JP2007116651A - 高周波電力増幅用電子部品および無線通信装置 - Google Patents

高周波電力増幅用電子部品および無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出力電力検出回路のダイナミックレンジを広げ、出力電力の低い領域から高い領域まで変曲点を持たない連続した検出出力を得ることができ、それによって出力電力の制御性を向上させることができる高周波電力増幅用電子部品を提供する。
【解決手段】出力電力検出信号と出力レベルを指示する信号とに基づいて高周波電力増幅回路(210)の出力電力を制御する無線通信システムにおいて、出力電力検出回路(220)に、カプラや容量素子(221)を介して取り出された高周波信号を増幅する多段構成のアンプを設ける。また、各段のアンプの出力を検波する複数の検波回路と多段構成のアンプを通さない高周波信号を検波する検波回路を設け、これらの検波回路の出力を合成したものを出力電力検出信号として、出力電力制御信号を生成する誤差アンプに入力して高周波電力増幅回路の制御信号を生成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波電力増幅回路を内蔵した高周波電力増幅用電子部品(RFパワーモジュール)において出力検波回路のダイナミックレンジを広げて出力電力の制御性を向上させる技術に関し、例えば携帯電話機に用いられるRFパワーモジュールおよびこれを用いた無線通信装置に適用して有効な技術に関する。
携帯電話機等の無線通信装置(移動体通信装置)の送信出力部には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect-Transistor)やGaAs−MESFET等のトランジスタを増幅素子とする高周波電力増幅回路(PA)を内蔵したRFパワーモジュールが組み込まれている。
また、一般に、携帯電話機では、基地局から送られて来る送信電力指示情報に従って周囲環境に適応するように出力電力を変えて通話を行ない、他の携帯電話機との間で混信を生じさせないようシステムが構成されている。例えばGSM(Global System for Mobile Communication)方式の携帯電話機においては、出力電力検出信号とベースバンド回路からの出力レベル指示信号Vrampとを、誤差アンプなどからなるAPC(Automatic Power Control)回路において比較して、出力電力を制御する制御電圧Vapcを生成する。そして、この制御電圧Vapcによって通話に必要な出力電力となるように、送信出力部の高周波電力増幅回路の増幅段のゲイン(利得)をバイアス回路によって制御することが行なわれている。
特開平11−177444号公報 特開2001−016116号公報
従来の携帯電話機における出力電力制御にあっては、出力電力の低い領域における出力電力検出回路の感度が相対的に低いため、低出力電力時における出力電力の制御性が良好でないという問題点があった。そこで、出力電力の高い領域における出力電力の制御方式と出力電力の低い領域における出力電力の制御方式とを異ならせるようにした発明が提案されている(特許文献1)。また、高感度検波器と低感度検波器の2つの検波器を併用することで検波回路のダイナミックレンジを広くするようにした発明が提案されている(特許文献2)。
上記特許文献1の発明においては、出力電力があるレベルよりも低い場合には出力電力制御ループをオフさせ、外部からの送信電力指示値に応じて出力電力を制御する。そして、出力電力があるレベルよりも高い場合には、出力電力制御ループをオンしてフィードバックループによる自動送信電力制御に切り替えるようにしている。そのため、制御ループを切り替える際に応答遅れが発生するのを回避することができない。その結果、送信開始時に出力電力を所望のレベルまで立ち上げるいわゆるランプアップ時のスイッチングスペクトラムが悪化するおそれがある。
また、上記特許文献2の発明は、高感度検波器にリミッタを設け、出力電力があるレベルBよりも低い場合には高感度検波器の出力を比較器(誤差アンプ)へ供給する。そして、出力電力があるレベルA(A<B)よりも高くなると低感度検波器が出力を開始し、出力電力が上記レベルBに達すると高感度検波器の出力を制限する。そのため、高感度検波器の出力から低高感度検波器の出力へ切り替える辺りで、検波電圧の傾きが急に変化する変曲点を有してしまい、出力電力の制御を円滑に行なうことができないという課題がある。
さらに、携帯電話機では、一般に、カプラと呼ばれる方向性電力結合器により高周波電力増幅回路の出力側から取り出された高周波信号が、検波回路へ入力され、出力電力が検出されるように構成されている。このカプラには、ディスクリートの部品として構成されたものもあるが、モジュールおよび機器の小型化を図るため、モジュールの基板に形成された導電性のパターンにより構成された内蔵型カプラ(以下、マイクロカプラと称する)が使用されるようになってきている。なお、かかるマイクロカプラは、製造ばらつきによる特性の変動はそれほど大きくない。
ところが、マイクロカプラを使用したRFパワーモジュールでは、設計上の理由(特に反射波特性)から仕様の異なる製品間で、カプラのパターン形状やサイズを変えることが多い。本発明者らは、このマイクロカプラの構成の違いによってカップリングロスすなわちパワーアンプから見た高周波信号の減衰量に差異が生じ、それによって同一構成の検波回路を使用したとしても、検波回路の入力ダイミックレンジにばらつきが発生してしまうという課題があることを見出した。
なお、検波回路のダイミックレンジは、検波回路内部のアンプのゲイン等を変更することで調整することはできるが、それには検波回路の設計変更が必要である。また、単に検波回路内部のアンプのゲイン等を変更したのでは、低パワー領域における検波感度が低下してしまうおそれがあるという問題がある。
この発明の目的は、出力電力検出回路のダイナミックレンジを広げ、出力電力の低い領域から高い領域まで変曲点を持たない連続した検出出力を得ることができ、それによって出力電力の制御性を向上させることができる高周波電力増幅用電子部品(RFパワーモジュール)を提供することにある。
この発明の他の目的は、送信開始時の出力電力立ち上げの際におけるスイッチングスペクトラムを悪化させることなく、出力電力の低い領域における出力電力の制御性を向上させることができる高周波電力増幅用電子部品(RFパワーモジュール)を提供することにある。
この発明のさらに他の目的は、出力電力の検出に使用する電力結合器の形状やサイズが異なっていても、低パワー領域における検波感度を低下させたり回路の設計変更をしたりすることなく、出力電力検出回路のダイナミックレンジを所望の範囲に合わせ込むことができる高周波電力増幅用電子部品を提供することにある。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、出力電力検出信号と出力レベルを指示する信号とに基づいて高周波電力増幅回路の出力電力を制御する無線通信システムにおいて、出力電力検出回路に、カプラや容量素子を介して取り出された高周波信号を増幅する多段構成のアンプを設ける。また、該多段構成のアンプの各段のアンプの出力をそれぞれ検波する複数の検波回路と、多段構成のアンプを通さない高周波信号を検波する検波回路とを設け、これらの検波回路の出力を合成したものを出力電力検出信号として、出力電力制御信号を生成する誤差アンプに入力して高周波電力増幅回路の制御信号を生成する。
さらに、上記多段構成のアンプの初段のアンプに対応する検波回路は出力電力の高い領域で出力が飽和し、終段のアンプに対応する検波回路は出力電力の低い領域で出力が飽和し、中段のアンプに対応する検波回路は中間のパワー領域で出力が飽和するように、各段のアンプと各検波回路のゲインをそれぞれ適宜設計する。また、各段の検波回路の出力が飽和しない有効検波範囲を互いにオーバーラップさせるようにする。
上記した手段によれば、カプラ等を介して取り出された高周波信号が検波される前に多段構成のアンプで増幅されるため、出力電力の低い領域における出力電力検出回路の感度が向上する。また、複数の検波回路のうち多段構成のアンプのうち後段のものに対応する検波回路ほど出力電力の低い領域で出力が飽和するように構成し、各段の検波回路の有効検波範囲を互いにオーバーラップさせることにより、出力電力の低い領域から高い領域まで連続した検波出力を得ることができる。
つまり、出力電力の低い領域における出力電力検出回路の感度を向上させつつダイナミックレンジを広げることができ、それによって出力電力の制御性を向上させることができる。また、出力電力の低い領域においてもフィードバックループをオフする必要がないため、送信開始時の出力電力立ち上げの際におけるスイッチングスペクトラムを悪化させることがなく、出力電力の低い領域における出力電力の制御性を向上させることができる。
また、望ましくは、上記多段構成のアンプはソース接地型のトランジスタによりそれぞれ構成する。多段構成のアンプを差動アンプで構成すると回路が発振しやすくなるとともに回路の占有面積も大きくなるが、ソース接地されたトランジスタにより構成し、増幅率を抑えることで発振を防止しつつ回路の占有面積を小さくすることができる。また、多段構成のアンプを差動アンプで構成するとCMOSプロセスが必要になるため、NチャネルMOSFETのみからなる高周波電力増幅回路と共に1チップの半導体集積回路として構成するとコストアップを招くが、ソース接地型のトランジスタを用いることでコストアップの上昇を回避しつつ1チップ化が容易となる。
さらに、本出願の他の発明は、パワーアンプの出力から取り出された高周波信号RFinを、増幅せずに検波する第1の検波回路と、多段構成のアンプを備え低パワー信号を段階的に増幅し検波する第2の検波回路とを設け、それらの出力を加算して検波出力を得るように構成し、第1の検波回路の入力側にはアッテネータを設けるようにした。これにより、このアッテネータの減衰量を調整して中高パワー領域の検波感度を変えることで、低パワー時の検波感度を落とすことなく検波回路のダイナミックレンジを調整できるようになる。
ここで、望ましくは、アッテネータとして予め複数の容量素子もしくは抵抗素子を半導体チップ上に形成しておいて、マスタスライスによる配線の形成の有無によって接続する素子を選択して減衰量を調整できるように構成する。これにより、配線パターンの形成に使用するマスクの変更のみで検波回路のダイナミックレンジを変えることができるため、回路の設計変更をする必要がなくなる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、出力電力検出回路のダイナミックレンジを広げ、パワーの低い領域から高い領域まで変曲点を持たない連続した検出出力を得ることができ、それによって出力電力の制御性を向上させることができる高周波電力増幅用電子部品(RFパワーモジュール)を実現することができる。
また、出力電力の検出に使用する電力結合器(カプラ)の形状やサイズが異なっていても、低パワー領域における検波感度を低下させたり回路の設計変更をしたりすることなく、出力電力検出回路のダイナミックレンジを所望の範囲に合わせ込むことができる高周波電力増幅用電子部品を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、高周波の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路と、その出力電力のレベルを検出する出力電力検出回路の検出出力に応じて高周波電力増幅回路のゲインを制御する出力電力制御回路とを含む高周波電力増幅器の一実施例を示す。この実施例の高周波電力増幅器は、800MHz帯を使用するGSMと1900MHz帯を使用するDCS(Digital Cellular System)の2つの方式の送信信号をモードに応じてそれぞれ電力増幅して出力できるように構成したものである。
この実施例の高周波電力増幅器は、高周波電力増幅回路210a,210b、出力電力検出回路(検波回路)220、出力電力制御回路230などにより構成されている。これらの回路が1つまたは2以上のIC(半導体集積回路)として形成され、高周波電力増幅器は、そのようなICが容量や抵抗などの外付け素子と共に絶縁基板に実装されてモジュールとして構成されている。
本明細書においては、表面や内部にプリント配線が施されたセラミック基板のような絶縁基板に複数の半導体チップとディスクリート部品が実装されて上記プリント配線やボンディングワイヤで各部品が所定の役割を果たすように結合されることであたかも一つの電子部品として扱えるように構成されたものをモジュールと称する。以下、モジュール化されたこの実施例の高周波電力増幅器をRFパワーモジュールと称する。
この実施例のRFパワーモジュール200には、GSM用の高周波電力増幅回路210aおよびDCS用の高周波電力増幅回路210bが設けられている。そして、このGSMとDCSの増幅回路210aと210bにそれぞれ対応してカプラCPLと容量素子Ciとからなる出力抽出手段221a,221bが設けられている。出力電力検出回路220および出力電力制御回路230は、出力抽出手段221a,221bを除きGSMとDCSの増幅回路210a,210bに共通の回路として設けられている。
また、モジュール200には、高周波電力増幅回路210a,210b内の増幅用トランジスタのバイアス電流を生成するバイアス生成回路231と、出力電力検出回路220からの検出電圧VDETとベースバンド回路からの出力指示信号Vrampとを比較し、それらの電位差に応じた制御電圧Vapcを生成してバイアス生成回路231へ供給する誤差アンプ234が設けられている。
上記出力抽出手段221a,221b内のカプラCPLには、電力増幅回路の出力端子に接続される絶縁基板上のマイクロストリップラインからなる出力線と平行に配設した比較的短いマイクロストリップラインとの間に形成される容量を利用するマイクロカプラを用いることができる。
GSMとDCSの高周波電力増幅回路210a,210bの構成は同じであるが、内部の増幅用トランジスタのバイアス電流は、増幅する送信信号がGSMの信号かDCSの信号によって異なる。そのため、バイアス生成回路231は、ベースバンド回路から供給される送信モードがGSMかDCSかを示すバンド制御信号Vbandによって切替え制御がなされる。
さらに、バイアス生成回路231は、制御電圧Vapcに応じて、GSMの送信モードでは高周波電力増幅回路210aへのバイアス電流を生成して供給し、DCSの送信モードでは高周波電力増幅回路210bへのバイアス電流を生成して供給する。このバイアス生成回路231には、後述の図8に示されているバイアス電流生成回路225内のオペアンプOP1とその出力をゲート端子に受けるMOSFETからなるトランジスタQ11〜Q14およびQ11と直列の抵抗R11からなる回路と同様な構成を有し、定電圧Vc1の代わりに制御電圧VapcをオペアンプOP1に入力するように構成した回路を用いることができる。
GSM用の高周波電力増幅回路210aおよびDCS用の高周波電力増幅回路210bは、それぞれ3個の増幅用トランジスタQa1,Qa2,Qa3が従属接続、すなわち後段のトランジスタの制御端子としてのゲート端子に前段のトランジスタのドレイン端子の出力が入力されるように接続がなされた3段の増幅回路として構成されている。特に制限されるものでないが、増幅用トランジスタQa1,Qa2,Qa3には、半導体チップ上で横方向に電極を拡散させた比較的高いソース・ドレイン間耐圧(約20V)を有するMOSFETであるLDMOS(Laterally Diffused MOSFET)が用いられている。また、各増幅段の増幅用トランジスタQa1,Qa2,Qa3のドレイン端子と電源電圧端子Vdd1,Vdd2との間にはモジュールの基板上に形成されたマイクロストリップラインからなるインダクタMSL1,MSL2,MSL3が接続されている。
さらに、高周波電力増幅回路210a,210bの各増幅段の間には、増幅すべき高周波信号の直流成分を遮断する容量C1,C2,C3が設けられている。そして、最終段の増幅用トランジスタQa3のドレイン端子が、容量C4を介して出力端子に接続されている。また、各増幅段にはそれぞれの増幅用トランジスタQa1,Qa2,Qa3とゲート端子同士が抵抗Rb1,Rb2,Rb3を介して接続されたLDMOSからなるバイアス用トランジスタQb1,Qb2,Qb3が設けられ、Qa1とQb1,Qa2とQb2,Qa3とQb3はそれぞれカレントミラー回路を構成している。そして、これらのトランジスタQb1,Qb2,Qb3にバイアス生成回路231からバイアス電流Ib1,Ib2,Ib3が流されることで増幅用トランジスタQa1,Qa2,Qa3にバイアスが与えられ、電力制御電圧Vapcに応じた動作電流が流されるようにされている。
なお、本実施例では、バイアス生成回路231は、カレントミラー方式で増幅用トランジスタQa1,Qa2,Qa3にバイアスを与える回路として構成されているが、Vapcを適当な比率で分圧して各段の増幅用トランジスタのゲート端子に、バイアス電圧として与える抵抗分圧回路で構成しても良い。図1では、バイアス用トランジスタQb1,Qb2,Qb3が高周波電力増幅回路210a,210bに含まれているように示されているが、Qb1,Qb2,Qb3とバイアス生成回路231とでバイアス回路を構成しているとみることもできる。また、本実施例では、高周波電力増幅回路210a,210bは3段の増幅段で構成されているが、1段あるいは2段であっても良い。
図2には、前記出力電力検出回路220の第1の実施例が示されている。なお、図2において符号RFinで示されている信号は、図1に示されている出力抽出手段221aまたは221bにより高周波電力増幅回路210aまたは220bの出力線から取り出された高周波信号である。また、図2において、MOSFETを表わす記号に外向きの矢印が付されているもの(例えばQ11)はPチャネルMOSFETで、内向きの矢印が付されているもの(例えばQ2)はNチャネルMOSFETである(図8、図9も同様)。以下、特に言及しない限りトランジスタとは、MOSFETを意味する。
この実施例の出力電力検出回路220は、出力抽出手段221aまたは221bにより取り出された高周波信号RFinを増幅する多段構成の増幅回路222と、該増幅回路222の各段の増幅信号をそれぞれ検波するマルチ検波回路223と、増幅回路222により増幅される前の高周波信号RFinを検波する検波回路224を備える。また、出力電力検出回路220は、マルチ検波回路223の各検波段に共通のバイアス点を与えるためのバイアス電流を生成するバイアス電流発生回路225と、マルチ検波回路223と検波回路224の出力電流を合成した電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路226とを備える。電流−電圧変換回路226は、この実施例では、ゲートとドレインが結合されたいわゆるダイオード接続のトランジスタが用いられているが、抵抗素子であっても良い。
さらに、出力電力検出回路220は、電流−電圧変換回路226により変換された電圧とマルチ検波回路223の各検波段のバイアス電圧Vdet_refとの電位差に応じた電圧を検波出力Vdetとして出力するディファレンシャルアンプ(減算回路)227と、検波出力Vdetにオフセット電圧を付与するため該ディファレンシャルアンプ227に与えるオフセット電位Voffを生成するオフセット電圧生成回路228を備える。
多段構成の増幅回路222は、直流カットの容量C5,C6,C7と増幅段AMP1,AMP2,AMP3とが交互に直列に接続されてなる。マルチ検波回路223は、並列形態に設けられた3個の検波段DET1,DET2,DET3と、これらの検波段の入力側に設けられた直流カットの容量C11,C12,C13と、バイアス電流Ibias1を電圧に変換し上記検波段DET1〜DET3に同一のバイアス電圧を与えるトランジスタQ1および安定化容量C10とからなる。バイアス電流Ibias1はバイアス電流発生回路225から供給される。トランジスタQ1は、そのゲートとドレインが結合されたダイオード接続とされ、そのドレイン端子と接地点との間に容量C10が接続されている。
そして、上記各増幅段AMP1〜AMP3のうち、AMP1の出力が容量C11を介して検波段DET1に入力され、AMP2の出力が容量C12を介して検波段DET2に入力され、AMP3の出力が容量C13を介して検波段DET3に入力されている。多段構成の増幅回路222のゲインは、トータルで40dBm以下、望ましくは30dBm以下となるように設計される。このように、増幅回路222のゲインを抑えることにより、ノイズを拾って発振するような不具合を回避することができる。
高周波信号RFinを直接検波する検波回路224は、上記検波段DET1〜DET3と同様な構成を有する検波段DET4と、入力信号から直流成分をカットする容量C14と、バイアス電流Ibias0を電圧に変換し上記検波段DET4にバイアス電圧を与えるトランジスタQ2および安定化容量C15と、温度補償回路224aとからなる。バイアス電流Ibias0はバイアス電流発生回路225から供給される。この実施例では、上記4つの検波段DET1〜DET4の出力電流Idet1〜Idet4が合成されて電流−電圧変換回路226に流されるように構成されている。
図3には、上記マルチ検波回路223の3つの検波段DET1〜DET3の出力電流Idet1〜Idet3と出力電力Poutとの関係およびそれらの合成電流Iadd(=Idet1+Idet2+Idet3)と出力電力Poutとの関係が示されている。また、図4には、上記合成電流Iaddと出力電力Poutとの関係、RFinを直接検波する検波回路224の検波段DET4の出力電流Idet4と出力電力Poutとの関係およびそれらを合成した検出電流Idet(=Idet1+Idet2+Idet3+Idet4)と出力電力Poutとの関係が示されている。
図3に示されているように、この実施例ではマルチ検波回路223の3つの検波段DET1〜DET3の出力電流Idet1〜Idet3は、検波段DET3の出力電流Idet3が最初に飽和し、次に検波段DET2の出力電流Idet2が飽和し、最後に検波段DET1の出力電流Idet1が飽和するように設計されている。
図3では、検波段DET3は出力電力Poutの−5〜15dBmを有効検波範囲S3とし、検波段DET2は5〜25dBmを有効検波範囲S2とし、検波段DET1は15〜35dBmを有効検波範囲S1としている。また、図4では、RFinを直接検波する検波回路224の検波段DET4は15〜40dBmを有効検波範囲S4としている。このように、本実施例では4つの検波段DET1〜DET4がそれぞれ互いにオーバーラップしながら異なるS1からS4の範囲の検波を分担するように構成されており、これにより出力電力Poutのほぼ全範囲を感度良く検波することができる。
図5(A)〜(C)には、多段構成の増幅回路222の変形例が示されている。このうち、図5(A)は、増幅段AMP2と並列に増幅段AMP2と同一の特性を有し、同一の信号を受けて同一レベルの信号を出力する増幅段AMP2Aを設けたものである。図2の実施例においては、検波段DET2に入力する信号をAMP2の出力としている。そのため、AMP2の負荷が容量C7のみでなくC7とC12となり、AMP2の出力信号の周波数特性が劣化してしまうが、AMP2の出力と同一レベルの信号を出力するAMP2Aの出力を検波段DET2の入力として用いることにより、かかる周波数特性の劣化を回避することができる。
図5(B)は多段構成のアンプ222の初段の増幅段AMP1にもこれと並列に増幅段AMP2Aと同様な増幅段AMP1Aを設けて、その出力を検波段DET1に入力させるように構成したものである。また、図5(C)は上記増幅段AMP1Aと並列にさらに増幅段AMP1Bを設けて、検波段DET1の入力と増幅段AMP2Aの入力を別のアンプで形成させるように構成したものである。このようにしても、最初の検波段DET1の入力である高周波信号RFinはもともと駆動力の高い高周波電力増幅回路の最終段の増幅用トランジスタQa3の出力より取り出される信号であるため、増幅段AMP1の出力信号の周波数特性の劣化を回避することができる。
ところで、図5のように、並列増幅段の数を多くすると信号の周波数特性の劣化を抑えることはできるが、回路の占有面積が増加して半導体チップサイズの増大をもたらす。よって、並列増幅段の数は、信号に要求される周波数特性と回路の占有面積とのトレードオフにより決定すればよい。本発明者らが行なったシミュレーションの結果では、GSMとDCSの2つの方式の送信信号を電力増幅して出力可能なデュアルモードのシステムを構成する図1のようなRFパワーモジュールでは、図5(A)のように増幅段AMP2と並列に増幅段AMP2Aを設ければ、信号に要求される周波数特性を満たすことができることが分かった。
従って、GSMとDCSのデュアルモードのシステムでは、増幅回路222として回路の占有面積をできるだけ抑えた図5(A)の構成を採用するのが最適であると考えている。一方、例えばGSM方式のみの送信信号を電力増幅して出力可能なシステムに使用するRFパワーモジュールであれば、図1に示されているような並列アンプを持たない増幅回路222を有する検波回路を用いることが可能である。
次に、図2のバイアス電流発生回路225とディファレンシャルアンプ227について説明する。バイアス電流発生回路225は、電源電圧依存性および温度依存性のない定電圧を生成するバンドギャップリファランス回路のような定電圧回路225aと、定電圧回路225aにより生成された定電圧Vc1,Vc2をそれぞれ非反転入力端子に受ける2個のオペアンプ(演算増幅器)OP1,OP2とを備える。さらに、バイアス電流発生回路225は、オペアンプOP1の出力電圧をゲート端子に受けるトランジスタQ11,Q12と、オペアンプOP2の出力電圧をゲート端子に受けるトランジスタQ15,Q16を備える。そして、トランジスタQ11のソース側にはこれと直列に抵抗R11と温度補償用のダイオードD1が、またトランジスタQ15のソース側にはこれと直列に抵抗R12が接続されている。
オペアンプOP1の反転入力端子にはQ11のソース電圧がフィードバックされることにより、Q11のソース電圧が定電圧回路225aからの定電圧Vc1に一致するようにQ11が駆動され、定電圧Vc1に応じた所定の電流がQ11に流される。オペアンプOP2の反転入力端子にはQ15のソース電圧がフィードバックされることにより、Q15のソース電圧が定電圧回路225aからの定電圧Vc2に一致するようにQ15が駆動され、定電圧Vc2に応じた所定の電流がQ15に流される。
トランジスタQ12のゲート端子にはQ11と同様にオペアンプOP1の出力電圧が印加されることにより、Q12にはQ11とQ12のサイズ比に応じてQ11のドレイン電流に比例した電流が流され、これがバイアス電流Ibias1として、前記マルチ検波回路223の検波段DET1〜DET3にバイアス電圧を与えるトランジスタQ1に供給される。一方、トランジスタQ16のゲート端子にはQ15と同様にオペアンプOP2の出力電圧が印加されることにより、Q16にはQ15とQ16のサイズ比に応じてQ15のドレイン電流に比例した電流が流され、これがバイアス電流Ibias0として、前記検波回路224の検波段DET4にバイアス電圧を与えるトランジスタQ2に供給される。
抵抗R11と直列にダイオードD1を接続しているのは、ダイオードD1の持つ負の温度特性を利用して上記バイアス電流Ibias1に正の温度特性を与えて、温度が変化しても一定の検波出力が得られるようにするためである。抵抗R12と直列に温度補償用のダイオードを接続していないのは、マルチ検波回路223と検波回路224とでは温度補償量が異なるためであり、この実施例では検波回路224に供給するバイアス電流Ibias0には温度特性を与えず検波段DET4の後段に温度補償回路224aを設けて温度補償するようにしている。
オフセット電圧生成回路228は、定電圧回路225aからの定電圧Vc2を抵抗分割する直列抵抗R13,R14と、分割生成されたオフセット電圧Voffをインピーダンス変換して出力するバッファアンプBUFとからなる。
ディファレンシャルアンプ227は、マルチ検波回路223で生成されたバイアス電圧Vdet_refを非反転入力端子に受け、オフセット電圧生成回路228により生成されたオフセット電圧Voffが抵抗R15を介して反転入力端子に印加されるオペアンプOP3と、抵抗R17を介して該オペアンプOP3の出力を反転入力端子に受けるオペアンプOP4とからなる。オペアンプOP3の出力端子と反転入力端子との間には帰還抵抗R16が接続され、その出力電圧とオフセット電圧Voffを抵抗R15とR16で抵抗分割した電圧がオペアンプOP3の反転入力端子に印加されている。
また、オペアンプOP4の出力端子と反転入力端子との間には帰還抵抗R18が接続され、その出力電圧とオペアンプOP3の出力を抵抗R17とR18で抵抗分割した電圧がオペアンプOP4の反転入力端子に印加されている。なお、アンプOP3の入力抵抗R15とOP4の帰還抵抗R18は同一の抵抗値に、またアンプOP3の帰還抵抗R16とアンプOP4の入力抵抗R17は同一の抵抗値に設定される。そして、オペアンプOP4の非反転入力端子には電流−電圧変換回路226で変換された検出電圧Vdetが入力されている。
ここで、抵抗R15とR18の抵抗値をr1、抵抗R16とR17の抵抗値をr2、2つのアンプの入力電圧Vdet_refとVdetの差をΔVin(=Vdet−Vdet_ref)、回路全体のゲインをKgとおくと、Kg=(r1+r2)/r2であり、回路の出力VDETはVDET≒Voff+Kg・ΔVinで表わされる。つまり、ディファレンシャルアンプ227は、Vdet_refとVdetとの電位差に比例しVoffによりシフトされた電圧を検出電圧VDETとして出力する。
これにより、ディファレンシャルアンプ227の出力は、バイアス電圧Vdet_refによる直流成分を含まない純粋な出力電力の交流成分に比例した検出電圧VDETとなる。図2に示されているディファレンシャルアンプ227は、抵抗R15,R18とR16,R17の抵抗比を変えることで容易にゲインを変えられるため、かかるディファレンシャルアンプを用いることにより検波感度の調整が容易となる。また、これらの抵抗を外付け抵抗としておけば、ICの製造後に検波感度を調整するようなことも可能となる。
また、本実施例の出力電力検出回路220は、ディファレンシャルアンプ227の前段のオペアンプOP3に直流電圧としてオフセット電圧Voffが与えられるようにしている。出力電力を制御する誤差アンプ234に出力レベル指示信号Vrampを供給するベースバンド回路の特性として出力レベルを「0」にしたい場合にも完全に0VのVramp信号を出力することができない場合がある。そのような場合に出力電力検出回路220から誤差アンプ234に供給される検出電圧VDETが0Vであると、誤差アンプ234から出力される制御電圧Vapcが0Vよりも高くなって出力電力Poutが「0」にならないおそれがあるためである。
図6に、ディファレンシャルアンプ227の入力電圧Vdet_ref,Vdetおよび出力電圧VDETと出力電力Poutとの関係が示されている。また、図7には、本実施例の出力電力検出回路220を用いた図1のシステムにおける出力電力検出回路220の検波感度と出力電力Poutとの関係が実線で示されている。
比較のため、図2の出力電力検出回路220において、多段構成の増幅回路222を省略するとともに、マルチ検波回路223を1つの検波段で構成し、この検波段に検波回路224の出力を入力することで2段検波回路を構成した場合の検波感度と出力電力Poutとの関係を図7に一点鎖線で示す。近年、GSMのシステムでは、一般に、図7に破線で示すように、出力電力Poutが−5〜33dBmの範囲で0.1V/Vrms以上の検波感度が要求される。図7より、本実施例の出力電力検出回路220はこの要求を満たすことができることが分かる。
図8には、図2の出力電力検出回路220における多段構成の増幅回路222とマルチ検波回路223と検波回路224を、素子レベルで現した回路例が示されている。なお、増幅回路222に関しては、図5(A)のものを適用した。図8において、図2に示されている回路や素子には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図8に示されているように、増幅回路222の各増幅段AMP1〜AMP3は、それぞれソース接地型のトランジスタとその負荷抵抗とから構成されている。すなわち、増幅段AMP1は、ソース端子が接地点に接続されゲート端子に高周波信号RFinが入力されるトランジスタQ21と、そのドレイン端子と電源電圧Vtxbとの間に接続された負荷抵抗R21とから構成されている。増幅段AMP2Aは、ソース端子が接地点に接続されゲート端子に前段アンプの出力であるQ21のドレイン電圧が入力されるトランジスタQ22と、そのドレイン端子と電源電圧Vtxbとの間に接続された負荷抵抗R22とから構成されている。
同様に、増幅段AMP2は、ソース端子が接地点に接続されゲート端子に前段アンプの出力であるQ21のドレイン電圧が入力されるトランジスタQ23と、そのドレイン端子と電源電圧Vtxbとの間に接続された負荷抵抗R23とから構成されている。また、増幅段AMP3は、ソース端子が接地点に接続されゲート端子に前段アンプの出力であるQ23のドレイン電圧が入力されるトランジスタQ24と、そのドレイン端子と電源電圧Vtxbとの間に接続された負荷抵抗R24とから構成されている。
さらに、増幅回路222は、バイアス電流生成回路225のオペアンプOP1の出力をゲート端子に受けトランジスタQ11のドレイン電流に比例した電流を流すトランジスタQ14と、Q14から供給されるバイアス電流Ibias2を電圧に変換するダイオード接続のトランジスタQ20を備える。そして、このトランジスタQ20により変換された電圧が、上記増幅段AMP1〜AMP3の増幅用トランジスタQ21〜Q24のゲート端子に、それぞれ抵抗R25〜R27を介して動作点を与えるバイアス電圧として印加されている。
増幅用トランジスタQ21〜Q24は、他の回路を構成するエンハンスメント型トランジスタに比べてしきい値電圧が低いデプレッション型のトランジスタにより構成され、上記バイアス電圧はそのしきい値電圧よりも充分に高い電圧とされる。そのため、増幅用トランジスタQ21〜Q24のゲート端子に、トランジスタQ20で変換された電圧が印加されることによりQ21〜Q24はA級増幅動作を行ない、入力信号を交流信号のまま次段の検波回路223へ出力するように動作する。
次段の検波回路223は、出力電力検出回路220の増幅段AMP1,AMP2A,AMP3の出力を、容量C11,C12,C13を介してゲート端子に受けるソース接地型のトランジスタQ31,Q32,Q33と、これらのソース端子側に直列形態で共通に接続されたPチャネルトランジスタQ34とを有する。該トランジスタQ34は、ゲートとドレインが結合されたダイオード接続とされており、これにより上記トランジスタQ31,Q32,Q33に流れるドレイン電流を合成した電流を電圧に変換する。トランジスタQ31,Q32,Q33はエンハンスメント型トランジスタであり、そのゲート端子には、バイアス電流生成回路225からのバイアス電流Ibias1を電圧に変換するダイオード接続のトランジスタQ1により変換された電圧がそれぞれ抵抗R31〜R33を介して印加されている。
本実施例では、このゲートバイアス電圧が、上記トランジスタQ31,Q32,Q33をB級増幅動作させることができるように、しきい値電圧に近い電圧値に設定されている。これにより、トランジスタQ31,Q32,Q33には、容量C11,C12,C13を介して入力される交流波形に比例しそれを半波整流したような電流がそれぞれ流され、Q31,Q32,Q33のドレイン電流は入力交流信号の振幅に比例した直流成分を含む検波電流Idet1,Idet2,Idet3となり、それらを合成した電流がトランジスタQ34に流される。
さらに、この実施例では、上記トランジスタQ34に検波回路224からの電流Idet4も流されるようにされている。これにより、Q34には検波電流Idet1,Idet2,Idet3とIdet4を加算した大きさの電流が流れる。また、Q34にはゲート共通接続されたトランジスタQ35が設けられ、Q34と共にカレントミラー回路を構成し、サイズ比に応じた電流がQ35に流される。そして、このトランジスタQ35のドレイン電流が、Q35と直列に接続された電流−電圧変換回路226を構成するダイオード接続のトランジスタQ36に流されて電圧に変換されるように構成されている。
なお、前述したように、検波段DET1,DET2よりも検波段DET3の方がより積極的に飽和し易くなるようにするため、検波用トランジスタQ33とカレントミラー回路の転写元の電流が流されるトランジスタQ34との間に抵抗を設けるようにしてもよい。また、検波用トランジスタQ32,Q33のドレインとトランジスタQ34との間に抵抗をそれぞれ設け、Q33側の抵抗の値をQ32側の抵抗の値よりも大きくしてQ33の方が飽和し易くするように設定してもよい。
ここで、増幅回路222の各増幅段AMP1〜AMP3および検波回路223の検波段DET1〜DET3が、図8のように、ソース接地型のトランジスタで構成されている場合の温度補償について説明する。ソース接地型のトランジスタを用いる場合、温度よってトランジスタの相互コンダクタンスgmが変化して出力が変動するので、gmの温度補償をするのが望ましい。
本実施例の出力電力検出回路220は、検波回路223で高周波信号を検波する前に増幅回路222で増幅するため、温度補償に当たっては、検波回路223のgmはもとより増幅回路222のgmの温度補償も考えなくてはならない。
一般に、ソース接地型のFETのバイアス電流(ドレイン電流)Ibiasは、次式(1)
Ibias=(1/2)*(W/L)*β*(VGS−Vth)2*(1+λVDS) ……(1)
で表わされる。上記式(1)において温度変動パラメータとなるのはβとVthである。式(1)を温度Tで微分すると、次式(2)
δIbias/δT=(1/2)*(W/L)*β*(VGS-Vth) 2*(1+λVDS)*δβ/δT
−(W/L)*β*(VGS-Vth)*(1+λVDS)*δVth /δT
=(W/L)*(1+λVDS)*{(1/2)*(VGS-Vth) 2*δβ/δT
−β*(VGS−Vth)*δVth /δT} ……(2)
が得られる。
したがって、バイアス電流の温度特性はgmの温度依存性が0となる条件を求めた上で、上記式(2)を満足するように設定する必要がある。そこで、先ず、gmの温度補償条件を検討する。gmは式(1)をVGMで微分したものであるから、次式(3)
gm=δIbias/δVGS=(W/L)*β*(VGS-Vth) *(1+λVDS) ……(3)
のように、表わされる。この式(3)を温度Tで微分すると、次式(4)
δgm/δT=(W/L)*(VGS-Vth) *(1+λVDS)*δβ/δT
−β*(W/L)* (1+λVDS)*δVth/δT
=(W/L)*(1+λVDS)*{(VGS-Vth) *δβ/δT-β*δVth/δT}……(4)
が得られる。この式から、δgm/δT=0とするには、
(VGS-Vth) *δβ/δT=β*Vth/δT ……(5)
とすればよいことが分かる。
そこで、式(5)を式(2)に代入して、バイアス電流に要求される温度特性を求めると、次式(6)
δIbias/δT=(W/L)*(1+λVDS)*{(1/2)*β*(VGS-Vth) *δVth/δT
−β*(VGS-Vth)*δVth /δT}
=−(1/2)*(W/L)*β*(VGS-Vth)* (1+λVDS)*δVth/δT
=−{Ibias/(VGS-Vth)}*δVth/δT ……(6)
が得られる。これを変形すると、
(δIbias/Ibias)/δT={−1/(VGS-Vth)}*δVth/δT ……(7)
となる。一般に、δVth/δT≒−2mV/degC、VGS−Vth>0であるので、これを式(7)に入れると、
(δIbias/Ibias)/δT≒−2mV/degC/(VGS-Vth)>0
となる。これより、増幅回路222と検波回路223のバイアス電流Ibias1,Ibias2には正の温度特性を持たせればよいことが分かる。
図8の実施例では、バイアス電流発生回路225内の抵抗R11と直列に接続されたダイオードD1を設け、ダイオードの順方向電圧の負の温度特性を利用することにより、バイアス電流Ibias1,Ibias2に正の温度特性を持たせるようにしている。具体的には、温度が高くなるとダイオードD1の順方向電圧が小さくなり、オペアンプOP1がトランジスタQ11のドレイン電圧を一定に保持させるべく抵抗R11に流れる電流を増加させる。すると、Q11のゲート電圧が低くなってQ12,Q13の電流が増加して、増幅回路222と検波回路223に供給されるバイアス電流Ibias1,Ibias2が増加される。
一方、高周波信号RFinを直接検波する検波回路224は、バイアス電流発生回路225から供給されるバイアス電流Ibias0を電圧に変換するダイオード接続のトランジスタQ2および容量C15と、検波用トランジスタQ3と、温度補償回路224aとからなる。検波用トランジスタQ3はソースが接地されており、Q2により変換された電圧が動作点を与えるバイアス電圧として抵抗R19を介してQ3のゲート端子に印加される一方、このトランジスタQ3のゲート端子に直流カット用の容量C14を介して高周波信号RFinが入力されている。
トランジスタQ3のゲート端子に印加されるバイアス電圧はQ3のしきい値電圧の近傍に設定されている。トランジスタQ3は、マルチ検波回路223のトランジスタQ31〜Q33と動作点が若干異なるのみでその動作は上述したQ31〜Q33の動作と同じであり、B級増幅を行なうことで高周波信号RFinを検波する。トランジスタQ2のゲート端子と接地点との間に接続された容量C15は、高周波信号RFinがトランジスタQ2のゲート端子側に回り込んでドレイン電流を変動させ動作点が変動するのを防止する働きがある。
図9には、前記検波回路224に設けられる温度補償回路224aの具体的な回路例が示されている。温度補償回路224aは、定電圧回路225aにより生成された定電圧Vc2を抵抗分割する2組の直列抵抗R41,R42およびR43,R44と、分割された電圧をゲートに受けるトランジスタQ41,Q42と、Q41,Q42のソース電圧をゲートに受けるトランジスタQ43,Q44と、Q44と直列に接続された負荷トランジスタQ45からなる差動段を有する。そして、この差動段のトランジスタQ43,Q44の共通ソースに検波回路224の検波用トランジスタQ3のドレインが接続され、高周波信号RFinを検波することでQ3に流される電流はQ43,Q44に分配され、このうちQ44に流される電流がQ45によって電圧に変換される。
また、温度補償回路224aには、負荷トランジスタQ45とカレントミラー接続されたトランジスタQ46と、Q46と直列に接続されたトランジスタQ47、Q47とカレントミラー接続されたトランジスタQ48が設けられている。これにより、Q44に流される電流が2つのカレントミラーQ45,Q46とQ47,Q48で転写されて検波電流Idet4として出力される。図9の実施例の温度補償回路224aでは、抵抗R42と直列に接続されたダイオードD2を設けることにより、出力検波電流Idet4に正の温度特性を持たせるようにしている。
具体的には、ある温度で検波用トランジスタQ3のドレイン電流が差動トランジスタQ43,Q44に等しく分配されていると仮定すると、チップ温度がその温度よりも高くなるとダイオードD2の順方向電圧が小さくなり、抵抗R41,R42に流れる電流が増加する。すると、Q41のゲート電圧が低くなってQ41の電流が増加し、Q43のゲート電圧が低くなってQ43の電流が減少、Q44の電流が増加し、この結果、出力検波電流Idet4が増加する。チップ温度が下がると、上記とは逆の動作により出力検波電流Idet4が減少する。
図10は、前記実施例の高周波電力増幅用モジュールを使用した無線通信システムの一例の概略構成を示す。
図10において、ANTは信号電波の送受信用アンテナ、110はGSMやDCSのシステムにおけるGMSK変復調やEDGEモードのPSK変復調を行なうことができる変復調回路を有する半導体集積回路化された高周波信号処理回路(以下、ベースバンドICと称する)である。ベースバンドIC110は、送信データ(ベースバンド信号)に基づいてI,Q信号を生成したり受信信号から抽出されたI,Q信号を処理したりする回路も有する。このベースバンドIC110と、受信信号を増幅するロウノイズアンプLNA1,LNA2と、送信信号から高調波成分を除去するバンドパスフィルタBPF1,BPF2と、受信信号から不要波を除去するバンドパスフィルタBPF3,BPF4などが1つのパッケージに実装されて1つの電子部品として構成されている。ロウノイズアンプLNA1,LNA2は、ベースバンドIC110に内蔵させることも可能である。
ベースバンドIC110には、GSMとDCSの送信信号をそれぞれアップンコンバートするミキサTx‐MIX1,Tx-MIX2、GSMとDCSの受信信号をそれぞれダウンコンバートするミキサRx‐MIX1,Rx-MIX2が設けられている。また、ベースバンドIC110には、これらのミキサで送信信号や受信信号とミキシングされる発振信号を発生する発振器VCO1〜VCO4や、GSMとDCSの送信信号をそれぞれ増幅する可変利得アンプGCA1,GCA2が設けられている。
また、図10において、200はベースバンドIC110から供給される高周波の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路210a,210bや出力電力検出回路220、バイアス生成回路231、誤差アンプ234等を含む前記実施例のRFパワーモジュールである。また、300は、送信信号に含まれる高調波などのノイズを除去するフィルタLPF1,LPF2、GSMの信号とDCSの信号を合成したり分離したりする分波器DPX1,DPX2、送受信の切替えスイッチT/R−SWなどを含むフロントエンド・モジュールである。
図10に示されているように、この実施例では、ベースバンドIC110からRFパワーモジュール200に対してGSMかDCSかを示すモード制御信号Vbandと出力レベル指示信号Vrampと出力電力検出回路220の電源電圧Vtxbが供給される。すると、バイアス生成回路231は、制御信号Vbandに基づいて、モードに応じたバイアス電流を生成し高周波電力増幅回路210aまたは210bのいずれかに供給する。また、出力レベル指示信号Vrampに基づいて、出力電力検出回路220、誤差アンプ234、バイアス生成回路231による出力電力のフィードバック制御を行なう。
ただし、本発明はこのようなシステムに限定されるものでない。例えば出力電力検出回路220の検出電圧VDETをチップ外部へ出力する端子と、バイアス生成回路231のバイアス電圧をチップ外部から受ける端子を設ける。そして、高周波電力増幅回路210の前段のベースバンドIC110で出力レベル指示信号Vrampと検出電圧VDETに応じて出力する高周波信号の振幅制御を行なうシステムに利用することも可能である。
図11には前記出力電力検出回路220の第2の実施例の概略構成が示されている。なお、図11において図2と同一の回路および同一の素子には同一の符号を付して、重複した説明は省略する。
第2の実施例の出力電力検出回路220は、図11に示されているように、方向性電力結合器(出力抽出手段)としてのカプラ221により高周波電力増幅回路210の出力から取り出された高周波信号RFinを、増幅回路を通さずに検波する第1の検波回路224の入力側に、アッテネータ229を設けたものである。それ以外は第1の実施例と同一の構成とすることができる。
ここで、アッテネータ229を設けた理由を説明する。例えば第1の実施例におけるカプラ221のカップリングロスが20dBであるとして第1検波回路224および第2の検波回路223のダイナミックレンジが設計されていた場合に、カプラの反射波特性等を向上させるために使用するカプラ221の形状やサイズ等が変わり、カップリングロスとして例えば15dBのものに変更されたとする。すると、そのままでは検波回路のダイナミックレンジが狭くなってしまい、出力が最大パワーに達しないおそれがある。
そこで、本実施例のように、検波回路224の入力側にアッテネータ229を設け、このアッテネータ229は5dBの減衰率を有するように設定する。これにより、図11の第1の検波回路224の入力は第1の実施例の場合と同じレベルになり、カプラがカップリングロス20dBのものから15dBのものに変更されたとしても、第1の検波回路224の出力は第1の実施例と同じレベルになる。その結果、検波回路のゲイン等を変えることなくダイナミックレンジが狭くなるのを回避することができる。
なお、第2の検波回路223へもアッテネータ229で減衰された高周波信号RFinを入力させる方式が考えられるが、第2の検波回路223は低パワー領域の高周波信号RFinを検波するものであるため、そのようにすると検波感度が低下してしまうおそれがある。本実施例では、アッテネータ229で減衰された高周波信号RFinを第1の検波回路224へのみ入力させているため、低パワー領域の検波感度を低下させることなくダイナミックレンジを広げることができる。
図11の出力電力検出回路220における第2の検波回路223は、第1の実施例と同様に、3個の検波段を有するマルチ検波回路からなり、前段にはカプラ221により取り出された高周波信号RFinを増幅する多段増幅回路222が設けられている。そして、第1の検波回路224の出力電流Idet4と第2の検波回路223の出力電流Iadd(=Idet1+Idet2+Idet3)とが合成されて、電流−電圧変換回路226に流されて電圧に変換される。この変換された電圧Vdetがディファレンシャルアンプ(減算回路)227に供給され、第2の検波回路223のバイアス電圧Vdet_refとの電位差に応じた電圧が検波出力VDETとして誤差アンプ234へ出力され、誤差アンプ234の出力Vapcに応じてパワーアンプ210のゲインが制御される。その結果、所望の出力電力制御が可能になる。
図12には、第1の実施例の出力電力検出回路220を使用したシステムすなわち図11においてアッテネータ229を省略した回路を用いたものおいて、カプラ221のカップリングロスATTを11dBから27dBまで4dBおきに変化させて、出力制御電圧Vrampに対する出力電力Poutの変化をシミュレーションによって求めた結果を示す。図12より、カプラ221のカップリングロスATTが15dB以下では、出力制御電圧Vrampをその最大電圧Vmaxである2Vに設定したときに、出力電力Poutが最大出力レベルPmaxである32dBmに達しないことが分かる。
第2の実施例の出力電力検出回路では、アッテネータ229が設けられているため、カプラ221の変更によってカップリングロスATTが変化したとしても、アッテネータ229の減衰率を調整することで、出力電力Poutが例えば32dBmのような最大出力レベルPmaxに達しなくなるような不具合が生じるのを回避できるようになる。
図13には第2の実施例の出力電力検出回路220の具体的な回路例が示されている。なお、図13において図2と同一の回路および同一の素子には同一の符号を付して、重複した説明は省略する。また、図13に示されている素子および回路は、定電圧源VTXBを除きすべて単結晶シリコンのような1個の半導体チップ上に形成されている。
図13の回路においては、アッテネータ229が、第1検波回路224の入力端子と接地点との間に接続された容量素子CATTにより構成されている。しかも、この実施例では、予め複数の容量素子CATT1〜CATTnを半導体チップ上に形成しておいて、マスタスライスによるアルミニウム配線の形成の有無によって、接続する素子を選択できるように構成されている。容量素子CATT1〜CATTnはそれぞれ同一の容量値でも良いし、異なる容量値を有するものでも良い。ちなみに、第1検波回路224が図8のような回路構成を有する場合、アッテネート容量CATTはMOSFET Q3のゲート端子と抵抗R19との接続ノードN1と接地点との間に接続される。

図14には、一例として入力容量C14が2pFに設定され、アッテネート容量CATTとして0pF,0.5pF,1pF,1.5pF,2pFをそれぞれ選択した場合に、入力高周波信号RFinのレベルと検波出力電流Idet4およびIadd(=Idet1+Idet2+Idet3)との関係を、シミュレーションによって調べた結果を示す。図14より、アッテネート容量CATTを大きくするほど検波出力電流Idet4が少なくなることが分かる。また、当然のことであるが、第2検波回路223の検波出力電流Iaddは、CATTの大小にかかわらず同一である。
また、図15には、同様な条件において、アッテネート容量CATTとして0pF,0.5pF,1pF,1.5pF,2pFをそれぞれ選択した場合に、入力高周波信号RFinのレベルと検波回路220の出力電圧Vdetとの関係を、シミュレーションによって調べた結果を示す。さらに、図16には、同様な条件で、カプラ221としてカップリングロスが19dBのものを使用した場合において、アッテネート容量CATTとして0pF,0.5pF,1pF,1.5pF,2pFをそれぞれ選択した場合における、出力制御電圧Vrampのレベルとパワーアンプ210の出力電力Poutとの関係を示す。
図15より、アッテネート容量CATTを大きくするほど検波出力電圧Vdetが小さくなって最大検波出力電圧Vdet_maxに達するRFinのレベルが高くなり、ダイナミックレンジが広くなることが分かる。また、図16より、アッテネート容量CATTを大きくするほど同一Vrampに対する出力電力Poutが高くなり、出力制御電圧Vrampをその最大電圧Vmaxである2Vに設定したときに、出力電力Poutが最大出力レベルPmaxである32dBmに達するようにするには、CATTを1pF以上に設定する必要があることが分かる。
図18には第2の実施例の出力電力検出回路220の変形例が示されている。図18の回路においては、入力高周波信号RFinの入力端子と第1検波回路224の入力端子との間に、入力容量C14と直列に接続された抵抗素子RATTによってアッテネータ229が構成されている。アッテネータ229以外は図13の実施例と同じであるので、詳しい回路の図示は省略する。
この具体例でも、アッテネータ229を構成する素子として予め複数の抵抗素子RATT1〜RATTnを半導体チップ上に形成しておいて、マスタスライスによるアルミニウム配線の形成の有無によって、接続する素子を選択できるように構成されている。RATT1〜RATTnはそれぞれ同一の抵抗値を有する抵抗素子でも良いし、異なる抵抗値を有する抵抗素子でも良い。
さらに、マスタスライスによるアルミニウム配線の形成の有無により接続する抵抗素子RATT1〜RATTnは、入力容量C14と第1検波回路224の入力端子との間でなく、図13の容量素子と同様に第1検波回路224の入力端子と接地点との間に接続しても良い。その場合、入力容量C14と第1検波回路224の入力端子との間には固定抵抗を設けておくのが望ましい。
図17には、一例として入力容量C14が5pFに設定され、アッテネート抵抗RATTとして2.25kΩ,1.8kΩ,1.35kΩ,1.2kΩ,0.9kΩをそれぞれ選択した場合に、入力高周波信号RFinのレベルと検波回路220の出力電圧Vdetとの関係を、シミュレーションによって調べた結果を示す。図17より、アッテネート抵抗RATTを大きくするほど検波出力電圧Vdetが小さくなって最大検波出力電圧Vdet_maxに達するRFinのレベルが高くなり、ダイナミックレンジが広くなることが分かる。
なお、図13にはアッテネータ229として容量素子を使用した例を、また図18にはアッテネータ229として抵抗素子を使用した例をそれぞれ示したが、容量素子と抵抗素子を組み合わせたアッテネータを使用できることはいうまでもない。容量と抵抗を組み合わせたアッテネータの場合、一方の端子が接地点に接続されたアッテネート容量の他方の端子は、例えばマスタスライスによる配線で、図18のアッテネート抵抗RATTと検波段DET4の入力端子との接続ノードN2に接続される。
また、回路の動作上からは、容量素子CATT1〜CATTnや抵抗素子RATT1〜RATTnとして外付けの素子を使用することも可能であるが、外付け素子を使用すると部品点数が増加し装置を小型、低コスト化する上で不利となる。よって、上記実施例のようにアッテネート容量やアッテネート抵抗としてオンチップの素子を使用することは、携帯電話機を構成するパワーモジュールにとって極めて重要なことである。

さらに、上記実施例では、マスタスライスによるアルミニウム配線の形成の有無により容量素子CATT1〜CATTnや抵抗素子RATT1〜RATTnを選択的に接続しているが、素子の接続の仕方はこれに限定されるものではない。
例えば図19のように、容量素子CATT1〜CATTnまたは抵抗素子RATT1〜RATTnにそれぞれ接続されたボンディングパッドP11〜P1nと、これらのパッドにそれぞれ近接して配置され第1検波回路224の入力端子に接続されているボンディングパッドP21〜P2nとを設ける。そして近接する2つのパッドの境界にボンディングボールBBを形成することで、パッド間の電気的接続を行なういわゆるボンディングオプションで容量素子CATT1〜CATTnや抵抗素子RATT1〜RATTnを選択的に接続するように構成しても良い。ただし、マスタスライスによる接続の方がチップサイズの低減にとっては有利である。
図20には第2の実施例の出力電力検出回路220の他の具体的な回路例が示されている。図20の回路は、容量素子CATT1〜CATTnとそれぞれ直列に接続されたスイッチMOSFET SW1〜SWnと、これらのスイッチをオンオフ制御するコードを保持するレジスタREGとを設けて、スイッチのオン、オフ状態で接続する容量素子を選択できるように構成されている。ここで、スイッチMOSFET SW1〜SWnには、一般的なMOSFETを用いてもよいしLDMOSを用いても良い。レジスタREGは、揮発性のものでもよいし不揮発性のものでもよい。
レジスタREGとして揮発性のものを使用する場合には、その設定は、図10で説明したベースバンドICからの指示によって行なうようにされる。図1に示されているRFパワーモジュールのように、GSM用の高周波電力増幅回路210aおよびDCS用の高周波電力増幅回路210bが設けられ、出力電力検出回路220がGSMとDCSで共用されるように構成されているモジュールにあっては、GSMとDCSとでカプラCPLの特性が異なる。よって、GSMモードかDCSモードかでアッテネータ229の減衰量を変えた方が、制御特性が向上する。
従って、アッテネータ229を、図20のように容量素子CATT1〜CATTnとそれぞれ直列に接続されたスイッチMOSFET SW1〜SWnとで構成していおいて、ベースバンドICからの指示で接続される容量素子を切り替えて減衰量を変えられるようにすると、RFパワーモジュールの機能をより高めることができる。
なお、スイッチMOSFET SW1〜SWnの接続位置は、容量素子CATT1〜CATTnと接地点との間ではなく、容量素子CATT1〜CATTnと第1検波回路224の入力端子との間とすることも可能であるが、電位的には接地点側の方が望ましい。アッテネータ229を容量素子でなく抵抗素子とスイッチ素子とで構成する場合も同様である。さらに、上記実施例では、アッテネータ229を設けて使用するカプラの特性に応じてアッテネータ229の減衰量を変えるようにしているが、アッテネータ229の減衰量を変える代わりにカプラの特性に応じて第1検波回路223のゲインを変えるように構成しても良い。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば前記実施例では、高周波電力増幅部の増幅用トランジスタQa1〜Qa3,バイアス用Qb1〜Qb3にLDMOSを用いているとしたが、通常のMOSFETやバイポーラ・トランジスタ、GaAsMESFET、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)等他のトランジスタを用いることも可能である。
また、前記実施例では、検波電圧Vdetから検波回路での直流バイアス電圧Vdet_refを引いた電圧を検出電圧VDETとして出力する回路として2つのオペアンプをシリーズに接続したディファレンシャルアンプを用いているが、1つのオペアンプに入力抵抗を介して演算させたい電圧を入力させるように構成した減算回路を用いるようにしても良い。
さらに、前記実施例では、多段構成の増幅回路222として、3段構成の増幅回路が用いられているが、これに限定されるものでなく、2段構成あるいは4段以上の構成の増幅回路を用いても良い。また、実施例では、多段構成の増幅回路222を各々ソース接地されたMOSFET(Q21〜Q24)により構成したが、例えば高周波電力増幅回路の増幅用素子がバイポーラ・トランジスタにより構成されるような場合にはエミッタ接地されたバイポーラ・トランジスタにより構成するようにしても良い。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である携帯電話機に用いられるRFパワーモジュールに適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、無線LANを構成するRFパワーモジュールなどにも利用することができる。
図1は、本発明に係る高周波電力増幅器(RFパワーモジュール)の一実施例を示すブロック図である。 図2は、出力電力検出回路の一実施例を示す回路構成図である。 図3は、実施例のRFパワーモジュールにおける出力電力Poutとマルチ検波回路の検波電流Idet1,Idet2,Idet3との関係を示すグラフである。 図4は、実施例のRFパワーモジュールにおける出力電力Poutとマルチ検波回路の合成出力電流IaddとRFin信号の検波回路の出力電流Idet4およびそれらを合成した電流Idetとの関係を示すグラフである。 図5(A)〜(C)は、マルチ検波回路の前段の多段構成の増幅回路の変形例を示す回路構成図である。 図6は、実施例のRFパワーモジュールにおける出力電力Poutと電力検出回路の検出電圧VDET等との関係を示すグラフである。 図7は、実施例を適用した場合と適用しない場合における出力電力検波回路の検波感度と出力電力Poutとの関係を示すグラフである。 図8は、図2の出力電力検出回路における多段構成の増幅回路とマルチ検波回路とRFin信号の検波回路を、素子レベルで現した回路例を示す回路図である。 図9は、実施例の出力電力検出回路におけるRFin信号の検波回路に設けられた温度補償回路を、素子レベルで現した回路例を示す回路図である。 図10は、実施例のRFパワーモジュールを使用した無線通信システムの一例の概略構成を示すブロック図である。 図11は、出力電力検出回路の第2の実施例の概略構成を示す回路構成図である。 図12は、第1の実施例の出力電力検出回路を使用したシステムについて、カプラのカップリングロスATTを11dBから27dBまで4dBおきに変化させて、出力制御電圧Vrampに対する出力電力Poutの変化をシミュレーションによって求めた結果を示すグラフである。 図13は、第2の実施例の出力電力検出回路の具体的な回路例を示す回路図である。 図14は、図13の回路においてアッテネート容量CATTとして0pF,0.5pF,1pF,1.5pF,2pFをそれぞれ選択した場合に、入力高周波信号RFinのレベルと検波出力電流Idet4およびIadd(=Idet1+Idet2+Idet3)との関係を、シミュレーションによって調べた結果を示すグラフである。 図15は、図13の回路においてアッテネート容量CATTとして0pF,0.5pF,1pF,1.5pF,2pFをそれぞれ選択した場合に、入力高周波信号RFinのレベルと検波回路の出力電圧Vdetとの関係を、シミュレーションによって調べた結果を示すグラフである。 図16は、図13の回路においてカプラとしてカップリングロスが19dBのものを使用し、アッテネート容量CATTとして0pF,0.5pF,1pF,1.5pF,2pFをそれぞれ選択した場合に、出力制御電圧Vrampのレベルとパワーアンプの出力電力Poutとの関係をシミュレーションによって調べた結果を示すグラフである。 図17は、図18の回路においてアッテネート抵抗RATTとして2.25kΩ,1.8kΩ,1.35kΩ,1.2kΩ,0.9kΩをそれぞれ選択した場合に、入力高周波信号RFinのレベルと検波回路の出力電圧Vdetとの関係を、シミュレーションによって調べた結果を示すグラフである。 図18は、第2の実施例の出力電力検出回路の変形例を示す回路図である。 図19は、第2の実施例の出力電力検出回路の他の変形例を示す説明図である。 図20は、第2の実施例の出力電力検出回路の他の具体的な回路例を示す回路図である。
符号の説明
100 RFデバイス
110 ベースバンド回路
200 RFパワーモジュール
210 高周波電力増幅回路
220 出力電力検出回路
221 出力抽出手段
222 多段構成の増幅回路
223 マルチ検波回路
224 検波回路
225 バイアス電流発生回路
226 電圧−電流変換回路
227 ディファレンシャルアンプ(減算回路)
229 アッテネータ
230 出力電力制御回路
231 バイアス生成回路
234 誤差アンプ
300 フロントエンド・モジュール
CPL カプラ
ANT 送受信用アンテナ
LPF ロウパスフィルタ
LNA ロウノイズ・アンプ
GCA 可変利得アンプ

Claims (20)

  1. 増幅用素子を含み高周波の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路と、該高周波電力増幅回路の出力電力の大きさを検出する出力電力検出回路とを備え、前記出力電力検出回路の出力と出力レベルを指示する制御信号とに基づいて前記高周波電力増幅回路のゲインを制御する高周波電力増幅用電子部品であって、
    前記出力電力検出回路は、出力抽出手段により前記高周波電力増幅回路の出力から取り出された交流成分を検波する第1検波回路と、前記出力抽出手段により前記高周波電力増幅回路の出力から取り出された交流成分を増幅する多段構成の増幅回路と、該増幅回路の各増幅段の出力を検波する複数の検波段からなる第2検波回路とを備え、前記第1検波回路の出力と前記第2検波回路の出力を合成して出力し、前記第1検波回路と前記複数の検波段はそれぞれ異なる有効検波範囲を有し互いの有効検波範囲がオーバーラップするように設定されていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  2. 増幅用素子を含み高周波の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路と、該高周波電力増幅回路の出力電力の大きさを検出する出力電力検出回路とを備え、前記出力電力検出回路の出力と出力レベルを指示する制御信号とに基づいて前記高周波電力増幅回路のゲインを制御する高周波電力増幅用電子部品であって、
    前記出力電力検出回路は、出力抽出手段により前記高周波電力増幅回路の出力から取り出された交流成分を検波する第1検波回路と、前記出力抽出手段により前記高周波電力増幅回路の出力から取り出された交流成分を増幅する多段構成の増幅回路と、該増幅回路の各増幅段の出力を検波する複数の検波段からなる第2検波回路とを備え、前記高周波電力増幅回路の出力電力が次第に増加するように制御された場合、前記第2検波回路は前記複数の検波段のうち前記増幅回路の最終の増幅段に対応した検波段の出力が最初に飽和し、前記複数の検波段のうち前記増幅回路の先頭の増幅段に対応した検波段の出力が最後に飽和するように構成されていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  3. 前記第1検波回路および前記第2検波回路の各検波段はソース接地された電界効果型トランジスタにより構成され、それぞれのゲート端子に検波すべき交流信号が入力されると共に所定の直流バイアス電圧が印加されている請求項1または2に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  4. 前記増幅回路の各増幅段はソース接地された電界効果型トランジスタにより構成され、それぞれのゲート端子に増幅すべき交流信号が入力されると共に所定の直流バイアス電圧が印加されている請求項3に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  5. 前記第2検波回路の各段の検波用電界効果型トランジスタのゲート端子に印加されるバイアス電圧と前記増幅回路の各段の増幅用電界効果型トランジスタのゲート端子に印加されるバイアス電圧は、共通の回路により生成されたバイアス電流に基づいて生成されるように構成されている請求項4に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  6. 前記第1検波回路の検波用電界効果型トランジスタのゲート端子に印加されるバイアス電圧は、前記共通の回路とは別個の設けられた回路により生成されたバイアス電流に基づいて生成されるように構成されている請求項5に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  7. 前記共通の回路は、前記第2検波回路の検波出力に正の温度特性を与えるようなバイアス電流を生成する温度補償手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  8. 前記第1検波回路の検波出力に正の温度特性を与える温度補償回路を備えることを特徴とする請求項6に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  9. 前記増幅回路の最終段よりも前の増幅段には並列接続された複数の増幅段が設けられ、複数の増幅段のうち1つの増幅段の出力が次段の増幅段に入力され、他の1つの増幅段の出力が前記第2検波回路内の対応する検波段に入力されるように構成されている請求項1または2に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  10. 前記出力電力検出回路の出力と前記制御信号とを比較してその差に応じた信号を出力する誤差増幅回路と、該誤差増幅回路の出力に応じて前記増幅用素子にバイアスを与えるバイアス生成回路とを備える請求項1または2に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  11. 所定の周波数帯の第1の送信信号を増幅して出力する第1の高周波電力増幅回路と、前記第1の送信信号と異なる周波数帯の第2の送信信号を増幅して出力する第2の高周波電力増幅回路とを備え、
    前記出力電力検出回路、前記誤差増幅回路および前記バイアス生成回路は前記第1の高周波電力増幅回路と第2の高周波電力増幅回路に共通の回路として設けられていることを特徴とする請求項10に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の高周波電力増幅用電子部品と、該高周波電力増幅用電子部品により増幅されるべき送信信号を生成するベースバンド回路とを備えた無線通信装置であって、出力レベルを指示する前記制御信号は前記ベースバンド回路から前記高周波電力増幅用電子部品へ与えられるように構成されてなる無線通信装置。
  13. 増幅用素子を含み高周波の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路と、該高周波電力増幅回路の出力電力の大きさを検出する出力電力検出回路とを備え、前記出力電力検出回路の出力と出力レベルを指示する制御信号とに基づいて前記高周波電力増幅回路のゲインを制御する高周波電力増幅用電子部品であって、
    前記出力電力検出回路は、
    方向性電力結合器により前記高周波電力増幅回路の出力から取り出された交流成分を検波する第1検波回路と、
    前記方向性電力結合器により前記高周波電力増幅回路の出力から取り出された交流成分を増幅する多段構成の増幅回路と、
    前記増幅回路の各増幅段の出力を検波する複数の検波段からなる第2検波回路と、を備え、
    前記第1検波回路の出力と前記第2検波回路の出力を合成して出力するように構成され、前記第1検波回路の入力側にはアッテネータを設けられていることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  14. 前記アッテネータは、前記第1検波回路の入力端子と定電位点との間に接続可能にされた複数の容量素子または複数の抵抗素子からなり、前記複数の容量素子または複数の抵抗素子は前記出力電力検出回路を構成する素子が形成されている半導体基板と同一の半導体基板に形成されているオンチップの素子であることを特徴とする請求項13に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  15. 前記複数の容量素子または複数の抵抗素子は、配線形成工程でマスタスライスにより形成される配線の有無によって前記第1検波回路の入力端子と定電位点との間に選択的に接続されることを特徴とする請求項14に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  16. 前記アッテネータは、前記第1検波回路と前記第2検波回路の共通の入力端子と前記第1検波回路の入力端子との間に容量素子と直列に接続可能にされた並列形態の複数の抵抗素子からなり、前記複数の抵抗素子は前記出力電力検出回路を構成する素子が形成されている半導体基板と同一の半導体基板に形成されているオンチップの素子であることを特徴とする請求項13に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  17. 前記アッテネータは、前記複数の容量素子または複数の抵抗素子と直列に接続された複数のスイッチ素子を備え、前記複数のスイッチ素子のオン、オフ状態に応じて前記第1検波回路の入力端子と定電位点との間に選択的に接続されることを特徴とする請求項14に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  18. 前記方向性電力結合器は、前記第1検波回路を構成する素子が形成されている半導体基板が実装される絶縁基板上に形成された配線パターンにより構成されるカップリング容量であることを特徴とする請求項17に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  19. 第1の周波数の送信信号を増幅する第1の高周波電力増幅回路と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数の送信信号を増幅する第2の高周波電力増幅回路と、前記第1の高周波電力増幅回路の出力から交流成分を取り出す第1の方向性電力結合器と、前記第2の高周波電力増幅回路の出力から交流成分を取り出す第2の方向性電力結合器と、を備え、
    前記出力電力検出回路は、前記第1の電力結合器により取り出された交流成分と前記第2の方向性電力結合器により取り出された交流成分を検波する共通の回路として設けられ、前記アッテネータは、前記出力電力検出回路がいずれの方向性電力結合器により取り出された交流成分を検波するかに応じてオン状態にされるスイッチ素子が切り替えられることを特徴とする請求項18に記載の高周波電力増幅用電子部品。
  20. 請求項17〜19のいずれかに記載の高周波電力増幅用電子部品と、該高周波電力増幅用電子部品により増幅されるべき送信信号を生成するベースバンド回路とを備えた無線通信装置であって、前記複数のスイッチ素子をそれぞれオン状態にするかオフ状態にするかを指示する制御情報が前記ベースバンド回路から前記高周波電力増幅用電子部品へ与えられるように構成されてなる無線通信装置。
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