JP2007111397A - 湿式電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転する水分離器を用いず、水流だけでなく上部空間内の空気流も強い旋回流として水滴および微細なゴミを遠心力を利用して能率よく除去する。
【解決手段】所定液面まで液体を入れた略円筒状の液体タンク10内の上部空間42を減圧することによって、液体タンク10内の液体中にゴミを含む外気を導く湿式電気掃除機において、液体タンク10内の中央底部付近からゴミを含む外気を旋回流として吐出する吸入口26を持つ吸入通路32と、吸入口26より上方に位置し液体タンク10の中央付近から半径方向に略円盤状に拡がり液体タンク10の内周面との間に環状間隙36を形成すると共に環状間隙36から空気を旋回流として液体タンク10の上部空間42に導く整流板34と、液体タンク10の上部空間42から空気を排気する排気通路と、を備える。
【選択図】図4

Description

この発明は、ゴミを含む外気を液体タンク内の液体中を通すことによりゴミを除去する湿式電気掃除機に関するものである。
この種の湿式電気掃除機では、液体タンクに水を入れておき、ゴミを含む外気をこの水と激しく混合してゴミを水に捕捉させる。このため液体タンク(水タンク)から排気される空気中に水滴を多く含むことになる。
液体タンクの上部空間は排気ポンプによって減圧されているが、この上部空間の空気に含まれる水滴が多くなると、排気ポンプに水が多く入ることになり、排気ポンプを傷めたり、排気ポンプから外に排気される排出にも水分が含まれることになって好ましくない。
実公昭63−12839号公報 特公平6−104098号公報 特開平4−92636号公報 特許第2701132号 特許第2701129号 特許第2772754号 実公昭53−23982号公報 特開平10−128033号公報
特許文献1には、水タンク内の上部空間に高速回転する略カップ上の水分離器(回転セパレータ)を設け、水タンク内の空気(水滴を含む空気)をこの水分離器に設けたスリットを通して内側に導き排気ポンプに導くものである。このスリットで水滴を遠心力により分離し水タンクに戻すものである。
特許文献2,3には円筒形とした水タンク内の上部空間にゴミを含む外気を旋回方向を指向して流入させ、水面に激しく接触させることによりゴミを水中に捕捉するものが示されている。この場合、水タンクの上部空間の中央から空気を排気している。
引用文献4,5,6には、ゴミを含む外気を水タンク内の外周から旋回方向に向かって水中に流入させるものが示されている。また特許文献4,5には、半径が異なる円筒を上下方向から組合わせて迷路(屈曲空気通路)を形成し、水を分離することも示されている。
特許文献1〜6はいずれもゴミを含む外気を水タンクの外周に沿って流入させ、水タンクの中央から排気するものである。これに対し特許文献5,6には、水タンクの中央付近から水中に進入した外筒(12,特許文献7)あるいは扇状開口部(10,特許文献8)から外気を水中に導き、この水中を通った外気をこれら外筒あるいは扇状開口部の下縁を半径方向外側に迂回させて水タンクの上部空間に導くものが示されている。
特許文献1に示された高速回転する水分離器を用いるものは、これを排気ポンプのモータ回転軸で回転駆動することになるため構造が複雑になるばかりでなく、騒音や振動の発生源になる恐れが生じる。
特許文献2,3に示されたものは外気は水タンク内の水面より上方の上部空間に入れ、この時に旋回流を形成してこの空気流によって水を旋回させるものであり、特許文献4,5,6に示されたものは外気を水中に吐出させて水を直接旋回させるものである。しかしこれらは旋回する水面の不特定の場所から空気が泡状にわき上がることになるため、水面で空気と水滴との分離が不充分になる。また水中で捕捉できなかった微細なゴミは空気と共に上部空間に入り排気されることになる。
特許文献7,8に示されたものでは、旋回流が生成されないので遠心力を利用できず、ゴミや水滴を空気から分離する能率が悪いという問題がある。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、回転する水分離器を用いたもののように構造が複雑になったり、騒音、振動が大きくなることがなく、水流を旋回流とするだけでなく上部空間内の空気流も強い旋回流として排気に含まれる水滴および微細なゴミを遠心力を利用して能率よく除去することができる湿式電気掃除機を提供することを目的とする。
この発明によれば第1の目的は、所定液面まで液体を入れた略円筒状の液体タンク内の上部空間を減圧することによって、液体タンク内の液体中にゴミを含む外気を導く湿式電気掃除機において、前記液体タンク内の中央底部付近からゴミを含む外気を旋回流として吐出する吸入口を持つ吸入通路と、前記吸入口より上方に位置し前記液体タンクの中央付近から半径方向に略円盤状に拡がり前記液体タンクの内周面との間に環状間隙を形成すると共に前記環状間隙から空気を旋回流として前記液体タンクの上部空間に導く整流板と、前記液体タンクの上部空間から空気を排気する排気通路と、を備えることを特徴とする湿式電気掃除機、により達成される。
吸入通路の吸入口から、ゴミを含む外気を液体タンク内の中央底部付近から旋回方向に向かって導き、この吸入口から吐出された外気は整流板の下面に導かれて液体と激しく混合しながら旋回する。このためこの外気と液体の混合流は遠心力によって整流板の外周方向に移動し、その間にゴミは液体に捕捉される一方、軽い空気は、整流板の外周縁と液体タンクの内周面との間にできる環状の間隙から旋回しながら液体タンク内の上部空間に流入する。
液体中から上部空間に流入する空気の流入位置は、液体表面全体からではなく、整流板と液体タンク内周面との間隙(環状の間隙)に制限されるので、上部空間に十分に強い空気の旋回流が生成される。このためこの空気に含まれる重い成分、すなわち液滴(水滴)や液体に捕捉されなかった微細なゴミは遠心力によって液体タンクの内周面に付着して除去され、これらが分離された軽い空気が液体タンクの上部空間に開口する排気通路から排気される。この結果排気に含まれる液滴や微細なゴミを能率よく除去することができる。
吸入通路は、ゴミを含む外気を液体タンクの上部側方から取込み、液体タンクの中央付近をほぼ垂直に下降させ整流板の中央下方の吸入口に導くように配置するのがよい(請求項2)。吸入通路は液体タンク内の中央に位置するので、混合流の旋回流動や、上部空間内での空気の旋回流動の障害にならないからである。
排気通路の排気口はこの吸入通路に対して半径方向に隣接して液体タンク上部に開口させれば、吸入通路の外側に生成される空気の旋回を乱すことなく空気を排気することができる(請求項3)。なおこの排気口にはできるだけ大容量の排気空間を連続して設け、上部空間から流入した空気の旋回を乱さないようにするのが望ましい。
吸入通路の下部には、吸入口から液体タンク底部に流入する外気に旋回運動を付与するために螺旋状の流路を形成しておくのがよい(請求項4)。外気と液体との混合流に強い旋回運動を付与できるからである。
整流板は吸入口側が低く、外気の旋回方向に沿って次第に高くなるように傾斜させておくのがよい(請求項5)。混合流は吸入口付近から旋回しながら整流板の下面に導かれ、整流板下面の傾斜に追随して浮上しながら(すなわち浮力を利用しながら)旋回流動を強化することができるからである。
整流板の半径は吸入口側が大きく旋回流方向に次第に小さくするのがよい(請求項6)。この場合には、整流板の外周縁と液体タンク内周面との間に形成される環状の間隙は、吸入口側から旋回方向に沿って次第に拡大することになり、この環状の間隙から上部空間に流入する空気の旋回を補助し強化することができるからである。
液体タンクの上部空間には、排気口に流入する空気から液滴を除去するじゃま板を設けておくのが望ましい(請求項7)。すなわちじゃま板は排気口より外周側に配置しておき、空気の旋回流がこのじゃま板に当たってから排気口にはいるようにするのである。例えば、液体タンクの上部から排気口と液体タンク内周面との間に下降する円筒形のじゃま板とすることができる(請求項8)。
液体タンクの上部には乾式フィルタを取付けて、この乾式フィルタを通して排気するのがよい(請求項9)。万一排気中に液滴や微細なゴミが含まれていてもこのフィルタで除去することができるからである。液体タンクの上部にこの乾式フィルタを覆うように排気ポンプを取付ければ、排気ポンプに液滴や微細なゴミが一層入りにくくなり、排気ポンプを保護できる(請求項10)。
図1は本発明の一実施例の主要部である液体タンクの外観斜視図、図2はその平面図、図3は図2におけるIII−III線断面図、図4は同じくIV−IV線断面図である。図5,6,7,8は図4におけるV−V線断面図、VI−VI線断面図、VII−VII線断面図、VIII−VIII線断面図である。また図9はこの液体タンクを用いた電気掃除機の外観図である。
図1〜4において符号10は水タンクである。水タンク10は、有底円筒状のタンク本体12と、このタンク本体12の開口に装着されるインナー部材14および蓋16とを備える。インナー部材14はタンク本体12の開口縁に上方から係合する上円板部18を持ち、この上円板部18の周縁部はタンク本体12の開口縁と蓋16との間にパッキン20,20を介して気密に挟持される。
インナー部材14の上円板部18は平面視円形であり、その中央には円筒部22が下方へ垂直に延出し、この円筒部22の下端には水平面上で(図5参照)螺旋を描きながら略接線方向を指向して開口する螺旋状の流路24が形成されている。この流路24の開口は後記吸入通路32の吸入口26となる。
円筒部22には上方から吸入管28が挿入される。この吸入管28はほぼ直角に折曲された断面円形の管であり、その一端は上円板部18と蓋16との間の空間(排気空間)30を側方に向って略水平にのび、他端は円筒部22内に進入している。この吸入管28と円筒部22内面との間は気密が保たれている。この結果、吸入管28と円筒部22の下部とで、ゴミを含む外気を吸入口26に導く吸入通路32が形成される。
この吸入管28の上流側には、可橈性の接続管(図示せず)を介して吸入具(図示せず)が接続され、吸入具からゴミを含む外気が吸入通路32からタンク本体12内に導かれる。
円筒部22の下部には、この吸入口26の上方を庇状に覆う整流板34が一体成形されている。この整流板34は略円盤状であり、吸入口26側が低く吸入口26の開口方向(後記する混合流の旋回方向)に沿って次第に高くなるように傾斜している。水タンク10内には、この整流板34がほぼ没する高さ、あるいは整流板34の下面に近接する高さまで水が入れられている(図3,4参照)。
またこの整流板34は、外周縁とタンク本体12の内周面との間に平面視で環状の間隙(環状間隙)36を形成する。整流板34の半径は、図6に示すように、吸入口26側が大きく、吸入口26の開口方向(混合流の旋回方向)に沿って次第に小さくなっている。このためこの環状の間隙36は、吸入口26側で狭く、吸入口26の開口方向(混合流の旋回方向)の回転に伴って次第に大きくなっている。
円筒部22の下端には底板38が取付けられている。この底板38は螺旋状の流路24の底面を混合流の旋回方向に次第に下げることにより、流路24の断面積を流下方向に次第に増大させている。
インナー部材14の上円板部18には、円筒部22の半径方向外側に隣接して排気口40が開口している。この排気口40は水タンク10内の上部空間42と、インナー部材14と蓋16との間の空間(排気空間)30とを連通するものであり、図8に示すように円筒部22を囲む略円弧状である。上円板部18の下面には、円筒部22と同心に円筒状の2本のじゃま板44,46が形成されている。内側のじゃま板44は下縁が水平であり、外側のじゃま板46は内側のじゃま板44より短く、その下縁は上部空間42内の空気の旋回方向に沿って次第に高くなるように螺旋状に形成されている。排気口40は円筒部22と内側のじゃま板44との間に開口している。
蓋16の上面中央には円形の開口48を囲む環状のリブ50が突設され、このリブ50には乾式フィルタ52が装填されている。リブ50にはこの乾式フィルタ52の上方に接続される排気ポンプ54(図4)が取付けられている。排気ポンプ54は電動モータによりファンを回転させることにより、空間30内およびこれに排気口40を通して連通する水タンク10内の上部空間42を排気する。このため上部空間42が負圧に保たれ、吸入管28からゴミを含む外気をタンク10内に吸入するものである。
排気ポンプ54は図9に示すボデー56に収容されている。ボデー56は、台車部58と本体部60とを上下に重ねて左右一対のロック手段62(一方のみ図示)で結合した構造である。台車部58は四隅にキャスター輪64を持ち、中央に前記液体タンク10を下方から取付ける。液体タンク10の底面はこの台車部58に取付けた状態で床から離れ、全体がキャスター輪64により移動可能である。
本体部60には排気ポンプ54が収納され、本体部60を台車部58に上方から重ねロック手段62を締付けた時に、前記図10に示したように、この本体部60の下面中央に設けた連結部(図示せず)がフィルタ52を囲む蓋16側のリブ50に嵌合する。この状態で本体部60の前面に開口する吸入通路32に可橈性の接続管を介して吸入具が接続される。
次にこの実施例の動作を説明する。排気ポンプ54が作動すると、ゴミを含む外気が吸入管28から円筒部22の下方に導かれ、この外気は螺旋状の流路24で旋回しつつ吸入口26から水タンク10内の水中に流入する(図5参照)。この外気は水と混合し、この混合流が螺旋状に円を描きながら水中を旋回する。
この時吸入口26の上方は整流板34が庇状に覆っているので、混合流はこの整流板34の下面に導かれて上昇し、この上昇により旋回運動を強化しつつ旋回する。この旋回流は遠心力によって外周側へ流動し、この間に外気と水が激しく混合し、外気に含まれるゴミが水に捕捉される。また外気は整流板34と水タンク内周面すなわちタンク本体12の内周面との間に形成される環状の間隙36から水面上の浮上するが、この時混合流の旋回運動エネルギーにより水面からでる空気流も旋回する。
空気流には水滴が混入し、また水で捕捉できなかったゴミ、例えば微細なゴミや表面が水に濡れにくいゴミが混入していることがある。このような水滴やゴミは空気より重いので、空気の旋回に伴う遠心力により外周方向に分離され、タンク内面に付着して捕捉される。また旋回する空気はじゃま板46,44に当たって、ここでも水滴やゴミが捕捉される。このように水滴やゴミが除かれた空気は、旋回しながら排気口40から空間30に入り、さらに乾式フィルタ52を通って排気ポンプ54に吸引されて大気中の排気される。
本発明の一実施例に用いる液体タンクの外観斜視図 その平面図 図2におけるIII−III線断面図 同じくIV−IV線断面図 図4におけるV−V線断面図 図4におけるVI−VI線断面図 図4におけるVII−VII線断面図 図4におけるVIII−VII線断面図 電気掃除機の外観図
符号の説明
10 水タンク(液体タンク)
12 タンク本体
14 インナー部材
16 蓋
18 上円板部
22 円筒部
24 螺旋状の流路
26 吸入口
28 吸入管
32 吸入通路
34 整流板
36 環状の間隙
40 排気口
42 上部空間
44,46 じゃま板
52 乾式フィルタ
54 排気ポンプ

Claims (10)

  1. 所定液面まで液体を入れた略円筒状の液体タンク内の上部空間を減圧することによって、液体タンク内の液体中にゴミを含む外気を導く湿式電気掃除機において、
    前記液体タンク内の中央底部付近からゴミを含む外気を旋回流として吐出する吸入口を持つ吸入通路と、
    前記吸入口より上方に位置し前記液体タンクの中央付近から半径方向に略円盤状に拡がり前記液体タンクの内周面との間に環状間隙を形成すると共に前記環状間隙から空気を旋回流として前記液体タンクの上部空間に導く整流板と、
    前記液体タンクの上部空間から空気を排気する排気通路と、
    を備えることを特徴とする湿式電気掃除機。
  2. 吸入通路は、液体タンクの中央上部付近で折曲され、液体タンクの上部側方から導入した外気を液体タンクの中央付近をほぼ垂直に下降させて整流板の中央下方へ導く請求項1の湿式電気掃除機。
  3. 排気通路は吸入通路に対し半径方向に隣接して液体タンク内の上部に開口する排気口を持つ請求項2の湿式電気掃除機。
  4. 吸入通路下部には吸入口から旋回方向に外気を吐出する螺旋状の流路が形成されている請求項1の湿式電気掃除機。
  5. 整流板は、吸入口側が低く吸入口から導入した外気の旋回方向に沿って次第に高くなるように傾斜している請求項4の湿式電気掃除機。
  6. 整流板は吸入口側で半径が大きく導入した外気の旋回方向に沿って半径が次第に小さくなっている請求項5の湿式電気掃除機。
  7. 液体タンクの上部空間には、排気通路の液体タンク内に開口する排気口より外周側に位置し液体タンク内の旋回空気流から液滴を除去するじゃま板を有する請求項1の湿式電気掃除機。
  8. じゃま板は液体タンクの上部から下降する略円筒形である請求項7の湿式電気掃除機。
  9. 液体タンクの上部には排気を通す乾式フィルタが取付けられている請求項1の湿式電気掃除機。
  10. 液体タンクの上部には乾式フィルタを覆うように排気ポンプが取付けられている請求項9の湿式電気掃除機。
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