JP2007152617A - 把持部用部材 - Google Patents

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敦 小森
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Abstract

【課題】指又は手が直接接触することのある各種分野の物品の一部又は全体を被覆するための、極めて滑りにくく、かつ、しっとり感のある感触が得られ、長時間握っていても疲労度の少ない把持部用部材を提供する。
【解決手段】筆記具用、スポーツ用品用、手工具用等のグリップや、乗り物用、工作機械用、建築物用等のハンドルや、電子機器、玩具、化粧用具等の把持部である、指又は手が直接接触することのある把持部6を被覆するための弾性エラストマー発泡体からなる把持部用部材2において、その表面の少なくとも一部に発泡セル構造の凹部5を表出させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、シャープペンシル、ボールペン、鉛筆、筆等の筆記具用のグリップ、テニスラケット、バトミントンのラケット、卓球のラケット、野球のバット、ゴルフクラブ、スキーのストック、釣り竿等のスポーツ用品のグリップ、ハンマー、ドライバー、プライヤー等の手工具用のグリップ、自動車、自動二輪車、原動機付き自転車、自転車、三輪車等の乗り物用のハンドル、工作機械や農機具等の各種産業機械のハンドル、回転ドア、サッシ、雨戸等の建築物用の取手の他、パーソナルコンピュータ、個人情報携帯端末、携帯電話、リモコン、マウス等の電子機器の把持部や積み木、ぬいぐるみ等の玩具の保持部、パフ、眉ブラシ、歯ブラシ等の化粧用具の把持部等といった、指又は手が直接接触することのある各種分野の物品の一部又は全体を被覆するための把持部用部材に関する。
従来から、シャープペン、ボールペン等の筆記具、ラケット、ゴルフクラブ、釣り竿等のグリップ部に装着されるグリップ用部材としては、表面が滑りにくく、長時間握っていても疲れにくい材質、形状がそれぞれの製品で発明され改良されてきている。また、近年は滑らない材質、形状だけでは満足されず、握った際のしっとり感のような官能的な感触も重視されてきている。しかしながら、これらのすべてを満足させるのは極めて困難であった。
たとえば、ペングリップであれば、特許文献1に開示されているように、ショアA硬度が40度乃至60度の合成樹脂のグリップ用部材が提案され、特許文献2ではショアA硬度が10度以上40度未満の合成樹脂を用いたグリップ用部材が提案されている。また、特許文献3や特許文献4では、グリップ部が握った形状になるよう形状記憶樹脂を用いることが開示されている。
特開平2−141295号公報 特開平3−292200号公報 特開平4−59300号公報 特開平9−272294号公報
しかしながら、特許文献1乃至4で提案されているグリップ用部材はいずれも指や手が雨或いは汗等で表面に水分が付着した状態においては非常に滑りやすいという問題があった。
そこで、この発明は、以上のような従来の筆記具用、スポーツ用品用、手工具用等のグリップや、乗り物用、工作機械用、建築物用等のハンドルや、電子機器、玩具、化粧用具等の把持部である、指又は手が直接接触することのある把持部を被覆するための弾性エラストマー発泡体からなる把持部用部材の問題点を解消すべく、指又は手が直接接触することのある各種分野の物品の一部又は全体を被覆するための把持部用部材の表面に付着した水分をその把持部用部材内に吸収することで、極めて滑りにくく、かつ、しっとり感のある感触が得られ、長時間握っていても疲労度の少ない把持部用部材を提供することを課題とする。
以上のような課題を実現するため、請求項1に係る把持部用部材は、筆記具用、スポーツ用品用、手工具用等のグリップや、乗り物用、工作機械用、建築物用等のハンドルや、電子機器、玩具、化粧用具等の把持部である、指又は手が直接接触することのある把持部を被覆するための弾性エラストマー発泡体からなる把持部用部材において、その表面の少なくとも一部に発泡セル構造の凹部が表出していることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記把持部用部材の全表面積に対して、前記セル構造の凹部が表面に露出している面積が20〜80%を占めていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記発泡セル構造の凹部が把持部用部材の把持部全体に均等に分布していることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の構成に加え、前記発泡セル構造の凹部の平均セル径が10〜300μmであることを特徴としている。
この発明は、以上のような構成を有するため、請求項1に記載の発明によれば、表面に付着した水分が弾性エラストマー発泡体の表面に表出している発泡セル内に吸収されるため、弾性エラストマー発泡体自身の特性が維持されるから、極めて滑りにくく、かつ、しっとり感の感触が得られ、長時間握っていても疲労度の少ない把持部用部材を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、発泡セル構造の凹部が把持部用部材の把持部全体の20〜80%を占めているので、請求項1の効果に加えて、把持部用部材の表面に付着した水分を十分にセル内に取り込むことができると共に、全体の剛性を保つ乾燥したセル壁の存在により、しっかりとしたグリップ性能が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、発泡セル構造の凹部が把持部用部材の把持部全体に均等に分布しているので、請求項1又は2に記載の効果に加えて、把持部用部材を握ったときに指や手のどの部分に対しても水分を吸収することができるため、確実な滑り止めの効果を発揮し把持部用部材をしっかりと握ることができることになる。
請求項4に記載の発明によれば、前記発泡セル構造の凹部の平均セル径が10〜300μmであるので、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の効果に加え、表面に付着した水分を十分にセル内に取り込むことができ、セル構造を形成するエラストマーの骨格を十分に備えた長期間の使用に耐える、肌触りのよい把持部用部材が得られる。
以下、この発明の実施の形態に係る把持部用部材について、図面に従って説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る把持部用部材を筆記具に適用した場合の例を示した斜視図である。図2は、この発明の実施の形態に係る把持部用部材をバトミントンラケットに適用した場合の例を示した斜視図である。
図1に示した筆記具1の場合の把持部用部材2は、両端が開口した管状体の弾性エラストマー発泡体であって、その外形を指で握りやすいグリップの形状とし、管状体の横断面の内径を筆記具1の外径より僅かに小さく形成した把持部用部材2を、筆記具1を握るペン先近くに嵌めて使用される。
筆記具1の場合には、把持部用部材2の内径を広げて筆記具1に嵌め込む際に生じる弾性復元力によって筆記具1の外表面に把持部用部材2の内面が密着することになる。他方、弾性エラストマー発泡体自体の表面は滑りにくい特性を有しているから、一端筆記具1に取り付けた後は、そのままでも所定の位置で固定されることになり、使用中に移動させるような外力が作用した場合でも簡単に外れるようなことはない。より固定の度合いを高めたい場合には、筆記具1の外表面と把持部用部材2の内面との間に接着剤を塗布すればよい。
弾性エラストマー発泡体の管状体のものをそのまま被せる場合には、把持部用部材2の内面と筆記具1の外表面とが滑りやすい方が把持部用部材2の装着がしやすいため、把持部用部材2の内面のスキン層は除去しない方が好ましい。
図2に示したバトミントンラケット3の場合の把持部用部材2は、一定の幅をしたテープ状の弾性エラストマー発泡体であって、バトミントンラケット3の柄4の部分に、所定の長さに渡って斜めに(螺旋状に)隙間なく巻き付けて使用される。
バトミントンラケット3の場合の把持部用部材2は、テープ状にしたものの片面に両面テープや接着剤を貼り付けて、その両面テープや接着剤を用いて、バトミントンラケット3の柄4の部分に貼り付けるとよい。
テープ状にして両面テープや接着剤を用いて把持部用部材2を柄4に貼り付ける場合には、把持部用部材2の表面が滑らかな方が両面テープや接着剤の接着強度が高まるため、柄4に貼り付ける面のスキン層は除去しない方が好ましい。
図3乃至図6は、把持部用部材の外表面を示した拡大平面図である。
図3は、弾性エラストマー発泡体のセル構造の凹部5を把持部用部材2の外表面に周方向の縞模様を呈するように表出させている。図4は、弾性エラストマー発泡体のセル構造の凹部5を把持部用部材2の外表面に軸方向の縞模様を呈するように表出させている。図5は、弾性エラストマー発泡体のセル構造の凹部5を把持部用部材2の外表面に軸方向に沿った螺旋の縞模様を呈するように表出させている。図6は、弾性エラストマー発泡体のセル構造の凹部5を把持部用部材2の外表面に水玉模様を呈するように表出させている。
弾性エラストマー発泡体のセル構造の凹部5は水分を吸収する部分であり、この弾性エラストマー発泡体のセル構造の凹部5が把持部用部材の外表面に均等に分布していないと、把持部用部材を握ったときに水分を吸収する量が多い所と少ない所とが生じてしまい、水分を吸収する量の少ない部分では滑りやすく把持部用部材をしっかりと握ることができないことになる。そのため、図3乃至図6のいずれの場合も、弾性エラストマー発泡体のセル構造の凹部5が把持部用部材2の外表面に均等に分布させていることが必要である。
図7は、弾性エラストマー発泡体のセル構造を示した表面部分の拡大断面図である。
発明者が行った実験によれば、把持部用部材2の表面に露出するセル構造の凹部5は、把持部用部材2の全体の面積に占める比率が20〜80%であるのが望ましいといえる。この比率が20%未満では、把持部用部材2の表面に付着した水分を十分にセル内に取り込むことができず滑りにくくするという効果が不足する。露出するセル構造の凹部5の比率が80%を越えると、水分の取り込み効果は十分であるが、乾燥したセル壁7の比率が小さくなり、しっかりと握るためのグリップ性能が不足することになる。露出するセル構造の凹部5の比率は、使用する人の多汗状態や使用時の湿度等を勘案して決定すればよい。また、強い把持力を必要としない女性や子供用のグリップに使用する場合には、露出するセル構造の凹部5の比率を大きくすることもよい。
また、発明者が行った実験によれば、把持部用部材2の把持部6に相当する弾性エラストマー発泡体の厚みは、柄4等に装着された状態で1〜15mmであることが望ましいといえる。弾性エラストマー発泡体の厚みが1mm未満では、握ったときの把持部用部材2の圧縮量が小さすぎて弾性復元力が得られないためグリップを握るのに強い力が必要となり長時間握っていると疲労がたまってくる。弾性エラストマー発泡体の厚みが15mmを越えると、把持部用部材2の圧縮量が大きすぎて握る力が弱いとぐらついてしまうためグリップを握るのにやはり強い力が必要となり長時間握っていると疲労がたまってくる。すなわち、弾性エラストマー発泡体の厚みが柄4等に装着された状態で1〜15mmである場合に、弱い力で握っていてもしっかりとしたグリップ性能を有し、長時間グリップを握っていても疲労の少ない最適な把持部用部材2が得られる。
なお、筆記具用のグリップや化粧用具の把持部等のように、指で支えるような本体形状の小さなもののグリップの場合には、使い勝手の問題から大きさに制限が生じるため、把持用部材2の肉厚は1〜15mmのうちの小さい値を選択することになる。反対に、スポーツ用品のグリップ、手工具用のグリップ、乗り物用のハンドル、各種産業機械のハンドル、建築物用の取手の他、電子機器の把持部や玩具の把持部等のように、手で握るような本体形状の比較的大きなもののグリップの場合には、強度上の問題から、把持用部材2の肉厚は1〜15mmのうちの大きい値を選択することになる。
さらに、発明者が行った実験によれば、弾性エラストマー発泡体の表面に露出するセル構造の平均セル径は10〜300μmが望ましいといえる。セル構造の平均セル径が10μm未満では、水滴の大きさに対してその大きさが小さすぎるため表面に付着した水分を十分にセル内に取り込むことができず、滑りにくくするという効果が不足する。セル構造の平均セル径が300μmを越えると、セル構造を形成するエラストマーの骨格が細くなり、ざらざらした感触となってしまうため品位が低下する上、機械的物性が極端に低下するため長期間の使用に耐えることができない。特に、スポーツ用のグリップ等の衝撃が加わるような製品には使用できないこととなる。なお、セル構造のセル径は、発泡剤と架橋剤の化学的バランスにより変化するので、同一の加工機を用いても、発泡剤の種類と配合量、架橋剤の種類と配合量を変更したり、加熱温度や加熱時間等の製造条件を変えることにより制御することは可能であるため、通常の製造ラインを用いて種々のセル径の製品を製造することができる。
セル径を小さくするためには架橋剤に対する発泡剤の量を減らしたり、加熱温度を上げて架橋剤の分解を促進させるなどの手法で行うことができる。また、セル径を大きくするためには、その逆に架橋剤に対する発泡剤の量を増やしたり、加熱温度を下げて架橋剤の分解を抑制するなどの手法で行うことができる。さらに、発泡剤の種類を変えて、分解温度やガスの発生量が異なるものを用いてセル径の調製を行うことも可能である。
弾性エラストマー発泡体の材質は、発泡ウレタンゴム、発泡シリコーンゴム、発泡フッ素ゴムのほか、発泡スチレンブタジエンゴム、発泡クロロプレンゴム等が選ばれるが、耐候性、感触、着色性に優れた発泡シリコーンゴムが好ましい。
弾性エラストマー発泡体は、通常、押出成形加工、プレス成形加工、カレンダー成形加工等で一次成形加工されるが、その外表面にはスキン層が形成されセル構造の凹部5が表面に露出していない。そのため、一次成形加工された弾性エラストマー発泡体の外表面のスキン層を除去する必要がある。スキン層を除去する方法としては、公知のスライス加工法、砥石やドリルによる切削加工法を用いればよい。なお、切削加工時には、把持部用部材2を握りやすくする大きな凹凸形状や滑り止め効果を発揮する小さな凹凸形状を設けることもできる。
以上のような構成からなるこの発明の把持部用部材2は、ゴルフクラブ用のグリップをはじめ、テニス、バトミントン、スカッシュ、ラケットボール等のラケット用のグリップ、スキー用ストック等のスポーツ用品用のグリップ、自動車、自動二輪車、原動機付自転車等の乗物用のグリップ、ドライバー、ハンマー等の手工具用のグリップ、各種機械装置のハンドル用のグリップ等、種々の分野に適用することができ、それらの把持部用部材2において、手へのなじみ感である「しっとり感」が優れ、かつ汗や水で濡れた場合でも「滑りにくい」という特性を発揮することができる。
[実施例1]
シリコーンゴムコンパウンドKE−151KU(商品名、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、架橋剤C−3(商品名、信越化学工業(株)製)4質量部、発泡剤KE−P−13(商品名、信越化学工業(株)製)3質量部を加え、二本ロールを用いて混練し、押出成形加工方法を用いて押出成形した後、175℃の温度で5分間加硫を行い、内径8mm、肉厚2.5mmの断面を有する管状の弾性エラストマー発泡体を得た。次いで、これをオーブンに入れ、200℃で10時間の後処理を実施した。
次に、後処理をした管状の弾性エラストマー発泡体を長さ300mmに切断し、内径側に9mmの金属製シャフトを通して円筒研削盤を用いて外径より厚み0.5mmを研削することにより、スキン層が除去された内径8mm、肉厚2mm(外径12mm)の把持部用部材2を得た。
この把持部用部材2の表面に露出したセル構造の凹部5を測定したところ、その平均セル径は150μmでセル構造の凹部5が表面に露出している部分の面積は把持部6の全体の面積の50%であった。
次に、金属製シャフトを抜き、長さ40mmに切断して装着芯材である筆記具1に装着して、そのグリップ感、疲労度、水滴を付着させたときのグリップの保持力を官能試験によって確認した。その結果は表1のとおりである。
[実施例2]
シリコーンゴムコンパウンドKE−151KU(商品名、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、架橋剤C−3(商品名、信越化学工業(株)製)4質量部、発泡剤KE−P−13(商品名、信越化学工業(株)製)3質量部を加え、二本ロールを用いて混練し、押出成形加工方法を用いて押出成形した後、175℃の温度で5分間加硫を行い、内径8mm、肉厚2.5mmの断面を有する管状の弾性エラストマー発泡体を得た。次いで、これをオーブンに入れ、200℃で10時間の後処理を実施した。
次に、後処理をした管状の弾性エラストマー発泡体を長さ300mmに切断し、内径側に9mmの金属製シャフトを通して円筒研削盤を用いて外径より厚み0.2mmを研削することにより、スキン層が除去された内径8mm、肉厚2.3mm(外径12.6mm)の把持部用部材2を得た。
この把持部用部材2の表面に露出したセル構造の凹部5を測定したところ、その平均セル径は150μmで、セル構造の凹部5が表面に露出している部分の面積は把持部6の全体の面積の20%であった。
次に、金属製シャフトを抜き、長さ40mmに切断して装着芯材である筆記具1に装着して、そのグリップ感、疲労度、水滴を付着させたときのグリップの保持力を官能試験によって確認した。その結果は表1のとおりである。
[実施例3]
シリコーンゴムコンパウンドKE−151KU(商品名、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、架橋剤C−3(商品名、信越化学工業(株)製)4質量部、発泡剤KE−P−13(商品名、信越化学工業(株)製)3質量部を加え、二本ロールを用いて混練し、押出成形加工方法を用いて押出成形した後、175℃の温度で5分間加硫を行い、内径8mm、肉厚2.5mmの断面を有する管状の弾性エラストマー発泡体を得た。次いで、これをオーブンに入れ、200℃で10時間の後処理を実施した。
次に、後処理をした管状の弾性エラストマー発泡体を長さ300mmに切断し、内径側に9mmの金属製シャフトを通して円筒研削盤を用いて外径より厚み1.3mmを研削することにより、スキン層が除去された内径8mm、肉厚1.2mm(外径10.4mm)の把持部用部材2を得た。
この把持部用部材2の表面に露出したセル構造の凹部5を測定したところ、その平均セル径は150μmで、セル構造の凹部5が表面に露出している部分の面積は把持部6の全体の面積の80%であった。
次に、金属製シャフトを抜き、長さ40mmに切断して装着芯材である筆記具1に装着して、そのグリップ感、疲労度、水滴を付着させたときのグリップの保持力を官能試験によって確認した。その結果は表1のとおりである。
[実施例4]
シリコーンゴムコンパウンドKE−151KU(商品名、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、架橋剤C−3(商品名、信越化学工業(株)製)4質量部、発泡剤KE−P−13(商品名、信越化学工業(株)製)2質量部を加え、二本ロールを用いて混練し、押出成形加工方法を用いて押出成形した後、180℃の温度で5分間加硫を行い、内径8mm、肉厚8.0mmの断面を有する管状の弾性エラストマー発泡体を得た。次いで、これをオーブンに入れ、200℃で10時間の後処理を実施した。
次に、後処理をした管状の弾性エラストマー発泡体を長さ300mmに切断し、内径側に9mmの金属製シャフトを通して円筒研削盤を用いて外径より厚み1.5mmを研削することにより、スキン層が除去された内径8mm、肉厚1mm(外径10mm)の把持部用部材2を得た。
この把持部用部材2の表面に露出したセル構造の凹部5を測定したところ、その平均セル径は150μmで、セル構造の凹部5が表面に露出している部分の面積は把持部6の全体の面積の50%であった。
次に、金属製シャフトを抜き、長さ40mmに切断して装着芯材である筆記具1に装着して、そのグリップ感、疲労度、水滴を付着させたときのグリップの保持力を官能試験によって確認した。その結果は表1のとおりである。
[実施例5]
シリコーンゴムコンパウンドKE−151KU(商品名、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、架橋剤C−3(商品名、信越化学工業(株)製)3質量部、発泡剤KE−P−13(商品名、信越化学工業(株)製)4質量部を加え、二本ロールを用いて混練し、押出成形加工方法を用いて押出成形した後、175℃の温度で5分間加硫を行い、内径8mm、肉厚8.0mmの断面を有する管状の弾性エラストマー発泡体を得た。次いで、これをオーブンに入れ、200℃で10時間の後処理を実施した。
次に、後処理をした管状の弾性エラストマー発泡体を長さ300mmに切断し、内径側に9mmの金属製シャフトを通して円筒研削盤を用いて外径より厚み0.5mmを研削することにより、スキン層が除去された内径8mm、肉厚7mm(外径22mm)の把持部用部材2を得た。
この把持部用部材2の表面に露出したセル構造の凹部5を測定したところ、その平均セル径は10μmで、セル構造の凹部5が表面に露出している部分の面積は把持部6の全体の面積の50%であった。
次に、金属製シャフトを抜き、長さ40mmに切断して装着芯材である筆記具1に装着して、そのグリップ感、疲労度、水滴を付着させたときのグリップの保持力を官能試験によって確認した。その結果は表1のとおりである。
[比較例1]
比較例1は実施例1と同じく、シリコーンゴムコンパウンドKE−151KU(商品名、信越化学工業(株)製)100質量部に対し、架橋剤C−3(商品名、信越化学工業(株)製)4質量部、発泡剤KE−P−13(商品名、信越化学工業(株)製)3質量部を加え、二本ロールを用いて混練し、押出成形加工方法を用いて押出成形した後、175℃の温度で5分間加硫を行い、内径8mm、肉厚2mmの断面を有する管状の弾性エラストマー発泡体を得た。次いで、これをオーブンに入れ、200℃で10時間の後処理を実施した。
ただし、比較例1では実施例1と異なり、研削加工を行わず、スキン層を残したままの外径12mmの把持部用部材2を得た。
この把持部用部材2を長さ40mmに切断して装着芯材である筆記具1に装着して、そのグリップ感、疲労度、水滴を付着させたときのグリップの保持力を官能試験によって確認した。その結果は表1のとおりである。
[把持用部材の官能試験]
実施例1〜5及び比較例1について、以下に示した要領で筆記具用の把持用部材の官能試験を行い、グリップ感、疲労度、水滴を付着させたときのグリップ力を確認した。その結果は表1のとおりである。
筆記具用の把持部用部材の官能試験については、一般的な市販されているグリップのない本体がストレートであるシャープペンシルの把持部に実施例1〜5と比較例1のグリップを装着したグリップ付きシャープペンシルを成人男子5人、成人女子5人、計10人の試験者に実際の筆記作業をしてもらった。その結果、使用中のグリップ感、使用後の疲労度、使用中の水滴付着時のグリップ力について、10人の良否判定の結果を集計した。
グリップ感については、最初に握ったときの感触と筆記中の感触について、10人中10人が良好と判定したものを◎、10人中7〜9人が良好と判定したものを○、10人中4〜6人が良好と判定したものを△、10人中3人以下が良好と判定したものを×とした。
疲労度については、1000字の文章を書き写した直後の手や指の疲労度について、10人中10人が疲労を感じないと判定したものを◎、10人中7〜9人が疲労を感じないと判定したものを○、10人中4〜6人が疲労を感じないと判定したものを△、10人中3人以下が疲労を感じないと判定したものを×とした。
水滴付着時のグリップ力については、手を水中に10秒間浸漬させた後400字を書き写した直後の手や指の疲労度について、10人中10人が疲労を感じないと判定したものを◎、10人中7〜9人が疲労を感じないと判定したものを○、10人中4〜6人が疲労を感じないと判定したものを△、10人中3人以下が疲労を感じないと判定したものを×とした。
Figure 2007152617
この発明の実施の形態に係る把持部用部材を筆記具に適用した場合の例を示した斜視図である。 同発明の実施の形態に係る把持部用部材をバトミントンラケットに適用した場合の例を示した斜視図である。 同実施の形態に係る把持部用部材の外表面に周方向の縞模様を呈するようにセル構造の凹部を表出させている状態を示した拡大平面図である。 同実施の形態に係る把持部用部材の外表面に軸方向の縞模様を呈するようにセル構造の凹部を表出させている状態を示した拡大平面図である。 同実施の形態に係る把持部用部材の外表面に軸方向に沿った螺旋の縞模様を呈するようにセル構造の凹部を表出させている状態を示した拡大平面図である。 同実施の形態に係る把持部用部材の外表面に水玉模様を呈するようにセル構造の凹部を表出させている状態を示した拡大平面図である。 弾性エラストマー発泡体のセル構造を示した表面部分の拡大断面図である。
符号の説明
1 筆記具
2 把持部用部材
3 バトミントンラケット
4 柄
5 セル構造の凹部
6 把持部
7 セル壁

Claims (4)

  1. 筆記具用、スポーツ用品用、手工具用等のグリップや、乗り物用、工作機械用、建築物用等のハンドルや、電子機器、玩具、化粧用具等の把持部である、指又は手が直接接触することのある把持部を被覆するための弾性エラストマー発泡体からなる把持部用部材において、その表面の少なくとも一部に発泡セル構造の凹部が表出していることを特徴とする把持部用部材。
  2. 前記把持部用部材の全表面積に対して、前記セル構造の凹部が表面に露出している面積が20〜80%を占めていることを特徴とする請求項1に記載の把持部用部材。
  3. 前記発泡セル構造の凹部が把持部用部材の把持部全体に均等に分布していることを特徴とする請求項1又は2に記載の把持部用部材。
  4. 前記発泡セル構造の凹部の平均セル径が10〜300μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の把持部用部材。
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