JP2007106896A - 水性インキ組成物及びその印刷物 - Google Patents

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【課題】 本発明は、耐水性、耐アルカリ性等に優れた塗膜物性が得られ、再溶解性に優れた水性インキ組成物及びその印刷物に関するものである。
【解決手段】 (αメチル)スチレン50〜65重量%、炭素数が12〜18の長鎖アルキル基を有した(メタ)アクリル酸エステル0.1〜15重量%、非イオン性のアルキレンオキサイド基を有した(メタ)アクリル酸エステル5〜25重量%を含有してなる、酸価が50〜150mgKOH/gで、かつ、重量平均分子量が5,000〜30,000の(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、塩基からなる水溶性樹脂を含む水性インキ組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐水性、耐アルカリ性等に優れた塗膜物性が得られ、再溶解性に優れた水性インキ組成物及びその印刷物に関するものである。
印刷インキは、使われる溶剤によって油性インキと水性インキに大別される。油性インキは溶剤にトルエン、キシレン等の有機溶剤が用いられ、水性インキは水、アルコールが用いられる。油性インキに用いられる有機溶剤は、インキの流動性、転移性、乾燥性を向上させる。しかしながら、工場から排出された溶剤は、有機化学物質を排出するため、工場周辺での悪臭、作業環境の問題等を発生させ、地球環境、人体に悪影響を及ぼす。一方、水性インキは、有機化学物質の排出がなく、作業環境の改善等が図れ、地球環境の保護、人体への悪影響を防ぐだけでなく、生産性にも優れる。このようなことから、近年、印刷業界は、水性インキの使用が求められている。
しかし、従来の水性インキに使用される水溶性樹脂は、良好な顔料分散性と印刷適性を得るためには酸価が200mgKOH/g以上必要であり、塗膜(印刷物)の耐水性、耐アルカリ性等が劣っていた。従来、水溶性スチレン−(メタ)アクリル系樹脂を使用した水性インキは、塗膜の耐水性を向上させるためにスチレンの配合比を60wt%以上と高くしているが、スチレンの配合比が高くなると樹脂の疎水性が強くなり、水溶化するためには200mgKOH/g以上の高酸価で製造しなければならなくなり、塗膜の耐アルカリ性等が劣っていた。また、塗膜(印刷物)の耐水性、耐アルカリ性を向上させた低酸価(100〜200mgKOH/g)の水溶性樹脂は、水溶化するために重量平均分子量が4,500〜10,000と小さくなり、結果として顔料分散性が劣っていた。
また、塗膜(印刷物)の耐水性、耐アルカリ性等を改善するために、水溶性樹脂又は水分散性樹脂を使用して顔料を分散した高濃度顔料分散体に、その後水分散性樹脂を添加して水性インキを製造しているが、異なる樹脂を使用するためにインキの粘度上昇が起こり、貯蔵安定性に問題があった。
上記貯蔵安定性の問題を解決するために、アルカリ可溶型水溶性樹脂を固形分として3〜20重量%、水分散性樹脂を固形分として5〜30重量%、数平均分子量2,000以上のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを固形分として0.5〜5重量%含有されてなる水性インキ組成物が開示されている(特許文献1参照)。
また、水分散性スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸系樹脂で顔料を練肉した後、水分散性エチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂を添加して水性印刷インキを製造し、耐水性、耐溶剤性、耐アルカリ性等に優れた塗膜を形成し、かつ、貯蔵安定性に優れた水性印刷インキを容易に製造することができる技術が開示されている(特許文献2参照)。
α−メチルスチレンとメタクリル酸メチル及びカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を必須成分とする水性アクリル樹脂であって、全構成モノマーにおけるα−メチルスチレンとメタクリル酸メチルの量が60〜80重量%であり、かつα−メチルスチレン/メタクリル酸メチル=5/95〜30/70の割合である水性アクリル樹脂と、カルボジイミド系硬化剤を含むことを特徴とする水性印刷インキ組成物が開示されている(特許文献3参照)。
特許第3301267号公報(第1−5頁) 特開平07−041719号公報(第1−4頁) 特開2003−26980号公報(第1−8頁)
しかしながら、特許第3301267号公報は、アルカリ可溶型水溶性樹脂、水分散性樹脂及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを配合する必要があり、エチレンオキシド付加数、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの配合によって乾燥性、耐水性が劣る傾向があった。また、特開平07−041719号公報は、水分散性樹脂を用いるため、フレキソ印刷又はグラビア印刷の際、インキ転移後のアニロックスロールや版表面に残留して半乾き状態になったインキが、次回の回転時に供給されるインキによって再び溶解する場合におけるインキの再溶解性が劣るという問題があった。特開2003−26980号公報は、水溶性樹脂又は水分散性樹脂を使用して顔料を分散し、その後カルボジイミド基を有する架橋剤等を添加して、塗膜の耐久性を向上させる方法も提案されているが、添加剤の効果の持続性とインキの貯蔵安定性等に問題があった。
本発明は、前述した問題点を解決することを目的としたもので、所定の割合で配合された重量平均分子量が5,000〜30,000の(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体をアンモニア又はアミン等で中和した水溶性樹脂を用いることによって、環境負荷軽減及び作業環境改善はもちろん、生産性にも優れ、インキ粘度が過度に高くなることなく、再溶解性に優れる水性インキ組成物が得られ、本発明の水性インキ組成物によって得られる印刷物の塗膜は、印刷適性に優れ、耐水性、耐アルカリ性等に優れる印刷物を提案するものである。
本発明は、(αメチル)スチレン50〜65重量%、炭素数が12〜18の長鎖アルキル基を有した(メタ)アクリル酸エステル0.1〜15重量%、非イオン性のアルキレンオキサイド基を有した(メタ)アクリル酸エステル5〜25重量%を含有してなる、酸価が50〜150mgKOH/gで、かつ、重量平均分子量が5,000〜30,000の(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、塩基からなる水溶性樹脂を含む水性インキ組成物である。
また、水性インキ組成物によって、基材に印刷されてなる印刷物である。
本発明の水溶性スチレン−(メタ)アクリル系樹脂を使用した水性インキでは、スチレンの配合比を50〜65重量%とし、塗膜の耐水性を向上させ、水溶化させるためにカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸のほかに非イオン性のアルキレンオキサイドを有した(メタ)アクリル酸エステルを共重合させることで、50〜150mgKOH/gの低酸価の水溶性樹脂が製造できる。よって、環境負荷軽減及び作業環境改善はもちろん、生産性にも優れ、インキ粘度が低粘度であり、再溶解性に優れる水性インキ組成物が得られる。
本発明の水性インキ組成物によって得られる印刷物の塗膜は、印刷適性に優れ、耐水性、耐アルカリ性等に優れる印刷物が得られる。
本発明の実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
本発明は、顔料、水溶性樹脂、アルコール及び/又は水及び添加剤を含有した水性インキ組成物である。水溶性樹脂である水溶性スチレン−(メタ)アクリル系樹脂は、酸価50〜150mgKOH/g、重量平均分子量5,000〜30,000の(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を塩基で中和したpH8.0〜10.0の水溶液である。(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合は、(αメチル)スチレン50〜65重量%、炭素数が12〜18の長鎖アルキル基を有した(メタ)アクリル酸エステル0.1〜15重量%、非イオン性のアルキレンオキサイド基を有した(メタ)アクリル酸エステル5〜25重量%の配合を含むことによって得られる。
スチレン−(メタ)アクリル系樹脂は、スチレンの共重合比が50〜65重量%と高く、長鎖アルキル基として炭素数が12〜18有した(メタ)アクリル酸エステルAと親水性官能基として非イオン性のアルキレンオキサイド基を有した(メタ)アクリル酸エステルBを含有する低酸価の水溶性樹脂を用いることを特徴とする。
スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、スチレン50〜65重量%、(メタ)アクリル酸6〜13重量%、(メタ)アクリル酸エステル22〜44重量%から作製した。(メタ)アクリル酸エステルは、長鎖アルキル基として炭素数が12〜18有した(メタ)アクリル酸エステルA、親水性官能基として非イオン性のアルキレンオキサイド基を有した(メタ)アクリル酸エステルB及び(メタ)アクリル酸エステルCからなる。
本発明の水性インキ組成物における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂は酸価が50〜150mgKOH/gの範囲にあることに特徴があり、酸価が50mgKOH/gより低いと樹脂に十分な溶解性がなくなり、また、酸価が150mgKOH/gを超えると樹脂の溶解性が高くなり、印刷物の耐水性、耐アルカリ性が低下する。
本発明の水性インキ組成物における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は5,000〜30,000の範囲にあることに特徴があり、分子量が5,000より小さいと、印刷物の耐水性、耐摩擦性が悪くなり、また、分子量が30,000を超えると、樹脂に十分な溶解性がなくなり、印刷適性が悪くなる。本発明の水性インキ組成物における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂の(αメチル)スチレンの共重合割合が50〜65重量%にあることに特徴があり、50重量%より少ないと、樹脂の疎水性が低下し、印刷物の十分な耐水性が得られなくなり、(αメチル)スチレンの共重合割合は65重量%を超えると、樹脂の疎水性が強くなり、低酸価での溶解性が悪くなり、印刷物の刷色濃度が低下する。
本発明の水性インキ組成物における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂の長鎖アルキル基として炭素数が12〜18有した(メタ)アクリル酸エステルAは、0.1〜15重量%の範囲で共重合に用いる。(メタ)アクリル酸エステルAの共重合割合が0.1重量%より少ないと、インキ作製において顔料分散性が悪くなり、印刷物の刷色濃度が低下してしまう。他方、(メタ)アクリル酸エステルAの共重合割合が15重量%を超えると、水性樹脂の疎水性が高すぎて、溶解性が悪くなり、印刷物の刷色濃度が低下する。本発明において、(メタ)アクリル酸エステルAの共重合割合は、好ましくは5〜10重量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸エステルAは、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
本発明の水性インキ組成物における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂の親水性官能基として非イオン性のアルキレンオキサイド基(エチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO))を有した(メタ)アクリル酸エステルBは、5〜25重量%の範囲で共重合に用いる。(メタ)アクリル酸エステルBの共重合割合が5重量%より少ないと、樹脂を水溶化するため親水性が劣ることにより、顔料分散性が悪くなり、印刷物の刷色濃度が低下してしまう。他方、(メタ)アクリル酸エステルBの共重合割合が25重量%を超えると、水性樹脂の親水性が高すぎて、印刷物の耐水性が低下する。本発明において、(メタ)アクリル酸エステルBの共重合割合は、好ましくは10〜20重量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸エステルBは、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシテトラエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシトリプロピレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸エステルCは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げることができる。
本発明の水性インキ組成物における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂のカルボキシル基の中和に用いる塩基としては、例えば、アンモニア又はジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N、N−ジエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリエチレンジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂は、従来公知の塊状重合、溶液重合、乳化重合及び懸濁重合等の重合方法で製造し、塩基で中和することにより得られる。
本発明の水性インキ組成物には、その機能を阻害しない範囲で必要に応じて、水溶性または水分散性樹脂を併用することができる。
本発明の水性インキ組成物における水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、樹脂固形分が20〜30重量%になるように塩基を添加して中和することで、pH8.0〜10.0の樹脂水溶液を作製する。pHが8.0より低すぎると、エマルション状の樹脂溶液となり顔料分散性が低下し、pHが10.0より高すぎると樹脂水溶液の粘度が高くなり取り扱いづらくなる場合がある。
本発明の水性インキ組成物は、上記水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、塩基の他、顔料などの着色剤、必要に応じて消泡剤等の添加剤を加え、公知の方法で製造される。
顔料としては、無機顔料、有機顔料又は体質顔料等を用いることができる。また、本発明の水性インキ組成物に必要に応じて添加剤を混合することができる。添加剤としては、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ポリエチレンワックス等の耐摩擦性向上剤等が挙げられる。
本発明の水性インキ組成物に水及び/又はアルコールを混合して粘度調整を行うことができる。粘度調整に用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
水性インキ組成物は、水性グラビア印刷、水性フレキソ印刷、水性インクジェット印刷等を用いた商業印刷、諸証券印刷等で印刷可能である。印刷物は、耐水性、耐アルカリ性等に優れた塗膜が得られる。特に本発明の水性インキ組成物は、インキ特性から水性グラビア印刷インキ組成物として用いることが好ましい。
本発明の水性インキ組成物で印刷される基材は特に限定されることなく、紙葉類、プラスチック、ビニール等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1〜7)
表1に示すモノマー組成比で(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を作製して、塩基にアンモニア水を用いて中和し、樹脂水溶液(固形分25重量%)を得た。次に、その樹脂水溶液64重量%、1−プロパノールを16重量%及びフタロシアニンブルー顔料(ファーストゲンブルーFGF、大日本インキ化学工業(株)製)を20重量%の配合で遊星型ボールミル(フリッチュ社製P−5型)を使用して1時間混練して、高濃度顔料分散体のミルベースを作製した。そして、そのミルベース80重量%に、先の水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂水溶液(樹脂固形分25重量%)を16重量%、アルコール4重量%、消泡剤2重量%及びワックス3重量%を混合し、良く撹拌して水性インキ組成物を製造した。
Figure 2007106896
(比較例1〜7)
表2に示すモノマー組成比でスチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を作製して、塩基にアンモニア水を用いて中和し、樹脂水溶液(固形分25重量%)を得た。次に、その樹脂水溶液64重量%、1−プロパノールを16重量%及びフタロシアニンブルー顔料(ファーストゲンブルーFGF、大日本インキ化学工業(株)製)を20重量%の配合で遊星型ボールミル(フリッチュ社製P−5型)を使用して1時間混練して、高濃度顔料分散体のミルベースを作製した。そして、そのミルベース80重量%に、先の水溶性スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂水溶液(樹脂固形分25重量%)を16重量%、アルコール4重量%、消泡剤2重量%及びワックス3重量%を混合し、良く撹拌して水性インキ組成物を製造した。
Figure 2007106896
(比較例8)
酸価87、重量平均分子量100,000〜200,000の水分散性樹脂溶液(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル7001 樹脂固形分42重量% pH8.4)を38.4重量%、イオン交換水を25.6重量%、1−プロパノールを16重量%及びフタロシアニンブルー顔料(ファーストゲンブルーFGF、大日本インキ化学工業(株)製)を20重量%の配合で遊星型ボールミル(フリッチュ社製P−5型)を使用して1時間混練して、高濃度顔料分散体のミルベースを作製した。そして、そのミルベース80重量%に、先の水分散性樹脂溶液(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル7001 樹脂固形分42重量%)を9.6重量%、イオン交換水を6.4重量%、アルコールを4重量%、消泡剤を2重量%及びワックスを3重量%混合し、良く撹拌して水性インキ組成物が得られた。
(比較例9)
酸価213、重量平均分子量12,500の水溶性樹脂溶液(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル63 樹脂固形分30重量% pH8.5)を53.3重量%、イオン交換水を10.7重量%、1−プロパノールを16重量%及びフタロシアニンブルー顔料(ファーストゲンブルーFGF、大日本インキ化学工業(株)製)を20重量%の配合で遊星型ボールミル(フリッチュ社製P−5型)を使用して1時間混練して、高濃度顔料分散体のミルベースを作製した。そして、そのミルベース80重量%に、先の水溶性スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂水溶液(樹脂固形分25重量%)を16重量%、アルコール4重量%、消泡剤2重量%及びワックス3重量%を混合し、良く撹拌して水性インキ組成物が得られた。
実施例1〜7及び比較例1〜9の各水性インキ組成物を水及び/又はアルコールを加えて粘度調整を行い、コート紙上に自動彫刻版(250線/インチ)を用いてグラビア印刷適性試験機(熊谷理機工業(株))を使用して45m/minの速度で印刷し、それぞれの印刷物を得た。各印刷物は、刷色濃度、耐水性及び耐アルカリ性を評価した。
インキの再溶解性:印刷機で印刷した後、5分間停止してから再び印刷し、得られた印刷物を停止前の印刷物と比較し、画線の再現性を目視判定した。
◎:停止前と全く変わらず良好である。
○:停止直後はやや擦れていたが、すぐに回復した。
△:画線がやや擦れている。
×:画線が擦れている。
印刷物の刷色濃度:刷色濃度はグレースケールの濃度と階調再現性を目視で評価した。
◎:刷色濃度が高く、階調再現性が良好である。
○:刷色濃度がわずかに低いが、階調再現性が良好である。
△:刷色濃度がわずかに低く、擦れている。
×:刷色濃度が低く、階調再現性が不良である。
印刷物の耐水性:印刷物を耐摩擦性試験機((株)東洋精機製作所製)を使用して、水で濡らした木綿布を取り付けた摩擦子(R−45mm、200g)で60回擦り、印刷物のインキの剥落具合を目視で評価した。
◎:インキの剥落が全くない。
○:インキの剥落がほとんどない。
△:インキの剥落がある。
×:インキの剥落が著しい。
印刷物の耐アルカリ性:印刷物を1%濃度の苛性水溶液に24時間浸漬させて、水で洗浄後に乾燥させた印刷物の刷色濃度を目視で評価した。
◎:刷色濃度の低下が全くない。
○:刷色濃度がわずかに低下する。
△:刷色濃度が低下した。
×:刷色濃度が著しく低下した。
Figure 2007106896
本発明により、再溶解性に優れた水溶性(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル系樹脂を用いる水性インキ組成物及び耐水性、耐アルカリ性等に優れた印刷物が得られるようになった。

Claims (2)

  1. (αメチル)スチレン50〜65重量%、炭素数が12〜18の長鎖アルキル基を有した(メタ)アクリル酸エステル0.1〜15重量%、非イオン性のアルキレンオキサイド基を有した(メタ)アクリル酸エステル5〜25重量%を含有してなる、酸価が50〜150mgKOH/gで、かつ、重量平均分子量が5,000〜30,000の(αメチル)スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、塩基からなる水溶性樹脂を含む水性インキ組成物。
  2. 請求項1記載の水性インキ組成物によって、基材に印刷されてなる印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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