JP2007131693A - 発泡性マスターバッチ、この発泡性マスターバッチの製造方法およびこの発泡性マスターバッチを用いた射出発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡ガスが射出機や押出機のスクリュー上流側に漏れでることを抑えて、安定した発泡倍率の発泡成形体を必要最小限の使用で得ることができる発泡性マスターバッチ、この発泡性マスターバッチの製造方法およびこの発泡性マスターバッチを用いた射出発泡成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】化学発泡剤と、化学発泡剤の分解温度より低い融点を有する熱可塑性樹脂とを混合し、この混合物を所望形状に成形したのち、成形体に電子線を照射して前記熱可塑性樹脂を電子線架橋させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】化学発泡剤と、化学発泡剤の分解温度より低い融点を有する熱可塑性樹脂とを混合し、この混合物を所望形状に成形したのち、成形体に電子線を照射して前記熱可塑性樹脂を電子線架橋させるようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発泡性マスターバッチ、この発泡性マスターバッチの製造方法およびこの発泡性マスターバッチを用いた射出発泡成形体の製造方法に関する。
従来、基材樹脂がポリオレフィン樹脂である発泡体の製造方法として、キャリア樹脂に化学発泡剤等を配合してなる発泡性マスターバッチと基材樹脂としてポリオレフィン樹脂とを射出機あるいは押出機中で溶融混練し、溶融混練物を金型内に射出あるいは押し出すとともに溶融混練物を金型内あるいは金型から出して発泡させることにより発泡体とする方法がある(たとえば、特許文献1参照)。
すなわち、アゾジカルボンアミドや重炭酸ナトリウム(重曹)などの化学発泡剤は、一般的には粉体であるため、大きさが全く異なる基材樹脂ペレット(マスターバッチも含む)と、直接、射出機や押出機内で溶融混練した場合、均一分散させることは非常に困難であった。
すなわち、アゾジカルボンアミドや重炭酸ナトリウム(重曹)などの化学発泡剤は、一般的には粉体であるため、大きさが全く異なる基材樹脂ペレット(マスターバッチも含む)と、直接、射出機や押出機内で溶融混練した場合、均一分散させることは非常に困難であった。
そこで、融点が化学発泡剤の発泡温度より低く、基材樹脂と相溶性がある樹脂をキャリア樹脂とし、このキャリア樹脂中にあらかじめ化学発泡剤を配合して、基材樹脂ペレットと同じような大きさに成形した発泡性マスターバッチを用意し、この発泡性マスターバッチを基材樹脂ペレットとともに、射出機あるいは押出機に供給し、射出機あるいは押出機内で、基材樹脂ペレットと発泡性マスターバッチとを溶融混練することによって化学発泡剤を基材樹脂とキャリア樹脂とが混合溶融した溶融樹脂中に均一分散させるようにしている。
しかしながら、従来の発泡性マスターバッチは、キャリア樹脂として、発泡体の基材樹脂に比べ、低融点のものが用いられているため、以下のような問題があった。
すなわち、上記発泡性マスターバッチを用いて射出発泡成形体を製造する場合、基材樹脂ペレットと発泡性マスターバッチとを射出機あるいは押出機のシリンダーに設けられたホッパ等の樹脂投入口から投入し、シリンダー内でスクリューの回転により、基材樹脂と発泡性マスターバッチのキャリア樹脂とを溶融混練するのであるが、基材樹脂に比べ、キャリア樹脂の方が低融点であるため、基材樹脂よりもキャリア樹脂の方が速く溶融を開始するとともに、化学発泡剤が分解し、発生した発泡ガスがキャリア樹脂から漏れ出はじめる。また、このとき、射出機あるいは押出機の樹脂投入口近傍では、基材樹脂ペレットが十分に溶解しておらず、スクリューとシリンダーとの間に、溶融樹脂が充満した状態になっていないので、キャリア樹脂から漏れ出た発泡ガスの一部がスクリューの上流側に抜け出てしまう場合がある。特に射出機や1軸押出機の場合、発泡ガスがスクリューの上流側へ放出されやすく、発泡体の発泡倍率が安定しない、あるいは、多量に発泡性マスターバッチを使用しなければならず、基材樹脂へのキャリア樹脂の混入量が増し、得ようとする成形体の物性に問題が生じる場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みて、発泡ガスが射出機や押出機のスクリュー上流側に漏れ出ることを抑えて、安定した発泡倍率の発泡成形体を必要最小限の使用で得ることができる発泡性マスターバッチ、この発泡性マスターバッチの製造方法およびこの発泡性マスターバッチを用いた射出発泡成形体の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる発泡性マスターバッチは、化学発泡剤が、化学発泡剤の発泡温度より低い融点を有するキャリア樹脂に包含されている発泡性マスターバッチにおいて、少なくとも表層部分のキャリア樹脂が、電子線架橋熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴としている。
電子線架橋熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂の電子線架橋樹脂が挙げられ、電子線架橋ポリエチレンが好しい。
電子線架橋熱可塑性樹脂の架橋度は、特に限定されないが、ゲル分率が0.05〜85%
程度の架橋度にすることが好ましく、表層から0.5mm以内の領域に関してゲル分率は10〜70%であり、中心の部分のゲル分率は5%以下が好ましい。
電子線架橋熱可塑性樹脂の架橋度は、特に限定されないが、ゲル分率が0.05〜85%
程度の架橋度にすることが好ましく、表層から0.5mm以内の領域に関してゲル分率は10〜70%であり、中心の部分のゲル分率は5%以下が好ましい。
また、本発明の発泡性マスターバッチには、化学発泡剤以外に、必要に応じて、公知の発泡助剤、発泡核剤、発泡成形安定剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、難燃剤、架橋剤および/または充填剤を配合することができる。
因みに、発泡助剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛などのステアリン酸塩、モンタン酸(オクタコサン酸のことである)カルシウム、モンタン酸亜鉛などのモンタン酸塩等の高級脂肪酸金属塩、尿素もしくは尿素系化合物、パラフィン、その他ステアロアミド等が挙げられる。
発泡核剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等の無機フィラー等が挙げられる。
発泡核剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等の無機フィラー等が挙げられる。
化学発泡剤としては、特に限定されないが、たとえば、アゾジカルボンアミド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、重炭酸ナトリウム、テレフタルアジド等が挙げられる。
化学発泡剤の配合割合は、特に限定されないが、キャリア樹脂100重量部に対し、化学発泡剤30〜130重量部程度が好ましく、70〜100重量部がより好ましい。
化学発泡剤の配合割合は、特に限定されないが、キャリア樹脂100重量部に対し、化学発泡剤30〜130重量部程度が好ましく、70〜100重量部がより好ましい。
本発明にかかる発泡性マスターバッチの製造方法は、化学発泡剤と、化学発泡剤の分解温度より低い融点を有する熱可塑性樹脂とを混合し、この混合物を所望形状に成形したのち、成形体に電子線を照射して前記熱可塑性樹脂を電子線架橋させる工程を備えることを特徴としている。
電子線の照射方法としては、特に限定されないが、電子線照射によって熱可塑性樹脂の架橋が効率よく行えるように、熱可塑性樹脂と化学発泡剤との混合組成物をシート状あるいはロッド状に成形しシート状あるいはロッド状の成形体に電子線を照射して熱可塑性樹脂を架橋させることが好ましい。そして、電子線架橋後、シート状あるいはロッド状の成形体をペレット状に切断して発泡性マスターバッチを得るようにすることが好ましい。
電子線の照射方法としては、特に限定されないが、電子線照射によって熱可塑性樹脂の架橋が効率よく行えるように、熱可塑性樹脂と化学発泡剤との混合組成物をシート状あるいはロッド状に成形しシート状あるいはロッド状の成形体に電子線を照射して熱可塑性樹脂を架橋させることが好ましい。そして、電子線架橋後、シート状あるいはロッド状の成形体をペレット状に切断して発泡性マスターバッチを得るようにすることが好ましい。
なお、電子線架橋に際しては、熱可塑性樹脂に必要に応じて架橋助剤を添加してもよい。
架橋助剤としては、特に限定されないが、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシヌレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。
架橋助剤としては、特に限定されないが、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシヌレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂と化学発泡剤とを混合する方法としては、化学発泡剤が分解することなく熱可塑性樹脂中に均一に分散される方法であれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂を溶融ないし可塑化した状態で化学発泡剤を添加、撹拌して冷却する方法、熱可塑性樹脂と化学発泡剤とを溶媒に溶解後、溶媒を除去する方法等が挙げられる。
本発明にかかる射出発泡成形体の製造方法は、射出機のシリンダー投入口から発泡性マスターバッチと、基材樹脂とをシリンダーに投入し、シリンダー内で発泡性マスターバッチと、基材樹脂とを溶融混練する工程を備える射出発泡成形体の製造方法であって、請求項1または請求項2に記載の発泡性マスターバッチを用い、シリンダー投入口から射出口方向に向かって10cm〜70cmの範囲で溶融樹脂温度を(化学発泡剤の発泡温度+120)℃以下に保持することを特徴としている。
すなわち、シリンダー投入口から射出口方向に向かって10〜70cmの範囲で溶融樹脂温度が(化学発泡剤の発泡温度+120)℃を超えると、化学発泡剤の分解により生じた発泡ガスがスクリューの上流側に抜け出る場合がある。
すなわち、シリンダー投入口から射出口方向に向かって10〜70cmの範囲で溶融樹脂温度が(化学発泡剤の発泡温度+120)℃を超えると、化学発泡剤の分解により生じた発泡ガスがスクリューの上流側に抜け出る場合がある。
本発明にかかる発泡性マスターバッチは、化学発泡剤が、化学発泡剤の発泡温度より低い融点を有するキャリア樹脂に包含されている発泡性マスターバッチにおいて、少なくとも表層部分のキャリア樹脂が、電子線架橋熱可塑性樹脂で形成されているので、すなわち、発泡性マスターバッチの少なくとも表層部分が、非架橋の熱可塑性樹脂に比べ伸張粘度が高くなっているので、発泡性マスターバッチ内に配合されている化学発泡剤による発泡ガスが発生しても、キャリア樹脂内から破泡がし難い状態になる。そのため、発泡ガスが、基材樹脂の隙間を通って、射出機などの樹脂投入口等より大気中へ開放されることを低減し、より多くの発泡ガスをスクリュー下流側に輸送し、より多くの発泡ガスを基材樹脂と混練できるようになり、発泡に対して有効に利用され、必要最小限の発泡マスターバッチの使用で安定した発泡倍率の成形体を得ることができる。
本発明にかかる射出発泡成形体の製造方法は、本発明の発泡性マスターバッチを用い、シリンダー投入口から射出口方向に向かって10〜70cmの範囲で溶融樹脂温度を(化学発泡剤の発泡温度+120)℃以下に保持するようにしたので、発泡ガスがキャリア樹脂から漏れ出ない状態にしてキャリア樹脂によってシリンダー内の上流側を樹脂充満させ、その後、基材樹脂を溶融する。したがって、より確実に多くの発泡ガスをスクリュー下流側に輸送し、より多くの発泡ガスを基材樹脂と混練できるようになる。したがって、発泡ガスが発泡に対して有効に利用され、必要最小限の発泡マスターバッチの使用で安定した発泡倍率の射出成形体が得られる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる発泡性マスターバッチを製造する製造装置の1例を表している。
図1は、本発明にかかる発泡性マスターバッチを製造する製造装置の1例を表している。
図1に示すように、この製造装置1aは、予めポリエチレン等の熱可塑性樹脂とアゾジカルボンアミド等の化学発泡剤の混合組成物によって成形された長尺のロッド2aを、このロッド2aを巻回したロール3から連続的に電子線照射室4a内に送りこみ、電子線照射室4a内で電子線照射機5から連続的に送られてくるロッド2aに電子線51を照射し、ロッド2aの少なくとも表層部分の熱可塑性樹脂を電子線架橋させたのち、電子線照射室4aから出てきた架橋済みロッド2bをペレタイザー6等で所定の大きさのペレット状に粉砕あるいは切断することによって、本発明の発泡性マスターバッチ7aを得るようになっている。なお、ロッド2aは、電子線照射室4a内で電子線照射機5のところを通過し、一方の面に電子線51が照射されたのち、反転ローラ41で反転して再び電子線照射機5のところを通過して他方の面にも電子線51が照射されるようになっている。
図2は、本発明にかかる発泡性マスターバッチを製造する製造装置の他の例を表している。
図2に示すように、この製造装置1bは、予めポリエチレン等の熱可塑性樹脂とアゾジカルボンアミド等の化学発泡剤の混合組成物によってシート状あるいはロッド状に成形された成形体(図示せず)をペレタイザー等でマスターバッチの大きさにペレット状に粉砕あるいは切断して得たペレット状片2cを、電子線照射室4b内を貫通するように設けられたベルトコンベヤ42上に供給し、電子線照射室4bの入り口から出口まで搬送する間に電子線照射室4b内でベルトコンベヤ42上のペレット状片2cに電子線51を照射し、ペレット状片2cの少なくとも表層部分の熱可塑性樹脂を電子線架橋させて、電子線照射室4bの出口から発泡性マスターバッチ7bとして排出するようになっている。
図2に示すように、この製造装置1bは、予めポリエチレン等の熱可塑性樹脂とアゾジカルボンアミド等の化学発泡剤の混合組成物によってシート状あるいはロッド状に成形された成形体(図示せず)をペレタイザー等でマスターバッチの大きさにペレット状に粉砕あるいは切断して得たペレット状片2cを、電子線照射室4b内を貫通するように設けられたベルトコンベヤ42上に供給し、電子線照射室4bの入り口から出口まで搬送する間に電子線照射室4b内でベルトコンベヤ42上のペレット状片2cに電子線51を照射し、ペレット状片2cの少なくとも表層部分の熱可塑性樹脂を電子線架橋させて、電子線照射室4bの出口から発泡性マスターバッチ7bとして排出するようになっている。
なお、ベルトコンベヤ42は、ペレット状片2bの表層にまんべんなく電子線51を照射できるように、振動装置43を備え、この振動装置43によってベルトコンベヤ42が振動するようになっている。すなわち、ベルトコンベヤ42の振動によりペレット状片2bが電子線51を照射されながら回転するようになっている。
以下に、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
熱可塑性樹脂としてのポリエチレン(MI=25、融点86℃)100重量部と、化学発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、分解温度120℃)100重量部とを、押出成形機を用いて92℃で均一に混合したのち、この混合組成物を押し出して直径2mmの長尺成形体を得た後、この長尺成形体から、ペレタイザーを用いて、直径2mm、長さ4mmのペレット状片を得た。そして、ペレット状片に図2に示すような製造装置1bを用いて、電子線を3種類の加速電圧(230kV、503kV,800kV)で照射し、発泡性マスターバッチのサンプル1〜3を得た。
そして、得られたサンプル1〜3について、架橋状態を調べるためにそれぞれゲル分率を測定し、その結果を表1に示した。なお、ゲル分率は、電子線架橋によって得られた各サンプルをキシレン中に100℃、24時間浸漬した後の不溶分の重量残存率で求めた。
熱可塑性樹脂としてのポリエチレン(MI=25、融点86℃)100重量部と、化学発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、分解温度120℃)100重量部とを、押出成形機を用いて92℃で均一に混合したのち、この混合組成物を押し出して直径2mmの長尺成形体を得た後、この長尺成形体から、ペレタイザーを用いて、直径2mm、長さ4mmのペレット状片を得た。そして、ペレット状片に図2に示すような製造装置1bを用いて、電子線を3種類の加速電圧(230kV、503kV,800kV)で照射し、発泡性マスターバッチのサンプル1〜3を得た。
そして、得られたサンプル1〜3について、架橋状態を調べるためにそれぞれゲル分率を測定し、その結果を表1に示した。なお、ゲル分率は、電子線架橋によって得られた各サンプルをキシレン中に100℃、24時間浸漬した後の不溶分の重量残存率で求めた。
(実施例2)
基材樹脂としてのポリエチレン(MI=25、融点86℃)のペレットと、上記実施例1で得たサンプル1とを、ポリエチレンが100重量部と、サンプル1が3重量部となるように混合して、表2に示すように各ゾーンが温度コントロールされた図3および図4に示す、射出機8(スクリュー径36mm、L/d=24)に投入し、溶融混練したのち、溶融樹脂を、外形が15cm×15cm×20cmで厚みは1.5mmの大きさのキャビティ91を有する金型9に射出したのち、図4に示すように、金型9をコアバックして射出発泡成形体Aを得た。なお、スクリューの回転速度は、80rpmであった。また、図3,4中、81はシリンダー、82はスクリュー、83はヒータ、84はホッパである。
基材樹脂としてのポリエチレン(MI=25、融点86℃)のペレットと、上記実施例1で得たサンプル1とを、ポリエチレンが100重量部と、サンプル1が3重量部となるように混合して、表2に示すように各ゾーンが温度コントロールされた図3および図4に示す、射出機8(スクリュー径36mm、L/d=24)に投入し、溶融混練したのち、溶融樹脂を、外形が15cm×15cm×20cmで厚みは1.5mmの大きさのキャビティ91を有する金型9に射出したのち、図4に示すように、金型9をコアバックして射出発泡成形体Aを得た。なお、スクリューの回転速度は、80rpmであった。また、図3,4中、81はシリンダー、82はスクリュー、83はヒータ、84はホッパである。
(実施例3)
サンプル1に代えて、上記サンプル2を使用した以外は、実施例2と同様にして成形体2を得た。
サンプル1に代えて、上記サンプル2を使用した以外は、実施例2と同様にして成形体2を得た。
(実施例4)
サンプル1に代えて、上記サンプル3を使用した以外は、実施例2と同様にして成形体3を得た。
サンプル1に代えて、上記サンプル3を使用した以外は、実施例2と同様にして成形体3を得た。
(比較例1)
サンプル1に代えて、上記実施例1で用いた架橋前のペレット状片(ゲル分率0%)を使用した以外は、実施例2と同様にして成形体4を得た。
サンプル1に代えて、上記実施例1で用いた架橋前のペレット状片(ゲル分率0%)を使用した以外は、実施例2と同様にして成形体4を得た。
上記実施例2〜4および比較例1で得られた成形体1〜4の平均発泡倍率を調べ、その結果を表3に示した。
なお、平均発泡倍率とは、発泡体と同じ容量の非発泡体の重量と発泡体の重量の比を示している。非発泡体の重量は、金型をコアバックさせた状態において、その時のキャビティ容量と同量の基材樹脂のみを充填・冷却固化させ、そのサンプルの重量を測ることによって求めた。
なお、平均発泡倍率とは、発泡体と同じ容量の非発泡体の重量と発泡体の重量の比を示している。非発泡体の重量は、金型をコアバックさせた状態において、その時のキャビティ容量と同量の基材樹脂のみを充填・冷却固化させ、そのサンプルの重量を測ることによって求めた。
上記表3から、本発明のようにキャリア樹脂が架橋された熱可塑性樹脂である発泡性マスターバッチを用いれば、キャリア樹脂が架橋していない熱可塑性樹脂である発泡性マスターバッチを用いた場合に比べ、高発泡倍率の発泡体を得られることがよくわかる。
A 射出発泡成形体
2a ロッド(成形体)
2c ペレット状片(成形体)
7a,7b 発泡性マスターバッチ
2a ロッド(成形体)
2c ペレット状片(成形体)
7a,7b 発泡性マスターバッチ
Claims (4)
- 化学発泡剤が、化学発泡剤の発泡温度より低い融点を有するキャリア樹脂に包含されている発泡性マスターバッチにおいて、少なくとも表層部分のキャリア樹脂が、電子線架橋熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする発泡性マスターバッチ。
- 電子線架橋熱可塑性樹脂が電子線架橋ポリエチレンである請求項1に記載の発泡性マスターバッチ。
- 化学発泡剤と、化学発泡剤の分解温度より低い融点を有する熱可塑性樹脂とを混合し、この混合物を所望形状に成形したのち、成形体に電子線を照射して前記熱可塑性樹脂を電子線架橋させる工程を備える請求項1に記載の発泡性マスターバッチの製造方法。
- 射出機のシリンダー投入口から発泡性マスターバッチと、基材樹脂とをシリンダーに投入し、シリンダー内で発泡性マスターバッチと、基材樹脂とを溶融混練する工程を備える射出発泡成形体の製造方法であって、請求項1または請求項2に記載の発泡性マスターバッチを用い、シリンダー投入口から射出口方向に向かって10〜70cmの範囲で溶融樹脂温度を(化学発泡剤の発泡温度+120)℃以下に保持することを特徴とする射出発泡成形体の製造方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011004839A1 (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-13 | 株式会社フジクラ | 発泡電線及びこれを有する伝送ケーブル |
WO2011004835A1 (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-13 | 株式会社フジクラ | 発泡電線及びこれを有する伝送ケーブル |
CN103694611A (zh) * | 2013-12-25 | 2014-04-02 | 广东波斯科技股份有限公司 | 一种无载体发泡母料及其制备方法 |
-
2005
- 2005-11-09 JP JP2005324456A patent/JP2007131693A/ja active Pending
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