JP2007107900A - 計器用発光指針の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 印刷原板を必要とせず、透過色の輝度及び色度の両方の均一化を図ることができる計器用発光指針の製造方法を提供する。
【解決手段】 無版印刷によりフィルム８に着色層６や調光層７を形成し、それを指針１の発光表面５に転写するため、印刷原板を必要とせず、コスト的に有利である。また、着色層６の転写前と転写後の状態で、それぞれ、発光表面５の輝度及び色度を測定し、その測定結果に対応して、均一の輝度及び色度が得られるように着色用印刷データと調光用印刷データを作成し、それぞれのデータに基づいて着色層６及び調光層７を形成するため、輝度だけでなく、着色層６による透過色の輝度及び色度の両方を均一にすることができる。
【選択図】 図２

Description

本発明は、計器用発光指針の製造方法に関するものである。

自動車などの車両には、インストルメントパネルに、スピードメータや回転計（タコメータ）や燃料計や油温計などを備えた計器が取付けられている。この種の計器には、認性を向上させるために、発光表面を有する透明樹脂製の指針が用いられる。指針の発光表面には着色層が形成され、指針内に導入した光源からの光を、発光表面から着色層による透過色で発光させるようになっている。また、着色層には、輝度を均一にするための調光層も重ねて形成される。調光層は、予め製作された印刷原板を用いたドットパターンの印刷により形成される（例えば、特許文献１参照）。
特公平６−２５６７９号公報

しかしながら、このような従来の技術にあっては、調光層を形成するために、予め印刷原板を製作する必要があるため、コスト的に不利である。また、印刷された調光膜のドットパターン（濃淡）により、発光表面における輝度の均一化を図っているものの、着色層による透過色の色度の均一化は図ることはできない。

本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、印刷原板を必要とせず、透過色の輝度及び色度の両方の均一化を図ることができる計器用発光指針の製造方法を提供するものである。

請求項１記載の発明は、透明樹脂製の指針の発光表面に着色層を形成し、指針内に導入した光源からの光を、発光表面から着色層による透過色で発光させる計器用発光指針の製造方法であって、前記着色層転写前の状態で、試験用の１つの指針の発光表面の輝度及び色度を測定し、測定結果に対応して透過色が均一の輝度及び色度になるように着色用印刷データを作成し、着色用印刷データに基づいて、着色層を無版印刷によりフィルムに印刷し、該フィルムから着色層を前記指針の発光表面に転写し、着色層を転写した前記指針の発光表面の輝度及び色度を測定し、測定結果に対応して透過色が均一の輝度及び色度になるように調光用印刷データを作成し、調光用印刷データに基づいて、前記着色印刷データに基づいて作成されたフィルムの着色層に重ねて調光層を無版印刷でフィルムに印刷し、該フィルムから着色層及び調光層を、製造用の指針の発光表面に転写することを特徴とする。

請求項１記載の発明によれば、無版印刷によりフィルムに着色層や調光層を印刷し、それを指針の発光表面に転写するため、印刷原板を必要とせず、コスト的に有利である。着色層の転写前と転写後の状態で、それぞれ、発光表面の輝度及び色度を測定し、その測定結果に対応して、透過色が均一の輝度及び色度になるような着色用印刷データと調光用印刷データを作成し、それぞれのデータに基づいて着色層及び調光層を形成するため、輝度だけでなく、着色層による透過色の輝度及び色度の両方を均一にすることができる。

本発明は、印刷原板を必要とせず、透過色の輝度及び色度の両方の均一化を図ることができる計器用発光指針の製造方法を提供するという目的を、透明樹脂製の指針の発光表面に着色層を形成し、指針内に導入した光源からの光を、発光表面から着色層による透過色で発光させる計器用発光指針の製造方法であって、前記着色層転写前の状態で、試験用の１つの指針の発光表面の輝度及び色度を測定し、測定結果に対応して透過色が均一の輝度及び色度になるように着色用印刷データを作成し、着色用印刷データに基づいて、着色層を無版印刷によりフィルムに印刷し、該フィルムから着色層を前記指針の発光表面に転写し、着色層を転写した前記指針の発光表面の輝度及び色度を測定し、測定結果に対応して透過色が均一の輝度及び色度になるように調光用印刷データを作成し、調光用印刷データに基づいて、前記着色印刷データに基づいて作成されたフィルムの着色層に重ねて調光層を無版印刷でフィルムに印刷し、該フィルムから着色層及び調光層を、製造用の指針の発光表面に転写することで、実現した。以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

図１〜図１０は、本発明の一実施例を示す図である。図１及び図２は、自動車の計器に用いられる発光式の指針１を示している。この指針１は、回転軸２を中心に回転自在な回転部３に形成されている。指針１及び回転部３は透明樹脂製で、射出成形により製造される。回転部３の指針１とは反対側に設置された光源４から光を内部に取り入れて、指針１の発光表面５から発光させるようになっている。この発光表面５には、着色層６及び調光層７が形成されており、着色層６による透過光を、輝度及び色度を均一にした状態で発光させることができる。

次に、着色層６及び調光層７の形成方法を説明する。

まず、最初に、複数基本色の０〜１００％階調で印刷された印刷物と複数基本色０〜１００％同士を掛け合わせた印刷物を使用光源４にて透過照明させ各々の輝度及び色度を測定する。

次に、複数基本色の０〜１００％階調で印刷された印刷物と複数基本色０〜１００％同士を掛け合わせた印刷物の変換係数を計算する。

計算により得られた計算値をデータベース化する。

着色層６及び調光層７の転写前の指針１を、使用光源４にて照明させ、輝度及び色度を測定する。

輝度及及び色度が均一の透過色になる変換係数を持った色を前記データベースから選定する。

選定した色にて全面同一色で、指針１の発光表面５の形状に合わせた着色用印刷データ１を作成する（図３参照）。

着色用印刷データ１の形状を全周拡大した着色用印刷データ２を作成する。

着色用印刷データ２の拡大した部分に着色用印刷データ１の全周端部の色情報をコピーした着色用印刷データ３を作成する。

着色用印刷データ３に従い無版印刷機（熱転写又はインクジェットなど）で転写用のフィルム８に、複数の着色層６を一定間隔ごとに印刷する（図５、図８参照）。フィルム８は、基材９、剥離層１０、転写層１１とから形成されている（図４、図７参照）。

フィルム８の着色層６を、ホットスタンプにより、試験用の１つの指針１の発光表面５に転写する。着色層６が発光表面５を若干超えた面積で形成されているため、転写作業が容易である。

着色層６を転写した前記指針１を使用光源４にて照明させ輝度及び色度を測定する。

輝度及及び色度が均一の透過色になる変換係数を持った色を前記データベースから選定する。

選定した色を指針１の発光状態に合わせて配置した調光用印刷データ１を作成する。

調光用印刷データ１の形状を全周拡大した調光用印刷データ２を作成する。

調光用印刷データ２の拡大した部分に調光用印刷データ１の全周端部の色情報をコピーした調光用印刷データ３を作成する。

調光用印刷データ３に従い無版印刷機で、フィルム８上に印刷された別の着色層６上に調光層７を印刷する（図６及び図９参照）。

フィルム８の着色層６及び調光層７を、ホットスタンプにより、調光層７を指針１側にした状態で、前記試験用のものとは異なる製造用の指針１の発光表面５に転写する（図１０参照）。この場合も、着色層６及び調光層７が発光表面５を若干超える面積で形成されているため、転写作業が容易である。着色層６及び調光層７を発光表面５に転写することにより、指針１の製造が完了する。

この実施例によれば、無版印刷によりフィルム８に着色層６や調光層７を形成し、それを指針１の発光表面５に転写するため、印刷原板を必要とせず、コスト的に有利である。

また、着色層６の転写前と転写後の状態で、それぞれ、発光表面５の輝度及び色度を測定し、その測定結果に対応して、均一の輝度及び色度が得られるように着色用印刷データと調光用印刷データを作成し、それぞれのデータに基づいて着色層６及び調光層７を形成するため、輝度だけでなく、着色層６による透過色の輝度及び色度の両方を均一にすることができる。

更に、フィルム８に、指針１の発光表面５の形状よりも面積が若干超えた着色層６及び調光層７を印刷し、それを発光表面５に転写するようにしたため、印刷された着色層６及び調光層７の無駄になる部分が少なく、歩留まりが良い。

この実施例では、自動車用の計器に用いられる指針１を例にしたが、本発明は、これに限定されず、その他の乗物、或いは乗物以外の計器に用いられる指針にも適用することができる。

本発明の一実施例に係る指針を示す平面図。 指針を示す側面図。 データの形状を全周拡大する状態を示す説明図。 着色層及び調光層の転写前の状態を示すフィルムの平面図。 着色層の転写後の状態を示すフィルムの平面図。 着色層及び調光層の転写後の状態を示すフィルムの平面図。 着色層及び調光層の印刷前の状態を示すフィルムの断面図。 着色層の印刷後の状態を示すフィルムの断面図。 着色層及び調光層の印刷後の状態を示すフィルムの断面図。 着色層及び調光層を指針の発光表面に転写する状態を示すフィルムの断面図。

符号の説明

１ 指針
２ 回転軸
３ 回転部
４ 光源
５ 発光表面
６ 着色層
７ 調光層
８ フィルム
９ 基材
１０ 剥離層
１１ 転写層

Claims (1)

1. 透明樹脂製の指針（１）の発光表面（５）に着色層（６）を形成し、指針（１）内に導入した光源（４）からの光を、発光表面（５）から着色層（６）による透過色で発光させる計器用発光指針の製造方法であって、
   前記着色層（６）転写前の状態で、試験用の１つの指針（１）の発光表面（５）の輝度及び色度を測定し、測定結果に対応して透過色が均一の輝度及び色度になるように着色用印刷データを作成し、着色用印刷データに基づいて、着色層を無版印刷によりフィルム（８）に印刷し、該フィルム（８）から着色層（６）を前記指針（１）の発光表面（５）に転写し、
   着色層（６）を転写した前記指針（１）の発光表面（５）の輝度及び色度を測定し、測定結果に対応して透過色が均一の輝度及び色度になるように調光用印刷データを作成し、調光用印刷データに基づいて、前記着色印刷データに基づいて作成されたフィルム（８）の着色層（６）に重ねて調光層（７）を無版印刷でフィルム（８）に印刷し、該フィルム（８）から着色層（６）及び調光層（７）を、製造用の指針（１）の発光表面（５）に転写することを特徴とする計器用発光指針の製造方法。
   

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