JP2007150203A - ヒートシンク - Google Patents

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謙治 金田
Yuji Osada
裕司 長田
Mitsutoshi Maeda
光俊 前田
Hiroyuki Matsubara
弘幸 松原
Kazuo Hasegawa
和男 長谷川
Miyo Mochizuki
美代 望月
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Abstract

【課題】低コストで製造できるとともに、高い冷却性能を有するヒートシンクの提供を課題とする。
【解決手段】発熱体20が取り付けられるとともに、内部が空洞Sとされた筐体12と、筐体12内に配置され、筐体12内を流れる流体の流路28を形成するスペーサー30と、を備えたヒートシンク10であって、流路28を、発熱体20の長手方向に対し、ほぼ同一の断面形状とするとともに、筐体12の発熱体20が取り付けられている領域Gに対し、流体を衝突可能に構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、単位面積当たりの発熱量が大きい微小発熱体を冷却可能なヒートシンクに関する。
電気−光変換効率が40%〜50%である半導体レーザーバーの発光素子内部では、出力と同等の発熱が生じる。発光素子のサイズは、幅1.0mm〜2.0mm、長さ10mm程度であるため、単位面積当たりの発熱量(以下「発熱密度」という)は非常に大きく、発光素子の小型化の進展により、その発熱密度が増加する傾向にある。また、発光素子は、熱容量(体積)が小さいため、少ない発熱量でも、大きな温度上昇を伴うが、その温度上昇量が低ければ低いほど、損失は低減し、寿命も長くなる。したがって、半導体レーザーバーの発光素子等の発熱体の温度上昇量を低減できる高い冷却性能を有するヒートシンクが必要となっている。
ヒートシンクの除熱能力は、冷媒が流れる流路(冷却流路)の流路面積や、冷却流路を構成する壁面(流路壁面)の温度勾配に比例する。流路壁面の温度勾配は、冷却流路の流路幅を小さくするほど大きくなる。また、流路面積は、流路幅が小さな微細流路を集積化すれば増大する。したがって、微小発熱体の冷却に関する従来技術では、ヒートシンク内に、集積化した微細流路を形成し、その微細流路内に冷却水(冷媒)を流す方式のものが多い。
例えば、周面に多数の小孔を有する冷媒供給用のパイプが、ヒートシンク内に挿入され、冷媒としての冷却水が、その流路断面積の小さな小孔を通過することにより、微細な高速噴流として、被冷却部に吹き付けられる構成とされたものがある(例えば、特許文献1参照)。これによれば、流速が増加された冷却水が、被冷却部に衝突するので、高い冷却性能が得られる。しかしながら、このヒートシンクを構成するには、例えば直径0.5mmのパイプ周面に、直径0.3mmの円孔群を有する円形のパイプが必要となる。つまり、その製造工程は、化学エッチング、レーザー切断、ダイヤモンド研磨を施した鋼鉄シートの拡散接合からなるため、製造工程が複雑であり、製造コストが増加するという問題がある。
また、ヒートシンク内におけるパイプの設置位置が、設定位置から0.1mm以上ずれると、被冷却部に強い流れが衝突する領域が狭くなり、冷却性能の低下を招く。したがって、パイプの設置位置には、0.1mm以上の精度が必要となる問題があり、ヒートシンクの組み付けコストが増加する問題がある。更に、冷却水の流入部から流出部に至る流路において、流路幅が最も小さくなる領域では、冷却水の流れに大きな圧力損失が生じる。この圧力損失の大きさは、最小流路幅の2乗に反比例する。したがって、冷却水が小孔を通過するときに、大きな圧力損失が生じ、その結果、冷却水を流動させるための動力が増加するという問題がある。
一方、発光素子(発熱体)の直下で、かつ発光素子の長手方向と平行に形成された冷却部を有するヒートシンクが知られている(例えば、特許文献2参照)。このヒートシンクでは、導入路を流れてきた冷媒が、発光素子直下の側壁に衝突し、冷却部を介して排出路から排出される構成を採っており、衝突によって、発光素子と冷媒側との熱交換の促進を図っている。しかしながら、このような構成では、冷却水の温度は、冷却部の入口からの距離とともに上昇する。その結果、発光素子を均一に冷却することが困難となり、発光素子内部に温度分布が発生する。このような温度分布の発生は、熱応力発生の原因となり、発光素子の劣化に直結する。
また、冷媒は、発光素子が設置されているヒートシンクの上板ではなく、その直下の側壁に衝突するため、発光素子から発せられる熱は、上板を経由して側壁にて放熱される。その結果、発光素子から冷媒に至る放熱経路が長くなり、ヒートシンク中の熱伝導による熱抵抗が増加する。その結果、発熱部である上板と放熱部である側壁との温度差が増加し、側壁に衝突することによって得られる高い熱伝達率が、高い冷却性能に直結しないという問題がある。つまり、発光素子の温度上昇量の方が大きくなり、発光素子を低い温度に保つことが困難になる。更に、このヒートシンクでは、側壁に衝突させる前に、冷媒の流路を細くする微細流路が形成されているが、この微細流路を形成するには、複数のスリット板を挿入し、そのスリット板と上板とを接合する必要がある。つまり、ヒートシンクの製造コストが増加する問題もある。
他方、流入口から流入した冷媒が、発光素子の直下で、かつ発光素子の長手方向と平行に形成された冷却流路を通過して、流出口から流出し、更に流入口及び流出口と冷却流路との間に屈曲部が形成されるとともに、上流側屈曲部と発光素子との距離が、下流側屈曲部と発光素子との距離よりも短く設定されているヒートシンクが知られている(例えば、特許文献3参照)。このヒートシンクによれば、冷媒の流れは、上流側屈曲部を通過時に乱流状態になる。その結果、発光素子直下の冷媒の流れは、乱流状態が維持され、ヒートシンクと冷媒の熱交換が促進される。このように、発光素子からの除熱が、除熱能力の大きな乱流状態で行われるため、層流状態で除熱が行われるヒートシンクよりも除熱性能は高くなる。
しかしながら、発光素子直下の領域では、冷媒は、発光素子の長手方向と平行な方向に流れるため、発光素子から除熱した熱により、発光素子の長手方向の距離(流れ方向の距離)とともに、冷媒の温度が上昇する問題がある。そのため、発光素子の長手方向に、発光素子からの除熱流束(単位面積当たりの除熱量)が変化するという問題がある。更に、乱流状態を維持するには、平均流からエネルギー供給を受ける必要があり、そのエネルギー供給量は流路内流速分布の速度勾配に比例する。平均流からのエネルギー供給量が低下すると、乱れ運動エネルギー(以下「乱れ」という)は急速に減衰する。
発光素子直下の領域では、流路形状が直線状であるため、乱れ生成部である屈曲部よりも速度勾配が小さく、乱れを維持することが困難になる。つまり、発光素子直下の領域では、平均流から充分なエネルギー供給がなされないため、屈曲部で発生した乱れは、屈曲部からの距離とともに急速に減衰する(発光素子の長手方向の位置により、乱れの大きさが変化する)。その結果、乱れによる伝熱促進効果(熱交換の促進代)は、長手方向に均一ではなくなり、流れ方向の距離とともに低下するおそれがある。発光素子の均一な冷却が困難になり、発光素子内部に温度分布が発生すると、熱応力の発生を招き、寿命や信頼性低下の原因となる(発光素子の劣化要因となる)。
また、この場合も、冷媒の流れは、発光素子が設置されているヒートシンクの上板ではなく、その直下の側壁に衝突する。したがって、発光素子の発熱は、上板を経由して、側壁に熱伝導した後、冷媒側に放熱される。そのため、ヒートシンク内の放熱経路が長くなり、熱伝導による熱抵抗が増加する。これにより、冷却性能の向上代は、流路壁面への衝突による熱伝達率の向上代より小さくなる。更に、乱れを用いた伝熱促進では、ヒートシンクの壁面の温度が最も高くなる領域、即ち発光素子が接している上板近傍に乱れを供給することが重要である。ヒートシンクの側壁への流れの衝突により、側壁近傍へは乱れが供給されるが、上板近傍へは乱れが供給されない(乱れを輸送する手段を有していない)。したがって、乱れによる伝熱促進効果や、冷媒流れの衝突効果は小さくなる。
また、微細流路を形成した薄板を4枚以上積層することによって構成されるヒートシンクが知られている(例えば、特許文献4参照)。このヒートシンクでは、微細流路を集積化し、冷却流路の伝熱面積を拡大することにより、小さな温度差で多くの熱を冷却水側に放熱できるようにし、発光素子の温度上昇を低減させるようにしている。すなわち、伝熱面積の拡大効果を利用するため、微細流路を形成した薄板を積層した構造を採っている。しかしながら、微細流路を形成するには、薄板へのプレス加工やエッチング処理が必要となり、中間層には、薄板の両面に冷却流路を形成する必要がある。
薄板の役割は積層位置により異なっている。具体的には、冷却水流入出部となる薄板、発光素子の発熱を下部の薄板に拡散させる薄板、冷却水との熱交換を行う薄板などである。このため、薄板に形成する微細流路の流路形状は、積層方向に同一形状ではなく、位置により変える必要がある。よって、異なった形状の微細流路を形成した3種類、4枚以上の薄板が必要となり、部品点数や種類が増加して、ヒートシンクの加工コストが増加するという問題がある。また、半田接合や拡散接合することによってヒートシンクを形成するため、その製造工程が複雑となり、製造コストが増加する問題もある。更に、下位層の冷却流路において、発光素子の発熱を冷却水側に放熱させるためには、上位層の薄板を熱伝導させる必要がある。その結果、発光素子から冷却水までの放熱経路が長くなり、熱抵抗が増加する問題がある。多くの熱を放熱させるためには、より大きな温度差が必要となるため、発光素子の温度を低減させることが困難になる。
また、ヒートシンクを冷却用基板に取り付ける構造も知られている(例えば、特許文献5参照)。この場合、発光素子から熱拡散領域に拡散してきた熱を除熱する手段をヒートシンクは有していない。したがって、ヒートシンクと冷却用基板の間の接触熱抵抗の存在により、冷却能力が制限されてしまうという問題がある。また、大きな発熱密度を有する微小発熱体の冷却技術としては、シリコン基板や銅製シートに形成した微細流路内に冷却用流体(冷媒)を流すマイクロチャンネル方式がある。マイクロチャンネル方式では、微細な冷却流路を形成するための特殊加工が必要であり、ヒートシンクの加工コストが増加する問題がある。また、微細流路内に冷媒を流動させるためには、冷媒をマイクロチャンネル内に高圧で流入させる必要があり、冷媒流動用のポンプ動力が増加する問題もある。ポンプ動力の増加は、半導体レーザーバーを用いるシステム効率(総合効率)の低下に直結する。更に、微細流路内に高圧の冷媒を流動させるため、流路の耐久性が課題となる。
特開平8−139479号公報 特開2003−318343号公報 特開2004−193228号公報 特開2005−209874号公報 特開2002−314011号公報
そこで、本発明は、低コストで製造できるとともに、高い冷却性能を有するヒートシンクを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のヒートシンクは、発熱体が取り付けられるとともに、内部が空洞とされた筐体と、前記筐体内に配置され、該筐体内を流れる流体の流路を形成するスペーサーと、を備え、前記流路が、前記発熱体の長手方向に対し、ほぼ同一の断面形状とされるとともに、前記筐体の前記発熱体が取り付けられている領域に対し、前記流体を衝突可能に構成されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、筐体に形成した空洞にスペーサーを挿入するだけで、冷却流路を形成することができる。つまり、空洞とスペーサーの間に形成される微細な空隙部を冷却流路として用いるため、特殊な加工等は不要となる。したがって、製造コストを低減することができる。また、発熱体が取り付けられている領域に流体を衝突させるので、発熱体から流体までの放熱経路が短い。したがって、流体の衝突による高い熱伝達率が利用でき、発熱体の温度を効率よく低減させることができる。更に、発熱体の長手方向に対して、ほぼ同一断面形状を有する冷却流路が形成されるので、発熱体が取り付けられている領域では、発熱体の長手方向に対し、流体の流速や温度、乱れが均一となる。これにより、発熱体を均一に冷却することが可能となり、発光素子の劣化要因となる素子内部の温度分布の発生を防止することができる。
また、請求項2に記載のヒートシンクは、請求項1に記載のヒートシンクにおいて、前記発熱体よりも上流側の流路に、流路屈曲部を形成したことを特徴としている。そして、請求項3に記載のヒートシンクは、請求項2に記載のヒートシンクにおいて、前記流路屈曲部が、複数形成されていることを特徴としている。
請求項2及び請求項3に記載の発明によれば、発熱体よりも上流側に流路屈曲部が形成されているので、この流路屈曲部を流体が通過することにより、強い乱れを生じさせることができる。そして、この乱れが、発熱体が取り付けられている領域に供給されるので、冷却性能を向上させることができる。つまり、これにより、ヒートシンクと流体との熱交換を促進することができる。
また、請求項4に記載のヒートシンクは、請求項3に記載のヒートシンクにおいて、前記流路屈曲部のうち、最も上流側に形成された流路屈曲部が、上流側から下流側に向かって流路断面積が減少する流路縮小部と接続されていることを特徴としている。請求項4に記載の発明によれば、最も上流側に形成された流路屈曲部が流路縮小部と接続されているので、流路縮小部に続いて流路屈曲部を流体が通過することにより、更に強い乱れを生じさせることができる。そして、この乱れが、発熱体が取り付けられている領域に供給されるので、冷却性能を更に向上させることができる。つまり、これにより、ヒートシンクと流体との熱交換を更に促進することができる。
また、請求項5に記載のヒートシンクは、請求項4に記載のヒートシンクにおいて、前記領域から前記流路縮小部までの距離が、該流路縮小部によって生成された乱流が減衰しない距離とされていることを特徴としている。請求項5に記載の発明によれば、流体に生じた乱れが減衰しないので、高い冷却性能を維持することが可能となる。つまり、これにより、ヒートシンクと流体との熱交換を促進することができる。
また、請求項6に記載のヒートシンクは、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記発熱体よりも下流側の流路に、流路拡大部を形成したことを特徴としている。請求項6に記載の発明によれば、発熱体よりも下流側の流路に、流路拡大部を形成したので、圧力損失を低減することができる。発熱体より下流側の流路では、発熱体からの距離に比例して、冷却への寄与度は小さくなる。一方、圧力損失は冷却流路の流路長さに比例する。したがって、冷却に寄与しない発熱体の下流側では、流れ方向の距離とともに、冷却流路の流路面積を拡大させる。その結果、コストを増加させずに、圧力損失の低減、即ち流体流動用の動力を低減することができ、流路の耐久性も向上させることができる。
また、請求項7に記載のヒートシンクは、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記領域が、熱拡散領域と連設されていることを特徴としている。請求項7に記載の発明によれば、発熱体から発生した熱を熱拡散領域へ拡散させることにより、発熱体の温度を低減させることが可能となる。
また、請求項8に記載のヒートシンクは、請求項7に記載のヒートシンクにおいて、前記熱拡散領域が、少なくとも前記発熱体の上流側及び下流側に設けられていることを特徴としている。請求項8に記載の発明によれば、熱拡散領域が少なくとも2つ設けられているので、熱拡散領域における熱容量を確保することができる。したがって、発熱体の温度を更に低減することができる。
また、請求項9に記載のヒートシンクは、請求項7又は請求項8に記載のヒートシンクにおいて、前記熱拡散領域が、前記流路に接していることを特徴としている。請求項9に記載の発明によれば、熱拡散領域に伝熱した熱を流体側へ効率よく放熱することができる。したがって、ヒートシンクの冷却性能を向上させることができる。
また、請求項10に記載のヒートシンクは、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のヒートシンクにおいて、前記領域近傍の前記流路に、フィンを設けたことを特徴としている。請求項10に記載の発明によれば、フィンによる伝熱面積の拡大効果により、流体への放熱が促進される。
また、請求項11に記載のヒートシンクは、請求項10に記載のヒートシンクにおいて、前記フィンが、多孔質金属で形成されていることを特徴としている。請求項11に記載の発明によれば、多孔質金属は、非常に大きな伝熱面積を有するので、伝熱面積の拡大効果を促進することができる。
以上のように、本発明によれば、低コストで製造できるとともに、高い冷却性能を有するヒートシンクを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例(第1実施例〜第12実施例)を基に詳細に説明する。なお、冷却対象(被冷却体)である微小発熱体の例として、半導体レーザーバーの発光素子を採り上げるが、冷却対象は発光素子に限定されない。また、冷却用流体(冷媒)の例として、冷却水を採り上げるが、冷却効果を奏するものであればよく、水に限定されない。
[第1実施例]
まず最初に、第1実施例について説明する。図1には半導体レーザーバー20(発光素子)と、その冷却系であるヒートシンク10の斜視図が示されている。なお、第1実施例〜第7実施例(図1〜図20)で説明するヒートシンク10は、集光系が分離している場合に適用する冷却系であり、発熱密度が大きな半導体機器や電子機器等の冷却にも適用可能になっている。また、図1において、半導体レーザーバー20の長手方向をヒートシンク10の左右方向とし、矢印A方向を右方向とする。そして、この矢印A方向と直交する矢印B方向、矢印C方向を、それぞれ前方向、上方向とする。したがって、第1実施例〜第7実施例においては、上記矢印に対応して左右、前後、上下の表現をする。また、図2はヒートシンク10の背面図であり、図3はヒートシンク10の内部構成を示す図2のI−I線矢視断面図である。
図1〜図3で示すように、ヒートシンク10は、内部が空洞とされたヒートシンク本体としての銅製筐体12と、その筐体12の内部(以下「空洞部S」という場合がある)に配置され、筐体12内(空洞部S)を流れる冷却水の冷却流路28を形成するスペーサー30と、筐体12の蓋体14とで構成されている。そして、図3で示すように、筐体12の内部(空洞部S)やスペーサー30の断面形状は、半導体レーザーバー20の長手方向(左右方向)に対し、ほぼ同一形状とされている。
半導体レーザーバー20は、筐体12の上板12C上に設置されている。すなわち、半導体レーザーバー20は、筐体12の上板12Cの外壁面とサブマウント22の一端との間に取り付けられ、サブマウント22の他端は、絶縁板24を介して筐体12の上板12Cに接続されている。そして、半導体レーザーバー20は、サブマウント22を通して、図示しない電極に接続されており、半導体レーザーバー20から出射されたレーザービームLは、図示しない集光レンズや光集束器などからなる集光系によって集光されるようになっている。
図4にはスペーサー30が示されている。すなわち、図4(A)はスペーサー30の側断面図であり、図4(B)はスペーサー30の平面図である。図4で示すように、スペーサー30は、筐体12の左右の側板12Aの内壁面と略同じ寸法(断面形状)とされた一対の側板32と、その側板32の間に架設(連設)された流路形成部34とを有している。この一対の側板32が、スペーサー30を筐体12内(空洞部S)に挿設したときに、その筐体12の前板12Bの内壁面に当接することにより、筐体12に対するスペーサー30の位置決めができるようになっている。そして、スペーサー30は、蓋体14を筐体12に装着することによって固定されるようになっている。
また、流路形成部34の下側の空間が冷却水の流入口側とされ、上側の空間が冷却水の流出口側とされており、図2で示すように、蓋体14には、筐体12に装着したときに(スペーサー30を固定したときに)、流路形成部34の下側の空間に対応する位置と、上側の空間に対応する位置に、それぞれ流入口16、流出口18となる開口が左右方向に長い長方形状に穿設されている。また、図3で示すように、流路形成部34の断面形状と筐体12(空洞部S)の断面形状により、冷却水の冷却流路28が規定されるようになっている。
すなわち、一対の側板32の内壁面と、流路形成部34の表面と、空洞部S(上板12Cの内壁面、前板12Bの内壁面、下板12Dの内壁面)との間の空隙が冷却流路28になっている。そして、流路形成部34の前端面は鉛直流路形成面36とされ、上端面は水平流路形成面38とされている。つまり、筐体12内(空洞部S)において、前板12Bの内壁面と鉛直流路形成面36とで鉛直流路28Aの流路形状が規定され、前板12Bの内壁面と鉛直流路形成面36との距離が鉛直流路28Aの流路幅T1(図4(A)参照)とされている。同様に、上板12Cの内壁面と水平流路形成面38とで水平流路28Bの流路形状が規定され、上板12Cの内壁面と水平流路形成面38との距離が水平流路28Bの流路幅T2(図4(A)参照)とされている。
このようにして、半導体レーザーバー20の長手方向に対し、ほぼ同一の断面形状を有する冷却流路28が形成されるので、半導体レーザーバー20を均一に冷却でき、その温度を均一にすることが可能となる。なお、ここでは、鉛直流路28Aの流路幅T1と水平流路28Bの流路幅T2は同一(T1=T2)としているが、これに限定されない。また、スペーサー30の前下部には、流れの剥離(淀み)域が発生することによる圧力損失を低減するため、面取り部40が形成されている。
また、図2で示すように、流入口16及び流出口18の左右方向の長さ(横幅)W1は、半導体レーザーバー20の長手方向の長さ(横幅)W2よりも長くされている。更に、流路形成部34の左右方向の長さ(横幅)T3(図4(B)参照)は、流入口16及び流出口18の左右方向の長さ(横幅)W1と同一(T3=W1)とされ、冷却流路28の左右方向の長さ(横幅)と等しくされている。そして、スペーサー30の側板32を含む左右方向の長さ(横幅)T4(図4(B)参照)は、筐体12内(空洞部S)の左右方向の長さ(横幅)W3より僅かに小さくされている。つまり、筐体12内(空洞部S)の左右方向の長さ(横幅)W3は、スペーサー30が摺接しつつ挿入可能な程度な長さに形成されている。
なお、ヒートシンク10の空洞部Sとスペーサー30の間に形成される空隙を冷却流路28とすることから、空洞部Sやスペーサー30の断面形状を変化させることにより、多様な形状を有する冷却流路28を構成することが可能である。例えば、スペーサー30の鉛直流路形成面36や水平流路形成面38に傾斜面を形成することにより、冷却流路28に流路縮小部や流路拡大部を設けることができる。このように、冷却流路28の流路形状は自由度が大きく、流路縮小部については第2実施例〜第4実施例等で、流路拡大部については第5実施例で、それぞれ説明する。
また、このヒートシンク10においては、図5で示すように、スペーサー30と蓋体14を一体に形成してもよい。この場合は、一対の側板32は不要となる。つまり、蓋体14の周縁部14Aが筐体12の開口縁部13に当接することにより、筐体12に対するスペーサー30の位置決めができる。何れにしても、スペーサー30によって、冷却水の流路、即ち半導体レーザーバー20の長手方向に対し、ほぼ同一の断面形状となる冷却流路28が規定される構成である。
以上のようなヒートシンク10において、次にその作用について、冷却水の流れ方向を逆にした場合と比較して説明する。図6の矢印Fで示すように、冷却水は、通常蓋体14の下部に形成された流入口16から流入し、空洞部Sと流路形成部34によって規定された冷却流路28を通って、蓋体14の上部に形成された流出口18から排出される。冷却流路28は、半導体レーザーバー20の近傍では鉛直流路28Aと水平流路28Bが交差している。流入口16から流入した冷却水は、下部の水平流路28Cを経由して、鉛直流路28Aに入り、上昇する。そして、図7(A)で示すように、被冷却部である半導体レーザーバー20(発光素子)直下の上板12Cの内壁面(領域G)に衝突する。衝突後は、水平流路28Bを経由して流出口18から排出される。
このように、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに冷却水の流れを衝突させるために、冷却水をヒートシンク10の下部から流入させている(以下「順方向流れ」という)。つまり、順方向流れの場合は、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)に冷却水流れを衝突させることができるので、半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱が効率的に除熱される。
一方、図6の矢印Rで示すように、蓋体14の上部に形成された流出口18(この場合は流入口となる)から冷却水を流入させる場合(以下「逆方向流れ」という)、図7(B)で示すように、冷却水の流れは、筐体12の前板12Bの内壁面に衝突する。すなわち、半導体レーザーバー20で生じた熱は、ヒートシンク10(筐体12)中を熱伝導により移動し、冷却流路28を構成する前板12Bの内壁面上で、冷却水側へ放熱される。
ヒートシンク10の冷却性能を示す指標に熱抵抗値がある。熱抵抗値とは、被冷却部(領域G)と冷却水の温度差と、被冷却部(領域G)における発熱量の比であり、値(比)が小さなヒートシンク10ほど、冷却性能が高いことを示す。この過程においては、発熱部から放熱部まで、ヒートシンク10(筐体12)中を熱伝導により熱が移動する際に生じる熱抵抗(熱伝導による熱抵抗)と、冷却水の流れとヒートシンク10(筐体12)の熱交換により生じる熱抵抗(熱伝達による熱抵抗)に分離できる。熱伝導による熱抵抗は、ヒートシンク10の熱伝導率に反比例し、半導体レーザーバー20から冷却水側への放熱部までの放熱経路の長さに比例する。
順方向流れの場合、逆方向流れより放熱経路が短くなる。そこで、冷却水の流れ方向(矢印F方向及び矢印R方向)が半導体レーザーバー20の温度に及ぼす影響を、熱流れの数値シミュレーションにより検討した結果を図8に示す。つまり、ヒートシンク10や半導体レーザーバー20の筐体12内熱伝導計算と、冷媒側の熱流れ計算の連成計算を実施した。半導体レーザーバー20の内部の材料組成は考慮せず、単一の材質として扱った。冷媒として水を用い、その流量を2リットル/minとした。なお、ここに示した計算条件は、第2実施例以降の検討結果においても同一である。評価項目は、冷媒(冷却水)側の圧力損失と、半導体レーザーバー20の発光素子の温度上昇量である。
図8で示すように、順方向流れ(矢印F方向)の場合は、逆方向流れ(矢印R方向)の場合よりも、半導体レーザーバー20(発光素子)の温度上昇量を21%低減させることが可能となる。放熱経路(図7において点線の矢印で示す)を比較すると、順方向流れの経路は、逆方向流れの経路より短い。したがって、熱伝導による熱抵抗が小さくなる。よって、順方向に冷却水を流した場合の方が、より低い温度まで半導体レーザーバー20(発光素子)を冷却することが可能となる。逆方向流れの場合は、半導体レーザーバー20(発光素子)が設置されたヒートシンク10(筐体12)の上板12Cの内壁面(領域G)ではなく、冷却流路28を構成する前板12Bの内壁面に冷却水流れが衝突する。したがって、冷却水流れが衝突する前板12B内壁面の所定の領域では、高い熱伝達率が得られ、熱伝達による熱抵抗を低減できる。
しかしながら、この逆方向流れの場合は、半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱が冷却水側へ放熱される放熱部が主に前板12Bとなり、半導体レーザーバー20(発光素子)で発生した熱を冷却水側に放熱するためには、上板12Cを経由する必要がある。このため、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gを放熱部とした場合よりも、放熱経路が長くなる。そして、これにより、ヒートシンク10の熱伝導による熱抵抗が増加し、冷却水側の熱伝達率向上代が半導体レーザーバー20(発光素子)の温度低減に直結しない結果となる。逆方向流れの場合は、放熱経路の熱抵抗を減少させることができれば、熱伝導による熱抵抗が低減されるので、半導体レーザーバー20(発光素子)の温度上昇量の低減が可能となる。
以上、説明したように、この第1実施例では、順方向流れとすることにより、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに冷却水流れを衝突させることができるので、逆方向流れよりも半導体レーザーバー20(発光素子)を低い温度に保つことが可能となる。すなわち、ヒートシンク10の熱抵抗が小さく、高い冷却性能を有するヒートシンク10を実現することができる。
[第2実施例]
次に、第2実施例について説明する。なお、第2実施例〜第7実施例において、第1実施例と同等のものについては同じ符号を付して、適宜その説明を省略する。この第2実施例では、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに対して、第1実施例よりも強い乱れを有する冷却水流れ(乱流)を供給できる構成になっている。これによれば、ヒートシンク10(筐体12)と冷却水との熱交換が促進される効果を奏し、半導体レーザーバー20(発光素子)の温度上昇量を更に低減させることができる。
図9に第2実施例の構成を示す。強い乱れを有する冷却水流れ(乱流)を半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに供給するための方法としては、冷却流路28に2箇所の流路屈曲部42、44を設ける。すなわち、スペーサー30の前下部の面取り部40の面取りサイズを大きくして、鉛直流路形成面36の鉛直方向の長さ(流路高さH1)を短くし、鉛直流路形成面36の上流側に第1流路屈曲部42を形成するとともに、下流側に第2流路屈曲部44を形成する。そして、第1流路屈曲部42の上流側に、面取り部40によって徐々に流路断面積が減少される流路縮小部46を形成する。
第1流路屈曲部42よりも上流側では、冷却水流れの速度勾配は小さい。乱流の生成量は、冷却水流れ(流速分布)の速度勾配と乱れの積に比例する。したがって、流路縮小部46よりも上流側の冷却流路28では、乱れが非常に小さい流れとなる。第1流路屈曲部42では、流路縮小部46での流路断面積の減少による流れの加速効果と、冷却流路28の屈曲化による流れの方向の変化により、冷却水の流速分布に大きな速度勾配が生じる。この速度勾配により、冷却水流れの中に乱れを発生させることができる。但し、第1流路屈曲部42で生じた乱れのみでは、大きな冷却性能の向上代を得ることができない。そこで、第1流路屈曲部42で生じた乱れを有する流れを、第2流路屈曲部44を通過させる。
半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)の上流側に位置する第2流路屈曲部44では、第1流路屈曲部42で発生した乱れと、第2流路屈曲部44で生じる速度勾配により、より一層強い乱流が生成される。第2流路屈曲部44の通過時に、冷却水流れは遠心力を受ける。したがって、半導体レーザーバー20の発光素子の発熱により、ヒートシンク10の温度が上昇する領域G(被冷却部)の壁面付近に、第2流路屈曲部44で生じた大きな乱れ(乱流)を供給することが可能となる。領域Gの壁面付近における乱流は、冷却水とヒートシンク10の間の熱交換を促進するため、ヒートシンク10の冷却性能を更に向上させることが可能となる。
ここで、第2実施例の効果、即ち熱流れの数値シミュレーションにより検討した結果を図10で示す。横軸は、鉛直流路形成面36の流路高さH1を、鉛直流路形成面36と前板12Bの内壁面と間の距離、即ち流路幅T1で除算して無次元化した値(流路比)である。鉛直流路形成面36の流路高さH1は、2つの流路屈曲部42、44間の鉛直方向の距離でもある。乱れが減衰しないためには、平均流から乱れにエネルギーが供給される(輸送される)必要がある。このエネルギー供給量(輸送量)は、冷却水の流速分布の速度勾配に比例する。鉛直流路28Aで生じる速度勾配は、第1流路屈曲部42及び第2流路屈曲部44よりも小さい。したがって、鉛直流路形成面36の流路高さH1が高いと、第1流路屈曲部42で生成された乱れは、第2流路屈曲部44に到達する前に、鉛直流路28A内で減衰してしまう。
鉛直流路28Aの流路高さH1を低くすればするほど、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに供給される乱れは大きくなる。その結果、半導体レーザーバー20の発光素子の温度上昇量は低下する。更に、鉛直流路形成面36の流路高さH1を低くすればするほど、鉛直流路28A内で生じる圧力損失を低減することが可能となる。圧力損失が低減すると、冷却水流動用の動力低減が可能となる。つまり、この第2実施例では、流路高さH1/流路幅T1で求められる流路比が小さければ小さいほど、冷却性能は向上することが判り、それによって、冷却水流動用の動力を低減させつつ、半導体レーザーバー20(発光素子)の温度を低減することが可能となる。なお、流路高さH1と流路幅T1とから求められる流路比の範囲としては、9.0以下が推奨範囲となる。
[第3実施例]
図11に第3実施例を示す。第3実施例は第2実施例の変形例であり、第2実施例と同様に乱流とされた冷却水流れを領域Gに衝突させることができる。この第3実施例では、スペーサー30の前下部に面取り部40を設けず、スペーサー30の前上部に前板12Bの内壁面に向かって突出する断面視略台形状の突出部50を形成する。この突出部50により、第1流路屈曲部42及び第2流路屈曲部44が形成され、かつ第1流路屈曲部42の上流側に流路縮小部46が形成される。
ここで、この突出部50の下部に形成された傾斜壁面50Aの傾斜角αが冷却性能に及ぼす影響を、熱流れの数値シミュレーションにより検討した結果を図12で示す。図11(B)で示す傾斜角αが小さいと、流路縮小部46での流路断面積の減少による流れの加速効果が小さくなるため、生成される乱流が弱くなる。傾斜角αが大きいと、第1流路屈曲部42で流れの剥離(淀み)域が生じ、圧力損失が増加する。傾斜角αの範囲としては、α=30度〜75度が推奨範囲となる。
[第4実施例]
図13に第4実施例を示す。第4実施例では、第2実施例のものにおいて、筐体12の前板12Bの肉厚が内方側に向かって厚く形成されている。すなわち、前板12Bの内壁面に肉厚増加部52が形成されている。なお、肉厚増加部52の上部で、面取り部40と共に冷却流路28を構成する傾斜壁面52Aは、スペーサー30の面取り部40と断面視で平行になるような角度で形成されており、スペーサー30(面取り部40)と肉厚増加部52(傾斜壁面52A)とで、第3流路屈曲部48が形成されている。その結果、第2実施例及び第3実施例よりも更に強い乱れを半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)に供給することが可能となる。また、肉厚増加部52によりヒートシンク10(筐体12)の前板12Bの厚みが増加している。したがって、前板12Bの熱容量が増大し、前板12Bを経由して鉛直流路28Aの上流側で冷却水側に放熱される熱量を増加させることができる。
ここで、肉厚増加部52の効果が冷却性能に及ぼす影響を、熱流れの数値シミュレーションにより検討した結果を図14で示す。横軸は、肉厚増加部52を含んだ前板12B下部の肉厚D2と、肉厚増加部52が形成されていない前板12B上部の肉厚D1の比(肉厚比)である。半導体レーザーバー20(発光素子)の温度上昇量は、肉厚比(D2/D1)が、D2/D1=1.8において最小となり、圧力損失は、肉厚比(D2/D1)が、D2/D1=2.0〜3.0において最小となっている。
更に、肉厚比(D2/D1)と流れパターンの関係を図15で示す。この図15で示すように、前板12Bの内壁面近傍には、低流速域Mが生じる。低流速域Mが拡大すると、冷却流路28の有効断面積が減少するため、圧力損失が増加する。低流速域Mの大きさが縮小すると、冷却流路28の有効断面積が増加するため、圧力損失が低減される。したがって、図14で示した圧力損失の結果から、低流速域Mの大きさは、D2/D1=2.0〜3.0で最小となる。そして、D2/D1≦2.0となる場合(図15(A)参照)では、D2/D1の値が小さいほど、低流速域Mは拡大し(流速が低下し)、D2/D1≧3.0となる場合(図15(B)参照)では、D2/D1の値が大きいほど、低流速域Mは拡大している(流速が低下している)。
冷却流路28において圧力損失が低減されると、前板12Bの内壁面近傍の流速が増加し、第1流路屈曲部42と第2流路屈曲部44の間で、前板12Bの内壁面から冷却水側へ放熱される熱量が増加する。その結果、半導体レーザーバー20の発光素子の温度上昇量を減少させることができる。また、第3流路屈曲部48と第1流路屈曲部42の距離が短いほど(D2/D1の値が小さいほど)、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)へ供給される乱れは強くなる。その結果、半導体レーザーバー20の発光素子の温度上昇量を減少させることができる。したがって、肉厚比(D2/D1)は、1.3≦D2/D1≦3.5の範囲が推奨範囲となる。
このように、第2実施例〜第4実施例によれば、冷却水流れに大きな乱れを発生させることができるので、ヒートシンク10の冷却性能を向上させることができる。すなわち、乱れは冷却流路28内の熱流れの混合を促進することができる。したがって、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)に、強い乱れとされた冷却水を供給することにより、その領域Gにおいて、筐体12と冷却水の熱交換を促進することが可能となる。
ところで、一般に、レイノルズ数が大きな流れほど、乱れは生じやすい。レイノルズ数とは、冷却流路内の断面平均流速と、流路幅から求まる無次元数である。レイノルズ数を大きくするには、流路幅を大きくするか、平均流速を大きくする必要がある。流路幅を大きくすると、内壁面の温度勾配が小さくなるため、ヒートシンク10の冷却性能向上の観点からは好ましくない。平均流速を増加させるためには、冷却水の流量を増加させる必要があり、冷却水を流動させるために必要な動力が増加する。その結果、より大型の冷却水流動用の動力(ポンプ)が必要となり、半導体レーザーバー20(発光素子)を用いる機器全体のコストが増加する。また、冷却水流動用の動力増加は、冷却に必要な動力を考慮した半導体レーザーバー20を用いるシステム効率(総合効率)の低下に直結する。
この第2実施例〜第4実施例においては、被冷却部である領域Gよりも上流側の冷却流路28に、少なくとも2箇所(複数)の流路屈曲部42、44を設けるとともに、第1流路屈曲部42の上流側に流路縮小部46を設けることにより、冷却水流量を増加させることなく、大きな乱れを発生させている。そして、この乱れを領域G(被冷却部)に衝突させている。したがって、冷却水流動用の動力増加を生じさせることなく(総合効率を低下させることなく)、ヒートシンク10の冷却性能を向上させることができる。また、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)に冷却水流れを衝突させているので、半導体レーザーバー20(発光素子)から冷却水までの放熱経路が短い。したがって、冷却水流れの衝突による高い熱伝達率が利用でき、半導体レーザーバー20(発光素子)の温度を効率よく低減させることが可能となる。
[第5実施例]
図16に第5実施例を示す。この第5実施例では、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)から流出口18に向けて、水平流路28Bの流路面積を拡大させる流路拡大部54が設けられている。すなわち、被冷却部である領域Gよりも下流側におけるスペーサー30の上面に、下流側に向かって下降する傾斜面37が形成され、空洞部Sとスペーサー30上面(傾斜面37)との間に形成される空隙の間隔が、領域G(被冷却部)から下流側に向かう距離とともに増加されている。この流路拡大部54によれば、領域G(被冷却部)よりも下流側において、冷却流路28の流路面積が、水平流路28Bよりも広がるので、冷却流路28内に生じる圧力損失を減少させることができる。
ここで、流路拡大部54の効果が冷却性能に及ぼす影響を、熱流れの数値シミュレーションにより検討した効果を図17で示す。横軸は、傾斜面37の傾斜角βを示す。ここでは、流路拡大部54の流路高さ(流路幅)H2を固定し、傾斜面37よりも上流側の水平流路28Bの流路長さH3と、傾斜面37の流路長さ(傾斜面37の水平方向の長さ)H4の和を一定とした。すなわち、水平流路28Bの流路長さH3を短くすると、傾斜面37の流路長さH4は長くなり、傾斜面37の傾斜角βは小さくなる。
この第5実施例では、流路幅T2が狭くて、大きな圧力損失が生じていた水平流路28Bの流路長さH3が短くなるため、圧力損失は低減する。一方、傾斜角βが、β=35度より小さくなると、流れの剥離(淀み)域Nが縮小し、流れの剥離(淀み)域Nに起因する圧力損失が減少するため、冷却流路28内で生じる圧力損失を15%以上減少させることが可能となる。したがって、傾斜角βの値としては、β=27度〜45度の範囲が推奨範囲となる。
何れにしても、筐体12内にスペーサー30を挿設することによって冷却流路28が形成される構成であるため、冷却流路28の流路形状の自由度が大きい。したがって、スペーサー30上面に傾斜面37を形成し、被冷却部である領域Gから流出口18に向けて、流路面積を拡大させる構成を採ることができ、その領域G(被冷却部)よりも下流側における冷却水流れの流速を低下させることができる。つまり、領域G(被冷却部)に対する冷却寄与度が小さな領域の流路高さ(流路幅)H2を拡大することができるので、領域G(被冷却部)に対する冷却性能を低下させることなく、圧力損失の低減、即ち冷却水流動用の動力の低減を図ることが可能となる。
[第6実施例]
図18に第6実施例を示す。第6実施例では、筐体12の前板12Bの肉厚が外方側に向かって厚く形成されている。すなわち、前板12Bの外壁面上部に段部(以下「ステップ部」という)56が形成されて、前板12Bの肉厚が増加されている。このステップ部56によって前板12Bの肉厚を増加させることにより、半導体レーザーバー20(発光素子)から前板12Bを経由して冷却水側に至る放熱経路の熱抵抗を減少させることが可能となり、発光素子の温度上昇量を低減させることが可能となる。
なお、ステップ部56は、図18(B)で示すように、レーザービームLを遮らないような形状にする必要がある。すなわち、ステップ部56の突出幅(半導体レーザーバー20の先端からの突出量)Eと、半導体レーザーバー20に対するステップ部56の開始位置(半導体レーザーバー20の下面からステップ部56が形成される位置までの距離)Pは、サブマウント22からの半導体レーザーバー20(発光素子)の突出量Jや、レーザービームLの水平方向に対する拡がり角γによって決定される。
ここで、ステップ部56の突出幅Eが冷却性能に及ぼす影響を、熱流れの数値シミュレーションにより検討した結果を図19で示す。横軸は、ステップ部56の突出幅Eと、ステップ部56によって肉厚とされた部分を除く前板12Bの肉厚D3の比(以下「ステップ比」という)を示す。レーザービームLの拡がり角γは、γ=45度とし、突出量Jは半導体レーザーバー20の発光素子の厚み以下に設定した。
図18(B)の仮想線Kで示すように、ステップ部56の突出幅Eと前板12Bの肉厚D3の比(ステップ比)を0.0から0.5まで大きくすると、前板12Bの肉厚が厚くなるので、前板12Bの熱容量が増加する。その結果、発光素子からステップ部56を経由して冷却水側に放熱される熱量が増加するため、発光素子の温度上昇量は低下する。しかし、ステップ比を0.5より大きくすると、レーザービームLを遮らないように、ステップ部56の開始位置Pが下降するため、発光素子とステップ部56の距離が長くなり、放熱経路の熱抵抗が増加する。したがって、ステップ比は、0.1〜1.5の範囲が推奨範囲となる。
[第7実施例]
図20に第7実施例を示す。第7実施例では、スペーサー30の流路形成部34に、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに向けて冷却水を供給可能な流入部58が設けられている。この場合、蓋体14の略中央に、更に開口を設けて流入口17とする。したがって、第1実施例〜第6実施例における流入口16は下部流出口となる。これによれば、流入口17から流入した冷却水流れは、流入部58を通って上板12Cの内壁面と前板12Bの内壁面、即ち領域G付近に衝突する。そして、上板12Cの内壁面に衝突した流れは、上部流出口18から排出され、前板12Bの内壁面に衝突した流れは、下部流出口(流入口16)から排出される。
このような構成にすると、冷却流路28を構成する上板12Cの内壁面及び前板12Bの内壁面において、冷却水流れが衝突する領域が拡大するため、ヒートシンク10の冷却性能を向上させることができる。その結果、発光素子の温度を低い温度に保つことが可能となる。また、流出口を2箇所に分離することにより、各流出口を通過する冷却水流れの流量が減少する。その結果、領域G(被冷却部)より下流側の冷却流路28で生じる圧力損失を減少させることが可能となる。
[第8実施例]
次に、第8実施例について説明する、なお、第8実施例〜第12実施例において、上記第1実施例〜第7実施例と同等のものには、同じ符号を付して、適宜その説明を省略する。また、図21で示すように、この第8実施例〜第12実施例においても、半導体レーザーバー20の長手方向を左右方向とし、矢印A方向を右方向とする。また、矢印B方向を前方向とし、矢印C方向を上方向とする。したがって、第8実施例〜第12実施例においても、上記矢印に対応して、左右、前後、上下の表現をする。
図21、図22で示すように、第8実施例のヒートシンク60では、集光系26がヒートシンク本体としての銅製筐体62の上面部等に設けられている。すなわち、第8実施例〜第12実施例(図21〜図39)で説明するヒートシンク60は、冷却系と集光系が一体とされた場合に適用する冷却手段であり、筐体62は、上部筐体64と下部筐体66とで構成され、上部筐体64の上板64Cの外壁面に、発熱体である半導体レーザーバー20や集光系26等が設置されている。
集光系26は、半導体レーザーバー20から出射されたレーザービームLを集光するものであり、図示しない集光レンズやレンズの固定部、光集束器などからなる。半導体レーザーバー20は、上部筐体64の上板64Cの外壁面と、サブマウント22の一端との間に保持され、サブマウント22の他端は、絶縁板24を介して上部筐体64の上板64Cに接続されている。そして、半導体レーザーバー20は、サブマウント22を通して、図示しない電極に接続されている。
また、この筐体62内(空洞部S)に、冷却流路形成用のスペーサー70が設置される。冷却水は、筐体62(下部筐体66)の前板66Bに形成された流入口72からヒートシンク60(筐体62)内に流入し、流入部流路82、冷却部流路84、流出部流路86を通過した後、筐体62(下部筐体66)の後板66Eに形成された流出口74から排出される。つまり、冷却流路28は、集光系26が設置された第2熱拡散領域78(後述)の下方に設けられた流入部流路82と、空洞部Sとスペーサー70との間の空隙部で形成された冷却部流路84と、流出部流路86とで構成されている。そして、冷却部流路84は、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gよりも上流側の鉛直流路84Aと、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gとそれよりも下流側の水平流路84Bと、水平流路84Bよりも下流側の鉛直流路84Cとで構成されている。
また、流入部流路82と冷却部流路84は、第2熱拡散領域78の後端部に形成された面取り部80によって徐々に流路断面積が減少される流路縮小部88により接続(連通)されている。つまり、流路縮小部88の上流側(流入部流路82)と下流側(冷却部流路84)では、流れの方向が90度変化すると同時に、流路断面積が急変するようになっている。なお、流路縮小部88を構成する面取り部80は、流れの剥離(淀み)域が発生するのを防止する目的で形成されている。その他、流入口72、流出口74は、下部筐体66に形成される場合に限定されない。例えば、上部筐体64にも流入口72、流出口74となる切欠部(図示省略)を形成し、下部筐体66と組み合わせることで、流入口72、流出口74が形成される構成にしてもよい。
ここで、集光系26を除く、ヒートシンク60の構成を図23に示す。上部筐体64は内部に空洞部S1を有し、下部筐体66は内部に空洞部S2を有している。ヒートシンク60は、半導体レーザーバー20、サブマウント22、絶縁板24が設置される上部筐体64と、流入口72及び流出口74が形成された下部筐体66とで、スペーサー70を上下から挟み込むことにより作製される。そして、上部筐体64の空洞部S1と、下部筐体66の空洞部S2と、スペーサー70から形成される空隙部を冷却流路28としている。微細流路を用いる従来の冷却系では、冷却流路28を形成するための微細な特殊加工が必要であったが、このような構成にすると、微細流路を形成するための特殊加工を用いる必要がない。したがって、従来の冷却技術よりも製造コスト、組み付けのコストの低減が可能となる。
なお、図24で示すように、上部筐体64に集光系26を直接設置するのではなく、上部筐体64と一体構造でない設置台68を別途設け、その上面68Aに集光系26を設置する構成としてもよい。この場合、半導体レーザーバー20から射出されるレーザービームLを集光できるように、上部筐体64の上板64Cに形成する段差部64Aの高さを、設置台68の高さ分、低く形成する必要がある。更に、図25で示すように、ヒートシンク60(筐体62)を上部筐体64と下部筐体66とで構成するのではなく、内部に空洞部S3を有する前部筐体65と、内部に空洞部S4を有する後部筐体67とで構成してもよい。すなわち、半導体レーザーバー20、サブマウント22、絶縁板24が設置されるとともに、流入口72が形成された前部筐体65と、流出口74が形成された後部筐体67とで、スペーサー70を前後から挟み込むことにより作製してもよい。
以上のような構成のヒートシンク60において、次にその作用を説明する。図26で示すように、この第8実施例では、半導体レーザーバー20から上部筐体64への熱拡散を促進させる1つの手段と、上部筐体64から冷却水側への放熱を促進させる3つの手段を有している。上部筐体64への熱拡散を促進させる1つの手段としては、半導体レーザーバー20の近傍に、2つの熱拡散領域76、78を備えている。すなわち、筐体62(上部筐体64)において、半導体レーザーバー20の直下から下流側に設けられた第1熱拡散領域76では、ヒートシンク60内部の熱伝導による熱抵抗を低減するため、その肉厚D4が可能な限り薄く設定されている。
そして、第1熱拡散領域76よりも上流側(前側)に設けられるとともに、集光系26が設置される第2熱拡散領域78では、その肉厚D5が、第1熱拡散領域76の肉厚D4よりも厚く設定されている(D4<D5とされている)。その結果、第2熱拡散領域78の体積は、第1熱拡散領域76の体積よりも増加し、熱容量が増大する。したがって、熱容量が大きい第2熱拡散領域78へ半導体レーザーバー20の発熱を拡散させ、半導体レーザーバー20の温度を低減させることが可能となる。なお、第1熱拡散領域76と第2熱拡散領域78は、上部筐体64の上板64Cに形成された段差部64Aによって接続(連設)されている。
次に、上部筐体64から冷却水側への放熱を促進させる3つの手段について説明する。第1の手段としては、冷却部流路84が、2つの熱拡散領域76、78に接していることである。すなわち、半導体レーザーバー20から第1熱拡散領域76及び第2熱拡散領域78に拡散してきた熱が冷却水側に放熱されないと、第1熱拡散領域76及び第2熱拡散領域78の温度が上昇し、半導体レーザーバー20の温度が上昇してしまう。そのため、第1熱拡散領域76は、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の水平流路84Bと接する構成とされ、第2熱拡散領域78は、鉛直流路84Aと接する構成とされている。これにより、半導体レーザーバー20(発光素子)の内部で発生した熱を、第1熱拡散領域76及び第2熱拡散領域78に拡散させた後、その第1熱拡散領域76及び第2熱拡散領域78から冷却水側へ効率的に放熱できるようになっている。
このように、ヒートシンク60内に、半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱を拡散させる領域を少なくとも2つ設け、かつ、その2つの熱拡散領域76、78が冷却部流路84と接する構成とされているので、半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱は、ヒートシンク60内に拡散させることができるとともに、その熱拡散領域76、78の熱を冷却水流れに効率よく放熱させることができる。したがって、半導体レーザーバー20(発光素子)から冷却水側への放熱を促進することができ、冷却性能を向上させることができる。なお、この場合には、第2熱拡散領域78により、その上面に設置されている集光系(集光光学機器)26も同時に冷却することが可能となる。
第2の手段としては、半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱によって、上部筐体64の内壁温度が最も高温となる部位(領域G)に、冷却水流れを衝突させる構成にしていることである(冷却水流れの衝突効果を利用していることである)。すなわち、ヒートシンク60(下部筐体66)の前板66Bに形成された流入口72から流入した冷却水流れは、流入部流路82を通ってスペーサー70に衝突し、冷却部流路84の鉛直流路84A内に流れる。そして、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに衝突し、その後、水平流路84Bを通って鉛直流路84Cへ流れ、更に流出部流路86を通って、後板66Eに形成された流出口74から流出される。
半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gは、その半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱により、温度が上昇する領域である。したがって、この領域Gに冷却水流れを衝突させることにより、冷却水流れの温度境界層の厚みが薄くなり(冷却水側の温度が低い部分が内壁面側に近づき)、ヒートシンク60と冷却水との間の熱交換が促進される。これにより、発光素子の温度を低減することができる。
第3の手段としては、ヒートシンク60の断面形状を半導体レーザーバー20の長手方向に対してほぼ同一の形状にしていることである。つまり、冷却流路28(特に冷却部流路84)を半導体レーザーバー20(発光素子)の長手方向に対してほぼ同一の断面形状にしていることである。これによれば、流速や乱れ、温度が均一な冷却水を被冷却部である領域Gに供給することが可能となるため、半導体レーザーバー20の発光素子に対して、その長手方向に均一な冷却が可能となり、発光素子の温度が均一化される。
何れにしても、このヒートシンク60は、半導体レーザーバー20の発光素子の温度を低減するために、発光素子で生じた熱を拡散させる領域として、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の第1熱拡散領域76と、集光系26を設置する第2熱拡散領域78の2つの熱拡散領域を有している。そして、その2つの熱拡散領域76、78は、冷却流路28(冷却部流路84)と接する構造とされている。したがって、熱拡散領域76、78を経由させることにより、発光素子の発熱を効率的に冷却水側に放熱することができる。
[第9実施例]
図27に第9実施例を示す。なお、第9実施例〜第12実施例において、第8実施例と同等のものには、同じ符号を付して、適宜その説明を省略する。この第9実施例では、被冷却部(領域G)よりも上流側の鉛直流路84Aの流路高さH5と流路幅T2の比(流路比)が1.5〜9.0に設定されている。そこで、この流路比(流路高さH5/流路幅T2)が冷却性能に及ぼす影響を、熱流れの数値シミュレーションにより検討した結果を示す。
冷却流路28(冷却部流路84)の形状が半導体レーザーバー20の温度に及ぼす影響を評価するため、ヒートシンク60や半導体レーザーバー20の筐体12内熱伝導計算と、冷媒側の熱流れ計算の連成計算を実施した。半導体レーザーバー20の内部の材料組成は考慮せず、単一の材質として扱った。冷媒としては水を用い、その流量は2リットル/minとした。評価項目は冷媒(冷却水)側の圧力損失と半導体レーザーバー20の温度上昇量である。
図28に流路比と、圧力損失及び半導体レーザーバー20の温度上昇量の関係を示す。流路比を9.0から3.0まで小さくすると、鉛直流路84Aの流路高さH5が短くなるため、圧力損失は低減する。また、鉛直流路84Aの流路高さH5を短くすると、被冷却部(領域G)における乱れが増加するので、半導体レーザーバー20の温度上昇量が減少する。また、図30に上板12Cの内壁面からの距離H6(図29参照)を流路幅T2で除算した流路比に対する鉛直流路84Aの流路中心における乱れの分布を示す。乱れの分布には、図29で示す第1領域92における第1のピークと、第2領域94における第2のピークが生じる。
冷却水が流入部流路82から鉛直流路84Aに流入する第1領域92では、流路断面積の減少や、流れ方向の変化に伴い、大きな流速分布、即ち速度勾配が生じる。この速度勾配の存在が第1のピークの発生要因である。流路比を変化させても、第1のピーク値は、殆ど変化しない。冷却水流れが上部筐体64の壁面へ衝突する第2領域94では、第2のピークが生じる。この第2領域94の乱れが大きくなるほど、筐体62と冷却水との間の熱交換が活発になり、ヒートシンク60から冷却水側への放熱量は増加する。流路比を9.0から3.0まで小さくすると、半導体レーザーバー20の温度上昇量が減少するのは、第2のピーク値が増加するためであり、この第2のピーク値の増加は鉛直流路84A内における乱れの挙動が流路高さH5によって異なることに起因している。
乱れを維持するためには、分子粘性により消散されるエネルギー(乱れの消散量)よりも、多くのエネルギーが平均流から供給される必要がある。このエネルギー供給量(乱れの生成量)は、速度勾配と乱れの積に比例する。速度勾配の小さな鉛直流路84Aでは、乱れの生成量よりも消散量が多いため、第1領域92から第2領域94に向かって乱れは減衰する。鉛直流路84Aの流路長さ(流路高さH5)が長くなる、即ち流路比が大きくなるほど、乱れの減衰量は増加する。その結果、第2領域94に衝突する上流側の冷却水流れにおける乱れの大きさは小さくなる。図28で示したように、流路比を3.0から更に小さくして行くと、圧力損失や温度上昇量は増加する。これは、図31で示すように、流路比により、鉛直流路84Aに生じる流れの剥離(淀み)域Nの大きさが変化するためである。
図31(A)で示すように、流路比が3.0以上の場合、鉛直流路84A内には、流れの剥離(淀み)域Nと低流速域Mが生じる。すなわち、流れの剥離(淀み)域Nは、冷却水流れが鉛直流路84Aに流入する際に、流路縮小部88の入口付近で、その流れが壁面上から剥離することにより生じる。そして、鉛直流路84Aに流入した冷却水流れは、冷却部流路84を構成する壁面上に再付着する。その結果、流れの剥離(淀み)域Nと低流速域Mとが分離される。一方、図31(B)で示すように、流路比を1.5より小さくすると、流れの剥離(淀み)域Nと低流速域Mが合体し、鉛直流路84Aの内部全域に亘り、流れの剥離(淀み)域Nが生じる。その結果、圧力損失や温度上昇量は増加する。したがって、この場合、流路比は1.5〜9.0が推奨範囲となる。
何れにしても、この第9実施例では、半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱により、ヒートシンク60の温度が上昇する領域G(被冷却部)に、強い乱れを有する冷却水流れを衝突させることができる。したがって、ヒートシンク60(筐体62)と冷却水流れの熱交換が、その乱れにより促進される。つまり、冷却水流れの衝突による伝熱促進効果により、高い冷却性能を実現することが可能となる。
[第10実施例]
図32に第10実施例を示す。第10実施例では、鉛直流路84Aの流路高さH5を固定し、第2熱拡散領域78の厚みD5を変化させている(厚くしている)。上記したように、第2熱拡散領域78は、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の第1熱拡散領域76と、上部筐体64の上板64Cに形成された段差部64Aにより接続(連設)されている。幅1.0mm程度の半導体レーザーバー20の発光素子から効率的に熱を奪うためには、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gに冷却水流れを衝突させる必要がある。また、半導体レーザーバー20から第2熱拡散領域78への熱拡散を促進できれば、半導体レーザーバー20の温度低減が可能となる。
第2熱拡散領域78への熱拡散を促進するためには、半導体レーザーバー20から第2熱拡散領域78へ熱が伝わる経路の熱抵抗をできるだけ小さくするとともに、第2熱拡散領域78の熱容量を大きくする必要がある。半導体レーザーバー20と第2熱拡散領域78は、肉厚D6が第1熱拡散領域76の肉厚D4(図26参照)と略同等とされた、上部筐体64の段差部64Aによって接続(連設)されている。熱伝導により、上部筐体64の段差部64A中を移動する熱量は、熱の移動方向に垂直な面積、即ち上部筐体64の段差部64Aの厚みD6に比例する。
したがって、熱容量を大きくするために、段差部64Aの厚みD6を増加させてもよいが、厚みD6を増加させると、半導体レーザーバー20の直下の領域Gに占める、冷却水流れが衝突する領域の割合が減少し、冷却性能が低下する。つまり、半導体レーザーバー20から第2熱拡散領域78に至る放熱経路中において、段差部64Aの存在が、熱伝導に対する熱抵抗増加の要因となってしまう。したがって、段差部64Aの肉厚D6は第1熱拡散領域76の肉厚D4と略同等とされている。
一方、第2熱拡散領域78の厚みD5を厚くすると、上部筐体64の段差部64Aの長さが短くなるため、上部筐体64の段差部64Aを経由して、半導体レーザーバー20から第2熱拡散領域78へ移動する放熱経路の熱抵抗が小さくなり、第2熱拡散領域78への熱拡散は促進される。また、第2熱拡散領域78の厚みD5が厚く形成されていることから、第2熱拡散領域78の熱容量が増加している。したがって、この第10実施例では、冷却流路28(冷却部流路84)の形状を固定したまま、第2熱拡散領域78の厚みD5を厚くしている。
これによれば、上部筐体64の段差部64Aの長さが短くなるので、半導体レーザーバー20から第2熱拡散領域78への放熱経路の熱抵抗を小さくすることが可能となる。そして、第2熱拡散領域78の熱容量が大きくなるので、半導体レーザーバー20から第2熱拡散領域78への熱拡散を促進することができる。つまり、これにより、半導体レーザーバー20から第2熱拡散領域78への熱拡散量を増加させることができ、半導体レーザーバー20(発光素子)の温度を低下させることができる。
図33に熱流れの数値シミュレーションを用いて検討した結果を示す。図33で示すように、第2熱拡散領域78の厚みD5が増せば増すほど、半導体レーザーバー20(発光素子)の温度は低下していることが判る。なお、図34で示すように、第2熱拡散領域78の厚みD5の最大値は、鉛直流路84Aの流路高さH5と流路幅T2の和以下となる。また、このヒートシンク60において、冷却性能向上の主な手段は、第2熱拡散領域78への熱拡散促進である。つまり、流路縮小部88がなくても、第2熱拡散領域78の厚みD5を厚くすれば、冷却性能を向上させることができる。この第2熱拡散領域78の厚みD5を増し、かつ半導体レーザーバー20と第2熱拡散領域78との距離を短くすることにより、冷却性能の向上が図れる。
[第11実施例]
図35に第11実施例を示す。第11実施例では、鉛直流路84Aの流路高さH5を固定し、流路縮小部88の大きさ(面取り部80の大きさ)を大きくしている。図36に熱流れの数値シミュレーションを用いて検討した結果を示す。流路縮小部88の流路断面積は、鉛直流路84Aの流路断面積より大きいため、鉛直流路84Aで生じる圧力損失は、流路縮小部88で生じる圧力損失より大きくなる。
面取り部80の大きさ(鉛直方向の幅U1と水平方向の幅U2であり、ここでは、面取り部80の傾斜角を45度として、U1=U2としている)を大きくすると、鉛直流路84Aの流路高さ(長さ)H5(図34参照)が短くなるため、圧力損失は低減する。また、鉛直流路84Aの流路高さ(長さ)H5を短くすると、領域G(被冷却部)の乱れが増加する。その結果、半導体レーザーバー20の温度上昇量も減少する。面取り部80の大きさ(鉛直方向の幅U1と水平方向の幅U2:U1=U2)と冷却流路28(冷却部流路84)の流路幅T2の比としては、5.0〜15.5までの範囲が推奨範囲となる。15.5以上とすると、第9実施例と同様に(図31(B)で示すように)、鉛直流路84A内全域に流れの剥離(淀み)域Nが発生し、圧力損失が増加するとともに、半導体レーザーバー20の温度上昇量が増加する。
ここで、冷却水流れは時間的な平均流と、時間的に不規則に変動する乱れからなる。乱れの不規則変動は、冷却水流れにおいて、温度場の混合を促進する効果や、冷却水流れとヒートシンク60(筐体62)との間での熱交換を促進する効果を有する。乱れは、時間的な平均流から、エネルギー供給を受けると同時に、分子粘性により、熱に変換される。したがって、乱れの大きさはエネルギー供給量と、熱へ変換されるエネルギー量のバランスにより決定される。また、乱れは、平均流からのエネルギー供給量が減少すると減衰する。乱れにエネルギーを供給するには、大きな速度勾配の存在が必要である。平行流路である冷却部流路84内の速度勾配は、流路縮小部88における速度勾配より小さいため、冷却部流路84内では流路縮小部88からの距離とともに、その乱れは小さくなる。
したがって、この第11実施例においては、流路縮小部88と領域G(被冷却部)との距離を、流路縮小部88で生成された乱れが減衰しない距離としている。すなわち、流路縮小部88(面取り部80)の大きさを大きくして、半導体レーザーバー20(発光素子)の発熱によって温度が上昇する領域Gに衝突させる冷却水流れの乱れを強くし、その乱れによって、ヒートシンク60(筐体62)と冷却水流れの熱交換を促進させている。
つまり、流入部流路82と冷却部流路84の接続点である流路縮小部88(面取り部80)では、流路断面積や流れ方向の変化により、大きな速度分布(速度勾配)が発生する。この速度勾配により、大きな乱れが生成される。そのため、流路縮小部88を大きくし、速度勾配が小さい冷却部流路84(鉛直流路84A)の流路長さ(流路高さH5)を短くして、乱れが生成される流路縮小部88と被冷却部(領域G)の距離を短くしている。これによれば、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域G(被冷却部)へ強い乱れとされた冷却水流れを供給することが(衝突させることが)可能となるので、ヒートシンク60(筐体62)と冷却水流れの熱交換を促進させることができる。よって、冷却性能を高めることができる。
[第12実施例]
図37、図38に第12実施例を示す。この第12実施例では、冷却流路28(冷却部流路84)内に、伝熱面積を増加させるための薄板状のフィン90が、半導体レーザーバー20の長手方向に複数枚並設されている。なお、フィン90の断面形状は、図39で示すように、例えば長方形状や三角形状としてもよいが、図37で示すような「L」字状とすると、スペーサー70の位置決め手段としての機能を持たせることができるので好ましい。何れにしても、冷却部流路84中に複数枚のフィン90を設けると、フィン90による伝熱面積の拡大効果により、半導体レーザーバー20から冷却水流れへの放熱が促進される。
但し、冷却部流路84中にフィン90を設けると、冷却水流れの流路面積が減少するため、圧力損失が増加する。そこで、フィン90を設置する領域は、半導体レーザーバー20の発熱により、ヒートシンク60の温度が上昇する領域Gに隣接する部位、即ち鉛直流路84Aと水平流路84Bとが交差する角部に限定する。その結果、圧力損失の大幅な増加を防止しつつ、冷却性能を向上させることが可能となる。また、フィン90において、伝熱面積の拡大効果を促進するために、フィン90の材質は、多孔体金属(例えば、燒結金属のような金属)とすることが好ましい。内部に微細な孔を多数有する多孔体金属(燒結金属)は、非常に大きな伝熱面積を有するので、特に有効となる。
以上、説明したように、本発明に係るヒートシンク10、60は、空洞部Sを有する筐体12、62に、スペーサー30、70を挿設し、その空洞部Sとスペーサー30、70の間に形成される微細な空隙部を冷却流路28として用いるので、構造が簡易であり、従来技術よりも低コストで製造することが可能となる。すなわち、例えばマイクロチャンネル方式の流路幅は、0.1mm以下であるが、このような微細流路を形成するためには、エッチング加工を施したシート状の銅板(薄板)を積層するなど、薄板へのエッチング処理による特殊加工や、薄板を拡散接合するような工程が必要であるため、ヒートシンクの製造コストが増大する問題がある。これに対し、本発明に係るヒートシンク10、60は、筐体12、62とスペーサー30、70という少ない部品点数で、流路幅T1、T2が0.5mm以上とされた微細な冷却流路28を容易に形成することができるため、従来技術(マイクロチャンネル方式)よりも製造コストの低減、即ち加工コスト、組み付けコストの低減が可能となる。
また、このように、本発明に係るヒートシンク10、60では、冷却流路28を形成するための特殊加工が不要であり、かつ冷却流路28の最小流路幅は0.5mmとされて、従来の微細流路を用いる冷却系よりも流路幅T1、T2が大きくされているので、冷却流路28内で生じる圧力損失を、従来よりも低減することができる。すなわち、冷却流路の流路幅は、冷却流路内で生じる圧力損失や、冷却性能に大きな影響を及ぼす。流路幅を狭くすると、冷却性能は向上するが、圧力損失は大幅に増加する。圧力損失の増加は、冷却水をヒートシンク内に流動させるための動力の増加に直結し、冷却に必要な動力を考慮した総合効率の低下を招く。
本発明に係るヒートシンク10、60では、上記のように、圧力損失を低減させることができるため、冷却水流動用の動力を低減することができ、半導体レーザーバー20を用いた機器の総合効率を向上させることができる。したがって、その冷却水流動用の動力やヒートシンクの小型化を実現できる。更に、従来よりも低い圧力で、ヒートシンク10、60内へ冷却水(冷媒)を流入させることが可能となるため、ヒートシンク10、60や冷却水供給用配管などの耐久性を向上させることができる。また、本発明のヒートシンク10、60では、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の冷却流路28を乱流状態で冷却水が流れる。乱流状態では、層流状態より高い熱伝達率が得られるため、層流の場合よりも狭い伝熱面積で、高い冷却性能を得ることが可能になる。そのため、ヒートシンク10、60の構造を、微細流路を集積化した薄板の積層構造とする必要がない。
また、本発明に係るヒートシンク10、60では、筐体12、62とスペーサー30、70が分離可能であり、筐体12、62の空洞部Sや、スペーサー30、70の形状を個別に変化させることが可能である。つまり、筐体12、62内(空洞部S)に挿設するスペーサー30、70の形状を任意に変更(設定)するだけで、冷却流路28の流路幅T1、T2を容易に変更(設定)することができる。したがって、例えば、圧力損失は冷却流路28の流路長さに比例するため、冷却に寄与しない被冷却部の下流側では、流れ方向の距離とともに、冷却流路の流路面積を拡大させることが可能となる。その結果、圧力損失の低減、即ち冷却水流動用の動力の低減が可能となる。つまり、冷却水を流動させるための動力増加や、製造コストの増加を伴うことなく、冷却性能を向上させることができる。
また、本発明に係るヒートシンク10、60では、半導体レーザーバー20(発光素子)の長手方向に対し、空洞部Sやスペーサー30、70の断面形状をほぼ同一とすることが可能であるため、ほぼ同一断面形状を有する冷却流路28を形成することが可能となる。したがって、半導体レーザーバー20(発光素子)直下の領域Gにおいて、半導体レーザーバー20(発光素子)の長手方向に対し、冷却水の流速や温度、乱れを均一にできる。つまり、半導体レーザーバー20(発光素子)を均一に冷却することが可能となる。半導体レーザーバー20の長手方向に対し、冷却流路28の断面形状が異なると、半導体レーザーバー20を均一に冷却することが困難になり、温度分布が生じる。半導体レーザーバー20の内部に温度分布が生じると、熱応力の発生原因となり、半導体レーザーバー20の劣化要因となる。本発明に係るヒートシンク10、60は、このような問題を解決することができる。
第1実施例に係るヒートシンクの概略斜視図 第1実施例に係るヒートシンクの概略背面図 図2のI−I線矢視概略断面図 (A)第1実施例に係るスペーサーの概略側断面図、(B)第1実施例に係るスペーサーの概略平面図 (A)第1実施例に係る別のヒートシンクの概略背面図、(B)第1実施例に係る別のヒートシンクの構成を示す概略側断面図 第1実施例に係るヒートシンクの概略側断面図 第1実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第1実施例に係るヒートシンクにおいて順方向流れと逆方向流れの温度上昇量の比を示すグラフ (A)第2実施例に係るヒートシンクの概略側断面図、(B)第2実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第2実施例に係るヒートシンクにおいて流路比に対する圧力損失の比と温度上昇量の比を示すグラフ (A)第3実施例に係るヒートシンクの概略側断面図、(B)第3実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第3実施例に係るヒートシンクにおいて突出部の傾斜角に対する温度上昇量の比を示すグラフ (A)第4実施例に係るヒートシンクの概略側断面図、(B)第4実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第4実施例に係るヒートシンクにおいて肉厚の比に対する圧力損失の比と温度上昇量の比を示すグラフ (A)第4実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図、(B)第4実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第5実施例に係るヒートシンクの概略側断面図 第5実施例に係るヒートシンクにおいてスペーサーの上面傾斜角に対する圧力損失の比と温度上昇量の比を示すグラフ (A)第6実施例に係るヒートシンクの概略側断面図、(B)第6実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第6実施例に係るヒートシンクにおいてステップ比に対する温度上昇量の比を示すグラフ 第7実施例に係るヒートシンクの概略側断面図 第8実施例に係るヒートシンクの概略斜視図 第8実施例に係るヒートシンクの概略側断面図 第8実施例に係るヒートシンクの構成を示す概略側断面図 第8実施例に係る別のヒートシンクの概略斜視図 第8実施例に係る別のヒートシンクの構成を示す概略側断面図 第8実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第9実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第9実施例に係るヒートシンクにおいて流路比に対する圧力損失の比と温度上昇量の比を示すグラフ 第9実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第9実施例に係るヒートシンクにおいて流路比に対する乱れを示すグラフ (A)第9実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図、(B)第9実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第10実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第10実施例に係るヒートシンクにおいて流路比に対する温度上昇量を示すグラフ 第10実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第11実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 第11実施例に係るヒートシンクにおいて流路比に対する圧力損失の比と温度上昇量の比を示すグラフ 第12実施例に係るヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図 図37のII−II線矢視概略断面図 第12実施例に係る別のヒートシンクの要部を示す一部拡大概略側断面図
符号の説明
10、60 ヒートシンク
12、62 筐体
14 蓋体
16、72 流入口
18、74 流出口
20 半導体レーザーバー(発熱体)
22 サブマウント
24 絶縁板
26 集光系
28 冷却流路
30、70 スペーサー
32 側板
34 流路形成部
36 鉛直流路形成面
38 水平流路形成面
40、80 面取り部
42 第1流路屈曲部
44 第2流路屈曲部
46、88 流路縮小部
48 第3流路屈曲部
50 突出部
52 肉厚増加部
54 流路拡大部
56 ステップ部
58 流入部
76 第1熱拡散領域
78 第2熱拡散領域
82 流入部流路
84 冷却部流路
86 流出部流路
90 フィン

Claims (11)

  1. 発熱体が取り付けられるとともに、内部が空洞とされた筐体と、
    前記筐体内に配置され、該筐体内を流れる流体の流路を形成するスペーサーと、
    を備え、
    前記流路が、前記発熱体の長手方向に対し、ほぼ同一の断面形状とされるとともに、前記筐体の前記発熱体が取り付けられている領域に対し、前記流体を衝突可能に構成されていることを特徴とするヒートシンク。
  2. 前記発熱体よりも上流側の流路に、流路屈曲部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
  3. 前記流路屈曲部が、複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヒートシンク。
  4. 前記流路屈曲部のうち、最も上流側に形成された流路屈曲部は、上流側から下流側に向かって流路断面積が減少する流路縮小部と接続されていることを特徴とする請求項3に記載のヒートシンク。
  5. 前記領域から前記流路縮小部までの距離は、該流路縮小部によって生成された乱流が減衰しない距離とされていることを特徴とする請求項4に記載のヒートシンク。
  6. 前記発熱体よりも下流側の流路に、流路拡大部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のヒートシンク。
  7. 前記領域は、熱拡散領域と連設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のヒートシンク。
  8. 前記熱拡散領域は、少なくとも前記発熱体の上流側及び下流側に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のヒートシンク。
  9. 前記熱拡散領域は、前記流路に接していることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のヒートシンク。
  10. 前記領域近傍の前記流路に、フィンを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のヒートシンク。
  11. 前記フィンは、多孔質金属で形成されていることを特徴とする請求項10に記載のヒートシンク。
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