JP2007155939A - ディスプレイ用光学シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】青味が強く、経時寸法変化のないディスプレイ用光学シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ディスプレイ用光学シート10は、拡散シート12、18とプリズムシート14、16を積層した複合シートに枠体70を接合して構成される。各シート12、14、16、18は、ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下で形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスプレイ用光学シート及びその製造方法に係り、特に、液晶表示素子等に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで製造するのに好適なディスプレイ用光学シート及びその製造方法に関する。
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させるフィルムや、正面方向に光を集光するレンズフィルム等が用いられている。
この場合、各種の光学フィルム(シート)を積層して使用する例が多い。たとえば、特許文献1においては、反射型偏光フィルムと位相差フィルムと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光フィルムが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提供されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものフィルムが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。
また、特許文献2〜4においては、1枚の光拡散フィルムとレンズフィルムの機能を一体化したフィルムが開示されている。
特開2004−184575号公報 特開平7−230001号公報 特許第3123006号公報 特開平5−341132号公報
ところで、従来の液晶表示装置は、黄色味が強いという特性があるが、近年では色温度の高い青味の強い特性のものが要望されている。特にTVに用いられる液晶表示装置は、果てしなく高い色温度が要求されており、バックライトやカラーフィルターの設定変更だけでは対応できないという問題がある。
青味が強い特性を得るためには、ディスプレイ用光学シートに用いられる光学シートのベースフィルムの厚みを50μm以下と薄くすることが要求される。すなわち、通常のベースフィルムの厚みだと、バックライトやカラーフィルターの設定を変更しても、色温度は8000K以下になり、黄色味が強い特性しか得られない。このため光学シートのベースフィルムの厚みを50μm以下にすることが要求されるが、ベースフィルムの厚みが50μm以下になると自己支持性が得られなくなり、移送性が悪くなって組込作業が煩雑になるという問題がある。また、ベースフィルムが薄い光学シートの場合には経時寸法変化によって光源ムラが発生するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、青味が強い特性を得ることができ、経時寸法変化のないディスプレイ用光学シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下である光学シートを用いたことを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
本発明によれば、光学シートのベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下であり、ベースフィルム透過経路が短くなるので、ベースフィルムの有する透過波長分散の影響が小さくなり、ホワイトバランスが改善される。これにより、ディスプレイを組み立てた際の色温度が9000K以上12000K以下になり、青味の強い特性が得られる。
なお、光学シートのベースフィルムの厚みが50μmを超えた場合には、色温度が低下して黄色味の強い特性になるという問題が発生し、逆にベースフィルムの厚みが10μm未満になった場合には、プリズム層やレンズ層などのような厚みのある塗布層を十分に保持できなくなって光学特性が低下するという問題が発生する。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記光学シートは、その周縁部が枠体に接合されることによって、張設されることを特徴とする。
本発明によれば、光学シートの周縁部が枠体に接合されて張設されるので、光学シートの自己支持性が得られる。これにより、光学シートのハンドリング性が向上し、組込工程の作業効率を向上させることができる。また、光学シートを枠体に接合して張設したので、経時寸法変化が抑制され、光源ムラの無い状態を長時間にわたって保持することができる。
請求項3に記載の発明は請求項1または2の発明において、前記光学シートは、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートと、該レンズシートの少なくとも1枚の表面及び/又は裏面に積層された拡散シートとによって構成されることを特徴とする。
なお、「1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシート」とは、レンチキュラーレンズやプリズムシートが代表的であり、他に回折格子等も含まれる。
請求項4に記載の発明は前記目的を達成するために、ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下である光学シートの周縁部を枠体に接合して前記光学シートを張設する張設工程を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下の光学シートの周縁部を枠体に接合し、光学シートを張設したので、組込工程の作業効率を向上させることができるとともに、経時寸法変化による光源ムラを防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下である光学シートを用いたので、青味の強い特性を有するディスプレイ用光学シートを得ることができる。
以下添付図面に基づいて本発明の実施態様について説明する。先ず、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1〜第6実施形態)の構成を説明し、次いでこれらのディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。
図1は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1実施形態)の構成を示す断面図である。
このディスプレイ用光学シート10は、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18は、透明なフィルム(支持体)の表面(片面)にビーズをバインダーで固定したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。第1の拡散シート12と第2の拡散シート18とはビーズの径(平均粒径)が異なっており、光拡散性能も異なっている。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用される透明なベースフィルム(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18のビーズの径は、100μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。たとえば所定の分布7〜38μmの範囲で、平均粒径が17μmとできる。
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16は、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートであり、たとえば、ピッチを50μmと、凹凸高さを25μmと、凸部の頂角を90度(直角)とできる。
この第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とは、凸状レンズ(プリズム)の軸が略直交する向きに配されている。すなわち、図1において、第1のプリズムシート14の凸状レンズの軸は紙面に垂直方向に配されており、第2のプリズムシート16の凸状レンズの軸は紙面に平行方向に配されている。なお、図1においては、第2のプリズムシート16の断面が凸状のレンズである旨が理解できるように、実際とは異なった向きに示されている。
第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16の材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
また、ホットプレスにより、プリズムシートの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
また、他の製造方法として、第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、凹凸ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
より具体的には、表面に接着剤と樹脂とが順次塗布されることにより、接着剤層と樹脂層(たとえばUV硬化性樹脂)とが2層以上に形成されている透明なフィルムを連続走行させ、この透明なフィルムを回転する凹凸ローラに巻き掛け、樹脂層に凹凸ローラ表面の凹凸を転写し、透明なフィルムが凹凸ローラに巻き掛けられている状態で樹脂層を硬化させる(たとえばUV照射する)凹凸状シートの製造方法が採用できる。なお、接着剤はなくてもよい。
なお、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸形状が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
図1に示されるように、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部は、接合部10Aにより各層が一体化されている。この接合部10Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
上述した光学シート(すなわち、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び、第2の拡散シート18)は、ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下になるように形成されている。光学シートの厚みを上記の範囲に設定することによって、ディスプレイを組み立てた際の色温度が9000K以上12000K以下になり、青味の強い特性が得られる。
また、光学シートを上記の範囲に設定したことによって自己支持性が得られにくくなる。そこで、図17(A)、図17(B)に示す枠体70を用いて光学シートの自己支持性を確保する。枠体70は、樹脂フィルムから成り、たとえばポリスチレン射出成形によって製造される。枠体70の厚みや幅は、光学シートの製品サイズによって異なるが、十分な形状保持力が得られるのであればよく、たとえば厚み2〜10mm、幅3〜30mmの範囲で設定される。なお、枠体70は、外側の寸法が光学シートと同じ寸法で形成され、且つ、内側の寸法は、製品となった際に光学特性に影響のない範囲で形成される。また、枠体70の材質は、アクリル、ポリスチレン、アルミニウムなど、適度な強度を有する任意のものを選択することができる。
この枠体70は、光学シートの積層体の上面(すなわち、第2の拡散シート18の上面)に接着剤(たとえばホットメルト接着剤やUV接着剤)で接合される。なお、枠体70の形状(寸法)は上記のものに特に限定するものではなく、製品となった際に光学特性に影響がなく、且つ、光学シートに自己支持性が得られるようなものであればよい。
以上に説明したディスプレイ用光学シート10は、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。その際、光学シートは枠体に接合されて張設された状態で組み込まれるので、光学シートの経時寸法変化を抑制することができ、光源ムラの無い状態を長時間にわたって保持することができる。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第2実施形態)について説明する。図2は、ディスプレイ用光学シート20の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート20は、下から順に、拡散シート12、第1のプリズムシート14、及び第2のプリズムシート16が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略されている。
このディスプレイ用光学シート20の場合にも、光学シートの積層体の上面に(すなわち、第2のプリズムシート16の上面に)枠体70が接合され、光学シートが張設されている。これにより、光学シートの自己支持性が得られ、組込工程の作業効率を向上させることができる。
以上に説明したディスプレイ用光学シート20は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第3実施形態)について説明する。図3は、ディスプレイ用光学シート30の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)及び図2(第2実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート30は、下から順に、第1の拡散シート12、プリズムシート14、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートである。
このディスプレイ用光学シート30は、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されているものである。
このディスプレイ用光学シート30の場合にも、光学シートの積層体の上面に(すなわち、第2の拡散シート18の上面に)枠体70が接合され、光学シートが張設されている。これにより、光学シートの自己支持性が得られ、組込工程の作業効率を向上させることができる。
以上に説明したディスプレイ用光学シート30は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第4実施形態)について説明する。図4は、ディスプレイ用光学シート40の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート40は、下から順に、拡散シート12、及びプリズムシート14が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
このディスプレイ用光学シート40の場合にも、光学シートの積層体の上面に(すなわち、第1のプリズムシート14の上面に)枠体70が接合され、光学シートが張設されている。これにより、光学シートの自己支持性が得られ、組込工程の作業効率を向上させることができる。
以上に説明したディスプレイ用光学シート40は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第5実施形態)について説明する。図5は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート50は、下から順に、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略されている。
このディスプレイ用光学シート50の場合にも、光学シートの積層体の上面に(すなわち、第2の拡散シート18の上面に)枠体70が接合され、光学シートが張設されている。これにより、光学シートの自己支持性が得られ、組込工程の作業効率を向上させることができる。
以上に説明したディスプレイ用光学シート50は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第6実施形態)について説明する。図6は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート60は、下から順に、第1のプリズムシート14、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
このディスプレイ用光学シート60の場合にも、光学シートの積層体の上面に(すなわち、第2の拡散シート18の上面に)枠体70が接合され、光学シートが張設されている。これにより、光学シートの自己支持性が得られ、組込工程の作業効率を向上させることができる。
以上に説明したディスプレイ用光学シート60は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、ディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。この製造方法は、既述のディスプレイ用光学シート10〜60に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成のディスプレイ用光学シート(第1実施形態)に適用した場合について説明する。
図7は、第1の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン11の構成図である。図の左端部に設けられているロール12B、14B、16B、及び18Bは、それぞれ、既述の図1に示される第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が巻回されたロールである。
このロール12B、14B、16B、及び18Bは、図示しない繰り出し手段の回転軸にそれぞれ軸支されており、ロール12B、14B、16B、及び18Bより第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18がそれぞれ略同一速度で繰り出し可能となっている。
繰り出された第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18は、それぞれガイドローラG、G…に支持され、最終的には、後述するレーザヘッド24の上流側において積層されるようになっている(積層工程)。
レーザヘッド24を含むレーザ光照射装置としては、波長が355〜1064nmのYAGレーザ照射装置、半導体レーザ照射装置、波長が9〜11μmの炭酸ガスレーザ照射装置等が採用できる。発振方式は連続発振でもパルス発振でもよいが、裁断と略同時に溶着を行うにはパルス発振による点付けが、外見上の仕上がりもよく好適である。
裁断(裁断工程)と略同時に溶着(接合工程)を行うのに必要な出力及び周波数は、素材の送り速度、レーザ光のスキャン速度、素材の厚さ等により異なるが、概ね、出力は2〜50Wが、周波数は100kHz以下の条件で良好な溶着結果が得られる。
レーザヘッド24は、X方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸に取り付けられており、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができる。レーザ光の照射パターンに応じてレーザヘッド24ごと移動させてもよいが、レーザヘッド24を別置き(固定)にして、レーザ光のみを光ファイバーにより導波することでXY方向の移動機構を簡素化することもできる。
なお、レーザヘッド24による裁断時及び溶着時に発生する煙を吸引する公知の機構(吸引装置等)を設けることもできる。
このレーザヘッド24よりレーザ光を積層体周縁の被裁断・接合箇所に照射し、照射スポット一定の速度で移動させながら、積層体の周縁を製品サイズに裁断するとともに溶融させて接合する。
レーザヘッド24によって製品サイズの光学シートが打ち抜かれた後のシートの積層体34は、巻き取り装置(詳細は不図示)の巻き取りロール36に巻き取られる。そして、製品サイズの光学シートがコンベア26によって枠体接合装置71(張設工程)に搬送される。
枠体接合装置71は、予め製造された枠体70(図17参照)を、コンベア26上の光学シートの周縁部に接合する装置である。その際、光学シートはコンベア26上で張った状態であり、枠体70が光学シートの周縁部に接着剤によって接合されることによって、光学シートが張設される。これにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が製造される。なお、接着剤としてはホットメルト樹脂やUV硬化型接着剤などが好ましく、また、枠体接合装置71の後段に接着剤の硬化装置(たとえば、乾燥装置やUV照射装置)を用いることが好ましい。
このディスプレイ用光学シート10は、コンベア26に搬送され、吸着横移載装置28によって集積装置32上に順次重ねられる。
以上のディスプレイ用光学シートの製造方法(第1の製造方法)によれば、光学シート(すなわち、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び、第2の拡散シート18の積層体)に枠体70を接合し、光学シートを張設したので、光学シートのハンドリング性が向上する。したがって、積層工程後に光学シートをバックライトユニット上に組み込む組込工程を容易に行うことができる。
次に、ディスプレイ用光学シートの他の製造方法(第2の製造方法)について説明する。図8は、第2の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン21の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン21においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン11のレーザヘッド24に代えて、ディスペンサ42、44、46及び打ち抜きプレス装置48が採用されている。
このディスペンサ42、44及び46は、それぞれ接着剤を先端より吐出する供給装置である。ディスペンサ42は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを接着するために、第1の拡散シート12の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ44は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを接着するために、第1のプリズムシート14の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ46は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを接着するために、第2のプリズムシート16の表面に接着剤を供給するものである。
ディスペンサ42、44及び46より供給される接着剤は、熱又は触媒の助けにより接着される接着剤であることが好ましい。具体的には、シリコン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることができる。
ディスプレイ用光学シート10〜60は、高温で使用する可能性があるため、常温〜120°Cでも安定な接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的なディスプレイ用光学シートの作製に利用できる。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、特に好適である。
これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型又はホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でも、その塗布厚さは、0.5μm〜50μmが好ましい。
また、下流のプレスローラ(ガイドローラG)までの間に、接着剤を乾燥させる乾燥手段を設けるのが好ましい。この乾燥手段としては、特に制限はなく、公知の乾燥方法、たとえば、温風や熱風による乾燥、脱湿風による乾燥、等が挙げられる。
ディスペンサ42、44及び46はX方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸に取り付けられ、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができるようになっている。
これらのディスペンサ42、44及び46より接着剤を積層体周縁の被接合箇所に供給し、積層体を搬送しながら下流のプレスローラ(ガイドローラG)により積層体の周縁を接合する。
ディスペンサ42、44及び46の下流の打ち抜きプレス装置48は、積層体の周縁を製品サイズに裁断する装置である。この打ち抜きプレス装置48では、接着された部分の中心部分に刃物が入るようにすることにより、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。
この場合にも、打ち抜かれた光学シートは、枠体接合装置71によって枠体70が接合され、枠体70に光学シートが張設される。これにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成され、このディスプレイ用光学シート10が集積装置32上に順次重ねられる。
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第3の製造方法)について説明する。図9は、第3の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン31の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11及び図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン21と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン21においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン21のディスペンサ42、44、46に代えてテープ供給装置52、54、56が採用されている。このテープ供給装置52、54及び56は、それぞれ両面テープを先端より供給する供給装置である。
テープ供給装置52は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを接着するために、第1の拡散シート12の表面に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置54は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを接着するために、第1のプリズムシート14の表面に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置56は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを接着するために、第2のプリズムシート16の表面に両面テープを供給するものである。
テープ供給装置52、54及び56より供給される両面テープは、両面に粘着剤が塗布されたものである。この両面テープの粘着剤としては、高粘着性アクリル共重合樹脂が使用できるが、それ以外にはたとえば、シリコン系、天然ゴム系、合成ゴム系等の粘着剤が使用でき、耐熱性、耐クリープ性等の物理強度、価格等を総合的に考慮すればアクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。
両面テープを供給するテープ供給装置52、54及び56は、市販されている汎用のテープディスペンサーを使うことで対応可能である。テープ供給装置52、54及び56はX方向(シート幅方向)の任意の位置に移動可能な1軸の移動機構に取り付けられており、打抜きパターンに応じて両面テープ貼りの位置を可変させることができる。
また、テープ供給装置52、54及び56の固定部分にはピボット機構があり、シートの送り速度に同期させてテープ供給装置52、54及び56の位置をかえることで、斜め方向へのテープ貼りパターンにも対応可能な機構となっている。
テープ供給装置52、54及び56の下流の打ち抜きプレス装置48では、接着されたテープ幅部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる
この場合にも、打ち抜かれた光学シートは、枠体接合装置71によって枠体70が接合され、枠体70に光学シートが張設される。これにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成され、このディスプレイ用光学シート10が集積装置32上に順次重ねられる。
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第4の製造方法)について説明する。図10は、第4の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン41の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン21、及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン31と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン21においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン21のディスペンサ42、44、46に代えて超音波ホーン62、64、66が採用されている。この超音波ホーン62、64及び66は、それぞれプレスローラ(ガイドローラG)の下流側に配されている。
この超音波ホーン62、64及び66は、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、超音波ホーン62は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを融着させるものであり、超音波ホーン64は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを融着させるものであり、超音波ホーン66は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを融着させるものである。
超音波ホーン62、64及び66(超音波溶着装置)としては、従来より公知であり、エアシリンダでホーンを昇降させる形式のものや、サーボモータによりホーンを昇降させる型式のものが知られているが、シートに荷重を加えながら超音波振動を付与してシート同士を溶着できるものであれば、どのような型式の超音波溶着装置でも適用可能である。
超音波ホーン62、64及び66の位置制御は、打抜きパターンがシートの送り方向に対して水平の場合は、シートの幅方向への位置切替だけでよいが、斜めに打抜くようなパターンに対応する場合には、超音波ホーン62、64及び66の走行方向が任意の向きに可変できるような首振り機構を設け、シートの移動量と同期させて幅方向へ移動させることで対応可能である。
超音波ホーン62、64及び66の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
超音波ホーン62、64及び66の下流の打ち抜きプレス装置48では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。
この場合にも、打ち抜かれた光学シートは、枠体接合装置71によって枠体70が接合され、枠体70に光学シートが張設される。これにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成され、このディスプレイ用光学シート10が集積装置32上に順次重ねられる。
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第5の製造方法)について説明する。図11は、第5の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン51の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン21、及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン31等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン21においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン41の超音波ホーン62、64及び66に代えてレーザヘッド72、74、76が採用されている。このレーザヘッド72、74、76は、超音波ホーン62、64及び66と同様に、それぞれプレスローラ(ガイドローラG)の下流側に配されている。
このレーザヘッド72、74、76は、超音波ホーン62、64及び66と同様に、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド72は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを融着させるものであり、レーザヘッド74は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを融着させるものであり、レーザヘッド76は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを融着させるものである。
なお、レーザヘッド72、74、76は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11におけるレーザヘッド24と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打ち抜きプレス装置48により行われる。ただし、レーザヘッド72、74、76の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法と略同様である。
レーザヘッド72、74及び76の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
レーザヘッド72、74及び76の下流の打ち抜きプレス装置48では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。
この場合にも、打ち抜かれた光学シートは、枠体接合装置71によって枠体70が接合され、枠体70に光学シートが張設される。これにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成され、このディスプレイ用光学シート10が集積装置32上に順次重ねられる。
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第6の製造方法)について説明する。図12は、第6の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン61の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン21、及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン31等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン21においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン51の3台のレーザヘッド72、74及び76に代えて1台のレーザヘッド78が採用されている。このレーザヘッド78は、プレスローラ(ガイドローラG)の下流側に配されている。
このレーザヘッド78は、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド78は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18との積層体を融着させるものである。
なお、レーザヘッド78は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11におけるレーザヘッド24と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打ち抜きプレス装置48により行われる。ただし、レーザヘッド78の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法と略同様である。
レーザヘッド78の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
レーザヘッド78の下流の打ち抜きプレス装置48では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。
この場合にも、打ち抜かれた光学シートは、枠体接合装置71によって枠体70が接合され、枠体70に光学シートが張設される。これにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成され、このディスプレイ用光学シート10が集積装置32上に順次重ねられる。
次に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18の積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置について説明する。
図13は、第1の製造方法において、積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置を説明する図であり、図14は、第2〜第6の製造方法において、積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置を説明する図である。
図13において、(A)は、積層体の搬送方向に対して平行及び直交する方向に融着(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示し、(B)は、積層体の搬送方向に対して斜め方向に融着(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示す。図において、積層体より打抜かれるシートの周縁部の点は、融着箇所を示す。
図14において、(A)は、積層体の搬送方向に対して平行及び直交する方向に融着又は接着(接合工程)を行う状態を示し、(B)は、積層体の搬送方向に対して斜め方向に融着又は接着(接合工程)を行う状態を示す。図において、積層体より打抜かれるシートの周縁部の点は、融着箇所又は接着箇所を示す。
以上、説明した本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法によれば、枠体70を光学シートの周縁部に接合して光学シートを張設するので、光学シートのハンドリング性が向上し、後段の積層工程や組込工程を容易に行うことができる。
また、枠体70によって光学フィルムの自己支持性を確保することができるので、光学シートを成す第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、第2の拡散シート18のベースフィルムを薄くすることができる。具体的には、各ベースフィルムを10μm以上50μm以下とすることができる。このような厚みのベースフィルムから成る光学シートは、ディスプレイに組み込んだ際に青味の強い特性を有する。したがって、青味の強い特性のディスプレイ用光学シートを得ることができる。
なお、上述した第1〜第6の製造方法は、光学シートを打ち抜いた後に枠体70を接合したが、これに限定するものではなく、枠体70を接合した後に製品サイズに打ち抜くようにしてもよい。たとえば、図18に示す製造ライン81は、レーザヘッド24の前段に枠体接合装置71が設けられており、この枠体接合装置71によって光学シートの所定の位置に枠体70が接合され、その後にレーザによる裁断が行われる。この場合、枠体接合装置71で接合する枠体70は、その外寸が製品サイズよりも大きいものを接合し、レーザによって光学シートと同時に裁断するとよい。また、レーザによる打ち抜き時に同時に枠体70を光学シートに接合するようにしてもよく、この場合には、枠体接合装置71は枠体70を積層するだけでよい。
なお、上述した全ての製造方法は、光学シートに枠体70を接合して光学シートを張設するようにしたが、光学シートを張設する方法はこれに限定するものではない。たとえば、光学シートの製品サイズの周縁部に接着剤を枠型に塗布し、この接着剤を硬化させることによって枠を形成して光学シートを張設するようにしてもよい。
[プリズムシートの作成]
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に使用するプリズムシートを作成した。このプリズムシートは、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に共通して使用する。
・樹脂液の調整
図15の表に示す化合物を記載の重量比にて混合し、50°Cに加熱して撹拌溶解し、樹脂液を得た。なお、各化合物の名称と内容は以下の通りである。
EB3700:エベクリル3700、ダイセルUC(株)製、
ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、
(粘度:2200mPa・s/65°C)
BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製、
エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル、
(粘度:590mPa・s/25°C)
BR−31 :ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬工業(株)製、
トリブロモフェノキシエチルアクリレート、
(常温で固体、融点50°C以上)
LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製の光ラジカル発生剤、
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
MEK :メチルエチルケトン
図16に示される構成のプリズムシートの製造装置を使用してプリズムシートの製造を行った。
シートWとして、幅500mm、厚さ30μmの透明なPET(ポリエチレンテフタレート)のフィルムを使用した。
エンボスローラ83として、長さ(シートWの幅方向)が700mm、直径が300mmのS45C製で表面の材質をニッケルとしたローラを使用した。ローラの表面の略500mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用した切削加工により、ローラ軸方向のピッチが50μmの溝を形成した。溝の断面形状は、頂角が90度の三角形状で、溝の底部も平坦部分のない90度の三角形状である。すなわち、溝幅は50μmであり、溝深さは約25μmである。この溝は、ローラの周方向に継ぎ目がないエンドレスとなるので、このエンボスローラ83により、シートWに断面が三角形のレンチキュラーレンズ(プリズムシート)が形成できる。ローラの表面には、溝加工後にニッケルメッキを施した。
塗布手段82として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッド82Cを用いたダイコータを使用した。
塗布液F(樹脂液)として、図15の表に記載した組成の液を使用した。塗布液F(樹脂)の湿潤状態の厚さは有機溶剤乾燥後の膜厚が20μmになるように、塗布ヘッド82Cへの各塗布液Fの供給量を、供給装置82Bにより制御した。乾燥手段89として熱風循環式の乾燥装置を用いた。熱風の温度は100°Cとした。
ニップローラ84として、直径が200mmで、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを使用した。エンボスローラ83とニップローラ84とでシートWを押圧するニップ圧(実効のニップ圧)は、0.5Paとした。
樹脂硬化手段85として、メタルハライドランプを使用し、1000mJ/cmのエネルギーで照射を行った。
以上により、凹凸パタ−ンが形成されたプリズムシートを得た。
[第1の拡散シート12の作成]
下塗り層、バックコート層、光拡散層の順に、以下の方法により各層を形成することにより、第1の拡散シート12(下用拡散シート)を作製した。
・下塗り層
厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の片面に、下記組成の下塗り層用塗布液としてのA液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が1.5μmの下塗り層を得た。
(下塗り層用塗布液)
メタノール 4165g
ジュリマーSP−50T(日本純薬社製) 1495g
シクロヘキサノン 339g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 1.85g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・バックコート層
前記支持体の、下塗り層を塗布した反対側の面に、下記組成のバックコート層用塗布液としてのB液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が2.0μmのバックコート層を得た。
(バックコート層用塗布液)
メタノール 4171g
ジュリマーSP−65T(日本純薬社製) 1487g
シクロヘキサノン 340g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 2.68g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・光拡散層
上記で作成した支持体の下塗り層側に、下記組成の光拡散層用塗布液としてのC液を、ワイターバー(ワイヤーサイズ:#22)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、光拡散層を得た。こうして得られた拡散シートのヘイズは87%であった。
(光拡散層用塗布液)
シクロヘキサノン 20.84g
ディスパロンPFA−230 固形分濃度20質量% 0.74g
(粒子沈降防止剤:脂肪酸アミド、楠本化成社製)
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−117、三菱レーヨン社製)20質量%メチルエチルケトン溶液 17.85g
ジュリマーMB−20X(日本純薬社製) 11.29g
(有機粒子;ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径18μmの球状超微粒子)
F780F(大日本インキ社製) 0.03g
(メチルエチルケトン 30質量%溶液)
[第2の拡散シート18の作成]
上記の第1の拡散シート12の光拡散層のジュリマーMB−20Xの添加量を11.29gから、1.13gに変更した以外は、上記の第1の拡散シート12と同一の条件及び同一のフローで第2の拡散シート18(上用拡散シート)を作製した。こうして得られた拡散シートのヘイズは30%であった。
[ディスプレイ用光学シート10の作成:実施例]
以上の各シートを使用し、既述の図1に示される、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなるディスプレイ用光学シート10(光学シートのモジュール)を作成した。
製造装置としては、既述の図7に示されるディスプレイ用光学シート製造ライン11(第1の製造方法)を使用した。レーザヘッド24を含むレーザ光照射装置としては、炭酸ガスレーザ照射装置を使用した。波長は、10μmであり、出力は、25Wであり、周波数は、50kHzである。
ディスプレイ用光学シート10の作成方法は、下記方式とした。
(1)ポリスチレン射出成形により厚さ3mm、枠幅5mmで500×700mm大の四角いフランジを作成する。
(2)レーザ光照射により、シート積層体の四周を打ち抜く。
(3)シート四周の四辺を(1)のフランジに接合する。接合は接着剤によって行う。
<第1比較例>
実施例1の各条件のうち、使用するベースフィルムの厚みを100μmとした。また、枠体は使用せずにシートのまま、レーザ光照射によりシート積層体の四周を打ち抜き、シート四周の四辺を接合した。
上記の如く製造した実施例1、比較例1についてLCD色温度(℃)、85℃1000hr前後の輝度ムラ(%)の評価を行った。その結果を図18に示す。
図18から分かるように、ベースフィルムの厚みが100μmと厚い比較例1の場合には、LCD色温度が8000Kになり、黄色味の強い特性が得られた。これに対して、ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下と薄い実施例1の場合には、LCD色温度が9000K〜12000Kになり、青味の強い特性が得られた。
また、枠体のない比較例1の場合には、経時寸法変化によって輝度ムラが生じた。これに対して、枠体によって光学シートを張設した実施例1の場合には、輝度ムラの発生を抑制することができた。
本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 第1の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図 第2の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図 第3の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図 第4の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図 第5の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図 第6の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図 第1の製造方法において、積層体より打抜かれるシートの平面配置を説明する図 第2〜第6の製造方法において、積層体より打抜かれるシートの平面配置を説明する図 プリズムシートの作成に使用される樹脂液の組成を示す表 プリズムシートの製造装置の構成図 枠体を説明する斜視図 実施例の試験結果を示す表 図7と異なる構成のディスプレイ用光学シートの製造ラインの構成図
符号の説明
10、20、30、40、50、60…ディスプレイ用光学シート、12…第1の拡散シート、14…第1のプリズムシート、16…第2のプリズムシート、18…第2の拡散シート、70…枠体、71…枠体接合装置

Claims (4)

  1. ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下である光学シートを用いたことを特徴とするディスプレイ用光学シート。
  2. 前記光学シートは、その周縁部が枠体に接合されることによって、張設されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学シート。
  3. 前記光学シートは、
    1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートと、
    該レンズシートの表面及び/又は裏面に積層された拡散シートとによって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用光学シート。
  4. ベースフィルムの厚みが10μm以上50μm以下である光学シートの周縁部を枠体に接合して前記光学シートを張設する張設工程を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
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