JP2007124493A - 上りリンクのランダムアクセス方法、移動局、及び送信機 - Google Patents

上りリンクのランダムアクセス方法、移動局、及び送信機 Download PDF

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Abstract

【課題】VSCRF−CDMA方式やIFDMA方式の上りリンクでの移動局からのランダムアクセス時に、多数のユーザがアクセスしても、他ユーザとの衝突を回避する。
【解決手段】移動局11では、基地局へのランダムアクセス送信の際における位相の決定を、他の移動局11’との間で衝突が起こり、基地局からのAckを受信できない状態では、毎回、例えばユーザID,サービス品質QoS,移動局クラスといった個別対応テーブル40-mを取り替えながら位相を決定し直す。
【選択図】図3

Description

本発明は、VSCRF−CDMA方式,IFDMA方式,又はDFT−spread OFDM方式等のシングルキャリア通信方式を利用した通信システムに係り、移動局から基地局への上りリンクの通信において通信開始時等に行われる上りリンクのランダムアクセス方法、及びその実行のための移動局、送信機に関する。
現在、IMT(International Mobile Telecommunication)−2000と呼ばれる第3世代の移動体通信では、無線アクセス方式としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式が採用されている。
W−CDMA方式の上りリンクのアクセス方法では、ランダムアクセスチャネルRACH(Random Access Channel)を用いて行われ、ランダムアクセスチャネルRACHでの基本動作は、時間軸をタイムスロットと呼ばれる一定の時間幅に仕切り、各無線局がこの仕切りに従ってパケットを送信するSlotted ALOHA(Additive Links Online Hawaii Area)方式を用いて行われる(非特許文献1参照)。
図25は、W−CDMA方式の上りリンクのアクセス方法の説明図である。
この方式では、図25に示したように、多数のユーザそれぞれが、ランダムアクセスチャネルRACHを用いて、必要な時に決められた開始タイミングでプリアンブルと呼ばれる時間的に短い信号を送信し、基地局が移動局を検知した場合、移動局−基地局間でメッセージ等の通信が開始され、他ユーザとの衝突等により基地局が移動局を検知できない場合、移動局は、基地局が検知するまでプリアンブルの送信を繰り返すという方法がとられている。移動局は、基地局が移動局を検知したか否かを、AICH(Acquisition Indication Channel)を用いた基地局からの応答の有・無によって検出する。
また、プリアンブルには、16種類のシグネチャと呼ばれる系列があり、ランダムアクセスチャネルRACHへの送信タイミングとシグネチャとでユーザ間の衝突を抑える工夫がされている(非特許文献2)。
一方、次世代移動通信方式の上りリンクアクセス技術として、3GPP(3rd Generation Partnership Project)では,マルチキャリア通信方式やシングルキャリア通信方式等の様々な提案がされており、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式等のマルチキャリア通信方式よりPAPR(Peak to Average Power Ratio:ピーク電力対平均電力の比)の特性に優れたVSCRF−CDMA(Variable Spreading and Chip Repetition Factors Code Division Multiple Access、可変拡散率・チップ繰り返し符号分割多元接続)方式(非特許文献3参照)やIFDMA(Interleaved Frequency Division Multiple Access)方式、及びDFT−spread OFDM(又はDFT(Discrete Fourier Transform)−S OFDM)方式(非特許文献7及び8参照)等のシングルキャリア通信方式も数多く提案されている。
IFDMA方式は、データ変調後のシンボル系列を一定の周期でシンボル繰り返しすることにより、くしの歯状の周波数スペクトルを生成する。
これに対し、VSCRF−CDMA方式は、DS−CDMA(Direct Spread Code Division Multiple Access )方式における時間領域の拡散の一部を、チップ繰り返しに割り当てることにより、シンボル繰り返しと同じ原理を用いて、くしの歯状スペクトラムを生成している。
図26は、VSCRF−CDMA方式の上りリンクのアクセス方法の説明図である。
図26に示すように、VSCRF−CDMA方式の上りリンクでは、時間領域の拡散チップ(SFチップ)をチップ繰り返しファクタ(CRF:Chip Repetition Factor)回数分だけ繰り返して1シンボルとし、これを時間・周波数変換することによって、周波数領域に複数のくしの歯状スペクトラムを生成する構成になっている。
また、DFT−spread OFDM方式は、図27,図28に示すような構成及び原理になっている。
図27は、DFT−spread OFDM方式による送信側の構成図である。
図28は、DFT-spread OFDM方式の説明図である。
DFT−spread OFDM方式では、図27に示すように、送信側は、MシンボルのデータをM−ポイントFFT(Fast Fourier Transform)部71で時間・周波数変換を行い、サブキャリアマッピング部72でサブキャリアのマッピングを行った後、N−ポイントIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部73で周波数・時間変換することによってシングルキャリアを生成し、フィルタ部29を介して出力する構成になっている。さらに詳述すると、サブキャリアマッピング部72で、M-ポイントFFT部71からの入力に対してゼロ信号を挿入し、N-ポイントIFFT部73に出力し、図28に示すように、Mシンボルのデータに関しての時間・周波数変換出力に対するゼロ信号の挿入位置を変化させることで、VSCRF−CDMA方式やIFDMA方式で出力されるようなくしの歯状スペクトラムや局所化されたスペクトルを生成することができる。また、その際には、生成されるスペクトルの位相(サブキャリア位置)を変化させることもできる。図28(a)に示すようなくしの歯状スペクトルを出力するためには、サブキャリアマッピング部72で、M−ポイントFFT部71から出力されるサブキャリア間に(T−1)個の0信号を挿入することよって、T個繰り返しのくしの歯状スペクトルを生成できる。なお、Tは、サブキャリアマッピング部72によるサブキャリア増加倍率である。また、図28(b)に示すような局所化されたスペクトルを生成するためには、サブキャリアマッピング部72で、M−ポイントFFT部71から出力されるサブキャリア間に0信号を挿入しないようにすることよって、局所化されたスペクトルを生成することができる。
"Physical channels and mapping of transport channels onto physical channels(FDD)", ,3GPP TS25.211;http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/25211.htm 立川敬二,"W−CDMA移動通信方式",ISBN4−621−04894−5,P45 後藤喜和、川村輝雄、新博行、佐和橋衛「上りリンク可変拡散率・チップ繰り返し(VSCRF)−CDMAブロードバンド無線アクセス」電子情報通信学会 信学技報 RCS−2003−67 "Medium Access Control(MAC) Protocol specification", ,3GPP TS 25.321;http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/25321.htm "Radio Resource Control(RRC) Protocol specification", ,3GPP TS 25.331;http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/25331.htm "Interlayer procedures in Connected Mode", ,3GPP TS 25.303;http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/25303.htm R1-050621"Some aspects of single carrier transmission",3GPP TSG RAN WG1 Ad Hoc Metting on LTE,Sophia Antipolis,France,June 20−21,2005 R1-050702"DFT-Spread OFDM with Pulse Shaping Filter in Frequency Domain in Evolved UTRA Uplink",3GPP TSG RAN WG1 Metting#42 on LTE,London,UK,August 29−September 2,2005
しかしながら、現在提案されているVSCRF−CDMA方式,IFDMA方式,又はDFT−spread OFDM方式によるシングルキャリア通信方式に関する検討は、リンクレベルでの性能評価等が中心となって行われており、ランダムアクセスの制御方法は検討されていなかった。また、W−CDMAのように最初にプリアンブルを送るというランダムアクセス方法では、時間軸でのアクセス制御方法のため無線リンクの確立までに時間がかかるという問題があった。また、ランダムアクセスチャネルRACHは全周波数帯域(5MHz)のスペクトル拡散信号のため、周波数軸でのランダム制御方法が利用できないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、上りリンクの通信方式にVSCRF−CDMA方式,IFDMA方式,又はDFT−spread OFDM方式のシングルキャリア通信方式を採用した場合に、移動局からのランダムアクセス時に、多数のユーザがアクセスしても、他ユーザとの衝突を回避することができる上りリンクのランダムアクセス方法、移動局、及び送信機を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するために、本発明の上りリンクのランダムアクセス方法は、VSCRF−CDMA方式,IFDMA方式,又はDFT−spread OFDM方式を適用したシングルキャリア方式の通信システムで、複数の移動局がランダムアクセスチャネルを用いて一の基地局へ同時にアクセス可能な上りリンクのランダムアクセス方法であって、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルの送信方式を自身の移動局情報を基に決定する送信方式決定ステップ、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルを、送信方式決定ステップで決定した送信方式でランダムアクセスチャネルを用いて送信する送信ステップ、を有することを特徴とする。
また、本発明の上りリンクのランダムアクセス方法は、さらに、送信ステップにより移動局から送信されたランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルを基地局に送信した際の、送信先の基地局における受信可否を確認する受信確認ステップ、受信確認ステップにより基地局での受信が確認された場合は、ランダムアクセスチャネルを用いた通信からトラフィックチャネルを用いた通信に移行する一方、基地局で受信されなかったことが確認された場合は、今回とは別の自身の移動局情報を用いて前記送信方式決定ステップ及び送信ステップを実行する繰り返しステップ、を有することを特徴とする。
また、本発明の移動局は、VSCRF−CDMA方式,IFDMA方式,又はDFT−spread OFDM方式を適用したシングルキャリア方式の通信システムで用いられる移動局であって、基地局へランダムアクセスチャネルを用いて送出する送信データのくしの歯状スペクトルの位相を自身の移動局情報を基に決定する位相決定手段と、送信データのくしの歯状スペクトルに該位相決定手段により決定された位相を乗算し、送信データのくしの歯状スペクトルに時間軸のランダム性と周波数軸のランダム性とを付与する送信手段とを備えていることを特徴とする。
また、本発明の送信機は、ランダムアクセスチャネルの送信データの符号化・拡散を行う符号化・拡散部と、符号化・拡散部からの出力をスクランブルコードにより拡散するスクランブルコード拡散部と、スクランブルコード拡散部の出力に基づいた所定回の繰り返しが行われたくしの歯状のスペクトルを生成するチップ繰り返し部と、チップ繰り返し部の出力に位相を乗算し、ランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を変更する位相変更部と、位相変更部によって位相変更されたランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルを基地局に送信した際の、送信先の基地局における受信可否を確認する受信確認部と、基地局へランダムアクセスチャネルを用いて送出するランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を自身の移動局情報を基に決定し、位相変更部に供給出力するとともに、受信確認部から確認結果に基づき、送信したくしの歯状スペクトルが送信先の基地局で受信されていない場合には、位相を今回とは別の自身の移動局情報を基に決定して前記位相変更部に供給出力するRACH位相決定部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、移動局から基地局への上りリンクのアクセスの際に、ランダムアクセスチャネルを用いて移動局から基地局へ送信される送信データのくしの歯状スペクトラムに係り、くしの歯状スペクトラムを移動局から送信する度に毎回、このくしの歯状スペクトラムの位相を送信する移動局の移動局情報を用いて決定することによって、ランダムアクセスチャネルのランダム性が増し、ユーザ間での送信データのくしの歯状スペクトラムが衝突する可能性を少なくすることができる。
また、データの優先度の高いユーザに対しては、くしの歯状スペクトラムの送信回数をデータの優先度の低いユーザに対して増やすことで、ランダムアクセスの回数を実質的に増やすことでき、ランダムアクセスチャネルの効率的な運用ができる。
また、データの優先度の高いユーザに対しては、送信するくしの歯状スペクトラムの周波数領域における数をデータの優先度の低いユーザに対して増やすことで、ランダムアクセスの回数を実質的に増やすことでき、ランダムアクセスチャネルの効率的な運用ができる。
また、データの優先度の高いユーザに対しては、くしの歯状スペクトラムの送信電力をデータの優先度の低いユーザに対して大きくすることで、ユーザ間での送信データのくしの歯状スペクトラムが衝突する機会をできるだけ減らして、ランダムアクセスチャネルの効率的な運用ができる。
また、くしの歯状スペクトラムを送信するランダムアクセスチャネルのスロット又はブロックに関しても、このくしの歯状スペクトラムを送信する移動局の移動局情報を基に決定することにより、さらにランダムアクセスチャネルのランダム性が増し、ユーザ間での送信データのくしの歯状スペクトラムが衝突する可能性を少なくすることができる。
すなわち、本発明によれば、くしの歯状スペクトラムを送信する移動局の移動局情報を基に、送信するくしの歯状スペクトルの位相,送信回数,又は送信電力を決定することで、ランダムアクセスチャネルを用いて送信される送信データのくしの歯状スペクトラムについてのユーザ間の衝突を回避することができる。
また、くしの歯状スペクトルの位相,送信回数,又は送信電力の決定には移動局情報を利用することで、ランダムアクセスチャネルに関する基地局からの報知情報を削減できる。
まず、本発明の実施の形態を説明するにあたって、本発明で想定する移動局から基地局への上りリンクのシステム構成について説明しておく。
図1,図2は、本発明で想定する移動体通信システムにおける上りリンクのシステム構成図である。
図1に示すように、本発明の想定するシステムでは、各移動局から基地局への上りリンクは、その時間軸を時間幅すなわち送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)が一定のタイムスロットによって仕切られたシステム構成になっている。各タイムスロットは、音声及びデータを送信するためのトラフィックチャネルTCHや、移動局が基地局に対してトラヒックチャンネルTCHを要求するのに用いるランダムアクセスチャネルRACH等の制御チャネルに割り当てられるようになっている。図1に示した例では、トラフィックチャネルTCHは数スロットに割り当てられるのに対して、ランダムアクセスチャネルRACHは1スロットに対し割り当てられるようなシステム構成になっている。
その上で、移動局と基地局との間の通信は、図2に示すように、複数のサブキャリアを用いて、複数の移動局それぞれからスロットがブロック(Chunk)単位で周波数・時間分割多重された構成で行われるようになっている。そして、ランダムアクセスチャネルRACHのブロックは所定のサブキャリアに時間軸上に所定間隔を置いて配置され、複数の移動局が1つのブロックで同時に送信データを基地局に送信できるシステム構成になっている。これに対し、トラフィックチャネルTCHのブロックは基地局からそれぞれ移動局に割り当てられ、割り当てられた移動局だけがそのトラフィックチャネルTCHのブロックによって音声及びデータを送信することができるシステム構成になっている。
なお、上述したランダムアクセスチャネルRACH(ランダムアクセススロット又はランダムアクセスブロック)、及びトラフィックチャネルTCH(トラフィックスロット又はトラフィックブロック)は、3GPPで検討されているコンテンションベースチャネルCBCH:Contention-based Channel)、及びスケジュールチャネル(SCH:Schedule Channel)にそれぞれ対応する。
以下、図1,図2で想定したシステムを用いて、移動局が図1に示したランダムアクセスチャネルRACHの送信データ(例えばシグネチャ等)のくしの歯状スペクトルを、図2に示したランダムアクセスチャネルRACHのブロックを使用して基地局に送信する場合に適応させて、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図3は、本発明の一実施の形態による移動局の構成図である。
移動局11は、符号化・拡散部21,スクランブル部22,乗算部23,チップ繰り返し部24,RACH位相制御部25,TCH位相制御部26,切替部27,乗算部28,フィルタ部29,衝突発生検出部30を備えて構成されている。
符号化・拡散部21は、入力されるランダムアクセスチャネルRACHやトラフィックチャネルTCHの送信データを、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化し、ショートコードによる拡散を行う。
スクランブル部22は、セルサーチにより同定した基地局に割り当てられたスクランブルコードを生成する。
乗算部23は、符号化・拡散部21から出力される符号化・拡散された送信データと、スクランブル部22により生成されたスクランブルコードとを乗算し、スクランブルコードによりさらに拡散する。
チップ繰り返し部24は、基地局から指定されるか、又は予め決められたCRF回の繰り返しが行われたくしの歯状のスペクトルを生成する。
RACH位相制御部25は、ランダムアクセス開始時に、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの位相を移動局11自身の移動局情報から決定し、切替部27を介して乗算部28に供給する。
TCH位相制御部26は、図示省略した移動局11の受信系に接続され、基地局から移動局11へ通知されたトラフィックチャネルTCHで使用するくしの歯状スペクトルの位相情報を保存し、移動局11から基地局へトラフィックチャネルTCHの送信データを送信する場合には、この保存した位相情報の位相を、切替部27を介して乗算部28に供給する。
切替部27は、RACH位相制御部25、又はTCH位相制御部26で生成された位相を、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの送信、又はトラフィックチャネルTCHの送信データに合わせて、選択的に乗算部28に供給する。そのために、切替部27は、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの送信時はRACH位相制御部25側を、トラフィックチャネルTCHの送信データの送信時はTCH位相制御部26側を、乗算部28に接続する構成になっている。そして、切替部27は、ランダムアクセスチャネルRACHの送信開始に際して、RACH位相制御部25側を乗算部28に接続するようにイニシャライズされる構成になっている。
乗算部28は、切替部27を介して供給される位相を、チップ繰り返し部24で生成された送信データのくしの歯状スペクトルに乗算して、くしの歯状スペクトルのスペクトル位置を変更する。
フィルタ部29は、乗算部28によりスペクトル位置を変更したくしの歯状スペクトルの帯域制御を行う。
衝突発生検出部30は、RACH位相制御部25で決定した位相で基地局宛に送信したランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルについて、他の移動局11から送信されたランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルとの間で生じた衝突の有・無を検出・判定する。衝突発生検出部30による判定結果は、RACH位相制御部25,TCH位相制御部26,切替部27にそれぞれ制御情報として供給される。
衝突発生検出部30は、例えば、図示省略した移動局11の受信系から、移動局11からのランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの送信に対応して基地局から返信される同期検出表示信号(以下,Ackと称する)の受信検出の供給が受けられる構成になっている。その上で、衝突発生検出部30は、RACH位相制御部25による位相の決定の都度、予め定められた時間範囲内に基地局からのAckの受信検出が確認できていない場合は、他の移動局11’との間でランダムアクセスチャネルRACHでの衝突が生じたと判定し、予め定められた時間範囲内に基地局からのAckの受信検出が確認できた場合には、他の移動局11’との間でランダムアクセスチャネルRACHでの衝突が生じていない、すなわち基地局にランダムアクセスチャネルRACHで送信したくしの歯状スペクトルが基地局により受信されたと判定する構成になっている。
次に、上述したRACH位相制御部25において、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相の決定に利用される移動局情報について、説明しておく。
このRACH位相制御部25における位相の決定に利用される移動局情報としては,移動局シリアル番号,製造番号IMEI(International Mobile Equipment Identity),固有識別番号(Fixed identifier Number),移動機番号(Mobile Station Identity ; User Equipment Identity),移動局クラス,ユーザID(User Identity),電話番号(Phone Number),サービス品質QoS(Quality of services),アクセスクラスAC(Access Class),アクセスサービスクラスASC(Access Service Class)情報,USIM(Universal Subscriber Identity Module:汎用加入者識別モジュール)カード情報、等が含まれる。
この移動局情報は、例えば基地局により指定され、基地局からの共通制御チャネルCCPCH(Common Control Physical Channel)又は個別制御チャネルDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)を受信することによって、取得することができる。
また、この移動局情報には、前述した移動局情報をベースに、基地局によって予め決められた計算式,算出アルゴリズム等にしたがって事前に計算され、共通制御チャネルCCPCH又は個別制御チャネルDPCCHで受信した基地局による移動局のランダムアクセスグルーピング情報、例えばW−CDMA方式のようなページングインジケーターチャネルPICH(Page Indication Channel)に含まれる着信群#n番情報等を利用することもできる。
そして、これら移動局情報は、時間変化に伴い更新したり、又は時間変化にかかわらず固定しておくこともできる。
また、この移動局情報の中のアクセスサービスクラスASC情報については,アクセスクラスAC情報から生成されている。この場合、アクセスクラスACは、USIMカードに保存され、最初の無線アクセスの時(RRC CONNECTION REQUEST等)のみに使用されて、その後にアクセスサービスクラスASCにマッピングされる構成になっている(非特許文献4,5,6参照)。
次に、上記説明した移動局11において、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムについて説明する。
その説明にあたっては理解を容易にするため、ユーザID、サービス品質QoS、及び移動局クラスといった3つの個別移動局情報を基に位相を決定する場合を例に説明する。
しかしながら、実際に利用する個別移動局情報の数としては3つに限るものではなく、また、利用する個別移動局情報の種類としては、電話番号等の他の個別移動局情報を基にしてもよい。
図4は、本実施の形態によるくしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。
移動局11から基地局へランダムアクセスチャネルRACHによりランダムアクセスする場合、移動局11のRACH位相制御部25は、その内部に備えられている移動局情報に対するくしの歯状スペクトルの位相を規定した移動局情報/位相対応テーブル40を参照して、1つの位相を決定する(ステップS401)。
図5は、移動局情報/位相対応テーブルの一実施例を示した図である。
図5に示した移動局情報/位相対応テーブル40は、ユーザID,サービス品質QoS,移動局クラスといった個別移動局情報それぞれと位相とが対応した3つの個別対応テーブル40-1〜40-3を有した構成になっている。
本実施の形態の場合、RACH位相制御部25は、その中から1つの個別対応テーブル40-m(但し、この場合はm=1〜3)を適宜選択し、その選択した1つの個別対応テーブル40-mの個別移動局情報に基づいて位相を決定する構成になっている。
図4に戻り、移動局11は、チップ繰り返し部24で生成されたくしの歯状スペクトルに対してRACH位相制御部25で決定した位相を乗算部28で乗算し、フィルタ部29を介して、ランダムアクセスチャネルRACHで送信データのくしの歯状のスペクトルを基地局へ送信する(ステップS402)。
基地局が移動局11からのくしの歯状のスペクトルからなるランダムアクセスチャネルRACHの送信データを受信した場合にはAckが返信され、移動局11は、この基地局からのAckを受信した場合(ステップS403)、トラフィックチャネルTCHの送信データの送信モードに移行する。
このトラフィックチャネルTCHでの通信データの送信モードへの移行は、図3に示した移動局11では、ステップS401の位相決定後の予め定められた時間範囲内での衝突発生検出部30によるAckの受信検出確認に基づく非衝突判定結果の供給によってなされる。この衝突発生検出部30からの非衝突判定結果の供給により、RACH位相制御部25は、その位相の決定及び供給を停止し、切替部27は、TCH位相制御部26側を乗算部28に切替接続し、TCH位相制御部26は先に基地局から通知されて保存されているトラフィックチャネルTCHで使用するくしの歯状スペクトルの位相の供給を開始する。
ところが、他ユーザとの衝突等が原因で移動局11が基地局からのAckを検知できず、移動局11で基地局からのAckが受信されない場合(ステップS403)、移動局11では、RACH位相制御部25が、移動局情報/位相テーブル40の最初に選択した個別対応テーブル40-m以外の個別対応テーブル40-m’から位相を決定する(ステップS404)。
このRACH位相制御部25による位相の決定し直しは、図3に示した移動局11では、ステップS401の位相決定後の予め定められた時間範囲内での衝突発生検出部30によるAck受信の未検出に基づく衝突判定結果の供給によってなされる。この衝突発生検出部30からの衝突判定の供給により、RACH位相制御部25は、前述したステップS404で説明した処理を実行し、切替部27はRACH位相制御部25側を乗算部28に接続した状態に継続保持し、TCH位相制御部26は、未だトラフィックチャネルTCHで使用するくしの歯状スペクトルの位相を供給開始しない。
このため、移動局11は、チップ繰り返し部24で生成されたくしの歯状スペクトルに対してこの決定し直した位相を乗算部28によって乗算し、フィルタ部29を介して、再度、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルを送信する(ステップS405)。
この再送信に対して、移動局11が基地局からのAckを受信した場合(ステップS406)、移動局11はトラフィックチャネルTCHの送信データの送信モードに移行する一方、今度も基地局からのAckが受信されない場合は(ステップS406)、本実施の形態の場合は、残りの1つの個別対応テーブル40-m”から位相を決定し(ステップS407)、再度、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルを送信する(ステップS408)。
そして、移動局11は、以上のステップS401〜S408で説明した処理を、基地局からのAckが受信されるまで(ステップS403,S406,S409)、繰り返して行う構成になっている。
この場合における位相の決定は、図5に示したような、予め定めてある移動局情報/位相テーブル40から決定する構成とすることもできるし、別の構成からなる移動局情報/位相テーブル40を用いて決定する構成とすることもできる。
図6は、移動局情報/位相対応テーブルの別の実施例を示した図である。
この場合、予め移動局毎に基準となる位相が設定されており、移動局毎の位相の決定は、この基準となる位相を基づいて、図6に示したような移動局情報/位相テーブル40を用いて行う。
例えば、1回目の位相の決定は、基準となる位相に対してこの移動局情報/位相テーブル40の一の個別対応テーブル40-mにおける対応する位相分(図6の場合は、+2θ,+θ,0,−θ,−2θの中のいずれか1つ)だけ加算又は減算した値を位相として決定し、2回目以降の位相の決定は、基準となる位相に対して移動局情報/位相テーブル40の残りの一の個別対応テーブル40-m’から対応する位相分だけ加算又は減算した値を位相として決定する構成になっている。
なお、図5,図6で示したユーザIDは、移動局製造番号、電話番号又は通信会社から割り当てられたID等他の移動局情報からでも導出することもできる。
さらにまた、RACH位相制御部25は、図5,図6で説明したような移動局情報/位相テーブル40を予め備えていなくとも、数式を用いてその都度の演算によっても位相を決定する構成とすることもできる。
このようにして構成された移動局11によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態について、図7により説明する。
図7は、上述した移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図で、図7(a)は衝突が発生しない場合の説明図で、図7(b)は衝突が発生した場合の説明図である。
ここでは、移動局11は、1回目はユーザID、2回目はサービス品質QoS、3回目は移動局クラスの順で、基地局に送信するランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を、図5に示した個別対応テーブル40-1〜40-3を用いて決定するものとして説明する。なお、図7(b)に示した衝突が発生した場合の例では、くしの歯状のスペクトラムを相互にずらして重ねて図示することで、ユーザ間の衝突を表現している。
図7(a)に示す送信状態は、ユーザUSER1,2,3,…は、互いに位相がα,β,γ,…と互いに位相が相違しており、ランダムアクセスチャネルブロック内でくしの歯状スペクトルの衝突が起きていない送信状態を示している。
ところが、図7(b)示す送信状態の1回目の送信では、ユーザUSER1,2,3は、互いに位相がαで同一であるため、ランダムアクセスチャネルブロック内でくしの歯状スペクトルの衝突が起きている状態が示されている。
すなわち、このユーザUSER1,2,3それぞれの移動局11-1〜11-3による1回目のランダムアクセスチャネルRACHの通信データのくしの歯状スペクトルの送信(ランダムアクセス送信)では、ユーザUSER1,2,3それぞれのユーザID末尾が1であったため、図5に示したユーザID末尾に関しての個別対応テーブル40-1(ユーザID/位相対応テーブル)では、ユーザUSER1,2,3それぞれの移動局11-1〜11-3のRACH位相制御部25が決定する位相がαになってしまい、互いに同位相となって衝突が発生してしまっていることによる。
2回目のランダムアクセス送信は、図6に示したサービス品質QoSに関しての個別対応テーブル(サービス品質情報/位相対応テーブル)40-2によって、仮にユーザUSER1のサービス品質QoSがUBR、ユーザUSER2,3のサービス品質QoSがABRであるとすると、ユーザUSER1の移動局11-1から送信された位相αのくしの歯状スペクトルは、他の移動局11-2,11-3から送信された位相βのくしの歯状スペクトルとの間で衝突が発生しなくなり、今回の2回目のランダムアクセス送信では基地局が識別受信できるようになる。この結果、基地局は、ユーザUSER1の移動局11-1から送信されたくしの歯状スペクトルを識別受信すると、ユーザUSER1の移動局11-1に対してAckの返信を行う。これにより、ユーザUSER1の移動局11-1は、基地局からのAckを受信して、基地局によって指定されたトラフィックチャネルTCHを用い、基地局との間でデータの送信が行える状態に移行することになる。
これに対して、ユーザUSER2,3はそれぞれの移動局11-2,11-3の間では、サービス品質QoSが共にABRになっているため、それぞれのくしの歯状スペクトルの位相が同じβになってしまい、今回も衝突が発生してしまっている状態が示されている。
3回目のランダムアクセス送信は、図5に示した移動局クラスに関しての個別対応テーブル(移動局クラス情報/位相対応テーブル)40-3によって、仮にユーザUSER2の移動局クラスが2、ユーザUSER3の移動局クラスが4であるとすると、それぞれのくしの歯状スペクトルの位相がγ,βになり、互いの衝突が発生せず、ユーザUSER2,3の移動局11-1,11-2は基地局からのAckをそれぞれ受信できる状態であることが示されている。
このように、移動局11では、基地局へのランダムアクセス送信の際における位相の決定を、他の移動局11’との間で衝突が起こり、基地局からのAckを受信できない状態では、毎回、例えばユーザID,サービス品質QoS,移動局クラスといった個別対応テーブル40-mを取り替えながら位相を決定し直すことにより、ランダム性が拡がり、他の移動局11’との間でランダムアクセス送信が衝突する可能性を少なくすることができる。
なお、本実施の形態の移動局11におけるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムは、図4で説明した実施例に限られるものではない。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態による移動局の構成図である。
なお、その説明にあたって、図3に示した移動局11の構成と同じ構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、移動局12は、符号化・拡散部21,スクランブル部22,乗算部23,M-ポイントFFT部71,サブキャリアマッピング部72,N-ポイントIFFT部73,RACHサブキャリア制御部74,TCHサブキャリア制御部75,切替部27,フィルタ部29,衝突発生検出部30を備えて構成されている。
本実施の形態の移動局12は、図3に示した移動局11のチップ繰り返し部24に代えて、M-ポイントFFT部71,サブキャリアマッピング部72,N-ポイントIFFT部73を備えている。
また、これに伴い、図3に示した移動局11のRACH位相制御部25,TCH位相制御部26に代えて、RACHサブキャリア制御部74,TCHサブキャリア制御部75を備えている。
M-ポイントFFT部71には、乗算部23から、符号化・拡散部21から出力される符号化・拡散された送信データとスクランブル部により生成されたスクランブルコードとを乗算した、スクランブルコードによりさらに拡散されたデータ系列が供給される。
M-ポイントFFT部71は、入力されたデータ系列に対してFFT処理を行い、時間・周波数変換し、Mシンボルからなる周波数データ系列をサブキャリアマッピング部72に供給する。
サブキャリアマッピング部72は、RACHサブキャリア制御部74、又はTCHサブキャリア制御部75から供給されるサブキャリア位置情報(位相情報)に基づいて、M-ポイントFFT部71からのMシンボルからなる周波数データ系列に対し、ゼロ信号を図28で説明したようにして適宜位置に挿入し、Mシンボルからなる周波数データ系列をNシンボル(N>M)からなる周波数データ系列上にマッピングし、このNシンボルからなる周波数データ系列をN-ポイントIFFT部73に供給する。
N-ポイントIFFT部73は、サブキャリアマッピング部72からのNシンボルからなる周波数データ系列に対してIFFT処理を行い、このNシンボルからなる周波数データ系列を周波数・時間変換して、図28に示したようなくしの歯状スペクトルを生成する。
RACHサブキャリア制御部74は、ランダムアクセス開始時に、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの位相(サブキャリア位置)を移動局12自身の移動局情報から決定し、その決定した位相情報を切替部27を介してサブキャリアマッピング部72に供給し、サブキャリアマッピング部72によるマッピングを制御する。
TCHサブキャリア制御部75は、図示省略した移動局12の受信系に接続され、基地局から移動局12へ通知されたトラフィックチャネルTCHで使用するくしの歯状スペクトルの位相情報(サブキャリア位置情報)を保存し、移動局12から基地局へトラフィックチャネルTCHの送信データを送信する場合には、この保存した位相情報の位相(サブキャリア位置)を切替部27を介してサブキャリアマッピング部72に供給し、サブキャリアマッピング部72によるマッピングを制御する。
切替部27は、RACHサブキャリア制御部74、又はTCHサブキャリア制御部75で生成された位相情報を、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの送信、又はトラフィックチャネルTCHの送信データに合わせて、サブキャリアマッピング部72に送る。そのために、切替部27は、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの送信時はRACHサブキャリア制御部74側を、トラフィックチャネルTCHの送信データの送信時はTCHサブキャリア制御部75側を、サブキャリアマッピング部72に接続する構成になっている。そして、切替部27は、ランダムアクセスチャネルRACHの送信開始に際して、RACHサブキャリア制御部74側をサブキャリアマッピング部72に接続するようにイニシャライズされる構成になっている。
その上で、本実施の形態の移動局12の場合も、前述の移動局11の場合と同様にして、図4で説明したようなくしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムを実行する。
その際には、図3に示した移動局11のRACH位相制御部25,TCH位相制御部26に代わって、RACHサブキャリア制御部74,TCHサブキャリア制御部75が移動局12から基地局へアクセスする場合(ステップS401,S404,S407で、ランダムアクセスチャネルRACHによりランダムアクセスする場合も含む)の位相を決定し、移動局11のチップ繰り返し部24に代わって、M-ポイントFFT部71,サブキャリアマッピング部72,及びN-ポイントIFFT部73が、フィルタ部29を介して、基地局へアクセスするための送信データのくしの歯状のスペクトルを基地局へ送信する(ステップS402,S405,S408で、ランダムアクセスチャネルRACHで送信データのくしの歯状のスペクトルを基地局へ送信する場合も含む)。
これにより、本実施の形態の移動局12の場合も、前述した移動局11の場合と同様な作用・効果を果たすことができる。
[第3の実施の形態]
次に、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムの別の実施の形態を、第3の実施の形態として説明する。
本実施の形態では、移動局の構成は、前述した実施の形態の移動局11,12、例えば図3に示した第1の実施の形態の構成と同様であるが、そのRACH位相制御部25は、さらに移動局情報/送信回数対応テーブル41を備えた構成になっている。
図9は、移動局情報/送信回数対応テーブルの一実施例としてのサービス品質/送信回数対応テーブルを示した図である。
図9に示した移動局情報/送信回数対応テーブル41の一実施例としてのサービス品質/送信回数対応テーブル41は、個別移動局情報としてのサービス品質QoSと送信データについての送信回数とが対応したテーブル構成になっている。
このサービス品質/送信回数対応テーブル41をさらに備えた第2の実施の形態の移動局11を用いて、くしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムを、図10に基づいて説明する。
図10は、本実施の形態によるくしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。
本実施の形態では、移動局11から基地局へランダムアクセスする場合、移動局11のRACH位相制御部25は、まずこのサービス品質/送信回数対応テーブル41を参照して、送信データのサービス品質QoSに対応した送信回数を最大再送信回数として決定する(ステップS1001)。
次に、移動局11のRACH位相制御部25は、例えば図5に示したユーザID,サービス品質QoS,移動局クラスそれぞれと位相とが対応した移動局情報/位相対応テーブル40を参照して、1つの位相を決定する(ステップS1002)。また、その際、RACH位相制御部25は、その内部に設けられた同じ送信データの送信回数を計数する送信回数カウンタの値をリセットする。
そして、移動局11は、チップ繰り返し部24で生成されたくしの歯状スペクトルに対してRACH位相制御部25で決定した位相を乗算部28で乗算し、フィルタ部29を介して、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状のスペクトルを基地局へ送信する(ステップS1003)。
移動局11は、今回のランダムアクセスチャネルRACHの送信データの基地局への送信に呼応した基地局からのAckを受信した場合(ステップS1004)、トラフィックチャネルTCHでの送信データの送信モードに移行する。
これに対して、他ユーザとの衝突等が原因で、移動局11が基地局からのAckを検知できず、移動局11で基地局からのAckが受信されない場合(ステップS1004)、移動局11では、RACH位相制御部25が、その内部の送信回数カウンタの値をインクリメントし、この送信回数カウンタの値による送信実行回数がステップS1001の処理の実行によって決定された最大再送信回数に達したか否かを確認する(ステップS1005)。
この確認の結果、未だ送信実行回数が最大再送信回数に達していない場合には、移動局11は再びステップS1003以下の処理を実行し、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状のスペクトルを同じ位相で送信する(ステップS1003)。したがって、送信実行回数が最大再送信回数の範囲内で基地局からのAckが受信されるまで、移動局11から基地局へランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状のスペクトルの送信が同じ位相で繰り返し行われることになる。
一方、送信実行回数が最大再送信回数の範囲内で基地局からのAckが受信された場合は(ステップS1004)、移動局11は、トラフィックチャネルTCHでの送信データの送信モードに移行する。
これに対して、送信実行回数が最大再送信回数の範囲内で基地局からのAckが受信されなかった場合は(ステップS1005)、移動局11は、サービス品質Qosに対応した送信待機期間の間、ランダムアクセスチャネルRACHの送信を待機し(ステップS1006)、その待機後は、再びステップS1002以下の処理を実行し、基地局からのAckが受信されるまでランダムアクセスチャネルRACHの送信を繰り返し実行する。
なお、この場合におけるサービス品質Qosに対応した送信待機期間の例としては、図9に示したサービス品質/送信回数対応テーブル41における当該移動局11のサービス品質QoSに対応した送信回数と、サービス品質/送信回数対応テーブル41における最多送信回数との差以上の回数等が利用される。
また、この送信待機期間後のステップS1002で示した位相の決定にあたっては、第1の実施の形態で図4により説明したように、それ以前に選択した個別対応テーブル40-m以外の個別対応テーブル40-m’から位相を決定することが可能である。
さらに、ステップS1001で説明した最大再送信回数の決定も、個別移動局情報としてのサービス品質QoSに基づいて決定することに限らず、その他の個別移動局情報に対応させて設けた移動局情報/送信回数対応テーブル41(例えば、移動局クラス/送信回数対応テーブル等)を用いて決定することも可能である。
このようにして構成された移動局11によるランダムアクセスチャネルRACHのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態について、図11により説明する。
図11は、上述した移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図で、衝突が発生した場合を示している。
ここでは、移動局11は、1回目はユーザID、2回目はサービス品質QoS、3回目は移動局クラスの順で、基地局に送信するランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を、図5に示した移動局情報/位相テーブル40を用いて決定するものとして説明する。
図11に示す送信状態の1回目の送信では、ユーザUSER1,2,3が同時にランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルを送信したため、それぞれが送信したくしの歯状スペクトルの衝突が起きている状態が示されている。
すなわち、この場合では、ユーザUSER1,2,3それぞれのユーザID末尾が共に1であったため、図5に示したユーザIDに関しての個別対応テーブル40-1では、ユーザUSER1,2,3それぞれの移動局11-1〜11-3のRACH位相制御部25が決定する位相はαになってしまい、互いに同位相となって衝突が発生してしまっていることによる。
また、この際、仮にユーザUSER1のサービス品質QoSがCBR、ユーザUSER2のサービス品質QoSがnrt−VBR,ユーザUSER3のサービス品質QoSがUBRであるとすると、図9に示した移動局情報/送信回数対応テーブルとしてのサービス品質/送信回数対応テーブル41に基づいて、ユーザUSER1の移動局11-1には最大再送信回数として3回が、ユーザUSER2の移動局11-2には最大再送信回数として2回が、ユーザUSER3の移動局11-3には最大再送信回数として1回が、それぞれのRACH位相制御部25によって設定されている状態になっている。そのため、図9に示した例では、サービス品質/送信回数対応テーブル41における最多送信回数が3回であることから、ユーザUSER1の移動局11-1は、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの送信サイクルにしたがって毎回再送信され、ユーザUSER2の移動局11-2は、その送信サイクルにしたがって2回再送信した後に1回だけ送信待機状態になり、ユーザUSER3の移動局11-3は、その送信サイクルにしたがって1回だけ送信した後に3回送信待機状態になるようになっている。
これにより、図11に示す送信状態の2回目の送信では、ユーザUSER3の移動局11-3からのランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの送信は休止となるため、その衝突は回避されるものの、ユーザUSER1,2の移動局11-1,11-2からはランダムアクセスチャネルRACHでくしの歯状スペクトルが前回と同じ位相αで再送信されるため、今回も衝突が発生することになる。
次の3回目の送信では、ユーザUSER2,3の移動局11-2,11-3それぞれからのランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの送信は休止となるため、その衝突は回避され、ユーザUSER1の移動局11-1からだけランダムアクセスチャネルRACHでくしの歯状スペクトルが前回と同じ位相αで再送信されるため、3回目も再送信で同じ位相αであっても今回は衝突が発生せず、基地局が識別受信できるようになる。これにより、ユーザUSER1の移動局11-1は、基地局からのAckを受信して、基地局によって指定されたトラフィックチャネルTCHを用い、基地局との間でデータの送信が行えるようになる。
次の4回目の送信では、ユーザUSER3の移動局11-3からのランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの送信は依然として休止となるため、送信待機状態が解除されたユーザUSER2の移動局11-2からは、今度は図5に示した移動局情報/位相テーブル40のサービス品質/位相テーブル40-2を用いて決定された位相γでランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの送信が行われ、基地局が識別受信できるようになる。これにより、ユーザUSER2の移動局11-2は、基地局からのAckを受信して、基地局によって指定されたトラフィックチャネルTCHを用い、基地局との間でデータの送信が行えるようになる。
次の5回目の送信では、既にユーザUSER1,2は基地局によって指定されたトラフィックチャネルTCHを用いた送信に移行しているため、送信待機状態が解除されたユーザUSER3の移動局11-3からは、今度は図5に示した移動局情報/位相テーブル40のサービス品質/位相テーブル40-2を用いて決定された位相αでランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの送信が行われ、基地局が識別受信できるようになる。これにより、ユーザUSER3の移動局11-3は、基地局からのAckを受信して、基地局によって指定されたトラフィックチャネルTCHを用い、基地局との間でデータの送信が行えるようになる。
本実施の形態によれば、優先度の高いユーザに対して、ランダムアクセス送信の送信回数を増やすことで、さらにチャネルの効率的な運用ができる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態として、くしの歯状スペクトルの位相とくしの歯状スペクトルの本数を移動局情報に基づいて決定し、基地局にアクセスする実施の形態について説明する。
図12は、本実施の形態における移動局の構成図である。
なお、その説明にあたって、図3に示した移動局11の構成と同じ構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、移動局13は、符号化・拡散部21-1,…,21-n,スクランブル部22-1,…,22-n,乗算部23-1,…,23-n,チップ繰り返し部24-1,…,24-n,乗算部28-1,…,28-n,フィルタ部29,コピー部31,RACH位相・くしの歯数決定部32,RACH位相決定部33-1,…,33-n,TCH位相決定部34-1,…,34-n,位相制御部35-1,…,35-n,合成部36,基地局受信検出部37が備えられた構成になっている。
コピー部31は、RACH位相・くしの歯数決定部32で決定されたくしの歯数分だけ送信データを複製し、各送信系50-1,…,50-nの符号化・拡散部21-1,…,21-nに複製した送信データをそれぞれ供給する。
RACH位相・くしの歯数決定部32は、ランダムアクセス送信の開始時に、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの生成数(以下、これをくしの歯数と称す)と基本位相情報とを移動局番号やサービスQoS等の移動局情報から決定し、決定したくしの歯数kをコピー部31に供給するとともに、同じく決定したくしの歯状スペクトルの基本位相をくしの歯数に対応したRACH位相決定部33-1,…,33-kに供給する。
また、RACH位相・くしの歯数決定部32は、図3に示した移動局11のRACH位相制御部25にも対応し、前述した第3の実施の形態で説明したように、送信データの移動局情報に対応した送信回数を最大再送信回数として決定する。
各RACH位相決定部33-1,…,33-nは、RACH位相・くしの歯数決定部32から供給されるくしの歯状スペクトルの基本位相をさらに変換し、この変換した位相を送信するランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルについて決定した位相として、対応する位相制御部35-1,…,35-nに供給する。
各RACH位相決定部33-1,…,33-nは、くしの歯状スペクトルの基本位相を変換する際、例えば、互いに変換した位相が所定の位相角度θ1分だけずれるように、予めおのおのが構成されている。例えば、RACH位相決定部33-1は、RACH位相・くしの歯数決定部32が決定した基本位相をそのまま決定した位相として出力し、RACH位相決定部33-2は、RACH位相・くしの歯数決定部32が決定した基本位相に対してθ1分だけずらした位相を決定した位相として出力し、以下同様にして、RACH位相決定部33-kは、RACH位相・くしの歯数決定部32が決定した基本位相に対してkθ1分だけずらした位相を決定した位相として出力する構成になっている。
各TCH位相決定部34-1,…,34-nは、図3に示した移動局11のTCH位相制御部26に対応するもので、図示省略した移動局13の受信系にも接続され、基地局から移動局13へ通知されたトラフィックチャネルTCHで使用するくしの歯状スペクトルの位相を保存し、移動局13から基地局へトラフィックチャネルTCHの送信データを送信する場合には、この保存した位相を位相制御部35-1,…,35-nに供給する。
位相制御部35-1,…,35-nは、図3に示した移動局11の切替部27に対応し、対応したRACH位相決定部33-1,…,33-n、又はTCH位相決定部34-1,…,34-nで決定された位相を、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの送信、又はトラフィックチャネルTCHの送信データに合わせて、選択的に乗算部28-1,…,28-nに供給制御する。
位相制御部35-1,…,35-nは、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの送信時はRACH位相決定部33-1,…,33-nから供給される位相情報を乗算部28に供給出力する構成になっており、トラフィックチャネルTCHの送信データの送信時はTCH位相決定部34-1,…,34-nで生成された位相情報乗算部28に供給出力する構成になっている。
合成部36は、乗算部28-1,…,28-nで生成された位相のくしの歯状スペクトルを合成する。
基地局受信検出部37は、図3に示した移動局11の衝突発生検出部30に対応するもので、図示省略した移動局13の受信系から、移動局13からのランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの送信に対して基地局から返信されるAckの受信検出の供給を受け、RACH位相・くしの歯数決定部32による基準位相の決定後、予め定められた時間範囲内に基地局からのAckの受信検出が確認できたか否かに基づき、移動局13からのランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルに関しての基地局での受信を検出する。基地局受信検出部37による検出結果は、RACH位相・くしの歯数決定部32及び位相制御部35-1,…,35-nに供給される。
したがって、本実施の形態の移動局13では、図3に示した第1の実施の形態の移動局11の構成における、符号化・拡散部21,スクランブル部22,乗算部23,チップ繰り返し部24,RACH位相制御部25,TCH位相制御部26,切替部27,乗算部28,フィルタ部29,衝突発生検出部30によって構成される送信系50が、RACH位相・くしの歯数決定部32により決定されるくしの歯数分だけ複数(50-1,…,50-n)設けられた構成になっている。
次に、上記説明した移動局13において、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの位相情報を決定するアルゴリズムを説明する。
図13は、本実施の形態によるくしの歯状スペクトルの位相情報を決定するアルゴリズム示すフローチャートである。
移動局13から基地局へランダムアクセスチャネルRACHによりランダムアクセスをする場合、移動局13のRACH位相・くしの歯数決定部32は、その内部に設けられた移動局情報/歯数情報対応テーブルとしての図9に示したサービス品質/歯数対応テーブル41を参照して、送信データのサービス品質QoSに対応した送信回数を最大再送信回数として決定する(ステップS1301)。
続いて、RACH位相・くしの歯数決定部32は、同じくその内部に設けられた、移動局情報に対するくしの歯状スペクトルの歯数を規定した移動局情報/歯数対応テーブル42を参照して、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの歯数を決定する(ステップS1302)。
図14は、移動局情報/歯数対応テーブルの一実施例を示した図である。
図14に示した移動局情報/歯数情報対応テーブル42の場合は、個別移動局情報としてのサービス品質QoSとくしの歯状スペクトルの歯数とが対応したテーブル構成になっている。本実施の形態の場合、RACH位相・くしの歯数決定部32は、このサービス品質/歯数対応テーブル42に基づいて位相情報を決定し、決定した歯数をコピー部31に制御情報として供給する。
続いて、RACH位相・くしの歯数決定部32は、同じくその内部に設けられ、移動局情報に対するくしの歯状スペクトルの基準位相を規定した、例えば図5に示したようなユーザID,サービス品質QoS,移動局クラスといった個別移動局情報それぞれと位相とが対応した3つの個別対応テーブル40-1〜40-3を有した構成の移動局情報/位相対応テーブル40を参照して、1つの位相を決定する(ステップS1303)。
この場合、RACH位相・くしの歯数決定部32は、例えば3つの個別対応テーブル40-1〜40-3の中から1つの個別対応テーブル40-m(但し、この場合はm=1〜3)を適宜選択し、その選択した1つの個別対応テーブル40-mの個別移動局情報に基づいて位相を決定する。その際、RACH位相・くしの歯数決定部32は、その内部に設けられた同じ送信データの送信回数を計数する送信回数カウンタの値もリセットする。
その上で、このRACH位相・くしの歯数決定部32により決定されたくしの歯数kは、コピー部31に供給され、コピー部31によりこの決定されたくしの歯数k分だけ送信データのコピーが行われ、コピーされた送信データは、予め定められた順番で、歯数k分の送信系50-1〜50-kの符号化・拡散部21-1〜21-kにそれぞれ供給される。
また、このRACH位相・くしの歯数決定部32により決定された基準位相は、予め定められた順番で、歯数k分の送信系50-1〜50-kのRACH位相決定部33-1〜33-kにそれぞれ供給される。
そして、ランダムアクセス送信の当初は、送信系50-1〜50-nそれぞれの位相制御部35はRACH位相決定部33-1〜33-nで決定された位相を乗算部28-1〜28-nに供給するようにイニシャライズされているため、前述した送信データのコピーの供給を受けた送信系50-1〜50-k毎に、そのチップ繰り返し部24からのランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルにRACH位相決定部33-1〜33-kで決定された位相が乗算部28-1〜28-kで乗算される。
これにより、前述した送信データのコピーの供給を受けた送信系50-1〜50-kそれぞれでは、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データを決定した位相でスペクトル位置を変更したくしの歯状スペクトルが生成され、これらくしの歯状スペクトルは合成部36によって合成され、フィルタ部29によって帯域制限された後、基地局に対して送信される。
したがって、本実施の形態では、移動局13は、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルを、送信系50-1〜50-kのRACH位相決定部33-1〜33-kがずらした位相間隔θ1分だけ相互に周波数間隔を空けて、RACH位相・くしの歯数決定部32で決定したくしの歯数k分だけ、基地局へ送信する(ステップS1304)。
移動局13は、ステップS1304で、歯数k分のランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルを位相間隔θ1分だけ相互に周波数間隔を空けて送信した後、今回のランダムアクセスチャネルRACHの送信データの基地局への送信に呼応した基地局からのAckを受信した場合(ステップS1305)、トラフィックチャネルTCHでの送信データの送信モードに移行する。
これに対して、他ユーザとの衝突等が原因で移動局13が基地局からのAckを検知できず、移動局13で基地局からのAckが受信されない場合(ステップS1305)、移動局13では、RACH位相・くしの歯数決定部32が、その内部の送信回数カウンタの値をインクリメントし、この送信回数カウンタの値が示す送信実行回数がステップS1301の処理の実行によって決定された最大再送信回数に達したか否かを確認する(ステップS1306)。
この確認の結果、未だ送信実行回数が最大再送信回数に達していない場合には、移動局13は再びステップS1304以下の処理の実行を繰り返す。
一方、送信実行回数が最大再送信回数の範囲内で基地局からのAckが受信された場合は(ステップS1305)、移動局13は、トラフィックチャネルTCHでの送信データの送信モードに移行する。
これに対して、送信実行回数が最大再送信回数の範囲内で基地局からのAckが受信されなかった場合は(ステップS1306)、移動局13は、再びステップS1303以下の処理を実行し、基地局からのAckが受信されるまで繰り返し実行する。
このようにして構成された移動局13によるランダムアクセスチャネルRACHのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態について、図15により説明する。
図15は、上述した移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図で、図15(a)は衝突が発生しない場合の説明図で、図15(b)は衝突が発生した場合の説明図である。
ここでは、移動局13は、そのRACH位相・くしの歯数決定部32が1回目はユーザID、2回目はサービス品質QoS、3回目は移動局クラスの順で、RACH位相決定部33-1〜33-kに供給する基準位相を、図5に示した移動局情報/位相対応テーブル40の個別対応テーブル40-1〜40-3を用いて決定するものとして説明する。なお、本説明では、RACH位相・くしの歯数決定部32が決定する最大再送信回数は、図9に示したサービス品質QoS以外の移動局情報に関するものであって、ユーザUSER1,2,3とも、最大再送信回数は3回以上の値がそれぞれ設定されているもの仮定して説明する。
図15(a)に示す送信状態では、ユーザUSER1,2,3は、互いに基準位相がα,δ,εと相違しており、ランダムアクセスチャネルブロック内でくしの歯状スペクトルの衝突が起きていない送信状態を示している。
そして、図9に示したサービス品質/歯数対応テーブル41によって、ユーザUSER1はサービス品質QosがCBRでそのくしの歯が3つであるため、図15(a)ではそのユーザID末尾を1とした場合は、位相αのくしの歯に2つのくしの歯が位相間隔θ1分だけ周波数間隔を有して付随し、合計3つの歯数のくしの歯状スペクトルによる送信状態が表されている。同様にして、ユーザUSER2はサービス品質Qosがrt−VBRでそのくしの歯が2つであるため、図15(a)ではそのユーザID末尾を9とした場合は、位相εを基準にした合計2つの歯数のくしの歯状スペクトルによる送信状態が、ユーザUSER3はサービス品質QosがUBRでそのくしの歯が1つであるため、図15(a)ではそのユーザID末尾が5である場合は、位相δを基準にした合計1つのくしの歯状スペクトルによる送信状態で表されている。
これに対して、図15(b)示す送信状態では、図15(a)とはユーザID末尾だけ条件を異ならせ、ユーザUSER1,2,3それぞれのユーザID末尾が、1,2,2である場合の送信状態で表されている。
この場合は、1回目のランダムアクセスチャネルRACHの通信データのくしの歯状スペクトルの送信(ランダムアクセス送信)では、ユーザUSER1は、ユーザID末尾が1であり、サービス品質QosがCBRであるため、位相αを基準位相にした合計3つのくしの歯状スペクトルによる送信状態になっている。同様に、ユーザUSER2は、ユーザID末尾が2であり、サービス品質Qosがrt−VBRであるため、位相αを基準位相にした合計2つのくしの歯状スペクトルによる送信状態になっている。また、ユーザUSER3は、ユーザID末尾が2であり、サービス品質QosがUBRであったため、位相αを基準位相にした合計1つのくしの歯状スペクトルによる送信状態になっている。
したがって、1回目のランダムアクセス送信では、ユーザUSER1,2,3は、互いに基準位相がαで同一であるため、基準位相αにおいては、ユーザUSER1,2,3それぞれのランダムアクセスチャネルRACHの送信データの基準位相αを乗算して生成したくしの歯状スペクトルについては、その衝突が起きてしまう。
ところが、本実施の形態の移動局13においては、ユーザUSER1の移動局13-1は位相αを基準位相にした合計3つの位相α,α+θ1,α+2θ1でくしの歯状スペクトルがそれぞれ送信状態になっているのに対し、ユーザUSER2,3の移動局13-2,13-3は位相αを基準にしていても、ユーザUSER2の場合は合計2つの位相α,α+θ1で、ユーザUSER3の場合は基準位相αだけで、ユーザUSER2,3それぞれのくしの歯状スペクトルの合計2及び1は、ユーザUSER1のくしの歯状スペクトルの合計である3つよりも少ない送信状態になっている。
そのため、ユーザUSER1の移動局13-1から周波数間隔を位相間隔θ1分だけ異ならせて送信された合計3つのくしの歯状スペクトルの中には、基準位相が同じ位相αであっても、ユーザUSER2,3の移動局13-2,13-3それぞれから送信されたくしの歯状スペクトルと衝突しない位相(この場合は、位相α+2θ1)のくしの歯状スペクトルが現れる。この結果、ユーザUSER1の移動局13-1から送信された衝突しないくしの歯状スペクトルは、基地局によって識別受信されることとなり、ユーザUSER1の移動局13-1は、1回目のランダムアクセス送信で基地局からのAckを受信して、基地局によって指定されたトラフィックチャネルTCHを用い、基地局との間でデータの送信が行えるようになる。
以下、同様の理由により、2回目のランダムアクセス送信ではユーザUSER2の移動局13-2が、3回目のランダムアクセス送信ではユーザUSER3の移動局13-3が、基地局からのAckを受信して、基地局によって指定されたトラフィックチャネルTCHを用い、基地局との間でデータの送信が行えるようになる。
図16は、図14に示した本実施の形態による移動局の変形例の構成図である。
図16に示した移動局13は、図12に示した移動局13のコピー部31を無くすことで、符号化・拡散部21及びスクランブル部22を最小限にした場合の移動局を示している。なお、この移動局13の構成及び作用は、図12に示した移動局13の場合と同様であるので、対応する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態によれば、優先度の高いユーザに対して、ランダムアクセス送信で送信するランダムアクセスチャネルRACHの通信データのくしの歯状スペクトルのくしの歯数を増やすことで、さらにチャネルの効率的な運用ができる。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態として、くしの歯状スペクトルの位相とくしの歯状スペクトルの本数を移動局情報に基づいて決定し、基地局にアクセスする別の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、移動局13の構成は、図12又は図16に示した第3の実施の形態の構成とほぼ同様であるが、送信系50-1〜50-n毎に設けられていたRACH位相決定部33-1〜33-nを廃し、その代わりにRACH位相・くしの歯数決定部32がその決定したくしの歯数kに応じて送信系50-1〜50-k毎の位相を決定し、このくしの歯数kに対応する送信系50-1〜50-kの位相制御部35-1,…,35-kに決定した位相をそれぞれ供給する構成になっている。
この場合、RACH位相・くしの歯数決定部32は、第3の実施の形態による移動局13と同様に、その内部に設けられた、移動局情報に対するくしの歯状スペクトルの歯数kを規定した移動局情報/歯数対応テーブル42を参照して、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの歯数kを決定する。
なお、RACH位相・くしの歯数決定部32は、本実施の形態でも、移動局情報/歯数対応テーブル42として、図14に示したサービス品質QoSとくしの歯状スペクトルの歯数とが対応した移動局情報/歯数情報対応テーブル42を利用するものとして説明する。
そして、本実施の形態では、RACH位相・くしの歯数決定部32は、そのくしの歯状スペクトルの歯数kを基に、図5に示したような、送信系50-1〜50-nに対応して複数設けられている個別対応テーブル40-1〜40-nを有した構成の移動局情報/位相対応テーブル40を参照して、決定した歯数kのくしの歯状スペクトルそれぞれの位相を決定する構成になっている。そして、RACH位相・くしの歯数決定部32で決定した各くしの歯状スペクトルのそれぞれ位相は、対応する位相制御部35-1,…,35-nに供給される構成になっている。
このようにして構成された移動局13によるランダムアクセスチャネルRACHのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態について、図17により説明する。
図17は、本実施の形態の移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図である。
移動局13は、そのRACH位相・くしの歯数決定部32が、予め設定されている移動局13自身のサービス品質QoSから送信するくしの歯状スペクトルのくしの歯数を、図14に示したようなサービス品質/歯数情報対応テーブル42を参照して決定する。
図14に示した例では、ユーザUSER1,2,3のサービス品質QoSは、それぞれCBR,rt−VBR,UBRであるので、図17に示した状態の場合は、RACH位相・くしの歯数決定部32は、くしの歯数kを、ユーザUSER1では3本、ユーザUSER2では2本、ユーザUSER3では1本と決定することになる。
移動局13は、くしの歯数kを決定すると、この決定したくしの歯数kを基に、対応する送信系50-1〜50-kの位相を決定する。本実施の形態では、決定したくしの歯数kの順番毎に、すなわち利用する送信系50-1〜50-k毎に参照する図5に示した移動局情報/位相対応テーブル40の個別対応テーブル40-1〜40-nが予め既定されている。図17に示した場合は、移動局13は、そのRACH位相・くしの歯数決定部32が、1本目のくしの歯状スペクトルの位相をユーザID末尾情報/位相対応テーブル40-1により、2本目のくしの歯状スペクトルの位相を移動局クラス/位相対応テーブル40-3により、3本目のくしの歯状スペクトルの位相をサービス品質/位相対応テーブル40-2により、それぞれ決定する構成になっている。
そのため、図17に示した場合では、ユーザUSER1では、3本のくしの歯状スペクトルを送出するので、ユーザID,移動局クラス,サービス品質Qosの3つで位相を決定し、それぞれ位相は、α、γ、εとなる。同様にして、ユーザUSER2では、2本のくしの歯状スペクトルを送出するので、ユーザID,移動局クラスの2つで位相を決定するため位相はα,εとなり、ユーザUSER3では、1本のくしの歯状スペクトルを送出するので、ユーザIDで位相を決定するため位相はαとなる。
この結果、図17の1回目の送信に示すように、ユーザUSER1,2,3の移動局13-1,13-2,13-3がランダムアクセスチャネルRACHで同時にくしの歯状スペクトルを送信した場合は、ユーザUSER1,2,3それぞれの位相αの1本目のくしの歯状スペクトル、及びユーザUSER1,2それぞれの位相εの2本目のくしの歯状スペクトルは衝突するけれども、ユーザUSER1の位相γの3本目のくしの歯状スペクトルは衝突しないため、基地局はユーザUSER1の移動局13-1を検出できることになる。これにより、ユーザUSER1の移動局13-1は、基地局からのAckを受信し、トラフィックチャネルTCHでのデータの送信が開始される。
図17の2回目の送信に示すように、再度、基地局によって検出されていないユーザUSER2,3が同じ位相で送信すると、ユーザUSER2,3の位相αの1本目のくしの歯状スペクトルは衝突するけれど、ユーザUSER2の位相εの2本目のくしの歯スペクトルは衝突しないので、ユーザUSER2の移動局13-2は、基地局からのAckを受信し、トラフィックチャネルTCHでのデータの送信が開始される。
図17の3回目の送信に示すように、3回目はユーザUSER3の移動局13-3のみの送信になるので、ユーザUSER3の位相αの1本目のくしの歯状スペクトルは、他のユーザUSER1,2とのくしの歯状スペクトルの衝突はもう起きないため、ユーザUSER2の移動局13-3は、基地局からのAckを受信し、トラフィックチャネルTCHでのデータの送信が開始される。
本実施の形態によれば、優先度の高いユーザに対して、送信するくしの歯数を増やすことで、チャネルの効率的な運用ができる。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態として、くしの歯状スペクトルの位相を移動局情報を基に決定し、くしの歯状スペクトルの送信するサブキャリアの送信電力制御を行って、基地局にアクセスする実施の形態について説明する。
図18は、本実施の形態における移動局の構成図である。
なお、その説明にあたって、図3に示した移動局11の構成と同じ構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、移動局14は、符号化・拡散部21,スクランブル部22,乗算部23,チップ繰り返し部24,切替部27,乗算部28,フィルタ部29,衝突発生検出部30,RACH位相/電力決定部61,TCH位相/電力決定部62,送信制御部63が備えられた構成になっている。
RACH位相/電力決定部61は、図3に示した移動局11のRACH位相制御部25に対応し、前述した第1の実施の形態で説明したように、送信データの移動局情報に対応させてランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定するとともに、さらにランダムアクセスチャネルRACHで送信データのくしの歯状スペクトルを無線出力する際の送信電力を決定する。
TCH位相/電力決定部62は、図3に示した移動局11のTCH位相制御部26に対応し、前述した第1の実施の形態で説明したように、送信データの移動局情報に対応させてトラフィックチャネルTCHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定するとともに、さらにトラフィックチャネルTCHで送信データのくしの歯状スペクトルを無線出力する際の送信電力を決定する。
RACH位相/電力決定部61及びTCH位相/電力決定部62は、決定した位相を切替部27を介して乗算部28に供給するとともに、決定した電力の大きさを切替部27を介して送信制御部63にそれぞれ供給する。
切替部27は、乗算部28,送信制御部63に、RACH位相/電力決定部61によって決定した位相及び電力の大きさ、又はTCH位相/電力決定部62によって決定した位相及び電力の大きさのいずれかを、衝突発生検出部30の出力に基づいて選択的に供給する。
送信制御部63は、移動局14から基地局への送信データの上りリンクにおける無線出力の送信電力を、RACH位相/電力決定部61又はTCH位相/電力決定部62によって決定された電力の大きさに制御する。
次に、上記説明した移動局14において、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相及び送信電力を決定するアルゴリズムについて説明する。
図19は、本実施の形態によるくしの歯状スペクトルの位相及び送信電力を決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。
移動局14から基地局へランダムアクセスチャネルRACHによりランダムアクセスする場合、そのRACH位相/電力決定部61は、その内部に備えられている図5に示したような移動局情報/位相対応テーブル40を参照して、例えば第1の実施の形態で説明したRACH位相制御部25の場合と同様にして、1つの位相を決定する(ステップS1901)。
なお、RACH位相/電力決定部61では、今回のランダムアクセスにおいて最初にランダムアクセスチャネルRACHの送信データを送信する場合は、送信制御部63による無線出力の送信電力の初期値に対応する電力の大きさが事前に決定されている。
これにより、移動局14は、チップ繰り返し部24で生成されたくしの歯状スペクトルに対してRACH位相/電力決定部61で決定した位相を乗算部28で乗算し、フィルタ部29を介して、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状のスペクトルを、送信制御部63を介して、RACH位相/電力決定部61で決定した電力の大きさの送信電力をもって基地局へ送信する(ステップS1902)。
このランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状のスペクトル送信に対して、移動局14が基地局からのAckを受信した場合(ステップS1903)、移動局14はトラフィックチャネルTCHの送信データの送信モードに移行する一方、基地局からのAckが受信されない場合は(ステップS1903)、本実施の形態の場合は、RACH位相/電力決定部61が今回の送信にあたって決定した電力の大きさを、例えば予め定められた所定量だけ大きな電力の大きさに決定し直す(ステップS1904)。
そして、移動局14は、ステップS1901〜S1904で説明した処理を、基地局からのAckが受信されるまで(ステップS1903)、繰り返して行う構成になっている。なお、その際には、RACH位相/電力決定部61が決定する電力の大きさには、所定の制限値が設けられ、移動局14は基地局からのAckが繰り返し受信できない場合であっても、RACH位相/電力決定部61は、この制限値を超える電力の大きさを決定しない構成とすることもできる。
このようにして構成された移動局14によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態について、図20により説明する。
図20は、本実施の形態の移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図である。
ここでは、移動局14は、そのRACH位相/電力決定部61が、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの送信毎に、1回目はユーザID、2回目はサービス品質QoS、3回目は移動局クラスの順で、乗算部28に供給する位相を、図5に示した移動局情報/位相対応テーブル40の個別対応テーブル40-1〜40-3を用いて決定し、また、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目の方が、電力の大きさが大きくなるようにして決定するものとして説明する。
図20の1回目の送信に示すように、ユーザUSER1,2の移動局14-1,14-2がランダムアクセスチャネルRACHで同時にくしの歯状スペクトルを送信した場合は、ユーザUSER1,2はそれぞれのユーザID末尾が同じ1であるとすると、両者それぞれのランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの位相は、共にαになる。そのため、この1回目の送信では、ユーザUSER1,2それぞれのランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトル同士の衝突が起き、基地局は、ランダムアクセスチャネルRACHにおけるユーザUSER1,2のくしの歯状スペクトルを検出できない。
図20に示した2回目の送信では、ユーザUSER1,2とも2回目の送信となり、ユーザUSER1のサービスQoSがUBR、ユーザUSER2のサービスQoSがnrt−VBRであるとすると、ユーザUSER1の位相はα、ユーザUSER2の位相はγとなるとともに、両者とも送信電力を1回目より上げて送信することになる。
ランダムアクセスチャネルRACHでのこのようなユーザUSER1,2による2回目のくしの歯状スペクトルの送信と同タイミングで、新たにユーザUSER3がランダムアクセスチャネルRACHでくしの歯状スペクトルの送信を開始した場合を想定する。
この場合、ユーザUSER3は1回目の送信となり、ユーザID末尾が6であるとすると、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの位相はγになる。
したがって、図20に示した2回目の送信では、ユーザUSER1の2回目の位相はαであるため、ユーザUSER2のくしの歯状スペクトルの2回目の位相γや、ユーザUSER3の1回目の位相γとは異なることとなり、基地局はユーザUSER1の移動局14-1を検出できることになる。これにより、ユーザUSER1の移動局14-1では、基地局からのAckを受信し、トラフィックチャネルTCHでのデータの送信が開始されることなる。
また、図20に示した2回目の送信では、ユーザUSER2の2回目のくしの歯状スペクトルは、ユーザUSER3の1回目の位相γと同じになるため、ユーザUSER2の2回目のくしの歯状スペクトルとユーザUSER3の1回目のくしの歯状スペクトルとの間で衝突が起きることになる。しかしながら、この場合は、両者の基地局に対する距離関係が同じであると仮定すると、ユーザUSER2のくしの歯状スペクトルの送信電力は、ユーザUSER3のくしの歯状スペクトルの電力よりも大きいため、基地局はユーザUSER2の移動局13-2を検出できることになる。これにより、ユーザUSER2の移動局14-2も、基地局からのAckを受信し、トラフィックチャネルTCHでのデータの送信が開始されることになる。
これに対して、ユーザUSER3のくしの歯状スペクトルの1回目の送信電力は、衝突を起こしたユーザUSER2のくしの歯状スペクトルの送信電力に比して低いため、基地局では、ユーザUSER2のくしの歯状スペクトルは、基地局による検出が困難である。
図20に示した3回目の送信では、ユーザUSER3はそのサービスQoSがABRであるとすると、3回目のくしの歯状スペクトルの送信で位相がβになるが、他のユーザUSER1,2は既に基地局によって検出されてトラフィックチャネルTCHの送信モードに移行し、ユーザUSER3の移動局14-3のみの送信になるため、くしの歯状スペクトルの衝突は起きない。さらに、そのくしの歯状スペクトルの2回目の送信電力も、1回目よりも大きくなっている。したがって、ユーザUSER2の移動局14-3でも、基地局からのAckを受信し、トラフィックチャネルTCHでのデータの送信が開始されることになる。
本実施の形態によれば、ランダムアクセスチャネルRACHでのくしの歯状スペクトルの繰り返し送信回数に応じてその送信電力を徐々に大きくしていくことにより、基地局と公平に通信できる機会を与えられる。また、基地局から遠い位置にいるユーザに対しても通信機会を与えることができる。
ここで、上記説明した第1〜第6の実施の形態では、ランダムアクセスチャネルRACHでの位相、くしの歯数、送信電力等の決定方法を示したが、この第1〜第6の実施の形態を適宜組み合わせて実施することも可能である。
[第7の実施の形態]
前述した第1〜第6の実施の形態では、ランダムアクセスチャネルRACH内の位相、くしの歯数、送信電力等の決定方法を示したが、くしの歯状スペクトル自体の態様以外にも、ランダムアクセスチャネルRACHで基地局に送信する送信データのくしの歯状スペクトルについて、移動局側でその送信に用いるランダムアクセスチャネルRACHのランダムアクセスチャネルスロット(ブロック)を自身の移動局情報から選択し、その選択したランダムアクセスチャネルスロットを用いて送信データのくしの歯状スペクトルを基地局に送信することも可能である。その具体的な構成並びに手順について、図面に基づいて説明する。
まず、本実施の形態で採用する、移動局から基地局へのアクセスに用いられる上りリンクのシステム例について説明する。
図21は、移動局から基地局への上りリンクのシステム例の説明図である。
図21に示すように、移動局から基地局への通信は、移動局から基地局への通信帯域をさらに複数の周波数帯域(周波数チャネル)に分け、各周波数帯域の時間方向の系列を一定の時間幅で仕切って構成されるスロット単位で行われる。そして、各周波数帯域の時間方向のスロット系列は、フレーム単位で管理され、1フレームは所定数のスロットが時間方向に連設配置された構成になっている。
このような構成からなる移動局から基地局への上りリンクシステムにおいて、ランダムアクセスチャネルRACHには、予め定められた周波数帯域の時間方向の系列上におけるフレーム内の所定スロットを、ランダムアクセスチャネルスロット(以下、RACHスロットと称する)として割り当てている。
この結果、図21に示すような上りリンクシステムにおいては、フレームタイミングの同期をとれば、各フレームのRACHスロットそれぞれが、容易に識別できるようになっている。
また、トラフィックチャネルTCHには、RACHスロット以外のスロットがトラフィックチャネルスロット(以下、TCHスロットと称する)として利用される。
以下、本実施の形態の説明では、フレーム単位で複数設けられたRACHスロットそれぞれに、フレームの先頭から図21に示したような番号1〜Nを割り振って、複数のRACHスロットそれぞれの識別がはかれるように便宜をはかった上で、説明する。
図22は、本実施の形態における移動局の構成図である。
なお、その説明にあたって、図3に示した移動局11の構成と同じ構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、移動局15は、符号化・拡散部21,スクランブル部22,乗算部23,チップ繰り返し部24,切替部27,乗算部28,フィルタ部29,衝突発生検出部30,RACH位相/スロット決定部65,TCH位相/スロット/決定部66,送信制御部63が備えられた構成になっている。
RACH位相/スロット決定部65は、図3に示した移動局11のRACH位相制御部25に対応し、前述した第1の実施の形態で説明したように、送信データの移動局情報に対応させてランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定するとともに、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルを基地局へ無線送信する際に、このくしの歯状スペクトルを送信する上りリンクシステムにおけるRACHスロットの中のアクセススロットを決定する。
TCH位相/スロット決定部66は、図3に示した移動局11のTCH位相制御部26に対応し、前述した第1の実施の形態で説明したように、送信データの移動局情報に対応させてトラフィックチャネルTCHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定するとともに、トラフィックチャネルTCHの送信データのくしの歯状スペクトルを基地局へ無線送信する際の、このくしの歯状スペクトルを送信する上りリンクシステムにおけるTCHスロットの中のアクセススロットを決定する。
RACH位相/スロット決定部65及びTCH位相/スロット決定部66は、決定した位相を切替部27を介して乗算部28に供給するとともに、決定した上りリンクシステムにおけるアクセススロットを切替部27を介して送信制御部63にそれぞれ供給する。
切替部27は、乗算部28,送信制御部63に、RACH位相/スロット決定部65によって決定した位相及びアクセススロット、又はTCH位相/スロット決定部66によって決定した位相及びアクセススロットのいずれかを、衝突発生検出部30の出力に基づいて選択的に供給する。
送信制御部63は、前述した第5の実施の形態とは異なり、切替部27を介して選択的に供給されるRACH位相/スロット決定部65又はTCH位相/スロット決定部66によって決定した所望のアクセススロットに当てはめて,ランダムアクセスチャネルRACH又はトラフィックチャネルTCHのくしの歯状スペクトルを送信する。
次に、上記説明した移動局15において、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの位相と、このくしの歯状スペクトルを送信するRACHスロットのアクセススロットを、移動局15自身の移動局情報(例えば、ユーザID、サービスQoS、移動局クラス)から決定するアルゴリズムについて説明する。
図23は、本実施の形態によるくしの歯状スペクトルの位相及びアクセススロットを決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。
移動局15から基地局へランダムアクセスチャネルRACHによりランダムアクセスする場合、移動局15のRACH位相/スロット決定部65は、その内部に備えられている図24に示した移動局情報に対する上りリンクシステムのフレーム内のRACHスロットを規定した移動局情報/スロット対応テーブル43を参照して、RACHスロットの中のアクセススロットを決定する(ステップS2301)。
図24は、移動局情報/スロット対応テーブルの一実施例を示した図である。
図24に示した移動局情報/スロット対応テーブル43は、ユーザID,サービス品質QoS,移動局クラスといった個別移動局情報それぞれと、フレーム内のRACHスロットの中のアクセススロットとが対応した3つの個別対応テーブル43-1〜43-3を有した構成になっている。
本実施の形態の場合、RACH位相/スロット決定部65は、図24に示した移動局情報/スロット対応テーブル43の3つの個別対応テーブル43-1〜43-3中から1つの個別対応テーブル43-j(但し、この場合はj=1〜3)を適宜選択し、その選択した1つの個別対応テーブル40-jの個別移動局情報に基づいてRACHスロットの中のアクセススロットを決定する。
例えば、選択した1つの個別対応テーブル40-jとして、図24に示したユーザID/スロット対応テーブル43-1,サービス品質/スロット対応テーブル43-2,移動局クラス/スロット対応テーブル43-2の中で、ユーザID/スロット対応テーブル43-1を選択し、移動局15のユーザID末尾が3である場合は、RACH位相/スロット決定部65は、図21に示した上りリンクシステムのフレーム内の、図中、2,7,…,N−3の番号を付したRACHスロットを、アクセススロットに決定する。
また、RACH位相/スロット決定部65は、このアクセススロットの決定とともに、移動局情報に対するくしの歯状スペクトルの位相を規定した移動局情報/位相対応テーブル40を参照して、1つの位相を決定する(ステップS2302)。
本実施の形態の場合、RACH位相/スロット決定部65は、図5に示した移動局情報/位相対応テーブル40の3つの個別対応テーブル40-1〜40-3中から1つの個別対応テーブル40-m(但し、この場合はm=1〜3)を適宜選択し、その選択した1つの個別対応テーブル40-mの個別移動局情報に基づいて位相を決定する。
なお、本実施の形態では、RACH位相/スロット決定部65は、ランダムアクセス送信に際して、1つの個別対応テーブル43-j,40-mを選択し、この個別対応テーブル43-j,40-mに基づいてアクセススロット,位相を決定した後に、そのランダムアクセス送信で再びアクセススロット,位相を決定し直す場合には、残りの個別対応テーブルの中から1つの個別対応テーブル43-j’,40-m’を選択し、この個別対応テーブル43-j’,40-m’に基づいてアクセススロット,位相を決定するようになっている。
その際に選択する、移動局情報/位相対応テーブル40の個別対応テーブル40-mと移動局情報/スロット対応テーブル43の個別対応テーブル40-jとの移動局情報同士の組み合わせは、任意である。
図23に戻り、移動局15は、チップ繰り返し部24で生成されたくしの歯状スペクトルに対してRACH位相/スロット決定部65で決定した位相を乗算部28で乗算し、フィルタ部29を介して、送信制御部63に供給する。
送信制御部63は、本実施の形態では、切替部27を介して選択的に供給されるRACH位相/スロット決定部65で決定した所望のアクセススロットを用いて、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの位相を乗算したくしの歯状スペクトルを送信する(ステップS2303)。例えば、図21に示したフレーム内の、2,7,…,N−3の番号を付したRACHスロットが決定されたアクセスススロットとして供給されている場合は、フレーム内の、2,7,…,N−3の番号を付したRACHスロットを用いて、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データの位相を乗算したくしの歯状スペクトルを送信する。
移動局15は、基地局からのAckを受信した場合(ステップS2304)、トラフィックチャネルTCHの送信データの送信モードに移行する。
このトラフィックチャネルTCHでの通信データの送信モードへの移行は、図22に示した移動局15では、衝突発生検出部30による非衝突判定結果の供給によってなされる。この衝突発生検出部30からの非衝突判定結果の供給により、RACH位相/スロット決定部65は、その位相並びにアクセススロットの決定及び供給を停止し、切替部27は、TCH位相/スロット決定部66側を乗算部28並びに送信制御部63に切替接続し、TCH位相/スロット決定部66による位相並びにアクセススロットの決定が開始され、TCH位相/スロット決定部66によって決定された位相並びにアクセススロットが、切替部27を介して、乗算部28並びに送信制御部63に供給される。
ところが、他ユーザとの衝突等が原因で移動局15が基地局からのAckを検知できず、移動局15で基地局からのAckが受信されない場合(ステップS2304)、移動局15では、RACH位相/スロット決定部65が、移動局情報/位相テーブル40の最初に選択した個別対応テーブル40-m以外の個別対応テーブル40-m’から位相を決定する(ステップS2305)。
このRACH位相/スロット決定部65による位相の決定し直しは、図22に示した移動局15では、衝突発生検出部30による衝突判定結果の供給によってなされる。この衝突発生検出部30からの衝突判定の供給により、RACH位相/スロット決定部65は、前述したステップS2305で説明した処理を実行し、切替部27はRACH位相/スロット決定部65側を乗算部28に接続した状態に継続保持し、TCH位相/スロット決定部66は、未だトラフィックチャネルTCHで使用するくしの歯状スペクトルの位相やアクセススロットを供給開始しない。
このため、移動局15は、チップ繰り返し部24で生成されたくしの歯状スペクトルに対してこの決定し直した位相を乗算部28によって乗算し、フィルタ部29を介して、送信制御部63に供給される。送信制御部63では、次のフレームで、RACH位相/スロット決定部65が前回決定した同じアクセススロット(ブロック)を用いて、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルを再度送信する(ステップS2306)。
この再送信に対して、移動局15が基地局からのAckを受信した場合(ステップS2307)、移動局15はトラフィックチャネルTCHの送信データの送信モードに移行する一方、今度も基地局からのAckが受信されない場合は(ステップS2307)、本実施の形態の場合は、残りの1つの個別対応テーブル40-m”から位相を決定し(ステップS2308)、再度、ランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルを、前々回決定した同じアクセススロット(ブロック)を用いて、送信する(ステップS2309)。
この再々送信に対して、移動局15が基地局からのAckを受信した場合(ステップS2310)、移動局15はトラフィックチャネルTCHの送信データの送信モードに移行する一方、今度も基地局からのAckが受信されない場合は(ステップS2310)、ステップS2301に戻り、移動局15は、図24に示した移動局情報/スロット対応テーブル43の3つの個別対応テーブル43-1〜43-3中の最初に選択した個別対応テーブル40-j以外の個別対応テーブル40-j’から位相を決定し、ステップS2302以下の処理を行う。
移動局15は、上述したステップS2301〜S2309で説明した処理を、基地局からのAckが受信されるまで(ステップS2304,S2307,S2309)、繰り返して行う構成になっている。
なお、本実施の形態では、ステップS2302,S2305,S2308で示したように位相の決定は、くしの歯状スペクトルの送信の都度行い、アクセススロットの決定は、ステップS2301で移動局情報/位相テーブル40の個別対応テーブル40-1〜40-3の一通りの使用の度に行う構成としたが、逆に、アクセススロットの決定をくしの歯状スペクトルの送信の都度行い、位相の決定は、移動局情報/スロットテーブル43の個別対応テーブル43-1〜43-3の一通りの使用の度に行う構成としてもよい。また、位相の決定、アクセススロットの決定とも、くしの歯状スペクトルの送信の都度行うようにしてもよい。
本実施の形態によれば、ランダムアクセスチャネルRACHのスロットに対しても、ランダム性を持たすことで、くしの歯状スペクトラムの位相制御による周波数領域のランダム性だけでなくアクセススロットによる時間、周波数領域のランダム性が追加され、更にユーザ間の衝突が起こり難くなる。
さらに、上記各実施の形態を基に説明した本発明は、OFDMAを上りリンクに適応させた場合でも、サブキャリアの位置やサブキャリアの本数、送信電力等、上記各実施の形態に示した構成並びに方法を適用することができる。
本発明で想定する移動体通信システムにおける各移動局から基地局への上りリンクのシステム構成図である。 本発明で想定する移動体通信システムにおける上りリンクのシステムの全体構成図である。 本発明の第1の実施の形態による移動局の構成図である。 くしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。 移動局情報/位相情報対応テーブルの一実施例を示した図である。 移動局情報/位相対応テーブルの別の実施例を示した図である。 本実施の形態の移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による移動局の構成図である。 本発明の第3の実施の形態による移動局における移動局情報/送信回数対応テーブルの一実施例を示した構成図である。 くしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本実施の形態の移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な状態の説明図である。 本発明の第4の実施の形態による移動局の構成図である。 くしの歯状スペクトルの位相を決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。 移動局情報/歯数対応テーブルの一実施例を示した図である。 本実施の形態の移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図である。 本発明の第4の実施の形態による移動局の変形例の構成図である。 本発明の第5の実施の形態による移動局におけるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図である。 本発明の第6の実施の形態としての移動局の構成図である。 くしの歯状スペクトルの位相及び送信電力を決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本実施の形態の移動局によるランダムアクセスチャネルRACHの送信データのくしの歯状スペクトルの具体的な送信状態の説明図である。 移動局から基地局への上りリンクのシステム例の説明図である。 本発明の第7の実施の形態による移動局の構成図である。 くしの歯状スペクトルの位相及びアクセススロットを決定するアルゴリズムを示すフローチャートである。 移動局情報/スロット対応テーブルの一実施例を示した図である。 W−CDMA方式の上りリンクのアクセス方法の説明図である。 VSCRF−CDMA方式の上りリンクのアクセス方法の説明図である。 DFT−spread OFDM方式による送信側の構成図である。 DFT-spread OFDM方式の説明図である。
符号の説明
11,12,13,14,15 移動局
21 符号化・拡散部
22 スクランブル部
23 乗算部
24 チップ繰り返し部
25 RACH位相制御部
26 TCH位相制御部
27 切替部
28 乗算部
29 フィルタ部
30 衝突発生検出部
31 コピー部
32 RACH位相・くしの歯数決定部
33 RACH位相決定部
34 TCH位相決定部
35 位相制御部
36 合成部
37 基地局受信検出部
40 移動局情報/位相対応テーブル
41 移動局情報/送信回数対応テーブル
42 移動局情報/歯数対応テーブル
43 移動局情報/スロット対応テーブル
50 送信系
61 RACH位相/電力決定部
62 TCH位相/電力決定部
63 送信制御部
65 RACH位相/スロット決定部
66 TCH位相/スロット決定部
71 M−ポイントFFT部
72 サブキャリアマッピング部
73 N−ポイントIFFT部
74 RACHサブキャリア制御部
75 TCHサブキャリア制御部

Claims (8)

  1. シングルキャリア通信方式を適用した通信システムで、複数の移動局がランダムアクセスチャネルを用いて一の基地局へ同時にアクセス可能な上りリンクのランダムアクセス方法であって、
    移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルの送信方式を自身の移動局情報を基に決定する送信方式決定ステップ、
    移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルを、該送信方式決定ステップで決定した送信方式でランダムアクセスチャネルを用いて送信する送信ステップ、
    を有することを特徴とする上りリンクのランダムアクセス方法。
  2. シングルキャリア通信方式を適用した通信システムで、複数の移動局がランダムアクセスチャネルを用いて一の基地局へ同時にアクセス可能な上りリンクのランダムアクセス方法であって、
    移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルの送信方式を自身の移動局情報を基に決定する送信方式決定ステップ、
    移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルを、該送信方式決定ステップで決定した送信方式でランダムアクセスチャネルを用いて送信する送信ステップ、
    該送信ステップにより移動局から送信されたランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルを基地局に送信した際の、送信先の基地局における受信可否を確認する受信確認ステップ、
    該受信確認ステップにより基地局での受信が確認された場合は、ランダムアクセスチャネルを用いた通信からトラフィックチャネルを用いた通信に移行する一方、基地局で受信されなかったことが確認された場合は、今回とは別の自身の移動局情報を用いて前記送信方式決定ステップ及び送信ステップを実行する繰り返しステップ、
    を有することを特徴とする上りリンクのランダムアクセス方法。
  3. 前記送信方式決定ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルの位相を決定する位相決定ステップであり、
    前記送信ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルに該位相決定ステップで決定した位相を乗算して送信する位相変更ステップである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の上りリンクのランダムアクセス方法。
  4. 前記送信方式決定ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルの位相及びくしの歯数を決定する位相/くしの歯数決定ステップであり、
    前記送信ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルに該位相/くしの歯数決定ステップで決定した位相を乗算して、決定したくしの歯数分送信する位相変更/くしの歯数生成ステップである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の上りリンクのランダムアクセス方法。
  5. 前記送信方式決定ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルの位相及び送信電力を決定する位相/送信電力決定ステップであり、
    前記送信ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルに該位相/くしの歯数決定ステップで決定した位相を乗算して、決定した送信電力で送信する位相変更/送信電力調整ステップである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の上りリンクのランダムアクセス方法。
  6. 前記送信方式決定ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルの位相及び送信に用いるランダムアクセスチャネルのスロットを決定する位相/スロット決定ステップであり、
    前記送信ステップは、移動局から基地局へ送出する送信データのくしの歯状スペクトルに該位相/くしの歯数決定ステップで決定した位相を乗算して、決定したランダムアクセスチャネルのスロットに割り当てて送信する位相変更/スロット割り当てステップであることを特徴とする請求項1又は2記載の上りリンクのランダムアクセス方法。
  7. 上りリンクにシングルキャリア通信方式を適用した通信システムで用いられる移動局であって、
    基地局へランダムアクセスチャネルを用いて送出する送信データのくしの歯状スペクトルの位相を自身の移動局情報を基に決定する位相決定手段と、
    送信データのくしの歯状スペクトルに該位相決定手段により決定された位相を乗算し、送信データのくしの歯状スペクトルに時間軸のランダム性と周波数軸のランダム性とを付与する送信手段と
    を備えていることを特徴とする移動局。
  8. ランダムアクセスチャネルの送信データの符号化・拡散を行う符号化・拡散部と、
    該符号化・拡散部からの出力をスクランブルコードにより拡散するスクランブルコード拡散部と、
    該スクランブルコード拡散部の出力に基づいた所定回の繰り返しが行われたくしの歯状のスペクトルを生成するチップ繰り返し部と、
    該チップ繰り返し部の出力に位相を乗算し、ランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を変更する位相変更部と、
    該位相変更部によって位相を変更されたランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルを基地局に送信した際の、送信先の基地局における受信可否を確認する受信確認部と、
    基地局へランダムアクセスチャネルを用いて送出するランダムアクセスチャネルの送信データのくしの歯状スペクトルの位相を自身の移動局情報を基に決定し、前記位相変更部に供給出力するとともに、該受信確認部から確認結果に基づき、送信したくしの歯状スペクトルが送信先の基地局で受信されていない場合には、位相を今回とは別の移動局情報を基に決定して前記位相変更部に供給出力するRACH位相決定部と
    を備えていることを特徴とする送信機。
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