JP2007106725A - 気分障害改善用組成物 - Google Patents

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【課題】 安全性の高い植物抽出物の中から気分障害改善作用を有し、かつ子宮重量を増大させない物質を見出し、それを有効成分とする気分障害改善用組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の気分障害改善用組成物は、リンデンフラワー抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。また、本発明の気分障害改善用組成物は、リンデンフラワー抽出物から単離したアフゼリン、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド及びケンフェロール−3−O−ルチノシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上のフラボノイド類を有効成分として含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、気分障害改善用組成物に関し、より詳細には、うつ病、躁うつ病、更年期障害又はエストロゲン分泌量低下に起因する気分障害改善用組成物に関する。
身体的・精神的疲労、生活リズム及び人間関係の歪み等のストレスや更年期は、不安感や焦燥感の原因となり、情緒障害、睡眠障害、摂食障害、他人とのコミュニケーション障害等といった症状を呈する気分障害を生じさせることが知られている。特に女性が更年期になると、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が低下し、それにより気分障害が生じることが知られている。
このような気分障害の予防・治療効果を有する物質として、カカオ等由来のトリプタミン誘導体(特許文献1参照)、羅布麻抽出物由来のフラボノイド化合物(特許文献2参照)、ジヒドロピリジン(特許文献3参照)、ムイアプラマエキス(特許文献4参照)等が知られている。また、更年期又はエストロゲン分泌量低下による気分障害をエストロゲン補完療法により治療する方法が知られている。しかし、エストロゲン補完療法は、エストロゲン分泌量低下による気分障害を改善することはできるが、エストロゲンを補完することにより子宮内膜が増殖して子宮重量が増大してしまい、子宮内膜症、子宮体ガン等の一因となるという問題がある。
なお、リンデンフラワーにはフラボノイド類が含有されていることが知られており(非特許文献1参照)、肝臓機能保護作用(非特許文献2参照)、抗酸化作用(非特許文献3,4参照)等を有することは知られているが、気分障害改善作用を有することは知られていなかった。
特開2003−137780号公報 特開2002−201139号公報 特許第2701042号公報 特開2000−119187号公報 松田等,天然有機化合物討論会講演要旨集,2000,第42巻,p.469−474 Bioorganic & Medicinal Chemistry,2002年,第10巻,第3号,p.707−712 Phytotherapy Research,2002年,第16巻,第4号,p.364−367 International Journal of Food Sciences and Nutrition,2001年,第52巻,第6号,p.501−508
本発明は、安全性の高い植物抽出物の中から気分障害改善作用を有し、かつ子宮重量を増大させない物質を見出し、それを有効成分とする気分障害改善用組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の気分障害改善用組成物は、リンデンフラワー抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。また、本発明の気分障害改善用組成物は、リンデンフラワー抽出物から単離したアフゼリン、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド及びケンフェロール−3−O−ルチノシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上のフラボノイド類を有効成分として含有することを特徴とする。
ここで、本明細書において「気分障害」とは、精神障害の1種であり、気分障害の症状としては、例えば、喜怒哀楽の感情表出の異常;憂鬱感、悲壮感、罪責感、絶望感等の抑うつ気分;精神運動制止;不安焦燥感;睡眠障害、食欲不振、***減退、便秘、口渇、頭痛等の身体症状等が挙げられ、気分障害を改善することにより、これらの症状を改善することができる。
前記気分障害は、うつ病、躁うつ病、更年期障害、及びエストロゲン分泌量低下からなる群より選ばれる少なくとも1種に起因する気分障害であることが好ましく、また、前記組成物は、医薬組成物、飲食品組成物又は化粧料組成物であることが好ましい。
本発明の気分障害改善用組成物は、うつ病、躁うつ病、更年期障害又はエストロゲン分泌量低下に起因する気分障害を、子宮重量を増大させることなく改善することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明の気分障害改善用組成物は、リンデンフラワーからの抽出物、又は当該抽出物から単離したアフゼリン、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド及びケンフェロール−3−O−ルチノシドからなる群より選ばれる1種若しくは2種以上のフラボノイド類を有効成分として含有する。
ここで、本発明において「抽出物」には、リンデンフラワーを抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本発明において使用する抽出原料は、リンデンフラワーである。リンデンフラワーとは、シナノキ科に属するリンデン(学名:Tilia plantyphillos,Tilia cordata,Tilia europaea,Tilia argentea)の小葉がついた花のことをいう。抽出原料としてのリンデンフラワーは、採取した花部及び新鮮葉部、並びにそれらを乾燥させたもの又は焙煎させたもののいずれを使用してもよいが、乾燥させた花部及び葉部、又は焙煎させた花部及び葉部を使用するのが好ましい。
気分障害改善作用を有する抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、リンデンフラワーから得ることができる。例えば、上記リンデンフラワーを乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより、気分障害改善作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、上記植物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10〜90質量部を混合することが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。
このようにして得られる抽出液は、気分障害を改善する作用を有するため、そのまま本発明の組成物の有効成分として使用することができるが、当該抽出液の濃縮物、又は抽出液を分画・精製して得られるフラボノイド類を使用することが好ましい。
ここで、フラボノイド類とは、2つのフェニル基がピラン環又はそれに類似した構造の3つの炭素原子を介して結合している物質群をいい、カルコン、ジヒドロカルコン、フラバノイ、フラボン、フラボノール、フラバノノール、フラバノール、イソフラボン、アントシアン類を含むものである。リンデンフラワー抽出物に含まれるフラボノイド類としては、例えば、チリロシド、アフゼリン、ケンフェロール−3−O−アラビノピラノシド、アストラガリン、ケンフェロール−3−O−ルチノシド、ケンフェロール−3,7−O−ジラムノシド、イソクェルシトリン、クェルシトリン、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド、ナリンゲニン−7−O−グルコピラノシド等が挙げられ、これらのうち、アフゼリン、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド及びケンフェロール−3−O−ルチノシドよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のフラボノイド類を気分障害改善用組成物の有効成分として使用するのが好ましい。
抽出液からのフラボノイド類の分画・精製には、例えば、多孔性吸着樹脂、イオン交換樹脂、シリカゲル、逆相シリカゲル、ゲルろ過等の公知の方法を単独又は組み合わせて利用することができる。
フラボノイド類は公知の方法に従って化学合成することができ、化学合成したフラボノイド類を本発明の組成物の有効成分として使用することもできる。
フラボノイド類は、安全性の高い食用可能な天然物に含有される物質であるので、その製造方法の種類を問わず、長期間服用しても安全である。
本発明の組成物において、改善の対象となる「気分障害」は精神障害の一種であり、気分障害の症状としては、例えば、喜怒哀楽の感情表出の異常;憂鬱感、悲壮感、罪責感、絶望感等の抑うつ気分;精神運動制止;不安焦燥感;睡眠障害、食欲不振、***減退、便秘、口渇、頭痛等の身体症状が挙げられ、気分障害を改善することにより、これらの症状を改善することができる。
気分障害は、いかなる原因によって生じる気分障害であってもよい。改善の対象となる気分障害としては、例えば、うつ病又は躁うつ病に起因する気分障害、更年期障害に起因する気分障害、エストロゲン分泌量低下に起因する気分障害等が挙げられる。
「更年期障害」は、女性が老年期(特に、月経が不規則になり、月経がなくなる閉経期前後の時期)に差しかかるのに伴って生じる様々な身体的・精神的な不調である。更年期障害は、卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌状態が乱れ、このホルモンの分泌の変調により引き起こされるものと考えられており、エストロゲン欠乏が、月経異常;血管反応性の変化によるほてり及びのぼせ;うつ状態、不眠等の精神症状異常;泌尿生殖器異常等の身体的・精神的な不調を生じさせるとともに、骨粗鬆症、高脂血症、動脈硬化等を生じさせるものと考えられる。
「エストロゲン分泌量低下」は、例えば、更年期に生じ得るが、エストロゲン分泌量低下の原因はこれに限定されるものではない。
更年期障害に起因する気分障害及びエストロゲン分泌量低下に起因する気分障害には、一般にエストロゲン補充療法が利用されるが、エストロゲン補充療法では子宮重量が増大するという問題が生じる。これに対して、リンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類は、子宮重量を増大させることなく、更年期障害に起因する気分障害及びエストロゲン分泌量低下に起因する気分障害を改善することができる。したがって、本発明の組成物は、エストロゲン補充療法の代替手段として有用である。
気分障害改善用組成物の形態は、気分障害の改善効果を発揮し得る限り、内用又は外用のいずれの形態であってもよく、その具体例としては、医薬組成物、飲食品組成物、化粧品組成物等が挙げられる。
各組成物の組成は、その形態に応じて適宜調節することができる。
医薬品組成物は、例えば、気分障害の改善に有効な量のリンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類の単独で構成されていてもよいし、薬学的に許容され得る担体及び/又は助剤(例えば、結合剤、吸収促進剤、滑沢剤、乳化剤、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、着色剤、香料、甘味料、増量剤、希釈剤、分散剤等)を配合することにより製剤化されていてもよい。医薬品組成物の剤形としては、例えば、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、軟膏、ゲル、ペースト、クリーム、噴霧剤、溶液剤、懸濁液剤等が挙げられ、その投与経路としては、経口投与の他、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、関節内投与、膣内投与等の非経口投与が挙げられる。
飲食品組成物は、気分障害の改善に有効な量のリンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類に、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を配合することにより製造することができる。
また、飲食品組成物は、気分障害の改善に有効な量のリンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類を任意の飲食品に配合することにより製造することもできる。ここで、「飲食品」とは、栄養素を1種以上含む天然物及び加工品であり、あらゆる飲食物を含む。リンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類を配合し得る飲食品としては、例えば、チョコレート、ビスケット、飴菓子等の菓子類;ジュース等の清涼飲料、牛乳、ヨーグルト等の乳酸飲料等が挙げられる。
化粧品組成物は、気分障害の改善に有効な量のリンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類に、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素消去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を配合することにより製造することができる。
また、化粧料組成物は、気分障害の改善に有効な量のリンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類を任意の化粧料に配合することにより製造することもできる。リンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類を配合し得る化粧料は特に限定されないが、その具体例としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤、リップクリーム、口紅等の皮膚化粧料が挙げられる。
本発明の組成物の投与量及び投与頻度は、年齢、性別、個人差、病状、投与経路等に応じて適宜変更することができるが、本発明の組成物の投与量は、有効成分であるリンデンフラワー抽出物又は当該抽出物から単離されるフラボノイド類の量に換算して、1日あたり通常0.1〜500mg/kg体重、好ましくは0.5〜200mg/kg体重であり、1日量を1回から数回程度投与することができる。
以下、製造例及び試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
〔製造例1〕リンデンフラワー抽出物の製造
乾燥したリンデンフラワーを粉砕し、その粉砕物1kgに50質量%エタノール10Lを加え、80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。抽出残渣について同様の抽出処理をし、得られた抽出液をあわせて、50℃にて減圧濃縮した。その後、40℃にて一晩減圧乾燥し、リンデンフラワー抽出物248gを得た。
〔製造例2〕リンデンフラワー抽出物の画分の調製
製造例1で得られたリンデンフラワー抽出物(固形分211g)を多孔性吸着樹脂(商品名:ダイヤイオンHP−20,三菱化学社製)を充填したカラムに付し、水、60質量%メタノール、メタノールの順で溶出させた。水画分、60質量%メタノール画分、メタノール画分の各画分から溶媒を減圧下で留去し、水画分128g、60質量%メタノール画分61g、メタノール画分13gを得た。
〔製造例3〕フラボノイド類の単離
製造例2で得られたメタノール画分(11g)の固形分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、リサイクル分取HPLCにて順次処理して分画し、チリロシド(91mg)、アフゼリン(15mg)、ケンフェロール−3−O−アラビノピラノシド(43mg)、アストラガリン(195mg)、ケンフェロール−3−O−ルチノシド(21mg)、ケンフェロール−3,7−O−ジラムノシド(37mg)、イソクェルシトリン(80mg)、クェルシトリン(153mg)、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド(145mg)及びナリンゲニン−7−O−グルコピラノシド(34mg)のフラボノイド類を得た。
なお、これらのフラボノイド類の同定は、NMR解析により行った。NMR解析により得られたNMRスペクトルデータを文献値(チリロシド・アストラガリン:「Chemical and Pharmaceutical. Bulletin.」,1978年,第26巻,p.3594-3596,アフゼリン:「Phytochemistry」,1980年,第19巻,p.2643,ナリンゲニン−7−O−グルコシド:「Phytochemistry」,1978年,第17巻,p.1064,クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド・ケンフェロール−3−O−アラビノピラノシド・クェルシトリン・ケンフェロール−3−O−ルチノシド・イソクェルシトリン:「Tetrahedron」,1978年,第34巻,p.1389-1397,ケンフェロール−3,7−O−ジラムノシド:「Turkish Journal of Chemistry」,2000年,第24巻,p.191-197)と比較した結果を表1に示す。
Figure 2007106725
〔試験例1〕マウスの強制遊泳試験
製造例1で得られたリンデンフラワー抽出物について、以下のようにして強制遊泳試験を行った。強制遊泳試験は、リンデンフラワー抽出物の水性懸濁液を、75mg/kg/day,150mg/kg/day,300mg/kg/day,450mg/kg/dayの割合で2週間投与し、Porsolt等の方法(Porsolt et al.,Nature,266:730-732,1977)及び吉村等の方法(吉村・山川,脳の科学,22:49-54,2000)に準拠して行った。
試験動物としては、ICR系雌性マウス(9週齢,体重30〜34g)の両側卵巣を摘出した閉経モデル動物を用いた。マウスは、すべて1ゲージに10匹群居飼育し、1週間に1回床敷きを交換した。麻酔下に両側卵巣を摘出後、覚醒したマウスは元のホームゲージに戻した。試験期間中、餌及び水を自由摂取させ、室温23±1℃、12時間の明暗サイクルで一定期間飼育した。
実験群として、正常群、偽手術群及び手術群を設定した。
「手術群」とは、ペントバルビタール麻酔下に、マウスの背腹部を約5mm切開し、卵巣及び卵巣周辺部の脂肪組織を一時的に体外に露出させ、卵巣と子宮端部との間で結紮した後、卵巣を切除し、その後、子宮及び周辺組織を体内に戻し、腹壁及び皮膚を縫合した動物群である。
「偽手術群」は、手術群と同様に開腹した後、卵巣を切除することなく縫合した動物群である。
「正常群」は、麻酔及び外科的侵襲を受けない動物群である。
手術群のマウスに、卵巣を摘出した日から強制遊泳試験終了までの2週間、毎日1回各試料を経口投与した。正常群及び偽手術群には水のみを2週間経口投与した。また、手術群に水のみを経口投与した群を、被検査物質の効果を比較するための対照群とした。
強制遊泳試験は、透明のポリカーボネート製のメスシリンダー(内径:10cm,高さ:25cm)に25℃の水を入れ、底面から10cmの位置に水面を合わせた。各実験動物(マウス)を1匹ずつ静かにメスシリンダー内に入れ、6分間遊泳させた。ビデオシステムを用いて記録し、その後、イベントレコーダーを操作することにより2分目から6分目までに不動状態で浮遊している時間を計測した。
結果を表2に示す。
Figure 2007106725
表2に示すように、リンデンフラワー抽出物の水性懸濁液を投与した群では、卵巣摘出により延長された不動時間が有意に短縮された。このことから、リンデンフラワー抽出物は、うつ状態等に起因する気分障害を改善する作用を有することが確認され、その作用は、用量依存的であることが確認された。
〔試験例2〕マウスの子宮重量の測定
製造例1で得られたリンデンフラワー抽出物について、以下のようにして子宮重量を測定した。
試験例1にて不動時間の観察を終了した後、マウスを過量のペントバルビタール(100mg/kg以上)を投与して呼吸停止に至らしめ、屠殺し、開腹して子宮を摘出した。摘出した子宮をろ紙上に展開して付着する奨膜及び血管を除去した後、直ちに湿重量を化学天秤にて秤量した。
結果を表3に示す。
Figure 2007106725
表3に示すように、リンデンフラワー抽出物を投与した群では、子宮重量の増大は認められなかった。
〔試験例3〕強制遊泳試験
製造例1で得られたリンデンフラワー抽出物、製造例2で得られたリンデンフラワー抽出物の各画分、及び製造例3で得られたフラボノイド類について、以下のようにして強制遊泳試験を行った。
製造例1で得られたリンデンフラワー抽出物、製造例2で得られたリンデンフラワー抽出物の各画分、及び製造例3で得られたフラボノイド類を水に懸濁させて調製した水性懸濁液を、それぞれ2週間経口投与して、試験例1と同様にしてマウスの強制遊泳試験を行った。
結果を表4に示す。
Figure 2007106725
表4に示すように、リンデンフラワー抽出物、60質量%メタノール画分、メタノール画分、アフゼリン、ケンフェロール−3−O−ルチノシド及びアビクラリンを投与した群では、不動時間が有意に短縮された。このことから、リンデンフラワー抽出物、60質量%メタノール画分、メタノール画分、アフゼリン、ケンフェロール−3−O−ルチノシド及びクェルセチン−3−O−アラビノピラノシドは、うつ状態等に起因する気分障害を改善する作用を有することが確認され、その作用は、用量依存的であることが確認された。
〔試験例4〕子宮重量の測定
試験例3にて不動時間の観察を終了した後、マウスを過量のペントバルビタール(100mg/kg以上)を投与して呼吸停止に至らしめ、屠殺し、開腹して子宮を摘出した。摘出した子宮をろ紙上に展開して付着する奨膜及び血管を除去した後、直ちに湿重量を化学天秤にて秤量した。
結果を表5に示す。
Figure 2007106725
表5に示すように、リンデンフラワー抽出物、60質量%メタノール画分、メタノール画分、各種フラボノイド類(チリロシド、アフゼリン、ケンフェロール−3−O−アラビノピラノシド、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド、アストラガリン、ナリンゲニン−7−O−グルコピラノシド、クェルシトリン、ケンフェロール−3,7,O−ジラムノシド、ケンフェロール−3−O−ルチノシド又はイソクェルシトリン)を投与した群では、子宮重量の増大は認められなかった。
本発明の組成物は、うつ病又は躁うつ病に起因する気分障害、更年期障害に起因する気分障害、エストロゲン分泌量低下に起因する気分障害の改善に有用である。

Claims (4)

  1. リンデンフラワー抽出物を有効成分として含有することを特徴とする気分障害改善用組成物。
  2. リンデンフラワー抽出物より単離したアフゼリン、クェルセチン−3−O−アラビノピラノシド及びケンフェロール−3−O−ルチノシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上のフラボノイド類を有効成分として含有することを特徴とする気分障害改善用組成物。
  3. 前記気分障害が、うつ病、躁うつ病、更年期障害、及びエストロゲン分泌量低下からなる群より選ばれる少なくとも1種に起因する気分障害であることを特徴とする請求項1又は2に記載の気分障害改善用組成物。
  4. 前記組成物が、医薬組成物、飲食品組成物又は化粧料組成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気分障害改善用組成物。
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