JP2007132773A - エンコーダの検査方法 - Google Patents

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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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Abstract

【課題】エンコーダ4の被検出面に存在するS極とN極との境界位置が、設計通り正確であるか否かを効率良く検査できる検査方法を実現する。
【解決手段】検査用センサ18の検出部を上記被検出面に対向させた状態で、上記エンコーダ4を1回転以上回転させ、この検査用センサ18の出力信号を変化させる作業を、上記検出部を上記被検出面の幅方向に異なる複数個所に対向させつつ行なう。この様にして求めた複数種類の出力信号に関して、この出力信号に関する位相を求め、この位相に基づいて、上記境界位置の精度を求める。
【選択図】図1

Description

この発明に係るエンコーダの検査方法は、エンコーダの被検出面の特性変化の状態が適正であるか否かを判定する為に利用する。具体的には、回転部材に加わる荷重或いはモーメントを測定する為に使用する荷重測定装置に組み込む、被検出面の特性が変化する境界がこの被検出面の幅方向に対し傾斜している様なエンコーダの被検出面の状態の適否を判定する為に利用する。
例えば自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型の転がり軸受ユニット等の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、例えば非特許文献1に記載されている様な、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更には、電子制御式ビークルスタビリティコントロールシステム(ESC)等の車両用走行安定化装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定化装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等を表す信号が必要になる。そして、より高度の制御を行なう為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(例えばラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1には、複列アンギュラ型の玉軸受ユニットである転がり軸受ユニットを構成する1対の列の玉の公転速度に基づいて、この転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はアキシアル荷重を測定する、荷重測定装置付転がり軸受ユニットに関する発明が記載されている。この様な特許文献1に記載された荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、上記両列の玉の公転速度を、これら各玉を保持した1対の保持器の回転速度として求め、これら両列の玉の公転速度に基づいて、上記ラジアル荷重又はアキシアル荷重を算出する。この様な従来構造の場合、上記各玉の転動面と上記両保持器のポケットの内面との間に不可避的に存在する隙間に起因して、上記両列の玉の公転速度と上記両保持器の回転速度との間に、微妙なずれが生じる場合がある。この為、上記ラジアル荷重又はアキシアル荷重を精度良く求める為には、改良の余地がある。
これに対して、特願2005−147642号に記載された様な、荷重の作用方向に配置された1対のセンサの出力信号の位相差に基づき、転がり軸受ユニットに加わる荷重の大きさを測定する発明によれば、上述の様な、不可避的なずれに基づく測定精度の悪化を防止できる。図9〜11は、上記出願に開示された先発明のうちの第1例の構造を示している。この先発明に係る構造は、懸架装置に支持された状態で回転しない静止側軌道輪である外輪1の内径側に、車輪を支持固定(結合固定)した状態でこの車輪と共に回転する、回転側軌道輪であるハブ2を、複数個の転動体3、3を介して回転自在に支持している。これら各転動体3、3には、互いに逆向きの(図示の場合には背面組み合わせ型の)接触角と共に、予圧を付与している。そして、このハブ2の中間部にエンコーダ4を外嵌固定すると共に、上記外輪1の軸方向中間部で複列に配置された上記各転動体3、3の間部分に1対のセンサ5、5を、それぞれの検出部を、被検出面である上記エンコーダ4の外周面に近接対向させた状態で設けている。尚、上記センサ5の検出部には、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子を組み込んでいる。
図9〜11に示した、先発明の第1例の構造の場合、上記エンコーダ4として、永久磁石製のものを使用している。被検出面である、このエンコーダ4の外周面には、特許請求の範囲に記載した第一被検出部であるN極に着磁した部分と、同じく第二被検出部であるS極に着磁した部分とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これらN極に着磁された部分とS極に着磁された部分との境界は、上記エンコーダ4の軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ4の軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。従って、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分とは、軸方向中間部が円周方向に関して最も突出した(又は凹んだ)、「く」字形となっている。
又、上記両センサ5、5の検出部が上記エンコーダ4の外周面に対向する位置は、このエンコーダ4の円周方向に関して同じ位置としている。言い換えれば、上記両センサ5、5の検出部は、上記外輪1の中心軸を含む同一仮想平面上に配置されている。又、この外輪1と上記ハブ2との間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分との軸方向中間部で円周方向に関して最も突出した部分(境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ5、5の検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材4、5、5の設置位置を規制している。尚、先発明の第1例の場合には、上記エンコーダ4として永久磁石製のものを使用しているので、上記両センサ5、5側に永久磁石を組み込む必要はない。
上述の様に構成する先発明の第1例の場合、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用すると、上記両センサ5、5の出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用しておらず、これら外輪1とハブ2とが相対変位していない、中立状態では、上記両センサ5、5の検出部は、図11の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ5、5の出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。
これに対して、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図11の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用し(外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位し)た場合には、上記両センサ5、5の検出部は、図11の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ5、5の出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図11の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ5、5の検出部は、図11の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ5、5の出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に先発明の第1例の場合には、上記両センサ5、5の出力信号の位相が、上記外輪1とハブ2との間に加わるアキシアル荷重の作用方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ5、5の出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。従って第1例の場合には、上記両センサ5、5の出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその方向及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ2との間に作用しているアキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。
上述した先発明の第1例の場合には、永久磁石製のエンコーダ4を使用しているが、前記特願2005−147642号には、図12に示す様な、磁性材製のエンコーダ4aを使用した構造に就いても記載されている。被検出面である、このエンコーダ4aの外周面には、特許請求の範囲に記載した第一被検出部であるスリット状の透孔6a、6bと、同じく第二被検出部である柱部7a、7bとを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔6a、6bと各柱部7a、7bとは、上記エンコーダ4aの軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ4aの軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。即ち、このエンコーダ4aは、軸方向片半部に、上記軸方向に対し所定方向に同じだけ傾斜した透孔6a、6aを形成すると共に、軸方向他半部に、この所定方向と逆方向に同じ角度だけ傾斜した透孔6b、6bを形成している。
上述の様なエンコーダ4aは、図9に示した第1例と同様に、ハブ2に外嵌固定し、外輪1(図9参照)の軸方向中間部に設置した1対のセンサの検出部を、上記エンコーダ4aの外周面に近接対向させる。尚、先発明の第2例の場合には、このエンコーダ4aが単なる磁性材製である為、上記1対のセンサの側に永久磁石を組み込む。この様な先発明の第2例の場合も、前述した先発明の第1例の場合と同様の作用により、上記外輪1とハブ2との間に作用しているアキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。尚、エンコーダを円輪状に構成すると共に、このエンコーダの軸方向側面を被検出面とし、この被検出面に1対のセンサの検出部を、径方向にずらせた状態で対向させれば、上記外輪1と上記ハブ2とのラジアル方向に関する変位、延てはこれら外輪1とハブ2との間に加わるラジアル荷重を求める事も可能である。
又、上述の図12に示したエンコーダ4aは、互いに独立した透孔6a、6bを「ハ」字形に配置しているが、図13に示した第3例の様に、連続した「ヘ」字形の透孔6c、6cを、円周方向に亙り等間隔に配置したエンコーダ4bを使用する事もできる。尚、図13に示した構造の場合には、1対の磁気検出素子8、8と1個の永久磁石9とを単一のホルダ10の先端部に包埋支持して、1対のセンサとして機能する、一体型のセンサユニットを構成している。外輪1とハブ2との間に作用するアキシアル荷重を求める機能に就いては、前述した第1例、或いは、上述した第2例と同様である。
前記特願2005−147642号に記載された荷重測定装置付転がり軸受ユニットの構成及び作用は、上述の通りであるが、転がり軸受ユニットに加わる荷重若しくはモーメントを測定する装置としては、他にも、例えば特願2005−256752号に開示されたものがある。図14〜15に、上記転がり軸受ユニットに加わる荷重若しくはモーメントを測定する為の他の装置の2例を示している。
先ず、図14に示した、先発明の第4例の構造の場合には、ハブ2aの中間部に、永久磁石により円筒状に構成したエンコーダ4cを、断面クランク形の支持環11を介して外嵌固定している。このエンコーダ4cの被検出面である外周面には、N極とS極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。又、図14の(A)に示す様に、上記N極とS極との境界の形状を、上記エンコーダ4cの軸方向(上記外周面の幅方向)に対して同方向に同じ角度だけ傾斜させている。そして、上記エンコーダ4cの外周面に、外輪1の軸方向中間部に支持したセンサ5aの検出部を、径方向に近接対向させている。
又、上記外輪1の内端部内周面と上記ハブ2aの内端部外周面との間を塞ぐ組み合わせシールリング12を構成する、このハブ2aの内端部に外嵌固定したスリンガ13の内側面に、円輪状の第二エンコーダ14を、このハブ2aと同心に添着固定している。この第二エンコーダ14の被検出面である内側面には、N極とS極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。又、図14の(B)に示す様に、上記N極とS極との境界を、放射方向の直線形状としている。上記エンコーダ4cの外周面に存在するS極及びN極の数と、上記第二エンコーダ14の内側面に存在するS極及びN極の数とは、互いに等しい。そして、この第二エンコーダ14の内側面に、懸架装置を構成するナックル(図示せず)等の静止部材の一部に支持した第二センサ15の検出部を、軸方向に近接対向させている。
この様な先発明の第4例の場合には、上記外輪1と上記ハブ2aとの間にアキシアル荷重が作用せず、これら外輪1とハブ2aとが軸方向に相対変位していない、中立状態で、上記両センサ5a、15の出力信号が同時に(或いは所定の時間差で)変化する様にしている。この為に、上記中立状態で、上記第二センサ15の検出部が上記第二エンコーダ14の内側面に存在するS極とN極との境界に対向するのと同時(或いは所定の時間差で)に、上記センサ5aの検出部が上記エンコーダ4cの外周面に存在するS極とN極との境界に対向する様に、各部材15、14、5a、4cの設置位置を規制している。
上述の様に構成する先発明の第4例の場合、上記外輪1と上記ハブ2aとの間にアキシアル荷重が作用する(これら外輪1とハブ2aとが軸方向に相対変位する)と、上記両センサ5a、15の出力信号の位相がずれる。即ち、上記第二エンコーダ14の内側面に対向している上記第二センサ15の出力信号の位相は、上記相対変位の有無に関係なく、一定である(進んだり遅れたりする事はない)。これに対し、上記エンコーダ4cの外周面に対向している上記センサ5aの出力信号の位相は、上記相対変位に伴って、進んだり遅れたりする。従って、この様に進んだり遅れたりする分だけ、上記両センサ5a、15の出力信号の位相がずれる。
この様に、先発明の第4例の場合には、上記両センサ5a、15の出力信号の位相が、上記外輪1と上記ハブ2aとの間に加わるアキシアル荷重の方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ5a、15の出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。従って、上述した先発明の第4例の場合には、上記両センサ5a、15の出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその向き及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ2aとの軸方向の相対変位の向き及び大きさ、延いては、これら外輪1とハブ2aとの間に作用しているアキシアル荷重の向き及び大きさを求められる。
次に、図15は、先発明の第5例を示している。この先発明の第5例の場合には、回転側軌道輪であるハブ2の内端部に支持環16を、このハブ2と同心に外嵌固定している。これと共に、この支持環16の先端部外周面に、上述した先発明の第4例で使用したものと同様の構成を有する円筒状のエンコーダ4cを添着固定している。又、このエンコーダ4cの被検出面である外周面の上下両端部に、1対のセンサ5b、5cの検出部を近接対向させている。即ち、静止側軌道輪である外輪1の内端開口部に被着したカバー17の内周面の上下両端部に上記両センサ5b、5cを支持固定すると共に、これら両センサ5b、5cの検出部を、上記エンコーダ4cの外周面の上下両端部に近接対向させている。
自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わるアキシアル荷重は、このハブ2に結合固定した車輪(タイヤ)の外周面と路面との接地面から入力される。この接地面は、上記外輪1及び上記ハブ2の回転中心よりも径方向外方に存在する為、上記アキシアル荷重はこれら外輪1とハブ2との間に、純アキシアル荷重としてではなく、これら外輪1及びハブ2の中心軸と上記接地面の中心とを含む(鉛直方向の)仮想平面内での、モーメントを伴って加わる。そして、このモーメントの大きさは、上記接地面から入力されるアキシアル荷重の大きさに比例する。そこで、このモーメントを求めれば、このアキシアル荷重を求められる事になる。一方、上記ハブ2にモーメントが加わると、上記エンコーダ4cの上端部が、軸方向に関して何れかの方向に、同じく下端部がこれと逆方向に、それぞれ変位する。この結果、上記エンコーダ4cの外周面の上下両端部にそれぞれの検出部を近接対向させた、上記両センサ5b、5cの出力信号の位相が、それぞれ中立位置に対して、逆方向にずれる。そこで、これら両センサ5b、5cの出力信号の位相のずれの向き及び大きさに基づいて、上記アキシアル荷重の向き及び大きさを求められる。
何れにしても、荷重測定装置付転がり軸受ユニットにより求めた荷重は、車輪(タイヤ)と路面との接触面(接地面)で生じている荷重と等価である。従って、この求めた荷重に基づいて車両の走行状態を安定化させる為の制御を行なえば、車両の姿勢が不安定になる事を予防する為のフィードフォワード制御が可能になる等、車両の走行安定性確保の為の高度な制御が可能になる。尚、図示は省略するが、エンコーダの被検出面に存在するS極及びN極との形状を台形にし、これらS極とN極との境界のピッチを、この被検出面の幅方向に関して漸次変化させた構造も、前記特願2005−147642号に記載されている。この様な構造の場合、荷重に基づいてセンサの検出部が、上記被検出面の幅方向に変位すると、このセンサの出力信号のデューティ比(高電位継続時間/1周期)が変化する。そこで、このデューティ比に基づいて、上記荷重を求められる。又、被検出面をエンコーダの軸方向側面とし、センサの検出部をこの被検出面に軸方向に対向させれば、転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を求める事もできる。
先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの構造及び作用は上述の通りであるが、この様な先発明を、実際に自動車等の車両の走行安定性確保を図る為に利用する場合には、エンコーダの被検出面に存在する第一被検出部と第二被検出部との境界位置が、設計通り正確である事が必要である。即ち、N極或いは透孔6a、6c等の第一被検出部と、S極或いは柱部7a、7b等の第二被検出部との境界位置が、設計通り正確でない限り、荷重の大きさと各センサ5、5a〜5c等の出力信号同士の間の位相差との間に所定の関係が成り立たない。この関係が成り立たない場合には、この位相差から導かれる上記荷重の測定精度が不正確になり、この荷重の値に基づいて、上記走行安定性確保の為に高度の制御を行なう事が難しくなる。
一方、上記第一、第二両被検出部の境界を上記被検出面の幅方向に対し傾斜させたエンコーダは、この境界をこの幅方向に関して傾斜させていない、一般的なABS制御用のエンコーダに比べて製造が面倒な為、上記境界位置が設計位置からずれる可能性を否定できない。この様に、境界位置が設計位置からずれたエンコーダを荷重測定装置付転がり軸受ユニットに組み込んでも、転がり軸受ユニットに加わる荷重を、十分な精度で求める事はできない。従って、上記荷重測定装置付転がり軸受ユニットにより、上記走行安定性確保の為の制御を行なう為には、この荷重測定装置付転がり軸受ユニットに組み込むエンコーダの被検出面に存在する第一被検出部と第二被検出部との境界位置が、設計通り正確であるか否かを効率良く検査できる検査方法の実現が望まれる。
特開2005−31063号公報 青山元男著、「レッドバッジスーパー図解シリーズ/クルマの最新メカがわかる本」、p.138−139、p.146−149、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日
本発明は、上述の様な事情に鑑み、荷重測定装置付転がり軸受ユニットに組み込むエンコーダの被検出面に存在する第一被検出部と第二被検出部との境界位置が、設計通り正確であるか否かを効率良く検査できる検査方法を実現すべく発明したものである。
本発明のエンコーダの検査方法は、被検出面に、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とを円周方向に関して交互に(一般的には等間隔で)配置したエンコーダの被検出面に存在する、この境界の精度を検査する。
この様な本発明のエンコーダの検査方法では、検査用センサの検出部を上記被検出面に対向させた状態で上記エンコーダを1回転以上回転させ、この検査用センサの出力信号を変化させる作業を、上記検出部を上記被検出面の幅方向に異なる複数個所に対向させつつ行なう。そして、この様にして行なう作業により求められる出力信号に関して、上記エンコーダの回転に対応する位相を求める。更に、この位相に基づいて、上記境界の精度を求める。
この為に例えば、請求項2に記載した様に、1乃至複数個の検査用センサとエンコーダとを、被検出面の幅方向に関して相対移動可能に設置する。そして、この被検出面の幅方向に関する上記検査用センサの検出部の位置を上記被検出面の幅方向に相対変位させつつ上記エンコーダを回転させ、この検査用センサの出力信号を、このエンコーダの回転(角度)との関係で記録する。この場合に於ける、この検査用センサの、上記被検出面の幅方向への移動速度は、上記エンコーダの回転速度(被検出面の周速)に比べて遥かに(例えば1/100以下、乃至は1/1000以下と言った程度に、被検出面の周速に比べて上記移動速度を殆ど無視できる程度に)遅くする。
或いは、請求項3に記載した様に、1乃至複数個の検査用センサとエンコーダとを、被検出面の幅方向に関して相対移動可能に設置する。そして、この被検出面の幅方向に関する上記検査用センサの検出部の位置を一定としたまま上記エンコーダを1回転以上回転させて、この検査用センサの出力信号を、このエンコーダの回転(角度)との関係で記録する。その後、この検査用センサを上記被検出面の幅方向に相対変位させてから、上記エンコーダを1回転以上回転させ、この検査用センサの出力信号を記録する動作を繰り返して複数種類の出力信号を、上記エンコーダの回転(角度)との関係で記録する。
或いは、請求項4に記載した様に、複数の検査用センサの検出部を、被検出面の幅方向に関して複数個所に対向させる。そして、この被検出面の幅方向に関する上記各検査用センサの検出部の位置をそれぞれ一定としたまま上記エンコーダを1回転以上回転させて、複数種類の出力信号を同時に、このエンコーダの回転(角度)との関係で記録する。
何れの場合でも、上記エンコーダの回転(角度)との関係での、上記出力信号の位相は、例えば請求項5に記載した様に、別途用意した基準信号との比較に基づいて求める。
或いは、請求項6に記載した様に、エンコーダの被検出面の幅方向に離隔して配置された複数個の検査用センサを使用し、出力信号の位相を、これら各検査用センサの出力信号同士の比較に基づいて求める。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した様に、エンコーダを、第一、第二両被検出部の境界が被検出面の幅方向に対し傾斜したものとする。そして、出力信号に関する位相を、検出部が対向している被検出面の幅方向位置との関係で求める。
上述の様に構成する本発明のエンコーダの検査方法によれば、エンコーダの被検出面に存在する第一被検出部と第二被検出部との境界位置が、設計通り正確であるか否かを効率良く検査できる。
この場合に、例えば、検査用センサの出力信号の位相の実測値を、例えば基準信号との比較により求める。一方、当該出力信号を得た状態での、上記検査用センサの出力信号の位相の適正値は、上記境界位置の設計値と、エンコーダの被検出面の幅方向に関する上記検査用センサの位置との関係から求められる。
そして、上記実測値と上記適正値とを比較すれば、境界位置が、設計通り正確であるか否かが分かる。この様にして行なう検査は、上記エンコーダを回転させつつ自動的に行なえるので、上記境界位置の適否を効率良く検査できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1、3、5、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、前述の図9〜11に示した様な、永久磁石製のエンコーダ4の被検出面である外周面の境界位置の適否を検査する場合に就いて示している。このエンコーダ4は、前述した様に、第一被検出部であるN極に着磁した部分と第二被検出部であるS極に着磁した部分とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置すると共に、これらN極に着磁された部分とS極に着磁された部分とを軸方向中間部で円周方向に関して最も突出させている。
この様なエンコーダ4の被検出面を、図1に白抜きで上向きの太矢印により示した、検査用センサ18により走査する。この際、上記エンコーダ4は、軸方向に変位させずに、回転のみさせる。これに対して、上記検査用センサ18は、上記エンコーダ4の被検出面の幅方向に関して間欠的に移動させ、図1に上向きの細矢印により示した、a位置〜e位置の5個所位置で、それぞれ、上記被検出面を周方向(エンコーダ4の回転方向)に走査する。即ち、上記検査用センサ18は、図1に横向きの細矢印により示した上記幅方向への移動と、停止とを繰り返し、上記a位置〜e位置での停止時毎に、上記被検出面を周方向に、1回転分以上走査する。そして、この停止時毎に、この被検出面に存在する上記S極とN極との繰り返しに基づいて、出力信号を変化させる。従って、上記5個所位置に対応して、5種類の(例えば、それぞれが48パルス/1回転、又は、60パルス/1回転で変化する)、検査用の出力信号を得られる。勿論、上記5個所位置で、上記被検出面の幅方向に関する位置は、正確に規制する。
この様にして得られる検査用の出力信号と、この検査用の出力信号の位相を求める為の基準信号とを、図2に示す。この基準信号の周波数(上記エンコーダ4の1回転当りの変化の回数)は、上記検査用の出力信号と同じである。上記図2のうちの(A)は基準信号を、(B)〜(D)は上記検査用の出力信号を、それぞれ表している。この基準信号は、図示しない基準信号用エンコーダにその検出部を対向させた、やはり図示しない基準信号用センサにより得るもので、上記基準信号の周波数は、上記エンコーダ4の回転速度と同期して変化する。上記基準信号用エンコーダに関して、1回転当りの境界位置の数が被検査物である上記エンコーダ4の被検出面と同じであり、この境界位置が正確に仕上げられている事、上記基準用エンコーダが上記エンコーダ4と同期して回転する事は、勿論である。このエンコーダ4の被検出面の境界位置が、設計値通り正確であれば、上記検査用センサ18がa、e両位置に存在する場合には図2の(B)に示した、b、d両位置に存在する場合には同じく(C)で示した、c位置に存在する場合には同じく(D)に示した、それぞれ出力信号を得られる。これに対して、上記境界位置が、設計値からずれている場合には、上記図2の(B)〜(D)に示した出力信号の位相がずれる(前後する)。
上記エンコーダ4の良否を判定する為には、上記図2の(B)〜(D)に示した(実際には上記a位置〜e位置に対応して5種類の)出力信号同士の間の位相差を、上記図2の(A)に示した基準信号との比較で特定する。具体的には、上記5種類の出力信号に関して、この基準信号との間の位相差を求め、この基準信号との間の位相差同士の間の差に基づいて、上記出力信号同士の間の位相差を求める。前記N極に着磁された部分と前記S極に着磁された部分との境界位置が、上記エンコーダ4の被検出面の全周に亙って適正であれば、上記a位置〜e位置に対応した5種類の出力信号同士の間の位相差は、全周に亙って(総ての境界位置に関して)同じになるはずである。但し、永久磁石製のエンコーダの被検出面にS極及びN極を、それぞれ「く」字形の範囲内に正確に着磁する事は難しい。従って、現在の技術では、上記5種類の出力信号同士の間の位相差が、上記被検出面の周方向位置に対応して、例えば図3に2本の破線イ、ロの範囲内で、多少なりともずれる(ばらつきが生じる)可能性はある。この破線イ、ロの間隔として表される、このばらつきが小さければ、当該エンコーダ4を組み込んだ荷重測定装置により求めた荷重を、走行安定性確保の為の制御に使用できるが、上記ばらつきが大きい場合には使用できない為、その様なエンコーダ4は、不良品として廃棄しなければならない。
上記ばらつきが大きいか否か(当該エンコーダ4を廃棄しなければならないか否か)を判断する程度(合否判定の閾値)は、上記荷重測定装置に要求される測定精度との関係で設計的に決める。又、合否判定の手法は、次の(1)(2)に示した2通りの方法を、単独で、或いは組み合わせて採用する。
(1) 上記5種類の出力信号に関して、上記エンコーダ4が1回転する間の総てのパルス{(48パルス、又は、60パルス)×5}、総ての境界位置に関して、上記5種類の出力信号同士の間の位相差を求める。そして、総ての境界位置に関する位相差のばらつきが、例えば図3の破線イ、ロで示した所定の規制範囲内に存在する場合に、当該エンコーダ4を合格とする。
(2) 上記5種類の出力信号に関して、上記エンコーダ4が1回転する間の総てのパルス{(48パルス、又は、60パルス)×5}、総ての境界位置に関して、上記5種類の出力信号同士の間の位相差を求める。そして、測定した総ての境界位置に関する位相差の平均値が、例えば図4の破線ハ、ニで示した所定の規制範囲内に存在する場合に、当該エンコーダ4を合格とする。この場合には、位相差の平均値を合否の対象として利用する為、上記規制範囲、即ち、図4の破線ハ、ニの間隔は、上記(1) の様に、総ての境界位置に関する位相差のばらつきを監視する場合(図3の破線イ、ロの間隔)よりも狭くする。
尚、上記2通りの方法のうち、(2) に示した方法は、測定した総ての境界位置に関する位相差の平均値を利用する為、部分的には、位相差が大きく異なる境界位置が存在しても、これをチェックできない。但し、荷重測定装置で、エンコーダの被検出面を走査する検査用センサの出力信号を処理する場合には、この出力信号をフィルタ処理してその平均値を使用する場合がある(例えば、特願2005−192665参照)。従って、この様な場合には、上記(2) の方法を使用しても、特に問題を生じる事はない。
又、図1のa〜eに示した5個所位置には、必ずしも、実際の使用状態で、検査用センサの検出部が対向しない部分を含める必要はない。即ち、上記エンコーダ4の被検出面の軸方向両端部及び中央部には、通常の使用状態で考えられる範囲で、余程大きな荷重が加わっても、検査用センサの検出部が対向する事はない。従って、その様な部分に関しては、検査用センサの検出部を対向させる必要はないし、仮に対向させた結果、位相差に関して大きなばらつきを観察しても、当該エンコーダ4を不合格にする必要はない。要は、実際に使用に供する範囲で、上記エンコーダ4の被検出面の境界位置に適否を判定すれば良い。
尚、本例の方法を実施する場合に、好ましくは、前記図2の(A)に示した基準信号を得る為の基準信号用エンコーダの位相と、検査対象である上記エンコーダ4の初期位相とを正確に合わせておく。この様にすれば、前記5種類の出力信号同士の間の位相差を求め、更に、各境界位置に関する位相差のばらつきを求める作業を容易に行なえる。但し、上記基準信号用エンコーダの位相と上記初期位相とが合っていなくても、前記図3の破線イ、ロ或いは図4の破線ハ、ニを各図の上下方向に移動させて、各位相差(図4に関しては位相差の平均値)が所定の範囲に収まっているか否かを観察する事で、上記エンコーダ4の被検出面の境界位置の適否を判定する事もできる。要は、前記a〜eの5個所位置同士の間での位相差が適正であるか否か(それぞれが所定の間隔を有する、図3の破線イ、ロ同士の間、或いは、図4の破線ハ、ニ同士の間に収まるか否か)を判定できれば良い。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1、2、5、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、その検出部をエンコーダ4の被検出面に対向させた、検査用センサ18の、この被検出面の幅方向に関する位置を、連続的に(一時停止を行なう事なく)変化させる。即ち、上記検査用センサ18を上記被検出面の幅方向に相対変位させつつ、上記エンコーダ4を回転させ、この検査用センサ18の出力信号を記録する。この様な本例の方法によれば、前述の第1例の場合に必要になる、検査用センサ18の移動、停止を行なう煩わしさをなくせる。
この様な本例の方法を実施する場合に於ける、この検査用センサ18の、上記被検出面の幅方向への移動速度は、上記エンコーダ4の回転速度(被検出面の周速)に比べて遥かに(例えば1/100以下、乃至は1/1000以下と言った程度に、被検出面の周速に比べて上記移動速度を殆ど無視できる程度に)遅くする。この理由は、この移動速度が速いと、前述の(1) の方法で評価する場合は勿論、前述の(2) の方法で評価するにしても、妥当な平均値を得にくくなる(幅方向の移動距離分、平均値が本来の平均値から大きくずれる)為である。これに対して、上記被検出面の幅方向への移動速度をこの被検出面の周速に比べて遥かに遅くすれば、上記(1) の方法で評価するにしても、上記(2) の方法で評価するにしても実用上十分な精度で評価を行なえる。尚、上記幅方向の移動速度を基に、各位置同士の間の位相差を補正してから、被検出面に存在する境界位置の適否を判定しても良い。その他の点に関しては、前述の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
図6は、請求項1、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、1対の検査用センサ18a、18bを、エンコーダ4の被検出面の幅方向に離隔して配置している。この被検出面の幅方向に関する、上記両検査用センサ18a、18bのピッチは、正確に規制している。上記エンコーダ4の被検出面に存在するS極とN極との境界位置の適否を判定する際には、このエンコーダ4を回転させつつ、上記両検査用センサ18a、18bの出力信号同士の間に存在する位相差を求める。そして、この位相差が、上記ピッチ及び上記境界位置との関係で適正か否かに基づいて、上記エンコーダ4の合否を判定する。
この様な本例の方法によれば、上記被検出面の幅方向に関する、上記両検査用センサ18a、18bの移動距離を短くできて、上記エンコーダ4の合否判定の能率化を図れる。本例の場合には、上記1対の検査用センサ18a、18bを使用する為、実際に上記エンコーダ4を荷重測定装置に組み込んだ場合に近い状態で、このエンコーダ4を検査する事ができる。又、前述した第1〜2例の場合と異なり、基準信号を得る為の基準信号用エンコーダや基準信号用センサが不要になる。その他の点に関しては、前述の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
図7は、請求項1、4、7に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、複数個(図示の例では5個)の検査用センサ18a〜18eを、エンコーダ4の被検出面の幅方向に離隔して配置している。この被検出面の幅方向に関する、上記各検査用センサ18a〜18eのピッチは、正確に規制している。そして、これら各検査用センサ18a〜18eの出力信号同士の比較に基づいて、上記エンコーダ4の被検出面の幅方向に異なる複数個所に関する、出力信号の位相を求める様にしている。検査時に、上記各検査用センサ18a〜18eを上記被検出面の幅方向に変位させる事はない。得られた5種類の出力信号は、前述の第1例の場合と同様にして評価し、上記エンコーダ4の適否を判定する。この様な本例の方法によれば、上記各検査用センサ18a〜18eを移動させる必要がないので、上記エンコーダ4の合否判定をより一層能率化をできる。
[実施の形態の第5例]
図8は、請求項1、2、7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、軸方向片側面を被検出面とした円輪状のエンコーダ4dの被検出面に存在する、S極とN極との境界位置の適否を判定するのに、本発明を適用する場合に就いて示している。この為に本例の場合には、上記エンコーダ4dを回転させつつ、検査用センサ18fを、上記被検出面の径方向に変位させる様にして、出力信号の位相差を得る様にしている。得た位相差に基づいて上記エンコーダ4dの合否を判定する方法に就いては、前述した第2例の場合と同様である。
[その他の事項に就いて]
本発明のエンコーダの検査方法は、前述の図14〜15に示した様な、境界位置の傾斜方向が被検出面の幅方向に関して途中で変化しないエンコーダ4cの合否判定にも利用できる。又、検査用センサとエンコーダとを、被検出面の幅方向に関して相対移動させる作業は、この検査用センサを移動させるのに代えて、エンコーダを移動させて行なう事でも行なえる。更に、検査用センサの種類は、特に問わないが、例えば、次の(A)(B)の一方又は双方を使用する事ができる。
(A) 境界位置を精度良く検出できるセンサ
例えば、前述の図12〜13に示す様な、磁性金属板製のエンコーダ4a、4bの検査を行なう場合には、レーザー変位計の如き、幾何学的な特性境界の形状を精度良く測定できるものが、好ましく使用できる。
一方、前述の図9〜11、14〜15に示す様な、永久磁石製のエンコーダ4、4cの検査を行なう場合には、ガウスメータ、MI素子等の如き、磁束の密度及び方向の変化を感度良く検出でき、特性境界を精度良く測定できるものが、好ましく使用できる。
(B) 実際に荷重測定装置を構成する(量産型と同様の)センサ
この様なセンサを使用する事により、実際の使用状態に則した条件で、エンコーダの合否判定を行なえる。
以上の説明は、本発明を荷重測定装置付転がり軸受ユニットに組み込む、第一、第二両被検出部同士の境界位置が、被検出面の幅方向に関して漸次変化しているエンコーダの検査に適用する場合に就いて説明した。但し、本発明は、ABS制御用の回転検出装置に使用されている様な、第一、第二両被検出部同士の境界位置が被検出面の幅方向に関して一定である、一般的なエンコーダの検査に適用する事もできる。この様な一般的なエンコーダの検査を、上記被検出面の幅方向複数個所に就いて実施すれば、このエンコーダを組み込んだ回転検出装置の測定精度の信頼性向上を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を説明する為の模式図。 同じく検査用センサの出力信号と基準信号とを示す線図。 この出力信号の位相差に基づいてエンコーダの合否判定を行なう状況の第1例を示す模式図。 同じく第2例を示す模式図。 本発明の実施の形態の第2例を説明する為の模式図。 同じく第3例を説明する為の模式図。 同じく第4例を説明する為の模式図。 同じく第5例を説明する為の模式図。 先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第1例を示す断面図。 この第1例に組み込むエンコーダの斜視図。 アキシアル荷重に基づいて1対のセンサの出力信号が変化する状態を説明する為の線図。 先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第2例に組み込むエンコーダの斜視図。 先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第3例を示す断面図。 同第4例を示す断面図。 同第5例を示す断面図。
1 外輪
2、2a ハブ
3 転動体
4、4a、4b、4c、4d エンコーダ
5、5a、5b、5c センサ
6a、6b、6c 透孔
7a、7b 柱部
8 磁気検出素子
9 永久磁石
10 ホルダ
11 支持環
12 組み合わせシールリング
13 スリンガ
14 第二エンコーダ
15 第二センサ
16 支持環
17 カバー
18、18a〜18f 検査用センサ

Claims (7)

  1. 被検出面に、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とを円周方向に関して交互に配置したエンコーダの被検出面に存在する、この境界の精度を検査する、エンコーダの検査方法であって、検査用センサの検出部を上記被検出面に対向させた状態で上記エンコーダを1回転以上回転させ、この検査用センサの出力信号を変化させる作業を、上記検出部を上記被検出面の幅方向に異なる複数個所に対向させつつ行なう事により求められる出力信号に関して、上記エンコーダの回転に対応する位相を求め、この位相に基づいて上記境界の精度を求める、エンコーダの検査方法。
  2. 1乃至複数個の検査用センサとエンコーダとを、被検出面の幅方向に関して相対移動可能に設置し、この被検出面の幅方向に関する上記検査用センサの検出部の位置を上記被検出面の幅方向に相対変位させつつ上記エンコーダを回転させ、この検査用センサの出力信号を記録する、請求項1に記載したエンコーダの検査方法。
  3. 1乃至複数個の検査用センサとエンコーダとを、被検出面の幅方向に関して相対移動可能に設置し、この被検出面の幅方向に関する上記検査用センサの検出部の位置を一定としたまま上記エンコーダを1回転以上回転させて、この検査用センサの出力信号を記録した後、この検査用センサを上記被検出面の幅方向に相対変位させてから上記エンコーダを1回転以上回転させ、この検査用センサの出力信号を記録する動作を繰り返して複数種類の出力信号を記録する、請求項1に記載したエンコーダの検査方法。
  4. 複数の検査用センサの検出部を、被検出面の幅方向に関して複数個所に対向させ、この被検出面の幅方向に関する上記各検査用センサの検出部の位置をそれぞれ一定としたまま上記エンコーダを1回転以上回転させて、複数種類の出力信号を同時に記録する、請求項1に記載したエンコーダの検査方法。
  5. 出力信号の位相を、別途用意した基準信号との比較に基づいて求める、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したエンコーダの検査方法。
  6. エンコーダの被検出面の幅方向に所定距離だけ離隔して配置された複数個の検査用センサを使用し、出力信号の位相を、これら各検査用センサの出力信号同士の比較に基づいて求める、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したエンコーダの検査方法。
  7. 第一、第二両被検出部の境界が被検出面の幅方向に対し傾斜しており、出力信号に関する位相を、検出部が対向している被検出面の幅方向位置との関係で求める、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したエンコーダの検査方法。
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JP2009276256A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Nsk Ltd エンコーダの検査方法
JP2010133779A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Nsk Ltd 転がり軸受ユニットの状態量測定装置の検査方法及び検査装置

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