JP2007106762A - 治療用組合せ剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】間接リウマチを処置するための化合物の新規治療用組合せ剤の提供。
【解決手段】本発明は、N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又はその薬学的に許容される塩、及びN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドから本質的に成る組合せで関節リウマチを処置する方法、及び関連する組合せ及び医薬組成物に関する。
【選択図】なし

Description

技術分野
本発明は一般に、関節リウマチを処置するための化合物の治療用組合せ及び該組合せの使用に関する。
背景技術
メトトレキサートナトリウムという一般名を有するN−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸ナトリウムが、米国食品医薬品局により、人間の患者における或る種の腫瘍性疾患、乾癬及び関節リウマチを処置するものとして適応されている。
RAF−MEK−ERK経路は、Ras及びRaf突然変異体表現型といったような成長因子及び発癌性因子からの免疫調整、炎症及び増殖性及び抗アポトーシスシグナリングを媒介する。マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)及び細胞外調節型キナーゼ(ERK例えばERK1及びERK2)は、或る種の細胞プロセスを制御することに関与する酵素である。各々のMAPKは、一連の3つの細胞質キナーゼすなわちMAPK、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MAPKK)及びマイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MAPKK)から成る。MAPK/ERKキナーゼ(MEK)酵素は、ERKを活性化する2重特異性キナーゼである。MEK酵素(例えばMEK1及びMEK2)は、例えば、関節リウマチ、癌及び再狭窄に関与する。
発明の概要
本発明の1つの態様は、患者における関節リウマチを処置する方法において、基本的に第1の量のN−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又は薬学的に許容される塩又はその混合物、及び第2の量のN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドで構成される治療上有効な量の組合せを、関節リウマチ処置を必要とする患者に対して投与する段階を含む方法である。好ましいのは、患者がヒトであり、第1の量が1mg〜30mgであり、第2の量が1mg〜30mgである方法である。より好ましいのは、患者がヒトであり、N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又は薬学的に許容される塩がN−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸ナトリウムであり、第1の量が1mg〜20mg又は1mg〜25mgである、該方法の上述の態様のうちのいずれか1つである。さらに一層好ましいのは、患者がヒトであり第2の量が1mg〜15mgである、該方法の上述の態様のうちのいずれか1つであり、さらに一層好ましいのは、患者がヒトであり第2の量が1mg〜8mgである態様である。より一層好ましいのは、患者がヒトであり、第2の量が2mg、4mg又は8mgである該方法の上述の態様のうちのいずれか1つであり、さらに一層好ましいのは、患者がヒトであり、第2の量が一日一回投与で2mg、4mg又は8mg又は一日2回投与で1mg、2mg又は4mgである態様である。さらに一層好ましいのは、N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドがN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドの多形体第IV型である、該方法の上述の態様のうちの1つである。
詳細な説明
N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸の構造は以下の通りである:
Figure 2007106762
この化合物は同様に、メトトレキサート;(S)−2−{4−[(2,4−ジアミノ−プテリジン−6−イルメチル)−メチル−アミノ]−ベンゾイルアミノ}−ペンタン二酸;N−[p−[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−(+)−グルタミン酸;(+)−アメトプテリン;L−アメトプテリン;アメトプテリン;アメトプテリン;4−アミノ−10−メチル葉酸;4−アミノ−N10−メチル葉酸;4−アミノ−N10−メチルプテロイルグルタミン酸;アンチフォラン;CL−14377;EMT−25299;エムテキサート;L−メトトレキサート;レダートレキサート;メトレキサート;メタトレキサン;メトトレキサート−エブヴェ;メチルアミノプテリン;メキサート;及びNSC−740;R−9985という名称でも知られている。PHEUMATREX(登録商標)(American Cyanamid Company Corp., Wayne, New Jersey)はメトトレキサートナトリウム錠剤のブランド名である。
N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミド(化合物(I))の構造は、以下の通りである:
Figure 2007106762
この化合物は同様に(R)−N−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドという名称と[391210−10〜9]のケミカルアブストラクト登録番号を有している。化合物(I)は、非晶質であっても結晶質であってもよい。化合物(I)の結晶質形態には、多形体I、II、及びIV型が含まれる。化合物(I)は、酵素MEK1及びMEK2のきわめて特異的な非ATP競合的阻害物質である。
本書で使用されている一部の頭文字の定義は以下の通りである:
AE−有害事象
AR−累積比
AUC−血漿薬物濃度−時間曲線下の面積
AUC(0~24)−投薬から0〜24時間後の血漿薬物濃度−時間曲線下の面積
AUC(o-t last)−時間0から最後に記録された観察までの血漿薬物濃度−時間曲線下の面積
AUC%Inh−曲線下面積由来の阻害百分率
ATP−アデノシン三リン酸
BID−ビス・イン・ディエイ(すなわち1日2回)
0−時間0における薬物濃度
Cmax−最大血漿薬物濃度
Css,avg−定常状態平均血漿薬物濃度
trough−投薬前血漿薬物濃度
CV%−パーセンタイル単位の変動係数
DLT−用量規制毒性
ECG−心電図
EDTA−エチレンジアミン四酢酸
FDA−米国食品医薬品局
HERG−ヒトエーテル・ア・ゴー・ゴー(ether-a-go-go)関連遺伝子
HPMC−ヒドロキシプロピルメチルセルロース
IP−腹腔内
IV−静脈内
Kiapp−酵素−阻害物質複合体の見かけ解離定数
LC/MS−液体クロマトグラフィ−質量分析
LC/MS/MS−液体クロマトグラフィ−質量分析−質量分析
LPS−リポ多糖類
MAD−最大投与用量
MAP−マイトジェン活性化タンパク質
MTD−最大許容用量
PD−薬力学
PK−薬物動態
PO−口腔用(すなわち経口)
pTsOH−p−トルエンスルホン酸
QD−クアク・ディエ(すなわち1日1回)
QTc−補正済みQT−間隔
max−Cmaxの発生時間
USP−米国薬局方
v/v−体積/体積
本発明のもう1つの態様は、N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸及び薬学的に許容される塩又はその混合物及びN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドから本質的に成る組合せにある。好ましいのは、N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸及びN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドから本質的に成る組合せである。同様に好ましいのは、N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸ナトリウム及びN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドから本質的に成る組合せである。より好ましいのは、N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドがN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドの多形体第IV型である組合せのうちのいずれか1つである。
「組合せ」には、混和された構成要素、各構成要素を含有するパッケージ、及び患者に対する該組合せの構成要素の投与により患者の体内でインビボで調製される組合せが含まれる。好ましいのは、混和された構成要素の組合せである。
本発明の組合せに言及するとき「〜から本質的に成る」という語句は、その組合せがメトトレキサート又は薬学的に許容される塩又はその混合物及び化合物(I)に加えて、薬理学的に不活性な構成要素を含有することができるが、該組合せは先行技術において薬理学的活性をもつものと断言されている付加的な構成要素を含有し得ないことを意味している。
「又はその混合物」という語句は、本発明の組合せが任意には化合物(I)及び:(i)メトトレキサートとその1つ以上の塩好ましくは2つ以下のその塩の混合物又は(ii)メトトレキサートの2つ以上の塩、好ましくは2つ以下のその塩の混合物から本質的に成り得ることを意味している。該発明の組合せは、その構成要素の不均質な及び均質な混合物を内含する。該組合せは化合物(I)の非晶質形態、結晶質形態及び非晶質形態と結晶質形態の混合物を内含する。
「処置(治療)する」という用語は、予防的処置、すなわち、疾病の発症を遅延させること又は姑息的処置を意味し、この姑息的処置は、処置対象の疾病のいずれかの単数又は複数の病状又は症候を一部分又は全体的に緩和する、又はその進行を阻害する、又はそのさらなる進行を妨げるか、又はその進行を逆転させる。好ましいのは姑息的処置である。ヒトの患者における関節リウマチの臨床処置の効果は、抗関節リウマチ薬の規制認可のための主要な結果の指標を用いて当業者である医師によって査定され得る。米国リウマチ学会(ACR)/世界保健機構(WHO)応答者指数、ACR−20、規格は、複合評点として表わされた多数の指標における20%の改善である;例えばFelson, David T., et al., ACR、関節リウマチにおける改善の予備的定義、関節炎&リウマチ、1995年6月:38(6);727−735を参照のこと。我々の規格には、ACR−50%及びACR−70%が含まれる。医師は、ACR−20基準などを用いて患者の徴候及び症候の臨床的評価の時点でヒトの患者における関節リウマチの診断を下すことができる。関節リウマチの臨床的徴候及び症候としては、指関節、ひざなどといった関節における苦痛、膨れ、硬直、及び機能喪失が含まれる。本件の目的では、ACR−20%規格が、好ましい主要な結果の指標である。当該技術分野の通常の技量をもつ獣医師であれば非ヒト患者において関節リウマチを診断することが可能である。関節リウマチの予防的処置を必要とするヒト患者は、関節リウマチの家族歴、関節リウマチの発生についての遺伝子マーカー又は関節リウマチの早期臨床徴候及び症候をもつ者として医師により同定され得る。獣医は、同様に関節リウマチの予防的処置を必要とする非ヒト患者を同定することができる。
本発明の組合せに適用される「投与する」という用語は、異なる薬理学的に活性な構成要素の同時の又は実質的に同時の投与、及び1つの薬理学的に活性の化合物が投与され次に一定の待機期間の後もう1つの薬理学的に活性の化合物が投与される逐次的投与を内含する。該待機期間は、医師又は獣医によって容易に決定され得る。該組合せの薬学的に活性な構成要素は、任意の順で投与され得る。例えば、第1の量の1つの薬学的に活性な構成要素を第2の量のもう1つの薬学的に活性な構成要素の投与の前に、又はそれと同時に又はその後に投与することができる。
量、医薬組成物などに言及する場合「第1」及び「第2」という用語は、ここでは便宜上使用されており、該用語は本発明の方法においてその量、医薬組成物などを使用する順番又は順序を意味するわけではない。第1及び第2の量は同じであっても異なっていてもよい。
「患者」という用語は、哺乳動物を意味し、ヒト、コンパニオンアニマル例えばネコ、イヌなど、サル、チンパンジーなどの霊長類、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジなどの家畜、及びネコ、イヌ、ラット、マウス、モルモット、ハムスタ、ウサギ、サル、ブタなどの実験動物を含む。好ましい患者はヒトである。本発明のもう1つの態様においては、患者は非ヒト哺乳動物である。好ましい非ヒト哺乳動物はネコ、イヌ及びウマである。より好ましい非ヒト哺乳動物はネコ及びイヌである。
「関節リウマチ処置を必要とする患者」というのは、関節リウマチの予防的処置を必要とするすなわち、関節リウマチの発症を遅延させる必要があるか又は患者における関節リウマチのいずれかの単数又は複数の病状又は症候を緩和するか、その進行を阻害するか又はそのさらなる進行を妨げるか又は進行を逆転させる関節リウマチの姑息的処置を必要とする患者を意味する。
「組合せの治療上有効な量」というのは、処置対象の疾病を処置するために有効である該組合せの量である。関節リウマチの処置のために処置上有効な量には、患者の臨床的徴候及び症候又はACR−20評価のうちの1つの改善を一時的にでももたらすのに充分な量が含まれる。この量は、個々の構成要素での疾病の単療法治療に必要とされる量よりも少ない該組合せの個々の構成要素の量を含み得る。
メトトレキサートは、酸付加及び塩基付加塩を含む薬学的に許容される塩を形成する能力をもつ。メトトレキサートの全ての薬学的に許容される塩形態が、本発明の範囲内に含み入れられる。科学文献では、薬学的に許容される塩のタイプ及びその一般的調製が記述されている。例えばBerge, S. M. et al., 「薬学的塩」J. of Pharma. Sci. 1977:61:1を参照のこと。
メトトレキサートの薬学的に許容される酸付加塩としては塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、リン酸などといった無機酸から誘導された塩、並びに脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンニ酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸などの有機酸から誘導された塩が含まれる。従ってかかる塩には、硫酸塩、ピロ流酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜流酸塩、硝酸塩、リン酸塩、モノリン酸水素塩、ジリン酸水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが含まれる。同様に考慮されているのは、アルギン酸塩といったようなアミノ酸及びグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩とのメトトレキサート塩である。
メトトレキサートの酸付加塩は従来の要領で塩を生成するのに充分な量の所望の酸とメトトレキサートを接触させることによって調製可能である。塩基と酸付加塩を接触させ従来の要領でメトトレキサートを単離することによって、酸付加塩をメトトレキサートへと転換し戻すことができる。
メトレキサートの薬学的に許容される塩基付加塩には、ナトリウムカチオン(Na+)、カリウムカチオン(K+)、マグネシウムカチオン(Mg2+)、カルシウムカチオン(Ca2+)及び同様の塩そしてN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、クロリン、ジエタンエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインといった適切なアミンとの塩が含まれる。メトレキサートのモノナトリウム及びジナトリウム塩など、及び2価の金属カチオン対メトレキサートの比が1:1又は1:2であるメトレキサートの2価金属カチオン塩が考慮されている。
金属カチオン塩を提供するためには例えばアルカリ又はアルカリ土類金属カチオンの水酸化物といった金属カチオン水酸化物のような充分な量の所望の塩基と、又アミン塩を提供するためにはアミン特に有機アミンとメトレキサートを接触させることにより、従来の要領で塩基付加塩を調製することができる。塩基付加塩と酸を接触させ従来の要領でメトレキサートを単離させることにより、メトレキサートの塩基付加塩をメトレキサートに転換し戻すことができる。
好ましいのはメトレキサートである。さらに好ましいのはメトレキサートナトリウムである。
メトレキサート、又はその薬学的に許容される塩、又はその混合物及び化合物(1)は、水和形態及び部分溶媒和形態(すなわち化合物対溶媒のモル比1:1でない、すなわち1より大きいか又は小さい形態)を含めた、未溶媒和形態ならびに溶媒和形態で存在し得る。好ましい溶媒和物は、化合物対溶媒のモル比が1より大きいか又は1に等しい溶媒和物である。未溶媒和及び水和形態が好まれる。溶媒和形態及び未溶媒和形態は全て本発明の範囲内に包含され、その中で有用である。
本発明は、通常自然界に見られる原子質量又は質量数と異なる(すなわち天然に豊富な原子質量又は質量数と異なる)原子質量又は質量数をもつ原子によって単数又は複数の原子が置換されているという点を除いて、上述の「未標識」メトレキサート、その塩又は化合物(I)と同一である同位体標識された化合物(I)の、及び同位体標識されたメトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物の使用を内含する。考慮されている同位体の例としては、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clなどといった水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位元素が含まれる。同位体標識された化合物、例えば3H及び14Cといった放射性同位体が中に取込まれているものは、薬物及び/又は基質組織分布検定において有用である。トリチウム化すなわち3H及び炭素−14すなわち14C同位体は、それらの調製及び検出可能性の容易さのために特に好ましい。さらに、重水素すなわち2Hといったようなさらに重い同位体での置換は、例えばインビボ半減期の増大又は投薬量必要条件の低減といった、代謝安定性の増大の結果としての或る種の治療上の利点を提供することができ、従って一部の状況下で好まれ得る。一般に、化合物を調製する従来の方法において同位体標識されていない試薬に代わって容易に入手可能な同位体標識された試薬を置換することにより、同位体標識された化合物を調製することができる。
本発明の医薬組成物は、均質な及び不均質な混合物を内含する。本発明の方法は、あらゆる剤形のメトレキサート又はその薬学的に許容される塩、又はその混合物又は化合物(I)又はその両方を利用し得る。好ましいのは、化合物(I)の経口剤形であり、より好ましいのは、錠剤又はカプセル剤形である。好ましいのは、メトレキサート又はその薬学的に受容可能な塩又はその混合物の経口又は注射用剤形である。さらに好ましいのは、経口剤形である、さらに一層好ましいのは、錠剤又はカプセル経口剤形である。
薬学的に許容される賦形剤には、薬学的に許容される希釈剤、担体、安定剤及びカプセルシェル例えばゼラチンカプセルシェルといったその他の構成要素が含まれる。薬学的に許容される賦形剤の例としては砂糖例えば乳糖及び蔗糖;デンプン例えばコーンスターチ及びポテトスターチといった;セルロース誘導体例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース及び酢酸フタル酸アセテート;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;植物油例えばピーナツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びカカオ脂;プロピレングリコール、グリセリン;ソルビトール;ポリエチレングリコール;水;寒天;アルギン酸;等張食塩水及びリン酸緩衝溶液ならびに薬学的処方物中で通常用いられるその他の相容性ある物質が含まれる。本発明において利用されるべき組成物は、着色剤、着香剤及び/又は防腐剤といったようなその他の構成要素をも含有し得る。これらのその他の構成要素は、それが存在する場合、通常比較的少量で使用される。適切な薬学的に許容される担体は炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココナツバターなどである。
本発明のもう1つの態様は、(i)メトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物及び第1の薬学的に許容される賦形剤を含む第1の医薬組成物、(ii)化合物(I)及び第2の薬学的に許容される賦形剤を含有する第2の医薬組成物及び(iii)関節リウマチ処置を必要とする患者において関節リウマチを処置するために該第1及び第2の医薬組成物を使用するための説明書、を含むパッケージにおいて、第1の医薬組成物と第2の医薬組成物がその他の薬理学的に活性な構成要素を全く含んでいないパッケージにある。該パッケージにおいて、第1の薬学的に許容される賦形剤及び第2の薬学的に許容される賦形剤は同じ又は異なるものであり得、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物は、同じ又は異なるものである投与経路に適するものであってよい。
本発明のもう1つの態様は、メトレキサート又はそのN−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又はその混合物、化合物(I)及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物において、その他の薬理学的に活性な構成要素を全く含んでいない医薬組成物である。
本発明のもう1つの態様は、患者の体内の関節リウマチを処置する方法において、第1の量のメトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物、第2の量の化合物(I)及び薬学的に許容される賦形剤を含む治療上有効な量の医薬組成物を関節リウマチの処置を必要としている患者に投与する段階を含む方法にある。本発明の好ましい態様は、メトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物及び化合物(I)が本発明の組合せ又は方法の好ましい態様のうちのいずれか1つにおいて本書で記述されている通りのものである、関節リウマチの処置方法にある。
本発明のもう1つの態様は、患者の体内の関節リウマチを処置する方法において、第1の薬学的に許容される賦形剤及び第1の治療上有効な量のメトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物を含む第1の医薬組成物、及び第2の薬学的に許容される賦形剤及び第2の治療上有効な量の化合物(I)を含む第2の医薬組成物を、関節リウマチ処置を必要とする患者に別々に投与する段階を含む方法にある。この方法においては、第1の薬学的に許容される賦形剤及び第2の薬学的に許容される賦形剤は同じであっても異なるものであってもよく、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物は、同じ時点又は異なる時点でそして同じ又は異なる経路で患者に投与されてよい。本発明の好ましい態様は、関節リウマチの処置方法において、メトレキサート又はその薬学的に許容される塩又は混合物及び化合物(I)が本発明の組合せ又は方法の好ましい態様のうちのいずれか1つの中で本書に記載されているとおりのものである方法にある。
本発明のもう1つの態様は、基本的に第1の量N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又はその薬学的に許容される塩又はその混合物、及び第2の量のN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドから成る組合せの、患者の体内の関節リウマチを処置するための薬剤の製造における使用にある。好ましい使用は、患者がヒトである場合である。
本発明の方法に従ったヒトの患者における関節リウマチの処置方法の中でのメトレキサートナトリウムの治療上有効な量は標準的に、平均体重のヒトの患者において1mg〜30mgである。かかる処置用のメトレキサートナトリウムの好ましい量は2.5mg、5.0mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg又は30mgであり、同様に好ましいのは1mg〜25mg又は1mg〜20mgである。ヒトの関節リウマチを処置するためのメトレキサート又はそのナトリウム以外の薬学的に許容される塩又はその混合物の好ましい治療上有効な量は、0.0050モル、0.010モル、0.015モル、0.020モル、0.030モル、0.040モル又は0.060モルのメトレキサート又はその塩又はその混合物を提供することになる量である。かかる治療上有効な量は、好ましくは、週毎の投与向けである。週間量は分割して7日間にわたり複数分量で投与することができる。例えば一週17.5mgの用法・用量を7回2.5mgずつの投薬量に分割し、これらをその一週間にわたり毎日投与することができる。分割された週間量はさらに、任意の24時間周期にわたるサブ分量の投与用に細分割され得る。例えば、一週15mgの投薬量を3日おきの投与のための2回7.5mg分量に分割し、各7.5mg部分を12時間毎の投与用に3回2.5mg分量に細分割し、かくして各7.5mg分量がそれ自体の24時間周期以内で投与されるようにすることができ、この24時間周期は3日おきである。メトレキサートからの休薬日が、本発明の中に含み入れられている。非ヒト患者を処置する場合、週間投与されるメトレキサートナトリウムの治療上有効な出発量は0.1mg/kg〜1mg/kgである。その後、獣医は任意には、特定の処置対象の非ヒト患者についての最適な量を見い出すためにメトレキサートナトリウムの量を増大させることができ、この最適な量は最高10mg/kg/週であり得る。獣医は非ヒト患者を処置する上で、任意にはメトレキサート又はそのもう1つの薬学的に許容される塩の治療上有効な出発モル等量を使用することができる。
本発明の方法に従ってヒトの患者の体内の関節リウマチを処置する方法における化合物(I)の治療上有効な量は、標準的に1mg〜30mgである。化合物(I)の好ましい治療上有効な量は、1mg〜20mg、1mg〜15mg、又は1mg〜8mgである。化合物(I)のより好ましい治療上有効な量は2mg、4mg又は8mgである。かかる治療上有効な量は好ましくは、毎日の投与向けである。一日量を分割して24時間周期にわたる分量で投与することができる。好ましいのは、BID投与である;より好ましいのはQD投与であるが、より回数の多い又は少ない投与も本発明の範囲内に入る。化合物(I)の休薬日が、本発明の中に含み込まれている。例えば、化合物(I)のための投薬計画は、21日間のBID投与とそれに続く7日間の休薬日となり、医師が適切と判断するだけの長さで反復できる28日の投薬計画を得ることができる。代替的には、化合物(I)は、処置が中止されるまで中断無く連続して投与可能である。化合物(I)は、絶食した患者(例えば投与前後2時間以内に飲食無し)に対して、又は好ましくは絶食していない(すなわち摂食した)患者に対して投与可能である。一日一回の治療上有効な量の化合物(I)の投与は、QD投薬を意味し、一方一日2回の治療上有効な量の化合物(I)の投与は、BID投薬を意味する。非ヒト患者を処置する場合には、化合物(I)の治療上有効な出発量は体重1kgあたり0.01mg〜0.1mgである。その後、獣医が、処置対象の特定の非ヒト患者にとっての最適な量を発見するべく化合物(I)の量を任意で増加させることができ、この最適な量は最高1mg/kg/日であり得る。
メトレキサート及び化合物(I)の両方からの休薬日が本発明の中に含み入れられる。例えば、投薬計画は化合物(I)のBID投薬と21日間のメトレキサートナトリウムの週2回投薬、そしてそれに続く7日間の化合物(I)及びメトレキサートナトリウムの両方からの休薬日となり、医師が適切と判断するだけ長く反復できる28日の投薬計画を得ることができる。
何が本発明の方法における治療上有効な量を構成するかを見極めるにあたっては、一般に医師又は獣医は自らの経験をかんがみ、数多くの要因を考慮することになる。これらの要因には、例えば、FDA指針、公開された臨床研究結果、処置対象の特定の患者、その患者の年令、性別、体重及び全身的健康状態ならびに処置中の疾病のタイプ及び程度、該当する場合には患者によるその他の薬物療法の使用、利用されている特定の処方物及び投与経路が含まれる。従って、投与された用量は、本書に記されている範囲内に入ってもよいし、或いは又これらの範囲を下回っても又は上回ってもよい。特定の状況のための適切な用量の決定は、日常的作業であり、医師又は獣医の通常の技量の範囲内に入る。一般に、特定の患者について最適よりも低い薬理学的に活性な構成要素のより少ない投薬量を用いて処置を開始することができる。その後、この投薬量を、この状況下での受容可能な効果が達成されるまで少ない増分で増加させることができる。
メトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物、及び化合物(I)は、バルク形態又は単位剤形で処方可能である。好ましくは、本発明の医薬組成物は単位剤形をしている。単位剤形で、薬学調製物は、薬理学的に活性な構成要素(単複)を適量含有する単位用量に細分割される。単位剤形は、包装された調製物であり得、この包装は、小包錠剤、カプセル及びバイアル又はアンプル中の粉末といった離散的量の調整物を収納している。同様に、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシュ剤又は口中錠自体であり得、又は包装された形態での適切な数のこれらのいずれかであり得る。単位投薬量処方物は、処置対象の疾病又は障害のための薬理学的に活性な構成要素を治療上有効な量より少ない量だけ収納しており、かくして1つの疾病を処置するために患者に対し2つ以上の単位投薬量の投与を必要とする可能性がある。投薬量単位形態のいくつかの例としては錠剤、カプセル、丸薬、粉末、水溶液及び非水性経口溶液及び懸濁液、及び、1つ又はいくつかのより多数の投薬量単位を収納し個々の用量に細分割できるコンテナに包装された非経口溶液がある。
本発明の医薬組成物においては、薬理学的に活性な構成要素の合計百分率は広い限界内で変動し得るが、実践的な目的では、好ましくはそれは固体組成物中では少なくとも約5重量%、一次液体組成物中では少なくとも2重量%である。最も満足のいく組成物は、薬理学的に活性の構成要素がはるかに高い割合例えば約95重量%で存在する組成物である。異なる投与経路は、異なる量、投薬量又は百分率を必要とする可能性がある。
経口投与に適している本発明の薬学組成物としては、錠剤、カプセル、粉末、丸薬、口中錠、水性懸濁液又は水溶液、溶融処方物などが含まれる。好ましいのは錠剤又はカプセルである。該薬学組成物は、薬理学的に活性な構成要素(単複)がその他の担体を伴って又は伴わずにカプセルシェルによってとり囲まれているカプセルを提供する、カプセルシェルといったような封入材料を伴う薬理学的に活性な構成要素(単複)の処方物を内含する。固体形態の調製物が好ましい。
注射による投与に適した薬物組成物としては、水溶液、無菌水又は生理食塩水中で溶解させることのできる凍結乾燥された粉末などが含まれる。獣医用途では、イヌのための好ましい治療組成物としては、任意には処置対象のイヌの食物又は飲料水に対し添加すべき、溶液、懸濁液、エマルジョン、逆エマルジョン、エリキシル剤、抽出物、チンキ剤及び濃縮物から成る群から選択された摂食可能な液体経口的剤形が含まれる。既定量の水の中に溶解させるように濃縮物液体形態を処方することができ、この溶液からアリコート量をひき出してイヌに直接投与するか又はイヌの食物又は飲料水に対し添加することができる。
その他の好ましい医薬組成物は、薬理学的な活性な成分の遅延、持続及び/又は制御放出を提供する。制御放出形態は、異なる半減期をもつ薬理学的に活性な構成要素を有する本発明の組合せを処方する場合に特に有用である。薬理学的に活性な構成要素の各々について異なる放出時間を有する制御放出形態を調製することができ、この形態は比較的均等な投薬を可能にする。
非ヒト患者の場合には、医薬組成物は同様に、薬理学的に活性な構成要素が飼料組成物中に一緒に存在する薬用飼料剤形をも内含する。
医薬組成物を調製するための方法は当業者にとっては既知であるか、又は本開示に照らし合わせて明白となり日常的に決定されることであろう。例えば、本発明の医薬組成物を調製するための方法は、Remington's Phamaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 第19版(1995年)及び6巻シリーズ中、Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations, CRC Press, Boca Raton, Florida(2004)の中で記述されているものの中から適合させることができる。
粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カシュ剤、座薬、口中錠及び分散性顆粒などの固体形態調製物を固体担体で処方することができる。固体担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤又は封入材料として作用しうる単数又は複数の物質であり得る。錠剤中では薬理学的に活性の構成要素は、適切な割合で必要な結合特性をもつ担体と混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。粉末中では、担体は、細かく分割された薬理学的に活性の構成要素との混合物の形をした細かく分割された固体である。
経口用途に適した水溶液は、水中に薬理学的に活性な構成要素を溶解させ、適切な着色料、芳香剤、安定化剤及び増粘剤を所望通りに添加することにより調製可能である。
経口用途に適した水性懸濁液は、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びその他の周知の懸濁剤といった粘性材料と共に水中に細かく分割した薬理学的に活性の構成要素を分散させることにより作ることができる。
液体形態の調製物としては例えば水、生理食塩水又は水プロピレングリコール溶液といった溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。非経口注射のためには、生理食塩水及び水性ポリエチレングリコール溶液といったような溶媒を用いて、液体調製物を処方することができる。静脈内投与又は注射による投与に適した粉末を凍結乾燥させることができる。同様に含まれているのは、注射又は経口投与のための液体形態調製物へと使用直前に転換するよう意図された固体形態調製物である。かかる液体形態には、溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。これらの調製物は、薬理学的に活性の構成要素(単複)に加えて、着色料、芳香剤、安定剤、懸濁液、人口及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有し得る。
メトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物及び化合物(I)は、錠剤、カプセル、粉末、溶液などの経口摂取又は注射すなわち静脈内、筋内、皮内、皮下、十二脂腸内又は腹腔内注射などといった異なる経路によって投与可能である。外科的に移植されたポンプからの動脈内輸液といったような連続的投与も考慮される。
メトレキサート、又はそのN−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又はその混合物の好ましい投与経路は、経口又は注射によるものである。さらに好ましいのは経口である。化合物(I)の好ましい投与経路は経口である。しかしながら、処置対象の特定の身体条件に応じて化合物の別の投与経路が好まれる可能性もある。経皮パッチによる局所投与は、例えば持続全身性投薬を行なうことが望まれる場合に好まれる可能性がある。
さらに本発明に従うと、メトレキサート又はその薬学的に許容される塩又はその混合物及び化合物(I)の実質的に同時の投与又は逐次的投与が提供されている。逐次的投与は、任意の順序でかつ異なるものの規則的かつ連続的な投薬スケジュールに従って実施することができ、かくして個々の複数の構成要素が患者に対し同時に投与されなくても、処置対象患者の体内でこれらの薬理学的に活性の構成要素の治療上有効な血漿レベルが維持されることになる。
メトレキサートはSigma-Aldrich Company., からSigmaカタログ品番M9929(USPグレード、無水)及び品番A6770((+)−アメトプテリン三水和物)として市販されている。
化合物(I)の調製については、現在許可されている米国特許出願公開第2004/0054172号及びその対応する米国特許出願公開第10/333,399号の中で記述されている。化合物(I)の調製は、同様に2005年6月14日に出願された米国仮特許出願第60/690,620号の中でも記述されている。
化合物(I)の多形体第I、II及びIV型の調製については以下で、及び米国特許出願公開第10/969,681号及びその対応するPCT国際特許出願公開第WO2005/040098号の中で記述されている。
調製物1:N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミド(多形体第I型)
ステップA:窒素雰囲気下の乾燥テトラヒドロフラン(500mL、0.2M)中の3,4−ジフルオロ−2(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)安息香酸(39.3g、100.0mmol)に対して、(R)−O−(2,2−ジメチル−[1.3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ヒドロキシルアミン(14.7g、100.0mmol)とそれに続いてN−メチルモルホリン(27.5mL、0.25モル)を添加した。オレンジ色の溶液を氷水浴で冷却した。塩化ジフェニルホスフィン(22.9mL、0.12モル)を滴下により添加した。一定の固体が形成した。混合物を周囲温度まで暖め18時間攪拌した。反応を急冷するために水を添加し、テトラヒドロフランを真空下で回転蒸発させた。残留した油を酢酸エチル(500mL)中に溶解させ、飽和塩水及び飽和重炭酸ナトリウムの混合物(1:1)で2回洗浄した。酢酸エチルを除去し粗製油状固体をフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン−アセトン/2:1)により精製して、20時間40℃の真空オーブン内で乾燥した後オフホワイトの固体としてN−((R)−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミド)−ベンズアミドを得た。41.7g(79.8%)、m.p.(融点)124〜125℃。不純画分を組合せ同じ条件を用いて第2のカラムクロマトグラフィによって精製し、6.4g(12.3%)、mp124〜125℃、合計収量48.1g(92.1%)の第2のバッチを得た。
Figure 2007106762
ステップB:メタノール(223mL、10mL/g)中にN−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミド)−ベンズアミド(22.3g、42.7mmol)を懸濁させ、水(22.3mL)中のpTsOH・H2O(4.1g、21.35mmol)の溶液を添加した。混合物を18時間周囲温度で攪拌し、その間全ての固体が溶解して無色の透明溶液を得た。溶液を濃縮し、酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。有機溶液を重炭酸ナトリウムで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。ろ過の後、ろ過物を濃縮し、ヘプタンで同時蒸発させて、発泡性固体を得た。この固体に対してヘキサン−CH2Cl2(1:1、100mL)を添加し、混合物を30分間攪拌した。白色固体が形成し、これをろ過しヘキサンで洗浄した。この固体をヘキサン−AcOEtから再結晶化させて、3日間60℃の真空オーブンで乾燥させた後白色結晶、13.57g(65.9%)としてN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドを得た。同じ溶媒系からの再結晶化の後、母液から5.05gの第2の収獲を得た。合計収量は18.62g(90.4%):m.p.89−90℃(多形体第I型)であった。組合わされた結晶を乳鉢と乳棒セットで細かい粉末になるまですりつぶし、3日間真空オーブン内で60℃で乾燥させた。融点117〜118℃(形態1);[α]=−2.05°(c=1.12、メタノール);分析:C16143124についての計算値:C、39.85;H、2.93;N、5.81;F、11.82;I、26.32。実際値:C、39.95;H、2.76;N、5.72;F、11.71;I、26.53。
Figure 2007106762
調製物2:N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミド(多形体第II型)
ステップA:−15℃で窒素雰囲気下の乾燥テトラヒドロフラン中の3,4−ジフルオロ−2(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)安息香酸(2.25g、5.10mmol)に対して、塩化ジフェニルホスフィン(1.26mL、6.63モル)を滴下にて添加した。20分間攪拌した後、N−メチルモルホリン(0.70mL、6.375mmol)を添加し、反応をさらに20分攪拌した。(R)−O−(2,2−ジメチル−[1.3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ヒドロキシルアミン(0.748g、5.1mmol)を添加し、反応を1時間攪拌し、その時点で、N−メチルモルホリン(0.7mL、6.37mmol)を添加した。混合物を周囲温度まで暖め、12時間攪拌した。真空下で反応を濃縮し、次にEtOAcで希釈した。有機層を飽和NaHCO3(2回)、塩水(1回)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。溶離剤として4:1のヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲル上で粗製生成物を精製して、1.82g(68%)のN−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミド)−ベンズアミドを褐色がかった赤色固体として得た。
ステップB:10:1のメタノール/H2O中でN−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミド)−ベンズアミド(0.210g、0.40mmol)を懸濁し、pTsOH・H2O(0.008g、0.04mmol)を添加した。混合物を18時間周囲温度で攪拌し、その間全ての固体が溶解して無色透明の溶液が得られた。溶液をEtOAcで希釈させた。有機溶液を重炭酸ナトリウム(2回)と塩水(1回)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。ろ過の後、ろ過液を濃縮し、EtOAc及びヘプタンから再結晶化させた。この固体をヘプタン−CH2Cl(1:1)で洗浄し、60℃で真空下で乾燥させて、白色固体(0.136g、70%)としてN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミド(多形体第II型)を得た。生成物は90.8℃で縮み、115〜117℃で融解する。分析は、C40.92、H3.16、N5.41、F11.30、I23.92(6.75% EtOAc、0.96%ヘプタン)を示している。
調製物3:N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミド(多形体第IV型)
窒素雰囲気下で3,4−ジフルオロ−2(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)安息香酸(2.6kg、6.6mol)及びN,N’−カルボニルジイミダゾール(1.1kg、6.8モル)の入ったフラスコに対し、12Lの乾燥アセトニトリルを添加した。約90分間22°±5℃で攪拌した後、トルエン中の(R)−O−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ヒドロキシルアミン溶液を添加した(8.5Lの合計体積、約8モルのアミン)。22°±5℃で少なくとも6時間溶液を攪拌した。塩酸水(9L、1.5モル)を添加し、約5分間攪拌した後、層を分離させた。残留最上層に塩酸水(9L、1.5モル)を添加し、約20時間攪拌した後、層を分離した。減圧蒸留により残留最上層を濃縮し、その後15Lのトルエン及び2Lのエタノールで希釈した。混合物を35〜45℃まで暖め、20Lの温水で希釈し、次に0°〜5℃まで冷却した。ろ過により生成物を採集し2Lのトルエンで洗浄した。12Lのトルエンと2Lのエタノール(50°±5℃)の中で溶解させ、10Lの水を添加し、0〜5℃まで冷却させることにより、生成物を再結晶化させた。ろ過により生成物を採集しトルエンで洗浄した後、生成物を真空オーブン内で乾燥させ、結果として2.6kgのN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドを得た。異なる結晶形態の混合物であったこの化合物24kgを、20〜30時間35±5℃で1Lのエタノール及び10Lの水の混合物中で攪拌し、次に25±5℃まで冷却した。生成物をろ過により採集し、1Lの水で洗浄し、次に65℃で真空オーブン内で乾燥させた。この結果、90%超が多形体第IV型である2.3kgの材料が得られた。注:DSC分析は、110℃での融解開始を示し、117℃での融解開始はピークの少量にすぎない。
化合物(I)の多形体第IV型のX線回折パターンをCuKα放射線でのRigaku Ultima+回折計上で測定した。6位置のオートサンプラーを備えたIBMコンパチブルインタフェースを伴うRigaku Ultima+回折計、ソフトウェア=Rig Meas v2.0(Rigaku, 1995年12月)及びJADE3.1(Materials Data, Inc)。CuKα放射線(40mA、40kV、λ=1.5419Å)。0.5°のスリットI及びII、0.3°のスリットIII。連続θ/2θ結合型走査:2θ内で3.00°〜45.00°、走査速度0.2°/分:15.0秒/0.05°ステップ。試料はバイアルから引き出されアルミニウムホルダー内のゼロバックグラウンドシリコン上でプレスされる。試料幅5mm。試料は室温で保管し走行させた。試料をデータ収集中垂直軸のまわりで40rpmでスピンさせた。
表1は、2シータ(「2θ」)で表わされた化合物(I)の多形体第IV型についてのX線粉末回折パターン、d間隔又はd(Å)、及びCuKα放射線を用いたRigaku Ultima+回折計上で測定された10%の相対強度でのピーク面積あたりの相対強度を列挙を列挙している。
Figure 2007106762
実験1:活性化されたMEK1及びMEK2の阻害、及び酵素特異性
化合物(I)は、インビトロでMEK1及びMEK2の選択的阻害物質であることが示された。MEK1の活性化形態MEK1−S218D/S222Dについての化合物(I)のKiappは1.1±0.2nMであり、一方MEK2の活性化形態MEK2−S222D/S226Dについての化合物(I)のKiappは0.79±0.2nMであった。化合物(I)は同様に、活性化B−Raf、未活性化ME1及びERK1が存在した「カスケード」検定の中でもテストされた。このカスケード検定では、活性化B−RafがMEK1をリン酸化し、活性化し、活性化されたMEK1が今度はERK1をリン酸化する。読出しはERK1のリン酸化である。MEK1の未活性化又は活性化形態のいずれかに結合する阻害物質がこの検定を阻害し得る。化合物(I)についてのKiappは、カスケード検定において0.90±0.09nMであった。化合物(I)のキナーゼ特異性は27のキナーゼ酵素パネルに対比させて評価した。チロシンキナーゼならびに多数のセリン/トレオニンキナーゼで構成されたこのパネルは、10μM濃度の化合物(I)による阻害に対して不応性であった。従って、化合物(I)は、その他のキナーゼに比べ特異性の非常に高いMEK1及びMEK2阻害物質であると思われる。
例2:化合物(I)の遺伝毒性学及び安全性
さまざまな遺伝毒性学及び安全性薬理学(心臓血管、中枢神経系(CNS)及び肺)研究において、化合物(I)が検討されてきた。ラット、イヌ及びサルにおいて一般的毒物学研究が実施されてきた。大部分の研究は、強制飼養によるQD経口投薬を使用したが、少数の研究ではIV投与が用いられた。ラット及びイヌにおいて決定的な毒物学研究が実施され、ここでは化合物(I)が1カ月間強制飼養QDにより経口投与され、その後1カ月の逆転期間が続いた。
ラット毒物学研究では、脈管構造及びさまざまな軟組織のその後の石化(すなわち全身的石化)を伴うカルシウム及びリンホメオスタシスの時間及び用量依存性の調節不全が観察された。この毒性は、致死的用量の投与、毒性を作り出したラット内のものを超える曝露及びSKpERKレベル(MEKの基質)の70%超の抑制、にもかかわらず、イヌ及びサルにおいては見られなかった。化合物(I)で処置されたラットの体内に見られた血清カルシウム及びリン代謝の調節不全は、全身的石化の開始前に起こり、1,25−ジヒドロキシビタミンDの血漿濃度の著しい上昇と相関関係をもつと思われる。毒物学データに基づくと、ラットはこの毒性に対してのみ感作性をもつと思われる。胃腸管毒性はイヌ及びサルにおいて用量制限的であり、ヒトの患者においては化合物(I)の用量制限的毒性であると予測される。化合物(I)での第I相臨床試験における患者の安全性を確保するためには、プロトコルに、カルシウム及びリンの代謝における早期異常を検出することに焦点を合わせた集中的監視の計画が取り込まれ、血清リン及びカルシウム調節の有意な異常は全く見られなかった。
前臨床研究における一次的化合物(I)毒性は、胃腸管(ラット、イヌ及びサル)、皮膚(ラット、イヌ及びサル)、肝臓(ラット)、骨(ラット)、及び全身的石化(ラットのみ)に対するものであった。胃腸管の粘膜に対する損傷は、非ゲッ歯類において用量制限的毒性であった。安全性薬理学研究の結果は一般に平凡なものであった。化合物(I)は、ラットでのインビボ小核研究における染色体異常誘発性についての潜在性を示した。
化合物(I)の前臨床研究(化合物(I)を受けたイヌ及びサルのプルキニュの血管像及びHERGインビトロ検定及びECG査定)は、QT/QTc延長又は不整脈のリスクを示さなかった。第I相研究内に取込まれた全身的ECG評価は、有意なQT/QTc効果の証拠を全く実証しなかった。試験に登録した全ての患者には、ECGsを実施することが求められる。MEK阻害物質の試験に登録した少数の患者が、研究薬物に対する関係が未知である駆出分画の目覚しい減少を発生させた。この試験においては多重ゲート獲得走査での駆出分画の監視が行なわれた。
この研究の第I相部分の間に40人の患者を化合物(I)で処置した。28日のサイクルの中で1〜21日目に1mgQDから30mgBIDに至る用量上昇が実施された。その後56日についての連続投薬がテストされた。見られた薬物関連毒性は、座瘡様の発疹、粘膜炎、視界不良、意識混濁、浮腫、下痢及び疲労を含んでいた。グレード1〜3の座瘡様皮膚発疹は、用量関連型パターンで発生し、30mgBIDでDLTであった。発疹は一日につき50〜100mgの塩酸ミノサイクリンで管理された。薬物関連のものでありうる2回の失神発作が発生し、30mgBIDでDLTとみなされた。視界不良及び後光を含めたグレード1〜2の過渡的かつ可逆的な視覚効果が、用量レベル又は患者の特徴に関連する識別可能なパターン無く見られた。これらは標準的に、薬物サイクルのさらに後期、サイクル間休薬日の間及び後続するサイクルの間ではさほど重症でなかった。1人の患者が片側性視覚減少を発生させ、対側眼の眼科検査では全く異常がないのに、一方の眼の中に同位性神経円板浮腫及び網膜内出血を有することがわかった。全ての用量レベルで、間欠的に、グレード1−2依存性の顔面浮腫が見られた。グレード1−2の下痢がみられた。下痢は、塩酸ロペラミド処置に対し良好に応答した。30mgBIDの用量で2人の患者に、グレード1−2の意識混濁及び運動失調が見られたが、患者の同時疾患から見て、該意識混濁及び運動失調が薬物に関連するものであったか否かは明らかでない。1mgBIDでの予め存在したうっ血性心不全の悪化が1症例と、20mgBIDでの新たに開始した最小限の症状しか示さないうっ血性心不全の1症例が見られ、それらは化合物(I)との関係が明らかでないものであった。
最大投与用量(MAD)は30mgBIDであり、MTDは、28日サイクル内の21日の投薬でDLTグレード3の座瘡状皮膚発疹の6症例のうち1例に2次的に20mgBIDそしてDLT失神(CTC AE3.0によるグレード3)の6症例のうちの2例が30mgBIDにあるものと判定された。6人の付加的な患者のコホートが2回の28日サイクル(合計56日)内で20mgのBID連続投薬のコホート上に取上げられた。このコホート内では、1人の患者がグレード3の座瘡状発疹のDLTを発生させ、4人の患者が第2のサイクルの間の肝臓機能試験において上向きの傾向を示した。かくして、20mgのBIDは連続投薬計画においてMTDより上であるとみなされ、後続する患者は15mgBIDの連続的投薬で処置された。
実験3:進行癌を有するヒトの患者における化合物(I)の第I相臨床研究
第I相/第II相研究の間、42人の癌患者が、化合物(I)で処置されてきた。乳癌、結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)又はメラノーマを有する患者において28日サイクルの1〜21日目で1mgQDから30mgBIDに至る経口用量上昇を実施した。28日サイクル内での連続的投薬についてその後テストした。
実験4で記述されているようにサイクル1の15日目及びベースライン(BL)でのpERKについて、及び実験5で以下に記述している通りKi67の量について、免疫組織化学(IHC)により腫瘍組織を査定した。全ての患者において1日目及び21日目に、又同様に両方向交差食物効果構成要素に参加する患者においてサイクル2の1日目に、薬物動態(PK)試料を得た。ラット体内で観察された対応する軟組織石化を伴う高い血漿リンに起因して、血清カルシウム、リン及び(Ca×P)生成物が密に監視された。
見られた薬物関連毒性は、座瘡様の発疹、粘膜炎、視界不良、意識混濁、浮腫、下痢及び疲労を含んでいた。グレード1〜2の座瘡様皮膚発疹は、有意な一部分の患者において発生し、15mgBID超の用量でグレード3の発疹が見られた。この発疹は、一日に50〜100mg与えられたミノサイクリンで管理された。薬物関連のものでありうる2回の失神発作が発生し、30mgBIDでDLTとみなされた。視界不良及び後光を含めたグレード1〜2の過渡的かつ可逆的な視覚効果が、報告された。これらは標準的に、薬物サイクルのさらに後期、サイクル間休薬日の間及び後続するサイクルの間ではさほど重症のものでなかった。全ての用量レベルで、間欠的に、グレード1−2依存性の顔面浮腫が見られた。グレード1−2の下痢が見られ、塩酸ロペラミドに対し良好に応答した。
MADは、30mgBIDであり、28日サイクルの21日間投薬した場合のMTDは、DLTグレード3座瘡状皮膚発疹の6症例のうち1例に二次的に20mgBID、そして28日サイクルの21日投薬でDLT失神(CTC AE3.0によるグレード3)の6症例のうちの2例が30mgBIDにあるものと決定された。各々6人の患者のコホートがその後20mgbid及び15mgbidで処置され、投薬は28日サイクル全体にわたり連続的なものであった。各コホート内の1人の患者にDLTが見られた(グレード3、座瘡状皮膚発疹)。
処置された42人の患者のうち、2人の部分的応答(メラノーマ)及び安定した疾患をもつ10人の患者が報告された。血清(Ca×P)産物に対する顕著な効果は全くなかった。
実験4:化合物(I)での処置を受けた患者からの対合連続生検標本中のリン酸化ERKタンパク質(p−ERK)の免疫組織化学分析
(MAPキナーゼ又はMAPKとしても知られている)ERKタンパク質は、MEKキナーゼ活性のための基質であり、かくしてERKタンパク質のリン酸化の減少は、MEK活性の減少の指標である。ERKのリン酸化状態は、リン酸化部位特異的抗体を利用して、抗体ベースの検出方法を通して査定可能である。化合物(I)での処置を受けた癌患者の臨床研究においては、処置開始直前及び化合物(I)での毎日の投薬の14日目において生検標本が採集された。生検は、切除又はコア針生検手順のいずれかに敏感に反応する腫瘍病巣から採集され、組織標本は直ちに定着のため10%の中性緩衝ホルマリン溶液内に入れられた(通常はホルマリン中で6〜8時間、ただし24時間以内)。定着した組織は次に70%のエタノール溶液に移され、p−ERK及び増殖マーカーKi67の免疫組織化学(IHC)分析のため組織病理学検定実験所に提出された(実験5)。生検組織は、標準的な組織処理の後パラフィン包埋した。p−ERKの検出のために用いられた抗体は、Sigma-Aldrich Co. によって製造されたマウスモノクローナル抗−MAPキナーゼ(活性化)抗体であった(カタログ番号:M8159)。この抗体は、MARKのジリン酸化形態(ERK−1及びERK−2の両方の形態)と特異的に反応する。パラフィンブロックから調製された組織切片を、検出手順に先立ち熱誘発型抗原賦活化条件(120℃で3分)で予備処理した。DAB Chromogenを色原体として、切片に結合した抗体の視覚化のためにDAKO Envisionプラスキットを使用した。(ヘマトキシリン対比染色での)染色手順においては、Biogenex Autostainer系を用いた。個々の切片中の染色の程度を、各切片内の腫瘍細胞内の相対的染色色強度に基づく評定を用い、病理学者の再検査により査定した(バイオマーカー評価に先立ち、各生検組織からのヘマトキシリン−エオシン染色したスライドを用いて、与えられた生検標本中に腫瘍細胞が存在したか否か及びどの程度まで存在したかを評価した;腫瘍含有量がほとんど又は全く観察されなかった組織は該分析中に含み入れられなかった)。染色強度は0〜3+までのカテゴリにまとめられ、0はほとんど又は全く染色無しであり、3は最も高い染色であった。各切片についての最終的評点を、以下のように計算されたH評点の形で提供した:3×(3+染色の細胞%)+2×(2+染色の細胞%)+1×(1+染色の細胞%)。各々の生検標本について、2つの切片を分析し、これらの平均をp−ERKH−評点としてとり上げた。H評点に加えて、陽性細胞の合計%も記録した。同じ患者からの処置後生検と処置前生検の比較を、以下の公式を用いH−評点に基づいて計算して[((前−後)/前)×100のマイナス]、化合物(I)での処置に付随するp−EPKの百分率差を得た。
実験5:化合物(I)での処置を受けたヒト癌患者からの対合連続生検標本における細胞増殖マーカーKi67の免疫組織化学分析
実験4で記述したp−EPK染色のために分析されたものと同じ生検標本を同様に、免疫組織化学により検出可能なKi67の量について査定した。Ki67マーカーは、細胞増殖の指標とみなされ、かくしてKi67染色レベルの減少を抗癌剤の腫瘍活性と相関させることが可能である。パラフィン包埋された生検組織からの組織切片を、Ki67検出手順に先立ち、熱誘発型抗原賦活化(この場合、3分間の電子レンジ加熱)で前処理した。使用された抗体は、Novocastra Laboratories Ltd 製のマウスモノクローナルKi67/MM1であった(カタログ番号;NCL−Ki67−MM1)。DAB Chromogen を色原体として、切片に結合した抗体の視覚化のためにBiogenex Supersensitive DAB/HRP検出キットを使用した。(ヘマトキシリン対比染色での)染色手順においては、Biogenex Autostainer 系を用いた。個々の切片中の染色の程度を、各切片内の腫瘍細胞内の相対的染色色強度に基づく評定を用い、病理学者の再検査により査定した。染色強度の評定は、各切片について生成されるH−評点で、p−ERK検定の場合と同じ要領で実施した。Ki67については、各々の生検標本について、1つの切片のみを検定した。p−EPKの場合と同じ要領で、化合物(I)に付随するKi67評点の百分率差を計算した。
実験6:進行癌患者に対する多数回経口用量の後の化合物(I)の薬物動態(PK)、薬力学(PD)及び製品代謝
ヒト内での初めての第I相/第II相試験では、さまざまな進行充実性腫瘍を有する患者が28日サイクル内の21又は28日間にわたり化合物(I)(QD又はBID)で経口にて処置される場合に開放標識、用量上昇設計が利用された。薬物動態データが最初の38人の対象について提示される。用量上昇は、1mgQDからそして1mgBIDから30mgBIDに至るまで実施された。56日間の20mgBIDでの連続的投薬をその後テストした。
親化合物(I)、その主要代謝産物化合物(II)、すなわち
Figure 2007106762
及びN−[(S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミド(化合物(III))すなわち、
Figure 2007106762
である化合物(I)のS−鏡像異性体の薬物動態評価のため、サイクル1の1日目及び21日目及びサイクル2の1日目に連続血液試料を採集した。化合物(I)のPKに対する食物の効果を16人の患者について評価した(サイクル1及び2の1日目)。
EDTを抗凝血剤として用いてヒトの血漿中の化合物(I)、化合物(III)及び化合物(II)を定量するためにタンデム質量分析検出を伴う液体クロマトグラフィ方法を使用した。化合物(I)及びその立体異性体化合物(III)ならびに代謝産物化合物(II)を液体/液体抽出によりEDTA処置されたヒト血漿から単離させた。分析まで、血漿試料を20℃で保管した。分析は、多重反応監視を用いて負イオンモードでLC/MS/MSにより行なう。化合物(I)、化合物(III)及び化合物(II)についての定量範囲は0.100〜100ng/mLであった。この検定には、0.200mLの血漿アリコートが必要であった。以下の手順を用いることによって試料を抽出した。
試料の抽出:
0.650mLの95:5メチル−t−ブチルエーテル/エチルアルコール、v/vを添加した。
1分間マルチチューブボルテックスマシンを用いて渦流処理した。このステップをさらに3回反復した。
渦流処理ステップの後、4000rpmで20分間4℃で遠心分離した。
遠心分離の後、約0.550mLを1mLの96ウェルのポリプロピレン平板に移した。
30℃〜35℃で窒素下にて乾燥するまで蒸発させた。
0.1%の酢酸を含む0.075mLの70:30メタノール/水で試料を戻した。
1分間マルチチューブボルテックスマシンを用いて渦流処理した。
4000rpmで5分間遠心分離した。
液体クロマトグラフィ計器内に1〜10μLの試料抽出物を注入した。
クロマトグラフィ条件:
分析カラム:CHIRALPAK AD−RH、0.46×15cm、5μ。
ガードカラム:Meta Guard 2.0mm Polaris C18−A、5μ
移動相:移動相A:水中0.1%の酢酸、v/v
移動相B:アセトニトリル/イソプロパノール、90:10、v/v
移動相A/移動相B:17:83
ニードルフラッシュ溶媒:アセトニトリル/イソプロパノール/水/酢酸:300:300:400:1、v/v/v/v。
注入ループ:50μL
ポンププログラム:定組成
流速:0.750mL/分
カラム温度:35℃
注入体積:1〜10μL
近似的保持時間:化合物(I)、2.6〜3.2分
化合物(III) 3.2〜3.8分
化合物(II) 2.7〜3.3分
質量分析法:
質量分析計:Sciex API4000
イオン化モード:ターボイオンスプレー/マイナスイオンモード
獲得モード:MRM
休止時間:5ms
問題の質量:
Figure 2007106762
実行時間:カラム条件に応じて6.0又は12.0分
定量:
ピーク面積を測定するためにPE Sciex Analystソフトウェア(バージョン1.2)を使用した。データ削減のためにはWatson LIMS(バージョン6.4、0.04、CPL#63)を使用した。1/(濃度)2の加重回帰分析を適用することにより試料を定量する。
WINNONLINプロフェショナルエディション(バージョン4.1)を用いて非区画式方法により薬物動態パラメータを決定した。0〜24時間(AUC0-24)の濃度−時間曲線の下の面積を計算するために、ライナー台形方法を使用した。血漿濃度−時間曲線内の終末期の半減期(t1/2)をt1/2=0.693/λzから計算した。なおλzは、最後の3つの濃度データポイントを用いて線形回帰によって推定された(r2>0.9)。濃度データを検査することで最大観察濃度(Cmax)を得た。Cmaxへの到達時間は、Cmaxが観察されデータの検査によって得られる最初の時間であった。投薬前濃度(Ctrough)は、濃度データを検査することによって得られた。定常状態における平均濃度(Css,avg)は、毎日投薬間隔(24時間)で21日目のAUC0-24を除したものから計算された。
以下の結果は、公称採集時間及び品質管理されているが品質保証されていない生物分析データを用いて推定された、38人の対象からの予備薬物動態パラメータに基づいている。
表2中に化合物(I)の予備血漿薬物動パラメータが提示されている。飢餓状態で投与された化合物(I)は急速に吸収され、ピーク血漿濃度は投薬後1〜2時間以内に発生する。飢餓条件の下で、ピーク血漿レベル(Cmax)及び曲線下面積(AUC)は両方共、1mgQD又はBID−30mgBIDの範囲内でほぼ用量に比例していた。血漿濃度は、一般に5〜14時間の範囲にある排除血漿半減期と共に減退した。21日の多重経口BID投薬の後、化合物(I)のAUCは1.1〜2.2の累積比でわずかに増加した。化合物(I)の薬物動態の対象間での変動性を、この対象集団において評価した。飢餓状態でのAUC(0-24)についての全体的変動係数(CV)は39%であった。
Figure 2007106762
経口投与の後、化合物(I)の主要循環代謝産物は化合物(II)であった。化合物(II)のAUCは、ヒトの血漿中の化合物(I)の一回投薬及び多数回投薬の後の親のおよそ66%及び120%(中央値)であった。化合物(II)の予備血漿薬物動態バラメータは表3に要約されている。飢餓条件下の化合物(I)の経口投与の後、化合物(II)のAUC及びCmaxは両方共、一般に、1mgQD又はBID〜30mgBIDの範囲内の用量で増大した。化合物(II)の末期血漿半減期は、親薬物のものよりも長かった。21日の多数回BID投薬の後、化合物(II)のAUCは2.0〜5.0倍増大した。
Figure 2007106762
サイクル1の1日目(C1D1)及びサイクル2の1日目(C1D2)にパイロット食物効果評価を実施した。16人の対象がパイロット食物評価を完了し、そのデータは表4に提示されている。化合物(I)が高脂肪食と共に摂取された場合、ピーク血漿レベルは、Cmaxの減少と共に約2〜7時間遅延された、これは化合物(I)の吸収速度が食物摂取により低減されることを示唆していた。しかしながら化合物(I)AUCに対する食物の効果は可変的であった。摂食状態でのAUC(0-24)についての変動係数(CV)は、78%で、飢餓状態の場合の約2倍であり、このことは食物摂取が対象間薬物動態変動性を増大させることを示していた。
Figure 2007106762
化合物(I)は、精製(R)−鏡像異性体として投薬された。(R)−(すなわち化合物(I))からS−鏡像異性体(すなわち化合物(III))へのインビボ相互転換は、8つの異なる投薬計画を通して24人の対象において評価された。サイクル1の21日目におけるAUCについての平均(S)対(R)比は低く0.03(CV38%)であった。これは、1mgのBIDコホートからの各々12及び21%の比をもつ2つの外れ値対象を除外している。
要約すると、癌患者における化合物(I)の血漿薬物動態は、投薬から1〜2時間以内にピーク濃度が発生する、急速な吸収、一般に用量に比例する曝露の変化及び5〜16時間の排除半減期を特徴としている。食物は、化合物(I)のピーク血漿濃度を減少させると思われたが、AUCに対する効果は可変的であった。主要循環代謝産物化合物(I)についての血漿薬物動態は親に比べより長い半減期及び最高120%高い血漿曝露によって特徴づけられていた。
MEK1/MEK2活性(pERK)及び細胞増殖(Ki67)のPDマーカーは、ベースラインと15日目(投薬から2〜4時間後)に得られた腫瘍生検における定量的免疫組織化学によって査定された。1mgのQD又はBIDから30mgのBIDまでの範囲内の異なる用量の投薬計画全体にわたり、強いTMpERK抑制が観察された。進行中の研究から収集されている結果において、平均pERKの減退は、ベースラインとの関係において全ての用量(N=23)にわたり68%であり、2mgのBIDから30mgのBID(N=20)まで75%であった。ベースラインpEPK評点が20を超えるケースのみが考慮される場合、平均pERKの減退は、1mgQDから30mgBID(N=19)の全ての用量グループ全体にわたり63%であり、2mgBIDから30mgBID(N=14)までは74%であった。この用量範囲全体にわたり同様にKi67が割当てられた。平均Ki67の減退は、1mgQDから30mgBID(N=22)の用量範囲全体にわたり31%であり、2mgBIDから30mgBIDまで(N=19)は46%であった。ベースラインKi67評点が20を超えるケースのみが考慮される場合、平均Ki67減退は全ての用量グループ(N=18)に全体にわたり39%であり、2mgBIDから30mgBIDグループ(N=13)にわたり49%であった。腫瘍生検におけるpERKのこれらの調査の結果として、化合物(I)がテストされた全ての用量、特に2mg以上の用量で腫瘍中のpERKレベルの抑制を導くということが示された。増殖マーカーKi67は同様に、処置後の腫瘍の減退及び類似の用量を示した。表5は第I相/第II相研究についてのデータを表わしている。
Figure 2007106762
例1:関節リウマチのインビボ処置及び死に対する防御コラーゲンで誘発させた関節炎のマウスモデルを用いた実験において、メトレキサート、USP(Sigmaカタログ番号M−9929)及び化合物(I)は、浮腫を阻害し、臨床評点を改善させた。化合物(I)は、メトレキサート単独での処置を受けた一部のマウスについて見られた死から、該組合せで処置されたマウスを防御した。
この実験では、ウシII型コラーゲン(ユタ大学)を2mg/mLの濃度まで0.01Nの酢酸で希釈し、混合物を1mg/mLのヒト型結核菌Hra37で補足された等体積のフロイント完全アシュバント(Difco, Detroit, Michigan)で乳化させた。年令をマッチングした(8〜12週)雌のDBA/1マウス(Harlan, UK)を、尾の付け根の皮内で100μLのエマルジョン(100μgのコラーゲン)で0日目に免疫化した。27日目にマウスの体重を測定した。メトレキサートと化合物(I)を用いた経口投薬は27日目に開始し、41日目又は42日目まで続行した。メトレキサートを一週間に3回、つまり月曜、水曜及び金曜の予定で投与し、化合物(I)を投薬周期中にQDで投与した。媒質対照マウスには媒質(HPMC/Tween-80)のみを投与し、正常な対照マウスには何にも投与しなかった。免疫化後28日目に、マウスに100μLの生理食塩水中で50μgのLPS(Sigma Aldrich, St. Louis, Missouri)を腹腔内(IP)で投与した。以下の尺度を用いて各動物の各々の肢に臨床評点を与えることにより、27、31、34、37及び41日目に関節炎の発生を査定した;(0)正常、(1)紅斑(すなわち異常な皮膚の発赤)及び浮腫(すなわち、流体の異常な収集に起因した膨れ)、(2)関節のねじれ又は(3)関節の硬直(すなわち関節の凝り又は固定)。前足及び後足上の浮腫の測定を、定張カリパスを用いて行なった(Dyer, Lancaster, Pennsylvania)。42日目に再びマウスの体重を測定した。10mgのメトレキサートグループ(すなわちグループNo.5)以外の全てのグループにおいて42日目に、血漿試料を、42日目の用量から1時間(3匹より)、3時間(2匹より)、7時間(2匹より)後に、そして41日目の用量から24時間後(2匹より)に採集した。10mg/kgのメトレキサートグループ内で42日目までに、3匹の動物が死亡し、従って、42日目の用量から1時間(2匹)、3時間(2匹)、7時間(1匹)後に、及び41日目の用量から24時間(1匹)後に血漿試料を採集した。24時間の血漿試料を提供する動物には、42日目に投薬しなかった。各々の残った生存マウスを安楽死させ、その肝臓を採集し、1つの前関節と1つの後関節を10%の緩衝ホルマリン中で固定させ、1つの前関節と1つの後関節を液体窒素中で瞬間冷凍させた。同じくグループ毎の死亡数を報告する表6中で示されているマウスをグループにまとめた。
Figure 2007106762
該実験からのデータは、図1〜12にグラフによって表示され、又表6に数値的に示されている。図1〜4は同様に足の浮腫のAUC%Inhについて記しており、図5〜8は27日目から41日目までについての平均合計臨床評点の減少のAUC%Inhを記している。統計学的意義は、スチューデントt検定を用いて決定された。データは、化合物(I)とメトレキサートの組合せがマウスにおける関節リウマチの処置において有効であることを示し、かつ化合物(I)がメトレキサートで処置されたマウスを死から防御し、メトレキサートに関連した体重減少を阻害することを表わしている。
化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と足の浮腫の変化の関係をグラフ表示し、足の浮腫のAUC%Inhを記している。 化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と足の浮腫の変化の関係をグラフ表示し、足の浮腫のAUC%Inhを記している。 化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と足の浮腫の変化の関係をグラフ表示し、足の浮腫のAUC%Inhを記している。 化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と足の浮腫の変化の関係をグラフ表示し、足の浮腫のAUC%Inhを記している。 化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と平均合計臨床等級の変化の関係をグラフ表示し、平均合計臨床等級の減少のAUC%Inhを記している。 化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と平均合計臨床等級の変化の関係をグラフ表示し、平均合計臨床等級の減少のAUC%Inhを記している。 化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と平均合計臨床等級の変化の関係をグラフ表示し、平均合計臨床等級の減少のAUC%Inhを記している。 化合物(I)単独、メトトレキサート単独、化合物(I)とメトトレキサートの組合せ及び媒質及び正常な対照を用いたマウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの実験日数と平均合計臨床等級の変化の関係をグラフ表示し、平均合計臨床等級の減少のAUC%Inhを記している。 マウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの対照動物グループと各処置についての体重変化をグラフ表示する。 マウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの対照動物グループと各処置についての体重変化をグラフ表示する。 マウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの対照動物グループと各処置についての体重変化をグラフ表示する。 マウスコラーゲン誘発型関節炎実験からの対照動物グループと各処置についての体重変化をグラフ表示する。

Claims (8)

  1. 第1量のN−[4−[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又は薬学的に許容されるその塩又はその混合物及び第2量のN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドから本質的になる治療上有効な量の組合せを含む、関節リウマチ処置を必要とする患者における関節リウマチの治療用医薬組成物。
  2. 前記患者がヒトであり、そして前記第1量が1mg〜30mgであり、そして前記第2量が1mg〜30mgである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. N−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸又は薬学的に許容されるその塩がN−[4−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸ナトリウムであり、そして前記第1量が1mg〜20mg又は1mg〜25mgである、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記第2量が1mg〜15mgである、請求項3の記載の医薬組成物。
  5. 前記第2量が1mg〜8mgである、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 前記第2量が2mg、4mg、又は8mgである、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記第2量が1日1回投与で2mg、4mg又は8mgであるか又は1日2回投与で1mg、2mg又は4mgである、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. N−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドがN−[(R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンズアミドの多形体第IV型である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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