインク用の記録素子基板100Coに加え、比較的大径の吐出口105Kが配列されてなる記録素子基板100Kを有する図9(b)に示したような構成では、記録ヘッドの記録媒体搬送方向の寸法が一層大きくなる。特に図9(b)の構成では、ブラックインク用記録素子基板100Kとカラーインク用記録素子基板100Coとが、記録媒体上でのにじみ防止のためにインク打ち込みの時間差が生じるよう、記録媒体搬送方向にずれて配置されている。従って、そのずらし量103s2の分をも加えた寸法としなければならない。
これらのように、記録ヘッドの吐出口配列方向(記録媒体搬送方向)の寸法が増大している状況下、ローラの配置間隔もこれに伴って大きくなる傾向にある。ローラの配置間隔が大きいと、記録ヘッドで記録が行われる領域の記録媒体の規制が不十分となるので、記録媒体と記録ヘッドの吐出口形成面との接触を避けるためには記録媒体と記録ヘッドの吐出口形成面との間の間隔を広げる必要が生じる。この間隔は吐出されたインク滴の着弾精度に影響するので、記録品位の低下を抑制するためには記録媒体と記録ヘッドの吐出口形成面との間隔が広くならないようにすることが好ましい。すなわち、給紙ローラおよび排紙ローラの配置間隔をできるだけ小として記録媒体の規制が適切に行われるようにすることが好ましいのである。
さらに、最近普及している写真印刷に適した水分の多い淡インクが使用される場合、紙などの記録媒体が多量の水分を吸収することで波打ちが起こることがある。この波打ちによる記録媒体と記録ヘッドの吐出口形成面との接触を避けるために、記録媒体と記録ヘッドの吐出口形成面との間の間隔を広げると上記と同様の記録品位低下の問題が生じる。従ってこの場合も、給紙ローラおよび排紙ローラの配置間隔をできるだけ小として記録媒体の規制が適切に行われるようにすることが望まれる。
給紙ローラおよび排紙ローラの配置間隔をできるだけ小とするには、記録ヘッドの吐出口配列方向(記録媒体搬送方向)の寸法増大を極力抑制することが有効である。そのためには、適切な手段を講じることで配線回り込み部103sをできる限り小さくすることが考えられる。しかるに、配線回り込み部103sはキャップ部材の平坦な受け面としても利用されており、キャップ部材の受け部分が小さくなってキャッピングの不具合が生じてしまう恐れがあるため、単純にその狭小化を図ることができなかった。
本発明の目的は、上記各問題を解決し、キャッピング性能を維持しながら記録ヘッドの吐出口配列方向(記録媒体搬送方向)の寸法を小とすることができるようにすることにある。また本発明の他の目的は、これによって記録領域の上流側および下流側に設けられるローラ等の記録媒体搬送手段の配置間隔を小さくできるようにすることにある。そして本発明は、これによって記録媒体が記録領域において好ましく規制できるようにすることで、記録品位の低下が生じないようにするものである。
そのために、本発明は、記録媒体に対しインクを吐出するための複数の吐出口が配列された面と、該面の背面方向に延在する側面とを有するインクジェット記録ヘッドであって、
前記面のキャッピングを行うための記録装置のキャップ部材に当接可能に、前記側面の外周に沿って設けられ、前記キャップ部材の当接を受容する位置と該位置から後退した位置との間で移動可能に支持されたキャップ受け部材を具え、該キャップ受け部材は少なくとも前記当接位置において前記側面の外周に密着することを特徴とする。
また、本発明は、上記インクジェット記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記吐出口の配列方向とは異なる方向に前記記録ヘッドを走査する手段と、
前記キャップ受け部材に当接可能なキャップ部材と、
前記キャップ受け部材を前記当接位置に移動させる手段と、
を具えたことを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッド側面の外周に沿って設けられたキャップ受け部材によって記録装置のキャップ部材の当接を受容するようにしたので、キャッピング性能を維持しながら記録ヘッドの吐出口配列方向の寸法を小とすることができる。また、これによって記録領域の上流側および下流側に設けられるローラ等の記録媒体搬送手段の配置間隔を小さくでき、記録媒体が記録領域において好ましく規制できるので記録品位の低下も生じない。さらに、キャップ受け部材を上記当接位置から後退した位置に設定することで記録媒体搬送手段との干渉を避けることができ、これにより搬送手段の配置間隔を最小限にすることができるようになる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明を適用可能なインクジェット記録装置の一例を示す模式的平面図である。この記録装置は、記録ヘッド1000を位置決めして交換可能に搭載するキャリッジ1102を有する。キャリッジ1102には、記録ヘッド1000上の外部信号接続端子を介して駆動信号等を伝達するための電気接続部が設けられている。
キャリッジ1102は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイドシャフト1103に沿って、A方向およびB方向に往復移動可能に支持されている。そして、キャリッジ1102は、主走査モータ(キャリッジモータ)1104によりモータプーリ1105、従動プーリ1106およびタイミングベルト1107等の伝動機構を介して駆動されるとともに、その位置および移動が制御される。また、キャリッジ1102にはホームポジションセンサ1130が設けられている。キャリッジ1102上のホームポジションセンサ1130が遮蔽板1136の位置を通過した際に、ホームポジションとなる位置が検出される。
紙やプラスチック薄板等の記録媒体Pは、給紙モータ1135がギアを介してピックアップローラ1131を回転させることにより、オートシートフィーダ(ASF)1132から一枚ずつ分離給紙される。さらに、記録媒体Pは、搬送モータ1134によりギアを介して駆動される後述の給紙ローラおよび排紙ローラ(図1には不図示)により、記録ヘッド1000の吐出口形成面と対向する位置(記録領域)を通って搬送(副走査)される。記録媒体Pが給紙されたか否かの判定と、給紙時における記録媒体の前縁位置の確定とは、記録媒体Pがペーパエンドセンサ1133を通過した時点で行われる。
なお、記録媒体Pは、記録領域において平坦な被記録面を形成するように、給紙ローラおよび排紙ローラにより支持される。この場合、キャリッジ1102に搭載された1000は、それらの吐出口形成面がキャリッジ1102から下方へ突出して記録媒体Pと平行になるように保持され、記録領域を主走査される。
記録ヘッド1000は、各吐出部における吐出口の配列方向がキャリッジ1102の主走査方向に対して交差する方向(例えば副走査方向)になるようにキャリッジ1102に搭載されている。そしてその主走査の過程でこれらの吐出口列からインクを吐出することにより記録が行われる。
記録ヘッド1000は後述する記録素子基板と、電気配線基板と、記録装置が用いるインクの色数に応じて複数のインクタンクをそれぞれ分離可能に保持する部分と、を有する。図では、イエロー、マゼンタおよびシアンのインク色に対応して、それぞれの色インクを収納するインクタンク1160Y、1160Mおよび1160Cが搭載されたものが例示されている。なお以下において、色を特定しない場合には、インクタンクを符号1160で参照する。
なお、ホームポジション近傍には、記録ヘッドの吐出口形成面をキャッピングするゴム等の弾性部材でなるキャップ部材50が昇降可能に設けられている。このキャップ部材50には、吐出口から強制的にインクを吸引して吐出口の目詰まり等を防止するための吸引回復手段(不図示)が接続されている。また、吐出口形成面をキャップ部材50から離した状態で対向させ、予備吐出処理を行うこともできる。さらに、キャップ部材50の近傍に、吐出口形成面を払拭するためのワイピング部材を設けることもできる。
図2(a)は上記インクジェット記録装置に適用して好適な記録ヘッドの構成例であり、吐出口形成面側から見た状態で示している。図2(b)は図1および図2(a)のB方向から見た模式的側断面図であり、記録時の状態を示している。また、図2(c)も同じく模式的側断面図であり、記録ヘッドにキャッピングを施した状態で示している。
なお、これらの図において、図8(a),(b)および図9(a),(b)と同様の機能を果たす部分については対応箇所に同一符号を付してある。また、記録領域上流側および下流側にはそれぞれ一対のローラ対が配置され、記録媒体Pは各ローラ対によって挟持されるが、図2(b)においては、簡略化のために、各ローラ対のうち記録媒体Pの被記録面より上側にある一方のローラのみが示されている。これらのことは後述する第2〜第6の実施形態でも同様である。
図2(a)は、異なる3色のインク(例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C))に対応して一体に設けた記録素子基板100が支持部材102に取り付けられている記録ヘッド1000を示している。記録素子基板100のオリフィス板104には、これらカラーインク用の吐出口105Y,105M,105Cが配列されている。
一方、記録素子基板100の回路基板101には、図2(b)に示すように、表面(オリフィス板104が貼り付けられた面)から裏面側へ貫通する電極150が設けられている。また、支持部材102にも表面から裏面への貫通電極152が設けられている。そして、それらの電極をバンプ151を介して接続した上で、アンダーフィル接着剤210により記録素子基板100と支持部材102とを接着固定している。回路基板101の表面側の貫通電極150は、オリフィス板104で密閉シールされており、インクとの接触によるショートが防止されるようになっている。
支持部材102は各色インク用の流路109を有し、記録素子基板100の各色インク用のインク供給口106に接続される一方、インクタンク1160に結合するインク導入部材120のインク導入路123に連通している。
インク導入部材120には、支持部材102の流路109とインク導入路123とを連通させるためのインク連通路103’が形成された電気配線基板103が接着されている。そしてその配線パターン(不図示)と支持部材102の貫通電極152の上端部とが接続される。そして、当該接続を行った上で、アンダーフィル接着剤211により支持部材102を液体導入部材120および電気配線基板103の双方に接着すると共に、インク連通路103’およびインク導入路123のシールも行っている。
インクの流れを説明するに、インクタンク1160側の端部にフィルタ120fを備えたインク導入路123から、インク連通路103’および支持部材102のインク流路109を通って回路基板101のインク供給口106にインクが供給される。このインクは回路基板101とオリフィス板104との接合によって形成されるインク流路を介し、各吐出口105までを満たすものとなる。なお、図2(b)は上記3色のうち1色のインクに対応した模式的断面図であるが、他の色のインクの流れについても同様である。
図2(b)において、記録ヘッド1000は給紙ローラ201および排紙ローラ202の間を図面に直交する方向(走査方向)に移動する。その過程で、画像データに応じ電気熱変換素子(不図示)を駆動することで、各色吐出口105Y、105Mおよび105Cから鉛直方向下向きにインクを吐出できるようになっている。記録媒体Pは給紙ローラ201および排紙ローラ202によって被記録面が平坦な状態に規制されており、吐出されたインクが着弾することで記録が行われる。そして1回の記録走査が終了すると、記録媒体Pは給紙ローラ201および排紙ローラ202によって所定量搬送される。
以上のように本実施形態では、回路基板101に設けた貫通電極150と支持部材102に設けた貫通電極152とを介して、インク導入部材120に接着された電気配線基板103に対する電気的接続が行われるようにしている。すなわち、記録素子基板100の周囲には電気配線基板103ないし配線回り込み部分が存在していない。従って、記録媒体Pに対向する記録ヘッドの面の吐出口配列方向(記録媒体搬送方向)の寸法を小さくし、当該方向における記録素子基板100の寸法とほぼ等しくことが可能となる。従って、記録領域の上流側ローラおよび下流側ローラの配置間隔を小さくでき、記録媒体が記録領域において好ましく規制できるようになる。そしてこれによって、吐出口形成面と記録媒体Pとの間隔を近づけることができるようになるので、記録品位の低下が生じないようにすることが可能となる。
しかし以上のような構成を採用することで、吐出口形成面の周囲にはキャップ部材の受け部分を確保できなくなるので、本実施形態では次のような特徴的な構成を採用する。
本実施形態では、記録素子基板100ないし回路基板101を直接支持する支持部材102の吐出口配列方向における寸法を、当該方向における記録素子基板100の寸法以下にしてある。そして、支持部材102の外周側面(すなわちインク吐出方向と平行な方向の面)に沿って、キャップ部材50と密着可能なキャップ受け部材180を設けている。このキャップ受け部材180は弾性シール性を有して支持部材102と密着し、かつインク吐出方向と平行に移動(摺動)可能となるよう、キャップ受け支持部材181によって支持されている。
図2(b)に示す記録時の状態では、キャップ受け支持部材181は、キャップ受け部材180がオリフィス板104から離れる方向にばね(不図示)等により付勢され、インク導入部材120に設けたストッパ182にキャップ受け部材180を当接させている。この状態で、インク導入部材120に接着された電気配線基板103とキャップ受け支持部材181との間には、後述のキャップ受け移動レバー184を挿入するための隙間183が形成されるようにしている。また、この状態でキャップ受け部材180およびキャップ受け支持部材181が給紙ローラ201および排紙ローラ202と干渉することのないよう、キャップ受け部材180およびキャップ受け支持部材181の寸法・形状が定められている。従って、記録ヘッド1000の走査および記録媒体の搬送動作に影響することはない。
次に、図2(c)に示す非記録時のキャッピング状態について詳細に説明する。
本実施形態では、上述のように、吐出口形成面の周囲にはキャップ部材50を受けるスペースをなくし、かつ支持部材102の吐出口配列方向の寸法を当該方向の記録素子基板100の寸法以下にしてある。そして、支持部材102の外周側面に沿ってキャップ受け部材180を設け、この部材でキャップ部材50を受けるように構成している。
キャッピングが必要な場合には、インクジェット記録装置の給紙ローラ201および排紙ローラ202と干渉しない記録領域外(例えば図1のホームポジション近傍)に設けられたキャップ部材50との対向位置に記録ヘッド1000を移動させる。この際、インク導入部材120に接着された電気配線基板103とキャップ受け支持部材181との間の隙間183に、記録装置に設けたキャップ受け移動レバー184が挿入されるようにする。そしてキャップ受け移動レバー184により、上記ばね等の付勢手段の付勢力に抗してキャップ受け支持部材181ないしキャップ受け部材180をオリフィス板104に近づく方向に移動させる。次に、図2(c)に示すようにキャッピング機構(不図示)によりキャップ部材50を上昇させ、キャップ受け支持部材181に密着させる。
ここで、支持部材102の側面同士が交わる稜部102Cには、図2(a)に示すように丸みが付けられているとともに、キャップ受け部材180には、図2(b)に示すように柔軟なシール部180Lが設けられている。このため、キャップ受け部材180と支持部材102は確実にシールされる。また、キャップ部材50の先端部にはリブ51が全周に設けられ、その全周にわたってキャップ受け部材180に密着する。従って、キャップ部材50およびキャップ受け部材180によって囲まれた空間は、外気に対して確実に密閉される。
従って、記録装置ないし記録ヘッドの不使用時にキャッピングを施すことで、吐出口付近のインクが乾燥により固化するのを確実に防ぐことができる。また、キャップ内空間に負圧を作用させることにより、インクとともにノズル内の気泡や混入物等を吸引して除去するための回復処理(吸引回復)を確実に行うことができる。
なお、キャップ受け部材180を移動させるためのキャップ受け移動レバー184を含む機構は適宜構成することが可能である。例えば、キャップ部材50との対向位置に記録ヘッド1000を移動させたときに、キャップ受け移動レバー184を隙間183に進入させるとともに、下方に向けて押圧するカム等を含むものとすることができる。あるいは、キャップ部材50との対向位置に記録ヘッド1000を移動させる過程で隙間183に進入して、図2(c)に示す位置までキャップ受け支持部材181を案内する傾斜面を有する部材でキャップ受け移動レバー184を構成してもよい。いずれにしても、キャップ受け支持部材181ないしキャップ受け支持部材181をストッパ182との当接位置(図2(b))に付勢するばね等の付勢力と、キャップ部材50の当接力とに抗し得る構成であればよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、給紙ローラ201と排紙ローラ202との配置間隔を限りなく吐出口配列範囲の寸法に近づけることができため記録品位の低下を防止できるとともに、確実なキャッピング性能も確保できるようになる。
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドであり、吐出口形成面側から見た状態で示している。
第1の実施形態では、支持部材102を略四角柱形状とし、側面同士が交わる稜部102Cを丸みの付いた形状とした。これに対し本実施形態では、横断面が略長円形状、すなわち、記録媒体搬送方向と直交する方向(走査方向)の各端部に半円柱状の部分202Rを有する形状の支持部材202を設けている。これにより、外周側面に配設されるキャップ受け部材280とのシール性が一層向上する。また、記録時の上昇位置(上流側ローラおよび下流側ローラと干渉しない後退位置)と、下降位置(キャップ部材50の当接を受容する位置)との間のキャップ受け部材280の移動時における摺動抵抗を抑えることができ、記録ヘッドの耐久性が向上する。
その他の構成は上記第1実施形態と同様である。すなわち、例えば貫通電極150から電気配線基板203への電気的接続の態様、ストッパ182とキャップ受け支持部材181との関係、および上下方向への移動を行わせる機構の構成などは、上記第1実施形態と同様とすることができる。
本実施形態および第1の実施形態で例示したように、キャップ受け部材180の密着性を確保し、かつ上流側ローラおよび下流側ローラと干渉せず、それらの配置間隔を広げることのないものであれば、支持部材の形状・寸法は適宜定め得るのは勿論である。そしてキャップ受け部材180の摺動抵抗を低減できる形状であればより好ましい。すなわち、例えば本実施形態で述べたような支持部材の略長円形状を第3〜第5の実施形態に適用することも可能である。
(第3の実施形態)
前述の2つの実施形態では、異なる3色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C))のインクに対応して一体に設けた記録素子基板100を有する記録ヘッドについて例示した。しかし記録の高速化・高精細化の要求に伴い、多数の吐出口が長い範囲に高密度に配列されるようになってきている状況下、記録素子基板の平面性および回路形成の歩留り向上、あるいはコスト等の観点から、各色インク毎に基板を設けることが多くなっている。本実施形態はこれに対応したものである。
図4は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)に対応して設けた各記録素子基板300Y、300Mおよび300Cが支持部材302に並置されている記録ヘッドを示している。記録素子基板300Y、300Mおよび300Cは、それぞれ、オリフィス板304Y、304Mおよび304C上に吐出口305Y、305Mおよび305Cの配列を有するとともに、それぞれが貫通電極150を具えている。特に、記録素子基板300Mについては、記録素子基板300Yおよび300Cの間にある関係から、貫通電極150により電気配線基板103との電気接続を行うことが有効である。
その他の構成は第1の実施形態と同様である。
(第4の実施形態)
図6は、3色のカラーインクに対応して一体に設けた記録素子基板400Coと、ブラック(K)のインクに対応して設けた記録素子基板400Kとが、支持部材402上に配置されている記録ヘッドに対応した実施形態を示す。ここで、記録素子基板400Coは、オリフィス板404Co上に比較的小径の吐出口405Y、405Mおよび405Cの配列を有する。記録素子基板400Kは、オリフィス板404K上に比較的大径の吐出口405Kの配列を有し、記録素子基板400Coよりも図の上下方向の寸法が大きくなっている。また、ブラックインク用記録素子基板400Kとカラーインク用記録素子基板400Coとは、記録媒体上でのにじみ防止のためにインク打ち込みの時間差が生じるよう、記録媒体搬送方向にずれて配置されている。
支持部材402は第1の実施形態の支持部材102と同様であり、側面同士が交わる稜部402Cには丸みが付いている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。すなわち、貫通電極150から電気配線基板403への電気的接続の態様、支持部材402の害周側面に設けられるキャップ受け部材180、ストッパ182とキャップ受け支持部材181との関係、および移動機構の構成などは、第1実施形態と同様である。
本実施形態のように、カラーインク用の記録素子基板400Coに加え、比較的大径の吐出口105Kが配列されてなる記録素子基板400Kを有する構成では、記録ヘッドの記録媒体搬送方向の寸法が一層大きくなる。特に図5の構成では、両記録素子基板間のずらし量の分をも加えた寸法としなければならない。しかし本実施形態では、図9(b)の構成と異なり、吐出口形成面の周囲には配線回り込み部を有さず、その部位をキャップ受け面としていない。従って、その分給紙ローラおよび排紙ローラの配置間隔を小として記録媒体の規制が適切に行われるようにすることができる。
なお、本実施形態の支持部材402、第1実施形態の支持部材102および第3実施形態の支持部材302はいずれも、丸みの付いた稜部を持つ略四角柱状であり、従ってその外形寸法が等しければ、キャップ受け部材180などの部品を共通化することができる。従ってまた、キャップ部材50やキャップ受け部材の移動機構など、記録装置側の構成要素を共通化することができ、どの記録ヘッドが適用される場合でも、インクジェット記録装置を廉価に提供できるようになる。
(第5の実施形態)
図6は本発明の第5の実施形態を示す。本実施形態は基本的には第1の実施形態と同様の構成を有しているが、支持部材の形状が次の点で異なっている。すなわち、本実施形態の支持部材502は、記録素子基板102の支持面から電気配線基板103との接合面に向けて、横断面積を漸減させてゆく形状となっている。すなわち支持部材502は、インク吐出方向に向かって広がるテーパの付いた外周側面を有している。
本実施形態では、下降位置(キャップ部材50の当接を受容する位置。図2(c)に対応)に向けてキャップ受け支持部材181を移動させると、支持部材502の外周側面とキャップ受け部材180のシール部180Lとが密着してシールを行う。これに対し、上昇位置(記録時の位置。図2(b)に対応)に向けてキャップ受け支持部材181を移動させると、キャップ受け部材180のシール部180Lと支持部材502の外周側面との密着状態が解除される。このため、上昇位置への復帰時における摺動抵抗を無くす、もしくは抑えることが可能となる。さらに、シール部180Lに付着しがちなインクの固着物によるキャップ受け部材180の移動動作不良を防止することができる。
なお、本実施形態では、記録素子基板102の支持面から電気配線基板103との接合面に向けて、横断面積を漸減させてゆく形状の支持部材を採用した。しかしキャップ部材50の当接を受容する位置においてシール性を確保し、記録時の位置への移動時には摺動抵抗を無くすことが可能であれば、支持部材は他の形状であってもよい。例えば、キャップ部材50の当接を受容する位置近傍の部分にフランジ状の突起を設け、そこにキャップ受け部材180が乗り上げることでシール性が確保されるようにする一方、他の部分をやや小さい横断面をもつものとすることができる。
また、例えば本実施形態で述べたような支持部材の形状を第2〜第4の実施形態に適用することも可能である。
(第6の実施形態)
これまでの実施形態では、記録素子基板の回路基板101の表面から裏面側へ貫通電極150を設ける一方、支持部材にも表面から裏面への貫通電極152を設け、それらの電極を接続する構成を採用した。さらに、貫通電極152の上端部とインク導入部材120に接着された電気配線基板103とが接続されることで、回路基板101への駆動電力および電気信号の接続が行われるものとした。そしてこのような構成により、吐出口形成面と同一または実質的同一平面における記録ヘッドの吐出口配列方向の寸法を小とし、上流側ローラおよび下流側ローラの配置間隔の縮減に寄与するものとした。
これに対し、本実施形態は、貫通電極を使用せずに吐出口配列方向の寸法を小とした構成の記録ヘッドの構成に係るものである。
図7(a)は本実施形態の記録ヘッドであり、吐出口形成面側から見た状態で示している。図7(b)は記録ヘッドを図7(a)のT方向(記録媒体搬送方向すなわち副走査方向)から見た模式的側断面図である。
本実施形態の記録素子基板100’は第1の実施形態の記録素子基板100とほぼ同様の構成を有している。記録素子基板100’は、接着剤210により、記録素子基板100’の寸法とほぼ等しい寸法を有する第1支持部材602Aに固定されている。第1支持部材602Aは、アルミナなど記録素子基板100の回路基板と同等の熱伝導率を有する材料で形成されている。この第1支持部材602Aの内部にはインク流路109が設けられ、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色インク導入路203Y、203Mおよび203Cを具えるインク導入部材120に接着剤211Aにより固定されている。
第2支持部材602Bには、第1支持部材602Aを収容する空間を画成する貫通穴が設けられている。そして当該収容状態において、第1支持部材602Aおよび第2支持部材602Bとの間には、T方向と直交する方向(走査方向)の間隙が形成される。その間隔部分は支持部材602の表裏面を貫通する貫通穴となっており、記録素子基板100’と接続された電気配線基板603Aが折り曲げた状態で収容される。第2支持部材602Bは、その外周側面にキャップ受け部材180が密着摺動するものとなる。
図7(a)では、便宜上、記録素子基板100’の吐出口配列方向の寸法よりも、当該方向における第2支持部材602Bの寸法の方が大きく描かれている。しかし図7(b)に示すように、第1支持部材602Aの内部ではインク流路109の先端部がテーパ状に狭まっているため、吐出口配列方向の寸法を当該方向の記録素子基板100’の寸法以下とすることは可能である。すなわち、前述の実施形態と同様に、記録素子基板100’の吐出口配列方向の寸法と実質的に同一にすることが可能である。つまり、給紙ローラ201および排紙ローラ202の間隔を最小限にすることが可能である。
また、電気配線基板603Aは走査方向に存在する間隙内に配置され、給紙ローラ201および排紙ローラ202と干渉しないようになっている。これに伴い、記録素子基板100’は吐出口配列方向と平行な辺に沿って電極端子(不図示)を設けたものとする。電気配線基板603Aの端部と記録素子基板100’の表面にある電極端子との接続には、適宜の方法を採用できる。例えば金線を使用したワイヤーボンディング工法、異方性導電フィルム(ACF)を使用した熱圧着工法、フライングリードを設けたTAB(Tape Automated Bonding)工法等が挙げられ、いずれが採用されるものでもよい。但し、その接続部分に対しては封止材610で封止を行う必要があるので、その部分は吐出口形成面よりも突出することになる。従って、本実施形態では、その突出分を考慮して吐出口形成面と記録媒体との間隔が定められる。その意味では、第1〜第5の実施形態では、そのような制約がないために当該間隔を小とでき、また封止材の突出部分がないためにワイピング部材の拭き取り方向の制限がなくなるので、好ましいと言い得る。
一端部を記録素子基板100’と接続した状態で折り曲げた電気配線基板603Aは、第1支持部材602Aとともに、第2支持部材602Bの貫通穴に挿入される。電気配線基板603Aは上記間隙に収納され、その他端部が、第2支持部材602Bに面した状態で接着された電気配線基板503と接続される。この接続には異方性導電フィルム(ACF)等を使用することができる。その上で、封止材110Aを再度用いて間隙部をで封止し固定することで、記録ヘッド100が完成する。なお、本実施形態では、電気配線基板603Aと電気配線基板603とを別体に構成したが、長尺の一体の部材とすることも可能である。
以上述べたように、本実施形態でも、上流側ローラである給紙ローラ201と下流側ローラである排紙ローラ202との間隔を最小限に抑えることができるとともに、安定したキャッピングが可能となる。
本実施形態で例示したように、吐出口形成面と同一または実質的同一面における記録ヘッドの記録媒体搬送方向の寸法を小さくする構成は種々考えられる。しかしながら、第1から第1〜第5の実施形態のように、貫通電極を用いるものの方が、記録ヘッドの副走査方向の寸法を容易に小さくでき、全体的な記録ヘッドの構成を単純化できると言い得る。
(その他)
本発明は、以上延べた各実施形態に限られることなく、種々の変更や変形が可能である。例えば、上記のすべての実施形態では、支持部材を液体導入部材とは別体に構成したが、両者を予め一体に成形したものでもよい。また、上例ではインクタンクを着脱可能に保持する記録ヘッドとしたが、両者が一体のものであってもよい。さらに、記録ヘッドに適用されるインクの色調(濃度を含む)の種類や数などについても、適宜定め得ることは勿論である。
加えて、上例では、インクを吐出するために利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換素子を用いた記録ヘッドとした。しかしキャッピングが施される記録ヘッドを用いるものであれば、インク吐出の方式によらず本発明が有効に適用できることは言うまでもない。例えば、ピエゾ素子を用いる構成のインクジェット記録ヘッドおよび装置に対しても、本発明を適用可能である。
本発明を適用可能なインクジェット記録装置の一例を示す模式的平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録ヘッドであり、(a)は吐出口形成面側から見た状態で示す模式的平面図、(b)および(c)は、それぞれ、記録時の状態およびキャッピング時の状態における記録ヘッドの模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドを吐出口形成面側から見た状態で示す模式的平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る記録ヘッドを吐出口形成面側から見た状態で示す模式的平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る記録ヘッドを吐出口形成面側から見た状態で示す模式的平面図である。 本発明の第5の実施形態に係る記録ヘッドの模式的側断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る記録ヘッドであり、(a)は吐出口形成面側から見た状態で示す模式的平面図、(b)は副走査方向から見た記録ヘッドの模式的断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、従来の記録ヘッドにおける記録素子基板と電気配線基板との接続部の模式的平面図および模式的断面図である。 (a)および(b)は従来の記録ヘッドの構成の2例を示し、吐出口側から見た模式的平面図である。
符号の説明
100、100’、400Co、400K 記録素子基板
101 回路基板
102、402、602A、602B 支持部材
103、603、603A 電気配線基板
104、304Y、304M、304C、404K、404Co オリフィス板
105、105Y、105M、105C、305Y、305M、305C、405Y、405M、405C、405K 吐出口
106 インク供給口
109 インク流路
110、110A 封止剤
120 インク導入部材
120f フィルタ
201 給紙ローラ(上流側ローラ)
202 排紙ローラ(下流側ローラ)
203Y、203M、203C インク導入路
210 アンダーフィル接着剤
211、211A 接着剤
1000 記録ヘッド
1160 インクタンク

Claims (10)

  1. 記録媒体に対しインクを吐出するための複数の吐出口が配列された面と、該面の背面方向に延在する側面とを有するインクジェット記録ヘッドであって、
    前記面のキャッピングを行うための記録装置のキャップ部材に当接可能に、前記側面の外周に沿って設けられ、前記キャップ部材の当接を受容する位置と該位置から後退した位置との間で移動可能に支持されたキャップ受け部材を具え、該キャップ受け部材は少なくとも前記当接位置において前記側面の外周に密着することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記キャップ受け部材を前記後退位置に向けて付勢する付勢部材をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記後退位置は、前記インクジェット記録装置の前記記録媒体を搬送する手段と干渉しない位置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記側面は丸みのついた外周をなしていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記側面は、前記面に向かって広がるテーパが付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記吐出口の配列方向における前記記録ヘッドの前記面の寸法は、当該方向における前記吐出口配列の範囲の長さに実質的に等しいことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記複数の吐出口および該吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギを発生する素子を有する記録素子基板と、前記面とは反対側の面において前記記録素子基板を支持するとともにインクを供給するための流路を形成した支持部材とを具え、該支持部材の側面が前記側面をなしていることを特徴とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記記録素子基板を支持する前記支持部材の面とは反対側の面に前記素子を駆動するための電気信号を供給する電気配線基板が配置され、該電気配線基板と前記記録素子基板とは、前記配線基板および前記支持部材を貫通する電極を介して接続されていることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記吐出口の配列方向とは異なる方向に前記記録ヘッドを走査する手段と、
    前記キャップ受け部材に当接可能なキャップ部材と、
    前記キャップ受け部材を前記当接位置に移動させる手段と、
    を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 当該走査の方向と直交する方向に記録媒体を搬送するために、前記走査領域を挟んで前記記録媒体搬送方向の上流側および下流側に配置された搬送手段を具え、前記移動手段は前記インクジェット記録ヘッドを用いて記録を行う状態において前記搬送手段と干渉しない前記後退位置への前記キャップ受け部材の移動を許容することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009132000A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Kyocera Mita Corp インクジェット記録ヘッドのキャッピング構造およびインクジェット式記録装置
CN102673154A (zh) * 2011-03-07 2012-09-19 精工爱普生株式会社 液体喷射头及液体喷射装置以及液体喷射头的制造方法
JP2012196971A (ja) * 2012-06-20 2012-10-18 Kyocera Document Solutions Inc インクジェット記録ヘッドのキャッピング構造およびインクジェット式記録装置

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