JP2007149966A - 発光素子 - Google Patents

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卓也 川島
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Abstract

【課題】透明導電膜と半導体間のオーミック接続を効率よく確保し、発光体から発生する光を効率的に外部に取り出すことを可能とした半導体発光素子を提供すること。
【解決手段】本発明の発光素子は、発光部を介して第一導電型層と第二導電型層を配してなる積層体と、該積層体上に設けた透明導電体とを備え、前記透明導電体は、真空蒸着法により形成された最下層と、該最下層上にスプレー熱分解法により形成された上層とから構成され、該上層のうち少なくとも1層は、前記最下層よりも耐熱性が高いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子に関する。より詳しくは、オーミック接続を確保することによりさらなる高効率化を実現した発光素子に関する。
半導体からなる発光素子内の発光体から発生する光を外部に効率的に取り出すため、上部電極(p型半導体電極側)にITO等の透明導電膜を使用することが提案されている(例えば、特許文献1)。この透明導電膜を形成する場合には透明導電膜と半導体層間のオーミック接続を確保することが難しい。
この場合、例えばp型ドーパントであるMgをドープしたp型GaN層の上に電流拡散層として、1層目に真空蒸着法によってITO膜(10nm)を形成、その上にスパッタ法によりITO膜(500nm)を形成する。このときの下層のITO膜はSnOを2〜20%の範囲とする。
上記特許文献1においては、下層のITO膜をスパッタ法以外の真空蒸着法、レーザーアブレーション法、またはゾルゲル法により形成することを特徴としている。
スパッタ法では上記MgドープGaN層がプラズマにより結晶欠陥を生じてしまうか、または、プラズマ中の水素イオンがMgドープGaN層の表面から侵入してしまうことにより、半導体表層が高抵抗化していると考えられる。そのため、スパッタ法以外の方法でプラズマの影響から保護するためのITO膜を形成することが好ましい。
また、MgドープGaN層上にスプレー熱分解法により直接ITO膜を形成した場合、大気中高温(300℃以上)で成膜を行うことから、MgドープGaN層表面に酸化被膜が形成されてしまう。酸化被膜の形成は、電流流入の阻害要因となることから避けなければならないため、MgドープGaN層上にITO膜を直接成膜するには蒸着法が適している。
しかしながら、蒸着法によりITO膜を成膜する場合、加熱処理をしていないことから、半導体層や電極の密着性の確保や接触抵抗の低減が不十分であった。しかし、オーミック接続の確保を目的として加熱処理を施すと、図6に示す通り、ITO膜の劣化、すなわちITO膜の抵抗増加が起こり、電流の面方向への広がりが妨げられ、発光効率の低下につながっていた。
特許第3394488号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、透明導電膜と半導体間のオーミック接続を効率よく確保し、発光体から発生する光を効率的に外部に取り出すことを可能とした半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発光素子は、発光部を介して第一導電型層と第二導電型層を配してなる積層体と、該積層体上に設けた透明導電体とを備える発光素子であって、前記透明導電体は、真空蒸着法により形成された最下層と、該最下層上にスプレー熱分解法により形成された上層とから構成され、該上層のうち少なくとも1層は、前記最下層よりも耐熱性が高いことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る発光素子は、請求項1において、前記最下層は、スズ添加インジウム膜であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る発光素子は、請求項1において、前記上層は、フッ素添加酸化スズ膜であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る発光素子は、請求項1において、前記上層の粒径は、前記最下層の粒径に比べて大きいことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る発光素子は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記最下層と前記上層を被覆する最上層との間には、該最上層よりも比抵抗の小さな中間層が少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る発光素子は、請求項5において、前記中間層は、スズ添加インジウム膜であることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る発光素子の製造方法は、発光部を介して第一導電型層と第二導電型層を配してなる積層体と、該積層体上に設けた透明導電体とを備え、前記透明導電体は、最下層と、該最下層上に設けられた上層とから構成され、該上層のうち少なくとも1層は、前記最下層よりも耐熱性が高い発光素子の製造方法であって、前記最下層の形成には真空蒸着法を、前記上層の形成にはスプレー熱分解法をそれぞれ用いることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る発光素子の製造方法は、請求項7において、前記最下層として、スズ添加インジウム膜を形成することを特徴とする。
本発明の請求項9に係る発光素子の製造方法は、請求項7または8において、前記上層として、フッ素添加酸化スズ膜を形成することを特徴とする。
本発明の請求項10に係る発光素子の製造方法は、請求項7ないし9のいずれかにおいて、前記最下層と前記上層を被覆する最上層との間には、該最上層よりも比抵抗の小さな中間層を少なくとも1層以上形成することを特徴とする。
本発明の請求項11に係る発光素子の製造方法は、請求項10において、前記中間層として、スズ添加インジウム膜を形成することを特徴とする。
本発明では、透明導電体として真空蒸着法により最下層を形成し、さらにその上に耐熱性がある上層をスプレー熱分解法により形成したことにより、最下層の導電性を低下させることなく、オーミック接続確保のための熱処理が可能となり、その結果、発光素子の発光効率を大きく改善することができる。
以下、本発明に係る半導体発光素子について添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解するために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
<第一の実施形態>
図1は、本発明に係る発光素子の第一の実施形態を示す断面図である。
本発明の発光素子1は、サファイヤ基板2の一方の面にGaNバッファ層3を介してSiをドーパントとするn型GaNコンタクト層4が設けられ、このn型GaNコンタクト層4を介してSiをドーパントとするn型AlGaNクラッド層5(主たる第一導電型層)が設けられる。そして、このn型AlGaN層5を介してInGaNとGaNの多重量子井戸(MQW)構造となる発光部6、発光部6を介してp型ドーパントであるMgを含むp型AlGaNクラッド層7(主たる第二導電型層)、p型AlGaN層7を介して、同じくMgをドーパントとするp型GaNコンタクト層8、ITO膜9、FTO膜10の順に積層されてなる透明導電体11が設けられている。この透明導電体11の表面の周縁の一部にはp側電極12が設けられ、一方、n型GaNコンタクト層4の周辺部の一部の上に積層された各層が除去されて、露出したn型GaNコンタクト層4上にn側電極13が設けられている。
ここで本発明では、前記透明導電体11が、真空蒸着法により形成された最下層と、該最下層上にスプレー熱分解法により形成された上層とから構成され、該上層のうち少なくとも1層は、前記最下層よりも耐熱性が高いことを特徴とする。
前記最下層は、例えば、スズ添加インジウム(ITO)膜である。
前記上層は、例えば、フッ素添加酸化スズ(FTO)膜である。
エピタキシャル成長させた半導体層の上に、透明導電体11として、真空を破ることなく真空蒸着法によりITO膜9を形成し、さらにその上に、耐熱性があり光透過特性に優れたFTO膜10をスプレー熱分解法により形成している。これにより、p型GaNコンタクト層8の酸化を防止するとともに、熱処理によるITO膜9の抵抗増加を抑制することができる
このような構成の透明導電体11では、オーミック接続確保のため、高温、例えば500℃以上での熱処理をしても、ITO膜9の導電性が低下することがなくなる。これにより、透明導電体11の高い導電性を確保しつつも接触抵抗を低減することが可能となり、その結果、発光素子1の発光効率を大きく向上することができる。
発光素子1は、有機金属気相成長法(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:以下、MOCVD法という)、ハライド気相成長法(HDCVD)等の気相成長法により各層を成長させることによって形成される。
MOCVD法では、原料ガスに、例えばガリウム源としてトリメチルガリウム(TMG)、窒素源としてアンモニア(NH)、ヒドラジン等の水素原子を含む化合物、Si源としてモノシラン(SiH)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)、Mg源としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用い、キャリアガスとして水素ガス、窒素ガス等が用いられる。
発光素子1の構造は、基板の一方の面に少なくとも第一導電型層、第二導電型層、電流拡散層としての透明導電体が順に積層された構造であればよく、ホモ、シングルへテロ、ダブルヘテロ等の構造とすることができる。例えばサファイヤ基板2の表面に、バッファ層3を介してn型コンタクト層4とn型クラッド層5、発光部6、p型クラッド層7、p型コンタクト層8、電流拡散層としての透明導電体11を順に積層したダブルヘテロ構造のものが高発光素子として知られている。
以下においては、発光部6が層を成す場合について述べるが、界面発光の場合には、n型クラッド層5とp型クラッド層7の界面が発光部として機能する。
n型コンタクト層4は、ノンドープまたはSi、Ge、S、C等のn型ドーパントをドープしたGaNで形成できる。n型クラッド層5は、例えばノンドープまたはn型ドーパントをドープしたAlGaN、InAlGaN等で形成することができる。
発光部6は、ノンドープ、またはn型ドーパントおよび/またはZn、Mg、Cd、Ba等のp型ドーパントをドープしたInGaN、InAlGaN等で形成でき、インジウムを含む発光部を形成することにより紫色〜赤色まで発光波長を変化させることが可能である。発光部にn型ドーパントをドープすると、ピーク波長における発光強度がさらに大きくなり、p型ドーパントをドープすると波長を約0.5eV長波長側に持っていくことができ、n型ドーパントとp型ドーパントとをドープすると発光強度を大きくしたままで、発光波長を長波長側に移動させることができる。
p型クラッド層7は、p型ドーパントをドープしたAlGaN、InAlGaN等で形成することができる。またp型コンタクト層8は、p型ドーパントをドープしたGaNで形成することができ、n型クラッド層5と同じくGaNは電極と好ましいオーミック接続を得ることができる。また、n型クラッド層5および/またはp型クラッド7層は省略することもできる。省略した場合はコンタクト層がクラッド層として作用する。
透明導電体11は、真空蒸着法により形成された最下層(ITO膜9)と、該最下層上にスプレー熱分解法により形成された上層(FTO膜10)とから構成される。
透明導電体11の最下層は、スズ添加インジウム(ITO)、酸化インジウム(IO)、酸化亜鉛(ZO)、アンチモン添加酸化亜鉛(AZO)、Ga添加酸化亜鉛(GZO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AlZO)又はホウ素添加酸化亜鉛(BZO)からなる膜とすることにより、高導電性と高透光性が発揮される。その中でもITO膜が好適に用いられる。
透明導電体11として、高い光透過性と耐熱性を有するFTO膜10をITO膜9上に設けた。高い光透過性と良好な電気伝導性はITO膜9が担うとともに、高い耐熱特性は外層に位置するFTO膜10が担っている。
FTO膜で被覆されたITO膜における比抵抗の熱処理温度依存性を図2に示す。この図から明らかなように、FTO膜で被覆されたITO膜は、600℃での熱処理後においても抵抗変化しない、という高い耐熱特性を有する。
本発明では、この複合膜を透明導電体11として採用したことにより、オーミック接続確保のため、500℃以上での熱処理をしても、ITO膜9の導電性が低下することがなくなり、透明導電体11の高い導電性を確保しつつも接触抵抗を低減することが可能となり、結果として発光素子1の発光効率を大きく向上することができる。
スプレー熱分解法は、加熱した基板に原料液をスプレー塗布することで、基板表面上で熱分解および化学反応を生じさせて成膜する方法であるが、大気中での成膜が可能であり、製造コスト低減の上で好適に用いられる成膜法である。
スプレー熱分解法により形成された透明導電膜の粒径は、スパッタ法、蒸着法により形成された場合に比べて大きくなる。例えば、スプレー熱分解法により形成された透明導電膜の表面には、長円形状の大きな粒が分布しており、細かい起伏を多数有するものとなる。
一方、従来の真空蒸着法により形成された透明導電膜は、表面が平坦であり、電極との密着性が十分に得られないが、本発明のスプレー熱分解法により形成された透明導電膜は細かい起伏を多数有し、電極との密着性が十分に得られる。
さらに、図3に示すように、前記透明導電体11において、前記ITO膜9とFTO膜10との間には、該FTO膜10よりも比抵抗の小さな中間層14が少なくとも1層以上設けられていることが好ましい。比抵抗の小さな中間層14を設けることで、透明導電体11の抵抗をより小さくすることが可能となる。これにより接触抵抗をさらに低減することが可能となり、発光素子1の発光効率をより大きく向上することができる。
前記中間層11は、例えば、スプレー熱分解法により形成されたITO膜である。
透明導電体11を形成後、p側電極12とn側電極13を形成する。p側電極12は透明導電体表面の所定の部位に形成されるが、n側電極13は、基板にサファイヤ等の絶縁基板を用いた場合は、基板の他方の面に電極を設けることができないので、化合物層や透明導電体を積層した一方の面側にp側電極12とn側電極13を設けなければならない。この為には、透明導電体11、p型コンタクト層8、p型クラッド層7、発光部6、n型クラッド層5をエッチングして、n型コンタクト層4を露出させ、その露出部にn側電極13を形成する。
各層をエッチングするにはウェットエッチング、ドライエッチングいずれの方法を用いてもよい。ウェットエッチングでは例えば、リン酸と硫酸との混酸を用いることができる。ドライエッチングでは例えば反応性イオンエッチング、集束イオンビームエッチング、イオンミリング、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング等を用いることができ、エッチングガスとして反応性イオンエッチング、ECRエッチングでは、CF、CCl、SiCl、CClF、CClF、SF、PCl等のガスを用いることができ、集束イオンビームエッチングではB、Al、Si、Ga、In等を金属イオン源として用いることができ、イオンミリングではAr、Ne、N等の不活性ガスを用いることができる。
エッチングは、各層ごとに最適なエッチング法を選択して、各層毎にマスキングしてエッチングしてもよいが、フォトリソグラフィの回数増加に伴い、発光面積が減少するので、塩素ガスを含むガス、または臭素ガスを含むガスを用いて、透明導電体11、p型コンタクト層8、p型クラッド層7、発光部6、n型クラッド層5を一度にエッチングして、n型コンタクト層4を露出する方法が好ましい。
<第二の実施形態>
以下、本発明に係る半導体発光素子の第二の実施形態について添付図面に基づいて具体的に説明する。
図4は、本発明に係る発光素子の第二の実施形態を示す断面図である。
この発光素子20は、第一導電型基板としてのn型GaAs基板21の一方の面に、n型AlGaInPクラッド層22(主たる第一導電型層)、AlGaInP発光部23、p型AlGaInPクラッド層24(主たる第二導電型層)、p型AlGaInP電流分散層25、ITO膜26、FTO膜27の順に積層されてなる透明導電体28が順に設けられ、n型GaAs基板21の他方の面にn側電極29が、透明導電体28の周縁部には円形のp型電極30が設けられている。
この場合にも、透明導電体28が、真空蒸着法により形成された最下層(ITO膜26)と、該最下層上にスプレー熱分解法により形成された上層(FTO膜27)とから構成される。
エピタキシャル成長させた半導体層の上に、真空を破ることなく真空蒸着法によりITO膜26を形成し、さらにその上に、耐熱性があり光透過特性に優れたFTO膜27をスプレー熱分解法により形成している。これにより、p型AlGaInP電流分散層25の酸化を防止するとともに、熱処理によるITO膜26の抵抗増加を抑制することができる。
このような構成の透明導電体28では、オーミック接続確保のため、高温、例えば500℃以上での熱処理をしても、ITO膜26の導電性が低下することがなくなる。これにより、透明導電体28の高い導電性を確保しつつも接触抵抗を低減することが可能となり、その結果、発光素子20の発光効率を大きく向上することができる。
この場合にも、図5に示すように、前記透明導電体28において、前記ITO膜26とFTO膜27との間には、該FTO膜27よりも比抵抗の小さな中間層31が少なくとも1層以上設けられていることが好ましい。比抵抗の小さな中間層31を設けることで、透明導電体28の抵抗をより小さくすることが可能となる。これにより接触抵抗をさらに低減することが可能となり、発光素子20の発光効率をより大きく向上することができる。
前記中間層31は、例えば、スプレー熱分解法により形成されたITO膜である。
以上、本発明の半導体発光素子について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
<実施例1>
図1に示すような構造の発光素子を以下のようにして作製した。
MOCVD法によりサファイヤ基板の一方の面に各GaN系化合物層を形成した。原料ガスは、Gaはトリメチルガリウム(TMG)ガスを、Nはアンモニア(NH)ガスを、Siはモノシラン(SiH)ガスを、Alはトリメチルアルミニウム(TMA)ガスを、Mgはビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)ガスを用い、キャリアガスとして水素ガスを用いた。
まず、MOCVD装置内に、直径2インチで(0001)面を化合物堆積面とするサファイヤ基板を設置し、水素を供給しながら1050℃に加熱してサーマルクリーニングを施した。次に、サファイヤ基板を510℃まで低下させてGaNバッファ層を堆積させた後、GaNバッファ層を設けたサファイヤ基板を1035℃まで加熱して、NHガス、TMGガス、SiHガスを流してSiをドーパントとするn型GaNコンタクト層を成長させた後、NHガス、TMGガス、TMAガス、SiHガスを流してSiをドーパントとするn型AlGaNクラッド層を成膜した。
次に、試料の温度を750℃とし、TMAガスを断続的に流しつつ、GaNとAlGaNの多量子井戸(MQW)構造とする発光部を、n型AlGaNクラッド層の上に成長させた。
続いて、NHガス、TMGガス、TMAガス、CpMgガスを流して、発光部上に、Mgをドーパントとするp型AlGaNクラッド層を形成し、その後、NHガス、TMGガス、CpMgガスを流して、Mgをドーパントとするp型GaNクラッド層を成膜した。
次に、p型GaNクラッド層上に蒸着法により厚さ700nmのITO膜を成膜した。
そして、試料をSPD法成膜装置に移して、ITO膜を400℃に加熱保持して、SPD法により、ITO膜上にFTO膜用原料化合物溶液を噴霧して厚さ100nmのFTO膜を成膜した。
FTO膜用原料化合物溶液は、塩化スズ(IV)五水和物0.701gをエタノール10mlに溶解し、これにフッ化アンモニウム0.592gの飽和水溶液を加え、この混合物を超音波洗浄機に約20分間かけて、完全に溶解して得た。
このように構成した後、半導体との密着性およびオーミック接合を実現するため、大気中で500℃/hourのアニール処理を行った。
次に、n型GaNコンタクト層の一方の面の周縁部にn側電極を形成するために、n側電極形成部上に積層されているn型AlGaNクラッド層、発光部、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層、透明導電体を除去するために、透明導電体上にマスクを形成した。マスク形成後、試料をエッチング装置に移して、エッチングガスを流し、n型GaNコンタクト層が露出するまでドライエッチングを行った。
ドライエッチングにより露出したn型GaNコンタクト層上に蒸着法により、Alを蒸着してn側電極を形成し、マスクを剥がした透明導電体上の周縁の一部に蒸着法によりAlを蒸着してp側電極を形成した。
この窒化ガリウム系化合物層を形成したサファイヤ基板を300μm角にダイシングしてベアチップとした。そして、このベアチップをステム上にダイボンディングにより実装し、ワイヤボンディングにより配線して発光素子を作製した。
蒸着による成膜では、5nm/分の成膜レートであるのに対し、スプレー法では70nm/分の成膜レートでも形成できる。
<実施例2>
透明導電体として、蒸着法ITO膜の上に、SPD法により厚さ700nmのITO膜を形成し、さらにSPD法により厚さ100nmのFTO膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。
なお、SPD法におけるITO膜用原料化合物溶液は、塩化インジウム(III)四水和物5.58gと塩化スズ(II)二水和物0.23gとをエタノール100mlに溶解して得た。
<比較例1>
透明導電体として、蒸着法ITO膜上にFTO膜を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。
<実施例3>
図4に示すような構造の発光素子を以下のようにして作製した。
まず、n型のGaAs基板上にMOCVD法により、n型AlGaInPクラッド層、AlGaInP発光部、p型AlGaInPクラッド層、p型AlGaInP電流分散層を順に成膜した。
次に、p型GaNクラッド層上に蒸着法により厚さ700nmのITO膜を成膜した。
そして、試料をSPD法成膜装置に移して、ITO膜を400℃に加熱保持して、SPD法により、ITO膜上にFTO膜用原料化合物溶液を噴霧して厚さ100nmのFTO膜を成膜した。
このように構成した後、半導体との密着性およびオーミック接合を実現するため、大気中で500℃/hourのアニール処理を行った。
この透明導電体の上に、フォトリソグラフィにより、Au/Niのp側電極を形成し、GaAs基板の他方の面には、AuGe/Ni/Auのn側電極を形成した。
このようにして積層したウエハを300μm角にダイシングしてベアチップとした。そして、このベアチップをステム上にダイボンディングにより実装し、ワイヤボンディングにより配線して発光素子を作製した。
<実施例4>
透明導電体として、蒸着法ITO膜の上に、SPD法により厚さ700nmのITO膜を形成し、さらにSPD法により厚さ100nmのFTO膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。
なお、SPD法におけるITO膜用原料化合物溶液は、塩化インジウム(III)四水和物5.58gと塩化スズ(II)二水和物0.23gとをエタノール100mlに溶解して得た。
<比較例2>
透明導電体として、蒸着法ITO膜上にFTO膜を形成しなかったこと以外は、実施例3と同様にして発光素子を作製した。
以上のようにして作製したGaN系発光素子(実施例1、実施例2および比較例1)について、オーミック接続を目的とした透明導電体の熱処理前後の比抵抗測定結果を表1に示す。
また、作製したGaN系発光素子の透明導電膜と金属薄膜電極を介した半導体層間の接触抵抗測定結果を、透明導電体のシート抵抗も併せて表2に示す。
Figure 2007149966
Figure 2007149966
また、以上のようにして作製したAlGaInP系発光素子(実施例3、実施例4および比較例2)について、オーミック接続を目的とした透明導電体の熱処理前後の比抵抗測定結果を表3に示す。
また、作製したAlGaInP系発光素子の透明導電体と金属薄膜電極を介した半導体層間の接触抵抗測定結果を、透明導電体のシート抵抗も併せて表4に示す。
Figure 2007149966
Figure 2007149966
以上の結果より、蒸着法によるITO膜上に耐熱性の高いFTO膜を形成したことにより、接触抵抗を従来と同等レベル未満とした上で、p型電極基板側の透明導電膜の比抵抗を熱処理前と同等に維持することができた。この結果、従来のITO膜単独の場合と比較して、比抵抗で約1/10未満に低減することが可能となった。また、蒸着法ITO上にSPD法によるITO膜を形成し、その上にFTO膜を形成したことによって、シート抵抗は70〜80%低減した。
FTO膜の形成による抵抗低減の結果として、発光効率がGaN系発光素子で30%、AlGaInP系発光素子で25%向上した。さらに、SPD法によるITO膜積層によるシート抵抗低減により、発光効率がGaN系発光素子で30→32%、AlGaInP系発光素子で25→28%に向上した。
今回評価した発光素子チップは0.4mm角であり、チップサイズが大きくなるほどこの効果は大きくなると考えられる。
<実施例5〜実施例7>
実施例5〜実施例7では、透明導電体において、膜厚を2nm、5nm、10nmと変えて蒸着法ITO膜を形成し、該ITO膜の上に膜厚100nmのFTO膜をSPD法により成膜して発光素子を作製した。
このようにして作製した発光において、透明導電体の熱処理前後における接触抵抗変化を表5に示す。これにより、ITO膜の膜厚は5nm以上とする必要があると考えられる。
Figure 2007149966
本発明で特徴となる半導体発光素子の構造は、液晶表示素子や太陽電池に代表される光電変換素子における性能向上に有効である。
本発明に係る半導体発光素子の一実施形態を示す断面図である。 熱処理温度と透明導電膜の抵抗変化を示すグラフである。 本発明に係る半導体発光素子の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る半導体発光素子の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る半導体発光素子の他の実施形態を示す断面図である。 熱処理温度とITO膜の抵抗変化を示すグラフである。
符号の説明
1 発光素子、5 第一導電型層、6 発光部、7 第二導電型層、9 最下層、10 上層、11透明導電体。

Claims (11)

  1. 発光部を介して第一導電型層と第二導電型層を配してなる積層体と、
    該積層体上に設けた透明導電体とを備える発光素子であって、
    前記透明導電体は、真空蒸着法により形成された最下層と、該最下層上にスプレー熱分解法により形成された上層とから構成され、該上層のうち少なくとも1層は、前記最下層よりも耐熱性が高いことを特徴とする発光素子。
  2. 前記最下層は、スズ添加インジウム膜であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記上層は、フッ素添加酸化スズ膜であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  4. 前記上層の粒径は、前記最下層の粒径に比べて大きいことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  5. 前記最下層と前記上層を被覆する最上層との間には、該最上層よりも比抵抗の小さな中間層が少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の発光素子。
  6. 前記中間層は、スズ添加インジウム膜であることを特徴とする請求項5に記載の発光素子。
  7. 発光部を介して第一導電型層と第二導電型層を配してなる積層体と、該積層体上に設けた透明導電体とを備え、前記透明導電体は、最下層と、該最下層上に設けられた上層とから構成され、該上層のうち少なくとも1層は、前記最下層よりも耐熱性が高い発光素子の製造方法であって、
    前記最下層の形成には真空蒸着法を、前記上層の形成にはスプレー熱分解法をそれぞれ用いることを特徴とする発光素子の製造方法。
  8. 前記最下層として、スズ添加インジウム膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記上層として、フッ素添加酸化スズ膜を形成することを特徴とする請求項7または8に記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記最下層と前記上層を被覆する最上層との間には、該最上層よりも比抵抗の小さな中間層を少なくとも1層以上形成することを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記中間層として、スズ添加インジウム膜を形成することを特徴とする請求項10に記載の発光素子の製造方法。
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