JP2007138327A - 被服上衣の構造 - Google Patents

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Shunji Koike
俊二 小池
Junya Fujishiro
純也 藤代
Fukutake Nakayama
副武 中山
Haruhiko Maruyama
治彦 丸山
Yoshinori Matsuzaki
吉則 松崎
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Abstract

【課題】従来の被服上衣での衿部の折り返しによる多層構造を、衿部と身頃の重合部分を裁断除去し一体化させた構成とし、外観視認上も見た目には変らず、衿部の保形維持と嵩高防止、省資源並びに頸部及び肩圧迫防止を図った被服上衣を提供する。
【解決手段】上衿部では上衿と台腰とのみを前身頃及び下身頃と一体的に縫合し、かつ上衿部の立体的な形状を保持する構成とし、また下衿部では前身頃の前端線の上部領域での身返しと前身頃との重合部分を切欠き裁断して一体的に縫合し、下衿形状の保形維持を可能とした構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は被服上衣の構造に関し、さらに詳しくは従来の被服上衣の衿部と身頃部での重合部分を排除し衿部を身頃と連接縫合し一体化させ、衿部保形状態の維持、省資源、軽量化、洗濯容易かつ頸骨部及び肩部の圧迫感の解消を図り、従来の考え方にとらわれず今迄の被服の形式から脱した被服上衣の構造に関する。
被服上衣は、服飾の変遷に伴って実用性と併せ、装飾的な効果を高める役割も果たすようになっている。従来、被服上衣は着用時における外観上の見栄えや形態を損なわないように、縫製工程においても種々の配慮や手段が講じられている。我が国での洋服文化受容の歴史及びその沿革からみても洋服は定着し、日本でも常服になるに至っている。しかしながら、従来、被服上衣は、着用時における外観上の形態を美しく見せる為、縫製上も種々の配慮や手段がとられているが、実際にこれを着用する場合、着装時に人体に圧迫感や違和感を与えるか、又は運動性を阻害する現象が生ずる。このように、実際に上衣を着用する場合、例えば着装時での頸回りについてみても、ワイシャツ等を着た上に重ねて被服上衣を着用する時、従来の上衿折式での四重にも重なった頸回り箇所では、頸骨部及び肩部に圧迫感は避けられず、一日中上衣着装の職種も少なくなく肩凝り症状の原因ともなっており、この様に被服上衣の着装では特に頸骨部及び肩部の圧迫感や窮屈感を覚えるようなことは屡々経験するところである。しかし上衣を着るとは、このことは当然避けられないとの昔風の諦め観念が支配的であったといって差し支えなく、このような着装時の圧迫感や違和感の為、着装時における上衣の機能性がかなり犠牲にされることも決して少なくない。また、一方、このような被服上衣を着用する室内事務或いはセールス関係者を問わず、近年のビジネス会社では、機能的、かつオールシーズンを通じて着用できる近代的な被服型ユニフォームについてのニーズが高まっている。
ここで、被服上衣での衿部についての提案として、次の3件が挙げられる。
実開平6−61911号公報「背広上衣にある出ぱりのエリをすべてカットして、エリ線を織り込んだ背広上衣。」が記載されている。上記考案は、従来の背広上衣には出ぱりのエリのために車の乗り降りやたくれたり、ひっかかったりして大変困った。このため、出ぱりのあるエリをすべてカットして、背広上衣の一部にエリ線だけ区別した糸でエリ線を織り込んだ背広上衣である。
しかしながら、上衣の出っ張りの襟をカットしたものは周知であり、襟がないと使用目的がきわめて限定される。また色糸の織り込みでは、視認外観で劣り襟本来の風合いが失われる。何れにしても、従来の上衣の持つラペル部(上襟)の特徴が保持されていない。
実開昭62−118105公報「襟なしの背広第1図2の点線の如くベルクロマジックテープ及びファスナー等任意の他の止具を配置配列別個製作した任意の襟を装着別個製作した襟は型状及デザイン色彩図柄生地等を任意製作しこの襟を襟なし背広の本体へ併合任意に取替えられる様にした襟なし背広とその襟の製作任意を要求する男女共通とする大人子供共通とする。」が記載されている。上記公報は、襟をなくした背広の上衣であり、襟の取り外し、襟の着脱を特徴とするものであり、襟の取り外し、任意の襟を装着した図面が記載されている。しかし上記公報では、少なくとも襟部の生地の厚みなどについての知見がない。 特開2002−13017号公報「背広などの衿付きの上着に取り付ける装飾用衿布であって、前記上着の衿の表裏両面に被さって前記衿のシルエットに倣って保形状態に着脱可能とした装飾用衿布」が記載されている。上記公報には、衿に拝絹地等の装飾用衿布を必要に応じて取り付けられるようにした上着に取り付ける装飾用衿布であって、上着の衿の表裏両面に被さって衿のシルエットに倣って帆形状態に着脱可能にした装飾用衿布である。しかしながら、礼装用等の使用目的によって違和感、すなわち着用上も見苦しい難点がある。また、礼装用等で使用取り付ける装飾用衿布は表裏折り曲げの襟布で、さらに取り付けスナップで係合するため複数のスナップが配置されており、その嵩張りは着装上も違和感、圧迫感が妨げとなる。
一般に、被服上衣に要求される機能としては、着用者が日常動作やビジネス行動で着用時の違和感や圧迫感がなく、日常生活上の動作によって人体各部の形態に沿った寸法変化に対応できることが望ましい。しかしながら、被服上衣の場合、静止時のシルエットを見栄えよく見せようとする縫製手段がとられ、着用するときの身体各部、例えば頸回り部位での衿部での四重層の如き嵩高圧迫感や、長時間着用に伴う衣服上衣との摩擦感の発現や肩凝りの原因ともなり、さらに運動性に対する機能性も十分でない。
従来、襟折れ式の上衣の構造では、通常襟折部は表地四重構造であり、また衿なし上衣の場合は二重構造であるが、外観上も衿がない為ステッチワークや切り替え等により見せ衿型とする仕様はあるが視認上も見栄えで劣り且つ平面的で立体感がない欠点があった。
本発明において解決しようとする課題は、従来の被服上衣での衿折れ式の衿部の構造上の問題としては、(1)折り返すことによる多層構造になっており、縫製技術上も最も難度の高い縫製工程になっており、屡々品質不良の要因となっている。(2)多層構造に起因し、従来の衿折れ式の衿部の構造では、着装者の頸回りでの頸椎部及び肩部を圧迫し、肩こり等の身体疲労を発生させており、被服上衣の着用で窮屈な着心地感の原因ともなっている。(3)従来の衿折れ式の衿部の構造では、衿部の着装上の問題として、通常での被服上衣の着用時に、意図せず好むと好まざるとにかかわらず、衿が折り返ったまま着用してしまうことも屡々見受けるか体験してしまう日常的な問題としてある。(4)衿部の着装上の問題として、詰襟制服からブレザー化した学生服では、意図的に衿部を返して乱れた着装を行うことも多く、見苦しさとともに風紀上の問題も存在している。
本発明は、前身頃及び後身頃又は前身頃と連接状態に縫着した上衿部並びに下衿部が形成された被服上衣であって、前記上衿部は上衿と台腰とからなり、前身頃及び下身頃と連接状態に縫合止着し一体化して形成すると共に、下衿部は前身頃と見返しとからなり、該下衿部においては、身返しに対し、前身頃では前端線側の上部領域での該身返しとの重合部分を斜め状となる凸凹突出形状に切欠き裁断し、これらを連接状態に縫合止着し一体化して形成してなり、かつ該下衿部においては、少なくともバッチを着脱可能としたバッチホールを設けた構成からなる被服上衣の構造を提供する。
上記問題点にかんがみ、本発明では、被服上衣の衿部を身頃と連接縫合し身頃と衿部を一体化させた構成とし、視認外観上は従来での折り返し式衿部を備えた被服上衣と格段の差異が認められないとしても、衿部は身頃に一体化しており、かつ保形状態の維持、省資源、軽量化並びに嵩高抑制、洗濯容易、かつ頸骨部及び肩部の圧迫感の解消を図った機能性被服上衣の構造に到達したものである。また、外観視認上の見栄えでも、衿部の保形を維持することが可能であり、さらに、ラペル部分を前身頃に連接縫合し一体化した構成の為に従来のバッチホールは閉ざされるが、ラペル端に貫通口を設けた構成等とすることにより同様の機能を発揮することができる。
本発明は、(1)従来の背広やブルゾン等の衿折れ式の被服上衣の衿部は、身頃部と重なっている為に、多重構造を余儀なくされている。また、そもそも衿部は折り返すことによって、デザイン表現として機能しているが、着装時に意に反して衿部が立ち上がり着装の乱れを発生させたり、或いは故意に衿部を立たたせたりする等して、本来の衿部の本来のデザインが損なわれることも決して少なくない。本発明は、今迄の被服上衣の形式や枠にとらわれず発想の転換といえる近代的センスと結びつけようとする構成に他ならない。(2)本発明では、従来での衿部と身頃部の重複する部分での身頃部の排除裁断や、裏襟や芯地部材の排除によって多重構造の重なりの減少、重量の軽減はもとより、近年での省資源の潮流の考え方とも合致する。(3)従来での袖無し上衣では、衿折り式上衣より重量感がなく軽快さがあり、着心地感では勝っているが、反面上衣の最たる視認見栄えはもとよりデザイン性がかなり消失しデサイン性の低下では物足りない難点がある。(4)本発明では、衿無し上衣の軽快さの如き利点を生かす一方、衿折れ式上衣での上衿部の立体的デザイン性の並びに上衿部及び下衿部での保形性の維持などを備える構成である。例えば上衿部で衿裏や芯地部材等を排除しても、従来でのアイロン操作も含めた熟練者が行う高度な縫製技術による衿部での三次元形状の立体的デザインと実質的に変らない構成を採択することができる。(5)また、本発明では上記の如き構成により、従前のバッチ・ホールの構成は閉鎖を余儀なくされるが、これについても本発明では同様に機能し効果を発揮し得る構成を採択することにより阻害要因を解消することができる。このように、本発明では、通常衣としての背広、遊び着、ブルゾン等であって、今迄の形式にとらわれすぎる考え方から脱した構成であっても、着装時での頸部の圧迫感の解消を図る一方、上衿部での立体的なデザイン性並びに上衿部及び下衿部での衿部保形状態の維持、省資源、軽量化、洗濯容易等の効果を奏し、従来の被服の形式や考え方にとらわれない被服上衣の構造を提供する。
このように、本発明においては、(1)従来の衣服上衣の下衿部の布積層重合部分での前身頃の切欠き裁断削除、並びに上衿部での布重合部分の多層構造の軽減削除による、これらの相乗効果によって、頸部の第二頸椎骨29付近(b)への圧迫感の改善、並びに肩凝り解消を図れるように働く。さらに、上記の如き構成によれば、衿部の資材節減による省資源、軽量化、嵩高抑制、並びに衿部の固定形状保持、洗濯容易、衿部のゆがみの縫製不良を防止等の効果を奏する。(2)上衿部では、地衿芯及び裏衿の削除、並びに立体的な設計を行うことができる改善にかかる構成とし、さらに、(3)本発明において、閉鎖形態を余儀なくされるのバッチホールについても、バッチねじ貫通口を設けるか、バッチ裏ねじ山部が貫通可能な袋地等を設けた構成とし、従来のバッチホールと同等ないし均等の機能を発揮し得るか、その機能の妨げとならない構成とすることができるように働く。
本発明は、上記の様な構成によって、(1)保形状態の維持、すなわち衿部が固定されているので形状が保持かつ維持され、また、見苦しい着装の如きを防止するように働く。(2)軽量化及び省資源、衿部の資材が一部省略されるので、省資源共に軽量化と嵩高抑制が図れる。(3)圧迫感の解消、頸椎部・肩部の圧迫感を解消し、ごろつき感をなくするように働く。(4)洗濯が容易、家庭洗濯でのウォッシャブルで問題になる衿部の仕上げが容易になる。(5)品質の安定、従来難易度の高い衿部の縫製で縫製不良による衿のゆがみが発生しない等の優れた効果を奏する。
本発明において、被服上衣の構造は下記のとおりであり、請求項1に係る被服上衣の構造は、前身頃及び後身頃又は前身頃と連接状態に縫着した上衿部並びに下衿部が形成された被服上衣であって、前記上衿部は上衿と台腰とからなり、前身頃及び下身頃と連接状態に縫合止着し一体化して形成すると共に、前記下衿部は前身頃と見返しとからなり、該下衿部においては、身返しに対し、前身頃での前端線の上部領域で、該身返しとの重合部分を斜め状となる凸凹突出形状に切欠き裁断し、これらを連接状態に縫合止着し一体化して形成してなる被服上衣の構造を提供する。
従来、被服上衣において、(1)被服上衣のラペル(下衿部)の部分は、前身頃と身返しとを縫合して二重構造に形成されており、該ラペルにあっては、折り返されることによって四重構造に形成されている。また、(2)従来のカラー(上衿部)は、表衿と芯及び裏芯との三層構造に形成されており、出来上がりでは折り返すことにより、六重構造に形成されている。(3)さらに、通常被服上衣には社章等を取り付けるバッチホールが上衿の左側上部の位置に穴かがりの形態で形成されている。
本発明においては、(1)被服上衣のラペル(下衿)の部分では、前身頃と下衿とを連接縫合し両者を一体化した構成とし、従来の四重構造を、二重構造に形成する。(2)被服上衣のカラー(下衿)の部分では、従来法での地衿芯及び裏衿を除き、上衿と台腰とから形成されており、同じく前身頃と連接縫合し、これらを一体化した構成とし、二重構造に形成する。(3)被服上衣での上記ラペル(下衿)の部分を前身頃と一体化した構成のため従来のバッチホールは閉ざされるが、刺繍等により飾り付与のみの場合を除き、バッチねじを貫通せしめる穴かがり部を設置し、従来法と同じ機能を発揮しえる構成とする。
衣服上衣は人体を被覆するものであるから、衣服の形態を追求するには被服設計上も人体構造上での方位や運動衣服寸法と身体計測をいかに設定するかであるが、被服上衣においては、着用時における外観視認上の形態を美しく見せる為に縫製の場合も種々の配慮や手段がとられている。この為、一般に衣服上衣に要求されている機能は日常生活動作に支障を来さないように設計されているとはいえ、着用時における機能性がかなり犠牲にされていることが少なくない。
図11は被服上衣の着用時に生ずる頸部圧迫箇所の説明図であり、従来の被服上衣についてみると、上衣31を人体30に着用時には、前身頃の裾部に向かって力点(a)が働いている為、身頃自体の重量や第二頸椎骨29付近の作用点(b)に接触する。上衿の厚みの増加に比例して第二頸椎骨29付近の作用点(b)に負荷がかかる為、その作用が働き追随して頸部の圧迫感を与え、それを強め圧迫強度が増加する。この為、本発明では、従来のラペル部の重合部及び上衿の重合部での多重構造について、これらの枚数の減少によって、第二頸椎骨29付近の作用点(b)での人体30との摩擦状態の圧迫感の軽減に繋がるように働く。
以下本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の被服上衣の全体正面図、図2は本発明に係る被服上衣の一実施例を示す構成部片の各部展開平面図、図3は従来の被服上衣の構成部片の各部展開平面図である。
図1の被服上衣本体1において、上衿6は前身頃2及び後身頃10と連接状態に縫合止着し一体化して形成されており、下衿5の上部領域では身返し4との衿部重合部では前身頃2を裁断削除し、前身頃2と連接状態に縫合止着し一体化された構成であり、上衿部の立体的デザイン性並びに下衿部での保形性が維持された構成である。7は台腰、14はバッチホール、15は後身頃裏、16は上衿切替縫合線、18は上衿デザイン線、19は下衿デザイン線、20は下衿止まり、21は衿折れ線である。
図2の本発明に係る被服上衣の構成部片の各部展開平面図において、上衿6の縫製手順について、以下説明する。(1)上衿6の上衿切替縫合線16,a−e−a’間と、台腰7の上衿切替縫合線16,a−b−a’とを縫合する。(2)上衿6の渡り線17,b−aから台腰7の渡り線17,a−d間と、身返し4の一部を衿折れ線21に沿って折り返してなる下衿5の渡り線17、c−b−a間とを縫合する。(3)前身頃2の肩縫合線
22,a−j間と後身頃10の肩縫合線22,a−b間を縫合する。(4)前身頃2の前端線33、e−f間と身返し4の前端線33、e−f間とを縫合する。(5)前身頃2の衿部重合部12の衿部重合裁断線34、e−d−c間と身返し4の一部を衿折れ線21に沿って折り返してなる下衿5の下衿デザイン線19,e−d−c間とを縫合する。(6)前身頃2の衿部重合部12の衿部重合裁断線34、c−b−aから後身頃10の上衿重合部13での上衿部重合裁断線35、a−c間と、上衿6の上衿デザイン線18、b−c−dとを縫合する。
図3の従来の被服上衣の構成部片の各部展開平面図で、その縫製手順につき説明する。(1)上衿6の上衿切替縫合線16,a−e−a’間と、台腰7の上衿切替線16,a−b−a’とを縫合する。(2)裏衿9の外周線37,e−a−b−c−d−c’−b’−a’と、裏衿芯地部材8の外周線37,e−a−c−d−c’−d’間とを縫合する。
(3)上衿6の上衿デザイン線18,b−c−d−c’−b’間と裏衿9の裏衿デザイン線38,b−c−d−c’−d’間とを縫合する。(4)前身頃2に付随する下衿裏部3の下衿デザイン線19,a−b−c−dとを加熱による接合又は縫着する。(5)前身頃2に付随する下衿裏部3の下衿デザイン線19,b−c−dから、前端線33,d−e間と身返し4に付随する下衿5の下衿デザイン線19,b−c−dから前端線33,d−e間とを縫合する。(6)前身頃2の肩縫合線22,g−fと後身頃10の肩縫合線22,a−b間とを縫合する。(7)前身頃2に付随する下衿裏部3の渡り線17,b−aから顎ぐり線39,a−gを経て後身頃10の衿ぐり線40,a−c間と裏衿9の裏衿縫合線41,b−a−e間とを縫合する。(8)身返し4に付随する下衿5の渡り線17,b−aから顎ぐり線39,a−fを経て、後身頃10の衿ぐり線40,a−c間と上衿6の渡り線17,b−aから台腰7の台腰縫合線42,a−e−d間とを縫合する。
図4は従来の被服上衣の上衿部の構成を示す説明図であり、(a)は上衿6を立ち上げ状態の部分拡大平面説明図、(b)そのAーA’線断面図、(c)上衿6の平面説明図、(d)そのAーA’線断面図である。図4(a)で、2は前身頃、3は下衿裏部、7は台腰、9は裏衿、16は上衿切替縫合線、21は衿折れ線、22は肩縫合線であり、図4
(b)は図4(a)の断面切断説明図で、6は上衿、7は台腰、8は裏衿芯地部材、9は裏衿、10は後身頃、15は後身頃裏である。
次に、本発明に係る被服上衣の上衿部の構成について説明する。図5(a)は本発明に係る被服上衣の上衿部の部分拡大平面説明図、(b)AーA’線断面図であって、6は上衿、7は台腰、10は後身頃、15は後身頃裏、16は上衿切替縫合線、17は渡り線、18は上衿デザイン線、21は衿折れ線、22は肩縫合線である。
従来の被服上衣では、上記図3に示すように、上衿6と台腰7からなる表衿と裏衿芯地部材8と裏衿9からの三重構造に形成され、製品時には折り返すことによって六重構造に形成されている。また、裏衿芯地部材8の無い場合は、四重構造になる。但しこの場合、接着芯を表地の裏側に張る場合もあるが、接着芯の枚数は省略している。(2)本発明では、上衿6と台腰7から形成されており、前身頃2と後身頃10とを連接状態に縫合止着し一体化して形成された二重構造である。従って、従来の上衿では、三重構造を立体的に形成する為にアイロン処理等を含め熟練高度な技術を必要としたが、本発明では、従来の裏衿芯地部材8及び裏衿9を削除した上衿6と台腰7のみからなる構成において、三次元立体的な設計に基づく縫製手段を採択することにより、省資源はもとより、楕円形に添うような曲線で成り立っている人体の立体構造に対応し、従来よりも被着者の体に添った出来上がりが形成され、さらに一日中被服着用者においては尚更のこと、頸回りの圧迫感の軽減を図れるように働く。
図6(a)及び(b)は本発明に係る被服上衣の上衿部の具体的な構成を示す説明図、図7は本発明に係る上衿部の出来上がり形状を示す部分拡大平面説明図である。2は前身頃、5は下衿、6は上衿、10は後身頃、17は渡り線、18は上衿デザイン線、19は下衿デザイン線、21は衿折れ線、22は肩縫合線である。以下、本発明に係る被服上衣の上衿部においては、従来の裏衿芯地部材8及び裏衿9が除去された構成に関わらず、別途の手段を採択し、立体的三次元構造を形成する為の具体的構成について説明する。
(1)図6(b)の上衿傾斜角(イ)は、図6(a)の肩縫合線22,f−hのf点と、図6(a)の上衿デザイン線18,a−b−c線上のb点との重なり幅を設けると共に、衿折れ線21、j−eの仮想延長線43,e−iと上衿中心線44,c−dとの交差角
(ロ)と相関関係を有し、交差角(ロ)が大きくなると追随して上衿傾斜角度(イ)は大きくなる。この為、肩縫合線22のf点と上衿デザイン線18のb点との重なり幅45,f−bは、1.0cm前後が適当である。該重なり幅45が1.0cm前後より大きくなると、傾斜角度が大きくなり衿部が立ち上がり過ぎ、1.0cm前後以下であると衿部の立ち上がりが少なくなる。また、交差角(ロ)は、直角未満、好ましくは60〜80度の範囲が適当であり、90度以上では、衿部が立ち上がり過ぎ、60度以下では、衿部の立ち上がりが少なくなり適当でない。なお(2)衿部の立体的なデザインをカラーレスジャケットの様なシルエットにしてデザインを表現する必要のある場合には、重なり幅45,f−bを少なく、かつ交差角(ロ)の角度を小さくすることが適当である。また、地衿芯等の裏衿芯地部材8を装着する場合にはできるだけ薄く重量を軽くすることが望ましい。
さらに、上記図6(a)及び(b)並びに図7について説明する。
本発明に係る上衿部では、従来の裏衿芯地部材8及び裏衿9とが除去された構成であって、しかも従来技術ではアイロン処理等による熟練を要する製作縫製手段を必要としたものであった。要するに、図6及び図7は従来の裏衿芯地部材8及び裏衿9共に除去された構成の阻害要因を解決し、上衿部を立体的構造とする為の縫製手順を示す説明図である。
図6は上衿部が人体の頸部の楕円形に沿った立体構造として対応設定する構成を課題とし、図6(a)は上衿部を理解に便の為、構成部分を分離した状態を示す説明図、(b)は上衿部2の出来上がり状態を示す部分拡大平面説明図であることは上記の通りである。
図6(b)の構成では、後身頃10のa−f−g線と、上衿6のa−b−c線は非接合状態を示しているが、上衿6のa−b−c線を後身頃10をa−f−g線に接合し縫合止着により、原型平面時の上衿6のe−d線に剪断応力が働き、楕円形に沿うような湾曲状の反り返り変形の為、三次元の立体構造を示し立ち上がった形態が形成される。この三次元立体構造の立ち上がり角度が、図7での上衿傾斜角(イ)に相当し、かつ該上衿傾斜角(イ)は図6の重なり幅45、f−bと、交差角(ロ)との相関関係の状態にあり、着用者の頸部の立体構造に沿った上衿部の立ち上がりの為の選択条件として有効に働く。
また、従来の裏衿芯地部材8及び裏衿9とが除去された本発明での上衿部での立ち上がり形態の形成は、従来の裏衿芯地部材8及び裏衿9共に除去された構成での阻害要因とならない解決手段として別途の構成を採択することにより達成することができる。そして、本発明と、従来技術との対比での顕著な相違点は、従来技術の上衿では身頃に対し遊離状態にある上衿デザイン線a−b−cが縫合止着された非遊離状態になり、その上衿デザイン線a−b−cが両身頃に対して唯一の縫合止着された接合部とした構成となっている。
上衿部の縫製において、被服布帛が捩られた場合には剪断応力が働くが、剪断応力と歪みとの間には弾性限界内でフックの法則と同様な関係が成立する。本発明での上衿部の縫製では、人体の骨格に沿った頸部の傾斜角を対象とし人体の頸部の形状に沿わせる手段とし、従来技術の上衿では上衿デザイン線は身頃に対して遊離状態で縫合されていないが、本発明では上衿デザイン線が前身頃及び後身頃との唯一の縫合部分となっている。この様に本発明では、上衿を両身頃に重ね合わせ縫合止着し上衿部を立ち上がらせる構成とする場合、捩じりに対する反発弾性が働くが、上衿デザイン線18、a−b−c上のb点と、衿折れ線21、f−hの仮想延長線43、e−iと上衿後中心線44、c−dとの交差角(ロ)と相関関係があり、交差角(ロ)が大きくなると追随して上衿傾斜角(イ)は大きくなり、上衿部での三次元立体構造の傾斜状態を形成する為の根拠となるものである。
上記のとおり、本発明での上衿部の構成では、図6及び図7並びに図2に示すように、前身頃2では、前身頃2と上衿6及び台腰7とからなる衿部とを一体化し縫合止着して軽量化、嵩高抑制を図る為、後身頃10の上衿重合部13の上衿部重合裁断線35、a−c間を裁断除去し、上衿6の上衿デザイン線18、b−c−dとを縫合止着する。このように前身頃2での衿部重合部12を裁断除去すると共に、後身頃10では、後身頃10と上衿6とを一体化して縫合止着して軽量化し、重合する部分を切欠き裁断した構成とする。
次に、本発明に係る被服上衣の下衿部の構成について説明する。図7は従来の被服上衣の下衿部(ラペル)を立ち上げた状態の説明斜視図、(b)AーA’線断面図、(c)従来の被服上衣の下衿部の正面説明図、(d)AーA’線断面図である。従来の被服上衣の下衿部の縫製手順については上記したとおりであり、縫製後では、図7(d)に示すように、前身頃2と芯地部材11と身返し4とを縫合して三重構造に形成されており、下衿5にあっては、折り返すことにより、芯地部材11のない場合は四重構造であるが六重構造に形成されている。また、表地の裏側に貼る接着芯地は省略している。
図9(a)は本発明に係る被服上衣の下衿部の平面説明図、(b)AーA’線断面図であり、上記の通り下衿部は下衿5及び前身頃2と後身頃10とを連接状態に縫合止着し一体化して形成してなり、その形態を保形可能とした構成からなる被服上衣の構造であり、図9(b)で、表側は下衿5、人体側に身返し4、2は前身頃である。
図10は本発明における下衿部でのバッチホールの部分拡大平面説明図である。本発明に係る被服上衣の下衿部の構成において、バッチホール14は下衿5と前身頃2とが連接状態に縫合止着され一体化した構成であるため、従来でのバッチホールの構成は採択できない。このため、本発明ではバッチホールを全く設けないか、或いは見かけ上の疑似穴かがりを設ける場合は別として、図10に示すごとく、下衿5の下衿デザイン線19の適宜位置に貫通口25を設けた構成とする。また、必要によりバッチ裏ねじ山部が貫通可能なメッシュ等より選ばれた袋地を採択し、身返しにポケット口を取り付けた構成とすることもできる。14はバッチホール、21は衿折れ線、19は下衿デザイン線、25は貫通口である。
図12(a)は本発明に係る被服上衣の全体斜視図であり、(b)は下衿止まり領域の部分拡大斜視図であり、5は下衿、6は上衿、14はバッチホールである。
図13(a)は本発明に係る被服上衣の別実施例を示すブルゾン型上衣であり、(b)は下衿止まりの領域の部分拡大斜視図であり、下衿部の保形が維持されている。
本発明に係る被服上衣の全体平面図である。 本発明に係る被服上衣の一実施例を示す構成部片の各部展開平面図である。 従来の被服上衣の構成部片の各部展開平面図である。 従来の被服上衣の上衿部の構成を示す説明図である。 本発明に係る被服上衣の上衿部の部分拡大平面説明図である。 本発明に係る被服上衣の上衿部の立体構造の具体的な構成を示す説明図である。 本発明に係る被服上衣の上衿部の出来上がり状態を示す部分拡大説明図である 従来の被服上衣での下衿立ち上げ状態の説明斜視図である。 本発明に係る被服上衣の下衿部の平面説明図である。 本発明における下衿部でのバッチホールの部分拡大平面説明図である。 被服上衣着用時に生ずる頸部圧迫箇所の説明図である。 は本発明に係る被服上衣の全体斜視図である。 本発明に係る被服上衣の別実施例を示すブルゾン型上衣の斜視説明図である。
符号の説明
1 被服上衣本体
2 前身頃
3 下衿裏部
4 身返し
5 下衿
6 上衿
7 台腰
8 裏衿芯地部材
9 裏衿
10 後身頃
11 芯地部材
12 衿部重合部
13 上衿重合部
14 バッチホール
15 表部ポケット
16 上衿切替縫合線
17 渡り線
18 上衿デザイン線
19 下衿デザイン線
20 下衿止まり
21 衿折れ線
22 肩縫合線
25 貫通口
28 前身頃裏
29 第二頸椎骨
30 人体
31 上衣
32 人体肩部線
33 前端線
34 衿部重合裁断線
35 上衿部重合裁断線
37 外周線
38 裏衿デザイン線
39 顎ぐり線
40 衿ぐり線
41 裏衿縫合線
42 台腰縫合線
43 仮想延長線
44 上衿後中心線
45 重なり幅

Claims (3)

  1. 前身頃及び後身頃と連接状態に縫合した上衿部並びに下衿部が形成された被服上衣であって、前記上衿部は上衿と台腰とからなり、前身頃及び後身頃と連接状態に縫合止着し一体化して形成すると共に、前記下衿部は前身頃と見返しとからなり、該下衿部においては、身返しに対し前身頃での前端線の上部領域で、該身返しとの重合部分を斜め状となる凸凹突出形状に切欠き裁断し、これらを連接状態に縫合止着し一体化して形成した構成からなることを特徴とする被服上衣の構造。
  2. 前記下衿部の構成において、下衿部でのバッチホールを取り付ける領域にねじ螺合の為の貫通口を設ける構成とした請求項1記載の被服上衣の構造。
  3. 前記上衿と台腰とを前身頃及び下身頃と連接状態に縫合止着して一体的に形成してなる上衿部の構成において、上衿傾斜角度に関連する肩縫合線と上衿デザイン線の交差領域で適宜重なり幅を設けると共に、衿折れ線の仮想延長線と上衿後中心線との交差角度を直角未満の範囲に設定し、上衿部での三次元立体形態を形成し保形可能としてなる請求項1ないし2のいずれかに記載の被服上衣の構造。
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