JP2007150842A - 画像形成システム - Google Patents

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Taira Nishida
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Abstract

【課題】 圧縮符号化によりラスタイメージを限られたメモリに保持するために生じる非可逆圧縮に起因した画質劣化に対して、印字モードや使用メディアなどに応じたプリント出力可否判定を可能にして、ユーザの意図を反映した、高画質でユーザビリティに優れた画像形成システムを実現する。
【解決手段】 画像を形成する複数のメディア種あるいは動作モードに対応付けて圧縮時におけるラスタ画像情報の劣化状態を判別するための複数の閾値を設定する手段と、設定された前記複数の閾値から1つを選択する手段と、圧縮されたラスタ画像情報の画質劣化状態が、前記閾値を越えているか否かを判定する手段とを備える構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力された画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成システムに関わるものであり、より具体的には、入力画像情報に基づき生成されたラスタイメージを限られたメモリに保持する画像形成システムに関する。
近年、パーソナル・コンピュータ(PC)や複写装置等のOA機器が広く普及しており、これらの機器の画像形成(記録)装置の一種としてインクジェット方式によりディジタル画像記録を行う装置が急速に発展、普及している。特にOA機器の高機能化とともにカラー化が進んでおり、これに伴なって様々なカラー・インクジェット方式の画像形成システムが開発されてきている。
一般にインクジェット方式の画像形成システムは、記録手段(プリントヘッド)およびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御する制御手段とを具備する。そして複数の吐出口からインク液滴を吐出させるプリントヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直行する方向(主走査方向)にシリアル・スキャンさせ、一方で非記録時に記録幅に等しい量で間欠搬送するものである。さらには、カラー対応の画像形成システムの場合、複数色のプリントヘッドにより吐出されるインク液滴の重ねあわせによるカラー画像を形成する。
インクジェット方式の画像形成システムにおいてインクを吐出させる方法としては、(1)吐出口近傍に発熱素子(電気/熱エネルギー変換体)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、インクを吐出口から吐出させるサーマル方式と、(2)ピエゾ素子等の電気/圧力変換手段を用い、インクに機械的圧力を付与してインクを吐出するピエゾ方式、などが用いられている。一般に、前者のサーマル方式は、ノズルの高密度化が容易で、またヘッドを低コストで構成できる反面、発熱を利用するためにインクやヘッドの劣化を招きやすい。一方、後者のピエゾ方式は、吐出制御性に優れ、またインクの自由度が高く、ヘッド寿命が半永久的であるといった特徴がある。
この記録方法は、記録信号に応じてインクを微少な液滴として吐出口から記録媒体上に吐出することにより文字や図形などの記録を行うものであり、ノンインパクトであるため騒音が少ないこと、ランニング・コストが低いこと、装置が小型化しやすいこと、およびカラー化が容易であること、などの利点を有していることから、コンピュータやワードプロセッサ等と併用され、あるいは単独で使用される複写機、プリンタ、ファクシミリ等の記録装置において、画像形成(記録)手段として広く用いられている。
従来のインクジェット記録方法においては、インクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためにはインク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があったが、近年はインクの改良等によりプリンタや複写機等で大量に使用される普通紙への印字適性を持たせた方法も実用化されている。さらにはOHPシートや布、プラスチック・シート等の様々な記録媒体への対応が望まれており、こうした要求に応えるため、インクの吸収特性が異なる記録媒体(記録メディア)を必要に応じて選択した際に記録媒体の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が進められている。また記録媒体の大きさについても、宣伝広告用のポスタや衣類等の織布では大サイズのものが要求されてきている。このようなインクジェット方式の画像形成システムは、優れた記録手段として幅広い分野で需要が高まっており、より一層高品位な画像の提供が求められ、また更なる高速化への要求も一段と高まっていると言える。
一般に、カラー・インクジェット記録方法は、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の3色のカラー・インクにブラック(K)を加えた4色のインクを使用してカラー記録を実現する。このようなカラー・インクジェット記録においては、キャラクタのみ印字するモノクロ・インクジェット記録と異なり、カラー・イメージ画像を記録するにあたっては、発色性や階調性、一様性など、様々な要素が必要となる。
また、更に多階調として自然画像をより高品位に形成するため、従来のシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)の4色に加えて、インク濃度の低いライトC(LC),ライトM(LM),ライトY(LY)の3色を加えた7色インクを用いることにより、ハイライト部分の粒状感を軽減したものなどが多く実現されている。
このようなインクジェット方式の画像形成システムとしてページ単位のページ記述言語方式のカラー多値情報を含む情報を解析してページ単位でプリント出力する所謂ページプリンタがある。ページ記述言語(以下、PDL)とは、ページ上の描画データをオブジェクトと呼ばれる文字や図形やイメージといった描画要素に分割してオブジェクトコード化することで少ないデータ量でプリンタへ画像情報を転送するための言語情報である。ホストPCから画像形成すべき情報をPDLとして送信し、プリンタ側において受信したPDLデータを解釈し、ディスプレイリストと呼ばれる中間データを生成して保持し、この中間データにしたがいレンダリング(ラスタイメージへの変換)を行うことで各種情報から印字解像度に対応したイメージ情報を生成する。PDLにはPostScriptに代表される高度なグラフィックス機能に特徴を持つタイプと、LIPSやPCLに代表される高速に印字できる高速処理機能に特徴を持つタイプのものがある。
このような画像形成システムは画像形成コントローラと画像形成エンジンで構成される(図12)。画像形成コントローラ1201は、ホストPC等との間で画像情報や各種制御情報のやりとりをするためのインタフェースや、入力画像情報に基づく画像形成データの生成などを実現するものであり、画像形成エンジン1202は、記録紙の搬送やキャリッジの駆動を行うとともにプリントヘッドを制御して画像を形成するものである。
次に、画像形成コントローラにおけるデータフローについて詳細に説明する。
PDLデータの描画には大きく2つの方法がある。1つはコントーンレンダリングと呼ばれる方式であり、RGB多値データ(多くの場合は各色8bit)でレンダリング処理を実行するもので出力データ形式も同様にRGB多値データとなる。もう1つはハーフトーンレンダリングと呼ばれる方式であり、RGB多値データをエンジン所望のシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の3色のカラー・インクにブラック(K)を加えた色空間に変換したディスプレイリストを生成し、さらにレンダリング処理に先立ってハーフトーン処理を行うものである。ハーフトーンレンダリング方式の出力データ形式は階調変換されたKCMYデータとなる。ディスプレイリスト以前の段階でハーフトーン処理を行うことも可能である。
前者のコントーンレンダリング方式では、レンダリング処理後のラスタイメージに対してKCMY変換およびハーフトーン処理を実行するため、画像処理構成・フローの自由度が高いというメリットがある。一方、後者のハーフトーンレンダリング方式では、ディスプレイリスト生成あるいはレンダリング処理の中で色空間変換やハーフトーン処理を行うため、コントーンレンダリング方式と比較して小さなサイズで各種バッファを構成できるといったメリットがある。
以下、コントーンレンダリング方式での画像形成コントローラ内のデータ処理の流れを示す(図11)。
ホストPCより各種PDLデータを受信すると、CPUにおいてPDLデータの解析処理を行い(1101)、高速なレンダリング処理を行うための中間データ(ディスプレイリスト)に変換する(1102)。RAMに割り当てられたディスプレイリストバッファには通常1ページ分のディスプレイリストが格納される(1103)。続いて生成・格納されたディスプレイリストにしたがいRGB各色8bitのラスタイメージへの変換処理を実現する(1104)。1ページよりも小さなライン数であるバンド単位のディスプレイリストにしたがいバンドごとのラスタイメージ変換処理を行うものであり、ラスタイメージを構成する各オブジェクトの種類を認識してオブジェクト種を示す属性データを付加して出力する。レンダリング処理結果であるラスタイメージ及び属性ビットは描画バッファに一時格納(1105)された後にそれぞれ非可逆方式および可逆方式を用いて圧縮符号化処理(1106)されてページバッファに保持される(1107)。プリントに際してページバッファに保持されている圧縮データを読み出して復号化処理(1108)して画像処理バッファに一時格納する(1109)。そしてRGB多値データに対して属性データを参照しながら色変換及びハーフトーン処理を実行して出力解像度のKCMY形式の各色1bitデータを生成する(1110)。生成したドットデータはエンジンへ転送される。
ここで属性データとはオブジェクトの種類を示すもので、例えば、文字、細線、図形、中間調画像などのほかに有彩色と無彩色などを識別するよう構成する。後段の画像処理において画素単位に付与された属性ビットを参照しながら適切な色調整やハーフトーン処理を施すことにより最終的なプリント出力の高画質化を実現するものである。
上述のとおり生成されたラスタイメージと属性データをページ単位で限られたメモリに保持するために圧縮符号化が行われる。カラー画像ではレンダリングにより作成されるラスタイメージは非常に大きく、可逆な圧縮方式では常時高能率なデータ圧縮を行うことは困難であることから非可逆な圧縮方式(例えばJPEG)が採用される。JPEG方式ではDCT変換係数を量子化する際の量子化ステップを制御することにより符号量と画質をコントロールすることができる。実際の圧縮率調整においては、想定した符号量を越えてしまった場合に圧縮率(量子化パラメータ)を変更して再度圧縮符号化を行う方法や、あらかじめプリスキャンによる符号量見積もりを行って量子化パラメータを設定する方法などが用いられる。
画質劣化を最小限に抑えるために低圧縮(高画質)のパラメータから高圧縮(低画質)のパラメータへ順次試行して符号量が所定サイズに収まるよう制御する。これにより所定サイズに収まる最低限の圧縮率、すなわち最低限の画質劣化に抑えることができる。
しかしながら非可逆圧縮では圧縮率の増大にしたがい画質劣化が顕著になる。ラスタイメージの圧縮率はその内容に依存しており、同程度の画質劣化が生じるパラメータで圧縮しても圧縮率が非常に低くなってしまう場合がある。このようなラスタイメージを所定のサイズに収めるためには画質劣化の大きな圧縮を行わなければならず、圧縮画像品質は非常に悪いものになってしまう。多くの場合、このような画質劣化した画像を含むプリント出力はユーザの意図したものではない。
そこで、圧縮されたラスタイメージの画質劣化状態を判別する閾値を用意し、実際の劣化状態が閾値を越えているか否かを判別することにより、上述したような劣化の大きな圧縮画像を含むプリントを行うか否かをユーザが選択できるようにしたシステムが提案されている(たとえば特許文献1)。
特開2004-152141号公報
しかしながら上記従来の画像形成システムには次のような課題が存在する。
一般的なインクジェット方式の画像形成システムでは「はやいモード」や「きれいモード」といった印字モードの選択設定が可能になっており、プリント速度(時間)を優先するか、プリント品位を重視するか、に応じてユーザ自身が選択することができる。また、さまざまな種類のメディアに画像形成できることがインクジェット方式の画像形成システムの特徴であり、ユーザはプリントする画像の特性や用途にしたがい使用するメディアを選択している。
「きれいモード」では「はやいモード」よりも高い画像品位をユーザは期待・要求する。また、安価で入手が容易な普通紙などを使用する場合に比べて高価な専用メディアにプリントする際にも同様にユーザは相対的に高い画像品位を期待・要求する。画質要求を満たさないプリントを実行することはプリントに要する時間の浪費だけでなくメディアやインクなど消耗材を無駄に消費することとなる。
ここで、非可逆圧縮に起因した画質劣化に対するプリント可否判定に着目すると、印字モードに対しては、最高品位を要求して「きれいモード」を選択使用する場合にはわずかな画質劣化でもユーザは満足感を得られないし、試しプリントなどで「はやいモード」を選択使用する場合には比較的大きな画質劣化を許容してもプリントすることがユーザ利益につながる場合が多い。使用するメディアについても、高価な特殊・専用メディアでは最良の画品位を得られないかぎりユーザの満足は得られないし、手軽で安価な普通紙などでは画質劣化よりもプリントできないことこそがユーザの不利益となる場合もある。
このように、印字モードや使用メディアに応じてユーザの要求は大きく変化するにも関わらず、上記従来の画像形成システムにおいては、設定された印字モードや使用するメディアなどによらず固定的なプリント可否判定基準しか設けておらず、十分にユーザの意図を反映しているとは言い難かった。
本発明はこのような上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、ラスタイメージを所定サイズ以下に抑えるために生じる非可逆圧縮に起因した画質劣化に対して、印字モードや使用メディアなどに応じたプリント出力可否判定を実現して、ユーザの意図を反映した画像形成を可能とする、優れた画像形成システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る第一の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、入力画像情報に基づき生成されたラスタ画像情報を圧縮して限られた記憶装置に保持する画像形成システムであって、画像を形成する複数のメディア種に対応付けて圧縮時における前記ラスタ画像情報の劣化状態を判別するための複数の閾値を設定する画質劣化閾値設定手段と、画質劣化閾値設定手段に設定された前記複数の閾値から1つを選択する画質劣化閾値選択手段と、圧縮されたラスタ画像情報の画質劣化状態が、前記画質劣化閾値選択手段により選択された閾値を越えているか否かを判定する画質劣化判定手段と、を備えることを特徴とする。上記構成により、メディアごとの判別閾値による圧縮ラスタ画像情報の劣化判定が可能になる。
さらに本発明に係る第二の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第一の発明による画像形成システムにおいて、画像を形成する複数のメディア種に対応付けた複数の画質劣化基準情報を入力設定する画質劣化基準入力手段を備え、前記画質劣化閾値設定手段では、前記画質劣化基準入力手段より入力された前記複数の画質劣化基準情報に基づいて前記複数の閾値を設定するものである、ことを特徴とする。上記構成により、ユーザ設定などの外部入力にしたがい複数の判別閾値を設定することが可能になる。
さらに本発明に係る第三の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第一の発明による画像形成システムにおいて、前記画質劣化閾値設定手段では、高品位に画像形成が可能なメディア種に対して高画質な閾値を設定するものである、ことを特徴とする。上記構成により、高画質に画像形成可能なメディアに対して画質の高い判別閾値を与えることが可能になる。
さらに本発明に係る第四の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、入力画像情報に基づき生成されたラスタ画像情報を圧縮して限られた記憶装置に保持する画像形成システムであって、画像を形成する複数の動作モードに対応付けて圧縮時における前記ラスタ画像情報の劣化状態を判別するための複数の閾値を設定する画質劣化閾値設定手段と、画質劣化閾値設定手段に設定された前記複数の閾値から1つを選択する画質劣化閾値選択手段と、圧縮されたラスタ画像情報の画質劣化状態が、前記画質劣化閾値選択手段により選択された閾値を越えているか否かを判定する画質劣化判定手段と、を備えることを特徴とする。上記構成により、動作モードごとの判別閾値による圧縮ラスタ画像情報の劣化判定が可能になる。
さらに本発明に係る第五の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第四の発明による画像形成システムにおいて、画像を形成する複数の動作モードに対応付けた複数の画質劣化基準情報を入力設定する画質劣化基準入力手段を備え、前記画質劣化閾値設定手段では、前記画質劣化基準入力手段より入力された前記複数の画質劣化基準情報に基づいて前記複数の閾値を設定するものである、ことを特徴とする。上記構成により、上記構成により、ユーザ設定などの外部入力にしたがい複数の判別閾値を設定することが可能になる。
さらに本発明に係る第六の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第四の発明による画像形成システムにおいて、前記画質劣化閾値設定手段では、高品位に画像形成が可能な動作モードに対して高画質な閾値を設定するものである、ことを特徴とする。上記構成により、高画質に画像形成可能なメディアに対して画質の高い判別閾値を与えることが可能になる。
さらに本発明に係る第七の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第一又は第四の発明による画像形成システムにおいて、異なる圧縮率での符号化を可能にする複数の圧縮パラメータを選択的に用いて前記ラスタ画像情報を圧縮符号化する圧縮符号化手段を備え、前記画質劣化判定手段は、選択使用された前記圧縮パラメータから前記圧縮ラスタ画像情報の画質劣化状態を検知するものである、を備えることを特徴とする。上記構成により、圧縮符号化に使用したパラメータにより実際の圧縮ラスタ画像情報の劣化状態を検知することが可能になる。
さらに本発明に係る第八の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第一又は第四の発明による画像形成システムにおいて、前記画質劣化判定手段により圧縮されたラスタ画像情報が画質劣化状態であることを検知したことに応答して画像形成を行わないよう指示する画像形成中止指示手段、を備えることを特徴とする。上記構成により、閾値を越えた劣化を検知した場合に画像形成を行わないよう制御することが可能になる。
さらに本発明に係る第九の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第一から第八の何れかの発明による画像形成システムにおいて、熱エネルギーを用いてインクに状態変化を生起させることによりインク滴を吐出して各画素にドットを形成することにより画像を形成する方式を採用した画像形成エンジンを備える、ことを特徴とする。上記構成により、サーマル・インクジェット方式の画像形成システムに適用することが可能になる。
さらに本発明に係る第十の発明による画像形成システムは以下の構成からなる。
すなわち、第一から第八の何れかの発明による画像形成システムにおいて、圧力発生素子を作動させることによりインク滴を吐出して各画素にドットを形成することにより画像を形成する方式を採用した画像形成エンジンを備える、ことを特徴とする。上記構成により、ピエゾ・インクジェット方式の画像形成システムに適用することが可能になる。
本発明によれば、入力画像情報に基づき生成されたラスタ画像情報を圧縮して限られた記憶装置に保持する画像形成システムであって、画像を形成する複数のメディア種に対応付けて圧縮時における前記ラスタ画像情報の劣化状態を判別するための複数の閾値を設定する画質劣化閾値設定手段と、画質劣化閾値設定手段に設定された前記複数の閾値から1つを選択する画質劣化閾値選択手段と、圧縮されたラスタ画像情報の画質劣化状態が、前記画質劣化閾値選択手段により選択された閾値を越えているか否かを判定する画質劣化判定手段と、を備えることにより、使用可能なメディア種に対応付けた画質劣化判定閾値を設けて圧縮ラスタイメージの画質劣化を判定することが可能になる。これにより、普通紙など入手容易で安価なメディアにプリントする場合には比較的大きな画質劣化を許容してもプリント可とし、高価な特殊メディアにプリントする場合には視認される劣化なしに最良の画品位が得られないかぎりプリント否とするなど、大きな画質劣化が生じた画像を含むラスタイメージをプリントするか否かを使用メディアごとに設定・制御することが可能になり、高画質でユーザビリティに優れた画像形成システムを実現することができるといった優れた効果を発揮する。
また本発明によれば、入力画像情報に基づき生成されたラスタ画像情報を圧縮して限られた記憶装置に保持する画像形成システムであって、画像を形成する複数の動作モードに対応付けて圧縮時における前記ラスタ画像情報の劣化状態を判別するための複数の閾値を設定する画質劣化閾値設定手段と、画質劣化閾値設定手段に設定された前記複数の閾値から1つを選択する画質劣化閾値選択手段と、圧縮されたラスタ画像情報の画質劣化状態が、前記画質劣化閾値選択手段により選択された閾値を越えているか否かを判定する画質劣化判定手段と、を備えることにより、選択可能な印字モードに対応付けた画質劣化判定閾値を設けて圧縮ラスタイメージの画質劣化を判定することが可能になる。これにより、試しプリントなどで「はやいモード」を用いてプリントする場合には比較的大きな画質劣化を許容してもプリント可とし、画品位を重視して「きれいモード」を用いてプリントする場合には視認される劣化なしに最良の画品位が得られないかぎりプリント否とするなど、大きな画質劣化が生じた画像を含むラスタイメージをプリントするか否かを印字モードごとに設定・制御することが可能になり、高画質でユーザビリティに優れた画像形成システムを実現することができるといった優れた効果を発揮する。
本発明を実施するための最良の形態は、下記実施例の中で具体的な例を挙げて説明する。
(第一の実施例)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施例を詳細に説明する。
図6は本発明による画像形成システムにおけるインクジェット方式の記録部の構成を示したものである。
601はプリントヘッドであり、ブラック(K)・シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)の4色のカラー・インクがそれぞれ封入されたインク・タンクと、それぞれに対応した独立した4つのヘッドからなるマルチヘッドにより構成されている。各色のノズル数は1280ノズルである。602はプリントヘッド601を支持し、記録とともにこれらを移動させるキャリッジである。キャリッジ602は非記録状態などの待機時には図のホーム・ポジション位置HPにある。603は紙送りローラであり、補助ローラ(図外)とともに記録紙605を抑えながら回転し、記録紙605をY方向に随時送っていく。また604は給紙ローラであり、記録紙605の給紙を行うとともに、紙送りローラ603及び補助ローラと同様に記録紙605を抑える役割を果たす。ここで、プリントヘッド601は、K・C・M・Yの4色について、それぞれ紙送り方向に配置された1280個のノズルをそれぞれ有している。
上記構成における基本的な双方向記録動作について説明する。
待機時にホーム・ポジション位置HPにあるキャリッジ602は記録開始命令によりX方向に移動しながらプリントヘッド601の複数のノズルにより記録データに従い記録紙605上にインクを吐出し記録を行う。記録紙605端部まで記録データの記録が終了すると、紙送りローラ604が矢印方向へ回転することによりY方向へ所定幅だけ紙送りし、続いてキャリッジ602は−X方向に移動しながらインクを吐出して記録を行い、キャリッジは元のホームポジション位置HPに戻る。このようなスキャン動作と紙送り動作との繰り返しによりデータ記録を実現する。
なお、画像形成システムは、画像形成コントローラと画像形成エンジンで構成される(図12)。画像形成コントローラ1201は、ホストPC等との間で画像情報や各種制御情報のやりとりをするためのインタフェースや、入力画像情報に基づく画像形成データの生成などを実現するものであり、画像形成エンジン1202は、記録紙の搬送やキャリッジの駆動を行うとともにプリントヘッドを制御して画像を形成するものである。
本実施例における画像形成システムはインク色ごとに1280ノズルを副走査方向に配して主走査方向にK・C・M・Y順に4インク色分だけ配列している。プリントヘッドのノズル解像度は1200dpi、吐出インク滴量は4plである。往路走査と復路走査ともに画像形成を行ういわゆる双方向記録を実施するものであり、1パスで解像度1200dpi×1200dpiのドット形成を行う。
双方向記録におけるプリントヘッドの記録走査の様子を図7に示す。まず往路走査での1280ラインの画像形成の後に1280相当の紙搬送を行い、続いて復路走査での1280ラインの画像形成の後に1280ライン相当の紙搬送を行う。これを繰り返すことで双方向記録を実現する。
図5は画像形成コントローラの概略構成を示すブロック図である。
CPU501は通信インタフェース502を介してホストPC503に接続されており、制御プログラムを格納したROM505や更新可能な制御プログラムや処理プログラムや各種定数データなどを格納したEEPROM506、及びホストPC503から受信したコマンド信号や画像情報を格納するためのRAM504にアクセスし、これらのメモリに格納された情報に基づいて記録動作を制御する。RAM504は増設ポートを使用することでメモリ容量を拡張できるよう構成されている。操作パネル508のキーから入力される指示情報は操作パネルインタフェース507を介してCPU501に伝達され、またCPU501からの命令により同様に操作パネルインタフェース507を介して操作パネル508のLED点灯やLCD表示が制御される。拡張インタフェース509はHDDなどの拡張カード510を接続することにより機能拡張を行うためのインタフェースである。レンダリング部511はCPU501によって生成された中間データ(ディスプレイリスト)を解釈してラスタイメージ及び各画素に対応する属性ビットを作成する。非可逆圧縮部514はラスタイメージを非可逆方式で符号化するものであり、非可逆伸張部515は非可逆方式で圧縮符号化されたラスタイメージを復号化処理するものである。可逆圧縮部512は属性ビットを可逆方式で符号化するものであり、可逆伸張部513は可逆方式で圧縮符号化された属性ビットを復号化処理するものである。画像処理部516は属性ビットに基づいて文字や図形といったオブジェクト種類にしたがい最適な画像処理を施してエンジン仕様に適合した各インク色の画像形成データを生成出力する。画像形成データはエンジンインタフェース517を介して画像形成エンジン518へ送出される。
コントローラに着目したPDL処理及び画像処理について詳細に説明する。
図11はコントローラ内の基本的なデータの流れを示している。ホストPCから受信したPDLデータより解釈・生成された中間データであるディスプレイリストにしたがいラスタイメージへの変換処理を行い、さらにエンジンでの画像形成に適した形式のドットデータへ変換するものである。PDLデータとは描画内容が記述された画像データであり、文字や数字を表すフォントデータ、幾何学的な線画を表すベクタデータ、自然画像など各種のビットマップ画像データ、などに区分される。
ホストPCより各種PDLデータを受信すると、CPUにおいてPDLデータの解析処理を行い(1101)、高速なレンダリング処理を行うための中間データ(ディスプレイリスト)に変換する(1102)。RAMに割り当てられたディスプレイリストバッファには通常1ページ分のディスプレイリストが格納される(1103)。続いて生成・格納されたディスプレイリストにしたがいRGB各色8bitのラスタイメージへの変換処理を実現する(1104)。1ページよりも小さなライン数であるバンド単位のディスプレイリストにしたがいバンドごとのラスタイメージ変換処理を行うものであり、ラスタイメージを構成する各オブジェクトの種類を認識してオブジェクト種を示す属性データを付加して出力する。レンダリング処理結果であるラスタイメージ及び属性ビットは描画バッファに一時格納(1105)された後にそれぞれ非可逆方式および可逆方式を用いて圧縮符号化処理(1106)されてページバッファに保持される(1107)。プリントに際してページバッファに保持されている圧縮データを読み出して復号化処理(1108)して画像処理バッファに一時格納する(1109)。そしてRGB多値データに対して属性データを参照しながら色変換及びハーフトーン処理を実行して出力解像度のKCMY形式の各色1bitデータを生成する(1110)。生成したドットデータはエンジンへ転送される。
ここで、ラスタイメージはRGB形式の各色8bitデータであり非可逆圧縮方式としてJPEGを用いることができる。圧縮符号化処理では目標圧縮率が設定されており、必要に応じてパラメータ(量子化テーブル)を変更して圧縮処理を繰り返し実行する。本実施例では8段階の量子化テーブル(QTABLE#0〜#7)を備えており、最も高画質/低圧縮なパラメータ(QTABLE#0)から最も低画質/高圧縮なパラメータ(QTABLE#7)までを適宜選択して可能なかぎり高画質に圧縮符号化を行うことができる(図3)。
また属性ビットは画素あたり4bitで構成されており可逆圧縮方式としてPackbitsを用いることができる。可逆なPackbits方式では圧縮結果の容量は固定でありデータ量の調整ができないが属性種別を減らすことで属性ビットの圧縮情報量の削減を実現できる。特定の識別ビットを固定化してもよいし、削減した結果として取りえる値の数に応じてビット数を減らしてもよい。
本発明において特徴的な、ラスタイメージの非可逆圧縮に伴う画質劣化判定にしたがうプリント可否判定について詳細に説明する。
先に述べたとおり本実施例では8段階の量子化テーブル(QTABLE#0〜#7)を備えており、最も高画質/低圧縮なQTABLE#0から最も低画質/高圧縮なQTABLE#7までを適宜選択して圧縮符号化を行う。プリント可否判定基準はQTABLE#5〜#7の3段階に対応している(図4)。判定基準Aは最も高画質な判定基準であり、QTABLE#5を使用しても符号量が所定サイズを越えてしまう場合にプリントしないよう制御する。判定基準Bは次に高画質な判定基準であり、QTABLE#6を使用しても符号量が所定サイズを越えてしまう場合にプリントしないよう制御する。判定基準Cは最も画質劣化を許容した判定基準であり、QTABLE#7を使用しても符号量が所定サイズを越えてしまう場合にのみプリントしないよう制御する。
本実施例においては、使用可能なメディアとして4種類が設定されており、4種メディアそれぞれに対してユーザがあらかじめプリント可否判定基準を設定可能とし、実際に使用したメディアに対応した上記3とおりの判定基準を用いてプリントを実行するか否か決定するものである。
はじめにPDL処理を中心とした基本フローチャートにしたがって説明する(図2)。
PDLデータが受信されるとCPUはPDLを解釈(S201)してディスプレイリストを作成する(S202)。生成されたディスプレイリストにしたがいレンダリング処理を行い、ラスタイメージと属性ビットが生成される(S203)。生成されたラスタイメージと属性ビットを圧縮符号化してページバッファに格納する(S204)。ここで目標圧縮率Rを達成するまで再圧縮処理を実行することで圧縮ページデータが完成するが、完成前に圧縮エラーフラグに1がセットされて圧縮符号化処理を終了している場合には(S205)、強制終了処理してプリント実行しないよう制御する。圧縮エラーフラグが0であれば(S205)、さらに最適な画像処理(S206)を施して最終的な画像形成エンジンの所望の画像形成データを生成してプリントを実行する(S207)。
図1は本実施例における圧縮符号化(S204)における特にラスタイメージに着目した動作について説明するフローチャートである。
まず使用メディア種に対応して指定された劣化判定基準が設定され(S101)、また量子化パラメータとして初期パラメータであるQTABLE#0が設定(S102)される。レンダリングにより生成されたラスタイメージの圧縮符号化を行い(S103)、圧縮結果がページバッファに収まるか否か、すなわち、符号量が目標サイズに収まるか否かを検出又は予測する(S104)。目標符号量を越えてしまう場合には、劣化判定基準である閾値と比較照合し(S105)、閾値を越える画質劣化が発生する場合には圧縮エラーフラグに1をセット(S106)して圧縮符号化処理を終了する。閾値を越える画質劣化が生じていない場合には圧縮パラメータであるQTABLE番号を1だけインクリメント(S107)して再圧縮処理を繰り返す(S103)。目標符号量に収まる場合にはページ処理完了(S108)にしたがい圧縮符号化処理を終了する。
このように使用するメディア種に対応付けた画質劣化判定閾値を設けて、圧縮ラスタイメージの品位が閾値を越えた劣化を示す場合においてプリントしないよう制御することにより、普通紙など入手容易で安価なメディアにプリントする場合には比較的大きな画質劣化を許容してもプリント可とし、高価な特殊メディアにプリントする場合には視認される劣化なしに最良の画品位が得られないかぎりプリント否とするなど、ユーザの意図を反映したプリント出力可否判定を実現することができる。
以上詳細に説明したとおり、限られたメモリ資源にラスタイメージを圧縮保持する画像形成システムにおいて、非可逆圧縮に起因する圧縮ラスタイメージの画質劣化を評価して、メディアごとに設定された閾値を越えた画質劣化が生じている場合にはプリント処理を行わないよう制御する。これにより、大きな画質劣化が生じた画像を含むラスタイメージをプリントするか否かをユーザが使用メディアごとに設定・管理することが可能になり、ユーザビリティに優れた画像形成システムを提供することができる。
(第二の実施例)
上記第1の実施例においては、非可逆な圧縮方式を用いてラスタイメージを圧縮符号化して限られたメモリに保持する画像形成システムにおいて、使用可能な複数のメディア種に対応付けた複数の劣化基準閾値を設定して使用メディアに応じたプリント可否判定を行うものを例に挙げて説明した。第2の実施例においては、複数の選択可能な印字モードに対応付けた複数の劣化基準閾値を設定して使用する印字モードに応じたプリント可否判定を行うものについて説明する。
本実施例におけるインクジェット方式の記録部(図6)は第1の実施例と同様である。また画像形成システムの基本構成(図12)も第1の実施例と同様である。
本実施例における画像形成システムは「はやいモード」と「きれいモード」の2つの印字モードを有しており、これを選択的に用いて画像形成を行う。「はやいモード」はプリント速度(時間)を重視した印字モードであり、1パスで解像度1200dpi×1200dpiのドット形成を行う。「きれいモード」はプリント品位を重視した印字モードであり、4パスで解像度2400dpi×1200dpiのドット形成を行う。レンダリング解像度は共に600dpi×600dpiである。
画像形成コントローラの概略構成(図5)及び基本データ処理フロー(図11)についても第1の実施例と同様である。
本発明において特徴的な、ラスタイメージの非可逆圧縮に伴う画質劣化判定にしたがうプリント可否判定について詳細に説明する。
本実施例では9段階の量子化テーブル(QTABLE#0〜#8)を備えており、最も高画質/低圧縮なQTABLE#0から最も低画質/高圧縮なQTABLE#8までを適宜選択して圧縮符号化を行う(図9)。ここでQTABLE#8は最も画質劣化が顕著であるが、確実に目標符号量以下の圧縮を可能にするパラメータである。プリント可否判定基準はQTABLE#5、#6及び"未判定"の3段階に対応している(図10)。判定基準Aは最も高画質な判定基準であり、QTABLE#5を使用しても符号量が所定サイズを越えてしまう場合にプリントしないよう制御する。判定基準Bは次に高画質な判定基準であり、QTABLE#6を使用しても符号量が所定サイズを越えてしまう場合にプリントしないよう制御する。"未判定"とはプリント禁止判定を行わないことを意味するもので、QTABLE7やQTABLE#8を使用した場合の画質劣化も許容してプリントするよう制御する。
上述のとおり本実施例では、「はやいモード」と「きれいモード」の2つの印字モードが選択可能であり、2つの印字モードごとにユーザがあらかじめプリント可否判定基準を設定可能とし、実際に使用した印字モードに対応した上記3とおりの設定にしたがいプリントを実行するか否か決定するものである。
PDL処理を中心とした基本フローチャートについては第1の実施例(図2)と同様である。
図8は本実施例における圧縮符号化(S204)における特にラスタイメージに着目した動作について説明するフローチャートである。
まず選択されている印字モードに対応して指定された劣化判定基準が設定される(S801)。ここで劣化判定基準には劣化判定を行わないものも含まれる。また量子化パラメータとして初期パラメータであるQTABLE#0が設定(S802)される。レンダリングにより生成されたラスタイメージの圧縮符号化を行い(S803)、圧縮結果がページバッファに収まるか否か、すなわち、符号量が目標サイズに収まるか否かを検出又は予測する(S804)。目標符号量を越えてしまい、かつ劣化判定を行う場合には(S805)、劣化判定基準である閾値と比較照合し (S806)、閾値を越える画質劣化が生じていないときは圧縮パラメータであるQTABLE番号を1だけインクリメント(S807)して再圧縮処理を繰り返す(S803)。閾値を越える画質劣化が発生する場合には圧縮エラーフラグに1をセット(S808)して圧縮符号化処理を終了する。一方、目標符号量を越えているが(S804)、劣化判定を行わない場合には(S805)、圧縮パラメータであるQTABLE番号を1だけインクリメント(S807)して再圧縮処理を実行する(S803)。目標符号量に収まる場合にはページ処理完了(S809)にしたがい圧縮符号化処理を終了する。
このように使用する印字モードに対応付けた画質劣化判定閾値を設けて、圧縮ラスタイメージの品位が閾値を越えた劣化を示す場合においてプリントしないよう制御することにより、試しプリントなどで「はやいモード」を用いてプリントする場合には比較的大きな画質劣化を許容してもプリント可とし、画品位を重視して「きれいモード」を用いてプリントする場合には視認される劣化なしに最良の画品位が得られないかぎりプリント否とするなど、ユーザの意図を反映したプリント出力可否判定を実現することができる。
以上詳細に説明したとおり、限られたメモリ資源にラスタイメージを圧縮保持する画像形成システムにおいて、非可逆圧縮に起因する圧縮ラスタイメージの画質劣化を評価して、印字モードごとに設定された閾値を越えた画質劣化が生じている場合にはプリント処理を行わないよう制御する。これにより、大きな画質劣化が生じた画像を含むラスタイメージをプリントするか否かをユーザが印字モードごとに設定・管理することが可能になり、ユーザビリティに優れた画像形成システムを提供することができる。
(その他の実施例)
上記第1及び第2の実施例においては、使用した圧縮パラメータのみから非可逆圧縮に伴う劣化状態を判定する場合を例に挙げて説明したが本発明はこれに限定するものではない。元のラスタイメージと圧縮後のラスタイメージとを比較することで実際の画質劣化を評価するものであってもよいし、オブジェクト属性などに応じて劣化判定を補正することなども可能である。
上記第1の実施例においてはメディアごとの判定閾値、上記第2の実施例においては印字モードごとの判定閾値、をそれぞれ単独に設定可能とするものについて説明したが、これらを組み合わせて設定するよう構成することも可能である。また第2の実施例において印字モードは速度重視の「はやいモード」と画質重視の「きれいモード」の2種について選択可能とする例を挙げたが、文書・グラフィックス・写真画像、などの画像特性(用途)に基づくモードであってもよい。JPEGなどの非可逆圧縮は文字に対して劣化が顕著に視認されることから、文書が選択されている場合には相対的に高画質な劣化基準を設定するものである。
上記第1及び第2の実施例においては、K・C・M・Yの4色インクを用いたインクジェット方式のプリントエンジンを例に挙げて説明したが、プリントエンジンに搭載する色数や色種はこれに限定するものではない。Kを除く3色インクを用いたものであってもよいし、ライトシアン(LC)やライトマゼンタ(LM),ライトイエロー(LY),ライトブラック(LB)などの淡色やレッド(R),ブルー(B)など特別色を追加したものでもよい。また搭載するプリントヘッドは1組(各色1つ)に限定するものではなく、一部あるいは全てのインク色で複数のプリントヘッドを備えて高速プリントを実現するプリントエンジンなどにも適用できる。
また、本発明はプリントヘッドの動作原理や構成により制限されるものではない。すなわち、プリントヘッドは吐出口近傍に発熱素子(電気/熱エネルギー変換素子)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を起こさせてインクを吐出口から吐出させるサーマル方式であってもよいし、ピエゾ素子等の電気/圧力変換手段を用い、インクに機械的圧力を付与してインクを吐出させるピエゾ方式であってもよい。また、インクジェット方式の画像形成システムを例に挙げて説明したが、適用可能な画像形成システムはインクジェット方式に限定されるものではなく、他のシリアル走査方式や電子写真方式の画像形成システムに適用することも可能である。
また、上記実施例においては、ディスプレイリスト生成処理やレンダリング処理、画像形成データ生成処理などを全て画像形成システム内部で行う構成について説明したが、これらの一部あるいは全部を接続されるホストPC側のドライバやその他の外部装置で実現する構成であってもよいことは明らかである。
また、本発明に係る画像形成システムの形態は、コンピュータやワードプロセッサをはじめとする情報処理装置の画像出力装置として一体または別体に設けられるものに限らず、読取装置と組み合わせた複写装置や通信機能を有するファクシミリ装置などであってもよい。
本発明の第1の実施例における圧縮符号化動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施例における画像データ処理の基本フローチャートである。 本発明の第1の実施例における8種の量子化テーブルである。 本発明の第1の実施例におけるメディアごとの判定基準閾値テーブルである。 本発明の第1の実施例における画像形成コントローラの概略ブロック図である。 本発明の第1の実施例における記録部を示す概略図である。 本発明の第1の実施例における双方向記録走査の様子を説明する図である。 本発明の第2の実施例における圧縮符号化動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施例における9種の量子化テーブルである。 本発明の第2の実施例における印字モードごとの判定基準閾値テーブルである。 画像形成システムにおけるデータ処理の基本的な流れを説明する図である。 画像形成システムの構成を説明する図である。

Claims (10)

  1. 入力画像情報に基づき生成されたラスタ画像情報を圧縮して限られた記憶装置に保持する画像形成システムであって、
    画像を形成する複数のメディア種に対応付けて圧縮時における前記ラスタ画像情報の劣化状態を判別するための複数の閾値を設定する画質劣化閾値設定手段と、
    画質劣化閾値設定手段に設定された前記複数の閾値から1つを選択する画質劣化閾値選択手段と、
    圧縮されたラスタ画像情報の画質劣化状態が、前記画質劣化閾値選択手段により選択された閾値を越えているか否かを判定する画質劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
  2. 画像を形成する複数のメディア種に対応付けた複数の画質劣化基準情報を入力設定する画質劣化基準入力手段を備え、
    前記画質劣化閾値設定手段では、前記画質劣化基準入力手段より入力された前記複数の画質劣化基準情報に基づいて前記複数の閾値を設定するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記画質劣化閾値設定手段では、高品位に画像形成が可能なメディア種に対して高画質な閾値を設定するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
  4. 入力画像情報に基づき生成されたラスタ画像情報を圧縮して限られた記憶装置に保持する画像形成システムであって、
    画像を形成する複数の動作モードに対応付けて圧縮時における前記ラスタ画像情報の劣化状態を判別するための複数の閾値を設定する画質劣化閾値設定手段と、
    画質劣化閾値設定手段に設定された前記複数の閾値から1つを選択する画質劣化閾値選択手段と、
    圧縮されたラスタ画像情報の画質劣化状態が、前記画質劣化閾値選択手段により選択された閾値を越えているか否かを判定する画質劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
  5. 画像を形成する複数の動作モードに対応付けた複数の画質劣化基準情報を入力設定する画質劣化基準入力手段を備え、
    前記画質劣化閾値設定手段では、前記画質劣化基準入力手段より入力された前記複数の画質劣化基準情報に基づいて前記複数の閾値を設定するものである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
  6. 前記画質劣化閾値設定手段では、高品位に画像形成が可能な動作モードに対して高画質な閾値を設定するものである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
  7. 異なる圧縮率での符号化を可能にする複数の圧縮パラメータを選択的に用いて前記ラスタ画像情報を圧縮符号化する圧縮符号化手段を備え、
    前記画質劣化判定手段は、選択使用された前記圧縮パラメータから前記圧縮ラスタ画像情報の画質劣化状態を検知するものである、
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の画像形成システム。
  8. 前記画質劣化判定手段により圧縮されたラスタ画像情報が画質劣化状態であることを検知したことに応答して画像形成を行わないよう指示する画像形成中止指示手段、
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の画像形成システム。
  9. 熱エネルギーを用いてインクに状態変化を生起させることによりインク滴を吐出して各画素にドットを形成することにより画像を形成する方式を採用した画像形成エンジンを備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の画像形成システム。
  10. 圧力発生素子を作動させることによりインク滴を吐出して各画素にドットを形成することにより画像を形成する方式を採用した画像形成エンジンを備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の画像形成システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009056595A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP5828052B1 (ja) * 2015-02-26 2015-12-02 株式会社 ディー・エヌ・エー 画像圧縮装置、画像圧縮方法及び画像圧縮プログラム

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