JP2007116028A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体層上または水溶媒系導電性ペースト層上に有機溶媒系導電性ペーストを積層する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、有機溶媒系導電性ペーストを積層する前に前記半導体層または前記水溶媒系導電性ペースト層を有機溶媒雰囲気中にさらすことを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
【選択図】なし
Description
電極層は、例えば、導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フィルムの付着等により形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミニウムペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等が好ましい。これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は混合してもよく、または別々の層として重ねてもよい。導電ペーストを適用した後、空気中に放置するか、または加熱して固化させる。固化後の導電ペースト層の厚さは、一層あたり通常約0.1〜約200μmである。
ところが、半導体層(特に有機半導体層)上にカーボンペースト等の導電性ペーストを積層する際に、導電性ペーストが有機溶媒を溶媒とするペースト(有機溶媒系導電性ペースト)の場合、半導体層に有機溶媒系導電性ペーストを付着させると、はじくことがある。また、半導体層ではなく、水を溶媒とする導電性ペースト(水溶媒系導電性ペースト)を硬化乾燥したペースト層(水溶媒系導電性ペースト層)上に有機溶媒系導電性ペーストを付着させる場合でもはじくことがある。
1.半導体層上または水溶媒系導電性ペースト層上に有機溶媒系導電性ペーストを積層する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、有機溶媒系導電性ペーストを積層する前に前記半導体層または前記水溶媒系導電性ペースト層を有機溶媒雰囲気中にさらすことを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
2.半導体層上に積層された水溶媒系導電性ペースト層上に有機溶媒系導電性ペーストを積層する前記1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
3.有機溶媒系導電性ペーストがカーボンペーストである前記1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
4.半導体層上に有機溶媒系カーボンペーストを積層する前記3に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
5.有機溶媒系導電性ペーストが銀ペーストである前記1または2に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
6.水溶媒系導電性ペースト層がカーボンペースト層である前記1、2、5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
7.有機溶媒雰囲気の有機溶媒が、アルコール、エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびエーテルから選ばれる少なくとも1種である前記1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
8.有機溶媒雰囲気の有機溶媒が、有機溶媒系導電性ペーストの有機溶媒と同一の有機溶媒である前記1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
9.有機溶媒中にさらす時間が、1分〜10時間である前記1〜8のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
10.半導体層が誘電体層上に積層されたものである前記1〜9のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
11.半導体層の半導体が有機半導体である前記1〜10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
12.誘電体層が導電体上に形成されたものである前記10に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
13.導電体が焼結体である前記12に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
14.焼結体が、タンタルまたはニオブの焼結体である前記13に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
15.前記1〜14のいずれか1項に記載の方法で固体電解コンデンサ素子を得、これを樹脂で封口することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
黒鉛粉末(平均粒径:1〜10μm)を水または有機溶媒中に分散させたものを使用する。絶縁性ポリマー(ポリエステル樹脂、アクリル樹脂など)を溶媒に溶解させている場合もある。有機溶媒としてはアルコール類(エタノールなど)、エステル類(酢酸エチルなど)等が用いられる。
銀粉末(平均粒径:1〜10μm)を有機溶媒に分散させたものを使用する。絶縁性ポリマー(ポリエステル樹脂、アクリル樹脂など)を有機溶媒に溶解させたもの、銀ペーストを硬化乾燥させたときに絶縁性ポリマーとなるモノマーを有機溶媒の代わりに使用したもの、このようなモノマーと有機溶媒と絶縁性ポリマーを混合して使用したものがある。
カーボンペーストを積層する前、あるいは銀ペーストを積層する前に、半導体層をその雰囲気下に置くのに使用する溶媒としては各種アルコール(イソブタノール、フェニルメタノール、イソプロパノール等)、各種エステル(酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸フェニル等)、各種脂肪族炭化水素(ヘプタン、イソペンタン、オクタン等)、各種芳香族(キシレン、トルエン等)、各種エーテル(アニソール、フェニルエチルエーテル等)が使用される。これらの中でもカーボンペーストや銀ペーストに使用される溶媒と同一の溶媒を使用すると放置時間(通常1分〜10時間)が短縮され好ましい。
CV(容量と化成電圧の積)15万μF・V/gのタンタル粉を使用し、大きさ1.0×1.3×3.3mmの焼結体を作製した(焼結温度1310℃、焼結時間20分、質量29.0mg、焼結体密度5.9g/cm3、タンタルリード線0.40mmφ、焼結体の4.5mm寸法の長手方向と平行にタンタルリード線の一部3.0mmが埋設されていて焼結体から突き出たリード線10mm部が陽極部となる。)。陽極となる焼結体を1%燐酸水溶液にリード線の一部を除いて浸漬し、陰極のタンタル板電極との間に9Vを印加し、65℃で400分化成してTa2O5からなる誘電体酸化皮膜層を形成した。この焼結体のリード線を除いて、20質量%エチルベンゼンスルホン酸鉄水溶液に浸漬し引き上げ105℃で15分乾燥することを5回繰り返した。
実施例1において、半導体層を放置する有機溶媒、カーボンペースト、カーボンペースト層を放置する有機溶媒及び銀ペーストとして表1に示すものを使用したほかは実施例1と同様にしてコンデンサを38個作製した。
ニオブインゴットの水素脆性を利用して粉砕したニオブ一次粉(平均粒径0.33μm)を造粒し平均粒径140μmのニオブ粉(微粉であるために表面が自然酸化されていて全体として酸素9600ppm存在する)を得た。次に450℃の窒素雰囲気中に放置しさらに700℃のアルゴン中に放置することにより、窒化量9500ppmの一部窒化したニオブ粉(CV285000μF・V/g)とした。このニオブ粉を0.38mmφのニオブ線と共に成形した後1260℃で焼結することにより、大きさ1.0×1.3×3.3mm(質量15.6mg、ニオブ線がリード線となり焼結体内部に3.0mm、外部に10mm存在する。)の焼結体(導電体)を以下の76個となるように複数個作製した。
続いて、1%燐酸水溶液で80℃、20V、7時間化成することにより、焼結体表面とリード線の一部に五酸化二ニオブを主成分とする誘電体層を形成した。引き続き、該焼結体を20質量%ナフタレンスルホン酸鉄アルコール溶液に浸漬した後乾燥し、さらに10質量%トルエンスルホン酸水溶液中80℃、15V、15分再化成することを交互に5回繰り返した。さらに、1質量%アントラキノンスルホン酸と、3,4−エチレンジオキシチオフェンが不溶な部分も存在するほど充分投入されている水と30質量%エチレングリコール混合溶液中に焼結体部分を浸漬し、リード線を陽極に溶液中に配置されたステンレス板を陰極にして室温で70μAの定電流(電解効果トランジスターと抵抗で電流値を決定した)を流して電解重合を50分行い、水溶液から引き上げ水洗浄・アルコール洗浄・乾燥を行った後、5%安息香酸カリウム水溶液中で80℃、14V、15分間再化成を行った。この電解重合と再化成を8回繰り返して誘電体層上にアントラキノンスルホン酸イオンを主ドーパントとするポリチオフェン誘導体からなる半導体層を形成した。
実施例6において、半導体層を放置する有機溶媒、カーボンペースト、カーボンペースト層を放置する有機溶媒及び銀ペーストとして表1に示すものを使用したほかは実施例6と同様にしてコンデンサを38個作製した。
以上の実施例1〜7、比較例1〜4で作製した各コンデンサについて容量及び実装試験後の初期ESRを以下の方法により測定した。
実装試験:
ピーク温度が260℃、230℃が30秒のリフロー炉を3回通過させた。
コンデンサの容量:
ヒューレットパッカード社製LCR測定器を用い、室温120Hzで測定した。
ESR値:
コンデンサの等価直列抵抗を100kHzで測定した。
測定結果(38個の平均値)を表2に示す。
Claims (15)
- 半導体層上または水溶媒系導電性ペースト層上に有機溶媒系導電性ペーストを積層する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、有機溶媒系導電性ペーストを積層する前に前記半導体層または前記水溶媒系導電性ペースト層を有機溶媒雰囲気中にさらすことを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 半導体層上に積層された水溶媒系導電性ペースト層上に有機溶媒系導電性ペーストを積層する請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 有機溶媒系導電性ペーストがカーボンペーストである請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 半導体層上に有機溶媒系カーボンペーストを積層する請求項3に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 有機溶媒系導電性ペーストが銀ペーストである請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 水溶媒系導電性ペースト層がカーボンペースト層である請求項1、2、5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 有機溶媒雰囲気の有機溶媒が、アルコール、エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 有機溶媒雰囲気の有機溶媒が、有機溶媒系導電性ペーストの有機溶媒と同一の有機溶媒である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 有機溶媒中にさらす時間が、1分〜10時間である請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 半導体層が誘電体層上に積層されたものである請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 半導体層の半導体が有機半導体である請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 誘電体層が導電体上に形成されたものである請求項10に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 導電体が焼結体である請求項12に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 焼結体が、タンタルまたはニオブの焼結体である請求項13に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法で固体電解コンデンサ素子を得、これを樹脂で封口することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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