JP2007147431A - 放射線像変換パネル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性を向上しながも、高い鮮鋭性及びコントラストを有する放射線像変換パネル及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】支持体上に、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層及びアクリル系樹脂を含有する保護層を有することを特徴とする放射線像変換パネル。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線像変換パネル及びその製造方法に関する。
従来、放射線画像を得るために銀塩を使用した、いわゆる放射線写真法が利用されているが、銀塩を使用しないで放射線画像を画像化する方法が開発されている。即ち、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体をある種のエネルギーで励起してこの蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化する方法が開示されている。
具体的な方法としては、米国特許第3,859,527号に、支持体上に輝尽性蛍光体層を設けたパネルを用い、励起エネルギーとして可視光線及び赤外線の一方または両方を用いる放射線画像変換方法が知られている。
放射線像変換パネルを使用した放射線像変換方式の優劣は、放射線像変換パネルの輝尽性発光輝度(感度ともいう)及び得られる画像の鮮鋭性に大きく左右され、特に、これらの特性に対しては、用いる輝尽性蛍光体の特性が大きく影響を与える。
高鮮鋭性の放射線画像変換パネルを得る試みの1つとして、例えば特許文献3には気相堆積法によって支持体上に、支持体の方線方向に対し一定の傾きをもった細長い柱状結晶を形成した蛍光体層を有する放射線画像変換パネルが記載されている。
これらの蛍光体層の形状をコントロールする方法は、いずれも蛍光体層を柱状とすることで、輝尽励起光または輝尽発光の横方向への拡散を抑える(柱状結晶界面において反射を繰り返しながら支持体面まで到達する)ことができ、また、気相堆積法による蛍光体層は、従来塗布による方法ではバインダー等の発光に寄与しない成分を含んでいたがこれがないため、輝尽発光による画像の鮮鋭性を著しく増大させることができるという特徴がある。
しかし、気相堆積法によって柱状結晶を形成した蛍光体層の表面は、結晶成長に伴って発生した凹凸があり、入射輝尽性励起光が反射、散乱されて輝尽性蛍光体への入射効果が低下し、さらに、輝尽性蛍光体内で入射光が広がり鮮鋭性が低下する。
このため、特許文献4には粒子性の研磨材を用いて蛍光体層表面を研磨する方法、特許文献5には蛍光体層表面の凹凸をスポンジやフェルトを用いて機械的に削って、均一膜厚に研磨する方法が開示されている。
しかし、これらの方法は、研磨で比較的長い周期の凹凸が生じ、蛍光体層内に比較的大きな研磨材の粒子が混入し蛍光体層の光学的品質を低下させる、また、柱状結晶を傷付け、画像欠け等の画質劣化の恐れがある。
また、放射線像変換パネルには、得られる放射線画像の画質を劣化させることなく長期間の使用に耐える性能を付与することが望ましい。しかし、放射線像変換パネルの製造に用いられる輝尽性蛍光体、特に気相堆積法により形成した輝尽性蛍光体は吸湿性が大であり、通常の気候条件の室内に放置すると空気中の水分を吸収し、時間の経過と共に著しく劣化する。
具体的には、例えば輝尽性蛍光体を高湿度の下に置くと、吸収した水分の増大に伴って輝尽性蛍光体の放射線感度が低下する。また、一般には、輝尽性蛍光体に記録された放射線画像の潜像は、放射線照射後の時間の経過に伴って退行するため、再生される放射線画像信号の強度は、放射線照射から励起光による走査までの時間が長いほど小さくなるという性質を有するが、輝尽性蛍光体が吸湿すると前記潜像退行の速さが加速する。そのため、吸湿した輝尽性蛍光体を有する放射線像変換パネルを用いると、放射線画像の読取り時に再生信号の再現性が低下する。
一方、放射線像変換パネルの耐湿性を向上させるために、保護層を設けることは知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
放射線像変換パネルの励起光の光源としては、一般に、ビーム収束性の高いレーザ光が用いられるが、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等の高分子フィルムからなる保護層を介してレーザ光で走査された場合、保護層フィルム内部での励起レーザ光の散乱や、放射線像変換パネルの周縁部、あるいは放射線像変換パネルを支持するように設けられた支持板、さらには放射線像変換パネルを搬送し、読み取るように設けられた放射線画像読み取り装置における励起レーザ光の乱反射を生じることがある。その乱反射した励起光は、放射線像変換パネル面上で励起光を走査しながら順次照射し読み取りを行う際に、励起光を照射し輝尽発光を放出させた場所から離れた場所の輝尽性蛍光体面をも励起させ、輝尽発光を放出させるために、その結果として得られる画像の鮮鋭性及びコントラストの低下が起こるという問題があり、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を十分に発揮できない場合があった。
特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムは、透明性、バリア性、強さの面で保護層として優れた物性を有するにも関わらず、屈折率が大であるために、保護フィルム内部に入射した励起光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して走査された場所から離れた場所まで伝搬し、輝尽発光を放出させ鮮鋭性、及びコントラストが低下する。また、保護層内部、及び保護層の界面で伝搬した励起光は放射線像変換パネル周縁部で反射、及び散乱して輝尽発光を放出させ、鮮鋭性及びコントラストが低下する。さらに、保護層の上下の界面で蛍光体面と反対方向に反射された励起光も、光検出装置間や周辺部材で再反射して走査された場所からさらに遠く離れた場所の輝尽性蛍光体面を励起させ輝尽発光を放出させるため、さらに鮮鋭性及びコントラストが低下する。励起光は赤から赤外の長波長のコヒーレントな光であるために、積極的に散乱光や反射光を吸収しない限り、保護フィルム内部や読み取り装置内部の空間で吸収される量は少なく離れた場所まで伝搬し、鮮鋭性及びコントラストを悪化する。
また、励起光が照射された輝尽性蛍光体からの輝尽性発光の一部が、保護フィルム内部で吸収あるいは反射されることで、鮮鋭性及びコントラストが低下し、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を十分に発揮できない場合があった。
上述の鮮鋭性あるいはコントラストの悪化を防止するためには、保護フィルムを薄くし、保護フィルム内部での励起光の伝搬距離を短くする方法が考えられるが、その作用とは別に保護層の薄膜化による防湿性や耐傷性の低下が問題となる。
特開平8−43598号公報 特開2002−98799号公報 特開2002−72381号公報 独国特許出願公開第2,832,141号明細書 特表2004−537646号公報
本発明の目的は、耐水性を向上しながも、高い鮮鋭性及びコントラストを有する放射線像変換パネル及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
1.支持体上に、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層及びアクリル系樹脂を含有する保護層を有することを特徴とする放射線像変換パネル。
2.前記保護層が、紫外線硬化性または熱硬化性であることを特徴とする1に記載の放射線像変換パネル。
3.前記保護層が、ポリ尿素を含有することを特徴とする1または2に記載の放射線像変換パネル。
4.前記保護層の表面粗さが0.1〜1μmであることを特徴とする1〜3の何れか1項に記載の放射線像変換パネル。
5.前記輝尽性蛍光体が、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体であることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
一般式(1) M1X・aM2X′・bM3X″:eA
(式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。)
6.前記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体が、下記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体であることを特徴とする5に記載の放射線像変換パネル。
一般式(2) CsX:A
(式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、GaまたはCeを表す。)
7.放射線像変換パネルの製造方法において、支持体上に、下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の柱状結晶を含有する輝尽性蛍光体層を形成する工程と、前記輝尽性蛍光体層上に、紫外線硬化性のアクリル系樹脂を含有する保護層を形成する工程と、輝尽性蛍光体の紫外線吸収極大波長の光を吸収するフィルターを用いて紫外線光照射し、前記保護層を硬化する工程とを含むことを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
一般式(1) M1X・aM2X′・bM3X″:eA
(式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。)
本発明によれば、アクリル系樹脂を含有する保護層を設けることにより、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する輝度及び耐湿性が向上した放射線像変換パネルにおいて、耐水性を向上しながらも、高い鮮鋭性及びコントラストを有することができる。
本発明者は鋭意検討の結果、支持体上に、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層及びアクリル系樹脂を含有する保護層を有する放射線像変換パネルにより、輝度及び耐湿性の向上した放射線画像変換パネルが得られることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔支持体〕
本発明の放射線像変換パネルに用いられる支持体としては、各種のガラス、高分子材料、炭素繊維強化樹脂(CFRP)、金属等が用いられる。例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラス等の板ガラス、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、発泡ポリイミドまたは発泡ポリアクリル系樹脂の両側を炭素繊維強化樹脂で被覆した複合樹脂フィルム、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シートまたは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートが挙げられる。中でもアルミニウムを主成分とする金属基板またはガラスが好ましい。これら支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
また、支持体と輝尽性蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支持体の表面に予め接着層を設けてもよい。これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80〜4000μmであり、取り扱い上の観点からさらに好ましいのは80〜1000μmである。
また、支持体の分光吸収特性が、短波長側(370〜500nm)よりも長波長側(600〜700nm)の吸光度が、短波長側に対して1.1〜10.0倍であり、より好ましくは1.5〜5.0倍であることが好ましい。支持体の分光吸収特性を、上記のように設定するには、支持体作製時に色素を添加することにより達成することができる。
支持体作製時に用いることのできる色素としては、例えば、特開昭47−30330号、同56−5552号公報記載のペリレン顔料、特開昭47−30331号公報等に記載のキナクリドン顔料、特開昭47−18543号公報記載のビスベンズイミダゾール顔料、特開昭47−18544号、同55−98754号、同55−126254号、同55−163543号公報に記載の芳香族多縮合環化合物、特公昭44−16373号、同48−30513号、特開昭56−321465号公報等に記載のアゾ顔料、特公昭50−7434号、特開昭47−37548号、同55−11715号、同56−1944号、同56−9752号、同56−2352号、同56−80050号公報等に記載のジスアゾ顔料、特公昭44−12671号、同40−2780号、同52−1667号、同46−30035号、同49−17535号、特開昭49−11136号、同49−99142号、同51−109841号、同57−148745号公報等に記載のフタロシアニン顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは二種以上を併用して用いることができる。これらの化合物の中では、フタロシアニン化合物が、波長域の点から好ましい。また、本発明においては、顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
〔保護層〕
本発明は、柱状結晶の輝尽性蛍光体(以下、単に蛍光体ともいう)を含有する輝尽性蛍光体層(以下、単に蛍光体層ともいう)上にアクリル系樹脂を含有する保護層を有することを特徴としている。
前述のように気相堆積法により形成した輝尽性蛍光体は吸湿性が大であり、通常の気候条件の室内に放置すると空気中の水分を吸収し、性能が劣化する。堆積法により形成した吸湿性の高い柱状結晶の蛍光体を覆うように蒸着されたアクリル系樹脂を含有する保護層は、水分を含む空気と蛍光体を直接接触させず、防湿性を向上させる。
また、後述する紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂を加えて保護層を紫外線硬化性または熱硬化性とすることにより、保護層の吸湿性が低下し、耐湿性がさらに向上する。保護層に後述するポリ尿素を含有させると同様の理由で耐湿性が向上する。
アクリル系樹脂を含有する保護層を設けることにより輝度が向上する理由については明確ではないが、堆積法により形成した柱状結晶の蛍光体を覆うように蒸着されたアクリル系樹脂を含有する保護層は、気相堆積法によって柱状結晶を形成した蛍光体層の表面の凹凸を平らにし、入射輝尽性励起光が反射、散乱されて輝尽性蛍光体への入射効果が低下するのを防ぐためと推定している。
(アクリル系樹脂)
アクリル系樹脂とは、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体で透明性の高い非晶質の合成樹脂で、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等の他、アクリルアミドやアクリロニトリル、スチレン等の他のモノマとの共重合体も含まれる。また、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルはラジカル重合し、アクリル系樹脂となることから、アクリル系樹脂源としてモノマーを用い、保護層を形成した後、重合してアクリル系樹脂としてもよい。
アクリル系樹脂の単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル系モノマーが挙げられる。この中でも特にスチレンとブチル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
アクリル系樹脂の合成においては第三のビニル化合物を共重合させることもできる。第三のビニル化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル等の酸モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン等が挙げられる。
アクリル系樹脂は、共重合成分としてさらに多官能ビニル化合物を含有してもよい。多官能ビニル化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のジアクリレート、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三級以上のアルコールのジアルリレート、トリアクリレート、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三級以上のアルコールのジメタクリレート、トリメタクリレート等が挙げられる。
本発明に使用されるアクリル系樹脂の最大ピーク分子量としては、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値として、通常7000〜20万、好ましくは2〜15万、より好ましくは3〜10万である。分子量ピークは二つ以上あってもよいが単一ピークの方が好ましい。分子量分布のピークが肩を有していてもよく、高分子量側にテーリングしていてもよい。
(熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂)
本発明においては、保護層が、熱または紫外線光により硬化されることが、放射線変換パネルの高い耐水性及び機械的強度を得る上で好ましい。
熱による保護層の硬化を行うためには、アクリル系樹脂に加えて、保護層に熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂とは、合成樹脂の内、加熱して成形する際に硬化するものを指し、本発明の熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、スピラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、尿素樹脂及びアクリル系樹脂が好ましいものである。また無機系樹脂の例として、コロイダルシリカ、シリコーンモノマーを加水分解してから重合させるもの等が挙げられる。これらの中から選ばれた1種類以上の成分を混合して使用するが、必要に応じて各種硬化剤、カップリング剤等を適量添加して用いると効果的である。
紫外線による保護層の硬化を行うためには、アクリル系樹脂に加えて、保護層に紫外線硬化樹脂を含有する。紫外線硬化樹脂とは、紫外線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。紫外線硬化樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂または紫外線硬化型エポキシ樹脂等あげられるが、アクリルを主成分とした、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂等が好ましい。
具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させる容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させる容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
これらの光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及び誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。
上記光反応開始剤は光増感剤としても使用できる。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
本発明において使用し得る市販品の紫外線硬化樹脂としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、紫外線ECRYL29201、紫外線ECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製);TB3080、TB3042、TB3078B(スリーボンド社製);NOA61(SAN EI TECH社製)等を適宜選択して利用できる。
紫外線硬化樹脂を光硬化反応により硬化させるための光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm2程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cm2である。近紫外線領域〜可視光線領域にかけては、その領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって効率よく形成することができる。
(ポリ尿素)
本発明に用いられるポリ尿素について説明する。
ポリ尿素とは主鎖の繰り返し単位中に尿素結合を有する高分子化合物である。ポリ尿素は、ジイソシアネート、炭酸エステル、尿素、硫化カルボニル、ジウレタンまたはα,ω−ジ尿素とジアミン等から合成される。代表的な合成法は、下記一般式(3)、(4)で表されるジアミンと下記一般式(5)で表されるジイソシアネートから合成する方法である。
一般式(3)
2NR1NH2
(式中、R1は2値の連結基を表す。)
Figure 2007147431
(式中、R2は2値の連結基を表し、Zは5〜6員の含窒素複素環を形成するに必要な原子群である。)
一般式(5)
O=C=NR3N=C=O
(式中、R3は2値の連結基を表す。)
1、R2、R3としては、炭素数2〜15のポリメチレン基、フェニレン基等が挙げられる。一般式(3)〜(5)で表される化合物は市販されており容易に入手することができる。R1、R2、R3が炭素数3以下のものから得られるポリ尿素は熱安定性が悪く、炭素数4以上が好ましい。
本発明に好ましく用いられるポリ尿素の例を以下に挙げる。
Figure 2007147431
Figure 2007147431
蒸着源としてポリ尿素を用いることができるが、蒸着後に重合してポリ尿素となるジイソシアネート、炭酸エステル、尿素、硫化カルボニル、ジウレタンまたはα,ω−ジ尿素等とジアミンの二つの蒸着源を用いることもできる。本発明においては、後者(蒸着重合法)が好ましい。蒸着重合法では、蒸着後、加熱処理、プラズマ処理、電子線照射または紫外線照射して重合反応を完結させ、蛍光体に強く固定することが好ましい。ジイソシアネート、炭酸エステル、尿素、硫化カルボニル、ジウレタン、α,ω−ジ尿素等の中では、ジアミンとの重合が比較的低温でも迅速に反応し重合度の高いポリ尿素が得られることからジイソシアネートが好ましい。
(色素)
本発明においては、支持体を反射性支持体とし、保護層には輝尽発光成分(輝尽性蛍光体の発光波長域は300〜500nm)はほとんど吸収せず、余分な励起光成分(500〜900nm、特に600〜800nm)を吸収する色素を含有させ、着色する形態が好ましい。このときの色素の添加量で感度、鮮鋭度、粒状性等の特性は変わり、保護層中の色素とポリ尿素の質量比としては、膜厚にもよるが0.01:99.99〜0.1:99.9であり、0.03:99.97〜0.09:99.91がより好ましい。
本発明の放射線像変換パネルに使用される色素は、蛍光体の励起光波長領域における平均吸収率が、輝尽発光波長領域における平均吸収率よりも大きいような吸収特性を有するものが好ましい。
従って、いかなる色素を使用するかは放射線像変換パネルに使用する蛍光体の種類によって決まる。以下に述べるように、500〜900nmの励起光によって300〜500nmの輝尽発光を示す蛍光体を使用するのが実用上は望ましいが、このような蛍光体に対しては、励起光波長領域における平均反射率が輝尽発光波長領域における平均反射率よりも小さくなり、かつ、両者の差ができるだけ大きくなるように、有機系あるいは無機系色素のいずれも使用することができる。
青色〜緑色の有機系色素の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブルーNo.603(オリエント(株)製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和産業(株)製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系色素の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。青色〜緑色の有機系色素として、フタロシアニンが好ましい。フタロシアニンの中では、金属フタロシアニン系等の有機金属錯塩色素、中でも、銅フタロシアニン系有機金属錯塩色素が最も好ましい。
(保護層形成方法)
アクリル系樹脂等を含有する保護層は塗布法や蒸着法により設けることができるが、蒸着法により設けることが好ましい。
堆積法により形成した柱状結晶の蛍光体を覆うように蒸着された保護層は、蛍光体層の防湿性と耐擦過性を向上させ、蛍光体層にクラックが入ったり、剥離を起こしたりするのを防止する上で重要であり、励起光の拡散を防ぎ、前記記載したように、放射線像変換パネルを用いた画像診断システムにおいて、耐水性及び輝度の画像を得ることができる。
蒸着法では、保護層成分の蒸着順を変更することができ、例えば、色素をアクリル系樹脂より先に蒸着することにより、色素より量の多いアクリル系樹脂が柱状結晶の先端側(支持体から遠い側)を被覆して、柱状結晶の奥側(支持体に近い側)への色素蒸着量が減少し、励起光の拡散防止効果が減少するのを防ぐことができる。
保護層の膜厚は、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましく、0.1〜2μmがさらに好ましい。蒸着の加熱温度は100〜300℃が好ましい。蒸着時の真空度は後述する蛍光体層を形成する蒸着法と同等である。
支持体上に、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層及びアクリル系樹脂を含有する保護層を有する放射線像変換パネルの製造方法においては、保護層が紫外線硬化性であり、輝尽性蛍光体の紫外線吸収極大波長の光を吸収するフィルターを用いて紫外線光照射し、保護層を硬化することが好ましい。この製法により、紫外線光照射による輝尽性蛍光体の劣化を抑制することができる。
(表面粗さ)
保護層の表面粗さは0.1〜1μmであることが好ましい。本発明で表面粗さとはJIS−B−0601により定義される表面粗さRa(平均表面粗さ)をいう。測定装置としては、例えば、触針法やレーザ干渉測長法といった周知の表面粗さ測定法で測定することができる。
この表面粗さを得るためには保護層に微粒子を添加することが好ましい。このような微粒子としては、有機化合物ではメラミン、PMMA等の樹脂微粒子、無機化合物としては酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、クレー、シリカ、タルク、雲母等が挙げられる。分散性の点からシリカが好ましく、特に吸油量(比表面積、嵩比重)が大きいものほど好ましい。添加量は通常、保護層の全固形分に対し0.1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%である。
〔輝尽性蛍光体〕
次に、本発明に好ましく用いられる前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体について説明する。
前記一般式(1)において、M1はLi、Na、K、Rb及びCs等の各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子を表し、中でもRb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子が好ましく、さらに好ましくはCs原子である。
2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNi等の各原子から選ばれる少なくとも1種の二価の金属原子を表し、中でも好ましく用いられるのはBe、Mg、Ca、Sr及びBa等の各原子から選ばれる二価の金属原子である。
3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価の金属原子を表し、中でも好ましく用いられるのはY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びInの各原子から選ばれる三価の金属原子である。
AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子である。
X、X′及びX″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲンで原子を表すが、蛍光体の輝尽発光輝度向上の観点から、F、Cl及びBrから選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が好ましく、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子がさらに好ましい。
前記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体は、下記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体であることが好ましい。
一般式(2)
CsX:A
(式中、XはBrまたはIを表し、Brが好ましい。AはEu、In、GaまたはCeを表し、Euが好ましい。)
前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体は、例えば以下に述べる製造方法により製造される。
まず蛍光体原料として、以下の組成となるように炭酸塩に酸(HI、HBr、HCl、HF)を加え混合攪拌した後、中和点にて濾過を行い得られた後、ろ液の水分を蒸発気化させて以下の結晶を作製する。
蛍光体原料としては、
(a)NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr及びCsIから選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
(b)MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、SrF2、SrCI2、SrBr2、SrI2、BaF2、BaCl2、BaBr2、BaBr2・2H2O、BaI2、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、CdF2、CdCl2、CdBr2、CdI2、CuF2、CuCl2、CuBr2、CuI、NiF2、NiCl2、NiBr2及びNiI2の化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
(c)前記一般式(1)において、Eu、Tb、In、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMg等の各原子から選ばれる金属原子を有する化合物が用いられる。
(d)賦活剤Aは、例えばEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子が用いられる。
一般式(1)で表される化合物において、aは0≦a<0.5、好ましくは0≦a<0.01、bは0≦b<0.5、好ましくは0≦b≦10-2、eは0<e≦0.2、好ましくは0<e≦0.1である。
上記の数値範囲の混合組成になるように前記(a)〜(d)の蛍光体原料を秤量し、純水にて溶解する。
この際、乳鉢、ボールミル、ミキサーミル等を用いて充分に混合してもよい。
次に、得られた水溶液のpH値を0〜7に調整するように所定の酸を加えた後、水分を蒸発、気化させる。
次に、得られた原料混合物を石英ルツボあるいはアルミナルツボ等の耐熱性容器に充填して電気炉中で焼成を行う。焼成温度は500〜1000℃が好ましい。焼成時間は原料混合物の充填量、焼成温度等によって異なるが、0.5〜6時間が好ましい。
焼成雰囲気としては少量の水素ガスを含む窒素ガス雰囲気、少量の一酸化炭素を含む炭酸ガス雰囲気等の弱還元性雰囲気、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気あるいは少量の酸素ガスを含む弱酸化性雰囲気が好ましい。
なお、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼成物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後、焼成物粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と同じ焼成条件で再焼成を行えば蛍光体の発光輝度をさらに高めることができ、また、焼成物を焼成温度より室温に冷却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で放冷することによっても所望の蛍光体を得ることができるが、焼成時と同じ、弱還元性雰囲気もしくは中性雰囲気のままで冷却してもよい。また、焼成物を電気炉内で加熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性雰囲気もしくは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、得られた蛍光体の輝尽による発光輝度をより一層高めることができる。
〔蛍光体層の形成〕
また、本発明の輝尽性蛍光体層は気相成長法によって形成される。
輝尽性蛍光体の気相成長法としては蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、その他があるが、本発明においては蒸着法を用いる。
蒸着法は、まず、支持体を蒸着装置内に設置した後、装置内を排気して1.33×10-4Pa程度の真空度とする。
次いで、前記輝尽性蛍光体の少なくとも一つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させて支持体表面に蛍光体を所望の厚さに成長させる。
この結果、結着剤を含有しない蛍光体層が形成されるが、蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
また、蒸着工程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
蒸着終了後、必要に応じて蛍光体層の支持体側とは反対の側に前記保護層を設けることにより本発明の放射線像変換パネルが製造される。
さらに、前記蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて被蒸着体(支持体)を冷却あるいは加熱してもよい。
また、蒸着終了後、蛍光体層を加熱処理してもよい。また、前記蒸着法においては必要に応じてO2、H2等のガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行ってもよい。
気相成長における輝尽性蛍光体層の成長速度は0.05〜300μm/分であることが好ましい。成長速度が0.05μm/分未満の場合には本発明の放射線像変換パネルの生産性が悪く好ましくない。また成長速度が300μm/分を越える場合には成長速度のコントロールがむずかしい。
放射線像変換パネルを、前記の蒸着法により得る場合には、結着剤が存在しないので輝尽性蛍光体の充填密度を増大でき、感度、解像力の上で好ましい放射線像変換パネルが得られる。
蛍光体層の膜厚は、放射線像変換パネルの使用目的によって、また蛍光体の種類により異なるが、本発明の効果を得る観点から50μm〜1mmであり、好ましくは50〜300μmであり、さらに好ましくは100〜300μmであり、特に好ましくは、150〜300μmである。
上記の気相成長法による蛍光体層の作製にあたり、蛍光体層が形成される支持体の温度は100℃以上に設定することが好ましく、さらに好ましくは150℃以上であり、特に好ましくは150〜400℃である。
また、高鮮鋭性を示す放射線像変換パネルを得る観点から、本発明の蛍光体層の反射率は20%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。なお、上限は100%である。
〔結着剤等の充填物〕
また、柱状結晶間の間隙に結着剤等の充填物を充填してもよく、蛍光体層の補強となるほか、高光吸収の物質、高光反射率の物質等を充填してもよく、これにより補強効果をもたせるほか、蛍光体層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有効である。
高反射率の物質とは、輝尽励起光に対する反射率の高い物質のことをいい、例えば、アルミニウム、マグネシウム、銀、インジウム、その他の金属等、白色顔料及び緑色〜赤色領域の色材を用いることができる。白色顔料は輝尽発光も反射することができる。
白色顔料としては、例えば、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの各原子から選ばれるの少なくとも一種の原子であり、XはCl原子またはBr原子である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸塩、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウム等が挙げられる。
これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線像変換パネルの感度を顕著に向上させることができる。
また、高光吸収率の物質としては、例えば、カーボンブラック、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄等及び青の色材が用いられる。このうちカーボンブラックは輝尽発光も吸収する。
また、色材は、有機または無機系色材のいずれでもよい。
有機系色材としては、例えば、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。
また、カラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材も挙げられる。
無機系色材としては群青、例えば、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系等の無機顔料が挙げられる。
図1は、本発明の放射線像変換パネルを用いた撮影システムの一例を示す概略図である。
図1において21は放射線発生装置、22は被写体、23は輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネル、24は放射線像変換パネル23の放射線潜像を輝尽発光として放出させるための輝尽励起光源、25は放射線像変換パネル23より放出された輝尽発光を検出する光電変換装置、26は光電変換装置25で検出された光電変換信号を画像として再生する画像再生装置、27は再生された画像を表示する画像表示装置、28は輝尽励起光源24からの反射光をカットし、放射線像変換パネル23より放出された光のみを透過させるためのフィルタである。
なお、図1は被写体の放射線透過像を得る場合の例であるが、被写体22自体が放射線を放射する場合には、前記放射線発生装置21は特に必要ない。
また、光電変換装置25以降は放射線像変換パネル23からの光情報を何らかの形で画像として再生できるものであればよく、前記に限定されない。
図1に示されるように、被写体22を放射線発生装置21と放射線像変換パネル23の間に配置し放射線Rを照射すると、放射線Rは被写体22の各部の放射線透過率の変化に従って透過し、その透過像RI(即ち、放射線の強弱の像)が放射線像変換パネル23に入射する。
この入射した透過像RIは放射線像変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収され、これによって輝尽性蛍光体層中に吸収された放射線量に比例した数の電子及び/または正孔が発生し、これが輝尽性蛍光体のトラップレベルに蓄積される。
即ち、放射線透過像のエネルギーを蓄積した潜像が形成される。次にこの潜像を光エネルギーで励起して顕在化する。
また、輝尽励起光源24によって輝尽性蛍光体層に照射してトラップレベルに蓄積された電子及び/または正孔を追い出し、蓄積されたエネルギーを輝尽発光として放出させる。
この放出された輝尽発光の強弱は蓄積された電子及び/または正孔の数、すなわち放射線像変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収された放射線エネルギーの強弱に比例しており、この光信号を、例えば、光電子増倍管等の光電変換装置25で電気信号に変換し、画像再生装置26によって画像として再生し、画像表示装置27によってこの画像を表示する。
画像再生装置26は単に電気信号を画像信号として再生するのみでなく、いわゆる画像処理や画像の演算、画像の記憶、保存等ができるものを使用するとより有効である。
また、光エネルギーで励起する際、輝尽励起光の反射光と輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発光とを分離する必要があることと、輝尽性蛍光体層から放出される発光を受光する光電変換器は一般に600nm以下の短波長の光エネルギーに対して感度が高くなるという理由から、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光はできるだけ短波長領域にスペクトル分布を持ったものが望ましい。
本発明の輝尽性蛍光体の発光波長域は300〜500nmであり、一方輝尽励起波長域は500〜900nmであるので前記の条件を同時に満たすが、最近、診断装置のダウンサイジング化が進み、放射線像変換パネルの画像読み取りに用いられる励起波長は高出力で、かつ、コンパクト化が容易な半導体レーザが好まれ、そのレーザ光の波長は680nmであることが好ましく、本発明の放射線像変換パネルに組み込まれた輝尽性蛍光体は、680nmの励起波長を用いた時に、極めて良好な鮮鋭性を示すものである。
即ち、本発明の輝尽性蛍光体はいずれも500nm以下に主ピークを有する発光を示し、輝尽励起光の分離が容易でしかも受光器の分光感度とよく一致するため、効率よく受光できる結果、受像系の感度を高めることができる。
輝尽励起光源24としては、放射線像変換パネル23に使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長を含む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学系が簡単になり、また輝尽励起光強度を大きくすることができるために輝尽発光効率をあげることができ、より好ましい結果が得られる。
レーザとしては、例えば、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、N2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビーレーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レーザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe−NeレーザやArイオンレーザのような連続発振のレーザが望ましいが、パネル1画素の走査時間とパルスを同期させればパルス発振のレーザを用いることもできる。
また、フィルタ28を用いずに特開昭59−22046号に示されるような、発光の遅延を利用して分離する方法によるときは、連続発振レーザを用いて変調するよりもパルス発振のレーザを用いる方が好ましい。
上記の各種レーザ光源の中でも、半導体レーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるので特に好ましく用いられる。
フィルタ28としては放射線像変換パネル23から放射される輝尽発光を透過し、輝尽励起光をカットするものであるから、これは放射線像変換パネル23に含有する輝尽性蛍光体の輝尽発光波長と輝尽励起光源24の波長の組合わせによって決定される。
例えば、輝尽励起波長が500〜900nmで輝尽発光波長が300〜500nmにあるような実用上好ましい組合わせの場合、フィルタとしては例えば東芝社製C−39、C−40、V−40、V−42、V−44、コーニング社製7−54、7−59、スペクトロフィルム社製BG−1、BG−3、BG−25、BG−37、BG−38等の紫〜青色ガラスフィルタを用いることができる。また、干渉フィルタを用いると、ある程度、任意の特性のフィルタを選択して使用できる。光電変換装置25としては、光電管、光電子倍増管、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、光導電素子等光量の変化を電子信号の変化に変換し得るものなら何れでもよい。
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
実施例
(放射線像変換パネル1の作製)
〈蛍光体層の形成〉
1mm厚の結晶化ガラス(日本電気ガラス社製)支持体の表面に図2で示した蒸着装置(但し、θ1=5度、θ2=5度に設定する)を用いて輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)を有する輝尽性蛍光体層を形成した。
図2に示した蒸着装置においては、アルミニウム製のスリットを用い、支持体とスリットとの距離dを60cmとして、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸着を行ない、輝尽性蛍光体層の厚みが300μmになるように調整した。
なお、蒸着にあたっては、支持体を蒸着器内に設置し、次いで、蛍光体原料(CsBr:Eu)を蒸着源としてプレス成形し水冷したルツボに入れた。
その後、蒸着器内を一旦排気した後、再度N2ガスを導入し0.133Paに真空度を調整した後、支持体の温度を約150℃に保持しながら蒸着した。輝尽性蛍光体層の膜厚が300μmとなったところで蒸着を終了させ、次いで、この蛍光体層を100℃で加熱処理した。
得られた結晶化ガラス支持体上には、幅約2.5μm、長さ約150μmの柱状結晶の蛍光体が垂直方向に密に林立した構造の蛍光体層(空隙率:2%)が形成されていた。図3の(A)は蛍光体層の断面図を、(B)は蛍光体層の表面図を表す。
〈保護層の形成〉
次に、蛍光体層の上にTB3078B(アクリル系樹脂液、スリーボンド社製)をワイヤーバーで塗布した。この塗布層に、輝尽性蛍光体の紫外線吸収極大波長の光を吸収するフィルターを用いて、メタルハライドランプで紫外線光を照射して硬化処理を行った。照射光量は150mJ/m2、硬化処理後の保護層1の膜厚は約10μm、保護層1の表面粗さは0.1μmであった。
さらに、蒸着器内を一旦排気した後、再度N2ガスを導入し0.001Paに真空度を調整した後、支持体の温度を約150℃に保持しながら保護層1上にポリノナメチレン尿素を蒸着し、保護層2を形成した。保護層2の膜厚は約0.2μm、保護層2の表面粗さは0.1μmであった。以上により放射線像変換パネル1を作製した。
図4は蛍光体先端部に、アクリル系樹脂及びポリノナメチレン尿素からなる保護層が形成されていることを示す蛍光体層の断面図である。蛍光体層表面は凹凸があるが、保護層の表面は凹凸がなく平坦である。
(放射線像変換パネル2の作製)
放射線像変換パネル1の作製において、蛍光体層を形成した後、保護層を形成せずに、特表2004−537646号明細書に記載の方法で、蛍光体層表面の凹凸をスポンジを用いて機械的に削って凹凸をなくし、放射線像変換パネル2を作製した。
(放射線像変換パネル3の作製)
放射線像変換パネル1の作製において、保護層を形成せずに、放射線像変換パネル3を作製した。
(放射線像変換パネル4の作製)
放射線像変換パネル1の作製において、蛍光体層を形成した後、下記保護層用塗布液を、ドクターコータで被覆厚が5μmとなるように塗布した。この塗布層に、出力80W/cmの高圧水銀灯により10秒間紫外線を照射し、完全に硬化させて保護層を形成し、放射線像変換パネル4を作製した。
〈保護層用塗布液〉
ビスフェノールAグリシジルエーテル 75質量%
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート 18質量%
トリアリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン塩 7質量%
(放射線像変換パネルの評価)
以上のようにして作製した各放射線像変換パネルを、以下に示す方法に従って輝度及び耐水性の評価を行った。その結果を表1に示す。
〈輝度〉
輝度の測定は放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を10mAsで***線源とプレート間距離2mで照射した後、Regius350に放射線画像変換パネルを設置して読み取った。得られたフォトマルからの電気信号から輝度を求めた。輝度は放射線像変換パネル3の輝度を100とする相対値で表す。なお、高輝度の得られる放射線画像変換パネルほど鮮鋭性に優れていることが経験的に知見されている。
〈耐水性〉
放射線画像変換パネルを、40℃、90%RH環境下で5日間の強制劣化処理(強制劣化処理パネル)を施した後、未処理の放射線画像変換パネル(基準パネル)とともに、以下に示す方法で感度測定を行った。
感度の測定は、強制劣化処理有無の各放射線画像変換パネルについて、管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザ光(633nm)で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定して、これを感度と定義し、基準パネルに対する強制劣化処理パネルの感度劣化率を算出し、下記の基準に則りランク付けを行った。
◎:感度劣化率が5%未満
○:感度劣化率が5〜10%未満
△:感度劣化率が10〜20%未満
×:感度劣化率が20%以上
上記ランクにおいて、△以上であれば、実用上問題ない。
評価の結果を表1に示す。
Figure 2007147431
表1から、本発明の構成からなる保護層を有する放射線画像変換パネルは、比較品に対し、耐湿性及び鮮鋭性に優れていることが分かる。
本発明の放射線像変換パネルを用いた撮影システムの一例を示す概略図である。 蒸着により支持体上に輝尽性蛍光体層を作製する方法の一例を示す概略図である。 輝尽性蛍光体層の断面図(A)及び輝尽性蛍光体層の表面図(B)である。 蛍光体先端部に、アクリル系樹脂及びポリノナメチレン尿素からなる保護層が形成されていることを示す蛍光体層の断面図である。
符号の説明
11 支持体
12 輝尽性蛍光体層
13 柱状結晶
14 柱状結晶間に形成された間隙
15 支持体ホルダ
21 放射線発生装置
22 被写体
23 放射線像変換パネル
24 輝尽励起光源
25 光電変換装置
26 画像再生装置
27 画像表示装置
28 フィルタ

Claims (7)

  1. 支持体上に、柱状結晶の輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層及びアクリル系樹脂を含有する保護層を有することを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 前記保護層が、紫外線硬化性または熱硬化性であることを特徴とする請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 前記保護層が、ポリ尿素を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の放射線像変換パネル。
  4. 前記保護層の表面粗さが0.1〜1μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放射線像変換パネル。
  5. 前記輝尽性蛍光体が、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線像変換パネル。
    一般式(1) M1X・aM2X′・bM3X″:eA
    (式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。)
  6. 前記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを母体とする輝尽性蛍光体が、下記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項5に記載の放射線像変換パネル。
    一般式(2) CsX:A
    (式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、GaまたはCeを表す。)
  7. 放射線像変換パネルの製造方法において、支持体上に、下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の柱状結晶を含有する輝尽性蛍光体層を形成する工程と、前記輝尽性蛍光体層上に、紫外線硬化性のアクリル系樹脂を含有する保護層を形成する工程と、輝尽性蛍光体の紫外線吸収極大波長の光を吸収するフィルターを用いて紫外線光照射し、前記保護層を硬化する工程とを含むことを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
    一般式(1) M1X・aM2X′・bM3X″:eA
    (式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。)
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