JP2007094240A - トナー及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦削れを防止する硬質な表面保護層を有する有機系感光体を備えた画像形成装置において、画像の高品質化及び感光体の長寿命化を図り、長期にわたり良好な画質を維持することができるようにする。
【解決手段】トナーを、トナー母体に脂肪酸金属塩からなる潤滑剤を外添してなるものとする。特に潤滑剤が、他の外添剤に先立ってトナー母体に外添されるものとする。さらに潤滑剤の配合割合が、平均粒径6μmでの上限値0.30%及び下限値0.07%と、平均粒径9μmでの上限値0.20%及び下限値0.05%とをそれぞれ結ぶ直線近似式で上限値及び下限値が規定される領域内にあるものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真プロセスにおいて感光体上の静電潜像を現像するトナー及びこれを用いた画像形成方法に関し、とりわけ、DLC(Diamond-Like Carbon:ダイヤモンド様炭素)などの硬質な表面保護層を有する感光体を備えた画像形成装置に好適なトナー及びこれを用いた画像形成方法に関するものである。
電子写真プロセスで用いられる感光体では、コストや無公害性などの利点からOPC(Organic Photoconductor:有機感光体)が普及しているが、このOPCは、a−Si感光体などの無機系のものに比較して耐摩耗性に劣ることから、表面保護層を形成して長寿命化を図ることが行われており、このような表面保護層としては、ポリエステルやシリコーン樹脂などによるもの、金属酸化物をバインダ樹脂中に分散させたもの、プラズマCVD法などで形成されるDLCによるものがある。
一方、トナーの流動性を向上させるなどの目的で、結着樹脂及び着色剤などからなるトナー母体に種々の外添剤が添加されており、この種の外添剤に関する技術として、例えばOPCの劣化により生じる画像品質の低下を抑制するため、トナーに添加した潤滑剤をOPCに付着させ、さらにOPCへの潤滑剤の供給を安定化するためにOPCに潤滑剤を塗布する手段を設けたものが知られている(特許文献1参照)。また、均一な帯電性の維持及びトナーの流動性の向上を目的として、外添材であるシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、及び長鎖脂肪酸などの外添手順を工夫したものが知られている(特許文献2参照)。
特開2003−149995号公報 特開2004−219935号公報
しかるに、DLCによる硬質な表面保護層を有するOPCでは、DLCが必ずしもOPCの長寿命化に有効ではなく、また画ボケなどの画像品質の低下が生じる不都合がある。これは、一般的なOPCのように運転中に自然に生じるOPCの摩擦削れが生じないためである。つまり、従来OPCの適度な摩擦削れにより適切に行われていた、OPCに付着した画ボケ原因物質の除去、酸化などにより劣化した表層部分の除去、OPCに生じた傷の回復などの効果が発現できないためと考えられる。
このようにDLCによる硬質な表面保護層を有するOPCでは、実用上の多くの課題を有しており、これらの課題を解決するための技術が望まれている。これらの課題を解決する技術として、鋭意検討の結果、前記のようにトナーに加えられる外添剤、特に潤滑剤を工夫してトナーの性状をDLCに適したものにすることで、コストをさほど増大させることなく解決することができるものである。
本発明は、このような発明者の知見に基づき案出されたものであり、その主な目的は、摩擦削れを防止する硬質な表面保護層を有する有機系感光体を備えた画像形成装置において、画像の高品質化及び感光体の長寿命化を図り、長期にわたり良好な画質を維持することができるように構成されたトナー及びこれを用いた画像形成方法を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、摩擦削れを防止する硬質な表面保護層を有する有機系の感光体を備えた画像形成装置に用いられるトナーにおいて、トナー母体に脂肪酸金属塩からなる潤滑剤を外添してなるものとした。
これによると、脂肪酸金属塩からなる潤滑剤が表面保護層の表面に潤滑層を形成するため、感光体の傷を抑制することができ、また感光体への画ボケ原因物質の付着も抑制することができ、しかも展性に優れた脂肪酸金属塩により、潤滑層を極めて薄く形成することができるため、潤滑剤が原因で生じるフィルミングなどの画質低下を避けることができ、これにより画像の高品質化及び感光体の長寿命化を図り、長期にわたり良好な画質を維持することができる。
さらに請求項2に示すとおり、前記潤滑剤が、他の外添剤に先立って前記トナー母体に外添された構成とすることができる。これによると、脂肪酸金属塩からなる潤滑剤がトナー母体表面に付着し、感光体との接触により適切な量の潤滑剤が感光体に移動して、感光体の表面に極薄の潤滑層が形成され、潤滑剤が原因で生じるフィルミングなどの画質低下を確実に避けることができる。
従来技術のようにシリカ微粒子や酸化チタン微粒子などの他の外添剤を外添した後に脂肪酸金属塩を外添する後付け方式では、フィルミングが発生し、画像の高品質化を図る上で望ましくない。
さらに請求項3に示すとおり、トナー母材に対する前記潤滑剤の配合割合が、平均粒径6μmでの上限値0.30%及び下限値0.07%と、平均粒径9μmでの上限値0.20%及び下限値0.05%とをそれぞれ結ぶ直線近似式で上限値及び下限値が規定される領域内にあるものとすると良い。
潤滑剤の配合割合が、平均粒径6μmでの上限値0.30%と、平均粒径9μmでの上限値0.20%とを結ぶ直線近似式による上限ラインを超えると、潤滑剤過多でフィルミングが発生し、画像の高品質化を図る上で望ましくない。他方、潤滑剤の添加量が、平均粒径6μmでの下限値0.07%と、平均粒径9μmでの下限値0.05%とを結ぶ直線近似式による下限ラインを下回ると、潤滑剤過小で感光体に傷が発生し、感光体の長寿命化を図る上で望ましくない。
さらに請求項4に示すとおり、前記潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛であると好ましい。
他のステアリン酸金属塩、例えばステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムでは、極性が不適当であり、トナー母体の適切な負の帯電化を阻害して、非画像部にトナーが付着して生じるかぶりを発生させるため、適当でない。
また本発明による画像形成方法においては、請求項5に示すとおり、前記構成のトナー、及び摩擦削れを防止する硬質な表面保護層を有する有機系の感光体を用いた電子写真プロセスにおいて、前記感光体を均一に帯電させる帯電ローラに、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアス電圧を印加する工程を有するものとした。
これによると、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアス電圧を帯電ローラに印加するAC重畳によるローラ帯電法により生じる有機系感光体の材料劣化が表面保護層により抑制され、しかもトナーに含まれる脂肪酸金属塩からなる潤滑剤により感光体の表面に形成された極薄の潤滑層により感光体が保護されるため、画像の高品質化及び感光体の長寿命化を図り、長期にわたり良好な画質を確保することができる。
さらに請求項6に示すとおり、前記感光体の表面保護層のダイナミック硬度が80kgf/mm2〜300kgf/mm2の範囲である構成とすることができる。80kgf/mm2以下では、キズが生じ、300kgf/mm2より大きいと、製造が困難である上に画像欠陥を発生しやすいといった不具合が改善される。
このように本発明によれば、展性に優れた脂肪酸金属塩からなる潤滑剤が表面保護層の表面に潤滑層を形成し、しかもその潤滑層が極めて薄く存在するため、画像の高品質化及び感光体の長寿命化を図り、長期にわたり良好な画質を確保することができるという優れた効果を奏するものである。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明が適用される画像形成装置の概略構成を示す模式図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスにより記録紙Pに画像を形成するものであり、外周にOPCによる作像面を備えた感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1の作像面を均一に帯電させる帯電ローラ2と、感光体ドラム1の作像面に対して露光用の光束を走査して静電潜像を形成するLSU(レーザ・スキャニング・ユニット)3と、感光体ドラム1の作像面に対して現像ローラ4によりトナーを供給して静電潜像を現像する現像器5と、感光体ドラム1の作像面上に形成されたトナー像を記録紙P上に転写する転写ローラ6と、感光体ドラム1の作像面に残留するトナーを除去するクリーニングブレード7を備えたクリーニングユニット8とが設けられており、図示しない給紙部から搬送された記録紙Pが、感光体ドラム1と転写ローラ6との間に送り込まれた後、記録紙P上のトナー像を熱及び圧力により記録紙Pに定着させる定着器9を経て、図示しない排紙トレー上に排出される。
帯電ローラ2では、印加される帯電電圧が帯電電圧制御部11により制御され、現像ローラ4では、印加されるバイアス電圧がバイアス電圧制御部12により制御され、転写ローラ6では、印加される転写電圧が転写電圧制御部により制御される。帯電電圧制御部11は、交流電圧発生回路と直流電圧発生回路とを有し、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアス電圧を帯電ローラ2に印加する。感光体ドラム1は、図示しない駆動機構により図中矢印方向に回転駆動される。
現像器5には、本発明によるトナーが収容されている。このトナーは、主構成材料であるポリエステル樹脂などの結着樹脂、及びカーボンブラックなどの着色剤(顔料)と、その他必要に応じて添加される内添剤で構成されるトナー母体に、外添剤を外添処理して製造される。
内添剤としては、トナーに帯電性を付与する電荷制御剤、及び加熱溶融を促進する低融点ポリプロピレンなどのワックスなどが用いられ、外添剤としては、帯電の制御及びトナーに流動性を付与するなどの目的で、シリカ微粒子及び酸化チタン微粒子などが用いられる。
さらにここでは、外添剤として、脂肪酸金属塩からなる潤滑剤がトナー母体に外添される。特にここでは、脂肪酸金属塩からなる潤滑剤、具体的にはステアリン酸亜鉛が、他の外添剤、すなわちシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子に先立って外添される。
図2は、図1に示した感光体ドラムの要部を詳細に示す断面図である。感光体ドラム1では、アルミニウムなどからなる導電性支持体20上に、下引き層21を介して、有機系感光層を構成する電荷発生層22及び電荷輸送層23が順次積層され、さらにその上にDLCによる表面保護層24が積層された構造となっている。
電荷発生層22は、半導体レーザの発振波長領域である近赤外波長領域に吸収特性を有するフタロシアニン系顔料などの有機系の電荷発生物質及びバインダ樹脂などからなる。電荷輸送層23は、トリフェニルアミンやヒドラゾン化合物などの電荷輸送物質(電子供与性物質)及びバインダ樹脂などからなる。下引き層21は、導電性支持体20からの電荷の注入の阻止及び接着性の向上などの機能を有し、ブチラール樹脂などの樹脂材料からなる。これらの各層は、浸漬塗工法などにて薄膜状に形成される。
表面保護層24は、DLCであることが望ましく、以下のようなプラズマCVD法により形成される。
第1の処理として、水素を用いたプラズマクリーニングを行い、基体の表面に付着した不純物を脱離させる。これにより、基体表面が清浄化され、かつ、表面保護層24と電荷輸送層23との密着性が向上し、表面保護層24の剥離を防止している。
第2の処理として、炭化水素系ガスを用いて、プラズマCVD法により非晶質カーボンを形成する。膜厚は0.1μm〜2.0μmであることが望ましい。これにより、高硬度な層が得られ、耐久性が向上する。また、高い電気抵抗により絶縁層として機能させ、画像解像度を高めるようにしている。
さらに第3の処理として、水素希釈炭化水素系ガスを用いてプラズマCVD法により非晶質カーボンを形成しても良い。膜厚は0.01μm〜0.1μmが望ましい。これにより、表面の構造欠陥を少なくし、一層高い電気抵抗を示すものとなり、画像解像度をさらに向上させることができる。
なお、表面保護層24は、第1と第2の処理だけでも良く、第3の処理は、第2の処理に対する酸化処理により形成されるものでも良い。
また、表面保護層24のダイナミック硬度が80kgf/mm2〜300kgf/mm2の範囲にあることが好ましい。80kgf/mm2以下では、キズが生じ、300kgf/mm2より大きいと、製造が困難である上に画像欠陥を発生しやすい。
このように構成されたOPCにおいて、本発明によるトナーが現像器5の現像ローラ4から供給されると、トナーに含まれる潤滑剤としての脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛)が表面保護層24の表面に付着し、脂肪酸金属塩の有する優れた展性により、脂肪酸金属塩による極薄の潤滑層が表面保護層24の表面に形成される。
また、図1に示した帯電電圧制御部11により、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアス電圧が帯電ローラ2に印加されると、そのバイアス電圧のAC成分により、DLCによる表面保護層を有しない通常のOPCでは、材料劣化が急速に進行するのに対して、DLCによる表面保護層24を有するOPCでは、材料劣化が抑制され、高い耐久性が得られる。
図3は、本発明によるトナーにおける潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の配合割合の適性範囲を示している。トナーにおける潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の配合割合は、トナー母体の平均粒径の違いに応じて異なり、その適性範囲は、トナー母体の平均粒径の増大に伴って比表面積が小さくなるのに応じて小さくなる。
特にステアリン酸亜鉛の配合割合は、平均粒径6μmでの上限値0.30%及び下限値0.07%と、平均粒径9μmでの上限値0.20%及び下限値0.05%とをそれぞれ結ぶ直線近似式で上限値及び下限値が規定される領域内とすると良い。
すなわち、平均粒径6μmでの上限値0.30%と、平均粒径9μmでの上限値0.20%とを結ぶ、
直線近似式 y=−0.0333x+0.5 (式1)
が上限値を規定し、また平均粒径6μmでの下限値0.07%と、平均粒径9μmでの下限値0.05%とを結ぶ、
直線近似式 y=−0.0067x+0.11 (式2)
が下限値を規定し、両直線近似式で挟まれる領域が、ステアリン酸亜鉛の配合割合の適性範囲となる。
ステアリン酸亜鉛の配合割合が、上限値を規定する直線近似式(式1)による上限ラインを超えると、潤滑剤過多でフィルミングが発生し、他方、ステアリン酸亜鉛の配合割合が、下限値を規定する直線近似式(式2)による下限ラインを下回ると、潤滑剤過小でOPCの表面保護層24に傷が発生し、望ましくない。
以下に、本発明の実施例を説明する。ここでは特に断わらない限り「部」は、質量部を示す。
図4は、トナーに外添される潤滑剤の種類、トナー母体の平均粒径、潤滑剤の配合割合、及び潤滑剤の外添方法を種々に変更して行われた実験結果を示している。これは、図2に示した構造のDLCからなる表面保護層24を有するOPCを備えた画像形成装置を用いて、低温低湿環境(L/L)、通常環境(N/N)、及び高温高湿環境(H/H)の各環境下での、画像のかぶり、OPCのキズ、及びフィルミングの発生状態を調べたものである。
ここでは、ポリエステル系の結着樹脂100部に、カーボンブラック(三菱化学社製MA100S)8部、電荷制御剤(保土谷化学工業社製T−77)2部、ポリプロピレンワックス4部を均一混合した上で、設定温度を100℃に設定した二軸押出機で混練した後、その冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級して平均粒径6μm及び9μmのトナー母体を得た。
さらに、得られたトナー母体100重量部に、外添剤として、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤、及び疎水性シリコンオイル処理シリカ(テイカ社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。
実施例1〜4は、平均粒子径9μmのトナー母体で、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の添加量をそれぞれ0.20%、0.15%、0.10%、0.05%としたものである。潤滑剤の外添方法は、疎水性シリカなどの他の外添剤に先立って、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛をトナー母体に外添する先付け方式を採用した。これらの実施例1〜4では、画像のかぶり、OPCのキズ、及びフィルミングの各項目で良好な結果が得られた。
実施例5・6は、平均粒子径6μmのトナー母体で、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の添加量をそれぞれ0.30%、0.07%としたものである。潤滑剤の外添方法は、実施例1〜4と同様に先付け方式を採用した。これらの実施例5・6では、画像のかぶり、OPCのキズ、及びフィルミングの各項目で良好な結果が得られた。
比較例1〜4は、トナー母体の平均粒径の違いに応じた、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の配合割合の適性範囲を確認するものである。
比較例1・2は、平均粒径9μmのトナー母体で、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の含有量をそれぞれ0.25%、0.03%としたものである。比較例1ではフィルミングが発生しており、これは、潤滑剤過多で、OPCに大量の潤滑剤が付着したために生じたものと考えられる。比較例2ではOPCに傷が発生しており、これは、潤滑剤過小で、十分な潤滑効果が得られなかったために生じたものと考えられる。
比較例3・4は、平均粒径6μmのトナー母体で、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の含有量をそれぞれ0.35%、0.05%としたものである。比較例3ではフィルミングが発生しており、これは、比較例1と同様に潤滑剤過多で、OPCに大量の潤滑剤が付着したために生じたものと考えられる。比較例4ではOPCに傷が発生しており、これは、比較例2と同様に潤滑剤過小で、十分な潤滑効果が得られなかったために生じたものと考えられる。
比較例5・6・7は、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の妥当性を確認するものである。
比較例5・6は、潤滑剤にそれぞれステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸カルシウムを採用したものであり、これらの比較例5・6ではかぶりが発生している。これは、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム自体が正に帯電し、これがトナー母体に付着することで、本来であれば負となるべきトナーの帯電状態が正に変化したために生じたものと考えられる。
比較例7は、潤滑剤にステアリン酸アルミニウムを採用したものであり、この比較例7ではフィルミングが発生している。この原因は不明である。
比較例8・9は、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の外添手順で先付けを採用することの妥当性を確認するものである。
比較例8は、ステアリン酸亜鉛をトナー母体に外添する際に、シリカ等の他の外添剤と同時にステアリン酸亜鉛を外添したものであり、比較例9は、シリカ等の他の外添剤を外添した後にステアリン酸亜鉛を外添したものである。これらの比較例8・9では共にOPCや現像スリーブ等でのフィルミングが発生しており、これはステアリン酸亜鉛のトナー母体への固着が十分でないために生じたものと考えられる。
比較例10・11は、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の妥当性を確認するものである。
比較例10・11は、潤滑剤にフッ素系の樹脂微粒子であるポリフッ化ビニリデン及び4フッ化エチレンをそれぞれ採用したものであり、これらの比較例10・11では共にフィルミングが発生しており、これは展性が十分でないために生じたものと考えられる。
図5は、感光体の種類を変更して行われた耐刷試験結果を示している。これは、本発明によるトナーを用いて、表面保護層を有しないOPC(通常OPC)、シリコーン樹脂による表面保護層を有するOPC(シリコーンコートOPC)、図2に示した構造のDLCによる表面保護層を有するOPC(DLC−OPC)について、印刷枚数が30千枚、60千枚、100千枚、及び200千枚の場合の、OPCの削れ量、及び画像品質を調べたものである。ここでは、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアス電圧を帯電ローラ2に印加するAC重畳によるローラ帯電法が採用される。
表面保護層を有しないOPC(通常OPC)、及びシリコーン樹脂による表面保護層を有するOPC(シリコーンコートOPC)では、OPCに削れが発生し、また印刷枚数が60千枚や100千枚の段階で画像品質が不良となるのに対し、DLCによる表面保護層を有するOPC(DLC−OPC)では、印刷枚数が200千枚に達したところでも、OPCの削れが認められず、また画像品質も良好であり、極めて高い耐刷性能を有することが実証された。
本発明にかかるトナー及びこれを用いた画像形成方法は、摩擦削れを防止する硬質な表面保護層を有する有機系感光体を備えた画像形成装置において、画像の高品質化及び感光体の長寿命化を図り、長期にわたり良好な画質を維持することができる効果を有し、電子写真プロセスによる画像形成装置である、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機などに採用されるトナー及びこれを用いた画像形成方法などとして有用である。
本発明が適用される画像形成装置の概略構成を示す模式図 図1に示した感光体ドラムの要部を詳細に示す断面図 本発明によるトナーにおける潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の配合割合の適性範囲を示す図 トナーに外添される潤滑剤の種類、トナー母体の平均粒径、潤滑剤の添加量、及び外添方法を種々に変更して行われた実験結果を示す図 感光体の種類を変更して行われた耐刷試験結果を示す図
符号の説明
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
11 帯電電圧制御部
20 導電性支持体
21 下引き層
22 電荷発生層
23 電荷輸送層
24 表面保護層

Claims (6)

  1. 摩擦削れを防止する硬質な表面保護層を有する有機系の感光体を備えた画像形成装置に用いられるトナーであって、
    トナー母体に脂肪酸金属塩からなる潤滑剤を外添してなることを特徴とするトナー。
  2. 前記潤滑剤が、他の外添剤に先立って前記トナー母体に外添されたことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記潤滑剤の配合割合が、平均粒径6μmでの上限値0.30%及び下限値0.07%と、平均粒径9μmでの上限値0.20%及び下限値0.05%とをそれぞれ結ぶ直線近似式で上限値及び下限値が規定される領域内にあることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のトナー。
  4. 前記潤滑剤が、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のトナー。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のトナー、及び摩擦削れを防止する硬質な表面保護層を有する有機系の感光体を用いた電子写真プロセスにおいて、前記感光体を均一に帯電させる帯電ローラに、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアス電圧を印加する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記感光体の表面保護層のダイナミック硬度が80kgf/mm2〜300kgf/mm2の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
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