JP2007158265A - 超電導コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】非通電時には、超電導線材を巻き付ける巻枠の胴部に必要以上の負荷がかからず、通電時には、超電導線材が径方向外向きに変位する動きを抑えてクエンチの発生を抑制することができる超電導コイルを提供する。
【解決手段】特定方向の磁場を発生させるとともにその磁場により超電導コイルの径方向外向きに電磁力を受ける正流層部と、この正流層部と周方向逆向きに電流が流れて特定方向の磁場により超電導コイルの径方向内向きに電磁力を受ける逆流層部とを備え、前記正流層部の外径側に前記逆流層部を配置して超電導コイルを構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、極低温下で励磁される超電導コイルに関するものである。
従来、超電導コイルは、液体ヘリウム等の極低温冷媒を使用する超電導マグネット等に使用されている。この超電導コイルとしては、巻枠に超電導線材を巻き付けることによって形成されたものが一般に知られている。この種の超電導コイルは、例えば、円筒状の巻枠に超電導線材を軸方向にソレノイド状に巻き付けて巻枠の軸方向端部で折り返し、すでに巻き付けられた超電導線材に対して外径側から重なるようにさらに軸方向に巻き付け、これを繰り返すことによって形成可能であり、これにより巻枠の径方向に前記超電導線材が複数層配置された構成となる。
この超電導コイルの超電導線材に電流を流すと、その中心部分に軸方向の磁場が発生するが、このとき、前記磁場と通電電流との相互作用により超電導線材に径方向外向きの電磁力(ローレンツ力)が作用する。この電磁力に起因して超電導線材が初期の巻線状態から変位する、いわゆるワイヤーモーションが発生すると、その摩擦熱によって超電導線材の一部の温度が臨界温度を超え、電気抵抗が生ずるおそれがある。このようにして電気抵抗をもつ常伝導部分が発生すると、当該部分に電流が流れることにより自己発熱が誘発され、最終的には超電導コイル全体が常伝導状態に転位する、いわゆるクエンチ現象が生ずることになる。また、前記電磁力に起因して超電導線材に歪みが生じることにより、その超電導線材の特性に影響が与えられる恐れがある。
そこで、例えば下記特許文献1には、超電導コイルの外周側に、この超電導線材よりも熱収縮率の大きな部材で形成したバインド線を巻回したものが開示されている。この特許文献1に開示された超電導コイルが液体ヘリウム等で冷却されると、超電導線とバインド線とで熱収縮率が異なることから、超電導線材よりも前記バインド線の方が径方向内向きに大きく収縮するため、超電導線材が径方向内向きに強く抑えられる。したがって、この超電導コイルに通電して励磁した場合であっても、前記超電導線材が径方向外向きに変位する動きは、このバインド線によって抑えられる。
特開平4−134808号公報
しかし、上記の従来の方法では、超電導コイルに通電して励磁する前から、超電導線材に常に径方向内向きの力が作用しているため、この径方向内向きの力に抗するために巻枠の径方向の剛性を高める必要がある。すなわち、超電導線材を巻き付ける巻枠の胴部が前記径方向内向きの力を受けて変形してしまうことのないように、例えば、その胴部の肉厚を径方向に厚く形成する必要があった。また、励磁前の状態では、巻枠に巻き付けられた超電導線材に、常に径方向内向きに強い力が加えられるため、超電導線材の特性に影響する場合があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、超電導線材を巻き付ける巻枠の胴部に必要以上の負荷をかけず、前記超電導線材が径方向外向きに変位する動きを抑えることができる超電導コイルを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の超電導コイルは、円筒状外周面を有する巻枠と、この巻枠の外周面上に超電導線材がソレノイド状に巻き付けられることにより、前記超電導線材からなる複数のコイル層が径方向に積層された状態で形成されたコイル部と、を備え、前記超電導線材に電流が流れることにより、前記巻枠の軸方向に沿って特定方向の磁場を発生させる超電導コイルにおいて、前記コイル部は、一又は複数の前記コイル層からなり、このコイル層を形成する超電導線材に電流が流れることにより、前記特定方向の磁場を発生させるとともにその磁場により前記超電導コイルの径方向外向きに電磁力を受ける正流層部と、一又は複数のコイル層からなり、このコイル層を形成する超電導線材に前記正流層部と周方向逆向きに電流が流れるとともに、この電流と前記特定方向の磁場とにより前記超電導コイルの径方向内向きに電磁力を受ける逆流層部と、を有しており、前記正流層部の外径側に前記逆流層部が配置されていることを特徴としている。
この構成によれば、正流層部の外径側に逆流層部を備えているため、この逆流層部により、前記正流層部が径方向外向きに変位するのを抑制することができる。すなわち、前記正流層部に電流が流れて特定方向の磁場が発生すると、この特定方向の磁場と正流層部を流れる電流との相互作用により、前記正流層部は径方向外向きに電磁力を受けるが、逆流層部には、前記正流層部に流れる電流と周方向逆向きの電流が流れるため、前記特定方向の磁場と逆流層部を流れる電流との相互作用により、この逆流層部は径方向内向きに電磁力を受ける。したがって、この電磁力が作用することによる正流層部の径方向外向きへの変位は、逆流層部の径方向内向きに変位しようとする力によって抑制される。
また、超電導コイルに通電していない非使用状態では磁場は発生せず、正流層部にも逆流層部にも電磁力は作用しないため、径方向内向きの力が巻枠の胴部に作用することはない。したがって、バインド線でコイル部の径方向外向きの変位を抑える従来の方法のように、非使用状態で巻枠の胴部に強い径方向内向きの力が作用することはなく、巻枠の胴部の肉厚を径方向に厚く形成する必要がない。
なお、逆流層部の通電により前記特定方向の磁場を打ち消す向きの磁場が形成されるが、前記特定方向の磁場が十分な強さを有するように正流層部と逆流層部との比を設定しておけば、逆流層部に径方向内向きの力を発生させることができる。
具体的には、前記コイル部に配置される前記逆流層部を形成するコイル層数は、前記コイル部を形成する全コイル層数の30%未満であることが好ましい。
また、本発明の超電導コイルの具体的な態様としては、前記正流層部における超電導線材の巻回方向は、前記逆流層部における超電導線材の巻回方向と、それぞれ互いに周方向逆向きに構成され、少なくとも1組の互いに隣接する前記正流層部と前記逆流層部とが連続する1本の超電導線材で形成され、前記正流層部に流れる電流と前記逆流層部に流れる電流とが互いに周方向逆向きに流れるように構成されたものが好ましい。
この構成によれば、1本の超電導線材を用いて互いに隣接する正流層部と逆流層部とが形成されるため、回路構成が容易となり超電導コイルの構成を簡略化することができる。また両層間に接続部位がないため、接続信頼性も向上する。
また、別の様態として、前記正流層部における超電導線材と、前記逆流層部における超電導線材とは、それぞれ周方向において同じ向きに巻回されており、隣接する前記正流層部と逆流層部との始端同士、又は終端同士が連結され、互いに連結していない終端又は始端から電流が供給されていることにより、前記正流層部に流れる電流と前記逆流層部に流れる電流とが互いに周方向逆向きに流れるように構成してもよい。
この構成によれば、1つの電源から正流層部と逆流層部とに電流を供給することができるため、回路構成が容易となって超電導コイルの構成を簡略化することができる。
さらに、別の様態として、前記正流層部及び逆流層部に電流を供給する電源がそれぞれ別々に設けられ、前記正流層部に流れる電流と前記逆流層部に流れる電流とが互いに周方向逆向きに流れるように、これら正流層部及び逆流層部に対して前記電源が接続されている構成としてもよい。
また、前記逆流層部の位置は、適宜設定可能であるが、好ましくは、前記コイル部の径方向中間位置よりも外径側に配置されているのが好ましい。
この構成によれば、逆流層部がコイル部の中心軸から径方向に離れて配置されているため、逆流層部に電流が流れることにより発生する特定方向と逆向きの磁場が、特定方向の磁場に与える影響を弱めることができる。
一方、前記コイル部の最内層は、前記正流層部であることが好ましい。
この構成によれば、正流層部は、巻枠の中心軸に最も近い位置に配置されるため、特定方向の磁場をより強く発生させることができる。
また、前記コイル部の最外層は、前記逆流層部であることが好ましい。
この構成によれば、超電導線材が径方向外向きに変位するのを最外層に位置する逆流層部によって抑制されるため、コイル部全体が径方向外向きに変位すること(膨らむこと)を防止することができる。
また、前記コイル部は、複数の逆流層部を有しており、各逆流層部間には正流層部が配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、逆流層部が分散配置されていて、これらの逆流層部がその位置でそれぞれ正流層部が外径側に変位するのを抑えることができるため、例えば、これらの逆流層部の厚みの総和と同じ厚みの単一の逆流層部を設ける場合よりも、効果的な正流層部の押さえ込みができる。
本発明の超電導コイルによれば、超電導コイルに通電する前の状態では径方向内向きの力が発生せず、通電時には径方向内向きの力を発生させて、超電導線材が径方向外向きに変位するのを抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ここで、図1は、本発明の超電導コイルを示す概略断面図、図2は図1の右側部分を拡大した概略断面図である。
超電導コイル1は、図1に示すように、超電導線材3を巻き付けるための巻枠2と、この巻枠2に超電導線材3が巻き付けられて形成されるコイル部4とを備えている。
前記巻枠2は、円筒形状の胴部2aと、この胴部2aの軸方向両端部から径方向に延びるつば部2bとを有している。前記胴部2aには、径方向外側に円筒状外周面2cが形成されており、この円筒状外周面2c上に超電導線材3が巻き付けられている。
前記コイル部4は、前記巻枠2の胴部2aの一方端から他方端まで超電導線材3がソレノイド状に巻き付けられて形成されるコイル層4aによって形成されており、このコイル層4aによって形成される正流層部5と逆流層部6とが、コイル部4の内径側からこの順に交互に積層されて構成されている。図2に示す例では、前記正流層部5と逆流層部6とが各2個所ずつ配置されている。
前記正流層部5は、図2に示す例では、超電導線材3をコイル部4の紙面上方側の軸方向端部(上方端部という)から見て、反時計回り(左回り)に巻回されたコイル層4aを径方向に8層積層させることにより形成されたものであり、そのコイル層4aを構成する超電導線材3に電流が流れることにより、特定方向の磁場を発生させるものである。したがって、正流層部5は、超電導コイル1の通電時において、この特定方向の磁場によって径方向外向きの電磁力を受ける。
また、前記逆流層部6は、超電導線材3をコイル部4の上方端部から見て、反時計回り(左回り)に巻回されたコイル層4aを径方向に2層積層させることにより形成されたものである。そして、このコイル層4aを構成する超電導線材3に前記正流層部5とは周方向逆向きの電流が流れることにより、前記特定方向とは逆向きの磁場を発生させるが、正流層部5により発生する磁場が強くなるように設定されているため、超電導コイル1全体として前記特定方向の磁場が形成される。したがって、逆流層部6は、この特定方向の磁場によって径方向内向きの電磁力を受ける。
ここで、このようなコイル部4の形成方法について説明する。まず、最内径側に位置する正流層部5を形成する。すなわち、巻枠2の胴部2aにおける上方端部側から円筒状外周面2c上に、超電導線材3を反時計回りに巻き付けて正流層部5の最内径側に位置する第1番目のコイル層4aを形成する。そして、胴部2aの軸方向端部(下方端部)で折り返し、すでに巻き付けられた第1番目のコイル層4aに対して外径側から重なるように、さらに軸方向に巻き付けて第2番目のコイル層4aを形成する。この巻回操作を8回繰り返して第8番目のコイル層4aまで形成することによって正流層部5が形成される。
次に、すでに形成された正流層部5の外径側に逆流層部6を形成する。巻枠2のつば部2bには、このつば部2bの厚さ方向に貫通する貫通口(不図示)が形成されており、この貫通口から、前記正流層部5の第8番目のコイル層4aの終端部分を一旦外側(巻枠2の軸方向外側)に取り出し、さらに別の貫通口から軸方向内側に戻して、今度は超電導線材3を上方端部から見て時計回りに巻き付ける。すなわち、前記第8番目のコイル層4a上に超電導線材3を時計回りに巻き付けることによって、逆流層部6の内径側に位置する第1番目のコイル層4aを形成する。このように、つば部2bの貫通口を通じて超電導線材3の一部を巻枠2の外側に位置させることによって、超電導線材3の巻回方向を逆転させている。したがって、正流層部5と逆流層部6とは、切断されることなく1本の超電導線材3で形成される。そして、逆流層部6の第1番目のコイル層4aを形成した後、同様にして、この第1番目のコイル層4a上に第2番目のコイル層4aを形成することによって、逆流層部6が形成される。
さらに、同様にして、前記逆流層部6の終端部分をつば部2bの貫通口から一旦外側に取り出した後、また別の貫通口から内側に戻して、前記逆流層部6よりも外径側に位置する正流層部5を形成する。このようにして、巻回方向の異なるコイル層4aを形成する場合には、すでに巻枠2に巻き付けられて形成されたコイル層4aの終端部分を、つば部2bの貫通口を通じて軸方向外側に経由させて巻回方向を逆転させる。この操作を繰り返すことによって、図2に示すように正流層部5及び逆流層部6をそれぞれ2つずつ備えるコイル部4を形成する。すなわち、本実施形態におけるコイル部4は、連続する一本の超電導線材3で形成されている。
このように形成されたコイル部4を有する本実施形態における超電導コイル1に通電すると、コイル部4を形成する超電導線材3に電流が流れる。例えば、最内径側に位置する正流層部5の始端側から電流を流すと、各コイル層4aの巻回方向に電流が流れ、正流層部5には上方端部から見て反時計回りに、逆流層部6には時計回りに電流が流れる。すなわち、図2において、正流層部5では紙面表側から裏側に貫通する向き(Xを丸で囲った記号で示す)に電流が流れ、逆流層部6では紙面裏側から表側に向う向き(黒丸を丸で囲った記号で示す)に電流が流れる。そして、各コイル層4aに電流が流れることにより、図2における超電導コイル1には、巻枠2の中心軸に沿った軸方向上向き(図2における矢印7aの方向)の磁場が発生する。
すなわち、正流層部5により軸方向上向きの磁場が発生するとともに、逆流層部6により軸方向下向きの磁場が発生するが、正流層部5が巻枠2の内径側に位置しており、さらにコイル層4aが逆流層部6よりも多く形成されていることにより、正流層部5から発生される磁場は、逆流層部6で発生する磁場よりも相対的に強く発生する。したがって、逆流層部6により発生する磁場は、正流層部5による磁場により打ち消され、超電導コイル1全体として軸方向上向きの磁場(特定方向の磁場)が形成される。
そして、正流層部5によって発生する軸方向上向きの磁場(特定方向の磁場)によって、正流層部5は径方向外向きに電磁力を受け、逆流層部6は、径方向内向きに電磁力を受ける。すなわち、図2に示すように、巻枠2の内径側及び外径側に位置する正流層部5は、特定方向の磁場によって矢印7bで示す方向(径方向外向き)に電磁力を受けるため、これらの正流層部5は、前記電磁力により径方向外向きに変位しようとする。一方、逆流層部6は、図2に示すように、特定方向の磁場により、矢印7cで示す方向(径方向内向き)の電磁力を受けるため、径方向内向きに変位しようとする。この逆流層部6の径方向外側に変位しようとする力により、正流層部5の径方向外向きに変位しようとする力が相殺され、正流層部5の径方向外向きの動きは抑制される。
このように、本発明の超電導コイル1では、各コイル層4aに電流が流れると、正流層部5によって形成された磁場により、正流層部5は径方向外向きに膨らむように変形しようとするが、逆流層部6が径方向内向きに収縮しようとするため、正流層部5の径方向外向きへの変位は抑制される。そして、逆流層部6の径方向内向きの力は、正流層部5の径方向外向きの力によって相殺されるため、巻枠2の胴部2aに必要以上の負荷をかけずに正流層部5の動きを抑えることができる。また、通電する前の状態では磁場は形成されず、逆流層部6による径方向内向きの力が発生しないため、巻枠2の胴部2aに径方向内向きの力が作用することはない。したがって、従来の方法のように、通電前からコイル部4にバインド線等で径方向内向きの力を与えることによって、コイル部4が径方向外側に膨らむことを防止する場合に比べて、超電導線材3を巻き付ける巻枠2の胴部2aに対し、径方向内向きに必要以上の負荷をかけることなく、クエンチ現象の発生を抑制することができる。
また、巻枠2の胴部2aに必要以上の力がかからないため、特定方向に形成する磁場の強さが同じ場合であれば、バインド線等を用いる従来の方法に比べて、巻枠2の胴部2aの厚さを径方向に薄く形成したものを用いることができる。
なお、超電導線材3の巻数は増えるが、上述のように巻枠2の胴部2aを重厚にする必要がなく、また、従来のような樹脂バインダ等の使用を不要、もしくは減らすことができるため、総じてコンパクトな構造を維持することができる。
また、上記実施形態では、正流層部5と逆流層部6とを1本の超電導線材3で形成する場合について説明したが、正流層部5と逆流層部6とをそれぞれ別々の超電導線材3で形成し、それぞれ連結する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、正流層部5と逆流層部6とを互いに巻回方向について周方向逆向きである場合について説明したが、互いに周方向において同方向に巻回したものであってもよい。図3に示す例では、内径側に位置する正流層部5と、その外径側に配置された逆流層部6とが、周方向において同じ方向に巻回されている。具体的には、巻枠2の胴部2aの上方端部から超電導線材3を反時計回りに巻回して正流層部5を形成し、この正流層部5の外周面上に超電導線材3を反時計回りに巻回して逆流層部6を形成する。そして、正流層部5の終端と逆流層部6の終端とを接続線9bで連結し、正流層部5の始端と逆流層部6の始端とを電源8に接続線9aで連結接続する。このような接続構成をすることによって、単一の電源を用いた簡単な回路構成によって、正流層部5に流れる電流の向きと逆流層部6に流れる電流の向きとが周方向逆向きにすることができる。なお、図3の例では、正流層部5と逆流層部6との終端同士を連結し、正流層部5及び逆流層部の始端から電流を供給する場合について示したが、正流層部5と逆流層部との始端同士を連結し、正流層部5及び逆流層部6の終端から電流を供給するものであってもよい。
また、上記実施形態では、単一の電源を用いた例について説明したが、正流層部5及び逆流層部6を別々の電源を用いて、互いに周方向逆向きに電流を流す構成にしてもよい。例えば、図4に示す例では、内径側に位置する正流層部5と、その外径側に配置された逆流層部6とが、周方向において同じ方向に巻回されており、それぞれ別々の電源が設けられている。具体的には、巻枠2の胴部2aの上方端部から超電導線材3を反時計回りに巻回して正流層部を形成し、この正流層部5の外周面上に超電導線材3を反時計回りに巻回して逆流層部6を形成する。そして、正流層部5の始端を電源8aの正極に、正流層部5の終端を電源8aの負極にそれぞれ接続線9aによって接続する。また、逆流層部6の始端を電源8bの負極に、逆流層部6の終端を電源8bの正極にそれぞれ接続線9bによって接続する。このような回路構成にすることにより、正流層部5に流れる電流の向きと逆流層部6に流れる電流の向きとを周方向逆向きにすることができる。なお、図4の例では、正流層部5と逆流層部6との巻回方向を同じ向きにしているが、互いに逆向きになるように巻回したものであってもよい。ただし、正流層部5と逆流層部6とに互いに周方向逆向きの電流が流れるように各層に接続する電源との接続形態を調整する必要がある。
また、上記実施形態では、コイル部4の径方向中間位置よりも内径側に配置している逆流層部6を含んでいるが、配置される逆流層部6すべてをコイル部4の径方向中間位置よりも外径側に配置する構成としてもよい。この場合には、逆流層部6によって発生する磁場が、正流層部5によって発生する特定方向の磁場に与える影響を小さくすることができる。
また、上記実施形態では、正流層部5と逆流層部6とをこの順に2つずつ配置する例について説明したが、図5に示すように、正流層部5と逆流層部6とを1つずつ設けて、コイル部4の最外層を逆流層部6とする構成としてもよい。この場合には、逆流層部6が巻枠2の中心軸から径方向外側に離れた位置に形成されているため、逆流層部6によって発生する磁場が、正流層部5によって発生する磁場に与える影響を小さくすることができるとともに、最外層に逆流層部6を備えているため、この逆流層部6のみでコイル部4全体が径方向外向きに膨らむのを抑えることができる。
また、コイル部4に配置される逆流層部6を形成するコイル層4aの層数は、コイル部4を形成する全コイル層数に対して少ない方が好ましく、その割合は、全コイル層数の30%未満、より好ましくは25%未満としてもよい。この場合には、正流層部5によって発生する磁場への影響を少なくして強い特定方向の磁場を発生する超電導コイル1とすることができる。
なお、正流層部5と逆流層部6とを形成する超電導線材3の線材種については、同一のものであってもよいし異なるものであってもよい。また、複数の正流層部5又は逆流層部6を備えている場合には、正流層部5同士、あるいは逆流層部6同士の線材種をそれぞれ変えたものであってもよい。
本発明の超電導コイルを示す概略断面図である。 本発明の一実施形態における超電導コイルの要部を拡大した断面図である。 他の実施形態における超電導コイルの要部を拡大した断面図である。 他の実施形態における超電導コイルの要部を拡大した断面図である。 他の実施形態における超電導コイルの要部を拡大した断面図である。
符号の説明
1 超電導コイル
2 巻枠
2a 胴部
3 超電導線材
4 コイル部
4a コイル層
5 正流層部
6 逆流層部

Claims (9)

  1. 円筒状外周面を有する巻枠と、
    この巻枠の外周面上に超電導線材がソレノイド状に巻き付けられることにより、前記超電導線材からなる複数のコイル層が径方向に積層された状態で形成されたコイル部と、
    を備え、前記超電導線材に電流が流れることにより、前記巻枠の軸方向に沿って特定方向の磁場を発生させる超電導コイルにおいて、
    前記コイル部は、
    一又は複数の前記コイル層からなり、このコイル層を形成する超電導線材に電流が流れることにより、前記特定方向の磁場を発生させるとともにその磁場により前記超電導コイルの径方向外向きに電磁力を受ける正流層部と、
    一又は複数の前記コイル層からなり、このコイル層を形成する超電導線材に前記正流層部と周方向逆向きに電流が流れるとともに、この電流と前記特定方向の磁場とにより前記超電導コイルの径方向内向きに電磁力を受ける逆流層部と、
    を有しており、
    前記正流層部の外径側に前記逆流層部が配置されていることを特徴とする超電導コイル。
  2. 前記正流層部における超電導線材の巻回方向は、前記逆流層部における超電導線材の巻回方向と、それぞれ互いに周方向逆向きに構成され、少なくとも1組の互いに隣接する前記正流層部と前記逆流層部とが連続する1本の超電導線材で形成され、前記正流層部に流れる電流と前記逆流層部に流れる電流とが互いに周方向逆向きに流れるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 前記正流層部における超電導線材と、前記逆流層部における超電導線材とは、それぞれ周方向において同じ向きに巻回されており、隣接する前記正流層部と逆流層部との始端同士、又は終端同士が連結され、互いに連結していない終端又は始端から電流が供給されていることにより、前記正流層部に流れる電流と前記逆流層部に流れる電流とが互いに周方向逆向きに流れるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
  4. 前記正流層部及び逆流層部に電流を供給する電源がそれぞれ別々に設けられ、前記正流層部に流れる電流と前記逆流層部に流れる電流とが互いに周方向逆向きに流れるように、これら正流層部及び逆流層部に対して前記電源が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
  5. 前記逆流層部は、前記コイル部の径方向中間位置よりも外径側に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超電導コイル。
  6. 前記コイル部の最内層は、前記正流層部であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の超電導コイル。
  7. 前記コイル部の最外層は、前記逆流層部であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の超電導コイル。
  8. 前記コイル部は、複数の逆流層部を有しており、各逆流層部間には正流層部が配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の超電導コイル。
  9. 前記コイル部に配置される前記逆流層部を形成するコイル層数は、前記コイル部を形成する全コイル層数の30%未満であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の超電導コイル。
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