JP2007111226A - 歯牙診断検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歯牙に光を安定的に注入するために、歯牙診断検査装置に備えられた光注入ファイバーを、固定具を介して歯牙の所定位置に着脱自在に構成する。この場合、固定具は歯牙の両側面を挟持する一対の挟持部を有すると共に、一対の挟持部相互間を連結部にて連結したもので、弾性材料にて一体形成することにより挟持部相互間を弾性材料の弾性力により開閉可能に、かつ弾性力にて歯牙に固定を保持することを可能に構成する。
更に、前記連結部に口腔内カメラの固定部を設けてこの固定部にカメラを着脱自在に構成する。
この構成により、歯牙診断検査装置の歯牙に対する固定が可能となり、光注入が容易かつ安定する。そして注入した光によって得られる画像は鮮明になる。しかも画像の再現性が得られる。
【選択図】図1
Description
請求項1〜3によれば、光注入手段と固定手段とが一体化した非常にコンパクトなもので、固定手段を介し歯牙の最適光注入位置に容易に位置させ固定することができるので光注入手段から光を安定かつ最適に注入することができ、観察や視野を妨げずに鮮明な画像が得られると共に画像の再現が可能になる。
また固定手段は弾性体(一例として)を介して挟持部が開閉自在で、挟持部にて歯牙を弾性的に挟み込んで固定することができる小型な構成であるので、狭い口腔内でも固定操作が容易かつ迅速である。更に歯牙診断検査装置を歯牙に固定することにより両手を放すことができるので、空いた手で他の操作ができるという利点がある。
更に歯牙診断検査装置の固定手段にCCDカメラのカメラ設置手段を設けてCCDカメラを固定することによりカメラのブレを防止し、CCDカメラを介してう蝕等を鮮明に映し出すことができる。なおカメラで撮影した映像は画像記録装置に保存したり、パソコンに取り込んで画像処理をしたり、その画像を用いて患者に説明することもできる利点がある。
この場合、カメラ設置手段に例えばカメラ位置調整手段を併設してもよい。
また光注入位置を切り換えて最適注入位置を得たり、より反射の少ない光注入を行ったり、迷光を調整することもできる。これにより最良の画像が容易に得られる。
更に、1枚あるいは少数の画像にてブレも少なくかつ複合的な観察も可能となる。また光注入位置、数、光量、波長を可変することにより最適画像が得られ、より反射の少ない光注入が行え、迷光の調整も可能となる。これにより最良の画像が得られる。
透過光による歯牙診断は、診断する歯牙の表面ではなく、歯牙の所定の位置から歯牙内部に注入した透過光または内部で反射した透過光にて歯牙の病理組織構造などを観察するものである。即ち、透過光にて初期う蝕や歯周病等の部分を影として画像に映し出させることにより診断が可能となるものである。
歯牙の両側面から歯牙内部に注入した光は、さまざまな方向に向いているために、咬合面から得られる直進様透過光や散乱様透過光などのいわゆる透過光と、歯牙内外部の組織に当たって反射しながら透過する内部反射透過光の3種類と、これらの光にて発生する蛍光の合計4種類などとなる。
また、内部反射透過光の2次的光として散乱様透過光などが生じたり、更に散乱様透過光より内部反射透過光が生じるなどの場合もある。更に直進様透過光、散乱様透過光、内部反射透過光などのいずれか一つ、またはそのいずれかの組み合わせが蛍光の励起光となる。またこれ等の光の何れか一つ、またはその何れかの組み合わせを利用することにより最適な検査が可能となる。
また、咬合面の隣接辺縁隆線は凸レンズ様効果を有している場合があり、隆線に接している溝は光学的境界を形成しているので隣接面う蝕像がさらに明確に観察される。
また像面におけるう蝕像のコントラストは、象牙質にう蝕が到着しているか否かにより大きく変化する。即ち、う蝕がエナメル質に局在している場合は、エナメルデンチノジャンクション(エナメル象牙境)における境界と、う蝕領域との間に十分な量のエナメル質が存在し、その部分に内部反射透過光などの透過光が存在し、その光が咬合面側へ透過する。この透過光により映し出されるう蝕像は、コントラストの低い状態となる。そして象牙質のう蝕では、前記透過光が非常に少ないか、殆どない状態なので、像面でのコントラストは上昇する。言い換えれば、う蝕がエナメル質を侵食していくに従ってう蝕像が明確になり、象牙質に達するとう蝕像は更に明確になる。
なおエナメル小柱が、象牙質とう蝕との間に、垂直方向に走行しているのでエナメル質カリエスにおいて内部反射透過光は効率よく通過でき、コントラスが低下する。
前記解剖学的形態を光学的に最適利用したものが本発明の光注入位置設定手段である。またその光注入位置設定手段を最適に固定するための固定手段が主に近心、遠心、舌側、頬側における固定手段である。さらに好適には歯間固形空隙を利用した固定手段である。
言い換えれば、歯牙相互の隣接面にけるう蝕を効果的に発見するためには、闇雲に光を歯牙に注入するだけでなく、光注入ポイントでの波長と光注入ポイントの設置場所及び設置個数の組み合わせが重要になるということである。
また挟持部2の先端部それぞれには***13が穿設されており、この***13には図5に示す開閉用の取付具14の先端15を差し込み、取り付け具14にて挟持部2相互間を開いて歯牙1の所定位置に挟み込んだ後、取付具14の先端15を***13から抜くことにより固定具4は自らの弾性力にて歯牙を挟持し、固定を保持することが可能となる。従って、固定具4の歯牙に対する固定は簡単かつ容易である。
なお、上記固定手段は被計測者の口腔内における歯牙以外の硬体(骨、インプラント、修復物など)にも固定することができる。
以上述べたように本願発明では、光注入ファイバーの光注入口を歯間鼓形空隙(隣接歯相互の接触点を中心に上下的、頬舌的に開放している空間)に位置させることができることが特徴の一つとなっている。
図8は固定具4とカメラ21の相互間に凹凸の係合部23a、23bが設けられていて、この係合部23a、23bの係合によりカメラ21が固定されるものである。
図9は固定具4側にクリップ24が設けられており、このクリップ24でカメラを挟みこむことによりカメラが固定されるものである。
図11は、固定具4が鉄等の磁性体材料にて形成され、または固定具4が磁性材料でない場合には固定部に磁性材料(不図示)を固定し、カメラ21側に磁石27を固定して、磁石27の磁力にて磁性材料に固定することによりカメラが固定されるものである。
なお、図1に示す固定具4は、カメラ21を固定しないタイプとして使用しても良い。
上方、歯根側を下方)において光注入ポイントはう蝕の下方位置がよい。そして最大豊隆部の下方が更に良い場合が多い。例えば図14のようにう蝕31上縁より下方になる方がよい。即ち、図15に示されるように、好ましくはう蝕31に対して水平位置よりも斜め下方から光を注入した方がよい。また左右方向ではう蝕中心点の左右に広がる部分がよい。そして頬側(唇側)と舌側の少なくとも2方向から光を注入することが好ましい。勿論、斜めに単独で注入して観察してもよいが、頬側(唇側)と舌側の複数箇所に注入することが望ましい。
またこれ等の手段を使用しない場合は、前記の光注入が困難、あるいは不可能になる。また頬側(唇側)と舌側の少なくとも2方向からの光注入では、従来、歯周病など患っていない健康と思われる歯間部(歯肉などで蜜に充填されており、光注入ファイバーなどが挿入できない構造が健康な歯間部構造、即ち、歯間部に隙間がないということ、または根が露出していない歯牙ともいえる)でも非常に良好なう蝕像が得られる。この場合、最適なコントラストを得るために個々にAGCを設けて独立コントラスト調整手段(AGC回路など電力的に光量を調整し、または手動にてボリューム抵抗を調整し、光源の電流量を調整してコントラストを調整する手段)を採用し、更にコントラストを高めてもよい。
また図20に示すように歯牙との接触面を筒状の弾性材料33にて覆い上部に迷光が漏れないようにした迷光調整手段にしてもよい。迷光調整手段は図21に示すように固定具4における挟持部2の下部に光注入ポイント8を位置させることでも迷光の写りこみを低減することができる。更に迷光調整手段は光の透過率が異なる材質を使用して遮光量を調整してもよい。また迷光の適量を使用し、歯牙の輪郭を抽出すること、あるいは基準光として透過光との比較に役立ててもよい。その迷光調整手段は、適量の迷光を得るのに好適である。
また、コントラスト値を出力するコントラスト出力手段を採用してもよい。またその陰影の形状、即ち、隣接面から見て咬合面の内側に不正形な映像が生じる場合が多いので、それを基に画像処理手段が正常形状と比較手段により比較して象牙質う蝕の可能性を示唆したり、その値を数値で出力してもよい。
また、歯周病を診断する場合は、光注入ファイバー7を歯肉に当てるようにして固定して光を注入する。注入した光は歯周病のある部分には透過しないために、周りの反射とは異なる反射、吸収が起こり、影として映し出される。
以上により、本実施例の歯牙診断検査装置は、光注入ポイントを所定位置に設定できるので安定して鮮明な再現性のある最適な画像を得ることができる。また観察や視野を妨げず、かつ光注入位置を自動的にかつ最適注入ポイントに設定することができる利点がある。
なお、光注入手段及びカメラ設置手段については前記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。またこの場合の固定具はカメラを固定しないタイプとして使用しても良い。
この実施例は、固定具4にカメラを固定しない例である。なお光注入手段については前記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
本実施例は、光注入手段と光注入位置設定手段と固定手段の3つの手段が一体化した三位一体化光注入位置設定固定手段であり最好適例である。そしてこの実施例の装置は、操作性、視野良好性、迅速性、汎用性、光注入最適性などを有している。
更に、ここで挟持部2に迷光調整手段を採用してもよい。この時、この手段は光注入位置可変設定手段の作用を発揮させることもできるので、更に便利である。
ここでカメラ設置手段を設けずにカプセル内視鏡、超小型カメラ、超小型カメラヘッドなどを搭載してもよい。更に、カメラをワイヤレスにして光注入もワイヤレスや内蔵電池などにて駆動し、本装置を全く独立系として操作性を向上させてもよい。
その場合の電源は電池を使用してもよい。また電磁誘導を使用したワイヤレス電源または、その組み合わせでもよい。電磁誘導の場合は、容量性付加に充電し、カメラを同期フラッシュして撮影するフラッシュ撮影手段を採用してもよい。
更に、カメラと歯牙との位置を可変にするカメラ位置調整手段をフレキシブルワイヤや、多関節アーム、ピエゾ、超弾性素材、超塑性素材もしくは調整手段を粘性材料にて作成するなどして最適画像を得てもよい。ここで超弾性素材、超塑性素材を温度調整することにより自動的に位置決めしてもよい。
光を注入する歯牙の診断では歯牙に注入される光量によって診断の成否が大きく左右される。そのために例えば図1において固定具4の片側面に光注入手段を1つだけ、両側面それぞれに1つずつ、または2つずつ、3つずつと備えた各種固定具を用意しておき、必要に応じてこれ等を選択して使い分けることにより光量の調整が可能となる。
次に、注入光として赤外光を選択した場合の「光注入ファイバーの入射側(光源側)に設置した光センサと赤外光の組み合わせ診断」及び注入光に赤外光以外の光を選択した場合の「注入光と口腔内カメラを組み合わせた診断」の診断手順について述べる。
1.固定具を歯牙に取り付ける。
2.光注入位置から歯牙に赤外光を注入する。
3.注入した赤外光を光センサで捉える。
4.光信号から変換された電気信号をモニタに表示し解析する。
5.解析結果により診断する。
6.固定具を取り外す。(手順6は手順3と4の間に入ってもよい)
1.固定具を歯牙に取り付ける。
2.注入ポイントから歯牙に光を注入する。
3.歯牙に透過及び反射した光を口腔内カメラにて撮影する。
4.撮影した映像を(PC)モニタに表示し、映像を解析する。
5.解析結果から診断する(手順4をしないで目視にて診断してもよい)
6.固定具を外す。(手順6は手順3と4の間に入ってもよい)
1.固定具を歯牙に取り付ける。
2.光注入位置から歯牙へ赤外光とその他の注入光を注入する。
3.注入した赤外光を光センサで捉え、歯牙を透過及び反射した光を口
腔内カメラにて撮影する。
4.光センサの信号を電気信号に変換した信号により映し出した映像を
(PC)モニタに表示して映像を解析する。
5.解析結果から診断する。
6.固定具を外す。(手順6は手順3と4の間に入ってもよい)
なお、変形例として、う蝕の診断に蛍光材を使用してもよい。また象牙質に特異的に結合する象牙質判定剤を使用してもよい。
2 挟持部
3 連結部
4 固定具
5 緩衝材
6 ファイバー束
7 光注入ファイバー
8 光注入ポイント
9 頬側近心面
10 頬側遠心面
11 舌側近心面
12 舌側遠心面
13 ***
14 開閉用取り付け具
15 先端
16 頬側近心面の歯頚部近傍
17 頬側遠心面の歯頚部近傍
18 舌側近心面の歯頚部近傍
19 舌側遠心面の歯頚部近傍
20 カメラ固定部
21 カメラ
22 被写体
23 凹凸係合部
24 クリップ
25 三角柱
26 角溝
27 磁石
28 断面半円状溝
29 断面半円状凸部
30 リング
31 う蝕
32 導波路ガイド
33 筒状弾性材料
34 透過光
35 反射光
36 つまみ
37,42,49,54 支点
38,41,45,50 バネ
39 干支
40 ハンドル
43 柄
44 回動軸
46 カメラ固定部材
47 凹部
48 装着部
51 レバー
52 ワイヤー
53 固定具開閉レバー
55 光透過プローブ
56 カメラレンズ
57 光の質を変える手段
58 ミラー
59 アイリス
60 光学フィルター
61 偏光板
62 レーザ
63 LED
64 ハロゲン
65 光センサー
66 出射口
Claims (11)
- 歯牙に光を透過させ、その透過光にて歯牙のう蝕等を診断する装置において、歯牙の所定位置に光を注入する光注入手段と、該光注入手段を歯牙に固定する固定手段とを備えて成ることを特徴とする歯牙診断検査装置。
- 前記固定手段が、歯牙の両側面を挟持する一対の挟持部を有し、かつ該一対の挟持部相互間を弾性体の弾性力により開閉自在かつ挟持を保持可能に構成した固定具から成ることを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記固定手段は、歯牙に注入した光の透過光にて得られる画像を撮影するカメラを着脱自在にするカメラ設置手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、1乃至複数の光注入ファイバーから成ることを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、光注入位置設定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、歯牙に注入する光により生じる迷光の調整をする迷光調整手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、歯頚部及び/または歯周ポケットの近心、遠心、頬側,舌側及び咬合面のいずれか1箇所乃至複数箇所から光を注入することを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、頬側歯頚部及び舌側歯頚部の2箇所を一対として光を注入することを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、複数の光注入ファイバーそれぞれを介して光量調整可能な同一波長の光及び/または光量調整可能な異なる波長の光を注入することを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、歯牙に注入して歯牙から反射する光を捉える光センサを光注入ファイバーに接続することを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
- 前記光注入手段は、独立コントラスト調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載の歯牙診断検査装置。
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