JP2007137054A - 液滴噴射ヘッド、液滴噴射装置及び液滴噴射方法 - Google Patents

液滴噴射ヘッド、液滴噴射装置及び液滴噴射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロストークが生じにくく、インクの吐出特性にばらつきが生じにくい。
【解決手段】液滴を吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおいては、ノズルの吐出動作により2つのノズル間を結ぶ方向に沿って固有振動が発生する場合がある。特に固有振動の二次モードの周波数(例えば27.5kHz)付近においては、固有振動によるクロストークが発生しやすい。インクジェットヘッドの二次モードの周波数が印字周波数の0.85倍以下、1.25倍〜1.96倍の範囲内、及び、4.59倍以上のいずれかであることにより、クロストークが生じにくくなる。
【選択図】図8

Description

本発明は、物体に液体を吐出する液滴噴射ヘッド、液滴噴射装置及び液滴噴射方法に関する。
プリンタのインクジェットヘッド本体等として使用される液滴噴射ヘッドには、特許文献1に記載されるようなものがある。特許文献1のヘッド本体は、インクを吐出する複数のノズルを有している。これらのノズルは、ヘッド本体に設置された流路ユニットの下面に形成されている。そして、ヘッド本体の下方には、印刷用紙が設置される。プリンタは、所定の印字周期に対応する速さで印刷用紙を搬送しつつ、ヘッド本体に形成されたノズルからインクを吐出させて印刷用紙上に画像等を印刷する。
特開2004−160915号公報(図2)
特許文献1のようなヘッド本体による印刷において、流路ユニットの振動によって、インク吐出に以下のような問題が生じる場合がある。
ヘッド本体に形成された1つのノズルからインクが吐出されると、その反動で流路ユニットが振動する。そして、その振動が、このノズルによる次のインク吐出に影響を与える場合がある。または、上記の1つのノズルから別のノズルへとその振動が伝播し、この別のノズルにおけるインクの吐出動作に影響を与える場合がある。このように、1つのノズルによるインクの吐出動作が同一あるいは別のノズルのインク吐出に影響を及ぼすことは、クロストークと呼ばれる。クロストークが生じると、インクの吐出特性にばらつきが生じ、印刷画像に不要な濃淡などが生じる場合がある。
本発明の目的は、クロストークが生じにくく、インク等の液体の吐出特性にばらつきが生じにくい液滴噴射ヘッド、液滴噴射装置、及び液滴噴射方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の態様に従えば、物体に対して相対移動しつつ、所定の解像度で液滴を噴射する液滴噴射ヘッドであって、液滴を吐出する複数のノズル及び前記ノズルが形成されたノズル面を有する流路ユニットを備え、前記所定の解像度に対応する単位距離だけ前記液滴噴射ヘッドに対して前記物体が相対移動するのに要する時間の逆数である噴射周波数に対する、前記ノズル面における1つの前記ノズルから他の前記ノズルへ向かうノズル間方向に係るノズル間固有振動の二次モードの周波数の比が、0.85以下、1.25〜1.96、及び、3.44以上の範囲内である液滴噴射ヘッドが提供される。
インクジェットヘッドが所定の周波数で加振された場合に、インクジェットヘッドのノズル面は、ノズル間方向に沿って大きく振動する(共振する)。本願では、このときの周波数を「ノズル間固有振動の固有振動数(ノズル間固有振動数)」と呼ぶ。後述するように、「ノズル間固有振動数」は、発生した共振の振動モードに応じて一次モードの(ノズル間固有)振動数、二次モードの(ノズル間固有)振動数などに分類される。ノズル面が二次モードで振動している場合に、平衡位置からノズル面に垂直な一方の方向に変位したノズルと、他方の方向に変位したノズルとの間には、液滴の吐出特性に差が生じる。また、ノズル間固有振動の固有振動数のそれぞれのモードに近い印字周波数で印字が行われると、共振が発生しやすい。一方、本発明によると、一次モード及び二次モードのノズル間固有振動数が、印字周波数から離れているため、共振が抑制される。従って、上記のような液滴の吐出特性の差が生じにくくなる。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記比が1.25〜1.96であってもよい。この場合、二次モードのノズル間固有振動数が噴射周波数より大きい。さらに、一次モードのノズル間固有振動数が噴射周波数より小さくなるように設定されている。従って、二次以上のモードの共振が発生しにくくなり、且つ、一次モードの共振も抑制される。さらに、二次モードの周波数が噴射周波数の1.96倍より大きくなるような流路ユニットよりも、容易に流路ユニットを実現できる。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記噴射周波数が30kHz以下であってもよい。この場合、噴射周波数が抑えられているため、n次モード(nは自然数)のノズル間固有振動数が30kHzより大きい場合には、n次以上のモードの共振が抑制される。従って、噴射周波数が30kHzより高い場合より、共振が容易に抑制される。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記流路ユニットが、前記ノズル面において直線上に並んだ複数の前記ノズルによって形成されたノズル列を有していてもよい。この場合、1本のノズル列に属する複数のノズルがいっせいに液滴を吐出した場合には、ノズル面が共振することが多い。本発明によると、このような場合にも共振が抑制され、ノズル間の吐出特性に差が生じにくくなる。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記流路ユニットが、互いに平行に配置された複数のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記ノズル面において直線上に並んだ複数の前記ノズルを含み、前記ノズル間方向が、異なる前記ノズル列に属するノズル間に係る方向であってもよい。この場合にも、共振が抑制され、ノズル列間における液滴の吐出特性に差が生じにくくなる。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記流路ユニットは平板状であって、前記流路ユニットには複数の圧力室と、前記複数の圧力室に共通に連通する液室と、前記液室、前記圧力室及び前記ノズルを連通する複数の流路とが形成されていてもよい。あるいは、本発明の液体噴射ヘッドは、さらに前記複数の圧力室に対して圧力を付与するアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記流路ユニットの前記ノズル面と反対側の面に積層されていてもよい。これらの場合には、所望の圧力室に貯留された液体のみを選択的に噴射できる。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記アクチュエータは、前記流路ユニットに対して外力を印加してもよい。この場合には、例えば圧電アクチュエータのような、外部から力を印加して流路ユニットに変形を生じさせるアクチュエータを利用することができる。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記液室は複数の共通液滴室を含み、前記各共通液室は、前記ノズル面に平行であって且つ前記ノズル間方向に垂直な方向に沿って延在していてもよい。ノズル面に平行であって、且つノズル間方向に垂直な方向に延在する複数の共通液滴室が流路ユニット内に形成されていると、ノズル間方向に大きく振動する共振が発生することが多い。本発明によると、このような場合にも共振が抑制され、ノズル間の吐出特性に差が生じにくくなる。
本発明の液滴噴射ヘッドは、さらに前記ノズル間方向に沿って延在した支持部材を備え、前記支持部材と前記流路ユニットとが接合されていてもよい。この場合、支持部材によって流路ユニットがノズル間方向に支持されているため、ノズル間固有振動の周波数が大きくなる。これによって、各モードのノズル間固有振動の周波数と印字周波数との差が大きくなる場合には、共振が抑制される。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記流路ユニットの前記支持部材に接合された部分と前記支持部材とが金属材料によって形成され、前記流路ユニットと前記支持部材とが金属ろうを介して接合されていてもよい。この場合、流路ユニットが金属ろうによって支持部材により強固に支持される。従って、各モードのノズル間固有振動数と印字周波数との差が大きくなる場合には、共振が抑制される。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記流路ユニットが前記ノズル間方向に沿って延在した金属部材を含んでもよい。この場合、金属よりも硬度の低い部材のみによって流路ユニットが構成されている場合より、ノズル間固有振動数が大きくなる。これによって各モードのノズル間固有振動数と印字周波数との差が大きくなる場合には、共振が抑制される。
本発明の液滴噴射ヘッドにおいて、前記ノズル面は、前記金属部材に形成されていてもよい。この場合、ノズル間固有振動数が大きくなる。これによって各モードの周波数と印字周波数との差が大きくなる場合には、共振が抑制される。
本発明の液滴噴射ヘッドは、さらに前記比を調整する調整部材を有してもよい。この場合には、調整部材の材料、形状などによってノズル間固有振動数を調整することができるので、共振を抑制することができる。
本発明の第2の態様に従えば、物体に対して液体を噴射する液体噴射装置であって、前記物体を所定の方向に移動する移動機構と、前記物体に相対して移動しつつ、所定の解像度で液体を噴射するヘッドであって、液滴を吐出する複数のノズル、前記ノズルに連通する複数の圧力室、及び、前記ノズルが形成されたノズル面を有する流路ユニット、並びに、前記流路ユニットの前記ノズル面と反対側において前記圧力室に対向して形成され、前記圧力室に圧力を与えるアクチュエータユニットを含むヘッドとを備え、前記物体が前記ヘッドに対して前記所定の解像度に対応する単位距離だけ相対移動するのに要する時間の逆数である周波数に対する、前記ノズル面における1つの前記ノズルから他の前記ノズルへ向かうノズル間方向に係るノズル間固有振動の二次モードの周波数の比が、0.85以下、1.25〜1.96、及び、3.44以上である液体噴射装置が提供される。
本発明の第2の態様によれば、一次モード及び二次モードのノズル間固有振動数が、印字周波数から離れているため、共振が抑制される。
本発明の液体噴射装置は、インクジェットプリンタであってもよい。この場合には、クロストークが抑制されたインクジェットプリンタが提供される。
本発明の液滴噴射装置において、前記ヘッドは、さらに前記比を調整する調整部材を有してもよく、前記調整部材は、前記ノズル間方向に沿って延在した支持部材であって、前記支持部材と前記流路ユニットとが接合されていてもよい。これらの場合には、調整部材の材料、形状などによってノズル間固有振動数を調整することができるので、共振を抑制することができる。
本発明の第3の態様に従えば、物体に対して相対移動しつつ、所定の解像度で液滴を噴射する液滴噴射ヘッドを用いて液滴を噴射する液滴噴射方法であって、液滴を吐出する複数のノズル及び前記ノズルが形成されたノズル面を有する流路ユニットを備える液滴噴射ヘッドを用意することと、前記所定の解像度に対応する単位距離だけ前記液滴噴射ヘッドに対して前記物体が相対移動するのに要する時間の逆数である噴射周波数に対する、前記ノズル面における1つの前記ノズルから他の前記ノズルへ向かうノズル間方向に係るノズル間固有振動の二次モードの周波数の比が、0.85以下、1.25〜1.96、及び、3.44以上となるように、前記噴射周波数及び/又は前記ノズル間固有振動の二次モードの周波数を調整することを備える液滴噴射方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、噴射周波数に対する二次モードのノズル間固有振動数の比が、所定の範囲になるように噴射周波数を調整することによって、液体噴射ヘッドに共振が発生するのを抑制できる。
以下、本発明による好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<プリンタ概略>
図1は、本発明における実施形態の一例によるインクジェットヘッド本体が設置されたインクジェットプリンタ1の概略上面図である。以下、プリンタ1と略記する。
プリンタ1の内部には、2本のガイド軸6及び7が設けられている。これらのガイド軸6及び7には、キャリッジとなるヘッドユニット8が、主走査方向に沿って往復移動可能に設置されている。ヘッドユニット8は、合成樹脂材料からなるヘッドホルダ9を有している。ヘッドホルダ9には、ヘッドユニット8の下方に搬送されてきた印刷用紙Pへインクを吐出して印刷を行うインクジェットヘッド30が保持されている。
プリンタ1には、キャリッジモータ12が設置されている。キャリッジモータ12の駆動軸には、キャリッジモータ12の駆動によって回転する無端ベルト11が巻き掛けられている。そして、無端ベルト11にはヘッドホルダ9が取り付けられ、無端ベルト11が回転すると、ヘッドホルダ9が主走査方向に沿って往復移動できる。
プリンタ1は、インクカートリッジ5a、5b、5c及び5dを有している。これらのインクカートリッジ5a〜5dには、それぞれ、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクが収容されている。各インクカートリッジ5a〜5dは、可撓製のチューブ14a、14b、14c及び14dによって、ヘッドユニット8に設置されたチューブジョイント20と接続されている。インクカートリッジ5a〜5d内のインクは、チューブジョイント20を通じて、ヘッドユニット8に供給される。
プリンタ1は、ガイド軸6及び7で規定される主走査方向について、一方の端部に設置されたインク吸収部材3を有している。インク吸収部材3は、ヘッドユニット8がガイド軸6及び7上で上記の端部まで移動したときに、ちょうどヘッドユニット8の下方に位置する。インク吸収部材3は、フラッシング動作のときにヘッドユニット8のノズル面に形成されたノズルから吐出されたインクを吸収する。また、プリンタ1は、ガイド軸6及び7の間におけるインク吸収部材3の他方の端部に設置されたパージ装置2を有している。パージ装置2は、パージ動作のときにノズルからインクを吸収する。
プリンタ1には、ガイド軸6及び7の間において、主走査方向についてパージ装置2に隣接した位置に、ワイパ4が設けられている。ワイパ4は、ノズル面に付着したインクを拭い取るものである。
<ヘッドユニット>
ヘッドユニット8について説明する。図2は、ヘッドユニット8において、ヘッドホルダ9からバッファタンク48及びヒートシンク60が取り外された状態を示している。
ヘッドホルダ9は、バッファタンク48を受け入れる側に向かって開口した箱状に形成されている。ヘッドホルダ9の底部には、インクジェットヘッド30が設置されている。バッファタンク48は、インクジェットヘッド30の上方に位置するように、ヘッドホルダ9に収容されている。
バッファタンク48の上面における一方の端部付近には、チューブジョイント20が接続されている。バッファタンク48の下面には、図示しない4つのインク流出口が設けられている。これらのインク流出口は、後述のように、インクジェットヘッド30に設けられた4つのインク供給口91a、91b、91c及び91dと、シール部材90を介して接続されている。上記のとおり、チューブジョイント20は、インクカートリッジ5a〜5dと、チューブ14a、14b、14c及び14dを介して接続されている。バッファタンク48には、チューブ14a〜14dを通じて、インクカートリッジ5a〜5dからインクが供給される。
ヘッドホルダ9は、ヒートシンク60を有している。ヒートシンク60は、副走査方向に沿って延在する水平部60aと、水平部60aの一端部から上方に立ち上がった垂直部60bとを有している。水平部60a及び垂直部60bは、図2に示すように、共に副走査方向に長い板状に形成されている。
ヘッドホルダ9からは、後述のFPC(Flexible Printed Circuit)70が、ヘッドホルダ9の底部に設けられた隙間を通って上方へ引き出されている。FPC70の一端はヘッド本体25に接続されており、その途中に、ドライバIC80が設けられている。
図3は、主走査方向に切断したヘッドユニット8の縦断面図である。図3においては、ヘッドホルダ9にバッファタンク48及びヒートシンク60が収容された状態が示されている。
ヒートシンク60は、バッファタンク48の主走査方向とは逆方向側(図中左側)の側壁48aに隣接する位置に固定されている。ヒートシンク60の垂直部60bにおける一方の面は、側壁48aに対向している。また、ヒートシンク60の水平部60aは、その短手方向が主走査方向に延出するように、ヘッドホルダ9の底部側に配置されている。
バッファタンク48の上方には、コンデンサ83などの電子部品およびコネクタ85が実装された制御基板84が設置されている。制御基板84の上方は、ヘッドホルダ9の上面カバーとなるカバー9aによって覆われている。
バッファタンク48の主走査方向側(図中右側)の側面には、バッファタンク48内に蓄積された空気を外部へ排気する排気装置49が設けられている。
ヘッドホルダ9の底部に設置されたインクジェットヘッド30は、ヘッド本体25を有している。ヘッド本体25は、後述のように、ヘッドホルダ9の底部に固定されている。ヘッド本体25には、複数のノズルが形成されたノズル面(底面)25aがヘッドホルダ9の下方外側に露出するように設置されている。ヘッド本体25は、後述の圧電アクチュエータ21及び流路ユニット27を有している。
圧電アクチュエータ21には、FPC70における一方の端部付近が電気的に接続されている。FPC70における他方の端部は、以下のような経路を辿って、バッファタンク48の上方に設置されたコネクタ85まで引き出され、コネクタ85と電気的に接続されている。まず、FPC70は、ヘッドホルダ9の底部に形成された孔17を通じて上方に引き出されている。次に、引き出されたFPC70は、ヒートシンク60とヘッドホルダ9の内壁との間に形成された隙間を通じて上方に向かっている。そこから、FPC70は、ヘッドホルダ9における一方の内側面に沿って上方に延在し、制御基板84付近で折れ曲がり、さらに制御基板84の下面に沿って主走査方向に延在している。そして、FPC70は、ヘッドホルダ9における他方の内側面付近で上方に折れ曲がり、制御基板84の端部と上記他方の内側面との間に形成された隙間を通って、制御基板84上面のコネクタ85が形成された側に引き出されている。
また、FPC70には、上記のようにドライバIC80が設置されている。ドライバIC80は、ヒートシンク60の水平部60aに対向するFPC70の面上に配置され、ヒートシンク60の下方に位置している。さらに、ドライバIC80の下方には、弾性部材18が配置されている。FPC70は、弾性部材18によって、ドライバIC80の上面がヒートシンク60の水平部60aに接触するように押圧されている。これにより、発熱したドライバIC80の過剰な熱が、ヒートシンク60によって放熱される。
さらに、FPC70における圧電アクチュエータ21と対向する領域には、伝熱体81が配置されている。伝熱体81は、圧電アクチュエータ21の上面とほぼ同じサイズの長方形の平面形状を有する、厚みが均一なアルミ板である。これにより、圧電アクチュエータ21及びFPC70における圧電アクチュエータ21に対向する部分から発する熱が、伝熱体81によって放熱される。
<ヘッド本体等>
インクジェットヘッド30について説明する。図4は、インクジェットヘッド30の分解斜視図である。インクジェットヘッド30は、ヘッド本体25、補強フレーム91及び保護フレーム92を有している。図4には、ヘッド本体25、補強フレーム91及び保護フレーム92における、それぞれの上面が示されている。
ヘッド本体25は、圧電アクチュエータ21及び流路ユニット27を有している。流路ユニット27は、後述のように、長方形の平面形状を有する複数の同一形状のシート材が積層してなる積層体から構成されている(図5参照)。流路ユニット27には、その長手方向についての一端付近に、インク供給口27a、27b、27c及び27dが形成されている。インク供給口27a〜27dは、ヘッド本体25の短手方向に沿って、互いに離隔するように配置されている。流路ユニット27には、インク供給口27a〜27dを通じて、バッファタンク48からのインクが供給される。また、流路ユニット27の下面には、インクを吐出する複数のノズルが形成されている。そして、流路ユニット27の内部には、インク供給口27a〜27dからノズルへと連通するインク流路が形成されている。
さらに、流路ユニット27の上面には、インク供給口27a〜27dを避けるような位置に、後述の圧電アクチュエータ21が設置されている。圧電アクチュエータ21は、流路ユニット27に形成されたインク流路の一部(後述の圧力室)の内壁を構成しており、インク流路内のインクに圧力を加えることにより、ノズルからインクを吐出させるような吐出エネルギーをインクに付与するものである。圧電アクチュエータ21には、上述のように、FPC70が電気的に接続されている。
補強フレーム91は、長方形の平面形状を有する金属製の板状部材である。補強フレーム91には、ヘッド本体25の圧電アクチュエータ21に対応して開口部91eが形成されている。この開口部91eは、圧電アクチュエータ21の平面形状とほぼ同一形状で、これより一回り大きい形状を有している。また、開口部91eは、流路ユニット27の平面形状の内側に収まるような平面形状を有している。つまり、圧電アクチュエータ21の外形より開口部91eの開口の方が一回り大きく、開口部91eの開口より流路ユニット27の外形の方が一回り大きい。また、開口部91eは、補強フレーム91において長手方向についての一端付近の一部を残し、短手方向について中央付近に形成されている。
補強フレーム91における長手方向についての一端寄りには、厚さ方向に補強フレーム91を貫通するインク供給口91a、91b、91c及び91dが形成されている。インク供給口91a〜91dは、流路ユニット27のインク供給口27a〜27dに対応して形成されており、補強フレーム91の短手方向に沿って、互いに離隔するように配置されている。なお、各インク供給口91a〜91dは、ヘッド本体25に形成された各インク供給口27a〜27dと同一な形状を有している.
保護フレーム92は、コの字形の平面形状を有する金属製の板状部材である。保護フレーム92のコの字形における平行な二本の腕部92aの長さは、補強フレーム91の長手方向の長さとほぼ同じである。また、保護フレーム92において、上記二本の腕部92aを支持する、腕部92aと垂直な支持部92bの長さは、補強フレーム91の短手方向の長さとほぼ同じである。保護フレーム92の横断面を含む平面において保護フレーム92のコの字形に囲まれた領域は、ヘッド本体25とほぼ同様の形状で、これより一回り大きい大きさを有している。
インクジェットヘッド30は、これらのヘッド本体25、補強フレーム91及び保護フレーム92が貼り合わされて形成されている。ヘッド本体25と補強フレーム91とは、圧電アクチュエータ21が補強フレーム91に形成された貫通孔(開口部91e)の内部に収まり、流路ユニット27の上面における圧電アクチュエータ21の周辺部分と補強フレーム91の下面とが接触するように、金属ろうを介して貼り合わされている。なお、流路ユニット27の上面を含むキャビティプレート108(図5参照)は、全体が金属によって形成されている。流路ユニット27と補強フレーム91とは、接着剤を介して貼り合わされていてもよい。これにより、圧電アクチュエータ21の上面が補強フレーム91の開口部91eから上方側に露出する。また、保護フレーム92は、流路ユニット27が保護フレーム92のコの字形に取り囲まれるように、補強フレーム91の下面に貼り合わされている。つまり、流路ユニット27のノズル面25aが、コの字形の内側領域から下方側に露出する。
なお、インク供給口27a等は、補強フレーム91とヘッド本体25とが貼り合わされた際に、インク供給口91a〜91dとインク供給口27a〜27dとがそれぞれ連通するように位置合わせされて、配置されている。
このように、ヘッド本体25は、補強フレーム91によってその上面における四方の端部周辺を把持されている。また、ヘッド本体25は、保護フレーム92によって、その側面の周囲三方を把持されている。ヘッド本体25が補強フレーム91及び保護フレーム92によって強固に把持されている場合には、後述の通り、ヘッド本体25に生じる振動が抑制される。
<ヘッド本体の構造>
ヘッド本体25の詳細な構造について説明する。図5は、ヘッド本体25及びFPC70の分解斜視図である。
ヘッド本体25の上面側には、上記の通り、圧電アクチュエータ21が配置されている。圧電アクチュエータ21は、後述のように、長方形の平面形状を有する複数の薄板が積層されて形成されている。圧電アクチュエータ21の上面には、表面電極22及び23が配置されている。表面電極22及び23は、これと対応するFPC70の図示しないコンタクト(端子)と電気的に接続されている。
また、ヘッド本体25(流路ユニット27)の上面には、インク供給口30a〜30dを覆うように、フィルタ55が貼り付けられている。フィルタ55には、インク供給口30a〜30dと対向する位置に、複数の微小孔が形成されている。バッファタンク48の図示しないインク流出口から流出したインクは、フィルタ55によって濾過され、インク供給口30a〜30dから流路ユニット27の内部に流入する。
流路ユニット27は、上から順に、キャビティプレート108、サプライプレート107、アパーチャプレート106、2枚のマニホールドプレート104,105、ダンパプレート103、カバープレート102、ノズルプレート101の計8枚のシート材が積層された積層構造を有している。各プレート101〜108は、副走査方向に長い長方形の平面形状を有している。本実施の形態においては、流路ユニット27を構成する8枚のプレート101〜108は、ステンレス鋼からなる。なお、ノズルプレート101を除く7枚のプレート102〜108がステンレス鋼からなり、残りのノズルプレート101は、ポリイミド樹脂からなるものであってもよい。
ノズルプレート101には、微小径のノズル28が微小間隔で多数形成されている。これらノズル28は、ノズルプレート101の長手方向(副走査方向)に沿って、千鳥配列状に配列され、5列のノズル列58を構成している。
キャビティプレート108には、各ノズル28に対応する複数の圧力室10が、ノズル28と同じ数だけ形成されている。これらの圧力室10は、キャビティプレート108の長手方向に沿って、千鳥状配列で5列に配列されている。各圧力室10の長手方向は、キャビティプレート108の長手方向に対して直交している。プレート102〜107の各プレートには微小径の貫通孔29が千鳥状配列で形成されており、これらの貫通孔29を介して、各圧力室10の一端部とノズルプレート101におけるノズル28とが連通している。これらの貫通孔29は、各プレートにおいて長手方向に沿った貫通孔列を構成している。
また、キャビティプレート108における長手方向について一方の端部には、貫通孔108a、108b、108c及び108dが形成されている。貫通孔108a〜108dにおける流路ユニット27の上面側の開口部は、インク供給口30a〜30dに相当する。すなわち、貫通孔108a〜108dは、キャビティプレート108の短手方向(主走査方向)に沿って図5の奥から手前の方向に、a、b、c及びdの順に配置されている。なお、4つの貫通孔108aから108dのうち、貫通孔108aは他の貫通孔108b〜108dより一回り大きい開口を有している。
サプライプレート107には、ノズル28に連通する貫通孔29の他に、ノズル28と同数の連絡孔51が形成されている。これらの連絡孔51は、サプライプレート107を厚さ方向に貫通している。また、これらの連絡孔51は、サプライプレート107の長手方向に沿って千鳥状に5列に配列されている。各連絡孔51の一方の開口は、これと対応する圧力室10の他端部と連通している。また、各連絡孔51の他方の開口は、これと対応する後述のアパーチャ52と連通している。
また、サプライプレート107には、長手方向の一端部側に、貫通孔108a〜108dと同一形状・同一サイズの貫通孔107a、107b、107c及び107dが形成されている。各貫通孔107a〜107dは、キャビティプレート108の各貫通孔108a〜108dと対向するように配置されている。
アパーチャプレート106には、貫通孔29の他に、ノズル28と同数のアパーチャ52(しぼり)が形成されている。これらのアパーチャ52は、アパーチャプレート106の長手方向に沿って千鳥状に5列に配列されている。各アパーチャ52は、長方形の平面形状を有しており、アパーチャプレート106の短手方向に沿って延在している。また、各アパーチャ52は、一端部において連絡孔51と連通し、他端部において後述の共通インク室99と連通している。アパーチャ52において、上記一端部から上記他端部へと向かう方向に垂直な断面に係る断面積は、所定の大きさに設定されている。つまり、アパーチャ52は特定の流路抵抗をもつようにその断面形状、断面積及び長さが決められている。これによって、インク吐出時に圧力室10から共通インク室99側に逆流しようとするインクの流れが制限される。
また、アパーチャプレート106には、長手方向の一端部側に、貫通孔107a〜107dと同一形状・同一サイズの貫通孔106a、106b、106c及び106dが形成されている。各貫通孔106a〜106dは、キャビティプレート108の各貫通孔107a〜107dと対向するように配置されている。
キャビティプレート108、サプライプレート107及びアパーチャプレート106が積層された状態において、貫通孔106a〜106d、貫通孔107a〜107d及び貫通孔108a〜108dは相互に連通している。これによって、インク供給口30a〜30dから貫通孔106a等を通じて流路ユニット27内へとインクが流入するインク流路が形成されている。
2枚のマニホールドプレート104及び105のうち、アパーチャプレート106に近い側のマニホールドプレート105には、5つのインク室半部105a、105b、105c、105d及び105eが厚さ方向に貫通して形成されている。インク室半部105a〜105eは、貫通孔29からなる貫通孔列を避けるようにして、マニホールドプレート105の長手方向に沿って延在している。インク室半部105a〜105eは、マニホールドプレート105の短手方向に沿って図5の奥から手前の方向に、a、b、c、d及びeの順に配置されている。また、インク室半部105a〜105eは、互いに分離して平行に配置されている。
マニホールドプレート104及び105のうち、ダンパプレート103側のマニホールドプレート104にも、インク室半部105a〜105eと同一形状・同一サイズのインク室半部104a、104b、104c、104d及び104eが、インク室半部105a〜105eと対向するように厚さ方向に貫通して形成されている。
2枚のマニホールドプレート104及び105、アパーチャプレート106並びにダンパプレート103が積層された状態において、インク室半部104a〜104e及び105a〜105eのうち、互いに対向するそれぞれ2つのインク室半部は、相互に接続されている。また、インク室半部104a〜104eの一方の開口がアパーチャプレート106により覆われ、他方の開口がダンパプレート103により覆われている。これによって、互いに対向する2つのインク室半部から1つのインク室が形成され、計5つの共通インク室99が形成されている。これらの共通インク室99は、2枚のマニホールドプレート104及び105における貫通孔29が形成されていない領域に延在している。
アパーチャプレート106及びマニホールドプレート105が積層された状態において、貫通孔106aは、インク室半部105a及び105bと連通している。また、各貫通孔106b〜106dは、各インク室半部105c〜105eと連通している。これによって、5つの共通インク室99のうち、図5に向かって奥に位置する2つの共通インク室99には、1つのインク供給口30aからの同じインクが供給される。また、他の3つの各共通インク室99には、これらと対応する各インク供給口30b〜30dからのインクが供給される。本実施の形態においては、図5に向かって奥の2つの共通インク室99には、ブラックのインクが供給される。また、図5の手前から奥に向かって配置する3つの共通インク室99には、イエロー、マゼンタ及びシアンの順にインクが供給される。
ダンパプレート103におけるカバープレート102側の面には、ダンパ溝103a、103b、103c、103d及び103eが形成されている。ダンパ溝103a〜103eは、ダンパプレート103の短手方向に沿った縦断面が凹部形状を有する溝状に形成されている。ダンパ溝103a〜103eは、ダンパプレート103の長手方向に沿って延在している。各ダンパ溝103a〜103eは、対応する各共通インク室99と同一形状・同一サイズを有しており、各共通インク室99と対向している。
マニホールドプレート104及び105並びにダンパプレート103が積層された状態において、ダンパプレート103の共通インク室99と対向する部分には、ダンパ部53が配置されている。ダンパプレート103のダンパ部53における薄肉部は、適宜弾性的に変形可能であり、共通インク室99側及びダンパ溝103a側に自由に振動することができる。従って、インク吐出時に圧力室10で発生した圧力変動が共通インク室99に伝播しても、共通インク室99に対向したダンパ部53における薄肉部が弾性変形する。これによって、共通インク室99に伝播した圧力変動が、ダンパ部53に吸収減衰されるので、隣接する圧力室10のインク吐出にインクが介在して影響を与えることがない。
カバープレート102には貫通孔29が形成されており、ノズルプレート101にはノズル28が形成されている。プレート101〜107が積層された際には、上記の通り、圧力室10の一端から各プレートの貫通孔29を通じてノズル28に至る流路が形成される。
流路ユニット27は、上記のような構成を有する各プレート101〜108が積層された積層構造を有している。このような積層構造によって、流路ユニット27の内部には、インク供給口30a〜30dから、共通インク室99、アパーチャ52、連絡孔51、圧力室10及び貫通孔29を経てノズル28に至る複数のインク流路が形成されている。バッファタンク48からインク供給口30a〜30dを介して流路ユニット27内に流入したインクは、一旦共通インク室99に貯溜される。そして、アパーチャ52を経由して、各圧力室10に供給される。各圧力室10で、圧電アクチュエータ21により圧力が付与されたインクは、各貫通孔29を経由して、対応するノズル28から吐出される。
<圧電アクチュエータ>
圧電アクチュエータについて説明する。図6は、図5に示される圧電アクチュエータ21の要部分解斜視図である。
圧電アクチュエータ21は、2枚の絶縁シート33及び34と2枚の圧電シート35及び36とが積層されてなる。圧電シート36の上面には、複数の個別電極37が流路ユニット27における各圧力室10に対向配置するように形成されている。これら個別電極37は、圧力室10の配列に対応して、圧電シート36の長手方向に沿って千鳥状に5列に配列されている。各個別電極37は、圧電シート36の短手方向に長い長方形の平面形状の部分を有している。また、各個別電極37は、その長方形部分における長手方向についての一方の端部から圧電シート36の長手方向に延出された引き出し部37aを有している。なお、いずれの引き出し部37aも、圧電シート36において圧力室10と対向しない領域まで引き出されている。
圧電シート35の上面には、複数の圧力室10に跨った共通電極38が設けられている。圧電シート35の上面には、共通電極38が形成されていない複数の不形成領域39が配置されており、各不形成領域39内には圧電シート35の厚さ方向に貫通した貫通孔40が形成されている。貫通孔40には導電性部材が共通電極38と電気的に絶縁された状態で充填されている。不形成領域39は、個別電極37の引き出し部37aと対向する位置にそれぞれ配置されている。
最上層の絶縁シート33の上面(すなわち、圧電アクチュエータ21の上面)には、個別電極37のそれぞれに対応する表面電極22と、表面電極23とが設置されている。表面電極22は、絶縁シート33において圧力室10と対向しない領域に、貫通孔40(あるいは引き出し部37a)と対向するように配置されている。そして、各個別電極37に対応して圧電アクチュエータ21の長手方向に沿って千鳥状に5列に配列されている。表面電極23は、絶縁シート33における長手方向について一方の端部付近に、圧電アクチュエータ21の短手方向に沿って延在している。
絶縁シート33及び34において表面電極22及び引き出し部37aに対向する領域であって貫通孔40に対向する位置には、絶縁シート33及び34の厚み方向に貫通した複数の連続孔41が形成されている。また、絶縁シート33及び34において表面電極23及び共通電極38に対向する領域には、3つの連続孔42が、絶縁シート33及び34の短手方向に沿って離隔して形成されている。連続孔41及び42には、導電性部材が充填されている。
圧電アクチュエータ21は、上記のような構成を有する絶縁シート33及び34並びに圧電シート35及び36が上から順に積層された、積層構造を有している。このような積層構造において、貫通孔40と連続孔41とがちょうど対向するように位置合わせされつつ、それぞれのシート状部材が積層されている。これによって、貫通孔40及び連続孔41が連通し、絶縁シート33及び34と圧電シート35とを貫通する複数のスルーホールが形成されている。これらスルーホールには上記のように導電性部材が充填されているため、表面電極22と個別電極37とは、電気的に接続されている。また、絶縁シート33及び34に形成された連続孔42にも上記のように導電性部材が充填されているため、表面電極23と共通電極38とが電気的に接続されている。
このような構成により、圧電アクチュエータ21の各個別電極37が、表面電極22を介してFPC70が有する図示しない各個別配線に接続されている。また、共通電極38が、表面電極23を介してFPC70が有する図示しない共通配線に接続されている。そして、各個別配線は、ドライバIC80に接続されている。
一方、ドライバIC80は、プリンタ1が有する図示しない制御部からシリアル転送されてきた印刷信号を、圧電アクチュエータ21の個別電極37ごとに対応したパラレル信号に変換する。また、ドライバIC80は、印刷信号に基づいて、所定の電圧パルスを有する駆動信号を生成する。そして、ドライバIC80は、生成した駆動信号を各個別電極37に接続した各個別配線に出力する。なお、共通配線は、常にグランド電位に保持されている。
これにより、圧電アクチュエータ21の任意の個別電極37と共通電極38との間に、ドライバIC80からの駆動電圧(駆動信号)が選択的に印加される。個別電極37と共通電極38との間に非ゼロの電圧が印加されると、圧電シートにおいて個別電極37と共通電極38とに挟まれた活性部に積層方向の歪みが発生する。そして、活性部に発生した歪みによって、キャビティプレート108における圧力室10内部のインクに圧力が付与され、ノズル28からインクが吐出される。
なお、プリンタ1によって印字が行われる場合には、インクジェットヘッド30の下方に印刷用紙Pが搬送されつつ印字が行われる(図1参照)。このとき、印刷用紙Pが搬送される速さは、印字の解像度及びノズル28からインクが吐出される時間当たりの回数に基づいて決定される。以下の説明において、印字周期とは、印字の解像度に対応する単位距離だけインクジェットヘッド30に対して印刷用紙Pが印字の際に相対移動するのに要する時間をいう。また、印字周波数とは、印字周期の逆数である。本実施形態においては、印字周波数は30kHz以下である。
<インク吐出によるクロストーク>
上記のように、プリンタ1は、インクジェットヘッド30に形成されたノズル28に選択的にインクを吐出させることができる。あるノズル28にインクを吐出させると、それによって発生した振動は、インクジェットヘッド30全体に伝達する。このようなあるノズル28の吐出動作によって発生した振動が、他のノズル28に伝達し、当該他のノズルの吐出動作に悪影響を及ぼす場合がある。あるいは、インクを吐出したノズル28自身の次の吐出動作に悪影響を及ぼす場合もある。前者のように、あるノズル28の吐出動作による振動等の影響が他のノズル28の吐出動作に及ぶことは、クロストークと呼ばれている。
以下、クロストークについて説明する。図7は、図3に示されるインクジェットヘッド30の要部拡大図であり、流路ユニット27の短手方向に沿って切断した断面図である。図の見やすさのため、図7においては、流路ユニット27に形成されたノズル28が実際より誇張されて描かれている。また、ノズル28を除くインク流路や圧電アクチュエータ21の図示も省略されている。なお、ノズル28a、28b、28c、28d及び28eは、それぞれ異なるノズル列58に属するノズルである(図5参照)。また、各ノズル列58は紙面垂直方向にのびている。
上記の通り、あるノズル28からインクが吐出されると、インクジェットヘッド30におけるそのノズル28が形成された位置に振動が発生する。このような振動によって、流路ユニット27が延在する領域に沿って振動が四方に伝播する進行波が発生する。一方、流路ユニット27は、図7に示されるように、周囲が補強フレーム91及び保護フレーム92によって把持されている。このため、流路ユニット27を伝播する振動は、流路ユニット27の周囲において反射する。流路ユニット27の固有振動数に近い周波数で、流路ユニット27が加振される場合には、流路ユニット27の振動の振幅が大きくなる。すなわち、流路ユニット27が共振する。
ここで固有振動数は、物体に特有の値であり、本実施形態のインクジェットヘッド30のように、寸法及び密度にほとんどばらつきが無く形成される部品においては、固有振動数の個体差はほとんどない(大雑把に5%程度)と考えられる。バネ定数K、質量mのばね−質量系での固有振動数fは、f=(K/m)1/2で表され、Kは材料の弾性率に相当する。従って、一般に、物体が硬い材料で形成されているほど固有振動数は高くなり、物体の質量が軽いほど固有振動数が高くなる。また、物体を固定することは、一般に物体の変形を妨げるように作用するので、物体が固定されている場合には固有振動数は高くなると考えられる。また、物体の固有振動数を測定するには、例えば、測定対象物をできるだけ拘束しないように保持して、ハンマーなどで叩いて加振する。その振動をセンサで探知して、FFTアナライザで処理することによって、周波数スペクトル(振動数の強度分布)を得る。この周波数スペクトルのピークから、固有振動数を求めることが可能である。あるいは、可変の周波数の加振装置で測定対象物を加振し、測定対象物の振動の振幅をセンサで探知する。加振装置の加振周波数を走査して、測定対象物の振動の振幅が大きくなる周波数(共振周波数)を求めることによって、固有振動数を求めることも可能である。
本実施形態においては、ノズル面25aに平行で、ノズル列58に平行に延在する複数の共通インク室99が、流路ユニット27に形成されているため、異なるノズル列58に属する2つのノズル間を結ぶ線分に沿った方向に振動が発生しやすい。なお、共振が起こった場合に、ノズル面25aは、二次元的に振動しているが、このうち上記の2つのノズル間を結ぶ線分に沿った方向に係る振動の成分によって2つのノズル間に係るクロストークが生じる。
図7(b)及び図7(c)は、流路ユニット27が共振している場合に、ノズル面25aが、あるノズル列58に属するノズル28(例えばノズル28a)から他のノズル列58に属するノズル28(例えばノズル28e)へ向かう方向(ノズル間方向)に沿って振動している様子を示している。また、図7(b)及び図7(c)は、それぞれ、上記の振動における一次モード及び二次モードの振動を示している。一次モード、二次モードとは、それぞれ、両端を除くノードの数がそれぞれ0、1である振動モードを意味する。
一般に、振動している物体は、振幅がゼロの瞬間に速度が最大となり、振幅が最大の瞬間に加速度が最大となる。また、複数の物体が同じ周期で振動している場合には、大きな振幅で振動している物体の最大速度の方が、小さな振幅で振動している物体の最大速度よりも大きい。さらに物体の質量がほぼ同じであれば、大きな振幅で振動している物体にかかる最大加速度の方が、小さな振幅で振動している物体の最大加速度よりも大きい。図7(b)において、流路ユニット27におけるノズル28b及び28cが形成された部分は、振幅が最も大きい部分(いわゆる腹の部分)に近い。即ち、流路ユニット27のノズル面25aの振動を考えた場合、ノズル面25aのノズル28b及び28cが形成された部分の方が、ノズル28a及び28eが形成された部分よりも大きな振幅で振動している。このため、ノズル28b及び28cが形成された部分の最大速度及び最大加速度は、振幅が比較的小さい部分であるノズル28a及び28eが形成された部分の最大速度及び最大加速度よりも大きい。例えば、流路ユニット27が上に凸に変形しつつある際には、ノズル面25aが記録媒体から離れながらインクが記録媒体に向かって吐出されることになる。そのため、ノズル面25aに対する吐出速度に比べてノズルから吐出されるインクの実効的な吐出速度(記録媒体に対する速度)が小さくなり、その影響は図7(b)における左右方向について中央近傍に近いほど大きい。つまり、このような中央近傍に位置するノズルは、流路ユニット27が上に凸に変形しつつある際には、飛翔速度が小さいインクを吐出し、流路ユニット27が上に凸に変形しつつある際には、飛翔速度の大きなインクを吐出する。
また、図7(c)において、ノズル28aが形成された部分における振動とノズル28d及び28eが形成された部分における振動とは、逆位相の関係にある。このため、ノズル28aとノズル28d及び28eとの間には、振動による速度及び加速度に大きな差が生じる。例えば、ノズル28a近傍が上に凸に変形し、ノズル28e近傍が下に凸に変形しつつある際には、ノズル28aから吐出されるインクの実効的な吐出速度は小さくなり、ノズル28eから吐出されるインクの実効的な吐出速度は大きくなる。つまり、ノズルの位置によって互いのインクの飛翔速度に差が生じる。このように、異なるノズル間で、ノズルが形成された部分における速度及び加速度に差が生じることにより、これらのノズル間で、インクの吐出特性に差が生じる。このような現象がクロストークである。印字の際にクロストークが生じると、ノズル列58ごとにインクの吐出量や吐出速度のばらつきが生じる。これによって、印刷画像に予期されない濃淡が現れるなど、印刷画像の再現性が低下する。
ところで、上記のようなインク吐出による共振の生じやすさは、印字周波数によって変化する。例えば、固有振動の一次モードに係る固有振動周波数に近い印字周波数で印字を行った場合には、固有振動の一次モードの振幅が大きくなる。従って、印字の際の印字周波数に応じて、インクジェットヘッド30に発生するクロストークの程度が変化する。
図8は、1つのインクジェットヘッド30において種々の印字周波数で印字が行われた際のクロストークの発生状況を示す表である。図8において、左から2列目の項目は、1列目の印字周波数によって印字が行われた場合のクロストークの判定を4段階で示している。このうち、「◎」は、クロストークが発生しない、又は、ほとんどない場合を示している。「○」は、クロストークが認められるが実用には問題ない場合を示している。「△」は、クロストークがあるが、なんとか実用に耐えうる程度である場合を示している。「×」は、クロストークが大きく、実用に耐えない場合を示している。判定は、印刷画像にクロストークの影響(例えば、ドットサイズの変化や位置ずれ、あるいは微小ドットの発生)が表れているかどうかを目視(顕微鏡観察や写真判定)で確認することによって行われている。この測定に用いられたインクジェットヘッド30は、前述の通り、ヘッド本体(F/E)25、補強フレーム(FEフレーム)91及び保護フレーム92が張り合わされて形成されている。ヘッド本体25は、ポリイミド製のノズルプレート101、42合金製のプレート(流路基板)102〜107及び圧電アクチュエータ(PZT)21が張り合わされている。前述のヘッド本体では、ノズルプレートも金属製であったが、本測定に用いられたノズルプレートはポリイミド製である。プレート102〜107の幅は17.2mm、厚さは約0.6mmであり、圧電アクチュエータ21及び補強フレーム91の厚さはそれぞれ約0.3mm、1.2mmである。補強フレーム91の上部は完全に拘束されており、この部分でプリンタに固定されている。また、同様の条件(寸法、材質、固定方法などの条件)の下で、印字の際に使用されたインクジェットヘッド30における固有振動について、二次元平面ひずみモデルを用いた固有値解析を行い、固有振動数を計算した。固有値の計算方法には、ランチョス法を使用している。これにより、一次モードの周波数は11.3kHzであり、二次モードの周波数は27.5kHzであり、かつ、三次モードの周波数は43.6kHzであるという結果が得られた。ここで、測定に用いられたインクジェットヘッド30は、保護フレーム92も備えているが、ヘッド本体25に対して、柔らかい接着剤を用いて緩やかに接合されているので、インクジェットヘッド30の固有振動数への影響度が小さいとして、固有振動数を計算する際には保護フレーム92を無視している。
なお、クロストークは、あるノズルによってインク吐出が行われた直後に別のノズルによってインク吐出が行われた場合に発生することが多い。例えば、印刷画像において、異なる色のドットが隣接して形成される場合等には、異なるノズルが時間的に近接してインク吐出を行うことになり、クロストークが生じやすい。従って、例えば、背景色がイエローでその上にブラックの線が引かれる場合には、ブラックの線付近におけるイエローの背景色が他の部分より薄くなる等の現象が生じることになる。
図8に示されるように、印字周波数が26kHz及び28kHzの場合には、クロストークが顕著である。印字周波数が10kHz及び12kHzでもクロストークの影響がみられるが、印字品質としては実用的なレベルに留まっている。このように二次モードの振動による影響が顕著に表れるのは、一次モードの振動においては全てのノズルが同位相で振動する一方で、二次モードの振動においては、固有振動の腹にあたる2つの部分のそれぞれ近くに位置するノズルは、それぞれ逆位相(180°の位相ずれ)で振動するからである。したがって、図7(c)に示されるような二次モードの振動によるノズル間の速度及び加速度の差は比較的大きいものになる。これにより、印字周波数が二次モードの周波数である27.5kHzに近い場合には、特にクロストークが生じやすくなる。
図8に示されるクロストークの発生状況から、印字周波数と固有振動数との関係により、クロストークが生じにくい範囲が特定される。例えば、本実施形態においては、インクジェットヘッド30の印字周波数は30kHz以下である。従って、固有振動の二次モードに対応する周波数帯域である26〜28kHzを避けることで、ほぼ実用可能な程度以上の品質での印字が可能である。
詳細には、図8において、印字周波数が8kHz以下、14kHz以上であって22kHz以下、又は、32kHz以上である場合には、実用上、問題なく印字が行われる。あるいは、印字周波数が6kHz以下、又は、34kHz以上である場合には、クロストークがほとんど生じないか、ほぼ全く生じない。一方で、二次モードの周波数は27.5kHzである。従って、実用上問題なく印字が行われる範囲は、二次モードの周波数を基準として、二次モードの周波数/印字周波数が、0.85以下、1.25以上であって1.96以下、又は、3.44以上と一般化される。また、クロストークがほとんど生じないか、ほぼ全く生じない範囲は、同じく二次モードの周波数を基準として、0.80以下、又は、4.59以上と一般化される。
なお、上述の通り、固有振動の二次のモードによるクロストークが特に大きい。従って、クロストークが生じにくい範囲の一般化に当たっては、上記の通り、二次モードの周波数が基準とされている。
従って、上記のような条件で印字を行うことができるインクジェットヘッドであれば、クロストークが生じにくく、印刷画像の再現性がより高いものとなる。なお、本実施形態のインクジェットヘッドのように、ヘッド本体に対して、何らかの外力を与えて吐出駆動させる方式のヘッドであれば、ヘッド本体の素材の違いや保護フレームなどの部材の有無にかかわらず、印字周波数に対する二次モードの周波数の比が上記範囲内にある場合にはクロストークが抑制される。本実施形態においては、上述のように、ヘッド本体25の上面に補強フレーム91が貼り付けられている。補強フレーム91は、ヘッド本体25の上面における四方の端部に金属ろうを介して貼り合わされており、異なるノズル列58に属するノズル間を結ぶノズル間方向について、ヘッド本体25を強固に把持している(支持部材)。これによって、インクジェットヘッドが補強フレームを有さない場合と比べて、インクジェットヘッドの固有振動の二次モードの周波数が大きくなる。従って、このような補強フレームを有していないインクジェットヘッドにおいて、印字周波数が二次モードの周波数より小さく且つ二次モードの周波数に近い場合には、上記のような補強フレーム91の導入により、印字周波数と二次モードの周波数との差が大きくなる。これによって、ノズル間方向に係る振動について、共振が生じにくくなり、クロストークが発生しにくくなる。このように、補強フレーム91は二次モードの周波数の調整部材として機能する。
また、ヘッド本体25のノズル面25aを含むノズルプレート101は、本実施形態においては金属材料から形成されている(金属部材)。例えば、ノズルプレートが硬度の低い材料で形成されている場合であって、且つ、印字周波数が二次モードの周波数より小さく、二次モードの周波数に近い場合には、ノズルプレートの材料を金属材料に変更することにより、印字周波数と二次モードの周波数との差を大きくすることができる。これによって、ノズル間方向に係る振動が生じにくくなり、クロストークが発生しにくくなる。
この他にも、流路ユニット27の積層方向の厚さが大きい場合、流路ユニット27の短手方向の長さが小さい場合等に、インクジェットヘッド30にクロストークが発生しにくくなると考えられる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態においては、インクジェットヘッド30には複数のノズル28によってノズル列58が形成されているものとしている。しかし、ノズル列が形成されていなくても、複数のノズルがインクジェットヘッドに形成されていれば、上述のようなクロストークが発生するため、このような場合にも本発明が適用され得る。また、共通インク室99のように、流路ユニット27の長手方向に沿って延在するインク室が流路ユニット27に形成されていなくてもよい。また、上記実施形態において、インクジェットヘッドはシリアルプリンタ用のシリアルヘッドであったが、ラインプリンタ用のラインヘッドであってもよい。
なお、印字周波数と二次モードの周波数との差を大きくしてクロストークを減少させるために、上述の実施形態では、補強フレーム91及び保護フレーム92を採用する、要所に金属材料を使用する、流路ユニット27の厚さを大きくする、流路ユニット27の短手方向の長さを小さくするなどの条件が提示されている。これらの条件はすべて満たされている必要はなく、これらの条件のうち1つでも採用されれば、クロストークの減少に効果がある。
本発明の液滴噴射ヘッドは、インクを吐出するインクジェットヘッドに限られず、試薬、生体溶液、配線材料溶液、電子材料溶液、冷媒、あるいは、液体燃料など、インク以外の種々の液体を噴射する液滴噴射ヘッドであってもよい。また、本発明の液滴噴射装置も、インクを噴射するインクジェットプリンタに限られず、上述の種々の液体を噴射する液滴噴射装置であってもよい。
本発明の一実施形態であるインクジェットヘッド本体が設置されたインクジェットプリンタ1の概略上面図である。 図1に示されたヘッドユニットの分解斜視図である。 図1に示されたヘッドユニットの縦断面図である。 図2に示されたインクジェットヘッドの分解斜視図である。 図3に示されたヘッド本体、圧電アクチュエータ及びFPCの分解斜視図である。 図3に示された圧電アクチュエータの分解斜視図である。 (a)は図3に示されたインクジェットヘッドを示す模式図であり、(b)はインクジェットヘッドが固有振動の一次モードで振動している様子を表し、(c)は固有振動の二次モードで振動している様子を表す。 図7(a)〜(c)に示された振動によって発生するクロストークに係る実験結果を示す表である。
符号の説明
1 プリンタ
8 ヘッドユニット
21 圧電アクチュエータ
25 ヘッド本体
27 流路ユニット
28 ノズル
30 インクジェットヘッド
58 ノズル列
91 補強フレーム
92 保護フレーム
99 共通インク室
101 ノズルプレート
102 カバープレート
103 ダンパプレート
104,105 マニホールドプレート
106 アパーチャプレート
107 サプライプレート
108 キャビティプレート

Claims (19)

  1. 物体に対して相対移動しつつ、所定の解像度で液滴を噴射する液滴噴射ヘッドであって、
    液滴を吐出する複数のノズル及び前記ノズルが形成されたノズル面を有する流路ユニットを備え、
    前記所定の解像度に対応する単位距離だけ前記液滴噴射ヘッドに対して前記物体が相対移動するのに要する時間の逆数である噴射周波数に対する、前記ノズル面における1つの前記ノズルから他の前記ノズルへ向かうノズル間方向に係るノズル間固有振動の二次モードの周波数の比が、0.85以下、1.25〜1.96、及び、3.44以上の範囲内であることを特徴とする液滴噴射ヘッド。
  2. 前記比が1.25〜1.96である請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  3. 前記噴射周波数が30kHz以下である請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  4. 前記流路ユニットが、前記ノズル面において直線上に並んだ複数の前記ノズルによって形成されたノズル列を有している請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  5. 前記流路ユニットが、互いに平行に配置された複数のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記ノズル面において直線上に並んだ複数の前記ノズルを含み、
    前記ノズル間方向が、異なる前記ノズル列に属するノズル間に係る方向である請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  6. 前記流路ユニットは平板状であって、前記流路ユニットには複数の圧力室と、前記複数の圧力室に共通に連通する液室と、前記液室、前記圧力室及び前記ノズルを連通する複数の流路とが形成されている請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  7. さらに前記複数の圧力室に対して圧力を付与するアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記流路ユニットの前記ノズル面と反対側の面に積層されている請求項6に記載の液滴噴射ヘッド。
  8. 前記アクチュエータは、前記流路ユニットに対して外力を印加する請求項7に記載の液滴噴射ヘッド。
  9. 前記液室は複数の共通液滴室を含み、前記各共通液室は、前記ノズル面に平行であって且つ前記ノズル間方向に垂直な方向に沿って延在している請求項6に記載の液滴噴射ヘッド。
  10. さらに前記ノズル間方向に沿って延在した支持部材を備え、前記支持部材と前記流路ユニットとが接合されている請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  11. 前記流路ユニットの前記支持部材に接合された部分と前記支持部材とが金属材料によって形成され、
    前記流路ユニットと前記支持部材とが金属ろうを介して接合されている請求項10に記載の液滴噴射ヘッド。
  12. 前記流路ユニットが、前記ノズル間方向に沿って延在した金属部材を含んでいる請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  13. 前記ノズル面は、前記金属部材に形成されている請求項12に記載の液滴噴射ヘッド。
  14. さらに、前記比を調整する調整部材を有する請求項1に記載の液滴噴射ヘッド。
  15. 物体に対して液体を噴射する液体噴射装置であって、
    前記物体を所定の方向に移動する移動機構と、
    前記物体に相対して移動しつつ、所定の解像度で液体を噴射するヘッドであって、
    液滴を吐出する複数のノズル、前記ノズルに連通する複数の圧力室、及び、前記ノズルが形成されたノズル面を有する流路ユニット、並びに、
    前記流路ユニットの前記ノズル面と反対側において前記圧力室に対向して形成され、前記圧力室に圧力を与えるアクチュエータユニットを含むヘッドとを備え、
    前記物体が前記ヘッドに対して前記所定の解像度に対応する単位距離だけ相対移動するのに要する時間の逆数である周波数に対する、前記ノズル面における1つの前記ノズルから他の前記ノズルへ向かうノズル間方向に係るノズル間固有振動の二次モードの周波数の比が、0.85以下、1.25〜1.96、及び、3.44以上である液体噴射装置。
  16. 前記液体噴射装置がインクジェットプリンタである請求項15に記載の液体噴射装置。
  17. 前記ヘッドは、さらに前記比を調整する調整部材を有する請求項15に記載の液体噴射装置。
  18. 前記調整部材は、前記ノズル間方向に沿って延在した支持部材であって、前記支持部材と前記流路ユニットとが接合されている請求項17に記載の液体噴射装置。
  19. 物体に対して相対移動しつつ、所定の解像度で液滴を噴射する液滴噴射ヘッドを用いて液滴を噴射する液滴噴射方法であって、
    液滴を吐出する複数のノズル及び前記ノズルが形成されたノズル面を有する流路ユニットを備える液滴噴射ヘッドを用意することと、
    前記所定の解像度に対応する単位距離だけ前記液滴噴射ヘッドに対して前記物体が相対移動するのに要する時間の逆数である噴射周波数に対する、前記ノズル面における1つの前記ノズルから他の前記ノズルへ向かうノズル間方向に係るノズル間固有振動の二次モードの周波数の比が、0.85以下、1.25〜1.96、及び、3.44以上の範囲となるように、前記噴射周波数及び/又は前記ノズル間固有振動の二次モードの周波数を調整することを備える液滴噴射方法。

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