JP2007112261A - ウインドウガラス洗浄保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両1のエンジン2を水冷するラジエータ47を通過した後の冷却風を、圧縮空気として供給可能な供給機構5を備えるものであり、この供給機構5は、前記ラジエータ47と、該ラジエータ47に冷却風を送風するための送風機48を有し、該送風機48の吸気側に前記ラジエータ47を配置すると共に、前記送風機48の排気口48bを前記吹出口15に連通させる。
【選択図】図2
Description
すなわち、請求項1においては、圧縮空気を吹出口から車両のウインドウガラスに吹き付け、該ウインドウガラスの表面の異物の除去または異物付着の防止を行うウインドウガラス洗浄保護装置において、前記車両のエンジンを水冷するラジエータを通過した後の冷却風を、前記圧縮空気として供給可能な供給機構を備えたものである。
請求項2においては、前記供給機構は、前記ラジエータと、該ラジエータに前記冷却風を送風するための送風機を有し、該送風機の吸気側に前記ラジエータを配置すると共に、前記送風機の排気口を前記吹出口に連通させるものである。
請求項3においては、前記ラジエータと送風機との間に、エンジンを介設するものである。
請求項4においては、前記供給機構は、前記ラジエータと、該ラジエータに前記冷却風を送風するための送風機を有し、該送風機の排気側に前記ラジエータを配置すると共に、該ラジエータを挟んで前記送風機と反対側にダクトを設け、該ダクトの排気口を前記吹出口に連通させるものである。
請求項5においては、前記送風機とダクトとの間に、該ダクトに前記冷却風を案内する導風ガイドを設けるものである。
請求項6においては、前記送風機とダクトとの間に、エンジンを介設するものである。
請求項7においては、前記排気口から排出される圧縮空気の送出先を、前記吹出口、前記エンジンの周囲、前記エンジンの過給器、前記車両に設けた発電機のうちの少なくとも一つに切り換え可能な切換機構を設けるものである。
請求項8においては、前記送風機は、輻流式の送風機とするものである。
請求項9においては、前記吹出口から噴出する圧縮空気から成る噴流内に、前記ウインドウガラスの表面に沿った略層流状態の領域を形成するものである。
請求項10においては、前記吹出口に整流体を設けるものである。
請求項11においては、前記吹出口には吸込口を対向配置し、該吸込口と前記吹出口との間に前記噴流を形成するものである。
請求項12においては、前記吹出口から吹き出される圧縮空気の風量、風速と、吸込口に吸引される吸引空気の風量、風速とは略同等とするものである。
請求項13においては、前記吸込口に吸引された吸引空気は、前記ラジエータに還流させるものである。
すなわち、請求項1においては、圧縮空気を吹出口から車両のウインドウガラスに吹き付け、該ウインドウガラスの表面の異物の除去または異物付着の防止を行うウインドウガラス洗浄保護装置において、前記車両のエンジンを水冷するラジエータを通過した後の冷却風を、前記圧縮空気として供給可能な供給機構を備えたので、圧縮空気を発生させるのにブロアやコンプレッサ等の発生装置を新たに設ける必要がなく、ウインドウガラス洗浄保護装置の製造コストを低減することができ、更に、他の装置の設置空間が広くなり、車両の組立性やメンテナンス性も向上する。加えて、ラジエータを通過して温度が上昇した冷却風を高温の圧縮空気としてウインドウガラスに吹き付け、該ウインドウガラスに付着した雪を速やかに溶かすことができるため、高温の圧縮空気生成に必要なヒータ等が不要となり、その分、ウインドウガラス洗浄保護装置の駆動にかかるエネルギーコストを低減することができる。
請求項2においては、前記供給機構は、前記ラジエータと、該ラジエータに前記冷却風を送風するための送風機を有し、該送風機の吸気側に前記ラジエータを配置すると共に、前記送風機の排気口を前記吹出口に連通させるので、ラジエータを通過した冷却風を、送風機で全て集めて、該送風機の排気口から圧縮空気として前記吹出口まで送出することができ、ダクト等の集気構造を新たに設けることなく簡単な構成で供給機構を形成することができ、ウインドウガラス洗浄保護装置の製造コストやメンテナンス性を向上させることができる。
請求項3においては、前記ラジエータと送風機との間に、エンジンを介設するので、冷却風をラジエータだけでなくエンジンをも通過させ、圧縮空気の温度をより高温にすることができ、ウインドウガラスに付着した雪を更に迅速に溶かして除去することができる。
請求項4においては、前記供給機構は、前記ラジエータと、該ラジエータに前記冷却風を送風するための送風機を有し、該送風機の排気側に前記ラジエータを配置すると共に、該ラジエータを挟んで前記送風機と反対側にダクトを設け、該ダクトの排気口を前記吹出口に連通させるので、ラジエータを通過した冷却風を送風機ではなくダクトに流れ込ませ、高温の冷却風による送風機の熱損を軽減することができ、送風機の機器寿命の延長を図ることができる。
請求項5においては、前記送風機とダクトとの間に、該ダクトに前記冷却風を案内する導風ガイドを設けるので、冷却風を外部に逃がすことなくダクトに集めることができ、ウインドウガラスの洗浄保護に十分な風量・風速を確保することができる。
請求項6においては、前記送風機とダクトとの間に、エンジンを介設するので、冷却風をラジエータだけでなくエンジンをも通過させ、圧縮空気の温度をより高温にすることができ、ウインドウガラスに付着した雪を更に迅速に溶かして除去することができる。
請求項7においては、前記排気口から排出される圧縮空気の送出先を、前記吹出口、前記エンジンの周囲、前記エンジンの過給器、前記車両に設けた発電機のうちの少なくとも一つに切り換え可能な切換機構を設けるので、ウインドウガラス洗浄保護装置を使用しない場合には、前記切換機構を操作することにより、圧縮空気をエンジンの周囲に送風して、従来のように、ラジエータによる水冷に加え空冷によってもエンジンを冷却することができ、あるいは、圧縮空気をエンジンの過給器に供給してターボ機構を作動させ、エンジン出力を上げることができ、あるいは、圧縮空気をファン式の発電機に供給して発電し、その電力を送風機等の駆動やバッテリ等への充電に利用することができ、これにより、ラジエータを通った冷却風を常に無駄にすることなく有効に活用することができる。
請求項8においては、前記送風機は、輻流式の送風機であるので、羽根出口角に直角またはそれに近い角度を設け、強度としては最も強い形の羽根を送風機に備えることができ、高速回転が可能となって、ウインドウガラスの洗浄保護に十分な風量・風速を確保することができる。
請求項9においては、前記吹出口から噴出する圧縮空気から成る噴流内に、前記ウインドウガラスの表面に沿った略層流状態の領域を形成するので、噴流での乱流や渦の発生が抑制されて安定し、噴流が、ウインドウガラス表面に付着している異物を強い力で除去すると共に、エアカーテンという一種の保護層となって、付着しようとする異物を吹き払うことができ、異物に対する優れた洗浄作用と保護作用を得ることができる。更に、噴流での乱流や渦の発生が抑制されるため、噴流によるウインドウガラス等の振動が軽減され、ウインドウガラス洗浄保護装置を使用する際の騒音を抑制することができる。
請求項10においては、前記吹出口に整流体を設けるので、高度な空気制御機構等を用いることなく、整流板等を吹出口に付設するだけの簡単な構造で圧縮空気が整流され、噴流内に略層流状態の領域を形成することができ、ウインドウガラス洗浄保護装置の製造コストの低減、及び組立性やメンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項11においては、前記吹出口には吸込口を対向配置し、該吸込口と前記吹出口との間に前記噴流を形成するので、前記吸込口に流れ込む吸引空気の空気流によって、略層流状態の領域の前記噴流内への形成を一層促進し、噴流での乱流や渦の発生を抑制することができ、異物に対する洗浄作用と保護作用を更に向上することができる。
請求項12においては、前記吹出口から吹き出される圧縮空気の風量、風速と、吸込口に吸引される吸引空気の風量、風速とは略同等とするので、噴流内に略層流状態の領域をより安定して形成することができ、異物に対する洗浄作用と保護作用を更に向上させることができる。
請求項13においては、前記吸込口に吸引された吸引空気は、前記ラジエータに還流させるので、低温の吸引空気による冷却が進んで、車体前部に開口された通気孔から低速で流入する外気だけで空冷する場合に比べ、熱交換効率が大きく向上し、ラジエータによるエンジンの水冷効率を更に高めることができる。
図1は本発明に係わるウインドウガラス洗浄保護装置の全体構成を示す、車両の側面図、図2は供給機構を示す、ボンネットの側面図、図3は切換バルブを備えた供給機構を示す、ボンネットの側面一部断面図、図4はモータを備えた供給機構を示す、ボンネットの側面一部断面図、図5は第二実施例の供給機構を示す、ボンネットの側面一部断面図、図6は第三実施例の供給機構を示す、ボンネットの側面一部断面図、図7は第三実施例で配置構成の異なる供給機構を示す、ボンネットの側面一部断面図、図8は噴流形成機構を示す説明図、図9は別実施例の噴流形成機構を示す説明図、図10は吸引空気を還流させる場合のボンネットの側面一部断面図である。
車両1の車室7には、フロントシート8とリアシート9が前後に配置され、前記フロントシート8の前方には、前記車室7の前壁を構成するインスツルメントパネル11が車両幅方向に延設されている。そして、該インスツルメントパネル11の上部には、速度計等の各種計器の表示部13が取り付けられ、該表示部13の更に前方にてフロントガラス14の下端が支持されている。該フロントガラス14の前方にはボンネット12が連続して配置され、該ボンネット12下方の空間にエンジンルーム17が形成されており、該エンジンルーム17内に、本発明に係わる圧縮空気の供給機構5とエンジン2が、前から順に搭載されている。
図2に示すように、供給機構5を備えた前記エンジンルーム17の下方両側部には、左右のサイドメンバ3が前後方向に延設され、該左右のサイドメンバ3の前端部同士はフロントクロスメンバ18により連結されると共に、該フロントクロスメンバ18よりも後方において、左右の前記サイドメンバ3の前後途中部同士はクロスメンバ19により連結されている。該クロスメンバ19と前記フロントクロスメンバ18の左右途中部同士はセンタメンバ20により連結されており、前記エンジン2は、このセンタメンバ20上に図示せぬマウントを介して載置され、前記左右のサイドメンバ3にマウント51を介して取り付けられている。
該供給機構29においては、前記センタメンバ20上に、ラジエータ47、エンジン58、及び送風機59が前から順に配設され、該送風機59の回転軸59cは前記エンジン58から後方に延出された出力軸58aと連結されている。更に、ラジエータ47の後部から、エンジン58、送風機59の吸気口59aにかけて、シュラウド60が形成されると共に、送風機59上部に設けられた排気口59bには、前記給気パイプ44の一端が接続され、該給気パイプ44の他端は、前記吹出口15に接続されている。
本供給機構30a、30bにおいては、前記供給機構5、29と異なり、送風機の排気側にラジエータ47を配置すると共に、送風機で発生しラジエータ47を通過してきた冷却風は、ラジエータ47後方に設けられたダクト62に集められて前記吹出口15に送られる構成となっている。
該噴流形成機構6において、給気パイプ44の後端部に前記吹出口15が形成され、この吹出口15はフロントガラス14前面に略平行に屈曲されると共に、該吹出口15には複数のガイド板70aを有する整流体70が嵌設されている。そして、該ガイド板70aによって、噴出する圧縮空気は整流され、該圧縮空気から成る噴流71は、略層流状態の領域を形成しながら、前記フロントガラス14の下部表面からルーフ23の前部まで後方に吹き出される。噴流71は、このように略層流状態の領域を有するので、乱流や渦を発生して拡散することはほとんどなく、吹出口内部と同じ流速を有する均一な流れ領域であるポテンシャルコアを長い距離に渡って安定して確保することができ、フロントガラス14表面の異物を強い力で後方に吹き飛ばすと同時に、一種のエアカーテンを形成し、該エアカーテンによって、落下してくる雨、雪、粉塵等の異物は、フロントガラス14表面に付着する直前に後方にはじき飛ばされるのである。
該噴流形成機構25においては、前記ルーフ23先部に吸込口24が設けられ、該吸込口24は、前記フロントガラス14の表面に略平行に屈曲されると共に、前記吹出口15に対向して配置される。そして、該吸込口24に連通するパイプ41にはポンプ42が接続されており、該ポンプ42を作動すると、前記吸込口24の周囲には該吸込口24に流れ込む吸引空気によって強い空気流73が発生し、該空気流73によって、噴流72は、ポテンシャルコア内に閉じこめられたままで略層流状態の領域を形成しながら吸込口24に強制的に導かれる。噴流72は、このように略層流状態の領域を有するので、乱流や渦を発生して拡散することがほとんどなく、ポテンシャルコアを長い距離に渡って安定して確保することができる。
2・58 エンジン
4 ウインドウガラス洗浄保護装置
5・30a 供給機構
14 ウインドウガラス
15 吹出口
22 過給器
24 吸込口
47 ラジエータ
48・59・61・67 送風機
48b・62b 排気口
52 切換機構
62 ダクト
63 導風ガイド
68 発電機
70 整流体
71・72 噴流
Claims (13)
- 圧縮空気を吹出口から車両のウインドウガラスに吹き付け、該ウインドウガラスの表面の異物の除去または異物付着の防止を行うウインドウガラス洗浄保護装置において、前記車両のエンジンを水冷するラジエータを通過した後の冷却風を、前記圧縮空気として供給可能な供給機構を備えたことを特徴とするウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記供給機構は、前記ラジエータと、該ラジエータに前記冷却風を送風するための送風機を有し、該送風機の吸気側に前記ラジエータを配置すると共に、前記送風機の排気口を前記吹出口に連通させることを特徴とする請求項1記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記ラジエータと送風機との間に、エンジンを介設することを特徴とする請求項2記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記供給機構は、前記ラジエータと、該ラジエータに前記冷却風を送風するための送風機を有し、該送風機の排気側に前記ラジエータを配置すると共に、該ラジエータを挟んで前記送風機と反対側にダクトを設け、該ダクトの排気口を前記吹出口に連通させることを特徴とする請求項1記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記送風機とダクトとの間に、該ダクトに前記冷却風を案内する導風ガイドを設けることを特徴とする請求項4記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記送風機とダクトとの間に、エンジンを介設することを特徴とする請求項4又は請求項5記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記排気口から排出される圧縮空気の送出先を、前記吹出口、前記エンジンの周囲、前記エンジンの過給器、前記車両に設けた発電機のうちの少なくとも一つに切り換え可能な切換機構を設けることを特徴とする請求項2又は請求項4又は請求項5に記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記送風機は、輻流式の送風機であることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記吹出口から噴出する圧縮空気から成る噴流内に、前記ウインドウガラスの表面に沿った略層流状態の領域を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記吹出口に整流体を設けることを特徴とする請求項9記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記吹出口には吸込口を対向配置し、該吸込口と前記吹出口との間に前記噴流を形成することを特徴とする請求項9又は請求項10記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記吹出口から吹き出される圧縮空気の風量、風速と、吸込口に吸引される吸引空気の風量、風速とは略同等とする特徴とする請求項11記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
- 前記吸込口に吸引された吸引空気は、前記ラジエータに還流させることを特徴とする請求項11又は請求項12記載のウインドウガラス洗浄保護装置。
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